JP2001012048A - 壁装用シート - Google Patents
壁装用シートInfo
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- JP2001012048A JP2001012048A JP11184723A JP18472399A JP2001012048A JP 2001012048 A JP2001012048 A JP 2001012048A JP 11184723 A JP11184723 A JP 11184723A JP 18472399 A JP18472399 A JP 18472399A JP 2001012048 A JP2001012048 A JP 2001012048A
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Abstract
価で施工性に優れた壁装用シートであって、耐汚染性や
耐擦傷性はもとより、特に耐引っ掻き性の表面物性に優
れた壁装用シートを提供することを目的とするものであ
る。 【解決手段】 基材層上に、発泡剤およびオレフィン系
樹脂ないしアクリル系樹脂を主体とする発泡層と、絵柄
層と、非ハロゲン系熱可塑性樹脂からなる被覆層とが順
に形成されている壁装用シートにおいて、前記被覆層が
加熱溶融押出し塗工法で形成された2つ以上の層からな
り、かつ、前記2つ以上の層が共押出しにより形成され
ていることを特徴とする壁装用シート。
Description
井面等に貼る内装用の壁装用シートに関するものであ
る。
塩化ビニル樹脂層を形成し、この塩化ビニル樹脂層上に
印刷などして絵柄層を設けたもの、あるいは、さらに前
記塩化ビニル樹脂層を発泡させると共にエンボス加工を
施すなどして凹凸模様を施したものなど、いわゆる塩ビ
壁紙に代表される塩ビ化粧シートが広く用いられてい
る。しかし、この塩ビ化粧シートは燃焼時に塩化水素ガ
ス等の有害なガスを発生するために一般の焼却炉では焼
却処分ができないといった廃材処理の問題や火災時には
この塩化水素ガス等の有害なガスを吸引することによる
中毒といった問題などがあり、使用することを避けるよ
うになってきた。
シートの表面に付着した汚れが染みつきやすく、これを
除去しづらいといった問題や、前記壁装用シートの表面
強度が弱く破損しやすいといった問題がある。これは、
壁装用シートが、汚染性や擦傷性に問題がある塩化ビニ
ル樹脂から構成されていることと、施工性や意匠性を高
めることを目的に、発泡や凹凸模様を形成する加工を行
うために、これにより壁装用シートの表面に微細な凹凸
や空隙が生じるためである。
装用シートの表面に表面保護層を設ける方法が採られて
いる。すなわち、壁装用シートの表面に、たとえば、
アクリル系樹脂等を塗工して表面保護層とする方法、ま
た、壁装用シートの表面に耐汚染性や耐擦傷性等に優
れたフィルム、たとえば、フッ素系フィルムやエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム等を接着剤等を
用いて貼り合わせて表面保護層とする方法が採られてい
る。
有機溶剤や水等の溶媒を用いて比較的低粘度に調節され
るため、薄い表面保護層を設ける場合には適した方法で
あるが、厚い表面保護層を設ける場合には、たとえば、
加工工数が増えるなど作業が煩雑になる。また、このよ
うにして設けた表面保護層は、発泡や凹凸模様を形成す
る加工を行うと発泡や凹凸模様に追従できずに表面保護
層の厚さにバラツキが生じると共に、極端な場合には部
分的に表面保護層に亀裂が入り、発泡層が露出するとい
った問題が発生する。
からなるため、表面物性自体は良好であるが、この方法
においては、接着剤等を用いて表面保護層とするフィル
ムを貼り合わせる工程が必要な上に、このフィルムは予
め成膜しておく必要があり、成膜の制約上から表面保護
層として必要な厚さ以上のものを用いなければならず、
コストの高いものとならざるを得ない。さらに、この
の方法の壁装用シートは、折れ皺が消えずらい上にカー
ルが発生しやすく、また、腰が強すぎるために、壁面等
に貼りずらい(施工性が悪い)といった問題が発生す
る。
面保護層をTダイ押出機を用いて加熱溶融押出し塗工法
で形成する方法が提案され、この方法で表面保護層を形
成することにより、耐汚染性や耐擦傷性等の表面物性を
最低限確保することが可能な厚さの表面保護層を形成す
ることができるために安価なものとすることができると
共に、上記、の方法で表面保護層を形成した場合に
発生する上記問題を解決することができる。
た表面保護層、特に発泡層上に形成した表面保護層は、
いずれも発泡層と直に接しているか、あるいは、絵柄層
や接着剤等の薄い層を介して発泡層と接しているため
に、耐汚染性や耐擦傷性といった表面物性は向上するも
のの、耐引っ掻き性においては直下の層が発泡層であ
り、表面保護層があっても容易に変形し、酷い場合には
表面保護層が破れる、あるいは、さらに酷い場合には発
泡層が削れるないし裂けるなどの現象が生じ、問題とな
っている。これは、耐引っ掻き性が表面保護層の物性の
みならず、表面保護層の直下の層が有する、たとえば、
柔軟性や弾性などの物性に依存するためと考えられる。
当然、表面保護層の厚さを厚くすれば、耐引っ掻き性は
向上するが、これにより壁装用シートはコストの高いも
のとならざるを得ないし、また、施工性の低下を招く恐
れがある。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、意匠性に優れ、人間や環境に優しく、かつ、耐
汚染性や耐擦傷性等の表面物性はもとより、特に耐引っ
掻き性において優れた表面物性を有する壁装用シートを
安価に提供することである。
に、請求項1記載の本発明の壁装用シートは、基材層上
に、発泡剤およびオレフィン系樹脂ないしアクリル系樹
脂を主体とする発泡層と、絵柄層と、非ハロゲン系熱可
塑性樹脂を主体とする組成物からなる被覆層とが順に形
成されている壁装用シートにおいて、前記被覆層が加熱
溶融押出し塗工法で形成された2つ以上の層からなり、
かつ、前記2つ以上の層が共押出しにより形成されてい
ることを特徴とするものである。このように構成するこ
とにより、多層からなる被覆層を一工程で形成すること
ができ、加工費を安価にすることができる。また、被覆
層においても、最外層とこの最外層以外の層とで使用す
る樹脂を種々選択して用いることができるためにトータ
ルとして各種物性に優れた被覆層を有する壁装用シート
とすることができる。また、人間や環境に優しく施工性
に優れたものとすることができる。
に記載する壁装用シートにおいて、前記被覆層の最外層
がオレフィン系樹脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂
のいずれかの樹脂で形成されていることを特徴とするも
のである。このように構成することにより、耐汚染性や
耐擦傷性等の表面物性に優れた壁装用シートとすること
ができる。
に記載する壁装用シートにおいて、前記最外層を形成す
るオレフィン系樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物であることを特徴とするものである。このよう
に構成することにより、安価で耐汚染性や耐擦傷性等の
表面物性に優れ、また、被覆層側にエンボス版により凹
凸模様を形成する場合に、シャープな凹凸模様を形成す
ることができる。
2、3のいずれかに記載する壁装用シートにおいて、前
記被覆層の前記最外層に隣接する隣接層がオレフィン系
樹脂で形成されていることを特徴とするものである。こ
のように構成することにより、被覆層の最外層には、耐
汚染性や耐擦傷性等の表面物性に優れた物性を有する樹
脂を用いることができると共に、前記最外層に隣接する
隣接層には、安価なオレフィン系樹脂の中から適宜選択
して用いることにより、たとえば、最外層を間接的に補
強することができる層とすることもできるし、また、最
外層と発泡層ないし絵柄層との接着力を向上させること
ができる層とすることもできる。
に記載する壁装用シートにおいて、前記隣接層を形成す
るオレフィン系樹脂がアイオノマーであることを特徴と
するものである。このように被覆層の最外層に隣接する
隣接層を柔軟性や弾性に富んだアイオノマーで形成する
ことにより、被覆層の最外層を補強することができるた
めに、耐引っ掻き性に優れた表面物性を有する壁装用シ
ートとすることができる。
〜5に記載する壁装用シートにおいて、前記被覆層側に
凹凸模様を形成したことを特徴とするものである。この
ように構成することにより、意匠性に優れた壁装用シー
トとすることができる。
用いて以下に更に詳しく説明する。まず、図1は本発明
の壁装用シートの一実施例を示す層構成図である。図中
の1は化粧シート、2は基材層、3は発泡層、4は絵柄
層、5は被覆層、51は最外層、52は最外層に隣接する隣
接層、6は凹凸模様をそれぞれ示す。
示す層構成図であって、本発明の壁装用シート1は、基
材層2上に、発泡剤およびオレフィン系樹脂ないしアク
リル系樹脂を主体とする発泡層3を形成し、該発泡層3
上に絵柄層4を形成し、該絵柄層4上に最外層51と該最
外層51に隣接する隣接層52とが共押出しされた被覆層5
を設け、さらに該被覆層5側に凹凸模様6を形成したも
のである。
紙、難燃紙、不燃紙、有機繊維又は無機繊維の織布、不
織布、あるいは、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、
エステル系樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂からなる
シート、あるいは、これらの中から選んだ異種のものの
積層体などを挙げることができ、その厚さとしては20〜
300 μm程度が適当である。
オレフィン系樹脂ないしアクリル系樹脂を主体とする組
成物からなるものであって、前記オレフィン系樹脂とし
ては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレ
フィンの1種ないしエチレン、プロピレン、ブテン、ブ
タジエン、イソプレン等のオレフィンの2種以上の共重
合体、あるいは、炭素数が4以上のαオレフィンの共重
合体(線状低密度ポリエチレン)、あるいは、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物、あるいは、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル
酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、あるいは、アイオノマー、あるいは、これらの混合
樹脂を挙げることができる。
アクリル酸(メタクリル酸を含む)およびその誘導体で
あるアクリルアミド、アクリロニトリルを重合すること
により得られるアクリル樹脂、他のアクリル酸エステ
ル、スチレン等の他のモノマーとの共重合体樹脂などで
あり、たとえば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ
(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸
ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)ア
クリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、(メタ)ア
クリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、スチレン−
(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリ
ル酸エステルを含む単独または共重合体からなるものが
挙げられる。なお、ここで、(メタ)アクリル酸とは、
アクリル酸およびメタクリル酸の意味で用いるものとす
る。
ける方法としては、周知の加熱溶融押出法、カレンダー
法、あるいは、前記非ハロゲン系熱可塑性樹脂を水や有
機溶剤等の溶媒でエマルジョン化するなどして溶液化さ
れたものを塗工する、たとえば、ロールコート法、エア
ーナイフコート法、コンマドクターコート法など任意の
塗工方法を採ることができる。
しては、低沸点の炭化水素、または、フロンガスや石油
エーテル等の揮発性物質等を内包した熱膨張型カプセル
発泡剤、あるいは、アゾジカルボンアミドやオキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド等の熱分解型発泡剤のい
ずれか、ないし、いずれをも用いることができるが、熱
分解型発泡剤を用いる場合は、処方によっては熱分解時
に発生するガスが被覆層5の平滑性を損なうことがあり
得るために、熱膨張型カプセル発泡剤の方がより好まし
い。また、発泡剤のオレフィン系樹脂あるいはアクリル
系樹脂に対する混合量は、使用するオレフィン系樹脂あ
るいはアクリル系樹脂の種類やその塗工量、あるいは、
要求される意匠性により適宜決めればよいが、概ねオレ
フィン系樹脂あるいはアクリル系樹脂100 重量部に対し
て0.5 〜20重量部が適当である。
ラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、
転写シートからの転写印刷等周知の印刷法によりインキ
にて形成することができる。印刷絵柄としては、木目
柄、石目柄、布目柄、皮紋柄、幾何学図形、文字、記
号、あるいは、全面ベタ等の印刷絵柄がある。インキと
しては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステ
ル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタ
ン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種
ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種
補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができ
るが、本発明の目的からしてポリエステル、イソシアネ
ートとポリオールからなるポリウレタン、アクリル、酢
酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1
種ないし2種以上混合した非ハロゲン系樹脂が好適であ
る。
熱可塑性樹脂を主体とする組成物を加熱溶融押出し塗工
法で形成した2つ以上の層からなり、かつ、前記2つ以
上の層が共押出しにより形成されたものである。このよ
うな構成の被覆層5とすることにより、最外層と最外層
以外の層とで使用する樹脂を種々選択して用いることが
できるために層構成は自在であり、要求される物性、コ
スト等を勘案した構成とすることができるし、また、多
層からなる被覆層5を一工程で形成することができるた
めに安価に製造することができる。
性樹脂としては、たとえば、ハロゲンを含有しないアク
リル系樹脂やオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エス
テル系樹脂等を挙げることができるが、この被覆層5を
形成する最外層51としては、特に従来の塩ビ化粧シート
と同等な柔軟性、低温での加工性を有し、耐汚染性や耐
擦傷性においては従来の塩ビ化粧シートと同等ないし優
れると共に、比較的低コストであることなどから、発泡
層3の項で説明したオレフィン系樹脂やアクリル系樹
脂、あるいは、エチレングリコールとテレフタル酸とを
主成分とし、該主成分に対する共重合成分として、エチ
レングリコール以外の多価アルコール及び/又はテレフ
タル酸以外の多価カルボン酸を利用して得られる共重合
体からなるエステル系樹脂などが好適である。
的にいうならば、テレフタル酸成分の1部がイソフタル
酸、ジフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、アジピ
ン酸、セバシン酸等で置き換えられている変性ポリエチ
レンテレフタレート樹脂やエチレングリコール成分の1
部がジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパ
ン等で置き換えられている変性ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、あるいは、ポリエチレンテレフタレート樹脂
と前記変性ポリエチレンテレフタレート樹脂との混合樹
脂などである。また、前記変性ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂の具体例としては、エチレングリコールとイソ
フタル酸とテレフタル酸、1,4-シクロヘキサンジメタノ
ールとエチレングリコールとテレフタル酸、プロピレン
グリコールとイソフタル酸とテレフタル酸等による組み
合わせの共縮合重合体からなるエステル樹脂や前記した
エチレングリコールとテレフタル酸とをベース原料とし
てエステル樹脂を重合する際に、酸成分の1部にトリメ
リット酸のような3価のカルボン酸を利用したり、ある
いは、アルコール成分の1部にトリメチロールプロパン
等の3価のアルコールを使用したり、さらには、アルコ
ール成分の1部と酸成分の1部とに、3価のカルボン酸
と3価のアルコールとを利用して得られる共重合エステ
ル樹脂などである。
外の層、特に前記最外層51に隣接する隣接層52として
は、前記最外層51を形成する樹脂と少なくとも相溶性を
有する樹脂で形成された層である必要があり、この樹脂
としては、前記最外層51の形成に好適な樹脂、すなわ
ち、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹
脂を考慮すると、これらの樹脂に対して少なくとも相溶
性を有する樹脂の選択範囲が広いオレフィン系樹脂が好
適である。このオレフィン系樹脂についも発泡層3で説
明したオレフィン系樹脂と同じであり説明は省略する。
成を説明すると、前記被覆層5の最外層51に耐汚染性や
耐擦傷性等の表面物性に優れたオレフィン系樹脂、たと
えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用い、
前記被覆層5の前記最外層51に隣接する隣接層52にオレ
フィン系樹脂に金属イオンを導入して部分的に架橋し
た、たとえば、アイオノマー樹脂を用いることにより、
特に耐引っ掻き性に優れた表面物性と層間接着力に優れ
た壁装用シートとすることができる。
外層51に隣接する隣接層52の2層構成からなる実施例を
示し説明してきたが、本発明の壁装用シートは、この実
施例に限ることはなく、被覆層5が3層以上の構成から
なるものであっても構わない。また、この被覆層5の厚
さは、表面物性やTダイ押出機で加熱溶融押出し塗工法
で形成することを考慮すると10μmは必要であり、コス
トやシャープな凹凸模様の形成、あるいは、壁装用シー
トとしたときに、シートの折れ皺が目立つといった施工
上の問題等を考慮すると30μm以下が適当である。ま
た、前記被覆層5を形成する最外層51の厚さは表面物性
から少なくとも5μmは必要である。
ては、本発明の壁装用シートを製造するどの段階で形成
するかは別にして、要するに製造過程にある壁装用シー
トが何等かの手段によりエンボス加工可能な温度にある
時に、基材層2と対向する最外層側からエンボス版で加
熱加圧することにより形成することができる。一般的に
は、基材層2上に発泡層3を形成する発泡層形成組成物
を塗工し、その後、該発泡層形成組成物上に絵柄層4を
設け、該絵柄層4上に被覆層5を設けた積層体を作製
し、該積層体を加熱発泡炉で前記発泡層形成組成物を発
泡させて発泡層3となすと同時に、前記被覆層5側から
エンボス版で加熱加圧することにより形成される。この
凹凸模様6の加工には周知の枚葉、あるいは、輪転式の
エンボス機が用いられ、凹凸模様6の形状としては、木
目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨
地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
被覆層5には、必要に応じて、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、三
酸化アンチモン、酸化チタン等の無機物の1種ないし2
種以上の混合物からなる無機充填剤、あるいは、難燃剤
を添加しても構わないし、また、必要に応じて顔料等を
添加して着色しても構わない。この顔料添加による着色
は透明着色であってもよいし、また、不透明(隠蔽)着
色であっても構わない。
は、必要に応じて、ラジカル捕捉剤および/ないし紫外
線吸収剤を添加しても構わない。これは、前記発泡層3
や前記被覆層5が紫外線によって劣化するのを防止し、
耐候性を向上させる目的で用いられる。ラジカル捕捉剤
としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤が好適で
ある。理由としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉
剤は、テトラアルキルピペリジンを母核に持ち、紫外線
で発生するラジカルを捕捉するラジカル捕捉作用がある
他に、ヒドロペルオキシド(ROOH)の不活性作用等
の各種作用機構によりその効果が発揮されると推定され
ており、多機能の安定剤として優れた性能が得られる。
ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤の具体例としては、
ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル−トリデシル−1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、テトラギス−(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート等の他、たとえば、特
公平4−82625号公報に開示されている化合物など
のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を挙げることがで
きる。また、紫外線吸収剤としては、たとえば、2−
(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒド
ロキシ−3'−tert−アミル−5'−イソブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒド
ロキシ−3'−イソブチル−5'−メチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'
−イソブチル−5'−プロピルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール等の2'−ヒドロキシフェニル−5−ク
ロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2'−
ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2'−ヒドロキシフ
ェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,2'−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−
ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の
2,2'−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤
類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキ
シベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、サリチル酸フェニ
ル、4−tert−ブチル−フェニル−サリシレート等
のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤類、2−エチル−
ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤類等を
用いることができるが、本発明の壁装用シートに用いる
紫外線吸収剤として非塩素系のベンゾトリアゾール系、
ベンゾフェノン系、または、シアノアクリレート系が適
当である。また、これら発泡層3、表面層5には、必要
に応じて各種安定剤を添加してもよい。
て抗菌性をもたせることもできる。この表面層5に添加
する抗菌剤としては、たとえば、活性炭、活性アルミ
ナ、シリカゲル等の無機系吸着剤、ゼオライト、ヒドロ
キシアパタイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタン、チタ
ン酸カリウム、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウ
ム、ハイドロタルサイド等の無機イオン交換体に銀イオ
ンまたは銀イオンの他に銅イオン、亜鉛イオンを併用し
て担持させた銀系抗菌剤、あるいは、抗菌性のある無機
塩類を酸化亜鉛粒子に化合させた酸化亜鉛化合物等の周
知のものを挙げることができる。
と前記発泡層3、あるいは、前記発泡層3と前記絵柄層
4の層間、あるいは、前記絵柄層4と前記被覆層5との
層間に層間接着力の向上を図ることを目的に、接着剤塗
布やコロナ放電処理等の接着力向上手段を適宜用いるこ
ともできる。
安定剤としてのラジカル捕捉剤、あるいは、紫外線吸収
剤が、たとえば、絵柄層に添加されていても構わない
し、接着力向上手段として接着剤塗布を行う場合にあっ
ては、この接着剤に光安定剤としてのラジカル捕捉剤、
あるいは、紫外線吸収剤が添加されていても構わない。
てさらに詳しく説明する。まず、坪量105g/m2 の難燃性
裏打紙〔特種製紙(株)製〕の表面に、表1に示す配合
の発泡層形成組成物(水性エマルジョン)を乾燥後の塗
布量が170g/m2 となるようにコンマドクターコート法で
塗工し、この塗工面にアクリル系水性インキを用いてグ
ラビア印刷法で印刷して絵柄層を形成した中間シートA
を作製した。
ィン系接着剤〔三井化学(株)製ユニストールP〕を乾
燥後に3g/m2となるように塗工した後に、この接着剤を
塗工した面に、オレフィン系熱可塑性樹脂〔三井デユ ポ
ンケミカル(株)製Zn系アイオノマー(MFR:16)〕と
をオレフィン系熱可塑性樹脂〔Montell-JPO(株)製ホ
モポリマー系ポリピロピレン(MFR:20)〕とからなる被
覆層をTダイ押出機で前者のオレフィン系熱可塑性樹脂
が接着剤面側になるように共押出して、難燃性裏打紙10
5g/m2 /発泡層形成組成物170g/m2 /絵柄層/接着剤3
g/m2/Zn系アイオノマー(MFR:16)〔三井デユ ポンケ
ミカル(株)製〕9μm/ホモポリマー系ポリプロピレ
ン(MFR:20)〔Montell-JPO(株)製〕6μm、の中間
シートBを形成し、その後、該中間シートBの前記発泡
層形成組成物を加熱発泡させると共に、前記被覆層側か
らクロス調のエンボス加工を施して、本発明の壁装用シ
ートを作製した。
ーとポリプロピレンの厚さのみ変更して、難燃性裏打紙
105g/m2 /発泡層形成組成物170g/m2 /絵柄層/接着剤
3g/m2/Zn系アイオノマー10μm/ホモポリマー系ポ
リプロピレン5μm、の構成とした以外は実施例1と同
じ方法で本発明の壁装用シートを作製した。
ーにかえて、オレフィン系熱可塑性樹脂〔三井デユ ポン
ケミカル(株)製PP系接着性樹脂(MFR:15)〕を用い
ると共に絵柄層面に接着剤を塗布せずに、難燃性裏打紙
105g/m2 /発泡層形成組成物170g/m2 /絵柄層/PP系
接着性樹脂(MFR:15)〔三井デユ ポンケミカル(株)製〕
9μm/ポリプロピレン6μm、の構成とした以外は実
施例1と同じ方法で本発明の壁装用シートを作製した。
ーとポリプロピレンとをオレフィン系熱可塑性樹脂〔三
井石油化学工業(株)製LLDPE系接着剤(MFR:9.0
)〕とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチ
レン含有率:32mol %、MFR:5.0 )にかえると共に、被
覆層を形成する各層の厚さも変更し、かつ、絵柄層面に
接着剤を塗布せずに、難燃性裏打紙105g/m2 /発泡層形
成組成物170g/m2 /絵柄層/LLDPE系接着剤(MFR:
9.0)〔三井石油化学工業(株)製〕7μm/エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレン含有率:32mol
%、MFR:5.0 )8μmの構成とした以外は実施例1と同
じ方法で本発明の壁装用シートを作製した。
ーとポリプロピレンとを、ポリプロピレンのみに変更す
ると共に厚さも変更して、難燃性裏打紙105g/m 2 /発泡
層形成組成物170g/m2 /絵柄層/接着剤3g/m2/ポリプ
ロピレン15μmの構成とした以外は実施例1と同じ方法
で比較例とする壁装用シートを作製した。
較例1について、表面強度を測定してその結果を表2
に、また、接着強度を測定してその結果を表3に纏めて
示した。
も明らかなように、比較例の壁装用シートに比べて、表
面強度、接着強度共に極めて良好な結果が得られた。
意匠性に優れ、焼却などするときに塩化水素ガス等の有
害なガスの発生がなく人間や環境に優しい壁装用シート
であって、耐汚染性や耐擦傷性等の表面物性はもとよ
り、特に耐引っ掻き性において優れた表面物性を有する
壁装用シートである。また、このような優れた物性を有
する2層以上の多層からなる被覆層を一工程で形成する
ことができると共に、上記表面物性を得るに必要な最小
厚さで形成することができるためにコストも安価にする
ことができる。
す層構成図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材層上に、発泡剤およびオレフィン系
樹脂ないしアクリル系樹脂を主体とする発泡層と、絵柄
層と、非ハロゲン系熱可塑性樹脂を主体とする組成物か
らなる被覆層とが順に形成されている壁装用シートにお
いて、前記被覆層が加熱溶融押出し塗工法で形成された
2つ以上の層からなり、かつ、前記2つ以上の層が共押
出しにより形成されていることを特徴とする壁装用シー
ト。 - 【請求項2】 前記被覆層の最外層がオレフィン系樹
脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂のいずれかの樹脂
で形成されていることを特徴とする請求項1記載の壁装
用シート。 - 【請求項3】 前記最外層を形成するオレフィン系樹脂
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物であること
を特徴とする請求項2記載の壁装用シート。 - 【請求項4】 前記被覆層の前記最外層に隣接する隣接
層がオレフィン系樹脂で形成されていることを特徴とす
る請求項2、3のいずれかに記載の壁装用シート。 - 【請求項5】 前記隣接層を形成するオレフィン系樹脂
がアイオノマーであることを特徴とする請求項4記載の
壁装用シート。 - 【請求項6】 前記被覆層側に凹凸模様を形成したこと
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の壁装用シ
ート。
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