JP5655662B2 - 可視光型光触媒機能を有する壁紙 - Google Patents

可視光型光触媒機能を有する壁紙 Download PDF

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Description

本発明は、可視光型光触媒機能を有する壁紙、即ち、可視光領域において大気中のアルデヒド等の有機揮発性物質を分解する機能を有する壁紙、に関する。
近年、住宅部材から発生するホルムアルデヒド等の有機ガスによるシックハウスの問題、ペット臭、及び生活臭等の問題への対策として、揮発性有機化合物(VOC)を分解する光触媒機能を有する建築用内装材のニーズが高まってきている。光触媒は紫外光領域で光触媒活性を有するものが多いが、建築用内装材への使用という点を考慮して、室内での可視光にも応答する光活性機能を有する可視光型光触媒、及び該触媒薄膜が注目され、開発が進められている。
建築用内装材での揮発性有機化合物の分解を検討する場合には、壁材、天井材、床材、そして家具用等の建材に塗布することで光触媒機能を付与させることができるが、内装部材として最も大きな面積を有する壁面に機能を持たせることが有効と考えられる。
光触媒層を設けることにより光触媒機能を付与した壁紙や化粧材としては、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。
特許文献1には、基材上に粒状の光触媒体が稠密に接着されてなる壁紙が提案されている。
特許文献2には、疎水性の金属化合物からなる光触媒物質を構成要素として含む光触媒膜を具備する光触媒体や、酸化チタン微粒子を主体とする光触媒膜とその表面に金属酸化物層からなる保護膜とを具備する光触媒体が提案されている。
特許文献3には、基材上に高硬度で耐摩耗性に優れた盛り上げ印刷層を配置し、少なくとも盛り上げ印刷層が設けられた部分を除く基材上に抗菌機能、消臭機能、光触媒機能などの機能性を有する機能性層を配置した化粧材が提案されている。
特開2002−155498号公報 特開2001−276613号公報 特開平11−300921号公報
光触媒による揮発性有機化合物などの分解は、その揮発性有機化合物を吸着した後に発現するものであることから、光触媒は分解性が高い一方で吸着性も高いことが多い。一般に光触媒自体の親水性は高く、その程度が大きいほど汚れなどの付着性も大きくなる傾向がある。したがって、光触媒層を設けた壁紙の耐汚染性は必ずしも満足できるものではない。
また、光触媒層は、光触媒粒子が多孔質層の表面に露出した構成をとっていることが多いことから、その表面のすべり性が良好ではない。したがって、光触媒層を設けた壁紙を施工する際に、作業に支障をきたすことがあり、施工性の点で十分ではない。
特許文献1の壁紙では、この耐汚染性やすべり性がまさに問題となる。
特許文献2に記載の光触媒体を壁紙に用いた場合、汚れなどの付着性、吸着性を抑制することができるとは思われるものの、その表面の構成を考慮すれば、施工時のすべり性の問題は解決できない。
特許文献3の化粧材は、表面の磨耗による機能性の低下を抑制し、耐久性に優れた化粧材であるとして記載されているが、絵柄層の上に直接機能性層を配置する構成となっているため、機能性層として光触媒層を採用した場合、光触媒機能により絵柄層が分解されて密着性が低下したり、エンボス加工を施した際に光触媒が絵柄層に埋没して光触媒機能が低下する、などの光触媒壁紙に本質的な機能に問題が生じる。また、特許文献3の化粧材は、機能性層として光触媒層を採用した場合に生じる施工時のすべり性の問題を考慮して設計されていない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、光触媒壁紙の揮発性有機化合物の分解機能を十分に維持しながら、壁紙施工時のすべり性や耐汚染性といった表面性能にも優れた壁紙を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により解決できることを見出した。すなわち本発明は、
壁紙基材と、中間層と、表面層とをこの順に有する壁紙であって、
該表面層が、シリコーン樹脂を含有する表面性能付与部と可視光型光触媒化合物及びバインダーを含有する可視光型光触媒部とからなるパターン形状を有しており、
該表面性能付与部/該可視光型光触媒部の面積比が、1/9〜9/1の範囲内であり、
該表面性能付与部の厚みが、該可視光型光触媒部の厚み以上である、壁紙。
を、提供するものである。
本発明の可視光型光触媒機能を有する壁紙は、表面層の一部として可視光型光触媒部を設けることで有機揮発性物質等の分解性能を発揮させながら、表面層の一部として表面性能付与部を設けることですべり性や耐汚染性などの表面性能を向上させることができる。また、中間層を表面層の下に設けることで、光触媒による絵柄層や壁紙基材の分解から保護し、さらに、エンボス加工による光触媒粒子の埋没を防ぎ、エンボス加工等による光触媒機能の低下を抑制する。
図1は、本発明の壁紙の一つの実施形態の断面を示す模式図である。 図2Aは、本発明の壁紙基材の一つの実施形態の断面を示す模式図である。 図2Bは、本発明の壁紙基材の別の一つの実施形態の断面を示す模式図である。 図3Aは、本発明の壁紙の一つの実施形態(表面性能付与部と可視光型光触媒部の間に隙間を持たせながらパターンを形成してなる表面層が設けられている例)の断面を示す模式図である。 図3Bは、本発明の壁紙の一つの実施形態(表面性能付与部と可視光型光触媒部の間に隙間を持たせながらパターンを形成してなる表面層が設けられている別の例)の断面を示す模式図である。 図4は、本発明の壁紙の一つの実施形態(表面層に対して鉛直方向上側から見ると、表面性能付与部が可視光型光触媒部に一部重なっている例)の断面を示す模式図である。
以下、本発明の「可視光型光触媒機能を有する壁紙」について説明する。
本発明の可視光型光触媒機能を有する壁紙(以下、単に「壁紙」と記載することもある)は、壁紙基材と、中間層と、表面層とをこの順に有する壁紙である。前記表面層はシリコーン樹脂を含有する表面性能付与部と可視光型光触媒化合物及びバインダーを含有する可視光型光触媒部とからなるパターン形状を有しており、該表面性能付与部/該可視光型光触媒部の面積比が、1/9〜9/1の範囲内であり、該表面性能付与部の厚みが該可視光型光触媒部の厚み以上である。
本発明の壁紙は、壁紙基材、中間層及び表面層に加え、必要に応じて、それら以外の層を更に有していてもよい。
以下に、本発明の壁紙の構成について図1、図2A及び図2Bを用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の壁紙の一つの実施形態の断面を示す模式図であり、当該実施形態において壁紙1は、壁紙基材2、絵柄層3、中間層4、及び表面層5をこの順に有し、表面層5は表面性能付与部5Aと可視光型光触媒部5Bからなるパターン形状を有している。
図2Aは、本発明の壁紙基材の一つの実施形態の断面を示す模式図であり、当該実施形態において壁紙基材2は、裏打ちシート層21、非発泡樹脂層23B、発泡樹脂層22、非発泡樹脂層23Aをこの順に有する。
図2Bは、本発明の壁紙基材の別の一つの実施形態の断面を示す模式図であり、当該実施形態において壁紙基材2は、裏打ちシート層21と発泡樹脂層22を有する。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるわけではない。
[表面層5]
表面層5はシリコーン樹脂を含有する表面性能付与部5Aと可視光型光触媒化合物及びバインダーを含有する可視光型光触媒部5Bからなるパターン形状を有しており、壁紙1に有機揮発性物質等の分解性能(以後“ガス分解性能”と呼ぶこともある)、耐汚染性、及びすべり性を付与することができる。
表面性能付与部5A/可視光型光触媒部5Bの面積比を1/9〜9/1の範囲内とし、表面性能付与部5Aの厚みを可視光型光触媒部5Bの厚み以上とすることで、ガス分解性能、耐汚染性、及びすべり性のすべての性能を実用的なレベルで発現させることができる。表面性能付与部5A/可視光型光触媒部5Bの面積比が1/9倍未満であると(即ち、表面性能付与部5Aの面積が可視光型光触媒部5Bの面積の1/9未満であると)、表面性能付与部5Aが少なすぎて耐汚染性及びすべり性が十分に発現されない。また、表面性能付与部5A/可視光型光触媒部5Bの面積比が9/1を超えると(即ち、表面性能付与部5Aの面積が可視光型光触媒部5Bの面積の9倍を超えると)、可視光型光触媒部が少なすぎてガス分解性が十分に発現されない。
表面性能付与部5A/可視光型光触媒部5Bの面積比は、重視する性能に応じて適宜選択することができ、ガス分解性能を重視するのであれば可視光型光触媒部5Bの面積比率を大きくすればよく、耐汚染性及びすべり性を重視するのであれば表面性能付与部5Aの面積比率を大きくすればよい。ガス分解性能、耐汚染性、及びすべり性のすべての性能をバランス良く発現させる観点からは、表面性能付与部5A/可視光型光触媒部5Bの面積比を3/7〜7/3の範囲内とすることが好ましい。
なお、本発明において、表面性能付与部5Aの面積及び可視光型光触媒部5Bの面積とは、それぞれ、表面層5に対して鉛直方向上側から見た際の面積(即ち、垂直投影面積)を意味する。
表面性能付与部5Aは可視光型光触媒部5Bと同じ厚みでもよいが、耐汚染性とすべり性の観点から、表面性能付与部5Aが可視光型光触媒部5Bよりも厚いことが好ましく、その厚みの差が0.5μm以上10μm以下であることがより好ましく、1μm以上8μm以下であることがさらに好ましい。
表面性能付与部5Aの厚みは、特に限定されるわけではないが、耐汚染性とすべり性の観点から、0.1μm以上10μm以下が好ましく、3μm以上8μm以下がより好ましい。
可視光型光触媒部5Bの厚みは0.1μm以上10μm以下が好ましく、中間層4との密着性、耐汚染性、ガス分解性能の観点から1μm以上5μm以下がさらに好ましい。5μm以下であれば、可視光型光触媒部5B中の光触媒に十分に到達し、その性能を効果的に発現させることができる。
また、ガス分解性能、すべり性、耐汚染性を考慮した場合、可視光型光触媒部5Bが厚い(例えば、3μm以上)場合、表面性能付与部5A/可視光型光触媒部5Bの面積比が大きい(例えば、1.5以上)ことが好ましく、可視光型光触媒部5Bが薄い(例えば、2μm以下)場合、表面性能付与部5A/可視光型光触媒部5Bの面積比が小さい(例えば、0.8以下)であることが好ましい。
表面性能付与部5Aと可視光型光触媒部5Bからなるパターン形状や大きさについては、上記の面積比率を満たす限り、特に制限はなく、縞模様や格子模様などの形状が挙げられ、ライン幅や格子辺の長さも10μm〜1cm程度であればよい。
また、必ずしも中間層4の表面(図1で上側の面)すべてを表面性能付与部5Aと可視光型光触媒部5Bが覆う必要はない。即ち、図1においては、表面性能付与部5Aと可視光型光触媒部5Bが隙間無くパターンを形成してなる表面層5が中間層4を覆っているが、図3Aや図3Bに示すように表面性能付与部5Aと可視光型光触媒部5Bの間に隙間を持たせながらパターンを形成してなる表面層5が中間層4を覆ってもよい。ガス分解性能、すべり性、耐汚染性を発現させる観点から、中間層4の表面の70%以上が表面性能付与部5Aと可視光型光触媒部5Bで覆われていることが好ましい。
また、図4に示すように、表面層5に対して鉛直方向上側から見ると、表面性能付与部5Aが可視光型光触媒部5Bに一部重なっているような状態であってもよい。なお、上述したように、表面性能付与部5Aの面積及び可視光型光触媒部5Bの面積とは、それぞれ、表面層5に対して鉛直方向上側から見た際の面積を意味し、図4のように表面性能付与部5Aと垂直投影面と可視光型光触媒部5Bの垂直投影面が一部重複する場合には、重複する部分の面積は表面性能付与部5Aの面積に含め、可視光型光触媒部5Bの面積には含めない。また、表面性能付与部5Aの厚さについては、可視光型光触媒部5Bとの重複が無い領域での厚さを表面性能付与部5Aの厚さと見なす。
パターンの印刷方法に関しては、例えば、印刷ロールの刷版を用いた多色刷りと同様の方法を採用することでき、表面性能付与部5Aと可視光型光触媒部5Bのそれぞれの印刷部分を特定して印刷すればよい。印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、シルクスクリーン印刷等、公知の手法が用いられる。
[表面性能付与部5A]
表面性能付与部5Aは、壁紙1に耐汚染性やすべり性といった表面性能を付与するものであり、少なくともシリコーン樹脂を含有する。表面性能付与部5A中のシリコーン樹脂の含有量は1〜10重量%が好ましい。
表面性能付与部5Aにはシリコーン樹脂以外の樹脂をさらに含有してもよく、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂及びエポキシ樹脂、並びにこれらの共重合体樹脂の透明または半透明な樹脂が挙げられる。また、耐アルカリ性や耐アルコール性、耐汚染性などを考慮した場合、カルボキシル基を含有した樹脂が好ましい。これらの中でも、アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
表面性能付与部5Aには、その他の成分として、目的に応じて公知の添加剤を適宜配合できる。例えば、着色剤、体質顔料、紫外線吸収材、界面活性剤、消泡剤、帯電防止材、つや消し剤、すべり剤などを使用できる。
表面性能付与部5Aを形成する方法としては、例えば、上記材料(シリコーン樹脂、及び必要に応じて他の樹脂や添加剤)を溶媒に分散させた分散液(以後、「表面性能付与コーティング液」とも呼ぶ)を、中間層4上にパターン状に塗布し、その後、分散液中の溶媒を除去しうる温度で加熱する方法が挙げられる。パターン状に塗布する方法としては、上述したように、印刷ロールの刷版を用いて印刷部分を特定して印刷すればよい。印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、シルクスクリーン印刷等、公知の手法が用いられる。
溶媒としては、水の他、水溶性有機溶剤を好適に使用することができる。水溶性有機溶媒としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール等の低級アルコールのほか、グリコール類、グリコールエステル類などを好適に使用できる。
[可視光型光触媒部5B]
可視光型光触媒部5Bは、壁紙1にガス分解性能を付与するものであり、少なくとも可視光型光触媒化合物(以後、単に「光触媒化合物」と呼ぶこともある)とバインダーとを含有する。
可視光型光触媒部5Bに含まれる光触媒化合物としては、可視光線により光触媒作用を奏する化合物であれば特に制限ないが、蛍光灯による光照射に対して光触媒活性を示す化合物であることが好ましい。詳しくは、波長約430nm〜約830nmの光照射に対して光触媒活性を示す化合物が好ましい。
光触媒化合物の具体例としては、特開2007−268523号公報に開示されているように、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh,Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceのような金属元素の1種又は2種以上の酸化物、窒化物、硫化物、酸窒化物、酸硫化物、窒弗化物、酸弗化物、酸窒弗化物などを挙げることができる。これらの中でもアナターゼ型又はルチル型の酸化チタンが好ましく、可視光線ないし蛍光灯の照射で触媒活性を示すものとしてアナターゼ型酸化チタンが好ましい。
可視光応答性を有する酸化チタン粒子の製造法としては、特開2001−278625号公報、特開2001−302241号公報、特開2003−275600号公報等に開示されている製造方法を使用することができる。
本発明の可視光型光触媒部5B中における光触媒化合物の含有量は5〜95質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。
可視光型光触媒部5Bに含まれるバインダーとしては、樹脂組成物(有機バインダー)を使用すると、可視光型光触媒化合物は樹脂組成物中に分散するか、樹脂によりコートされた状態で存在するので、可視光型光触媒化合物が十分に露出しておらず、可視光型光触媒機能が十分に発現しないおそれがある。従って、本発明においては、可視光型光触媒部5Bのバインダーとして有機バインダーを使用するよりは無機バインダーを使用して、多孔質層として、光触媒化合物を可視光型光触媒部5Bの表面に多く露出させることが望ましい。
無機バインダーの具体例としては、アルコキシシラン類の縮合物、オルガノポリシロキサン、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、加水分解物、シリコンワニス等のシリカ化合物;リン酸亜鉛、重リン酸塩、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩;シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、セメント、石灰、セッコウ、ほうろう用フリット、グラスライニング用うわぐすり、プラスターなどの無機系バインダーを挙げることができる。
本発明の可視光型光触媒部5B中におけるバインダーの含有量は1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
本発明の可視光型光触媒部5Bは、さらに艶消し剤を含有してもよい。可視光型光触媒部5Bに艶消し剤を添加することで、壁紙1に艶消し感を付与することができる。艶消し剤の粒径は0.5〜7μmが好ましく、1〜6.5μmであることがより好ましく、2〜5μmであることが特に好ましい。0.5μmより小さいと、可視光型光触媒部5Bの凹凸が不十分になり艶消し効果が十分に得られないおそれがある。また、粒子径が7μmより大きいと、塗付性が低下するおそれ、可視光型光触媒部5Bの厚さに比して粒子径が過剰となり艶消し剤が脱落するおそれ、及び艶消し剤の下側(光が届きにくいエリア)に入り込む光触媒化合物の量が増えて光触媒機能が低下するおそれがある。
艶消し剤の材料は、シリカ、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ砂、シラスバルーンのような無機質中空体を主組成とした粒子が挙げられる。光触媒化合物の酸化分解性能を考慮した場合、できる限り有機成分が少ない材料であることが望ましく、特には、吸油性の高いシリカが好ましい。
艶消し剤の含有量は特に限定はされないが、可視光型光触媒化合物100質量部に対して5〜100質量部が好ましい。
また、可視光型光触媒部5Bには、必要に応じて、各種添加剤を分散体として含有させてもよい。
このような添加剤としては、例えば、非晶質シリカ、シリカゾルのような珪素酸化物、非晶質アルミナ、アルミナゾルのようなアルミニウムの酸化物や水酸化物、ゼオライト、カオリナイトのようなアルミノ珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブ、活性炭、ならびにTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceのような金属元素の水酸化物およびこれらの金属元素の非晶質酸化物などが挙げられる。
これら添加物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明の可視光型光触媒部5Bを形成する方法としては、例えば、可視光型光触媒化合物、バインダーを溶媒に分散させた分散液(以後、「可視光型光触媒分散液」とも呼ぶ)を、中間層4上にパターン状に塗布し、その後、分散液中の溶媒を除去しうる温度で加熱する方法が挙げられる。パターン状に塗布する方法としては、上述したように、印刷ロールの刷版を用いて印刷部分を特定して印刷すればよい。印刷法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、シルクスクリーン印刷等、公知の手法が用いられる。
本発明の可視光型光触媒分散液中に存在する光触媒化合物は、粒子状でも繊維状でもよい。粒子状の場合の平均一次粒子径は好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは180nm以下であり、また、その平均二次粒子径は好ましくは15μm以下である。
本発明の可視光型光触媒分散液中に占める光触媒化合物の含有量は、用途に応じて適宜設定すればよく特に制限されないが、通常、下限は0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、上限は30質量%以下になるように設定される。なお、光触媒化合物の含有量(すなわち分散液中の粉末の量)が多くなるほど、後述する混合(特に初期混合)を効率的に行うことができる。このことを考慮して、仕込み時には光触媒化合物の含有量が所定量よりも多くなるような設定にしておき、後工程で溶媒を添加して希釈することにより所望の含有量となるようにすることもできる。
本発明における水系溶媒は、水を主成分とし、例えば、水;エタノール、メタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類と水との混合溶媒のような水性媒体;などが挙げられる。これらの中でも特に、水が好ましい。
本発明の可視光型光触媒分散液を得るに際しては、前記混合で得られた混合物に、さらに必要に応じて、粗大粒子の除去、光触媒化合物含有量の調整(希釈等)、pH調整などの操作を施すことができる。これら操作の具体的手法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用すればよい。
本発明の可視光型光触媒分散液を保管する際には、光が当たらない条件下で保管することが好ましく、例えば、暗室内に保管するか、もしくは、紫外線および可視光線の透過率が各々10%以下の遮光性容器に入れて保管することが好ましい。
[中間層4]
壁紙1は中間層4を有する。可視光型光触媒部5Bが壁紙基材2や絵柄層3の上に直接設けられた場合、それらの層に存在する樹脂等の有機物の分解に光触媒機能が消費され、光触媒機能が低下するおそれがある。また、当該分解により壁紙基材2や絵柄層3が劣化してしまったり、密着性が低下してしまったりするおそれがある。特に、意匠性や密着性向上のため、エンボス加工などを施した場合には、可視光型光触媒化合物が可視光型光触媒部5Bの下に位置する絵柄層3や壁紙基材2に埋没しやすく、これらの問題が生じやすい。本発明では、可視光型光触媒部5Bと壁紙基材2又は絵柄層3との間に中間層4を設けることによって、これらの問題が生じるのを抑制することができる。
中間層4は、無機系材料又は有機・無機ハイブリッド系材料により形成されるが、光触媒機能の持続性の観点から無機系材料を用いることが好ましい。
無機系材料としては、例えば、アルコキシシラン類の縮合物、オルガノポリシロキサン、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、加水分解物、シリコンワニス等のシリカ化合物;リン酸亜鉛、重リン酸塩、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩;シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、セメント、石灰、セッコウ、ほうろう用フリット、グラスライニング用うわぐすり、プラスターなどの無機系バインダーを挙げることができる。
有機・無機ハイブリッド材料としては、公知、市販のものが使用できるが、例えば、石原産業(株)製のアンダーコート剤「STK−102」を挙げることができる。なお、有機・無機ハイブリッド材料を用いた場合、材料同士の相性から、無機成分が可視光型光触媒部5B側へ、有機成分が壁紙基材2側へ偏在するので、光触媒機能の低下を当該無機成分によって抑制することができる。
中間層4の塗付量としては、特に限定されないが、0.2〜5g/m2が好ましい。なお、本明細書において「塗付量」とは、特に断りの無い限り、乾燥後の重量を指す。
中間層4は、発泡前の壁紙基材2上に、中間層コーティング液を塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。発泡後の壁紙基材2上に中間層コーティング液を塗布してもよいが、発泡樹脂層22の凹凸の影響により中間層4を綺麗に塗付することが難しくなるため、発泡前の壁紙基材2上に中間層コーティング液を塗布する方が好ましい。
中間層コーティング液は、上述した無機系材料若しくは有機・無機ハイブリッド系材料と、溶媒とを含む。前記溶媒は、特に限定されず、例えば、水;エタノール、メタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類と水との混合溶媒のような水性媒体;などが挙げられる。これらの中でも特に、水が好ましい。
本発明の中間層コーティング液を用いて中間層4を形成するに際しては、例えば、スピンコート、ディップコート、ドクターブレード、スプレーまたはハケ塗りなど従来公知の方法により中間層コーティング液を塗布し、その後、中間層コーティング液中の溶媒を除去しうる温度で加熱すればよい。
[絵柄層3]
壁紙1は、壁紙基材2と中間層4との間に、更に絵柄層3を有してもよい。絵柄層3は、壁紙に意匠性を付与することができる。絵柄層3の絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。該絵柄模様は、壁紙1の種類に応じて選択できる。絵柄層3は、例えば、壁紙基材2の表面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄層3を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層(図示せず)を形成してもよい。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
前記着色剤としては、例えば、後述の未発泡樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。バインダー樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
前記溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。絵柄層3の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
[壁紙基材2]
壁紙1は壁紙基材2を有する。壁紙基材2は少なくとも発泡樹脂層22を含み、必要に応じてさらに非発泡樹脂層23A、非発泡樹脂層23B、及び/又は裏打ちシート層21を含んでもよい。壁紙基材2の好ましい層構成としては、図2A及び図2Bに示すような層構成が挙げられる。
[発泡樹脂層22]
壁紙基材2は発泡樹脂層22を含む。発泡樹脂層22は、発泡剤と樹脂を含有する層(以後、「未発泡樹脂層」と記載する)が発泡することにより形成された層であり、壁紙1に難燃性を付与することができる。
未発泡樹脂層に含まれる樹脂は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば特に制限されるものではなく、オレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ナイロン、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂等を挙げることできる。
これらの中でも、環境保護の観点からはオレフィン系樹脂であることが好ましく、エチレン系樹脂であることがより好ましい。また、成膜性、柔軟性、低温での加工性、コスト等の観点からは塩化ビニル樹脂が好ましい。
上記エチレン系樹脂としては例えば、エチレン単独重合体樹脂(PE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、炭素原子数3〜5のエチレン−アルキルアクリレート共重合体樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)等のエチレン系共重合体樹脂、これらの樹脂の混合物等が挙げられる。これらの樹脂は、電離放射線を照射することにより、容易に樹脂架橋させることできる。これらの樹脂中では、EVA樹脂及びEMAA樹脂が好ましい。なお、ここで言う電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含むものである。これらの中でも電子線を用いることが好ましい。電子線を用いた場合、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
エチレン系樹脂以外のオレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂、ペンテン系樹脂、などが挙げられる。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂中の酢酸ビニル単位(共重合比率)は特に限定されるものではないが、5〜30質量%程度であることが好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5〜75g/10分程度が好ましく、40〜70g/10分程度がより好ましい。なお、本明細書においてMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」を採用したものである。発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は特に限定されず、本発明の範囲を損なわない範囲で適宜設計することができる。
また、樹脂成分として、EMAA樹脂を用いる場合は、EMAA樹脂中のメタクリル酸単位(共重合比率)は、4〜20質量%程度であることが好ましい。樹脂成分のメルトフローレート値(JIS K 7210、190℃、2.16kg)は、用いる重合体の種類等によるが、通常は60〜200g/10分とすることが好ましい。特に、100〜200g/10分という高い範囲でも、良好な発泡状態を維持できるという点で有利である。
本発明で使用する発泡剤は、化学発泡剤でも物理発泡剤でもよいが、化学発泡剤の方が好ましく、化学発泡剤の中でも熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の配合量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率は、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であることから、熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。また、物理発泡剤としては、熱膨張型マイクロカプセルが挙げられ、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の揮発性液体膨張剤を塩化ビニリデン−アクリロニトリル−ジビニルベンゼンコポリマー、メタアクリレート−アクリロニトリル−ジビニルベンゼンコポリマー等の熱可塑性高分子重合体殻中に内包したマイクロカプセルであって、平均直径が1〜100μmの範囲にあるようなものが利用可能である。
未発泡樹脂層は、発泡剤、樹脂に加えて、セル調整剤、無機充填剤、顔料等の添加剤を含んでもよい。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。該無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。該無機充填剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。該顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
発泡樹脂層22の厚みについては、特に制限されず、所望の特性等に応じて適宜設定することができるが、製膜状態において(即ち、未発泡樹脂層の厚みで)30〜300μmが好ましく、発泡後の状態において(即ち、発泡樹脂層22の厚みで)350〜1200μmが好ましい。また、発泡樹脂層22の形成にあたっての、発泡倍率も、特に制限されないが、通常は3〜7倍程度であればよい。発泡倍率が上記範囲内であれば、良好な表面強度、加工性等を得ることができる。
[非発泡樹脂層23A]
壁紙基材2は、発泡樹脂層22の上面(図1における絵柄層3側の面)に、非発泡樹脂層23Aを含んでもよい。非発泡樹脂層23Aは、主として発泡樹脂層22を保護すると共に、発泡樹脂層22を形成する際の発泡工程で発泡ガス等の揮発分成分による可視光型光触媒機能の低下(具体的には、酸化チタンなどの可視光型光触媒化合物の粒子への悪影響)を防止する機能を有する。非発泡樹脂層23Aを形成する樹脂としては、発泡樹脂層22に使用したのと同様のオレフィン系樹脂を使用することができる。尚、非発泡樹脂層23Aに使用する樹脂は、発泡樹脂層22に使用する樹脂種と同一でも異なってもよいが、非発泡樹脂層23Aと発泡樹脂層22との間の密着性を向上するために、同種類の樹脂もしくは樹脂組成物を使用することが好ましい。
前記樹脂成分としては、例えばアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組合せにより得られる共重合体を樹脂成分として好適に用いることができる。より具体的には、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。アイオノマー樹脂としては、エチレン−メタクリル酸共重合体及び/又はエチレン−アクリル酸共重合体の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂が使用できる。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は4〜15質量%程度であることが好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。前記樹脂組成物には、公知の添加剤を配合することもできる。非発泡樹脂層23Aの厚みは特に限定されないが、3〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。また、樹脂組成物中の前記樹脂成分の含有量は限定的ではないが、通常70〜100質量%の範囲内で適宜設定することが好ましい。
前記樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は、用いる樹脂成分の種類等によるが、一般に10g/10分以上の範囲内で適宜設定すればよい。通常は10〜100g/10分、特に10〜95g/10分、さらに20〜80g/10分の範囲にあることが好ましい。このような数値範囲のものを使用することにより、より優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。尚、メルトフローレート値(MFR)の測定条件は、発泡樹脂層22の項に記載したのと同様である。
発泡樹脂層22/非発泡樹脂層23Aとしての好ましい組合せは、EVA樹脂/EVA樹脂、EMAA樹脂/EVA樹脂、EVA樹脂/EMAA樹脂、EMAA樹脂/EMAA樹脂、PE樹脂/PE樹脂が挙げられ、特にEVA樹脂/EMAA樹脂が好ましい。
[裏打ちシート層21]
壁紙基材2は、裏打ちシート層21を含んでもよい。裏打ちシート層21は、発泡樹脂層22の非発泡樹脂層23Aと反対側の面に、又は後述する非発泡樹脂層23Bの発泡樹脂層22と反対側の面に設けられる。裏打ちシート層21は特に限定されず、例えば、樹脂シート、紙等の繊維質シートなどが一般に使用できるが、紙等の繊維質シートが好ましく、具体的には、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
裏打ちシート層21の坪量は特に限定されないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜80g/m2程度がより好ましい。
[非発泡樹脂層23B]
壁紙基材2は、発泡樹脂層22の下面(図1における裏打ちシート層21側の面)に、非発泡樹脂層23Bを含んでもよい。壁紙基材2が裏打ちシート層21を含む場合には、発泡樹脂層22と裏打ちシート層21との間に非発泡樹脂層23Bを含んでよく、非発泡樹脂層23Bが接着剤層として機能することにより、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層23Bとしては、発泡樹脂層22に使用したのと同様のオレフィン系樹脂を使用することができるが、密着性の向上という観点からエチレン−酢酸ビニル共重合体を好適に用いることができる。非発泡樹脂層23Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100質量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層23Bの厚みは特に限定されないが、3〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
[壁紙基材2の形成方法]
壁紙基材2は、(ア)未発泡樹脂層を含む発泡前の壁紙基材2を形成する工程、及び(イ)該未発泡樹脂層を発泡させて発泡樹脂層22を形成する工程、を経て形成される。
(ア)未発泡樹脂層を含む発泡前の壁紙基材2を形成する工程
発泡前の壁紙基材2の形成方法は特に限定されないが、例えば、Tダイ押出し機によって形成することができる。未発泡樹脂層だけでなく非発泡樹脂層23Aも含む発泡前の壁紙基材2を形成する場合には、2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、未発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層23Aを形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。同様に、未発泡樹脂層、非発泡樹脂層23A及び非発泡樹脂層23Bを含む発泡前の壁紙基材2を形成する場合には、未発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物、非発泡樹脂層23Aを形成するための樹脂組成物、及び非発泡樹脂層23Bを形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、3種3層を同時に押出し成膜・積層すればよい。
裏打ちシート層21を含む発泡前の壁紙基材2を形成するには、上記の方法で同時押出した積層体を、裏打ちシート層21上に同時積層(成膜)すればよい。裏打ちシート層21上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため裏打ちシート層21と接着される。あるいは、予め同時成膜した積層体を用意して、それを裏打ちシート層21上に載せて、熱ラミネートすることで接着させてもよい。
未発泡樹脂層を形成する樹脂組成物が無機充填剤を含有するときに、未発泡樹脂層を押出し成形により形成する場合には、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。そのため、未発泡樹脂層に無機充填剤が含まれる場合には、上記非発泡樹脂層23A及び非発泡樹脂層23Bをそれぞれ形成する樹脂組成物を、未発泡樹脂層を形成する樹脂組成物と共に同時押出し成形することが好ましい。同時押出し成形は、例えば、マルチマニホールドタイプのTダイを用いることにより行える。このように未発泡樹脂層を2つの非発泡樹脂層(非発泡樹脂層23A及び非発泡樹脂層23B)によって挟み込んだ態様で同時押出し成形することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡前の壁紙基材22に、電離放射線を照射してもよく、特に電子線を照射することが好ましい。これにより樹脂成分を架橋できるため、壁紙基材2の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う場合には、樹脂組成物中に架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよい。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋剤は、樹脂成分100質量部に対して0〜10質量部程度とすることが好ましく、特に1〜4質量部とすることがより好ましい。
(イ)未発泡樹脂層を発泡させて発泡樹脂層22を形成する工程
未発泡樹脂層を発泡させる方法は、発泡剤の種類に応じて公知の方法から適宜選択されるものであり、特に限定されない。発泡剤として熱分解型発泡剤を用いた場合、加熱条件は熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されないが、加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
なお、工程(イ)は、可視光型光触媒部5B形成用のコーティング液、及び表面性能付与部5A形成用のコーティング液を塗布した後に行うことが好ましい。可視光型光触媒部5B及び表面性能付与部5Aを形成するために行うコーティング液の乾燥と、未発泡樹脂層の発泡とを同時に行なえることで製造工程が少なくなり、コストを低減できる。また、発泡後に、絵柄層3、中間層4、表面層5を形成した場合、発泡樹脂層22の凹凸の影響により、前記層を綺麗に塗付することが難しいが、発泡前に前記層を形成することで綺麗に塗付することが可能となる。
[フィルム層6]
壁紙1は、フィルム層(図示せず)をさらに有してもよい。壁紙基材2と中間層4の間にフィルム層を設けることで、フィルム層より下側(壁紙基材2側)に位置する発泡樹脂層22等に光触媒が埋没するのを防ぎ、発泡樹脂層22等を光触媒による分解から保護し、光触媒の活性の低下を抑制することができる。即ち、壁紙1に優れた有機揮発性物質等の分解性能を付与するものである。さらに、耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性などの表面性能を付与することも可能である。
フィルム層を構成する樹脂としては、特に制限はないが、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性樹脂単体及び各種共重合体樹脂を好ましく挙げることができる。これらのなかでも、本発明の壁紙に耐汚染性、耐セロファンテープ性、耐擦傷性、耐薬品性などの表面性能を付与し、エンボス加工を施す場合には優れた凹凸追従性を付与し、燃焼時の煙濃度が少なく、かつ製造コストを安価におさえる観点から、オレフィン系樹脂が好ましく、オレフィンの単独重合体樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂がより好ましい。
フィルム層に用いられるフィルムの厚みは、5〜25μmであることが好ましく、5〜15μmがより好ましい。フィルムの厚みが上記範囲内であれば、該フィルムの製造上の制約をうけることなく、またエンボス加工による壁紙の凹凸追従性を確保することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、本発明は以下に記載する方法になんら限定されるものではない。
(1)壁紙の作成
[実施例1]
公知のTダイ押出機を用いて、非発泡樹脂層A/未発泡樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に、各層の厚みが15μm/100μm/10μmになるように製膜して3層から成る積層体Aを得た。
非発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Bに用いた樹脂と、未発泡樹脂層に用いた樹脂組成物は以下の通りである。
(a)非発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Bに用いた樹脂:
・エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学(株)製、商品名:エバテートCV5053)
(b)未発泡樹脂層に用いた樹脂組成物:
・エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学(株)製、商品名:エバテートCV5053)、100質量部
・発泡剤(永和化成製、商品名:ADCA#3)、4質量部
・炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:ホワイトンH)、30質量部
・二酸化チタン(顔料)(デュポン製、商品名:タイピュアR−108)、20質量部
・光安定剤((株)ADEKA製、商品名:OF−101)、1質量部
・架橋剤(JSR(株)製、商品名:オブスターJVA−702)、1質量部
次に、前記積層体Aの非発泡層樹脂Bに裏打ちシート層(米秤量60g/m2、興人(株)製、WK−FKKD)を積層して積層体B(発泡前の壁紙基材)を得た。その後、積層体Aの表面強度の向上を図る目的で、積層体Bに対して200kV、5Mradにて電子線照射を行なった。
次いで、グラビア印刷により、積層体Bの非発泡樹脂層A面に水性インキ(大日精化工業(株)製、商品名:ハイドリック)を用いて布目模様(絵柄層)を印刷し、その上に中間層コーティング液を乾燥後の質量が1g/m2となるように塗布した。さらにその上に可視光型光触媒コーティング液を乾燥後の膜厚が2μmとなるようにパターン状に塗布した。その後、前記可視光型光触媒コーティング液が塗布されていない部分に表面性能付与コーティング液として水系アクリルコート液(日信化学工業(株)製、商品名:ビニブラン)にシリコーン樹脂(信越シリコーン製、商品名:KP−361)を約4wt%添加したコーティング液を乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗布して、積層体Cを得た。なお、表面パターンは、可視光型光触媒部と表面性能付与部が交互に並んだ縞模様で、各線幅は5mm(面積比は1:1)となるようにした。
前記中間層コーティング液の組成は以下の通りである。
・石原産業(株)製、アンダーコート剤STK102
前記可視光型光触媒コーティング液の組成は以下の通りである。
・酸化チタン光触媒コーティング剤(住友化学(株)製、商品名:TC−S4115(無機バインダー入)N.V.5wt%、酸化チタン粒径100nm)、100質量部
・艶消し剤(メラミンとシリカからなる粒子、日産化学工業(株)製、商品名:オプトビーズ3500M、粒径3.5μm)、0.25質量部
その後、積層体Cを230℃の加熱発熱炉内で加熱することにより、発泡剤が含有されている未発泡樹脂層を発泡させ発泡樹脂層を形成し、次にエンボス加工を施して、布目模様パターンを賦型し、壁紙を得た。
[実施例2〜11]
可視光型光触媒部及び表面性能付与部のそれぞれについて、厚み、線幅を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。
[実施例12]
裏打ちシート層として、米秤量60g/m2の壁紙用裏打紙(興人(株)製、WK−FKKD)を用い、該裏打ちシート層上に下記の発泡樹脂組成物をコンマコート法によりコーティングして未発泡樹脂層を形成した。次いで、前記未発泡樹脂層の上に、アクリル系樹脂をバインダーとし、カーボンブラックと弁柄を着色剤とするインキを用いて、塗布量3g/m2にてグラビア印刷を施して絵柄層を形成し、積層体Dを作製した。さらに、積層体Dを230℃の加熱発泡炉内で加熱することにより、未発泡樹脂層を発泡させ、発泡樹脂層が形成された積層体Eを得た。
発泡樹脂組成物:
塩ビレジン(東ソー製、商品名:R−720):100質量部
炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:ホワイトンH):100質量部
発泡剤(大塚化学製、商品名:ユニフォームAZウルトラ):3質量部
防カビ剤(タイショウテクノス製、商品名:ビオサイト7663DS):0.2質量部
光安定剤(アデカアーガス化学製、商品名:O−1305):5質量部
希釈剤(シェル石油製、商品名:シェルゾールS):20質量部
可塑剤(フタル酸ジイソノニル):38質量部
一方で、フィルム層として予め接着剤が塗布されたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ製、商品名:エバールフィルムHF−ME、厚み:12μm、エチレン含有量:44mol%)を用い、該フィルム層の上面(接着剤が塗布されていない側)に実施例1と同じ組成の中間層コーティング液を乾燥後の重量が1g/m2となるように塗布して積層体aを得た。さらにその上に実施例1と同じ組成の可視光型光触媒コーティング液を乾燥後の膜厚が2μmとなるようにパターン状に塗布した。その後、前記可視光型光触媒コーティング液が塗布されていない部分に表面性能付与コーティング液として水系アクリルコート液(日信化学工業(株)製、商品名:ビニブラン)にシリコーン樹脂(信越シリコーン製、商品名:KP−361)を4wt%添加したコーティング液を乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗布して、積層体bを得た。なお、表面パターンは、可視光型光触媒部と表面性能付与部が交互に並んだ縞模様で、各線幅は5mm(面積比は1:1)となるようにした。
次いで、積層体Eを積層体bと同時にエンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する壁紙を得た。
[比較例1〜3、6〜7]
可視光型光触媒部及び表明性能付与部のそれぞれについて、厚み及び線幅を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。
[比較例4]
絵柄層の上に中間層コーティング液を塗布する工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。即ち、比較例4の壁紙には中間層を設けられていない。
[比較例5]
中間層の上に可視光型光触媒コーティング液を乾燥後の膜厚が2μmとなるように全面塗布し、表面性能付与コーティング液を塗布しなかった以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。即ち、比較例5の壁紙の表面層は、可視光型光触媒部と表面性能付与部とからなるパターン形状を有しおらず、可視光型光触媒部のみからなっている。
(2)壁紙の評価
(i)ガス分解性能
各壁紙について、以下の通り、初期光触媒活性を測定した。
壁紙試験片(10cm×10cm)を内容量5リットル(L)のテドラーバック内に挿入し、1Lの合成空気〔(窒素:酸素)容積比:4/1、RH50%〕をテドラーバック内に送り込み、ブラックライト2mW/cm2で16時間初期化処理をした。その後、テドラーバック内のアセトアルデヒド濃度が20ppmとなるように1体積%のアセトアルデヒド0.94mlをテドラーバック内に送り込み、蛍光灯6000lxを照射し6時間後のアセトアデヒド濃度を測定した。テドラーバック内のアセトアルデヒド濃度の経時変化はガスクロマトフィーにより測定した。
1時間後の減少量が0ppm以上5ppm未満を「×」、5ppm以上10ppm未満を「△」、10ppm以上15ppm未満を「○」、15ppm以上を「◎」とした。
(ii)耐汚染性
汚染物質9種類(バスマジックリン(登録商標)、カビキラー(登録商標)、ハイター(登録商標)、醤油、中性洗剤、コーヒー、クレヨン、赤インク、水性サインペン)をサンプル上に乗せたガーゼに各々滴下、または直に線を描き、24時間後に水及び中性洗剤を用いて拭取った。目視評価にて、拭取り不可のものが8種以上ある場合は「×」、6種以上の場合は「△」、4種以上の場合は「○」、それ以下の場合は「◎」とした。
(iii)すべり性試験
壁紙から試験片(90cm×150cm)を採取し、当該試験片の裏面に糊付け機で塗布量50〜300g/m2で接着剤を塗付し、石膏ボードに試験片を貼り、壁紙表面のすべり性を手触りにより評価した。一般に市販される壁紙と同レベルにすべり性が良好であり、十分な施工性を有するものを「○」、すべり性がやや劣るものの施工可能なレベルを「△」、すべり性が悪く施工に支障をきたすレベルを「×」とした。
実施例1〜12と比較例1〜7の評価結果を以下の表1及び表2に示す。
1 壁紙
2 壁紙基材
3 絵柄層
4 中間層
5 表面層
5A 表面性能付与部
5B 可視光型光触媒部
21 裏打ちシート層
22 発泡樹脂層
23A、23B 非発泡樹脂層

Claims (4)

  1. 壁紙基材と、中間層と、表面層とをこの順に有する壁紙であって、
    該表面層が、シリコーン樹脂を含有する表面性能付与部と可視光型光触媒化合物及びバインダーを含有する可視光型光触媒部とからなるパターン形状を有しており、
    該表面性能付与部/該可視光型光触媒部の面積比が、1/9〜9/1の範囲内であり、
    該表面性能付与部の厚みが、該可視光型光触媒部の厚み以上である、壁紙。
  2. 前記表面性能付与部/前記可視光型光触媒部の面積比が、3/7〜7/3の範囲内である、請求項1に記載の壁紙。
  3. 前記表面性能付与部の厚みと前記可視光型光触媒部の厚みの差が、1μm以上8μm以下である、請求項1又は2に記載の壁紙。
  4. 前記表面性能付与部が、アクリル系樹脂をさらに含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の壁紙。
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