JP2014069433A - 発泡積層シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材上に、発泡樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層を順に形成した発泡積層シートの製造方法であって、発泡樹脂層が高発泡倍率(例えば、発泡前100μm以下から発泡後400μm以上への発泡)であり且つ揮発性有機化合物吸着層に有機吸着剤が含まれる場合であっても、有機吸着剤の変色、変質等が回避されており且つ揮発性有機化合物吸着層が均一に形成できる製造方法を提供する。
【解決手段】基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層が順に積層されている発泡積層シートの製造方法であって、
(1)基材上に、厚さ100μm以下の発泡剤含有樹脂層、及び透明性樹脂層を順に形成する工程1、
(2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより、厚さ400μm以上の発泡樹脂層を形成する工程2、
(3)前記発泡樹脂層上に揮発性有機化合物吸着層を形成する工程3、
を有することを特徴とする発泡積層シートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡積層シートの製造方法に関し、特に揮発性有機化合物吸着機能を有する発泡積層シートの製造方法に関する。前記発泡積層シートは、発泡樹脂層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。
近年、省エネルギー志向の向上に伴い、エネルギー効率を向上させた高気密性の住宅が求められている。例えば、外断熱工法を用いた住宅では、気密性が向上して夏冬の冷暖房効率が向上することが知られている。
これに対し、住宅の気密性が向上すると通気性が低下するため、壁板、床材等の建材(木質加工材)から発生するホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が居室に篭り易く、揮発性有機化合物が目、鼻、喉等の粘膜に対してさまざまな症状を引き起こす、いわゆるシックハウス症候群が問題となっている。
そこで、揮発性有機化合物の影響を緩和するために、揮発性有機化合物吸着機能を持たせた建築用内装材のニーズが高まっており、吸着剤としては揮発性有機化合物を物理的に吸着する無機吸着剤、化学的に吸着する有機吸着剤等が幅広く用いられている。これらの吸着剤の中でも、吸着性能の点から有機吸着剤が好ましいとされている。
建築用内装材としては、壁材、天井材、床材等があるが、内装材として最も大きな面積を有する壁材に揮発性有機化合物吸着機能を持たせることが効率的な吸着に有効と考えられており、揮発性有機化合物吸着機能を持たせた壁紙が提案されている。
例えば、特許文献1には、「裏打紙の一方の面に発泡樹脂層、絵柄印刷層、透明樹脂フィルム層が順次設けられた積層体において、前記透明樹脂フィルム層の表面にホルムアルデヒド捕捉層が設けられていることを特徴とするホルムアルデヒド捕捉壁紙。」が開示されている。そして、当該壁紙の効果として、「壁面の下地材あるいは下地材への壁紙の貼着のために使用する接着剤から発生するホルムアルデヒド、および、天井材、床材等から放出されるホルムアルデヒドも有効に捕捉、吸着することができる。」と記載されている(請求項1、[0035]等)。
しかしながら、特許文献1のように、いわゆるトップコート層として揮発性有機化合物吸着層(ホルムアルデヒド捕捉層など)が設けられる場合には、トップコート層を形成した後に加熱により発泡樹脂層を形成すると、揮発性有機化合物吸着層に含まれる吸着剤(特に有機吸着剤)の変色、変質(吸着性能低下)等が生じ易いという問題がある。
この問題に対して、発泡樹脂層を形成した後にトップコート層を設けることにより、吸着剤に対する熱負荷を低減する試みがあるが、発泡剤含有樹脂層の上にトップコート層などの樹脂層を設けずに発泡させると、ガス密閉性が低下して十分な発泡倍率を得ることが困難になるという新たな問題が生じる。この問題は、特にオレフィン系発泡剤含有樹脂層を高発泡倍率で発泡させる場合に顕著である。また、ガス密閉性が低下すると十分な発泡倍率が得られないだけでなく、発泡樹脂層の表面が不均一で形状が歪になるため、その上に形成する揮発性有機化合物吸着層の表面もまた不均一となり、却って内装材の耐汚染性を低下させる原因となる。しかも、吸着剤自体が汚染物質を吸着し易い傾向があるため、揮発性有機化合物吸着層の表面が不均一であることによって吸着剤の分布が不均一となり、耐汚染性の局所的な低下が生じるという問題もある。従って、揮発性有機化合物吸着層の表面の均一性が耐汚染性の確保に重要となる。
従って、基材上に、発泡樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層を順に形成した発泡積層シートの製造方法であって、発泡樹脂層が高発泡倍率(例えば、発泡前100μm以下から発泡後400μm以上への発泡)であり且つ揮発性有機化合物吸着層に有機吸着剤が含まれる場合であっても、有機吸着剤の変色、変質等が回避されており且つ揮発性有機化合物吸着層が均一に形成できる製造方法の開発が望まれている。
特開平11-48413号公報
本発明は、基材上に、発泡樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層を順に形成した発泡積層シートの製造方法であって、発泡樹脂層が高発泡倍率(例えば、発泡前100μm以下から発泡後400μm以上への発泡)であり且つ揮発性有機化合物吸着層に有機吸着剤が含まれる場合であっても、有機吸着剤の変色、変質等が回避されており且つ揮発性有機化合物吸着層が均一に形成できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を有する製造方法によれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡積層シートの製造方法に関する。
1. 基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層が順に積層されている発泡積層シートの製造方法であって、
(1)基材上に、厚さ100μm以下の発泡剤含有樹脂層、及び透明性樹脂層を順に形成する工程1、
(2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより、厚さ400μm以上の発泡樹脂層を形成する工程2、
(3)前記発泡樹脂層上に揮発性有機化合物吸着層を形成する工程3、
を有することを特徴とする発泡積層シートの製造方法。
2. 前記揮発性有機化合物吸着層は、揮発性有機化合物を吸着できる有機吸着剤を含有する、上記項1に記載の製造方法。
3. 前記有機吸着剤は、アミン化合物及び/又はヒドラジド化合物を含有する、上記項2に記載の製造方法。
4. 前記有機吸着剤は、融点が120℃以下である、上記項2又は項3に記載の製造方法。
5. 工程1において、前記発泡剤含有樹脂層及び前記透明性樹脂層の間に、絵柄模様層を更に形成する、上記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6. 工程2に先立って、前記発泡剤含有樹脂層を電子線照射により樹脂架橋する工程を更に有する、上記項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
7. 工程2及び工程3の間に、前記発泡樹脂層の上からエンボス加工を施す工程を更に有する、上記項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
8. 工程3において、スプレー塗工により前記揮発性有機化合物吸着層を形成する、上記項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
89 前記発泡剤含有樹脂層は、アゾ系熱分解型発泡剤を含有する、上記項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
10. 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂を含有する、上記項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
11. 前記透明性樹脂層は、厚さ2μm以下である、上記項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
12. 前記透明性樹脂層は、アクリル−ウレタン樹脂を含有する、上記項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
13. 前記揮発性有機化合物吸着層は、1)揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成する、上記項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
14. 前記発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、上記項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
以下、本発明の発泡積層シートの製造方法について詳細に説明する。
本発明の発泡積層シートの製造方法は、基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層が順に積層されている発泡積層シートの製造方法であって、
(1)基材上に、厚さ100μm以下の発泡剤含有樹脂層、及び透明性樹脂層を順に形成する工程1、
(2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより、厚さ400μm以上の発泡樹脂層を形成する工程2、
(3)前記発泡樹脂層上に揮発性有機化合物吸着層を形成する工程3、
を有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡積層シートの製造方法は、工程1において発泡剤含有樹脂層上に透明性樹脂層を形成しているため、工程2において100μm以下の発泡剤含有樹脂層が400μm以上の発泡樹脂層となるように高発泡倍率で発泡させた際に所定の発泡倍率を確保できるとともに均一な表面の発泡樹脂層が得られる。よって、工程3において揮発性有機化合物吸着層を形成する際に吸着剤に熱負荷をかけることなく、均一な表面の揮発性有機化合物吸着層を形成することができる。従って、本発明の製造方法により得られる発泡積層シートは、所定の発泡倍率が確保されているとともに吸着性能の低下が回避されており、しかも最表面の耐汚染性も確保されている。
以下、工程ごとに分けて説明する。
工程1
工程1は、基材上に、厚さ100μm以下の発泡剤含有樹脂層、及び透明性樹脂層を順に形成する。以下、工程1〜3で述べる各層は、印刷、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることにより積層することができる。印刷、塗布等のコーティングは常法に従って行うことができる。
(基材)
基材としては限定されず、公知の繊維質シート(裏打紙)などが利用できる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜120 g/m2程度がより好ましい。
(発泡剤含有樹脂層)
本発明で用いる発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂を含有することが好ましく、特に1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)の少なくとも1種を含有することが好ましい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
これらのエチレン共重合体は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらのエチレン共重合体の中でも特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種が好ましく、これらと他の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体は、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜35g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合に平滑な面に印刷処理することができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。これらの熱分解型発泡剤の中でも、分散性がよく安定的に高発泡が得られるなどの理由からアゾ系熱分解型発泡剤が好ましい。
熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。本発明では工程2において、100μm以下の発泡剤含有樹脂層を400μm以上の発泡樹脂層に高発泡倍率で発泡させるため、発泡倍率の観点からは、5倍以上、好ましくは6〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、EMAAのアクリル酸部と金属系発泡助剤の反応により、発泡助剤としての効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009-197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は工程2に先立って電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。発泡剤含有樹脂層を樹脂架橋することにより、発泡剤含有樹脂層の溶融張力を調整できるため、工程2において所望の発泡倍率を確実に得ることができる。電子線照射の条件は限定的ではないが、電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
なお、発泡剤含有樹脂層の厚さは100μm以下であればよく、40〜100μm程度が好ましく、40〜90μm程度がさらに好ましい。また、発泡後の発泡樹脂層の厚さは400μm以上であればよく、400〜700μm程度が好ましく、450〜600μm程度がさらに好ましい。
(非発泡樹脂層A及びB)
発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。
例えば、発泡剤含有樹脂層の裏面(基材が積層される面)には、基材との接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Aを有してもよい。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、エチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、他の類似する部分についても同様である。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
本発明では、以下に述べる製造上の観点からも、基材上に非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及非泡樹脂層Aが順に形成された態様が好ましい。
発泡剤含有樹脂層がその片面又は両面に非発泡樹脂層を有する場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
(透明性樹脂層)
発泡剤含有樹脂層(又は非発泡樹脂層A)上には、透明性樹脂層を形成する。
透明性樹脂層に使用できる樹脂としては、透明であれば着色されていてもよい。よって、透明性樹脂層の下に後記の絵柄模様層が存在する場合は、絵柄模様層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
透明性樹脂層は、ポリエチレン及び/又はエチレン共重合体を含有する層であることが好ましい。ポリエチレン及び/又はエチレン共重合体としてはエチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂ケン化物、アイオノマー等が挙げられるが、本発明では、特にエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用することが好ましい。その他、透明性樹脂層としては、アクリル−ウレタン樹脂を含有することが好ましく、特にアクリル−ウレタン樹脂及びシリカを含有する透明性樹脂層を用いることにより、隣接層との良好な密着性が得られ易い。シリカを含有する際は、アクリル−ウレタン樹脂100質量部に対して5〜50質量部程度が好ましく、10〜40質量部程度がより好ましい。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、本発明では2μm以下が好ましく、0.5〜1.5μm程度がより好ましい。
(絵柄模様層)
発泡剤含有樹脂層(又は非発泡樹脂層A)と透明性樹脂層との間には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
工程2
工程2では、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより、厚さ400μm以上の発泡樹脂層を形成する。
発泡時の加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により所定厚さの発泡樹脂層が形成される条件であれば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
本発明では、工程2と工程3の間に、発泡樹脂層の上からエンボス加工を施す工程を更に有していてもよい。工程3において揮発性有機化合物吸着層を形成する前に予めエンボス加工を施すことで、エンボス加工によって吸着剤が下層に埋没したり、エンボス加工時の加熱により吸着剤が分解したりして吸着性能が低下することを防ぐことができる。
エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、発泡樹脂層の上からエンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
工程3
工程3では、発泡樹脂層上に揮発性有機化合物吸着層を形成する。
揮発性有機化合物吸着層は、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物を吸着させる作用を有しており、通常最表面層である。
本発明では、揮発性有機化合物吸着層は、吸着性能を発揮する吸着剤の種類は限定的ではないが、有機吸着剤であることが好ましい。
有機吸着剤は、化学結合により揮発性有機化合物を吸着する吸着剤であり、例えば、アミン化合物、尿素化合物、アミド化合物、イミド化合物、ヒドラジド化合物、アゾール化合物、アジン化合物等が挙げられる。より具体的には、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、5−ヒドロキシプロピレン尿素、5−メトキシプロピレン尿素、5−メチルプロピレン尿素、パラバン酸(グリオキザールモノウレイン)、4,5−ジメトキシエチレン尿素、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジシアンジアミド、2−ヒドラゾベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの化合物の中でも、アミン化合物及び/又はヒドラジド化合物が揮発性有機化合物の吸着性能の点からより好ましい。本発明では、融点が低く(具体的には120℃以下)、耐熱性に劣る有機吸着剤であっても、吸着作用を損なうことなく発泡積層シートに用いることができる。
上記有機吸着剤は、公知の溶媒又は分散媒に配合した、溶液又はエマルションの状態で塗布により形成することができる。なお、発泡樹脂層を第3工程に先立ってエンボス加工している場合には、エンボス凹凸表面への揮発性有機化合物吸着層の均一な形成のために溶液又はエマルションをスプレー塗工することにより形成することが好ましい。
本発明では、吸着剤の中でも揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤を用いることが好ましく、揮発性有機化合物吸着層は、1)揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成されていることが好ましい。pH4以下の有機吸着剤を用いることで優れた揮発性有機化合物の吸着作用が得られ、且つpH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションと組み合わせることで、通常インキ化が難しいpH4以下の有機吸着剤を容易に用いることができる。
なお、本明細書における有機吸着剤のpHは、固形分30質量%の水溶液(又は水分散液)の状態で測定したpHの値である。
(メタ)アクリル樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−シリコン樹脂、アクリル−ポリエステル樹脂等が例示でき、これらの中でも、アクリル樹脂及び/又はアクリル−スチレン樹脂が好ましいものとして挙げられる。なお、本明細書における(メタ)アクリル樹脂エマルションのpHは、固形分40質量%の分散液の状態で測定したpHの値である。
有機吸着剤の添加量は限定的ではないが、上記(メタ)アクリル樹脂エマルション中の(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して30〜150質量部程度が好ましく、50〜100質量部程度がより好ましい。
更に、本発明では、揮発性有機化合物の更なる吸着を目的として、揮発性有機化合物吸着層にリン酸カルシウムを含有することが好ましい。リン酸カルシウムは、Ca2+とPO4 3-の静電気的な作用でたんぱく質やアルデヒド類等の悪臭の原因物質やアレルゲンを吸着し、これらの物質の除去及び失活を促進させることができる。
揮発性有機化合物吸着層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.5〜5μm程度がより好ましい。また、塗布量(乾燥重量)に換算すると、0.3〜5g/m2の範囲が好ましい。
本発明の発泡積層シートの製造方法は、工程1において発泡剤含有樹脂層上に透明性樹脂層を形成しているため、工程2において100μm以下の発泡剤含有樹脂層が400μm以上の発泡樹脂層となるように高発泡倍率で発泡させた際に所定の発泡倍率を確保できるとともに均一な表面の発泡樹脂層が得られる。よって、工程3において揮発性有機化合物吸着層を形成する際に吸着剤に熱負荷をかけることなく、均一な表面の揮発性有機化合物吸着層を形成することができる。従って、本発明の製造方法により得られる発泡積層シートは、所定の発泡倍率が確保されているとともに吸着性能の低下が回避されており、しかも最表面の耐汚染性も確保されている。
本発明の発泡積層シートの層構成の一例を示す模式図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
ホルムアルデヒド吸着性能を有する発泡積層シート(以下、壁紙とも言う。)を下記の手順に従って作製した。
3種3層Tダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bの順に、厚み6μm、65μm及び6μmになるように、90℃に加熱した繊維質シートの上に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層B及び繊維質シートからなる積層体αを得た。繊維質シートとしては、壁紙用紙「WK-665、興人製」を用いた。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は140℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は120℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも120℃とした。
非発泡樹脂層Aは、ポリエチレン(「ペトロセン208」、東ソー製)により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、ポリエチレン(「ペトロセン208」、東ソー製)80質量部、エチレン−αオレフィン共重合体(「LUMITAC 54-1」、東ソー製)20質量部、炭酸カルシウム(「ホワイトンH」、白石工業製)30質量部、着色剤(「タイピュアR350」、デュポン製)30質量部、発泡剤(「ビニホールAC#3」、永和化成工業製)5質量部、発泡助剤(「アデカスタブOF-101」、ADEKA製)4質量部、及び架橋助剤(「オプスターJUA702」、JSR製)を混練した樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層Bは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(「ウルトラセン750」、東ソー製)により形成した。
積層体αに、非発泡樹脂層A側から電子線を加速電圧200kV、照射線量30kGyの条件で照射して、発泡剤含有樹脂層を架橋させた。
次いで、非発泡樹脂層Aの表面に、水性インキ(「ハイドリック」、大日精化工業株式会社製)を用いてグラビア印刷機により布目模様を印刷し絵柄模様層を形成した。次に、絵柄模様層上に透明性樹脂層としてアクリル−ウレタン樹脂系水性インキを乾燥後の塗布量が1g/m2となるように設け、積層体βを得た。
積層体βをオーブンにて加熱(220℃で35秒)して、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成後、布目模様パターンを有する金属ロールを押し付けて型押しすることによりエンボス加工を施し、エンボス形状をもった積層体γを得た。
次いで、有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル樹脂、DIC製VONCOAT SFC-55、pH5.5)からなるインキ(インキpH 5.0)を乾燥後の重量が3g/m2となるようにスプレー塗工して揮発性有機化合物吸着層を形成して壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は3質量%とした。
実施例2
有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル−スチレン樹脂、DIC製NST-100EF、pH 7.0)からなるインキ(インキpH 6.0)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は5質量%とした。
実施例3
有機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:グラフトンFXN-111-S6R、グラフトン株式会社、pH 3.5、成分はアミン化合物)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル−スチレン樹脂、DIC製NST-100EF、pH 7.0)からなるインキ(インキpH 5.5)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は7.5質量%とした。
比較例1
透明性樹脂層を形成しない以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。
比較例2
揮発性有機化合物吸着層を形成した後、発泡樹脂層の形成及びエンボス加工を行った以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。
比較例3
無機系ホルムアルデヒド吸着剤(商品名:ミズカシーブスEX-122、水澤化学、pH 9.5、成分はナトリウムアルミノシリケート)及びアクリル樹脂エマルション(樹脂成分:アクリル、DIC製 VONCOATSFC-55、pH5.5)からなるインキ(インキpH 6.0)を用いて揮発性有機化合物吸着層を形成した以外は、実施例1と同様に壁紙を得た。上記インキ中の上記吸着剤の含有量は3質量%とした。
試験例1(ホルムアルデヒド吸着性能試験)
壁紙試験片(10cm×10cm)を、内容量5Lのテドラーバック内に挿入し、1Lの合成空気〔(窒素:酸素)容積比:4/1、RH50%〕をテドラーバック内に送り込んだ後、テドラーバック内のホルムアルデヒド濃度が80ppmとなるように、ホルムアルデヒドをテドラーバック内に送り込んだ。
暗所に6時間保管後のテドラーバック内のホルムアルデヒド濃度を検知管により測定した。6時間後のホルムアルデヒド濃度が70ppm以上を『1』、69〜60ppmを『2』、59〜50ppmを『3』、49〜20ppmを『4』、それ以下を『5』とした。
結果を表1に示す。
実施例1は『4』、実施例1よりも吸着剤添加量の多い実施例2、3では『5』となった。比較例1では、実施例1と同等の吸着剤添加量のため同様の『4』、比較例2は発泡及びエンボス工程前に揮発性有機化合物吸着層を配置したために有機吸着剤の分解とエンボス加工による吸着剤の下層への落ち込みが生じて『1』となった。比較例3は吸着剤を有機吸着剤から吸着性能が劣る無機吸着剤に変更したため『2』となった。
試験例2(耐汚染試験)
壁紙上にガーゼを設置し、ガーゼ上に汚染物質として醤油を、各々滴下し、24時間後に水及び中性洗剤用いて拭き取った。更に、壁紙に、水性サインペンの線を直に書き、24時間後に水及び中性洗剤を用いて拭き取った。
目視評価にて、汚れが濃く残る場合を『1』、かなり汚れが残る場合を『2』、やや汚れが残る場合を『3』、殆ど汚れが残らない場合を『4』、汚れが残らない場合を『5』とした。
結果を表1に示す。表には、実施した2試験の平均結果を記載した。
実施例1〜3は、吸着剤添加量増加に伴い耐汚染性は低下するが、最も吸着剤添加量の多い実施例3でも『3.5』以上の耐汚染性を示した。比較例1では、透明性樹脂層がないため低発泡な不均一発泡となり表面凹凸が大きく、最表面の揮発性有機化合物吸着層も不均一となり耐汚染性が『2.5』となった。比較例2では、『4.5』と良好な耐汚染性を示したが有機吸着剤が発泡・エンボス工程で黒色化するために汚染物が見えにくくなる傾向にあった。比較例3では、無機吸着剤を用いたために無機物が汚染物を吸着し『3』の耐汚染性となった。
試験例3(発泡厚測定)
壁紙の発泡前及び発泡後の厚みを膜厚計で測定した。
結果を表1に示す。
実施例1〜3、比較例2、3では400μm以上の良好な発泡厚が得られた。他方、比較例1では透明性樹脂層がないためガス密閉性が低下して十分な発泡厚は得られなかった。
Figure 2014069433
1. 基材
2. 非発泡樹脂層B
3. 発泡樹脂層
4. 非発泡樹脂層A
5. 絵柄模様層
6. 透明性樹脂層
7. 揮発性有機化合物吸着層

Claims (14)

  1. 基材上に、少なくとも発泡樹脂層及び揮発性有機化合物吸着層が順に積層されている発泡積層シートの製造方法であって、
    (1)基材上に、厚さ100μm以下の発泡剤含有樹脂層、及び透明性樹脂層を順に形成する工程1、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより、厚さ400μm以上の発泡樹脂層を形成する工程2、
    (3)前記発泡樹脂層上に揮発性有機化合物吸着層を形成する工程3、
    を有することを特徴とする発泡積層シートの製造方法。
  2. 前記揮発性有機化合物吸着層は、揮発性有機化合物を吸着できる有機吸着剤を含有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記有機吸着剤は、アミン化合物及び/又はヒドラジド化合物を含有する、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記有機吸着剤は、融点が120℃以下である、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 工程1において、前記発泡剤含有樹脂層及び前記透明性樹脂層の間に、絵柄模様層を更に形成する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 工程2に先立って、前記発泡剤含有樹脂層を電子線照射により樹脂架橋する工程を更に有する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 工程2及び工程3の間に、前記発泡樹脂層の上からエンボス加工を施す工程を更に有する、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 工程3において、スプレー塗工により前記揮発性有機化合物吸着層を形成する、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記発泡剤含有樹脂層は、アゾ系熱分解型発泡剤を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂を含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記透明性樹脂層は、厚さ2μm以下である、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記透明性樹脂層は、アクリル−ウレタン樹脂を含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記揮発性有機化合物吸着層は、1)揮発性有機化合物を吸着できるpH4以下の有機吸着剤、並びに、2)pH5〜7の(メタ)アクリル樹脂エマルションを含有するインキ組成物により形成する、請求項1〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
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