JP6085933B2 - 積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、各種装飾材等として有用な積層シートに関する。なお、本発明の積層シートは発泡樹脂層を有していてもよく、その場合には、発泡壁紙としても有用である。
近年、省エネルギー志向の向上に伴い、エネルギー効率を向上させた高気密性の住宅が求められている。例えば、外断熱工法を用いた住宅では、気密性が向上して夏冬の冷暖房効率が向上することが知られている。
これに対し、住宅の気密性が向上すると通気性が低下するため、壁板、床材等の建材(木質加工材)から発生するホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が居室に篭り易く、揮発性有機化合物が目、鼻、喉等の粘膜に対してさまざまな症状を引き起こす、いわゆるシックハウス症候群が問題となっている。
そこで、揮発性有機化合物の影響を緩和するために、揮発性有機化合物吸着機能を持たせた建築用内装材のニーズが高まっており、吸着剤としては揮発性有機化合物を物理的に吸着する無機吸着剤、化学的に吸着する有機吸着剤等が幅広く用いられている。これらの吸着剤の中でも、吸着性能の点から有機吸着剤が好ましく、特に吸着に寄与する官能基を多く保有する酸性(pH4以下)の有機吸着剤が好ましいとされている。
建築用内装材としては、壁材、天井材、床材等があるが、内装材として最も大きな面積を有する壁材に揮発性有機化合物吸着機能を持たせることが効率的な吸着に有効と考えられており、揮発性有機化合物吸着機能を持たせた壁紙が提案されている。
例えば、特許文献1には、「裏打紙の一方の面に発泡樹脂層、絵柄印刷層、透明樹脂フィルム層が順次設けられた積層体において、前記透明樹脂フィルム層の表面にホルムアルデヒド捕捉層が設けられていることを特徴とするホルムアルデヒド捕捉壁紙。」が開示されている。そして、当該壁紙の効果として、「壁面の下地材あるいは下地材への壁紙の貼着のために使用する接着剤から発生するホルムアルデヒド、および、天井材、床材等から放出されるホルムアルデヒドも有効に捕捉、吸着することができる。」と記載されている(請求項1、[0035]等)。
しかしながら、有機化合物吸着機能を持たせた従来の壁紙には次のような問題がある。すなわち、特許文献1のように、いわゆるトップコート層としてホルムアルデヒド捕捉層などが設けられる場合には、トップコート層の形成に用いる樹脂エマルションは耐汚染性などの観点から弱アルカリ性のものを用いるのが一般的であり、官能基数の多い酸性(pH4以下)の有機吸着剤を添加した場合には、樹脂エマルションとの相溶性が悪く、インキ組成物中で有機吸着剤が凝集し易いという問題がある。有機吸着剤が凝集するとトップコート層が均一に形成できず壁紙表面の耐汚染性を低下させる原因となる。
上記問題に対して、酸性の有機吸着剤と組み合わせる樹脂エマルションとして相溶性の良好なものを選択することが挙げられるが、従来の樹脂エマルションは壁紙の耐汚染性などの表面物性の確保を目的として開発されているため、相溶性の観点のみで樹脂エマルションを変更すると、却って耐汚染性を低下させることが危惧されている。
従って、基材上に、樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層を順に形成した積層シートであって、揮発性有機化合物吸着層に含まれる酸性の有機吸着剤の凝集が抑制されているとともに耐汚染性にも優れた積層シートの開発が望まれている。
特開平11-48413号公報
本発明は、基材上に、樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層を順に形成した積層シートであって、揮発性有機化合物吸着層に含まれる酸性(pH4以下)の有機吸着剤の凝集が抑制されているとともに耐汚染性にも優れた積層シートを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、酸性(pH4以下)の有機吸着剤と特定の樹脂エマルションとを組み合わせて用いる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層シートに関する。
1. 基材上に、少なくとも樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層が順に積層されている積層シートであって、
前記揮発性有機化合物吸着層は、1)揮発性有機化合物を吸着できる、アミン化合物及び/又はヒドラジド化合物を含有するpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成されている、
ことを特徴とする積層シート。
2. 前記揮発性有機化合物吸着層は、前記(メタ)アクリル樹脂エマルション中の(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して前記有機吸着剤を30〜150質量部含有する、上記項1に記載の積層シート。
3. 前記樹脂層は、発泡樹脂層である、上記項1又は2に記載の積層シート。
4. 前記発泡樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、上記項3に記載の積層シート。
5. 前記発泡樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、上記項3又は4に記載の積層シート。
6. 前記樹脂層と前記揮発性有機化合物吸着層との間に中間層を有する、上記項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
7. 前記中間層は、アクリル−ウレタン樹脂及びシリカを含有する透明性樹脂層を有する、上記項6に記載の積層シート。
8. 前記樹脂層と前記揮発性有機化合物吸着層との間に絵柄模様層を有する、上記項1〜7のいずれかに記載の積層シート。
9. 前記基材は、繊維質シートである、上記項1〜8のいずれかに記載の積層シート。
10. エンボス加工が施されている、上記項1〜9のいずれかに記載の積層シート。
以下、本発明の積層シートについて詳細に説明する。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、基材上に、少なくとも樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層が順に積層されている積層シートであって、
前記揮発性有機化合物吸着層は、1)揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成されていることを特徴とする。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、他の類似する部分についても同様である。
上記特徴を有する本発明の積層シートは、特に揮発性有機化合物吸着層が、1)揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成されていることにより、揮発性有機化合物吸着層での有機吸着剤の凝集が抑制されているとともに表面の耐汚染性が良好である。よって、本発明の積層シートを建築用内装材(特に壁材)として用いる場合には、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物を効率的に吸着できるとともに良好な耐汚染性も発揮する。なお、上記効果は、積層シートが樹脂層として発泡樹脂層を有している場合でも同じである。
基材
基材としては限定されず、公知の繊維質シート(裏打紙)などが利用できる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜120 g/m2程度がより好ましい。
樹脂層
本発明の積層シートは、基材上に少なくとも樹脂層が積層されている。この樹脂層は、Tダイ製膜法、カレンダー製膜法等の既知の製膜法により形成できる。
樹脂層に含まれる樹脂成分としては、従来から壁装材に用いられている塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂等が広く採用できるが、塩化ビニル樹脂は可塑剤が経時的にブリードするおそれがあることから、積層シートの耐久性を高める観点では塩化ビニル樹脂よりもオレフィン系樹脂が好ましい。また、エンボス賦型が容易である点からも、塩化ビニル樹脂よりもオレフィン系樹脂が好ましく、特にエチレン系樹脂を含有することが好ましい。
エチレン系樹脂としては、ポリエチレン(PE)だけでなく、エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)が挙げられる。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
これらのエチレン共重合体は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらのエチレン共重合体の中でも特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種が好ましく、これらと他の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体は、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。
樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜35g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合に平滑な面に印刷処理することができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
本発明では、上記樹脂層は発泡樹脂層であってもよい。発泡樹脂層は、例えば、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより形成できる。発泡剤含有樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する樹脂組成物を製膜することにより形成できる。
発泡時の加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡剤含有樹脂層から発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、5倍以上、好ましくは6〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、EMAAのアクリル酸部と金属系発泡助剤の反応により、発泡助剤としての効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009-197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。発泡剤含有樹脂層を電子線照射により樹脂架橋することにより、発泡剤含有樹脂層に溶融張力を付与することができるため、加熱発泡の際に所望の発泡特性が得られ易い。このように、発泡剤含有樹脂層が電子線照射により樹脂架橋されている場合には、発泡により得られる発泡樹脂層も樹脂架橋されている。
なお、樹脂層(発泡樹脂層の場合を除く)の厚さは40〜200μm程度が好ましく、樹脂層が発泡樹脂層の場合の厚さは300〜1000μm程度が好ましい。
非発泡樹脂層A及びB
発泡樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。
例えば、発泡樹脂層の裏面(基材が積層される面)には、基材との接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Aを有してもよい。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、エチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
本発明では、後記製造上の観点からも、発泡樹脂層を設ける場合には、非発泡樹脂層B、発泡樹脂層及び非泡樹脂層Aが順に形成された態様が好ましい。なお、非発泡樹脂層B及び/又は非発泡樹脂層Aは、発泡剤含有樹脂層とともに押出し製膜により形成しても良いし、各フィルムを熱ラミネートすることにより形成してもよい。
揮発性有機化合物吸着層
樹脂層上(又は非発泡樹脂層A上)には揮発性有機化合物吸着層が形成されている。この揮発性有機化合物吸着層は、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物を吸着させる作用を有しており、通常最表面層である。
本発明では、揮発性有機化合物吸着層は、1)揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成されている。
有機吸着剤は、化学結合により揮発性有機化合物を吸着する吸着剤であり、例えば、アミン化合物、尿素化合物、アミド化合物、イミド化合物、ヒドラジド化合物、アゾール化合物、アジン化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの化合物の中でも、アミン化合物及び/又はヒドラジド化合物が揮発性有機化合物の吸着性能の点からより好ましい。
なお、本明細書における有機吸着剤のpHは、固形分30質量%の水溶液(又は水分散液)の状態で測定したpHの値である。
(メタ)アクリル樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−シリコン樹脂、アクリル−ポリエステル樹脂等が例示でき、これらの中でも、アクリル樹脂及び/又はアクリル−スチレン樹脂が好ましいものとして挙げられる。なお、本明細書における(メタ)アクリル樹脂エマルションのpHは、固形分40質量%の分散液の状態で測定したpHの値である。
有機吸着剤の添加量は限定的ではないが、上記(メタ)アクリル樹脂エマルション中の(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して30〜150質量部程度が好ましく、50〜100質量部程度がより好ましい。
更に、本発明では、揮発性有機化合物の更なる吸着を目的として、揮発性有機化合物吸着層にリン酸カルシウムを含有することが好ましい。リン酸カルシウムは、Ca2+とPO4 3-の静電気的な作用でたんぱく質やアルデヒド類等の悪臭の原因物質やアレルゲンを吸着し、これらの物質の除去及び失活を促進させることができる。
揮発性有機化合物吸着層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.5〜5μm程度がより好ましい。また、塗布量(乾燥重量)に換算すると、0.3〜5g/m2の範囲が好ましい。
絵柄模様層
樹脂層(又は非発泡樹脂層A)と揮発性有機化合物吸着層との間には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
中間層
樹脂層(又は非発泡樹脂層A)と揮発性有機化合物吸着層との間には、必要に応じて中間層(プライマー層、フィルム層等)を形成してもよい。中間層を形成する位置は限定的ではないが、揮発性有機化合物吸着層の下面であることが好ましい。なお、絵柄模様層を形成する場合には、絵柄模様層の上面に形成することが好ましい。中間層を設けることにより、樹脂層及び絵柄模様層を保護することができ、積層シートの表面物性を更に向上させることができる。また各層間の密着性を向上させることができる。更に、樹脂層として発泡樹脂層を有する態様において、後述するように加熱発泡した後に揮発性有機化合物吸着層を形成する場合においては、揮発性有機化合物吸着層の代わりに発泡ガスのガス抜けを防ぎ、発泡状態を良好にすることもできる。
中間層としてのプライマー層に使用できる樹脂としては、例えば、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられるが、特にアクリル、塩素化ポリプロピレン等が望ましい。
アクリルとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂が挙げられる。
ポリウレタンとはポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする組成物である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2-4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4-4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環族)イソシアネートが用いられる。
プライマー層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.1〜5μm程度がより好ましい。
中間層としてのフィルム層(透明性樹脂層)に使用できる樹脂としては、透明であれば着色されていてもよい。透明性樹脂層を絵柄模様層のおもて面に形成する場合は、絵柄模様層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
透明性樹脂層は、ポリエチレン及び/又はエチレン共重合体を含有する層であることが好ましい。ポリエチレン及び/又はエチレン共重合体としてはエチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂ケン化物、アイオノマー等が挙げられるが、本発明では、特にエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用することが好ましい。その他、透明性樹脂層としては、アクリル−ウレタン樹脂及びシリカを含有する透明性樹脂層を用いることにより、隣接層との良好な密着性が得られ易い。シリカを含有する際は、アクリル−ウレタン樹脂100質量部に対して5〜50質量部程度が好ましく、10〜40質量部程度がより好ましい。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には3〜30μm程度が好ましく、5〜20μm程度がより好ましい。
エンボス加工
本発明の積層シートは、エンボス加工が施されていてもよい。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。エンボス加工は最表面層(通常は揮発性有機化合物吸着層)の上から施してもよく、或いは最表面層を形成する前に施し、エンボス模様に沿う形で最表面層を積層してもよい。
≪積層シートの製造方法≫
積層シートの製造方法としては、樹脂層として発泡樹脂層を有する場合を例示すると、例えば、(1)基材及び発泡剤含有樹脂層上に絵柄模様層を形成後、更に揮発性有機化合物吸着層を形成して積層シートとし、次に熱処理して発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層にすることにより製造できる。或いは、(2)基材及び発泡剤含有樹脂層上に絵柄模様層及び中間層を形成し、次に熱処理して発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層にして発泡積層シートとし、更に揮発性有機化合物吸着層を形成することによっても製造できる。
発泡剤含有樹脂層がその片面又は両面に非発泡樹脂層を有する場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層を製膜後は、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度、発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
発泡剤含有樹脂層上には、必要に応じて、絵柄模様層及び中間層を任意の順序で形成した後、上述の(1)の製造方法においては揮発性有機化合物吸着層を形成する。これらの各層は、印刷、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることにより積層することができる。印刷、塗布等のコーティングは常法に従って行うことができる。
次いで、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成するとともに揮発性有機化合物吸着層の樹脂成分を硬化させる。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。また、揮発性有機化合物吸着層を形成後、発泡剤含有樹脂層を発泡させる前に140℃前後の乾燥炉を通過させることにより、印刷により形成された層を乾燥させるととともに揮発性有機化合物吸着層の樹脂成分を硬化させることもできる。
また、上述の(2)の製造方法においては、先に加熱による発泡樹脂層の形成を行い、その後に揮発性有機化合物吸着層を形成する。揮発性有機化合物吸着層の形成は印刷、塗布等のコーティング等によって行なってもよいが、発泡樹脂層の形成により発泡積層シートの表面に凹凸が生じている場合はスプレー塗工によって形成することが好ましい。
本発明の積層シートは、特に揮発性有機化合物吸着層が、1)揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成されていることにより、揮発性有機化合物吸着層での有機吸着剤の凝集が抑制されているとともに表面の耐汚染性が良好である。よって、本発明の積層シートを建築用内装材(特に壁材)として用いる場合には、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物を効率的に吸着できるとともに良好な耐汚染性も発揮する。なお、上記効果は、積層シートが樹脂層として発泡樹脂層を有している場合でも同じである。
本発明の積層シートの層構成の一例(樹脂層として発泡樹脂層を有する一例)を示す模式図である。 本発明の積層シートの層構成の一例(樹脂層として発泡樹脂層を有する一例)を示す模式図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
ホルムアルデヒド吸着性能を有する積層シート(樹脂層が発泡樹脂層である態様:以下、壁紙とも言う。)を下記の手順に従って作製した。
3種3層Tダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bの順に、厚み6μm、65μm及び6μmになるように、90℃に加熱した繊維質シートの上に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層B及び繊維質シートからなる積層体αを得た。繊維質シートとしては、壁紙用紙「WK-665、興人製」を用いた。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は140℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は120℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも120℃とした。
非発泡樹脂層Aは、ポリエチレン(「ペトロセン208」、東ソー製)により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、ポリエチレン(「ペトロセン208」、東ソー製)80質量部、エチレン−αオレフィン共重合体(「LUMITAC 54-1」、東ソー製)20質量部、炭酸カルシウム(「ホワイトンH」、白石工業製)30質量部、着色剤(「タイピュアR350」、デュポン製)30質量部、発泡剤(「ビニホールAC#3」、永和化成工業製)5質量部、発泡助剤(「アデカスタブOF-101」、ADEKA製)4質量部、及び架橋助剤(「オプスターJUA702」、JSR製)を混練した樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層Bは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(「ウルトラセン750」、東ソー製)により形成した。
積層体αに、非発泡樹脂層A側から電子線を加速電圧200kV、照射線量30kGyの条件で照射して、発泡剤含有樹脂層を架橋させた。
次いで、非発泡樹脂層Aの表面に、水性インキ(「ハイドリック」、大日精化工業株式会社製)を用いてグラビア印刷機により布目模様を印刷し絵柄模様層を形成した。次に、絵柄模様層上に透明性樹脂層としてアクリル−ウレタン樹脂系水性インキを乾燥後の塗布量が1g/m2となるように設け、積層体βを得た。
積層体βをオーブンにて加熱(220℃で35秒)して、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成後、布目模様パターンを有する金属ロールを押し付けて型押しすることによりエンボス加工を施し、エンボス形状をもった積層体γを得た。
次いで、有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル樹脂、DIC製VONCOAT SFC-55、pH5.5)からなるインキ(インキpH 5.0)を乾燥後の重量が3g/m2となるようにスプレー塗工して揮発性有機化合物吸着層を形成して壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は3質量%とした。
実施例2
有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル−スチレン樹脂、DIC製NST-100EF、pH 7.0)からなるインキ(インキpH 6.0)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は5質量%とした。
実施例3
有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル−スチレン樹脂、DIC製NST-100EF、pH 7.0)からなるインキ(インキpH 5.5)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は7.5質量%とした。
比較例1
有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル−シリコン複合樹脂、DIC製SA-6360、pH 8.0)からなるインキ(インキpH 7.5)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は3質量%とした。
比較例2
有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びウレタン樹脂エマルション(pH 8.0)からなるインキ(インキpH 7.5)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は3質量%とした。
比較例3
無機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:ミズカシーブスEX-122、水澤化学、pH 9.5、成分はナトリウムアルミノシリケート)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル、DIC製 VONCOATSFC-55、pH5.5)からなるインキ(インキpH 6.0)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は3質量%とした。
試験例1(ホルムアルデヒド吸着性能試験)
壁紙試験片(10cm×10cm)を、内容量5Lのテドラーバック内に挿入し、1Lの合成空気〔(窒素:酸素)容積比:4/1、RH50%〕をテドラーバック内に送り込んだ後、テドラーバック内のホルムアルデヒド濃度が80ppmとなるように、ホルムアルデヒドをテドラーバック内に送り込んだ。
暗所に6時間保管後のテドラーバック内のホルムアルデヒド濃度を検知管により測定した。6時間後のホルムアルデヒド濃度が70ppm以上を『1』、69〜60ppmを『2』、59〜50ppmを『3』、49〜20ppmを『4』、それ以下を『5』とした。
結果を表1に示す。
実施例1は『4』、実施例1よりも吸着剤添加量の多い実施例2、3では『5』となった。比較例1は、樹脂pHが弱アルカリのため吸着剤と反応し、ホルムアルデヒド吸着性能が失活して『1』となった。比較例2では、ホルムアルデヒド吸着剤とウレタン樹脂の反応により凝集物が発生したためにホルムアルデヒド吸着性能も消失して『1』となった。比較例3は吸着剤を有機吸着剤から無機吸着剤に変更したために吸着性能が低下して『2』となった。
試験例2(耐汚染試験)
壁紙上にガーゼを設置し、ガーゼ上に汚染物質として醤油を、各々滴下し、24時間後に水及び中性洗剤用いて拭き取った。更に、壁紙に、水性サインペンの線を直に書き、24時間後に水及び中性洗剤を用いて拭き取った。
目視評価にて、汚れが濃く残る場合を『1』、かなり汚れが残る場合を『2』、やや汚れが残る場合を『3』、殆ど汚れが残らない場合を『4』、汚れが残らない場合を『5』とした。
結果を表1に示す。表には、実施した2試験の平均結果を記載した。
実施例1〜3は、吸着剤添加量増加に伴い耐汚染性は低下するが、最も吸着剤添加量の多い実施例3でも『3.5』以上の耐汚染性を示した。比較例1では、吸着剤と樹脂の反応により印刷性も低下し、『2.5』となった。比較例2では、インキに凝集物が存在するため不均一な塗膜となり、更に凝集物が汚染物吸着するため『2.5』と非常に悪い耐汚染性となった。比較例3では、無機系吸着剤を用いたために汚染性が低下し比較例2と同様の『2.5』となった。
Figure 0006085933
1. 基材
2. 非発泡樹脂層B
3. 発泡樹脂層
4. 非発泡樹脂層A
5. 絵柄模様層
6. 揮発性有機化合物吸着層
11. 基材
12. 非発泡樹脂層B
13. 発泡樹脂層
14. 非発泡樹脂層A
15. 絵柄模様層
16. 中間層
17. 揮発性有機化合物吸着層

Claims (10)

  1. 基材上に、少なくとも樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層が順に積層されている積層シートであって、
    前記揮発性有機化合物吸着層は、1)揮発性有機化合物を吸着できる、アミン化合物及び/又はヒドラジド化合物を含有するpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成されている、
    ことを特徴とする積層シート。
  2. 前記揮発性有機化合物吸着層は、前記(メタ)アクリル樹脂エマルション中の(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して前記有機吸着剤を30〜150質量部含有する、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記樹脂層は、発泡樹脂層である、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 前記発泡樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、請求項3に記載の積層シート。
  5. 前記発泡樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、請求項3又は4に記載の積層シート。
  6. 前記樹脂層と前記揮発性有機化合物吸着層との間に中間層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
  7. 前記中間層は、アクリル−ウレタン樹脂及びシリカを含有する透明性樹脂層を有する、請求項6に記載の積層シート。
  8. 前記樹脂層と前記揮発性有機化合物吸着層との間に絵柄模様層を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の積層シート。
  9. 前記基材は、繊維質シートである、請求項1〜8のいずれかに記載の積層シート。
  10. エンボス加工が施されている、請求項1〜9のいずれかに記載の積層シート。
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