JP2004232334A - 難燃性ノンハロゲン系床材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面樹脂層と中間樹脂層と裏打層からなる床材であって、表面樹脂層は化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみからなる厚さ200〜1,000μmの樹脂層からなり、中間樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して無機難燃剤を100〜350重量部含有すると共に、前期樹脂成分として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが用いられ、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有してなる樹脂層からなり、かつ前記中間樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層を形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、例えば学校、病院等の公共施設やビル、マンション、家屋、商業施設等における建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌用における床材、航空機における床材等に用いられ、燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、また耐摩耗性、耐汚染性、施工性に優れた難燃性ノンハロゲン系床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−48416
【特許文献2】特開2000−110339
従来、車輌用床材としては、難燃性、耐摩耗性、耐熱性等に優れることから、塩化ビニル樹脂(PVC)や加硫ゴムからなる床材が多く採用されていた。
【0003】
しかしながら、PVC製床材は燃焼時において、多量の発煙と共に塩化水素等の有毒ガスを発生することから、火災時において避難者が該有毒ガス等を吸入してしまう等の防災上の問題、また焼却廃棄処理によっても環境汚染をもたらすという問題があった。
【0004】
更に、PVC製床材はその製造時に可塑剤等の揮発性有機化合物(VOC)を多量に含有して製造するので特有の臭気があり、シックハウス症候群の原因とも言われ環境衛生上好ましくないうえ、長年の使用により可塑剤が揮発減量して床材としての柔軟性が低下するという問題や、可塑剤が表面にブリードして曇りを生じやすく外観が悪くなるという問題もあった。また、加硫ゴム製床材においては、表面が汚染されやすいうえ、透明性に劣るため意匠性が制限され、硬いので施工性に劣るという問題があった。更には、難燃性能を付与させるために添加されているハロゲン系の難燃剤によって、PVC製床材と同様に、燃焼時に有毒ガスが発生するという問題があった。
【0005】
そこで、近年ではPVC材料、加硫ゴム材料に代えて、燃焼時に有毒ガスの発生が少ない次のような材料を床材の構成材として用いることが特開平11−48416、特開2000−110339に提案されている。 例えば、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を床材の構成材として用いることが提案されている。これらの樹脂を床材の構成材として用いることで、燃焼時における有毒ガスの発生の問題や、可塑剤由来の特有の臭気、VOCの発生、曇り発生の問題はほぼ解決される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、高い摩耗性能(耐久性)と良好な施工性を持ちつつ鉄道車輌等で要求される特に厳しい難燃性能を付与することが難しく、更には上記樹脂では施工時の接着性が悪いといった問題もあり、総じてPVC製床材に比べて耐摩耗性、難燃性、施工性に劣るという難点があった。この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、耐摩耗性、耐汚染性、施工性に優れた難燃性ノンハロゲン系床材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、上から順に表面樹脂層、中間樹脂層、裏打層の少なくとも3層構成とし、各樹脂層の樹脂成分の主成分としてオレフィン系樹脂を用い、かつ中間樹脂層内には粒径の異なる無機難燃材として、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムを組み合わせ、大量に含有せしめることにより、難燃性能を飛躍的に向上させ、床材として燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、また耐摩耗性、耐汚染性、施工性に優れた性能を発揮させ得ることを見出し本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明の第1の発明は、表面樹脂層と中間樹脂層と裏打層からなる床材であって、表面樹脂層は化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみからなる厚さ200〜1,000μmの樹脂層からなり、中間樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して無機難燃剤を100〜350重量部含有すると共に、前記樹脂成分として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが用いられ、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有してなる樹脂層からなり、かつ前記中間樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層が形成されてなることを特徴とする難燃性ノンハロゲン系床材である。
【0009】
樹脂層の構成材料として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが用いられているから、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れ防災面に好都合であると共に環境保全にも十分に資することができる。また表面層は充填材や可塑剤を含まないため床材表面の耐摩耗性、耐汚染性に優れ、かつ表面層の厚さが200〜1,000μmに規定されているので、十分に優れた耐摩耗性を確保しつつ、難燃性、寸法安定性を損なわない層となっている。また、中間樹脂層には、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有していることから、柔軟性を損なわずに無機難燃剤を100〜350重量部と多量に含有することが可能となり、優れた難燃性の層を得ることができる。さらに中間樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層が形成されており、施工時に接着剤が不織布に含浸することからアンカー効果によって優れた接着力が得られる。加えて、本発明の床材には、可塑剤を含有させる必要がないので、臭気の発生も無く、また、長年使用しても表面に曇りの発生も無く耐久性に優れている。
【0010】
第2の発明は、前記表面樹脂層が、オレフィン系の樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がオレフィン系の樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造である請求項1に記載の難燃性ノンハロゲン系床材である。オレフィン系の樹脂を採用することで、床材表面の耐摩耗性、耐汚染性が顕著に向上される。
【0011】
第3の発明は、前記表面樹脂層が、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造である請求項1に記載の難燃性ノンハロゲン系床材である。表面樹脂層の少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分とするので、耐汚染性を一層向上させることができると共に、耐摩耗性も一層向上させることができる。そして、積層構造を採用する場合において、この最表層に接する層がポリエチレン樹脂またはエチレンー酢酸ビニル樹脂を樹脂成分の主成分とする場合には、優れた耐汚染性及び耐摩耗性を具備させつつ、十分な柔軟性をも付与させることができる利点がある。
【0012】
第4の発明は、前記無機難燃剤の配合量全体に対して、粒径0.1〜10μmの範囲である小粒径の無機難燃剤の含有量が20〜60重量%の範囲であり、粒径11〜30μmの範囲である大粒径の無機難燃剤の含有量が30〜70重量%の範囲であり、かつ前記小粒径の無機難燃剤と大粒径の無機難燃剤の合計含有量が80〜100重量%である請求項項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材である。小粒径の無機難燃剤と大粒径の無機難燃剤を組合すことにより多量の無機難燃剤を含有させることができ、優れた難燃性の層を得ることができる。
【0013】
第5の発明は、 前記小粒径、大粒径の無機難燃剤が水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムの組み合わせである請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材である。水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの脱水による吸熱反応の温度域が異なるため、燃焼初期では、水酸化アルミニウムがその能力を発揮し、樹脂の分解温度付近では水酸化マグネシウムの能力が発揮され、難燃性能の優れたものとなる。
【0014】
第6の発明は、前記中間樹脂層が、無機難燃剤に加えて有機難燃剤を含有している請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材である。有機難燃剤を加えることにより、有機物の炭化と炭化被膜が形成され難燃効果を発現する。無機難燃剤の脱水吸熱反応による難燃効果と合わせ大きな難燃効果となる。この有機難燃剤の配合量は、中間樹脂層3を構成する樹脂100重量部に対して2〜10重量部とするのが好ましい。有機難燃剤としてはリン系難燃材が好ましく、リン酸層の保護被膜による酸素の遮断効果が難燃効果を発現する。
【0015】
第7の発明は、前記有機難燃剤が、ポリリン酸アンモニウムまたはTPP(トリフェニルホスフェート)である請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材である。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、この発明に係る難燃性ノンハロゲン系床材の一実施形態を図面に基づいて説明する。 この実施形態の難燃性ノンハロゲン系床材1は、表面樹脂層2と中間樹脂層3と裏打層4からなる床材であって、表面樹脂層2は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみからなる厚さ200〜1,000μmの樹脂層で、その下面に樹脂成分100重量部に対して無機難燃剤を100〜350重量部含有すると共に前期樹脂成分として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられ、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有してなる中間樹脂層3が積層される。さらに、前記中間樹脂層3の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層4が形成された積層構造を有するものである。(図1参照)
【0017】
前記表面樹脂層2は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみを含有してなる樹脂組成物で構成される。ここで、前記「樹脂組成物」には樹脂単体のみで構成されるものも包含される。表面層がこのような樹脂で構成されているので床材1の表面における耐摩耗性、耐汚染性は優れたものとなる。また、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂であるから、燃焼時に有毒ガスを発生しにくい。
【0018】
前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、非晶性ポリα‐オレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フマル酸エステル等のα、β不飽和カルボン酸エステル化合物やそれら化合物に金属イオン結合を形成させることにより架橋したエチレン系アイオノマー樹脂、ワックスとの密着性の向上や樹脂改質剤等の目的として用いられる極性基を保有したり芳香族変性された天然樹脂系、合成樹脂系粘着付与樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。中でも床材表面の耐摩耗性、耐汚染性を顕著に向上できることから、オレフィン系樹脂を樹脂成分の主成分として用いるのが好ましい。
【0019】
前記表面樹脂層2は、上記構成に係る樹脂組成物で構成される限り、単層で構成されても良いし、多層で構成されても良い。中でも、表面樹脂層2は、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造であるのが好ましい。表面樹脂層の少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分とするので、汚れが表面に付着しても容易に拭きとって除去することができて耐汚染性を一層向上できると共に、耐摩耗性も一層向上させることができる。そして、積層構造を採用する場合において、この最表層に接する層がポリエチレン樹脂またはエチレンー酢酸ビニル樹脂を樹脂成分の主成分とする場合には、優れた耐汚染性と耐摩耗性を具備させつつ十分な柔軟性をも付与させることができる。具体的には、ポリプロピレン樹脂からなる単層構造、最表層がポリプロピレン樹脂からなり、該最表層に接する層がポリエチレン樹脂からなる2層構造、或いは図1に示されるように最表層2aがポリプロピレン樹脂からなり、該最表層に接する中間層2bがポリエチレン樹脂からなり、最下層2cがポリプロピレン樹脂からなる3層積層構造が挙げられる。前期3層構造を採用する場合には最表層2aと最下層2cは同種の樹脂で構成するのが反りを十分に防止する点で好ましい。
【0020】
この発明において、意匠性を向上させる手段としては、表面樹脂層2の上面、下面または表面樹脂層中等に印刷模様を付与する手段等が挙げられるが、いずれにせよ、床材1の表面側から見て印刷模様が視認される形態となされていれば良く、上記構成のものに特に限定されるものではない。これらの中でも、図1に示されるように表面樹脂層2の下面に柄印刷等の印刷層2dを積層するのが好ましく、このように印刷層2dが表面樹脂層2の下に配置されていることで、使用時の接触等によって印刷層2dが擦れて傷が付いたり、剥離したりするようなことが防止され、ひいては優れた意匠性を長期に渡って確保することができる。なお、印刷模様付与のための印刷方法としては、特に限定されず、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、転写印刷法等が挙げられる。
【0021】
また、意匠性を向上させる他の手段として、表面樹脂層2や中間樹脂層3に柄材を混入する手段が挙げられる。表面樹脂層2にこのような柄材を混入することにより、チップインレイド調の柄模様が表現可能になり、中間樹脂層3にこのような柄材を混入することにより、柄材が、透明ないしは半透明な表面樹脂層2を通してランダムに混在しているように見え、深みのある柄模様を表現することができる。
【0022】
上記柄材としては、公知のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば熱硬化性尿素樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂からなる粒状物、セルロースやアルミニウムを主原料とした角状ないしフレーク状の柄チップ、あるいはセルロースを主原料とした針状物からなるもの等が好適に用いられる。これらの柄材は、単独で用いても良いし、あるいは複数種併用しても良い。
【0023】
また、柄材を混入する場合、その混入量は、表面樹脂層2や中間樹脂層3の全重量に対して30重量%以下とするのが良く、より好ましくは10重量%以下である。 柄材の混入量が30重量%を超えると、深みのある外観美良好な柄模様を表出させることが困難になる恐れがあるので好ましくない。
【0024】
また、柄材の代わりに、あるいは柄材と併用して、表面樹脂層2や中間樹脂層3に着色顔料を混入しても良い。この顔料を混入する場合、その混入量は、表面樹脂層2や中間樹脂層3の全重量に対して、0.1〜5重量%に設定するのが好ましい。0.1重量%未満では、着色が不十分となるし、5重量%を超えると表面樹脂層2や中間樹脂層3の物性が低下するので好ましくない。これらと併用して、更に意匠性を向上させるために、表面樹脂層2の表面に凹凸柄を形成せしめた構成とすることもできる。
【0025】
更に、必要に応じて、床材1の表面、即ち表面樹脂層2の上面に処理剤を塗工する等して皮膜を形成しても良い。 例えば耐摩耗性を向上させる観点から、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を主成分とする皮膜を表面樹脂層2上面に形成しても良い。なお、このような皮膜は50μm以下の厚さに形成するのが一般的である。
【0026】
前記表面樹脂層2の厚さは、200〜1,000μmとする必要がある。 200μm未満では耐摩耗性が低下するし、一方1,000μmを超えると床材1に上反りが発生しやすくなり、寸法安定性、難燃性が低下する。中でも、表面樹脂層2の厚さは300〜600μmとするのが好ましい。
【0027】
一方、前記中間樹脂層3は、樹脂成分100重量部に対して無機難燃剤を100〜350重量部含有すると共に前期樹脂成分として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが用いられ、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有する樹脂組成物で構成される。 数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有することにより、中間樹脂層3に100〜350重量部の無機難燃剤が多量に含有されることが可能となり、柔軟性と寸法安定性を維持しながら優れた難燃性が付与されると共に、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を樹脂成分の主成分として含有するから、燃焼時に有毒ガスを発生しにくい。
【0028】
前記中間樹脂層3に含有される無機難燃剤が、構成する樹脂100重量部に対し100重量部未満であると充分な寸法安定性、難燃性が得られず、350重量部を超えると床材としての柔軟性、機械的強度が損なわれる。
【0029】
また、前記中間樹脂層3は、樹脂成分として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが用いられ、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有する樹脂組成物で構成されているので、無機難燃剤を多量に含有させることが可能となり、これにより寸法安定性を向上できると共に、床材としての柔軟性を充分に付与することができ、ひいては床材の施工性を向上させることができる。なお、10重量%未満では無機難燃剤の多量含有が困難となるし、柔軟性効果が殆ど得られなくなる。また、50重量%を超えると加工性、耐熱性、強度、残留へこみ性が低下するので床材として不適なものとなる。中でも数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を、中間樹脂層の樹脂成分全体に対して15〜35重量%含有せしめるのが好ましい。更に、前記非晶性ポリα‐オレフィン樹脂の数平均分子量は、1,000〜10,000の範囲にあるのが、好ましい。このような分子量とすることで、床材としての柔軟性を一層向上させることができるので、床材としての施工性を一層向上させることができる。
【0030】
前記中間樹脂層3を構成する化学構造中に塩素原子を有しない樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばホモポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒使用のポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、非晶性エチレン−αオレフィン共重合体等のエチレン系コポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、あるいはまたスチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等のゴム成分系等が挙げられる。中でも、中間樹脂層3を構成する化学構造中に塩素原子を有しない樹脂としてはオレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーが好適である。
【0031】
前記中間樹脂層3を構成する数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば非晶性ポリプロピレン樹脂、非晶性エチレン‐プロピレン共重合体樹脂、非晶性1‐ブテン‐プロピレン共重合体樹脂等が挙げられる。
【0032】
ところで、無機難燃剤の粒径を小さくすると、見かけ表面積が増大して難燃性が大きく向上される方向に作用するが、柔軟性に欠ける層となり得る。そのうえ、このような粒径の小さい無機難燃剤を多量に充填するのは困難であるため、結果として優れた難燃性を確保することはできない。一方、無機難燃剤の粒径を大きくすると、多量に充填することが可能となるが、見かけ表面積が減少するので、同様に結果として優れた難燃性を確保することができない。そこで、本発明者らは無機難燃剤の難燃性能を最大限に引き出し、床材としての性能も同時に付与できる構成を鋭意検討した結果、次のような構成のものを用いることが好ましいことを見出した。即ち、無機難燃剤の配合量全体に対して、粒径0.1〜10μmの範囲である小粒径の無機難燃剤の含有量が20〜60重量%の範囲であり、粒径11〜30μmの範囲である大粒径の無機難燃剤の含有量が30〜70重量%の範囲であり、かつ前記小粒径の無機難燃剤と大粒径の無機難燃剤の合計含有量が80〜100重量%であることが、より優れた難燃性を確保しつつ床材としての性能も兼ね備えることができるので好ましい。上記粒度分布及びその含有率を逸脱すると、難燃及び床材としての性能が低下するので好ましくない。また、上記粒度分布を有する無機難燃剤は、平均粒径の異なる2種類以上の無機難燃剤を混合せしめることによって得ることができる。
【0033】
中でも、脱水による吸熱反応が300℃を超える水酸化マグネシウムと脱水による吸熱反応が200℃付近である水酸化アルミニウムが組み合わされて用いられていることにより、燃焼初期には水酸化アルミニウムが能力を最大限に発揮し、床材を構成する樹脂の分解温度付近では水酸化マグネシウムの能力が発揮され、難燃性能を優れたものとなし得る。
【0034】
前記中間樹脂層3は、無機難燃剤に加えて有機難燃剤を含有しているのが好ましい。このような有機難燃剤を併用することで、難燃性を一層向上させることができる。前記有機難燃剤としては、特に限定されないが、非ハロゲン系のものを用いるのが好ましく、例えばポリリン酸アンモニウム、TPP(トリフェニルホスフェート)等が挙げられる。この有機難燃剤の配合量は、中間樹脂層3を構成する樹脂100重量部に対して2〜10重量部とするのが好ましい。
【0035】
前記中間樹脂層3の厚さは、1〜5mmとするのが好ましい。1mm未満では充分な寸法安定性、難燃性が得られなくなるので好ましくないし、一方5mmを超えると重量が増大してハンドリングが悪くなると共に施工性も低下するので、好ましくない。中でも、1.5〜4mmとするのがより好ましい。
【0036】
なお、前記表面樹脂層2、中間樹脂層3のいずれにも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、柄材(意匠性向上目的等)等の各種添加剤を適宜含有せしめても良い。
【0037】
前記裏打層4は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とする不織布が加熱溶融により中間樹脂層3の下面側に積層一体化されて形成されたものである。不織布を用いることによって、不織布への接着剤の含浸からアンカー効果により施工時の接着剤との接着性を向上させる。
【0038】
前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とする不織布としては、ポリプロピレン樹脂不織布、ポリエステル樹脂不織布、ナイロン樹脂不織布等が挙げられる。中でも、薄層化しうるスパンボンドタイプ不織布が好ましく、特に好適なのはポリプロピレンスパンボンドである。
【0039】
この発明の難燃性ノンハロゲン系床材1の厚さは、特に限定されないが、通常2〜6mmが一般的である。また、シート状床材(例えば幅600〜2,500mm程度の長尺シート等)やタイル状床材として構成しても良く、表面に通常より深めの凹凸を付与することにより滑り止めのマット状にしても良く、特に限定されない。
【0040】
なお、この発明に係る難燃性ノンハロゲン系床材1の製造方法としては、特に限定されず、例えばカレンダ加工機、押出加工機等の公知の装置や、ホットラミネート加工機等の公知の積層技術を用いて積層することにより製造することができる。また、その積層順序も特に限定されない。
【0041】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0042】
<実施例1>
表1に示すように、数平均分子量が6,000の非晶性プロピレン‐エチレン共重合体(非晶性ポリα‐オレフィン樹脂)27重量部、エチレン‐プロピレンゴム46重量部、水添スチレン‐イソプレンブロック共重合体20重量部、ポリプロピレン7重量部、無機難燃剤230重量部(粒径23μm水酸化アルミニウム66重量%、粒径5μm水酸化マグネシウム34重量%)、ポリリン酸アンモニウム(有機難燃剤)5重量部からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダ成形機を用いて厚さ1.8mmの中間シート(中間樹脂層)を作成した。
【0043】
一方、最表層/中間層/最下層=ポリプロピレン(PP)樹脂/オレフィン系樹脂(PPと非晶性ポリα‐オレフィン樹脂の混合物)/ポリプロピレン(PP)樹脂の3層構造からなる厚さ600μmのシート(表面樹脂層)を、共押出加工機を用いて作成し、続いて裏面にグラビア印刷により所定の柄を印刷して、上層シート(表面樹脂層)を得た。
【0044】
前記上層シート、中間シート及びポリプロピレンスパンボンド不織布(目付40g/m2)を、ホットラミネート加工機を用いて150℃でラミネートし、厚さ2.5mmの床材を得た。
【0045】
<実施例2〜6>
各層の組成、厚さ等の条件を表1〜2に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0046】
<実施例7>
各層の組成、厚さ等の条件を表2に示す構成とし、無機難燃材として粒径65μmのさらに大粒径の水酸化アルミニウムを10重量%とした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0047】
<実施例8>
各層の組成、厚さ等の条件を表2に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0048】
<実施例9>
無機難燃剤を150重量部とし、大粒径を粒径13μmの水酸化マグネシウム66重量%、小粒径を粒径3.8μmの水酸化アルミニウム34重量%とした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0049】
<実施例10>
数平均分子量が6,000の非晶性プロピレン‐エチレン共重合体に代えて数平均分子量が4,000の非晶性ポリプロピレン樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0050】
<実施例11>
表面樹脂層の構成をポリプロピレン単層(裏面印刷あり)とした以外は、実施例2と同様にして床材を得た。
【0051】
<実施例12>
表3に示すように、水酸基化石油樹脂(極性基保有の合成樹脂系粘着付与樹脂)15重量部、ポリプロピレン50重量部、水添スチレン‐イソプレンブロック共重合体35重量部、顔料0.5重量部からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダ成形機を用いて厚さ600μmの上層シート(表面樹脂層)を作成した以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
<比較例1>
中間樹脂層における非晶性ポリα‐オレフィン樹脂(数平均分子量6,000)の配合量を表4に示すように少量として混練したが、無機難燃剤が完全に混ざらず、良好な中間シートが得られなかった。 即ち、非晶性ポリα‐オレフィン樹脂の配合量が少なすぎると無機難燃剤を高充填することができなかった。
【0056】
<比較例2>
更に表4に示すように無機難燃剤の配合量にし、これら以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0057】
<比較例3>
中間樹脂層における非晶性ポリα‐オレフィン樹脂(数平均分子量6,000)の配合量を表4に示すように多量とした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0058】
<比較例4、5>
表面樹脂層の厚さをそれぞれ表4、表5に示す厚さとした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0059】
<比較例6〜8>
中間樹脂層の無機難燃剤の粒径、配合量、配合比率を表5示すようにした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
上記のようにして得られた各床材に対して、下記の試験を行った。これらの試験結果を表6、表7に示す。
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
<耐摩耗性試験>
JIS A 1453による建築材料及び建築構成部分摩擦試験方法に準じて、各床材の表面に所定の研磨紙を巻き付けた摩耗輪を使用し、テーバ摩耗試験機にて各床材の柄層が破壊されるところまでの回転数を測定した。その回転数が、5,000回を超えるものを「◎」、3,000〜5,000回のものを「○」、3,000回以下のものを「×」とした。
【0066】
<耐汚染性試験>
JIS A 1454による高分子系張り床材試験方法の汚染性試験方法に準じて、各床材の表面に汚染材料を2ml滴下し、24時間静置して、中性洗剤を含む水で洗浄し、更にアルコールで洗浄した後、ガーゼで拭き取って、1時間放置後、目視により滴下部分の色、光沢及び膨れの変化を観察した。 観察によりいずれも変化のないものを「◎」とし、少なくともいずれか1つ変化のあるものを「×」とした。
【0067】
<寸法安定性試験>
JIS A 1454による高分子系張り床材試験方法の加熱による長さ変化試験方法に準じ、各床材を80℃で6時間加熱した後、室内に1時間静置し、加熱前の長さに対する寸法変化率を測定した。寸法変化率が0.5%未満のものを「◎」、0.5〜1.0%のものを「○」、1.0%を超えるものを「×」とした。
【0068】
<残留へこみ試験>
JIS A 1454による高分子系張り床材試験方法の残留へこみ試験方法に準じて、各床材を標準状態で試験室内に1時間以上静置した後、試験片の表面を上にして、356Nの荷重を10分間加えた。 次に荷重を取り去ってから60分後のへこみ量を測定し、残留へこみ率を求めた。残留へこみ率が25%以下のものを「◎」とし、25%を超えるものを「×」とした。
【0069】
<施工性試験>
施工作業性に優れると共に下地(施工床面)への収まりが良く、巻き癖が残らないものを「◎」とし、施工作業性が悪いと共に下地(施工床面)への収まりも悪く、巻き癖が残るものを「×」とした。
【0070】
<接着性試験>
JIS A 5536高分子系張り床材用接着剤による接着強さの試験方法に準じて、接着剤としてエポキシ樹脂系のものを用い、各床材の90度剥離接着強度を測定した。90度剥離接着強度が、20.0N/25mm以上のものを「◎」とし、20.0N/25mm未満のものを「×」とした。
【0071】
<難燃性試験>
社団法人日本鉄道車輌機械技術協会が定めた「鉄道車輌用材料の燃焼性試験及び規格」に準じた試験方法(45度傾斜、アルコール燃焼試験)により、燃焼判定基準の区分が「難燃性」であるものを「◎」とし、同「緩燃性」または「可燃性」であるものを「×」とした。
【0072】
上記表6から明らかなように、この発明の実施例1〜12においては、優れた耐摩耗性、耐汚染性、寸法安定性、残留へこみ性、施工性、接着性、難燃性を持つ。
【0073】
これに対し、無機難燃剤の配合量がこの発明の規定範囲を下回って逸脱した比較例2の床材は、寸法安定性、難燃性に劣っていた。また、非晶性ポリα−オレフィン樹脂の配合量が、この発明の規定範囲を上回って逸脱した比較例3の床材は、残留歪が大きく床材としての性能を満たさないものであった。 また、表面樹脂層の厚さがこの発明の規定範囲を下回って逸脱する比較例4の床材は耐摩耗性に劣り、上回って逸脱する比較例5の床材は、寸法安定性、施工性、難燃性に劣っていた。また、中間樹脂層における無機難燃剤の粒度分布及びその含有率がこの発明の規定範囲を逸脱する比較例6〜8の床材は、施工性や難燃性に劣っていた。
【0074】
更に、実施例1の床材について、NBS燃焼試験、防炎試験(消防法)を行った。これらの結果を表8に示す。
【0075】
なお、NBS燃焼試験法とは、密閉した発煙箱の中に試料を垂直に置き、その正面にあるヒーターから輻射熱を当てながらバーナーの炎も当て有炎燃焼させ、発煙箱中に発生した煙に対して光電管により光透過率を測定し、この光透過率(T)から下記算出式に基づいて煙濃度(Ds)を算出するものである。
【0076】
Ds=132log(100/T)
試験開始後4分のDs値及び最大Ds値を求めた。更に、発煙箱中のガスを回収バックに採取し、検知管で分析を行った。
【0077】
【表8】
【0078】
表8から明らかなように、この発明の床材は、燃焼時の発煙性が低く、有毒なガスもほとんど発生しないことを確認できた。
【0079】
【発明の効果】
この発明の難燃性ノンハロゲン系床材は、樹脂層の構成材料として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が用いられているから低発煙性であり、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れて防災面で好都合であると共に環境保全にも充分に資することができる。 また、表面層が樹脂成分のみで構成され、かつこの表面樹脂層の厚さが200μm以上に規定されているので、耐摩耗性、耐汚染性に優れている。また、表面樹脂層の厚さが1,000μm以下に規定されたうえ、中間樹脂層には樹脂成分100重量部に対して無機難燃剤を100〜350重量部含有しているので、寸法安定性、難燃性に優れたものとなる。更に、中間樹脂層には、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有しているので、多量の無機難燃剤を含有しても柔軟性に富んだ床材となり得る。
【0080】
このように難燃性、柔軟性に優れているので、長尺シートのような巻物であっても施工時に下地への馴染みが良く収まりが良いうえ、厳しい難燃性が必要とされる鉄道車輌等にも使用できる。更に、中間層の下面側には化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とする不織布が加熱溶融により積層一体化されているので、不織布への接着剤の含浸でのアンカー効果による接着で、床材が下地との接着性を充分に保ったまま施工できることになる。加えて、可塑剤を含有させる必要がないので、これ特有の臭気が発生することもなく、また、長年使用しても表面に曇りが発生することもなく耐久性に優れている。
【0081】
表面樹脂層は、オレフィン系の樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がオレフィン系の樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造であるため、耐摩耗性、耐汚染性を一層向上させることができる。
【0082】
中間樹脂層は、無機難燃剤の配合量全体に対して、粒径0.1〜10μmの範囲である小粒径の無機難燃剤の含有量が20〜60重量%の範囲であり、粒径11〜30μmの範囲である大粒径の無機難燃剤の含有量が30〜70重量%の範囲であり、かつ前記小粒径の無機難燃剤と大粒径の無機難燃剤の合計含有量が80〜100重量%である場合には、難燃性能及び床材としての性能を向上させることができる。
【0083】
更には、小粒径、大粒径の無機難燃剤が水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムの組み合わせである場合には、難燃性がより一層向上される。
【0084】
更には、無機難燃剤に加えて有機難燃剤を含有している場合においても、難燃性がより一層向上される。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る床材を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・床材
2・・・表面樹脂層
2a・・・PP樹脂層
2b・・・PE樹脂層
2c・・・PP樹脂層
2d・・・印刷層
3・・・中間樹脂層
4・・・裏打層
Claims (7)
- 表面樹脂層と中間樹脂層と裏打層からなる床材であって、表面樹脂層は化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみからなる厚さ200〜1,000μmの樹脂層からなり、中間樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して無機難燃剤を100〜350重量部含有すると共に、前記樹脂成分として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが用いられ、数平均分子量が20,000以下の非晶性ポリα‐オレフィン樹脂を樹脂成分全体に対して10〜50重量%含有してなる樹脂層からなり、かつ前記中間樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層が形成されてなることを特徴とする難燃性ノンハロゲン系床材。
- 前記表面樹脂層が、オレフィン系の樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がオレフィン系の樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造である請求項1に記載の難燃性ノンハロゲン系床材。
- 前記表面樹脂層が、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造である請求項1に記載の難燃性ノンハロゲン系床材。
- 前記無機難燃剤の配合量全体に対して、粒径0.1〜10μmの範囲である小粒径の無機難燃剤の含有量が20〜60重量%の範囲であり、粒径11〜30μmの範囲である大粒径の無機難燃剤の含有量が30〜70重量%の範囲であり、かつ前記小粒径の無機難燃剤と大粒径の無機難燃剤の合計含有量が80〜100重量%である請求項項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材。
- 前記小粒径、大粒径の無機難燃剤が水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムの組み合わせである請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材。
- 前記中間樹脂層が、無機難燃剤に加えて有機難燃剤を含有している請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材。
- 前記有機難燃剤が、ポリリン酸アンモニウムまたはTPP(トリフェニルホスフェート)である請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性ノンハロゲン系床材。
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- 2003-01-30 JP JP2003022149A patent/JP2004232334A/ja active Pending
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