JPWO2019188204A1 - 発泡積層シート - Google Patents

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Abstract

本開示においては、良好な表面強度を有する発泡樹脂層を有し、かつ、カールの発生を抑制した発泡積層シートを提供することを主目的とする。本開示においては、繊維質基材と、上記繊維質基材の一方の面側に配置され、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する樹脂層と、を有する発泡積層シートであって、上記樹脂層は、少なくとも発泡樹脂層を有し、熱機械分析にて上記樹脂層の伸びを、20℃以上、100℃以下の範囲で測定し、1℃ずつの線膨張係数を求めた場合に、上記線膨張係数のピーク値が、0.020[1/℃]以上、0.050[1/℃]以下である、発泡積層シートを提供することにより、上記課題を解決する。

Description

本開示は、発泡積層シートに関する。
例えば、壁、天井、床等に用いる壁紙として、裏打ち紙等の繊維質基材上に発泡樹脂層を設けた発泡積層シートが知られている。このような発泡積層シートとして、塩化ビニル(PVC)樹脂の発泡樹脂層を有するPVC系発泡積層シートが多用されている。近年、環境配慮の観点から、PVC樹脂にかえて、非塩素系の熱可塑性樹脂の発泡樹脂層を有する発泡積層シートの開発も進められている(特許文献1、2)。
特開2005−120487号公報 特開2012−213939号公報
オレフィン系樹脂を用いた発泡樹脂層を有する発泡積層シートは、カールが発生しやすい。一方、耐傷性向上の観点から、良好な表面強度を有する発泡樹脂層を有する発泡積層シートが求められている。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、良好な表面強度を有する発泡樹脂層を有し、かつ、カールの発生を抑制した発泡積層シートを提供することを主目的とする。
本開示においては、繊維質基材と、上記繊維質基材の一方の面側に配置され、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する樹脂層と、を有する発泡積層シートであって、上記樹脂層は、少なくとも発泡樹脂層を有し、熱機械分析にて上記樹脂層の伸びを、20℃以上、100℃以下の範囲で測定し、1℃ずつの線膨張係数を求めた場合に、上記線膨張係数のピーク値が、0.020[1/℃]以上、0.050[1/℃]以下である、発泡積層シートを提供する。
本開示によれば、樹脂層の線膨張係数のピーク値が所定の範囲内にあることから、良好な表面強度を有する発泡樹脂層を有し、かつ、カールの発生を抑制した発泡積層シートとすることができる。
上記開示においては、上記樹脂層が、上記発泡樹脂層を基準として上記繊維質基材とは反対側の位置に、非発泡樹脂層Aを有していてもよい。
上記開示においては、上記樹脂層が、上記発泡樹脂層を基準として上記繊維質基材側の位置に、非発泡樹脂層Bを有していてもよい。
上記開示においては、上記繊維質基材の坪量が、50g/m以上、70g/m以下であってもよい。
上記開示においては、上記発泡樹脂層が、上記オレフィン系樹脂として、オレフィン−ビニルエステル共重合体を含有していてもよい。
上記開示においては、上記発泡樹脂層が、上記オレフィン系樹脂として、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体を含有していてもよい。
本開示の発泡積層シートは、良好な表面強度を有する発泡樹脂層を有し、かつ、カールの発生を抑制できるという効果を奏する。
本開示の発泡積層シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の発泡積層シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の発泡積層シートの一例を示す概略断面図である。 本開示における未発泡積層シートの一例を示す概略断面図である。 実施例1〜3および比較例1、2における樹脂層の線膨張係数の結果である。
以下、本開示の発泡積層シートについて詳細に説明する。
図1は、本開示の発泡積層シートの一例を示す概略断面図である。図1に示す発泡積層シート10は、繊維質基材1と、繊維質基材1の一方の面側に配置され、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する樹脂層Xとを有する。また、樹脂層Xは、内部に発泡セルSを有する発泡樹脂層2を少なくとも有する。本開示においては、熱機械分析にて樹脂層Xの伸びを、20℃以上、100℃以下の範囲で測定し、1℃ずつの線膨張係数を求めた場合に、その線膨張係数のピーク値が、所定の範囲内にあることを一つの特徴とする。
また、図1における樹脂層Xは、発泡樹脂層2のみから構成されているが、図2に示すように、樹脂層Xは、発泡樹脂層2を基準として繊維質基材1とは反対側の位置に、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する非発泡樹脂層A(非発泡樹脂層3)を有していてもよい。同様に、樹脂層Xは、発泡樹脂層2を基準として繊維質基材1側の位置に、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する非発泡樹脂層B(非発泡樹脂層4)を有していてもよい。また、図3に示すように、発泡積層シート10は、繊維質基材1および樹脂層Xの他に、絵柄模様層5、保護層6を有していてもよい。
本開示によれば、樹脂層の線膨張係数のピーク値が所定の範囲内にあることから、良好な表面強度を有する発泡樹脂層を有し、かつ、カールの発生を抑制した発泡積層シートとすることができる。上述したように、オレフィン系樹脂を用いた発泡樹脂層を有する発泡積層シートは、カールが生じやすい。その理由としては、繊維質基材の線膨張係数と、オレフィン系樹脂を用いた発泡樹脂層の線膨張係数との差が大きいことが挙げられる。具体的には、発泡積層シートの製造において、発泡剤含有樹脂層を形成するための加熱処理、発泡剤含有樹脂層を発泡させるための加熱処理、エンボス形成のための加熱処理等の種々の加熱処理が行われるが、その際に、オレフィン系樹脂を用いた従来の発泡樹脂層は、繊維質基材に比べて、寸法変化が非常に大きいため、冷却時(固化時)にカールが発生しやすい。これに対して、本開示においては、樹脂層の線膨張係数のピーク値の上限が十分に低い。言い換えると、寸法変化が生じくいため、繊維質基材の線膨張係数と、オレフィン系樹脂を用いた発泡樹脂層の線膨張係数との差が小さく、カールの発生を抑制できる。そのため、施工性が良好な発泡積層シートとすることができる。一方、樹脂層の線膨張係数のピーク値が低すぎると、発泡樹脂層の表面強度も低下する傾向にある。これに対して、本開示においては、樹脂層の線膨張係数のピーク値の下限を、所定の値以上とすることで、良好な表面強度を有する発泡樹脂層を有する発泡積層シートとすることができる。
1.樹脂層
本開示における樹脂層は、繊維質基材の一方の面側に配置され、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する層である。また、樹脂層は、少なくとも発泡樹脂層を有し、発泡樹脂層のみを有していてもよく、他の層をさらに有していてもよい。他の層としては、例えば、後述する非発泡樹脂層A、Bが挙げられる。
本開示において、樹脂層の線膨張係数のピーク値は、例えば、0.020[1/℃]以上であり、0.022[1/℃]以上であってもよく、0.025[1/℃]以上であってもよい。ピーク値が小さすぎると、発泡樹脂層の表面強度が低くなりやすい。一方、樹脂層の線膨張係数のピーク値は、例えば、0.050[1/℃]以下であり、0.045[1/℃]以下であってもよい。ピーク値が大きすぎると、発泡積層シートにカールが発生しやすい。
また、本開示においては、熱機械分析にて樹脂層の伸びを、20℃以上、100℃以下の範囲で測定し、1℃ずつの線膨張係数を求める。すなわち、20℃(293K)から21℃(294K)における線膨張係数を求め、これを、1℃(1K)ずつ温度を上げて100℃(373K)まで繰り返す。線膨張係数α[1/℃、1/K]は、α=1/L×ΔL/Δtにより算出される。Lはサンプルの長さ、ΔLは長さの変化量、Δtは温度の変化量である。熱機械分析の測定条件は、後述する実施例に記載する条件であることが好ましい。
樹脂層の線膨張係数のピーク値は、例えば、樹脂層(特に発泡樹脂層)に含まれるオレフィン系樹脂の組成によって調整できる。例えば、オレフィン系樹脂が、オレフィンと、コモノマーとの共重合体である場合には、オレフィンの割合を少なくし、コモノマーの割合を多くすると、樹脂層の線膨張係数が低下する傾向にある。また、コモノマーの割合が異なるオレフィン系樹脂をブレンドして、樹脂層の線膨張係数のピーク値を調整してもよい。また、例えば、発泡樹脂層の樹脂量、樹脂骨格の架橋点の数(例えば、二重結合部数、官能基数)、架橋反応に関わる添加剤(例えば、架橋剤、架橋助剤、カップリング剤)の種類および量、無機充填剤の種類および量、可塑剤の種類および量、活性エネルギー線の照射条件(例えば照射量および照射強度)を変更することによっても、樹脂層の線膨張係数のピーク値を調整できる。
(1)発泡樹脂層
発泡樹脂層は、樹脂成分として、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する。また、発泡樹脂層は、無機充填剤および他の添加剤をさらに含有していてもよい。
(i)樹脂成分
発泡樹脂層は、樹脂成分として、オレフィン系樹脂を含有していてもよい。オレフィン系樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、オレフィン−ビニルエステル共重合体、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体、オレフィン−不飽和カルボン酸エステル共重合体が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)が挙げられ、中でもPEが好ましい。PEとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。
オレフィン−ビニルエステル共重合体は、オレフィンおよびビニルエステルをモノマー成分として含む共重合体であり、二元または三元以上の共重合体であってもよい。上記オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられる。一方、上記ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルが挙げられる。
オレフィン−ビニルエステル共重合体の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−カプロン酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン−カプリル酸ビニル共重合体、エチレン−ラウリル酸ビニル共重合体、エチレン−ステアリン酸ビニル共重合体が挙げられる。オレフィン−ビニルエステル共重合体におけるビニルエステルの割合は、特に限定されないが、例えば5質量%以上であり、15質量%以上であってもよい。一方、上記ビニルエステルの割合は、例えば45質量%以下であり、35質量%以下であってもよい。例えば、オレフィン−ビニルエステル共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体である場合、JIS K 7192:1999にて、酢酸ビニル含有量を測定することができる。また、オレフィン−ビニルエステル共重合体におけるビニルエステルの割合を多くすると、得られる発泡樹脂層の線膨張係数が低下する傾向にある。
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体は、オレフィンおよび不飽和カルボン酸をモノマー成分として含む共重合体であり、二元または三元以上の共重合体であってもよい。上記オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられる。一方、上記不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の具体例としては、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)が挙げられる。オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体における酸含有量は、特に限定されないが、例えば1質量%以上であり、5質量%以上であってもよい。一方、上記酸含有量は、例えば20質量%以下であり、17質量%以下であってもよい。酸含有量は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による測定で求めることができる。また、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体における酸含有量を多くすると、得られる発泡樹脂層の線膨張係数が低下する傾向にある。
オレフィン−不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルメタクリレート共重合体(EEMA)が挙げられる。
オレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)値は、溶融押出適性の観点から、例えば5g/10分以上であり、20g/10分以上であってもよい。一方、オレフィン系樹脂のMFR値は、例えば500g/10分以下であり、200g/10分以下であってもよい。MFR値は、JIS K7210:2014「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方」に記載の試験方法により、温度190℃、加重21.18N(2.16kgf)の条件で測定することができる。
発泡樹脂層は、樹脂成分として、オレフィン系樹脂の架橋物を含有していてもよい。この架橋物は、オレフィン系樹脂の分子鎖が架橋した架橋物であり、例えば、電子線照射により架橋された架橋物であってもよく、架橋剤により架橋された架橋物であってもよい。
発泡樹脂層は、樹脂成分として、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を主成分として含有することが好ましい。この場合、発泡樹脂層は、オレフィン系樹脂を主成分として含有していてもよく、オレフィン系樹脂の架橋物を主成分して含有していてもよく、オレフィン系樹脂およびその架橋物の混合物を主成分として含有していてもよい。なお、発泡樹脂層の全ての樹脂成分に対する、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方の割合は、例えば70質量%以上であり、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。また、発泡樹脂層は、樹脂成分として、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方のみを含有していてもよい。
発泡樹脂層における樹脂成分の含有量は、例えば、30質量%以上、80質量%以下であり、40質量%以上、70質量%以下であってもよく、50質量%以上、60質量%以下であってもよい。樹脂成分の含有量が多すぎると、十分な発泡倍率が得られない場合がある。一方、樹脂成分の含有量が少なすぎると、押出製膜性に劣る場合がある。
(ii)無機充填剤
発泡樹脂層は、上述した樹脂成分の他に、難燃性付与、目透き抑制、表面強度向上等を目的として、無機充填剤を含んでいてもよい。無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、二酸化チタンが挙げられる。なお、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0質量部以上、100質量部以下であり、20質量部以上、70質量部以下であってもよい。
(iii)添加剤
発泡樹脂層は、必要に応じて、顔料、酸化防止剤、架橋剤、架橋助剤、表面処理剤防カビ剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、希釈剤、消臭剤、光安定剤、可塑剤等の添加剤を含んでいてもよい。また、未発泡の発泡剤が含まれていてもよい。
(iv)発泡樹脂層の構造
発泡樹脂層は、内部に発泡セルを有する。発泡セルは、独立気泡であってもよく連続気泡であってもよく、独立気泡と連続気泡とが混在していてもよい。また、発泡セルの数、大きさ、密度、形状等は特に限定されず、本開示の発泡積層シートの種類、用途等に応じて適宜設計することができる。発泡セルは、発泡樹脂層の形成に用いられる発泡剤含有樹脂組成物に含まれる発泡剤を発泡して形成することができる。
発泡樹脂層の厚みは、特に限定されないが、例えば、350μm以上、1500μm以下であり、500μm以上、1200μm以下であってもよい。
(2)非発泡樹脂層A
本開示における樹脂層は、発泡樹脂層を基準として繊維質基材とは反対側の位置に、非発泡樹脂層Aを有していてもよい。非発泡樹脂層Aを設けることで、例えば発泡樹脂層の表面強度を高めることができる。すなわち、非発泡樹脂層Aは、発泡樹脂層の保護層として機能することが好ましい。
非発泡樹脂層Aは、樹脂成分として、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する。オレフィン系樹脂およびその架橋物としては、例えば、上述した発泡樹脂層における材料と同様の材料が挙げられる。特に、非発泡樹脂層Aは、樹脂成分として、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を主成分として含有することが好ましい。
非発泡樹脂層Aに用いられる、好ましいオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE))、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、エチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン(LLDPE))、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマーが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。他の(メタ)と記載された部分についても同様である。
非発泡樹脂層Aは、充填剤、着色剤、光安定剤、発泡剤、その他滑剤、抗菌剤等の公知の添加剤を含んでもよい。非発泡樹脂層Aは透明でもよく、無着色でもよく、また着色してもよい。また、非発泡樹脂層Aの厚みは、特に限定されないが、例えば、2μm以上、50μm以下である。
(3)非発泡樹脂層B
本開示における樹脂層は、発泡樹脂層を基準として繊維質基材側の位置に、非発泡樹脂層Bを有していてもよい。非発泡樹脂層Bは、繊維質基材と発泡樹脂層との間に配置される。非発泡樹脂層Bは、例えば、接着機能を有することで、発泡樹脂層と繊維質基材との接着性を高めることができる。
非発泡樹脂層Bは、樹脂成分として、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する。オレフィン系樹脂およびその架橋物としては、例えば、上述した発泡樹脂層および非発泡樹脂層Aにおける材料と同様の材料が挙げられる。特に、非発泡樹脂層Bは、樹脂成分として、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を主成分として含有することが好ましい。
非発泡樹脂層Bに用いられる、好ましいオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)における酢酸ビニル成分(VA成分)の含有量(共重合比率)は、例えば、10質量%以上、46質量%以下であり、15質量%以上、41質量%以下であってもよい。また、非発泡樹脂層Bの厚みは、特に限定されないが、例えば、5μm以上、50μm以下である。
2.繊維質基材
本開示における繊維質基材は、発泡樹脂層を保持する部材である。このような繊維質基材としては、例えば紙、不織布、織布等の壁紙用途に用いられる公知の材料が挙げられる。上記紙は、一般紙であってもよく、難燃紙であってもよい。
難燃紙は、一般紙の中に難燃剤を含有させた紙である。難燃剤としては、例えば尿素、アンモニウム化合物等の窒素化合物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物(好ましくは水和物);自消性を有するリン又はハロゲン元素を含む難燃剤が挙げられる。中でも、水酸化マグネシウムのように結晶水を含む化合物は、燃焼分解時に結晶水の気化熱によって難燃化を図ることができる。
不織布は、抄紙式等の湿式不織布であってもよく、接着剤式、機械結合式(ニードルパンチ、ステッチボンド)、スパンボンド式等の乾式不織布であってもよい。不織布として具体的には、レーヨン紙、パルプを混抄した不織布、和紙、ガラス不織布、石綿不織布、ポリエステル不織布、ポリカーボネート不織布等の樹脂繊維不織布が挙げられる。
繊維質基材は、必要に応じて、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等の任意の材料を含むことができる。
繊維質基材の厚みは特に限定されず、本開示の発泡積層シートの用途に応じて適宜設定することができる。繊維質基材の坪量は、例えば30g/m以上であり、50g/m以上であってもよい。繊維質基材の坪量が少なすぎると、発泡樹脂層を十分に保持できない場合がある。一方、繊維質基材の坪量は、例えば100g/m以下であり、70g/m以下であってもよい。繊維質基材の坪量が小さくなるほど、カールは発生しやすくなるが、本開示においては、発泡樹脂層の線膨張係数のピーク値が所定の範囲内にあることから、例えば繊維質基材の坪量が100g/m以下である場合であっても、カールの発生を抑制することができる。
3.絵柄模様層
本開示の発泡積層シートは、発泡樹脂層を基準として繊維質基材とは反対側の位置に、絵柄模様層を有していてもよい。絵柄模様層を設けることで、発泡積層シートに、容易に意匠性を付与することができる。なお、本開示の発泡積層シートは、絵柄模様層を有していなくてもよい。
絵柄模様層は、発泡樹脂層に直接接していてもよく、プライマー層または接着層を介して接していてもよい。また、発泡積層シートが非発泡樹脂層Aを有する場合、発泡積層シートは、発泡樹脂層、非発泡樹脂層Aおよび絵柄模様層をこの順に有していてもよい。この場合、絵柄模様層は、非発泡樹脂層Aと直接接していてもよく、プライマー層または接着層を介して接していてもよい。
絵柄模様層は、少なくとも絵柄模様部を有し、絵柄模様層の形成方法に応じて、絵柄模様部を支持する支持部を有していてもよい。
絵柄模様部における絵柄模様は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様が挙げられる。
絵柄模様層は、例えば、支持部の一方の面に、印刷用インキを用いて絵柄模様部を印刷して形成することができる。また、支持部にかえて、発泡樹脂層または非発泡樹脂層Aの表面に、印刷用インキを用いて絵柄模様部を直接印刷して形成してもよい。
印刷用インキは、例えば着色剤、結着剤樹脂および溶剤を少なくとも含む。印刷用インキの組成の詳細については、例えば特開2017−43009号公報、特開2011−179161号公報に開示される絵柄模様層の形成に用いられる印刷インキの組成と同様の組成を採用できる。また、印刷用インキとして、公知又は市販のインキを使用することができる。印刷方法は特に限定されず、公知の印刷方法を用いることができる。また、絵柄模様部が全面ベタ状に形成される場合は、公知の塗工方法を用いることもできる。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、絵柄模様の種類に応じて適宜設定することができる。絵柄模様層の厚みは、例えば、0.1μm以上、10μm以下である。
4.表面保護層
本開示の発泡積層シートは、発泡樹脂層を基準として繊維質基材とは反対側の位置に、表面保護層を有していてもよい。表面保護層を設けることで、発泡積層シートの表面強度を高めることができる。
表面保護層の種類は、特に限定されず、表面保護層を設ける目的により適宜選択することができる。例えば、艶調整を目的とする場合、表面保護層は、例えば、シリカ等の既知の艶消し剤を含有していてもよい。また、絵柄模様層の保護を目的とする場合、あるいは、耐スクラッチ性または耐汚染性の向上を目的とする場合、表面保護層は、例えば、電離放射線硬化型樹脂の硬化物を樹脂成分として含有していてもよい。
表面保護層の厚みは特に限定されず、適宜設定することができる。表面保護層の厚みは、例えば、0.5μm以上、10μm以下である。なお、表面保護層の厚みは、通常、発泡樹脂層の厚みに比べて十分に小さいため、カール性に与える影響は軽微である。
表面保護層は、発泡樹脂層と直接接していてもよく、プライマー層または接着層を介して接していてもよい。
また、発泡積層シートが非発泡樹脂層Aを有する場合、発泡積層シートは、発泡樹脂層、非発泡樹脂層Aおよび表面保護層をこの順に有することが好ましい。この場合、表面保護層は、非発泡樹脂層Aと直接接していてもよく、プライマー層または接着層を介して接していてもよい。
また、発泡積層シートが絵柄模様層を有する場合、発泡積層シートは、発泡樹脂層、絵柄模様層および表面保護層をこの順に有することが好ましい。この場合、表面保護層は、絵柄模様層と直接接していてもよく、プライマー層または接着層を介して接していてもよい。なお、発泡積層シートが非発泡樹脂層Aおよび絵柄模様層を有する場合、発泡積層シートは、発泡樹脂層、非発泡樹脂層A、絵柄模様層および表面保護層をこの順に有することが好ましい。
5.プライマー層
本開示の発泡積層シートは、発泡積層シートを構成する各層の間に、プライマー層を有していてもよい。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂が挙げられる。中でもアクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂が好ましい。
プライマー層の厚みは特に限定されず、適宜設定することができる。プライマー層の厚みは、例えば、0.1μm以上、10μm以下であり、0.1μm以上、5μm以下であってもよい。
プライマー層の配置位置としては、例えば、繊維質基材と非発泡樹脂層Bとの層間、非発泡樹脂層Bと発泡樹脂層との層間、発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとの層間、非発泡樹脂層Aと絵柄模様層との層間、非発泡樹脂層Aと表面保護層との層間、絵柄模様層と表面保護層との層間が挙げられる。
6.エンボス模様
本開示の発泡積層シートは、発泡樹脂層を基準として繊維質基材とは反対側の最表面に、エンボス模様を有していてもよい。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝が挙げられ、これらの組み合わせであってもよい。
7.用途
本開示の発泡積層シートは、例えば、発泡壁紙、各種装飾材等の内装材として用いることができる。中でも発泡壁紙として有用である。
8.製造方法
本開示の発泡積層シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂および発泡剤を少なくとも含む発泡剤含有樹脂組成物を用いて、繊維質基材上に発泡剤含有樹脂層を形成する発泡剤含有樹脂層形成工程と、上記発泡剤含有樹脂層を加熱し、発泡させて発泡樹脂層を形成する発泡工程と、を有する方法が挙げられる。
発泡剤含有樹脂組成物に用いられるオレフィン系樹脂、および他の添加剤については、上述した内容と同様である。また、発泡剤含有樹脂組成物に含まれる発泡剤は、公知の発泡剤から選択することができる。発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系等の有機系熱分解型発泡剤、マイクロカプセル型発泡剤、重曹等の無機系発泡剤等が挙げられる。これらは、発泡剤含有樹脂組成物に1種単独で含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率は、例えば1.5倍以上であり、3倍以上、10倍以下であってもよい。また、発泡剤の含有量は、発泡剤含有樹脂組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、20質量部以下であり、3質量部以上、10質量部以下であってもよい。
発泡剤含有樹脂組成物に用いられる発泡助剤としては、例えば金属酸化物、脂肪酸金属塩等の、発泡助剤として用いられる公知の材料が挙げられ、発泡剤の種類に応じて適宜選択することができる。発泡助剤として具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、カルボン酸ヒドラジド化合物等が挙げられる。これらは、発泡剤含有樹脂組成物に1種単独で含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
発泡剤含有樹脂組成物が、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体を含む場合、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を含むことが好ましい。カルボン酸ヒドラジド化合物は、カルボキシル基を有するオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体と組み合わせて使用しても、化学的な反応により発泡助剤の効能を失活しにくい。このため、発泡剤含有樹脂層の発泡の際に生じる焼けや発色団の形成により、発泡樹脂層や繊維質基材等が黄変することを抑制できる。カルボン酸ヒドラジド化合物としては、例えば、分子中に1個のヒドラジド基を有するモノヒドラジド化合物、分子中に2個のヒドラジド基を有するジヒドラジド化合物、分子中に3個以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジド化合物が挙げられる。具体的なモノヒドラジド化合物、ジヒドラジド化合物およびポリヒドラジド化合物については、例えば特開2009−197219号公報に開示される化合物とすることができる。これらは、発泡剤含有樹脂組成物に1種単独で含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
発泡助剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、発泡剤含有樹脂組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば0.3質量部以上、10質量部以下であり、1質量部以上、5質量部以下であってもよい。
また、発泡剤含有樹脂組成物は、発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)を含み、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を含むことが好ましい。この場合のカルボン酸ヒドラジド化合物の含有量としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)1質量部に対して、例えば、0.2質量部以上、1質量部以下である。
発泡剤含有樹脂組成物を用いて繊維質基材上に発泡剤含有樹脂層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、繊維質基材上に、Tダイ押出し機により発泡剤含有樹脂組成物を押出して製膜する押出しラミネート法を用いることができる。また、発泡剤含有樹脂組成物を押出して発泡剤含有樹脂層のシートを形成後、別工程で発泡剤含有樹脂層のシートを繊維質基材にラミネートしてもよい。押出製膜時のシリンダー温度及びダイス温度は、適宜調整することができる。
また、発泡剤含有樹脂層形成工程後に、発泡剤含有樹脂層に電子線を照射して樹脂成分を架橋する電子線照射工程を行ってもよい。発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分が架橋して架橋物を形成することができ、最終的に得られる発泡樹脂層の表面強度や発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギー強度は、例えば、150kV以上、250kV以下であり、175kV以上、200kV以下であってもよい。また、照射量は、例えば、10kGy以上、100kGy以下であり、10kGy以上、60kGy以下であってもよい。電子線源として、公知の電子線照射装置が使用できる。
また、発泡剤含有樹脂層の片面または両面に非発泡樹脂層を形成する非発泡樹脂層形成工程を行ってもよい。非発泡樹脂層は、押出製膜により形成してもよく、各フィルムを熱ラミネートすることにより形成してもよい。中でもTダイ押出機による同時押出製膜が好ましい。例えば、非発泡樹脂層Aおよび非発泡樹脂層Bの両方を設ける場合であれば、3層同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いて、発泡剤含有樹脂組成物および各非発泡樹脂層形成用の樹脂組成物を同時に押出すること、つまり発泡剤含有樹脂層形成工程と非発泡樹脂層形成工程とを同時に行うことにより、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層、および非発泡樹脂層Bがこの順で積層された3層積層体を形成することができる。
なお、発泡剤含有樹脂組成物に顔料等の無機物が含まれている場合、3層同時押出製膜による方法を用いることが好ましい。発泡剤含有樹脂層を押出製膜により形成する際に、押出機の押出口に無機物の残渣(目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層の表面で異物となり易い。これに対し、3層同時押出製膜による方法を用いて、発泡剤含有樹脂層および非発泡樹脂層を、発泡剤含有樹脂層を無機物非含有の非発泡樹脂層で挟み込むようにして同時に形成することにより、目やにの発生を抑制することができる。
また、必要に応じて、絵柄模様層、プライマー層および表面保護層を形成する各工程を行ってもよい。絵柄模様層、プライマー層および表面保護層の各層の形成方法は、特に限定されず、例えば、印刷、塗布等の常法のコーティング法、押出製膜法が挙げられる。
このような各工程を行うことにより、例えば図4に示すように、繊維質基材1と、繊維質基材1の一方の面側に配置され、オレフィン系樹脂および発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層2aと、を有する未発泡積層シート11が得られる。その後、発泡剤含有樹脂層を加熱し、発泡させて発泡樹脂層を形成する発泡工程を行う。発泡工程を行うことにより、例えば図1に示すように、繊維質基材1と、繊維質基材1の一方の面側に配置され、オレフィン系樹脂および発泡剤を含有する発泡樹脂層2と、を有する発泡積層シート10が得られる。発泡工程における加熱温度、加熱時間は、発泡剤含有樹脂層に含まれる発泡剤の分解により層内に発泡セルが形成可能となる条件であれば特に限定されず、発泡剤含有樹脂層の組成に応じて適宜設定することができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
[実施例1〜3および比較例1、2]
下記表1に示す配合で発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を溶融混練により調製した。
Figure 2019188204
また、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂として、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)ニュクレルN1560(三井・デュポン ポリケミカル製)を準備し、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)ウルトラセン750(東ソー製)を準備した。
3種3層Tダイ押出機を用いて、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層および非発泡樹脂層Bの順に、下記表2に示す厚みになるように押出して樹脂層を形成し、非発泡樹脂層Bの面に裏打紙(繊維質基材)をラミネートして未発泡積層シートを形成した。裏打紙(繊維質基材)は、WK−665DO(興人製)(坪量65g/m)を用いた。押出条件は、シリンダー温度は110℃、ダイス温度を120℃とした。
Figure 2019188204
得られた未発泡積層シートに対し、非発泡樹脂層A側から電子線を照射した。電子線照射条件は以下の通りとした。
・実施例1、実施例2、比較例1:200kV、30kGy
・実施例3、比較例2:200kV、55kGy
次に、非発泡樹脂層A上に、グラビア印刷機を用いてアクリル系水性インキ(昭和インク製)をコートして、絵柄模様層を形成した。次いで、絵柄模様層の上にグラビア印刷機を用いて、水性インキ(ALTOP、アクリル系1液硬化型樹脂エマルジョン、大日精化工業製)を塗工することにより、表面保護層を形成した。その後、ギアオーブンにて220℃で30秒〜40秒間加熱して、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成した。その後、布目模様パターンを有する金属ロールを押し付けて型押しすることによりエンボス加工を施し、エンボス形状を有する発泡積層シートを得た。
[評価]
(熱機械分析)
実施例1〜3および比較例1、2で得られた発泡積層シートについて、樹脂層の押出製膜時の流れ方向に沿った長さが20mm、巾方向に沿った長さが5mmの長方形状に切り出した。次いで、エタノールを染み込ませた不織布を裏打紙(繊維質基材)に当てて裏打紙にエタノールを浸透させてから、ピンセットを用いて端部から裏打紙(繊維質基材)を剥離し、得られた樹脂層を試験片として熱機械分析(TMA)を行った。具体的には、熱機械分析にて、初期チャック間距離9.6mmで治具に設置した樹脂層の上記流れ方向の伸びを、下記に示す測定条件によって20℃以上、100℃以下の範囲で測定し、Step3において取得されたデータから1℃ずつの線膨張係数を求めた。同様の測定を三回行い、各々の線膨張係数の平均値を、各温度での線膨張係数とした。
測定条件
・装置:TMA−SS7100(日立ハイテクサイエンス製)
・測定モード:引っ張り
・温度プログラム
開始温度(℃)/目標温度(℃)/昇温速度(℃/min)/保持時間(min)
Step 1 (10/-10/10/5):10℃から-10℃まで10℃/minで降温し、その後5分間保持
Step 2 (-10/-10/0.01/15):-10℃のまま15分間保持(昇温速度が非常に小さいため、事実上一定温度)
Step 3 (-10/110/5/3):-10℃から110℃まで5℃/minで昇温し、その後3分間保持
Step 4 (110/10/30/15):110℃から10℃まで30℃/minで降温し、その後15分間保持
・荷重プログラム
開始荷重(mN)/目標荷重(mN)/加重速度(mN/min)//保持時間(min)
Step 1 (20/20/20/600):20mNの一定荷重
TMAの結果を図5に示す。図5に示すように、実施例1〜3および比較例1、2では、いずれも、85℃〜95℃の間に、線膨張係数のピークが現れた。線膨張係数のピーク値を表3に示す。
(カール性荷重評価)
実施例1〜3および比較例1、2で得られた発泡積層シートを、7.5cm×7.5cmのサイズにカットし、裏打紙(繊維質基材)が外側となるように3インチ紙管に巻きつけ、40℃のオーブンに1日保管した。保管後の発泡積層シートの裏打紙(繊維質基材)側を上面にして置き、その上にPET板、更に上に重りを置き、カールがなく全体が平坦になる荷重(g)を測定した。
評価基準
・○:35g未満
・×:35g以上
(表面強度評価)
実施例1〜3および比較例1、2で得られた発泡積層シートの絵柄模様層側表面に対し、日本ビニル工業会ビニル建装部会制定の「表面強化壁紙性能規定」に準拠して荷重200gで5往復の引掻き試験を行った。
評価基準
・○:引掻き跡の変化(毛羽立ち)がない
・△:引掻き跡が僅かに変化(毛羽立つ)
・×:引掻き跡の樹脂が破れ、裏打紙が露出した
Figure 2019188204
表3に示すように、実施例1〜3で得られた発泡積層シートは、線膨張係数のピーク値が所定の範囲にあることにより、カール性荷重評価および表面強度評価が良好であった。特に、実施例2は、実施例1、3に比べて、カール性荷重評価は良好であったが、表面強度評価は若干低かった。また、比較例1、2で得られた発泡積層シートは、線膨張係数のピーク値が高く、カール性荷重評価が低かった。
1 … 繊維質基材
2 … 発泡樹脂層
2a … 発泡剤含有樹脂層
3 … 非発泡樹脂層A
4 … 非発泡樹脂層B
10 … 発泡積層シート
11 … 未発泡積層シート

Claims (6)

  1. 繊維質基材と、前記繊維質基材の一方の面側に配置され、オレフィン系樹脂およびその架橋物の少なくとも一方を含有する樹脂層と、を有する発泡積層シートであって、
    前記樹脂層は、少なくとも発泡樹脂層を有し、
    熱機械分析にて前記樹脂層の伸びを、20℃以上、100℃以下の範囲で測定し、1℃ずつの線膨張係数を求めた場合に、前記線膨張係数のピーク値が、0.020[1/℃]以上、0.050[1/℃]以下である、発泡積層シート。
  2. 前記樹脂層が、前記発泡樹脂層を基準として前記繊維質基材とは反対側の位置に、非発泡樹脂層Aを有する、請求項1に記載の発泡積層シート。
  3. 前記樹脂層が、前記発泡樹脂層を基準として前記繊維質基材側の位置に、非発泡樹脂層Bを有する、請求項1または請求項2に記載の発泡積層シート。
  4. 前記繊維質基材の坪量が、50g/m以上、70g/m以下である、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の発泡積層シート。
  5. 前記発泡樹脂層が、前記オレフィン系樹脂として、オレフィン−ビニルエステル共重合体を含有する、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の発泡積層シート。
  6. 前記発泡樹脂層が、前記オレフィン系樹脂として、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体を含有する、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の発泡積層シート。
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