JP2007224485A - 発泡壁紙用原反及び発泡壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙質基材の焼けを生じさせずに良好な発泡特性を発現でき、且つ、表面強度が高い発泡壁紙の製造に適した、発泡壁紙用原反を提供する。
【解決手段】紙質基材及び発泡剤含有樹脂層を少なくとも有する発泡壁紙用原反であり、
(1)発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分中にエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を含有し、
(2)前記樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量は、2〜10重量%である、
ことを特徴とする発泡壁紙用原反。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡壁紙用原反及び発泡壁紙に関する。
発泡壁紙用原反(材料)と発泡壁紙(製品)とは次の関係にある。即ち、発泡壁紙用原反は発泡壁紙の製造材料であって、未発泡状態の発泡剤含有樹脂層を有する。当該原反は、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とし、必要に応じて装飾処理やエンボス加工を施されて発泡壁紙(製品)となる。
従来、発泡壁紙としては、紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂(塩ビ樹脂)からなる発泡樹脂層を形成したものが知られている。ところが、近年では、環境に配慮して発泡樹脂層に塩ビ樹脂を使用せず、例えば、ポリオレフィン系樹脂を用いた、いわゆる非塩ビ樹脂壁紙が提案されている(特許文献1〜3等)。
発泡壁紙はその表面強度が高いことが望まれる。そして、表面強度を高める方法として、例えば、発泡樹脂層を構成する樹脂としてエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を用いる方法が知られている。この場合は、発泡壁紙用原反の発泡剤含有樹脂層の樹脂成分に当該エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が含まれることとなり、かかる発泡剤含有樹脂層が発泡することにより発泡樹脂層が形成される。
しかしながら、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は分子中にカルボン酸を含むため、分子間に水素結合が生じる結果、他のエチレン共重合体を用いる場合に比して、高温且つ長時間で加熱しなければ所望の発泡特性(発泡倍率、表面状態など)が得られないという問題がある。このように高温且つ長時間の加熱は、紙質基材の焼けを引き起こすとともに、樹脂層の変色ももたらすため、改善の余地がある。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、紙質基材の焼けを生じさせずに良好な発泡特性を発現でき、且つ、表面強度が高い発泡壁紙の製造に適した、発泡壁紙用原反を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発泡剤含有樹脂層に特定の樹脂成分を含有する場合には上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙用原反及び発泡壁紙に関する。
1.紙質基材及び発泡剤含有樹脂層を少なくとも有する発泡壁紙用原反であって、
(1)発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分中にエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を含有し、
(2)前記樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量は、2〜10重量%である、
ことを特徴とする発泡壁紙用原反。
2.前記樹脂成分中に更にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する、上記項1に記載の発泡壁紙用原反。
3.不飽和カルボン酸が、アクリル酸又はメタクリル酸である、上記項1又は2に記載の発泡壁紙用原反。
4.非発泡樹脂層を更に有し、非発泡樹脂層は、紙質基材から順に発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層となるように形成されている、上記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙用原反。
5.紙質基材と発泡剤含有樹脂層との間に更に非発泡樹脂層が形成されている、上記項4に記載の発泡壁紙用原反。
6.上記項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙用原反の発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる、発泡壁紙。
7.最表面層の上からエンボス加工がなされている、上記項6に記載の発泡壁紙。

以下、本発明の発泡壁紙用原反及び発泡壁紙について説明する。
発泡壁紙用原反
本発明の発泡壁紙用原反は、紙質基材及び発泡剤含有樹脂層を少なくとも有し、
(1)発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分中にエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を含有し、
(2)前記樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量は、2〜10重量%である、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡壁紙用原反は、発泡剤含有樹脂層の樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量が2〜10重量%であるため、発泡工程に際して、紙質基材及び樹脂層の変質(変色)を防止しながら所望の発泡特性を発現でき、表面状態は良好である(発泡セルが均一であり発泡表面が滑らか)。また、当該発泡壁紙用原反から得られる発泡壁紙は良好な表面強度を有する。
(紙質基材)
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
(非発泡樹脂層B)
本発明の発泡壁紙用原反は、紙質基材と発泡剤含有樹脂層との間に非発泡樹脂層Bが形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、樹脂層と紙質基材との優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。
非発泡樹脂層Bは、実質的に樹脂成分だけでもよいが、必要に応じて、公知の添加剤を含んでも良い。非発泡樹脂層Bにおける樹脂成分の含有量は、70〜100重量%の範囲から設定されるのが好ましい。
非発泡樹脂層Bの厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
(発泡剤含有樹脂層)
発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分及び熱分解型発泡剤を含み、必要に応じて、無機充填剤、顔料、セル調整剤等の添加剤を更に含んでもよい。
樹脂成分としてはエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を必須成分として含有し、樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量は、2〜10重量%である。
上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体としては、例えば、エチレン−メタクリル酸(CH=C(CH)COOH)共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸(CH=CHCOOH)共重合体(EAA)等が挙げられる。樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量は2〜10重量%であれば良い。
上記不飽和カルボン酸含有量の調整方法は限定的ではなく、不飽和カルボン酸の共重合比率を調整する方法、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体に更に不飽和エステルなどを共重合させることにより不飽和カルボン酸含有量を調整する方法、不飽和カルボン酸を含有しない樹脂成分を更に混合する方法などが挙げられる。不飽和カルボン酸を含有しない樹脂成分としては、例えば、EVAが好適である。
熱分解型発泡剤としては限定的ではなく、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。
熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率(発泡剤含有樹脂層に対する発泡樹脂層の厚さ)等に応じて適宜設定できる。発泡倍率は1.5倍以上が好ましく、3〜7倍程度がより好ましい。この観点からは、熱分解型発泡剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して1〜20重量部程度が好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、0.5〜5重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層の厚みは限定的ではないが、50〜200μm程度が好ましい。
(非発泡樹脂層A)
本発明の発泡壁紙用原反は、発泡剤含有樹脂層上に(紙質基材と反対側に)非発泡樹脂層Aを設けることもできる。非発泡樹脂層Aは、例えば、最終製品である発泡壁紙の表面保護層としての役割がある。
非発泡樹脂層Aに含まれる樹脂成分は限定的ではないが、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を含むことが好ましい。
前記樹脂成分としては、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体を樹脂成分として好適に用いることができる。より具体的には、前記EAA、EMAA等及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種が望ましい。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成できるため、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等が得られ易い。
前記共重合体におけるアクリル酸(AA)又はメタクリル酸(MAA)の含有量は4〜20重量%程度であることが好ましい。
非発泡樹脂層Aは、実質的に樹脂成分だけでもよいが、必要に応じて、公知の添加剤を含んでも良い。非発泡樹脂層Aにおける樹脂成分の含有量は、70〜100重量%の範囲から設定されるのが好ましい。
非発泡樹脂層Aの厚みは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
前記樹脂成分のメルトフローレート値は、用いる樹脂成分の種類等によるが、通常は10〜60g/10分とすることが好ましい。非発泡樹脂層のMFR値が高い場合は、発泡樹脂層表面の発泡ガスが非発泡樹脂層へと進入するため、特に10〜35g/10分の範囲にあることが好ましい。このような数値範囲のものを使用することにより、より優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。
(発泡壁紙用原反の製造方法)
発泡壁紙用原反の製造方法は限定されないが、各層を形成するための樹脂組成物を同時溶融押出しすることにより樹脂層(積層体)を形成後、樹脂層と紙質基材とを熱ラミネートする方法が好ましい。
同時溶融押出しは、例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。例えば、樹脂層の同時溶融押出しには、複数層の同時押出しが可能なマルチマニホールドTダイ押出し機を好適に使用できる。この場合、各樹脂層を形成するための樹脂組成物を各々別のシリンダーに充填し、シリンダーを加熱して樹脂層を同時に溶融押出しすればよい。
各シリンダーの加熱温度は樹脂組成物の種類に応じて適宜設定できるが、一般にシリンダー温度は100〜140℃程度が好ましく、110〜130℃程度がより好ましい。また、ダイス温度は110〜130℃程度が好ましい。
熱ラミネートに際しては、加熱した紙質基材上に樹脂シートを積層してラミネートすればよい。紙質基材の加熱温度は限定的ではないが、80〜120℃程度が好ましく、90〜100℃程度がより好ましい。
発泡壁紙
発泡壁紙用原反は、更に発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることによって発泡壁紙にできる。具体的には、発泡壁紙用原反を加熱することにより発泡剤を熱分解し、発泡させることにより発泡樹脂層を形成する。加熱に際しては、ギアオーブンなどを利用できる。
加熱条件は限定的ではないが、200〜235℃程度が好ましく、220〜230℃程度がより好ましい。加熱時間も限定的ではないが、20〜60秒程度が好ましく、30〜40秒程度がより好ましい。かかる加熱条件であれば、紙質基材の焼けや樹脂層の変色を伴うことなく所望の発泡特性が得られる。発泡倍率は1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度が得られ、表面状態は良好である(発泡セルが均一であり発泡表面が滑らか)。
また、前記加熱処理の前に、樹脂層に電子線照射を行ってもよい。例えば、発泡樹脂層A側から電子線照射すればよい。電子線照射によって樹脂成分(特にEVA)を架橋し、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御できる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
電子線照射を行う場合には、前記樹脂組成物に架橋助剤を含有しても良い。架橋助剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであれば良い。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋助剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度が好ましく、1〜4重量部程度がより好ましい。
発泡壁紙は、最表面層に絵柄模様層(布目模様等)を有しても良い。
絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、非発泡樹脂層Aのおもて面に絵柄模様を印刷することにより形成する。絵柄模様層は、前記加熱処理の前に形成することが好ましい。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等がある。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用できる顔料と同様でよい。
印刷インキに含まれる樹脂成分は、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
発泡壁紙は、最表面層の上からエンボス加工されていてもよい。エンボス加工は常法に従って行えばよい。例えば、発泡壁紙(発泡樹脂層形成後)の非発泡樹脂層Aのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することによりエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明の発泡壁紙用原反は、発泡剤含有樹脂層の樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量が2〜10重量%であるため、発泡工程に際して、紙質基材及び樹脂層の変質(変色)を防止しながら所望の発泡特性を発現でき、表面状態は良好である(発泡セルが均一であり発泡表面が滑らか)。また、当該発泡壁紙用原反から得られる発泡壁紙は良好な表面強度を有する。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み10μm/100μm/10μmになるように製膜した。押し出し条件は、前記i)層の樹脂はシリンダー温度140℃とし、前記ii)層の樹脂はシリンダー温度120℃とし、前記iii)層の樹脂はシリンダー温度100℃とした。ダイス温度は全て120℃とした。
次いで、前記iii)層の面に、表面温度を90℃とした裏打紙「NI−65A、日本製紙製」を積層した。これにより発泡壁紙用原反を作製した。
次いで、発泡壁紙用原反の前記i)層上から電子線(200KV,30kGy)を照射して、前記i)層及びii)層を樹脂架橋後、i)層上にコロナ放電処理を行った。更にグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系エマルションを2g/mコートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック、大日精化工業製」を用いて布目模様を印刷した。
次いで、ギアオーブンにて加熱(加熱条件は1)「220℃×35秒」と2)「240℃×35秒」の2通りとした)し、発泡剤含有樹脂層に含まれる発泡剤を発泡させた。更に、発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施して発泡壁紙を作製した。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層i)は、エチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN1560、三井・デュポン ポリケミカル製」により形成した。
発泡樹脂層ii)は、エチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN1035(MAA含有量=10重量%)、三井・デュポン ポリケミカル製」100重量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH、東洋ファインケミカル製」30重量部、二酸化チタン「R−108、デュポン製」25重量部、発泡剤「ビニホールAC#3、永和化成工業製」4重量部、安定剤「アデカスタブOF−102、旭電化工業製」5重量部、架橋助剤「オプスターJUA−702:JSR製」1重量部を含む樹脂組成物(樹脂成分中の不飽和カルボン酸含有量は10重量%)により形成した。
非発泡樹脂層iii)は、EVA「エバフレックスEV150(VA含有量=33重量%)、三井・デュポン ポリケミカル製」により形成した。
実施例2
ii)層の樹脂成分をEMAA「ニュクレルN1560(MAA含有量=15重量%)、三井・デュポン ポリケミカル製」65重量部と、EVA「エバフレックスV406、三井・デュポン ポリケミカル製」35重量部の混合物(樹脂成分中の不飽和カルボン酸含有量は9.8重量%)とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
実施例3
ii)層の樹脂成分をEMAA「ニュクレルN035C(MAA含有量=10重量%)、三井・デュポン ポリケミカル製」とした(樹脂成分中の不飽和カルボン酸含有量は10重量%)以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
実施例4
ii)層の樹脂成分をEMAA「ニュクレルN0200H(MAA含有量=2重量%)、三井・デュポン ポリケミカル製」とした(樹脂成分中の不飽和カルボン酸含有量は2重量%)以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
実施例5
ii)層の樹脂成分をEAA「レクスパールAS211S(アクリル酸含有量=8.5重量%)、日本ポリエチレン製」とした(樹脂成分中の不飽和カルボン酸含有量は8.5重量%)以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
比較例1
ii)層の樹脂成分をEMAA「ニュクレルN1110H(MAA含有量=11重量%)、三井・デュポン ポリケミカル製」とした(樹脂成分中の不飽和カルボン酸含有量は11重量%)以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
比較例2
ii)層の樹脂成分をEMAA「ニュクレルN1035(MAA含有量=10重量%)、三井・デュポン ポリケミカル製」10重量部と、EVA「エバフレックスV406、三井・デュポン ポリケミカル製」90重量部の混合物とした(樹脂成分中の不飽和カルボン酸含有量は1重量%)以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
試験例1〜3
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の1)発泡ボリューム、2)裏打紙焼け、3)表面強度を評価した。結果を表1に示す。
≪試験例1≫
発泡倍率の測定により発泡ボリュームを評価した。評価基準は次の通りとした。
○:発泡倍率が3倍以上であり、且つ、表面状態が良い(発泡セルが均一であり発泡表面が滑らか)。
△:発泡倍率は3倍以上であるが、表面状態が悪い(発泡セルが大きく不均一であり発泡表面に凹が認められる)。
×:発泡倍率が3倍未満
≪試験例2≫
発泡工程の前後での裏打紙の色差から焼けを評価した。色差「ΔE」は、光電色彩計を用いてJIS Z8730.6.2に従ってL、a及びbの値を測定し、JIS Z8730.7に従って算出した。評価基準は次の通りとした。
○:ΔEで3未満
×:ΔEで3以上
≪試験例3≫
日本ビニル工業会建装部会制定「表面強化商品性能試験」に従って、表面強度を評価した。評価基準は次の通りとした。
○:5級
×:4級以下
Figure 2007224485

Claims (7)

  1. 紙質基材及び発泡剤含有樹脂層を少なくとも有する発泡壁紙用原反であって、
    (1)発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分中にエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を含有し、
    (2)前記樹脂成分中における不飽和カルボン酸含有量は、2〜10重量%である、
    ことを特徴とする発泡壁紙用原反。
  2. 前記樹脂成分中に更にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する、請求項1に記載の発泡壁紙用原反。
  3. 不飽和カルボン酸が、アクリル酸又はメタクリル酸である、請求項1又は2に記載の発泡壁紙用原反。
  4. 非発泡樹脂層を更に有し、非発泡樹脂層は、紙質基材から順に発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層となるように形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙用原反。
  5. 紙質基材と発泡剤含有樹脂層との間に更に非発泡樹脂層が形成されている、請求項4に記載の発泡壁紙用原反。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙用原反の発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる、発泡壁紙。
  7. 最表面層の上からエンボス加工がなされている、請求項6に記載の発泡壁紙。
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