JP6146958B2 - 積層シート及び発泡積層シート - Google Patents

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Description

本発明は、積層シート及び発泡積層シートに関する。前記発泡積層シートは、発泡樹脂層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。また、前記積層シートは、前記発泡積層シートの発泡前の状態であり、いわゆる未発泡原反を意味する。
近年、省エネルギー志向の向上に伴い、エネルギー効率を向上させた高気密性の住宅が求められている。例えば、外断熱工法を用いた住宅では、気密性が向上して夏冬の冷暖房効率が向上することが知られている。
住宅の気密性が向上するに従って、例えば、タバコの煙、人間、家具、ごみ等から発生する揮発性化合物に起因する悪臭が、室内に篭りやすくなるという問題が生じている。
上記の問題への対策として、消臭機能を有する建築用内装材のニーズが高まってきている。建築用内装材としては、例えば、壁材、天井材、床材等があるが、内装材として最も大きな面積を有する壁材に消臭機能を付与することが消臭のために有効と考えられており、揮発性化合物に対する吸着剤を含有する壁紙が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、紙基材上にジシアンジアミド等のホルムアルデヒド捕捉剤(吸着剤)を含有する樹脂層を有し、表面に柔らかい触感を持たせる目的で、樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とした壁紙(発泡積層シート)が開示されている。
発泡樹脂層は壁紙の体積の大部分を占めるため、特許文献1の発泡積層シートにおいては、多量の吸着剤を含有させることが可能である。しかしながら、発泡樹脂層は比較的厚い層であるため、このように発泡樹脂層に吸着剤を含有する発泡積層シートは、表面近傍に吸着剤を偏在させ難く、添加量に見合った消臭機能が得られ難い。また、吸着剤が発泡剤と同一の層内に存在することにより、発泡の工程において吸着剤に対する発泡ガスの吸着が進み、所望の消臭機能が得られ難い。また、ジシアンジアミド等、有機系の吸着剤は一般に耐熱性が低いため、樹脂の塗工、成形等の樹脂層の形成工程や、発泡等の加熱工程において、容易に分解・変質してしまい、消臭機能が大幅に低下するという問題がある。
また、特許文献2には、基材層と表面層とからなり、表面層の上側に、多孔質無機物質とアミン化合物と金属酸化物からなる消臭剤(吸着剤)が、バインダー樹脂により浸透剤とともに固着されている消臭性壁紙(積層シート)が記載されている。
しかしながら、かかる積層シートは、吸着剤が固着された表面層の下層に絵柄層を設けることとなる。このような積層シートにおいては、高い消臭機能を得るために表面層に無機粒子を多量に固着させると、表面層の透明性が失われることとなり、意匠性が損なわれるという問題がある。
よって、高い消臭機能を示すとともに、意匠性に優れた、新たな積層シート及び発泡積層シートの開発が求められている。
特開平10−100334号公報 特開2006−348430号公報
本発明は、高い消臭機能を示すとともに、意匠性に優れた、新たな積層シート及び発泡積層シートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層、揮発性化合物を吸着する吸着剤含有樹脂層及び絵柄模様層をこの順に有する積層シートにおいて、吸着剤含有樹脂層に含まれる吸着剤を無機系吸着剤とし、吸着剤含有樹脂層が樹脂成分100質量部に対して前記無機系吸着剤を50質量部以上含有する構成とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層シート及び発泡積層シートに関する。
1.基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層、揮発性化合物を吸着する吸着剤含有樹脂層及び絵柄模様層が順に積層されている積層シートであって、
(1)前記吸着剤含有樹脂層は、無機系吸着剤を含有し、
(2)前記無機系吸着剤の含有量は、前記吸着剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して50質量部以上である、
ことを特徴とする積層シート
2.前記絵柄模様層上に、表面保護層を有する、上記項1に記載の積層シート。
3.前記発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、上記項1又は2に記載の積層シート。
4.前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、上記項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
以下、本発明の積層シート及び発泡積層シートについて詳細に説明する。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層、揮発性化合物を吸着する吸着剤含有樹脂層及び絵柄模様層が順に積層されており、
(1)前記吸着剤含有樹脂層は、無機系吸着剤を含有し、
(2)前記無機系吸着剤の含有量は、前記吸着剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して50質量部以上である、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の積層シートは、吸着剤が発泡剤含有樹脂層ではなく、発泡剤含有樹脂層よりも表面側に別途設けられた樹脂層(吸着剤含有樹脂層)に含まれるので、発泡剤含有樹脂層の発泡時に発生する発泡ガスが吸着剤に吸着し難く、消臭機能の低下を抑制できる。
また、吸着剤を積層シートの表面近傍に配置させることができるので、吸着剤の含有量に応じた高い消臭機能を発現できる。
また、本発明の積層シートは、吸着剤として無機系吸着剤を用いているので、樹脂層の形成工程や、発泡等の加熱工程において吸着剤が分解し難いため、加熱による消臭機能の低下を抑制することができる。
更に、本発明の積層シートは、絵柄模様層の下に吸着剤含有樹脂層を有するので、高い消臭機能を得るために無機系吸着剤の含有量を一定量以上としても、絵柄模様層による意匠性を損ない難いので、高い消臭機能を示すとともに、優れた意匠性を発揮することが可能である。
これらの効果は、積層シートが発泡剤含有樹脂層を有し、この発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シートにおいても同じである。
基材
基材としては限定されず、公知の繊維質シート(裏打紙)などが利用できる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜120g/m程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層
本発明で用いる発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分として従来から壁装材に用いられている塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂等が広く採用できる。積層シートの耐久性を高める観点では塩化ビニル樹脂よりもオレフィン系樹脂が好ましく、具体的には、エチレン系樹脂を含有することが好ましい。
エチレン系樹脂としては、ポリエチレン(PE)だけでなく、エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)が挙げられる。
エチレン共重合体は融点及びメルトフローレート(MFR)の観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられる。これらのエチレン共重合体は単独又は2種以上を混合して使用できる。これらのエチレン共重合体の中でも特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体が好ましく、これらのいずれか1種と他の樹脂の1種以上とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体の含有量は、それぞれ70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFRが10〜25g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤及びセル調整剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましくは7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.001〜20質量部程度が好ましく、0.001〜10質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、EMAAのアクリル酸部分と発泡助剤が反応することにより本来の発泡助剤の効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009−197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する方法及び発泡させる方法としては、後述する製造方法に記載された方法に従って実施すればよい。なお、発泡剤含有樹脂層の厚さは40〜100μm程度が好ましく、発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度が好ましい。
非発泡樹脂層A
発泡剤含有樹脂層の上面には、主として発泡剤含有樹脂層を保護するとともに、発泡剤含有樹脂層が発泡する過程で生じるガス等の揮発成分による無機系吸着剤の機能低下を防止するために非発泡樹脂層Aを形成してもよい。また、非発泡樹脂層Aが形成されることにより、発泡剤含有樹脂層に可塑剤が含まれる場合であっても、当該可塑剤のブリードアウトによる無機系吸着剤の消臭機能の低下を抑制することができる。上記可塑剤のブリードアウトによる無機系吸着剤の消臭機能の低下を抑制するとの効果は、発泡剤含有樹脂層等の本発明の積層シートを構成する層において、可塑剤のブリードアウトが発生し易い塩化ビニル系樹脂が用いられた場合に特に顕著である。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン(HDPE))、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、エチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン(LLDPE))、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、2〜50μm程度が好ましい。
本発明では、後述する製造上の観点からも、発泡剤含有樹脂層を設ける場合には、非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及非泡樹脂層Aが順に形成された態様が好ましい。なお、非発泡樹脂層B及び/又は非発泡樹脂層Aは、押出し製膜により形成しても良いし、各フィルムを熱ラミネートすることにより形成しても良い。
非発泡樹脂層B
本発明では、更に、発泡剤含有樹脂層の裏面(基材が積層される面)に、基材との接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
本発明では、後述する製造上の観点からも、基材上に非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成された態様が好ましい。
吸着剤含有樹脂層
発泡剤含有樹脂層と絵柄模様層との間には、吸着剤含有樹脂層が形成されている。この吸着剤含有樹脂層は、発泡剤含有樹脂層とは別途に設けられることにより、発泡ガスが無機系吸着剤に吸着することによる消臭機能の低下を抑制している。また、上記吸着剤含有樹脂層は、絵柄模様層の下に設けられることにより、無機系吸着剤による絵柄模様層の意匠性の低下を抑制している。
更に、発泡剤含有樹脂層がアゾジカルボンアミド(ADCA)等、アゾ系の発泡剤を含有する場合は未分解の発泡剤が残留して発泡樹脂層に黄みが残るという懸念があるが、本発明によれば、発泡剤含有樹脂の上層に無機系吸着剤を多量に用いるため、無機系吸着剤によって黄みを隠蔽し、意匠性をより良好なものとできる。
上記吸着剤含有樹脂層の樹脂成分としては、樹脂成分として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン−アクリル樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の中から、吸着剤の含有量、隣接する層を形成する樹脂成分の種類を考慮して、接着性の観点から適宜選択すればよい。吸着剤含有樹脂層を形成する吸着剤含有樹脂組成物の塗布量は限定的ではないが、0.2〜5.0g/m程度が好ましく、0.5〜2.0g/m程度がより好ましい。
吸着剤含有樹脂層には、無機系吸着剤が含有されている。上記無機系吸着剤としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類;アンモニア等の塩基性化合物;硫化水素等の硫黄化合物;酢酸、イソ吉草酸等の酸性化合物等を含む、悪臭の原因となる揮発性化合物に対する吸着力を有し、変色等を引き起こさないものである限り広く使用することができる。本発明では、耐熱性に優れる無機系吸着剤を使用することにより、樹脂層の形成工程や、発泡等の加熱工程において吸着剤が分解することによる消臭機能の低下を抑制することができる。
本発明において、無機系吸着剤の揮発性化合物吸着機構としては、化学的吸着、物理的吸着のいずれであってもよいが、吸着した揮発性化合物を再放出し難い化学的吸着型の吸着剤を使用することが好ましい。ここで、「化学的吸着」とは化学結合による揮発性化合物の吸着であり、「物理的吸着」とはファンデルワールス力による揮発性化合物の吸着である。
上記無機系吸着剤としては、公知の無機系吸着剤を用いることができ、無機吸着剤の他、有機無機複合吸着剤も含まれる。これらの無機系吸着剤は1種単独で、又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
上記無機吸着剤としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル(二酸化珪素)、活性炭、雲母等の多孔質の無機化合物やハイドロキシアパタイト、またこれらに金属(銀、銅、亜鉛等)を担持した化合物が挙げられる。
上記ゼオライトとしては、吸着性能の観点から、モルデナイト型、Y型、ZSM−5型が好ましく、金属担持したZSM−5型ゼオライトがより好ましい。
上記有機無機複合吸着剤としては、アミン類、尿素類、アミド類、イミド類、ヒドラジド類、アゾール類及びアジン類等の有機化合物を無機化合物に担持させた複合材料等が挙げられる。特にアルデヒド類等を吸着することを考慮した場合、一般的に、アミン類等の有機化合物による吸着が有効であるが、上記有機化合物を無機化合物に担持させた有機無機複合吸着剤を使用した場合、消臭性能と耐熱性とを両立することが可能となる点で好ましい。
ここで担体として使用できる無機化合物としては、耐熱性の点から、二酸化ケイ素、活性炭、セピオライト、雲母などが挙げられる。これらの無機化合物の中でも、吸着性能の観点から、二酸化ケイ素の多孔質体を用いることが特に好ましい。
有機無機複合吸着剤として、より具体的には、特開2003−52800号公報の段落[0016]に記載のように、第1級アミノ基を有するアミン類の化合物を上述の無機化合物に担持させた複合材料を例示できる。第1級アミノ基を有するアミン類の化合物としては、同公報の段落[0020]に記載のように、脂肪族化合物としては「HN−(CHCH−NH)n−CHCHNH(nは0以上3以下の整数)」で表される化合物が好ましく、芳香族のものとしてはアニリンが好ましい。
上記無機系吸着剤の平均粒径は、1〜7μmであることが好ましく、2〜5μmであることがより好ましい。ここで、本明細書における無機系吸着材の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した値である。
本発明の積層シートにおいて、上記吸着剤含有樹脂層に含有される無機系吸着剤の含有量は、吸着剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して50質量部以上である。吸着剤含有樹脂層が無機系吸着剤を50質量部以上含有することにより、消臭機能を十分に発揮することができる。更に、発泡剤含有樹脂層がアゾジカルボンアミド(ADCA)等のアゾ系の発泡剤を含有する場合は未分解の発泡剤が残留して発泡樹脂層に黄みが残るという懸念があるが、発泡剤含有樹脂層の上層に無機系吸着剤を50質量部以上含有する吸着剤含有樹脂層を有するため、無機系吸着剤によって黄みを隠蔽し、意匠性をより良好なものとすることもできる。
上記吸着剤含有樹脂層に含有される無機系吸着剤の含有量は、吸着剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して120質量部以下であることが好ましく、100質量部以下であることがより好ましい。上記無機系吸着剤の含有量が多すぎると、絵柄模様層を形成する際の印刷適性に劣るおそれがある。
絵柄模様層
上記吸着剤含有樹脂層のおもて面には、絵柄模様層が積層されている。
絵柄模様層は、発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用できる。
結着材樹脂は、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
着色剤としては、発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類により異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
プライマー層
非発泡樹脂層Aと吸着剤含有樹脂層との間、吸着剤含有樹脂層と絵柄模様層との間、絵柄模様層と表面保護層との間等、各層の間には必要に応じてプライマー層を形成してもよい。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂の中から、プライマー層の隣接層の種類に応じて接着性の向上などを考慮して適宜選択できる。
プライマー層の塗布量は限定的ではないが、0.2〜5.0g/m程度が好ましく、0.5〜2.0g/m程度がより好ましい。
表面保護層
本発明の積層シートでは、艶調整及び表面の保護を意図して、吸着剤含有樹脂層の上に、さらに表面保護層が形成されていてもよい。
表面保護層の種類は限定的ではない。アクリル系樹脂やウレタン系樹脂など絵柄模様層と同等な結着剤樹脂や溶剤を使用した1液硬化型または2液硬化型樹脂などが使用できる。
また、発泡壁紙の表面強度(耐スクラッチ性等)、耐汚染性及び絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。
電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、電子線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂を使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。汚染性の向上目的でシリコーン樹脂を含むことが望ましい。
また、艶調整のためには、シリカなどの既知フィラーを含有する表面保護層の形成が望ましい。また、滑り性や汚れの拭取り易さを付与するために、シリコーンなどの添加剤も加えることができる。なお、必要に応じて、吸着剤や抗菌剤、抗アレルゲン剤等が添加され、機能性が付与されていてもよい。ここで、これらの添加剤として無機材料を使用する場合、絵柄模様層の意匠性を損ねないように、無機材料の含有量を、表面保護層の樹脂成分100質量部に対して20質量部以下とすることが好ましい。
表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
≪発泡積層シート≫
本発明の発泡積層シートは、上記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得ることができる。発泡時の加熱条件は、発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
本発明の発泡積層シートは、最表面層の上からエンボス加工が施されていてもよい。
エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
≪積層シート及び発泡積層シートの製造方法≫
積層シートの製造方法としては、先ず、基材上に発泡剤含有樹脂層及び吸着剤含有樹脂層を、押出し機等を用いて製膜し、予熱した基材に貼り合わせて積層体を得ることができる。このとき、2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び吸着剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。また、予め2種2層を同時成膜した積層体を用意して、それを基材上に載せて、熱ラミネートすることにより基材と接着してもよい。
発泡剤含有樹脂層がその両面に非発泡樹脂層を有する場合(非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B)には、3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイ押出し機を用いて、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出し製膜することが好適である。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、上記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層を製膜後は、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度及び発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
基材上に同時積層後は、上記吸着剤含有樹脂層上に、上記押出し製膜等の公知の方法で絵柄模様層を形成する。更に、上記吸着剤含有樹脂層上に表面保護層を設けても良い。
これらの各層は、印刷の他、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることにより積層することができる。
次に、熱処理して発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層にすることにより発泡積層シートを製造することができる。
熱処理条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件であればよく、加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
本発明の積層シート及び発泡積層シートは、無機系吸着剤が発泡剤含有樹脂層ではなく、吸着剤含有樹脂層に含まれるので、発泡剤含有樹脂層の発泡時に発生するガスが無機系吸着剤に吸着し難く、消臭機能の低下を抑制できる。
また、本発明の積層シートは、吸着剤として、無機系吸着剤を用いているので、樹脂層の形成工程や、発泡等の加熱工程において分解し難く、消臭機能の低下を抑制することができる。
更に、本発明の積層シート及び発泡積層シートは、絵柄模様層の下に吸着剤含有樹脂層を有するので、高い消臭機能を得るために無機系吸着剤の含有量を一定量以上としても、絵柄模様層による意匠性を損ない難いので、高い消臭機能とを示すとともに、優れた意匠性を発揮することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に
限定されない。
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み5μm/65μm/5μmになるように押出し製膜した。基材としては、裏打紙「WK−665(興人製)」を用意し、これを90℃に加熱した後、上記3層を積層し、これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/基材からなる積層体を得た。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は140℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は120℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも120℃とした。次に、非発泡樹脂層A側から電子線(200kV,50kGy)の条件で電子線照射を行った。
次いで、グラビア印刷により、積層体の非発泡層樹脂層Aに下記の成分を含有する吸着剤含有樹脂組成物を、乾燥後の重量が1g/mとなるように印刷して吸着剤含有樹脂層を形成し、その上に水性インキ(大日精化工業(株)製、商品名:ハイドリック)を用いて絵柄印刷層を形成し、更にその上に、同様にして表面保護層を乾燥後重量が1g/mとなるように設けて積層シートを得た。
上記の積層シートを、加熱発泡炉を用いて230℃で加熱することにより、発泡剤含有樹脂層を発泡させて、発泡樹脂層を形成した。その後、エンボス型が形成された冷却ロールと加圧ロールの間を通してエンボス賦型をすることにより、表面に凹凸模様を有する発泡積層シートを得た。
各樹脂層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
(非発泡樹脂層A)
・低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名:ペトロセン202)
(非発泡樹脂層B)
・エチレン−酢酸ビニル系共重合体(住友化学製、商品名:エバテートCV5053)
(発泡剤含有樹脂層)
・低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名:ペトロセン202)50質量部
・超低密度ポリエチレン(東ソー製、商品名:LUMITAC54−1)50質量部
・発泡剤(大塚化学製、商品名:ユニフォームウルトラAZ3050)4質量部
・軽質炭酸カルシウム(白石工業製、商品名:Brilliant−15、平均粒径:0.15μm)40質量部
・二酸化チタン(顔料)(デュポン製、商品名:タイピュアR−108)30質量部
・発泡助剤(ADEKA製、商品名:アデカスタブOF−101)5質量部
・架橋助剤(JSR製、商品名:オプスターJUA702)1質量部
(吸着剤含有樹脂層)
・アクリル系水性エマルジョン(不揮発分)100質量部
・無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)(東亞合成製、NS−231)50質量部
(表面保護層)
・アクリル系水性エマルジョン(不揮発分)80質量部
・シリコーン樹脂エマルジョン(不揮発分)20質量部
なお、実施例1において、無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の概量(吸着剤含有樹脂層1mあたりの含有量)は、0.33g/mであった。
実施例2
吸着剤含有樹脂層の無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の概量を0.44g/mとした以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の含有量は、吸着剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して80質量部であった。
実施例3
吸着剤含有樹脂層の無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の概量を0.55g/mとした以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の含有量は、吸着剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して120質量部であった。
実施例4
有機無機複合吸着剤に代えて、無機吸着剤(シナネンゼオミック製 商品名「ゼオミック)」)を用いた以外は、実施例3と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例1
吸着剤含有樹脂層が吸着剤を含有せず、表面保護層が有機無機複合吸着剤を含有する構成とした以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
なお、無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の概量は、表面保護層1mあたりの含有量とし、実施例1と同じである0.33g/mとした。
比較例2
無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の概量を、0.23g/mとした以外は、比較例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例3
無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)に代えて、有機吸着剤(アースクリエーション製 商品名「BioFighter」)を用いた以外は、実施例3と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例4
吸着剤含有樹脂層が吸着剤を含有せず、発泡樹脂層が無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)を含有する構成とした以外は、実施例3と同様にして発泡積層シートを得た。
なお、無機系吸着剤(有機無機複合吸着剤)の概量は、発泡樹脂層1mあたりの含有量とし、実施例3と同じである0.55g/mとした。
実施例及び比較例で得た発泡積層シートについて、1)意匠性、2)アセトアルデヒド消臭性能、3)アンモニア消臭性能を評価した。各試験方法及び評価基準は下記の通りである。
1)意匠性
実施例1〜4及び比較例1〜4の発泡積層シートを、吸着剤を添加していない比較用発泡積層シートと並べて置き、絵柄模様の見え方を比較して意匠性を評価した。
絵柄模様の見え方が比較用発泡積層シートと見比べて同程度である場合をA、見比べた場合に絵柄模様が白味がかって見える場合をB、絵柄模様は認識できるが表面の白色が無視できない程度である場合をCとした。
2)アセトアルデヒド消臭性能
試験片(100×100mm)を、内容量3リットルのアナリティックバリアバッグ内に挿入した。99.5%アセトアルデヒド液と合成空気〔(窒素:酸素)容積比:4/1、50%RH〕を用いてアセトアルデヒド濃度50ppmのガスを調製し、試験片を挿入したバッグ内に1リットル送り込んだ。ガス投入直後のアセトアルデヒドの初期濃度と暗所に24時間保管後のアセトアルデヒドの濃度を検知管にて測定し、24時間後のアセトアルデヒド除去率(%)を下記の式により算出した。
アセトアルデヒド除去率(%)=[{(初期濃度)−(24時間後の濃度)}/(初期濃度)]×100
アセトアルデヒド除去率が80%以上のものをA、80%未満で25%以上のものをB、25%未満のものをCとした。
3)アンモニア消臭性能
試験片(100mm×60mm)の裏打紙側及び側面をアルミテープで覆い、内容量5リットルのアナリティックバリアバッグ内に挿入した。28%のアンモニア水と、合成空気〔(窒素/酸素)容積比:4/1、50%RH〕を用いてアンモニア濃度200ppmの評価ガスを調製し、試験片を挿入したバッグ内に3Lを送り込んだ。ガス投入直後のアンモニアの初期濃度と6時間保管後のアンモニアの濃度を検知管にて測定し、6時間後のアンモニア除去率(%)を下記の式により算出した。
アンモニア除去率(%)=[{(初期濃度)−(6時間後の濃度)}/(初期濃度)]×100
アンモニア除去率が70%以上のものをA、70%未満で35%以上のものをB、35%未満のものをCとした。
結果を表1に示す。
Figure 0006146958
結果
実施例1〜4の発泡積層シートは、無機系吸着剤が絵柄模様層の下層である吸着剤含有樹脂層に含有されており、これらの吸着剤の含有量が適当であるので、意匠性に優れ、且つ、高い消臭機能を示した。
一方、比較例1の発泡積層シートは、多量の無機系吸着剤が表面保護層に含有されるので、意匠性が劣っていた。また、比較例2の発泡積層シートは、無機系吸着剤が表面保護層に含有されるが、含有量が少ないので意匠性の低下が抑制されたものの、消臭機能が劣っていた。また、比較例3の発泡積層シートは、吸着剤として有機系吸着剤を用いているので、発泡等の加熱工程において、当該有機系吸着剤が分解してしまい、消臭機能が大幅に低下した。更に、比較例4の発泡積層シートは、無機系吸着剤が発泡樹脂層に含有されているので、実施例3と同量の無機系吸着剤を添加したにもかかわらず、消臭機能が劣っていた。

Claims (4)

  1. 基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層、揮発性化合物を吸着する吸着剤含有樹脂層絵柄模様層及び表面保護層が順に積層されている積層シートであって、
    (1)前記吸着剤含有樹脂層は、無機系吸着剤を含有し、
    (2)前記無機系吸着剤の含有量は、前記吸着剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して50質量部以上である、
    ことを特徴とする積層シート。
  2. 前記発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
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