JP2000117913A - 吸放湿性能を有する化粧材 - Google Patents

吸放湿性能を有する化粧材

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JP2000117913A
JP2000117913A JP10292371A JP29237198A JP2000117913A JP 2000117913 A JP2000117913 A JP 2000117913A JP 10292371 A JP10292371 A JP 10292371A JP 29237198 A JP29237198 A JP 29237198A JP 2000117913 A JP2000117913 A JP 2000117913A
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moisture
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Eiichiro Yokochi
英一郎 横地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸放湿性能を有する化粧材に対して、耐汚染性
が付与された吸放湿性能を有する化粧材を提供する。 【解決手段】活性白土を含有するポリオレフィン系樹脂
又はアクリル樹脂からなる吸放湿性樹脂層と、該樹脂層
上にフルオロアルキルシラン塗工層を有することを特徴
とする吸放湿性能を有する化粧材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸放湿性能を有す
る化粧シート、特に最表面に透湿性及び耐汚染性を有す
るフィルムを配置した化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、紙等の基材上に、ゼオライト
等の無機質吸湿剤を含有せしめた透湿性樹脂層を設けた
壁紙やシートが知られている。
【0003】例えば、特開昭64−6181号公報にお
いては、紙等の基材上に、微粉状のゼオライト及び発泡
剤を含有させた合成樹脂層を形成し、該合成樹脂層上に
透湿性樹脂皮膜を形成したのち、前記合成樹脂層を加熱
発泡させるか、又は、前記合成樹脂層を加熱発泡後その
発泡層上に透湿性皮膜を形成し、その後エンボス加工を
施す、結露防止壁紙の製造方法が記載されている。
【0004】また、特開平10−128892号公報に
は、無機質紙等の基材片面に、吸湿剤を含有させた発泡
性水性エマルジョン樹脂層を塗工し、乾燥させ、さらに
この上に透湿性水性エマルジョン樹脂を塗工して透湿性
樹脂皮膜を形成し、この上に所望の絵柄印刷を施し、加
熱発泡させた後、エンボス加工を施す吸放湿性を有する
発泡シートが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の透
湿性能を有する壁紙やシート等の化粧材は、飲食物、イ
ンク、クレヨン等の汚れが付着しやすい場所に設置され
るものである。しかしながら、従来の吸放湿シートで
は、表面に吸放湿性材料が露出していることから、防汚
性能が不足しており、汚染物質に弱かった。
【0006】防汚性能を向上する方法としては、ウレタ
ン樹脂、アクリル樹脂等の比較的耐汚染性のある樹脂バ
インダーからなるOPコート層(上塗り塗膜)をシート
表面に形成する方法や、アクリロニトリル等の比較的耐
汚染性を有する樹脂のフィルムをシート表面にラミネー
トする方法等が考えられるが、吸放湿性材料が樹脂層で
被覆されてしまうため、水蒸気の透過が遮断されて吸放
湿性能が低下するという問題があった。従って、吸放湿
性能を維持しつつ、耐汚染性を有する化粧材の開発が望
まれていた。
【0007】そこで、本発明は、吸放湿性能を有する化
粧材に対して、耐汚染性が付与された吸放湿性能を有す
る化粧材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく、活性白土、酸性白土、セピオライト、又は硅
藻土のいずれか1種以上を含有するポリオレフィン系樹
脂又はアクリル樹脂からなる吸放湿性樹脂層と、該樹脂
層上に、フルオロアルキルシラン塗工層を有することを
特徴とする、吸放湿性能を有する化粧材を提供する。
【0009】本発明の化粧材は、少なくとも活性白土、
酸性白土、セピオライト、又は硅藻土のいずれか1種以
上を含有するポリオレフィン系樹脂又はアクリル樹脂か
らなる吸放湿性樹脂層と、その上層に透湿性と耐汚染性
を有するフルオロアルキルシラン塗工層を有する。
【0010】本発明の化粧材は、好ましくは、紙等の基
材上に活性白土、酸性白土、セピオライト、又は硅藻土
のいずれか1種以上を含有するポリオレフィン系樹脂又
はアクリル樹脂からなる吸放湿性樹脂層と、その上層に
透湿性と耐汚染性を有するフルオロアルキルシラン塗工
層を有する。
【0011】本発明によれば、吸放湿性能を維持しつ
つ、特に親水性の汚れ、例えば、飲食物、インク等の汚
れが付着しにくく、且つ汚れの除去が容易な耐汚染性能
を有する化粧材が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧材について詳
細に説明する。本発明の化粧材の吸放湿性樹脂層には、
公知の各種吸放湿材料が使用可能ではあるが、好ましく
は活性白土、酸性白土、セピオライト、又は硅藻土から
なる粒子(粉末)のいずれか1種、又は2種以上からな
る無機質の吸放湿性材料が添加される。中でも特に、ポ
リオレフィン系樹脂又はアクリル樹脂中に無機質の吸放
湿性材料として活性白土を含有せしめた樹脂組成物は、
その製膜特性及び塗工適性が良好なものである。
【0013】活性白土(モンモリロナイト)は、酸処理
を施して活性を強めた白土である。通常、天然の酸性白
土又はこれに類似の粘土を常温で乾かし、粉末とし、こ
れを常圧又は加圧のもとで90℃以上の温度で硫酸等の
酸の適当量で加熱し、加熱後に濾別・洗浄し、120〜
200℃で乾燥させたものが用いられる。活性白土は、
その強い吸着特性、また多孔の細孔径の分布から、高い
吸放湿性能を有していることが知られている。
【0014】活性白土は強力な吸放湿剤であり、しかも
水に溶解したり水で膨潤したりせず、また空気中で長時
間暴露されても変質したり黴を生じたりせず、吸湿と放
湿を繰り返すことができる。
【0015】活性白土は、微粒子(吸放湿性微粒子)状
で樹脂中に分離、沈降を起こすことなく均一に分散させ
て用いられるのが好ましい。微粒子状で含有せしめるこ
とにより、後述するように、延伸して成膜した際に、該
微粒子の一部が樹脂層内部から樹脂表面に押し出され、
樹脂表面に露出する粒子の面密度が増加する。また、粒
子と周辺の樹脂との間の剪断応力によって、樹脂層が多
孔質化され、樹脂層内部の粒子も外気と流通するため、
吸放湿性の機能がより有効に利用されることになる。
【0016】本発明で用いる活性白土の平均粒径は、
0.1〜100μm程度が好ましい。また、平均細孔径
は、湿度を40〜60%に保つ意味で10〜60Å、好
ましくは20〜30Å程度のものが吸放湿効果の点で良
好である。
【0017】前記活性白土の樹脂中への添加量は、樹脂
分(バインダー)100重量部に対し、50〜150重
量部程度が好ましい。50重量部以下では、吸放湿性能
が十分に発揮されない。一方、150重量部以上添加し
た場合には、水分散エマルジョン中に活性白土を添加し
た組成物が増粘し、塗工適性が低下する。又、塗膜とし
て得られる吸放湿性樹脂層の強度が低下して脆くなる。
又、酸性白土、セピオライト、及び硅藻土を用いる場合
も、平均粒径、平均細孔径、添加量は、活性白土の場合
に準じる。
【0018】また、本発明の化粧材においては、前記樹
脂中に活性白土を添加する場合には、これに加えてアル
カリ性添加剤を含有せしめるのがより好ましい。上述し
たように、活性白土は表面活性を高めるために硫酸等の
酸処理が行われていること、またその表面の分子の配向
状態から強い酸性を示す。そして、この酸性度が分散し
た樹脂に対して、耐光性試験及び耐熱性試験(窓から入
り込む日光の影響の促進試験)の結果、黄変等を生じる
原因となっている。本発明においては、かかる問題を回
避するために、樹脂中に活性白土とともにアルカリ性の
添加剤を配合してpHの調整を行うことにより、耐光黄
変の抑制を行うことが好ましい。
【0019】前記アルカリ性添加剤としては、アンモニ
ア(アンモニア水)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭
酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸
水素塩等を挙げることができる。アルカリ性添加剤の添
加量は、例えばアンモニア水(28重量%)の場合でい
うと活性白土の10重量%以上、好ましくは20重量%
程度である。
【0020】本発明の化粧材において、活性白土等の無
機質の吸放湿性材料を含有する樹脂としては、活性白土
等を保持可能であって、層状に形成可能な樹脂であれば
制限はないが、特に、アクリル樹脂やポリオレフィン系
樹脂の使用が好ましい。
【0021】ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン
−ビニルアルコール共重合体等のエチレン系不飽和単量
体とそれ以外の重合可能な単量体との2元又は3元共重
合体、或いはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリメチルペンテン等のエチレン系不飽和単量体の
みからなる単独共重合体、或いはエチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等の
エチレン系不飽和単量体同士の共重合体等を挙げること
ができる。
【0022】アクリル樹脂は、主成分がアクリル酸(メ
タクリル酸を含む)及びその誘導体であるアクリルアミ
ド、アクリロニトリルを重合することにより得られるア
クリル樹脂、他のアクリル酸エステル、エチレン、スチ
レン等の他のモノマーとの共重合体樹脂である。
【0023】かかるアクリル樹脂としては、例えば、ポ
リ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸
エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、
(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸ブチル−
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、
(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル
−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メ
チル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単
独又は共重合体からなるものが挙げられる。なお、ここ
で、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリ
ル酸の意味で用いるものとする。これらのうち、硝子転
移温度が15〜60℃のものが好ましい。
【0024】これらの樹脂のうち、樹脂それ自体に或る
程度の吸放湿性があり、しかも活性白土との馴染みがよ
く、且つ活性白土の分散性が良好で添加量が増やせるこ
と等の理由から、エチレン−酢酸ビニル共重合体或いは
これの鹸化物を使用するのが特に好ましい。
【0025】また、本発明においては、これらアクリル
樹脂とポリオレフィン系樹脂の1種乃至2種以上からな
る混合樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体と
アクリル樹脂との混合樹脂を用いることもできる。
【0026】前記樹脂中には、活性白土等の吸放湿性材
料及び所望によりアルカリ性添加剤を含有せしめるが、
さらに必要に応じ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム等の難燃剤、10,10’−オキシビスフェノキ
シアルシン等の防黴剤、銀イオン担持ゼオライト等の抗
菌剤、有機アミノ化合物、トリメリット酸等のホルムア
ルデヒド捕捉剤、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫
酸バリウム等の体質顔料、ビス−(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダ
ードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕
捉剤等のラジカル捕捉剤等の光安定剤、アルキルフェノ
ール類、アミン類、キノン類等の酸化防止剤、ベンゾフ
ェノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、ア
クリロニトリル系等の各種紫外線吸収剤、シリコン系或
いは非シリコン系消泡剤やポリカルボン酸等の分散剤、
チタン白、カーボンブラック、フタロシアニンブルー等
の着色顔料、熱安定剤、可塑剤のほか、後述するような
発泡剤を添加することができる。
【0027】特に、発泡剤を添加する場合には、樹脂層
内に空洞を多数有するものが得られ、通気性が良好であ
って、従って、吸放湿性も良好となる。
【0028】発泡剤としては、例えば、次の(1)〜
(3)に挙げるものを用いることができる。 (1)ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リニトリル共重合体等の樹脂の中空体中に、ブタン、ヘ
キサン、ペンタン等の揮発、熱膨張性物質を内包させた
マイクロカプセル型発泡剤、(2)アゾジカーボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N−ジニトロソ
ペンタメチレンテトラミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸
アンモニウム、ソジウムボロハイドライド等の熱分解型
発泡剤、及びこれらに必要に応じて、鉛、亜鉛、カルシ
ウム、錫等の金属石鹸、二塩基性硫酸鉛、三塩基性鉛、
亜鉛華等の発泡促進剤を添加したもの、(3)上記
(1)と(2)の混合物。
【0029】また、上記樹脂を製膜乃至塗工するには、
有機溶剤溶液、加熱熔融物等の形で用いることも出来る
が、pHの調整の上では水分散エマルジョンの形で用い
るのが好ましい。即ち、ポリオレフィン系樹脂及びアク
リル樹脂の1種乃至2種以上からなる混合樹脂の水分散
エマルジョン中に、所望によりアルカリ性添加剤を配合
してエマルジョンのpHをアルカリ性領域にするのが好
ましい。
【0030】活性白土の酸性度は、活性能を上げるため
になされた硫酸処理の残留分、及び酸処理により塩基性
成分が溶出したことに起因している。このため完全に中
和することは困難であるため、見かけ上エマルジョンを
アルカリ性領域にしておくことが好ましい。また、作業
者の安全を考慮して、pH値としては8〜11程度に設
定することが好ましい。
【0031】本発明の化粧材において、前記透湿性樹脂
層の上には、透湿性と耐汚染性を有するフルオロアルキ
ルシラン塗工層が形成される。該塗工層は、後述するよ
うに、フルオロアルキルシラン溶液或いはフルオロアル
コキシシランの加水分解ゲル溶液を原料とすることがで
きる。
【0032】該フルオロアルキルシランとしては、例え
ば、CF3 CH2 CH2 Si(OCH3 3 、CF3
2 CH2 Si(OC2 5 3 、CF3 (CF2 3
CH 2 CH2 Si(OCH3 3 、CF3 (CF2 5
CH2 CH2 Si(OCH33 、CF3 (CF2 7
CH2 CH2 Si(OCH3 3 、CF3 (CF2 7
CH2 CH2 SiCH3 (OCH3 2 等のフルオロア
ルコキシシラン類、
【0033】CF3 CF3 CH2 CH2 SiCl3 、C
3 (CF2 3 CH2 CH2 SiCl3 、CF3 (C
2 5 CH2 CH2 SiCl3 、CF3 (CF2 7
CH 2 CH2 SiCl3 、(CF2 7 CH2 CH2
iCH3 Cl2 等のクロロフルオロアルキルシラン類が
挙げられる。
【0034】また、その他として、例えば、下記(1)
〜(6)に示すようなフルオロアルケニルシランハライ
ド、フルオロアルキニルシランハライド、フルオロアル
ケニルアルコキシシラン、フルオロアルキニルアルコキ
シシラン等のシラン化合物も用いることができる。
【0035】
【化1】
【0036】(式中、nは任意の自然数を表し、Rは低
級アルキル基を表し、aは1又は2を表す。) 前記フルオロアルキルシラン溶液又はフルオロアルコキ
シシランの加水分解ゲル溶液の溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の
低級アルコールや、m−キシレンヘキサフロライド等の
フッ素系溶媒を用いることができる。
【0037】フルオロアルキルシラン溶液は、フルオロ
アルキルシランの1種若しくは2種以上を前記列記した
溶媒の1種若しくは2種以上の溶媒中に溶解させること
により調製することができる。
【0038】フルオロアルコキシシランの加水分解ゲル
溶液は、フルオロアルコキシシランの1種若しくは2種
以上を前記列記した溶媒の1種若しくは2種以上の溶媒
中に溶解せしめ、しかる後に、所定量の水と所望により
塩酸、硫酸等の酸を加えることにより調製することがで
きる。また、このフルオロアルコキシシランの加水分解
ゲル溶液には、アミン類等の安定剤や重合促進剤等が添
加されていてもよい。
【0039】前記フルオロアルキルシラン溶液又はフル
オロアルコキシシランの加水分解ゲル溶液を吸放湿性樹
脂層上に塗布する方法としては、グラビアコート、ロー
ルコート、ディップコート等の方法が挙げられる。
【0040】フルオロアルキルシラン溶液又はフルオロ
アルコキシシランの加水分解ゲル溶液を、前記透湿性樹
脂層上に上記塗布法により塗布したのち、溶媒を揮散さ
せるために乾燥し、所望により焼成を行う。乾燥温度
は、通常、20〜200℃程度であり、その後24時間
以上養生させるのが好ましい。焼成を行う場合は、20
0〜300℃程度で行う。養生や焼成は、溶媒の除去、
フルオロアルキルシランの加水分解、重縮合反応を完全
に進行させるために行われる。
【0041】フルオロアルキルシラン塗工層は、フルオ
ロアルキルシランの単分子膜、フルオロアルキルシラン
の重合体からなる膜又はフルオロアルキルシラン及びフ
ルオロアルキルシランの重合体との混合物からなる膜の
いずれかの膜として得ることができる。
【0042】特に、この場合において、前記吸放湿性樹
脂層として、分子中に元来水酸基を有する樹脂、即ち、
ポリオレフィン系樹脂としては、鹸化したエチレン−酢
酸ビニル共重合体、アクリル樹脂としては、(メタ)ア
クリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル共重合体等のアクリルポリオールを選択するか、或
いは前記其他のポリオレフィン系樹脂、又はアクリル樹
脂に更にメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル等の分子
中に水酸基を有する単量体を共重合させたものを用い
て、該樹脂層の上にフルオロアルキルシラン塗工層を形
成すると、吸放湿性樹脂層中の水酸基とフルオロアルキ
ルシラン塗工層中のフルオロアルコキシシラン(又はそ
の重合物)とが化学的に結合して、一体化した強固なフ
ッ素化合物薄膜(単分子膜)を形成することができる。
【0043】或いはまた、前記吸放湿性樹脂中に、アク
リルポリオール、ポリビニルアルコール等の分子中に水
酸基を有する樹脂を適量混合することも出来る。従っ
て、かかる構成とすることにより、層間密着性に優れた
化粧材を得ることができる。なお、この場合において
は、塗膜形成後、20〜120℃程度で24時間以上養
生させることが好ましい。
【0044】なお、前記フルオロアルキルシラン塗工層
は、フルオロアルコキシシラン重合体微粒子の樹脂バイ
ンダー樹脂溶液を前記透湿性樹脂層上に塗布する方法も
よっても形成することができる。この場合は、フルオロ
アルコキシシラン重合体微粒子の粒径は細かい程、表面
積が大きくなるため好ましい。
【0045】前記バインダー樹脂としては、フルオロア
ルコキシシラン重合体微粒子を担持せしめ、良好な塗膜
を形成し得るものであれば、特に制限はない。例えば、
透湿性樹脂層に用いるポリオレフィン系樹脂やアクリル
樹脂等を挙げることができる。
【0046】得られるフルオロアルキルシラン塗工層
は、塗膜中に細孔(微孔)を多数有し、水蒸気、空気等
の気体は透過させるが(通気性)、水等の液体は通さな
い性質(防水性)を兼ね備えている。フルオロアルキル
シラン塗工層の透湿度としては、JIS−Z−0208
の試験において、1500g/m2 ・24h以上のもの
が好ましい。
【0047】本発明の化粧材は、フルオロアルキルシラ
ンから得られるフルオロアルキルシラン塗工層をその表
面に有することを特徴とする。フルオロアルキルシラン
塗工層表面は、フルオロアルキルシラン分子(又は重合
体)のフルオロアルキル基の存在により、疎水性と優れ
た撥水性を有し、コーヒ、醤油、水性インキ等の親水性
の汚れに対して、特に優れた防汚性能を発揮する。ま
た、フルオロアルキルシラン塗工層表面は、フルオロア
ルキルシラン分子(又は重合体)のフルオロアルキル基
の存在により、表面の滑り性が向上し、擦過傷が付きに
くい化粧材となっている。
【0048】本発明の化粧材は、基本的には図1(a)
に示すように、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂或
いはこれらの混合樹脂中に、吸放湿性材料2及び所望に
よりアルカリ添加剤を含有してなる吸放湿性樹脂シート
1上に、透湿性と耐汚染性を有するフルオロアルキルシ
ラン塗工層3を形成した構造からなる。また、図1
(b)に示すように、その吸放湿性樹脂シート1及び透
湿性と耐汚染性を有するフルオロアルキルシラン塗工層
3とが、基材4上に積層された構成であってもよい。
【0049】また、前記吸放湿性樹脂シート1は、図1
(a),(b)に示すように、気泡を含まない非発泡体
でもよいし、図1(c)に示すように、内部に多数の気
泡を有する細胞状発泡体であってもよい。いずれの場合
も各層や塗膜の厚みは、通常50〜300μm程度が好
ましい。
【0050】本発明の化粧材に用いられる基材は、吸放
湿性化粧材を製造する際の支持体となるものであり、そ
の形状はシート状、板状のいずれでもよい。材料として
は、杉、檜、欅、樫、ラワン、チーク、メラピー等各種
樹種からなる木材単板、木材合板、パーティクルボー
ド、中密度繊維板(MDF)等の木質繊維板等の木質
板、鉄、鉄合金、銅、銅合金、アルミニウム等の金属、
アクリル、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリオレフィン、ABS樹脂、フェノール
樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹
脂、各種ガラス、陶磁器等のセラミックス、ALC(発
泡軽量コンクリート)等のセメント、珪酸カルシウム、
石膏等の非セメント窯業系材料、上質紙、和紙、壁紙用
原紙等の紙類、炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガラ
ス、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等があ
る。また、基材は、着色剤により着色されていてもよ
い。
【0051】特に、化粧材を壁紙等のシート(化粧シー
ト)として用いる場合には、基材として坪量が20〜1
20g/m2 程度の上質紙、薄葉紙、壁紙用裏打紙、和
紙等の紙、或いは硝子繊維、石綿、ポリエステル繊維、
ビニロン繊維等の繊維からなる織布又は不織布を用いる
のが好ましい。紙の場合、水酸化アルミニウム粉末等の
難燃剤を添加することもできる。
【0052】また、基材として紙、木材等の吸放湿性乃
至透水性のあるものを使用する場合、吸放湿性樹脂層で
吸着された水分が基材を通ってその裏面(例えば、壁の
内部)に浸透することがある。場合によっては、裏面に
浸透した水分のために裏面のものが湿気を帯びたり、反
りを生じたり、或いは黴や錆を生じる等の不都合を生じ
ることがある。そこで、この現象を防止する必要のある
ときは、基材表面(吸放湿性樹脂層側)、裏面或いは表
裏両面に、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、シリカ
蒸着ポリエチレンテレフタレート等の防湿・防水層を形
成しておくことが好ましい。
【0053】図2に、基材4の裏面に、この種の防湿・
防水層5を形成した化粧材の一例を示す。防湿・防水層
5の厚さは30〜100μm程度であり、2液硬化型ウ
レタン樹脂等の接着剤で貼り合わせたり、或いは熔融押
出し法(エクストルージョンコート法)等で塗工するこ
とによって形成することができる。
【0054】また、本発明の化粧材においては、必要に
応じて、吸放湿性を阻害しない範囲で、吸放湿性樹脂層
の表面(もし該樹脂層が透明ならば裏面でも可)に装飾
層を形成することもできる。装飾層は内装用化粧材の装
飾性を向上させる為に設けられる。装飾層の形成方法と
して、例えば、吸放湿性樹脂層に凹凸模様をエンボス加
工したり、顔料添加により前記樹脂シート自体を着色し
たり(以上の場合は、吸放湿性樹脂層自体が装飾層とな
る)、前記基材シートにインキからなる絵柄を印刷等に
より設けたり、前記樹脂シート上に金属薄膜層等を設け
る方法等の1種またはこれらの2種以上の組み合わせを
用いることができる。また、前記樹脂シート上の全面で
はなく、部分的に装飾層を形成することが、前記吸放湿
性材料の機能を発揮させる上で好ましい。
【0055】模様印刷としては、グラビア印刷、オフセ
ット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転
写印刷等の公知の印刷法を用いて、インキ(或いは塗
料)にて模様を形成することができる。
【0056】模様としては、木目模様、石目模様、布目
模様、皮絞模様、幾何学模様、文字記号、或いは全面ベ
タ等がある。
【0057】インキ或いは塗料としては、バインダー、
顔料、染料などの着色剤、更に必要に応じて、体質顔
料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合
したものを用いることができる。バインダーとしては、
例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン或いはこれら
の混合系を用いることができる。アクリル樹脂と塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体の両者を混合する場合には、
アクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体=1/
9から9/1の範囲が好ましい。
【0058】着色剤としては、例えば、チタン白、カー
ボンブラック、ニッケルチタンイエロー、弁柄、群青等
の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノン、
フタロシアニンブルー等の有機顔料、二酸化チタン被覆
雲母の箔粉からなるパール顔料などが挙げられる。
【0059】また、表面に凹凸模様をエンボスした上
で、さらにエンボス凹部に着色インキをワイピング法に
より充填し着色することもできる。
【0060】本発明の化粧材は、アクリル樹脂又はポリ
オレフィン系樹脂等からなる樹脂中に、活性白土等の吸
放湿性の無機質材料及び所望によりアルカリ性添加剤を
配合した液状組成物を基材又は支持体シート上に塗工
し、乾燥させて、吸放湿性樹脂層を形成したのち、該吸
放湿性樹脂層上に、耐汚染性を有する透湿性のフルオロ
アルキルシラン塗工層を積層することにより製造するこ
とができる。
【0061】即ち、(a)基材上に、ロールコータ、コ
ンマコータ、カーテンフロータ等の塗工機を用いて前記
液状組成物(水分散エマルジョン)を50〜300μm
の厚さで塗工し、(b)例えば、120〜200℃で3
0秒から1時間加熱乾燥し、(c)その後、例えば、2
00〜250℃程度で、30秒から1時間加熱乾燥する
ことによって固化せしめる。次いで、(c)その上層
に、フルオロアルキルシラン塗工層を前記塗工方法によ
り形成することにより、所望の化粧材を製造することが
できる。
【0062】なお、上記において、液状組成物中に更に
発泡剤を添加した場合には、発泡後にフルオロアルキル
シラン塗工層の形成を行うと、表面が凹凸形状となり、
均一にフルオロアルキルシラン塗工層を塗工することが
できず、十分な耐汚染性能が発揮されないおそれがあ
る。従って、未発泡の状態で、グラビアコート法により
フルオロアルキルシラン塗工層を形成するのが好まし
い。
【0063】また、本発明の化粧材は、吸放湿性樹脂シ
ートと耐汚染性を有するフルオロアルキルシラン塗工層
との積層体のみから構成されていてもよい。この場合の
製造方法は、図3(a)に示すように、剥離性を有する
支持体シート6を基材として用い、上記積層体の場合と
同様にして、例えば、前記アクリル樹脂あるいはポリオ
レフィン系樹脂等からなる樹脂の水分散エマルジョン中
に、吸放湿性材料2及び所望によりアルカリ性添加剤を
配合した液状組成物を、剥離性を有する支持体シート6
上に塗工し、乾燥させて吸放湿性樹脂層1を形成し、さ
らにその上にフルオロアルキルシラン塗工層を形成する
工程と、図3(b)に示すように、前記支持体シート6
を、吸放湿性樹脂層1から剥離する工程を経て、図3
(c)に示す所望の吸放湿性化粧材を得ることができ
る。
【0064】前記支持体シートとしては、剥離性を有す
るものであれば特に制限はない。例えば、シリコン樹脂
コート紙等の種々の剥離性の基材を用いることができ
る。この場合、化粧材は、支持体シートから剥離して使
用される。
【0065】本発明の化粧材は他の被着体に積層して用
いることができる。積層は、被着体に化粧材自体が(熱
融着等で)接着可能な場合は、接着剤層は省略すること
もできる。また、化粧材自体では被着体と接着しない場
合は、適当な接着剤にて積層する。被着体が最終製品で
あり、その表面化粧の為に内装用化粧材を積層する場合
もあれば、必要に応じ、内装用化粧材の力学的強度の補
強、或いは隠蔽性の付与の為、化粧材裏面に被着体を積
層する場合もある。
【0066】被着体としては各種素材がある。形状とし
ては、平板、曲面板等の板材、立体形状物品、或いはシ
ート(或いはフィルム)等である。これら形状のいずれ
にも用いられる素材としては、杉、樫、ラワン、チーク
等各種樹種からなる木材単板、木材合板、パーティクル
ボード、中密度繊維板(MDF)等の木質材、鉄、アル
ミニウム等の金属、アクリル樹脂、ポリカーボネート、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアセ
テート共重合体、ポリエステル、ポリスチレン、オレフ
ィン系樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂、専ら板材、或
いは立体形状物品として用いられる素材としては、ガラ
ス、陶磁器等のセラミックス、ALC(発泡軽量コンク
リート)等のセメント、珪酸カルシウム、石膏等の非セ
メント窯業系材料、専らシート(或いはフィルム)とし
て用いられる素材としては、上質紙、和紙等の紙、或い
は炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガラス、合成樹脂等
の繊維からなる不織布又は織布等がある。
【0067】以上説明した本発明の化粧材は、汚れ、特
に親水性の汚れが付着しやすい場所に設置されるもので
あり、例えば、壁、床、天井等の建築物内装、扉、手
摺、扉枠、窓枠等の建築物,箪笥等の家具、自動車、電
車等の車両内装、航空機、船舶の内装、間仕切り、容器
等の吸放湿性機能が要求される表面の装飾材料として用
いることができる。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお以下の実施例は、あくまで本発明の実施態様の
一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、自由に
設計、変更が可能である。
【0069】実施例1 活性白土を分散してなる下記に示す組成の水性エマルジ
ョンを、坪量150g/m2 の裏打ち紙(特殊製紙
(株)製)の基材上に、170μmの厚さでコートし
た。次いで、120℃で1分間加熱してその水性樹脂エ
マルジョン層を固化させた。その後、該水性樹脂エマル
ジョン層上に、フッ素系シランカップリング剤(信越化
学工業(株)製、商品名:KP−801M)のm−キシ
レンヘキサフルオライド7%溶液をグラビアコート法に
より塗布した。次いで、170℃で約1分間加熱するこ
とにより、水性エマルジョン層の発泡を完了させて、実
施例1の壁紙シートを得た。
【0070】 (水性エマルジョンの組成) 活性白土 : 23重量部 (水澤化学(株)製、商品名ガレオンアースV2R 平均粒径20μm、平均 細孔径26Å) 樹脂バインダー:エチレン−酢酸ビニル共重合体: 23重量部 (中央理化学工業(株)製、商品番号:BE−920) 発泡剤 :マイクロカプセル型発泡剤 : 3.5重量部 (松本油脂(株)製、商品番号:F−85) 分散剤 :ポリカルボン酸 1重量部 消泡剤 :非シリコン系消泡剤 1重量部
【0071】実施例2 アンモニア水(純正化学(株)製、28重量%水溶液)
1.23重量部を、実施例1で用いたのと同じ組成の水
性エマルジョン50.5重量部中に分散し、坪量150
g/m2 の裏打ち紙(特殊製紙(株)製)の基材上に、
170μmの厚さでコートした。次いで、120℃で1
分間加熱してその水性樹脂エマルジョン層を固化させ
た。その後、該水性樹脂エマルジョン層上に、フッ素系
シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品
名:KP−801M)のm−キシレンヘキサフルオライ
ド7%溶液をグラビアコート法により塗布した。次い
で、170℃で約1分間加熱することにより、水性エマ
ルジョン層の発泡を完了させて、実施例2の壁紙シート
を得た。
【0072】比較例 活性白土を添加した実施例1で用いたのと同じ組成の水
性エマルジョンを坪量150g/m2 の裏打ち紙(特殊
製紙(株)製)の基材上に、170μmの厚さでコート
した。次いで、120℃で1分間加熱してその水性樹脂
エマルジョン層を固化させた。その後、170℃で約2
分間さらに加熱することにより、水性エマルジョンを発
泡を完了させて、比較例の壁材シートを得た。
【0073】湿度調節効果試験 実施例1,2及び比較例にて作製した壁材シートを用い
て、以下の手法により湿度調節効果試験を行った。即
ち、内寸25cm×25cm×25cmのアルミニウム
ケース内壁面に、実施例及び比較例にて作製した壁材シ
ートを25cm×25cmの大きさに切り取り、各1枚
をそれぞれアルミニウムケース内壁面に貼り合わせ、初
期設定温度20℃、50%RHに恒量化した後、アルミ
ニウムケースを密閉し、外気温度20℃、0.5時間、
30℃、2時間、20℃、2時間、及び10℃、2時間
のサイクルで変化させ、アルミニウムケース内の湿度変
化を測定した。結果を図4に示す。
【0074】測定結果から、いずれの実施例の壁材シー
トも比較例の壁材シートと比較して湿度調節効果の低下
は見られず、また比較例1の透湿性及び耐汚染性を有す
るフィルムを最表面に配置しない壁材シートと比較して
同等の湿度調節効果を有することがわかった。
【0075】耐汚染性評価試験 実施例1,2及び比較例で作製した壁材シート表面に、
下記表2に示す汚染性物質を滴下して、24時間経過後
にJKワイパー((株)クレシア製、商品番号:150
−S)にて拭き取り試験を行った。結果を下記表1に示
す。表1中、水拭きにより汚れの痕跡がなくなった場合
には○、アルコール拭きで汚れの痕跡がなくなった場合
は△、汚れの痕跡が残った場合には×で評価結果を示し
た。
【0076】
【表1】
【0077】この結果、実施例1及び2の壁材シート
は、比較例の壁材シートと比較して、優れた防汚性能を
有していることがわかった。
【0078】接触角の測定 実施例1,2及び比較例にて作製した壁紙シートのフル
オロアルキルシラン塗工層面の水の接触角を測定したと
ころ、実施例1及び2の壁紙シートでは135°、比較
例の壁紙シートでは10°であった。従って、フルオロ
アルキルシラン塗工層を有する実施例の壁紙シートは、
比較例に比較して、水の撥水性に優れていることがわか
った。
【0079】耐光性試験 実施例1,2及び比較例にて作製した壁材シートに、低
圧水銀灯からなる光源から波長380nm以下のスペク
トルを含む紫外線を50時間照射し、肉眼観察にて壁材
シートの塗膜の耐光黄変を評価した。観察結果より、実
施例2の壁材シートは、酸性を示す活性白土添加のみで
アルカリ性添加剤を配合していない実施例1及び比較例
の壁材シートと比較して、紫外線に対する色変化が抑制
されていることがわかった。また、分光光度計で測定し
照射前後の色差をハンターのLabo△Eで評価したと
ころ、実施例1では14.8であったのに対し、実施例
2では1.2であった。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧材
は、吸放湿性能に加えて、優れた耐汚染性能を有する化
粧材である。即ち、本発明の化粧材は、その表面にフル
オロアルキルシラン塗工層を有しているので、水に対し
て撥水性を有する。従って、本発明の化粧材は、親水性
の汚染物質の汚れが付着しにくく、かつ、その汚れを容
易に除去することができる。また、化粧材表面が撥水性
かつ疎水性であるため、防水性も有している。
【0081】また、吸放湿性樹脂層の樹脂に水酸基を有
するものを用いてフルオロアルキルシラン塗工層を形成
した場合には、該樹脂層と−O−Si結合を介して強固
な単分子膜を形成するため、特に層間密着性に優れた化
粧材を得ることができる。
【0082】さらに、本発明の化粧材は、その表面にフ
ッ素原子を有するフルオロアルキルシラン塗工層を有し
ているので、表面の滑り性が向上し擦過傷が付きにくい
化粧材である。
【0083】さらにまた、吸放湿性樹脂層中に活性白土
に加えてアルカリ性添加剤を含有せしめた場合は、日光
等の熱及び紫外線等による変色がなく、且つ環境汚染の
問題のない吸放湿性を有する吸放湿化粧材を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の化粧材の構造断面図である。
(a)は、吸放湿性樹脂層上にフルオロアルキルシラン
塗工層を形成した化粧材の構造断面図であり、(b)
は、基材上に吸放湿性樹脂層及びフルオロアルキルシラ
ン塗工層を形成した化粧材の構造断面図であり、(c)
は基材上に細胞状発泡体からなる吸放湿性樹脂層及びフ
ルオロアルキルシラン塗工層を形成した化粧材の構造断
面図である。
【図2】図2は、基材の裏面に防湿・防水層を形成した
本発明の化粧材の構造断面図である。
【図3】図3は、基材として剥離性の支持体シートを用
いた本発明の化粧材の主要製造工程断面図である。
【図4】図4は、湿度調節効果試験の測定結果である。
【符号の説明】 1…吸放湿性樹脂層、2…吸放湿性材料、3…フルオロ
アルキルシラン塗工層、4…基材、5…防湿・防水層、
6…支持体シート、a…細胞状発泡体
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AC03A AC03H AC04A AC04H AH05B AH06B AK03A AK25A AK52B AR00A BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CA23A DG10C EJ67B GB08 HB31 JB06 JD15 JD15A JD16 JD16A JL06 JM01A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性白土、酸性白土、セピオライト、又は
    硅藻土のいずれか1種以上を含有するポリオレフィン系
    樹脂又はアクリル樹脂からなる吸放湿性樹脂層と、該樹
    脂層上にフルオロアルキルシラン塗工層を有することを
    特徴とする、吸放湿性能を有する化粧材。
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