JP2017136788A - 内装用シート、部屋、乗り物 - Google Patents

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【課題】意匠性を有するとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる内装用シート、及び、それを備えた部屋、乗り物を提供する。【解決手段】内装用シート20は、基材層22と、基材層22の一方の面に設けられ、赤外線を反射する赤外線反射層23と、赤外線反射層23の基材層22とは反対側に設けられ、内装用シート20に意匠を付与する意匠層24とを備え、意匠層24は、赤外線を透過する赤外線透過機能を有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、内装用シート、及び、それを用いた部屋、乗り物に関するものである。
従来、室内の温度調整システムとしては、対流式の空調機が一般的に用いられている。しかし、この対流式の空調機では、空気を加熱、又は、冷却して室内温度を制御するため、室内において鉛直方向における温度分布差が大きくなりやすく、エネルギー損失が大きいという問題がある。また、空調機の対流が直接肌に触れることへの不快感や、花粉、ほこり等が舞い上がり室内に分散されてしまうといった問題もある。
そこで、室内温度の均一性と加熱及び冷却効率の高い遠赤外線の熱放射を利用した床暖房装置や、放射冷暖房装置等が提案されている。このような熱放射を有効活用する方法として、例えば、室内の壁面や床面等の構成部材が、遠赤外線の放射率0.6以上である物質を含む材料で構成され、冷放射あるいは熱放射源を具備した室内環境調整システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このように室内の壁面や床面等の構成部材が赤外線の放射率が高い場合、例えば、夏は窓から入射した太陽熱を優先的に吸熱するため、対流式や、放射式の冷房装置を使用したとしても、最初に壁面等の高放射面が冷却されるため、室内空間の冷却が遅くなりエネルギー効率が悪くなるといった問題を生じる。また、冬の場合は、冷たい壁面に人からの熱放射が吸収され、寒く感じてしまうといった問題が生じる場合がある。
このような問題を解決するために、内装部材として赤外線反射率の高い部材(赤外線反射部材)が用いられる場合がある。赤外線反射部材としては、多孔質層の上に金属層と遮熱塗料層を配置した遮熱シート(例えば、特許文献2参照)や、基材フィルムの表面に透明金属層とアンカーコート層、有機樹脂層を配置した透明な反射シート(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
しかしながら、特許文献2の遮熱シートは、遮熱塗料層の厚みが約100μmと非常に厚いため、赤外線反射部材の加工性が悪く、絵柄等の意匠の付与が困難となる場合がある。
特許文献3の反射部材は、透明であり、絵柄等の意匠の層が存在しないので、内装部材としての適用が難しい。また、反射部材に絵柄等の意匠層を印刷等により追加したとしても、一般に使用される顔料により形成された意匠層では、赤外線が吸収されてしまう場合があり、赤外線反射部材により赤外線を十分に反射することができない場合がある。
特許第4422783号 特開2001−107480号公報 特開2015−134455号公報
本発明の課題は、意匠性を有するとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる内装用シート、及び、それを備えた部屋、乗り物を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、基材層(22)と、前記基材層の一方の面に設けられ、赤外線を反射する赤外線反射層(23)と、前記赤外線反射層の前記基材層とは反対側に設けられ、該内装用シートに意匠を付与する意匠層(24)と、を備える内装用シート(20)である。
第2の発明は、第1の発明の内装用シート(20)において、前記意匠層(24)は、赤外線を透過する赤外線透過機能を有すること、を特徴とする内装用シートである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の内装用シート(20)において、前記赤外線反射層(23)と前記意匠層(24’)との間に、赤外線を透過する赤外線透過層(26)を更に備えること、を特徴とする内装用シートである。
第4の発明は、第3の発明の内装用シート(20)において、前記赤外線透過層(26)は、空気層(27)であること、を特徴とする内装用シートである。
第5の発明は、基材層(22)と、前記基材層の一方の面に設けられ、該内装用シートに意匠を付与する意匠層(24’)と、前記意匠層の前記基材層とは反対側に設けられ、赤外線を反射する透明又は略透明な赤外線反射層(23B)と、を備える内装用シート(20)である。
第6の発明は、基材層(22)と、前記基材層の一方の面に設けられ、赤外線を反射する赤外線反射層(23C)とを備え、前記赤外線反射層は、該内装用シートに意匠を付与する機能を有すること、を特徴とする内装用シート(20)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの内装用シート(20)が室内の内装に用いられること、を特徴とする部屋(1)である。
第8の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの内装用シートが室内の内装に用いられること、を特徴とする乗り物である。
本発明によれば、意匠性を有するとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。
実施形態の部屋を説明する図である。 実施形態の壁部材10の詳細を説明する図である。 実施形態の壁部材10に用いられる内装用シート20の別な形態を示す図である。 実施形態の床部材30の詳細を説明する図である。 採光部材の床部材30に用いられる内装用シート40の別な形態を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の部屋を説明する図である。図1は、部屋の鉛直方向に平行であって、奥行き方向に平行な断面における断面図である。
なお、図1及び以下の説明において、理解を容易にするために、部屋1の通常の使用状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向のうち奥行き方向をX方向とし、その奥行き方向に直交する左右方向をY方向とする。鉛直方向のうち鉛直上側を+Z側とし、鉛直下側を−Z側とし、奥行き方向のうち奥側を−X側とし、手前側を+X側とする。
部屋1は、図1に示すように、その奥側(−X側)に開口部が設けられた建造物の居室であり、その開口部には窓2が配置されている。部屋1の室内側には、内装部材が設けられており、その内装部材は、室内の水平方向(X方向、Y方向)を取り囲む壁部材10と、室内の天井側を覆う天井部材10’と、室内の床側を覆う床部材30とから構成されている。
(壁部材10)
図2は、本実施形態の壁部材10の詳細を説明する図である。図2は、壁部材10の厚み方向に平行な断面形状を示している。
壁部材10は、部屋1の室内側の壁を覆う内装部材である。壁部材10は、図2に示すように、基礎部材11、接着層12、内装用シート20が順次積層されている。この壁部材10は、内装用シート20側の面が室内側となるように部屋1内に配置されており、内装用シート20に設けられた意匠層24(後述する)を室内側から視認することができる。
基礎部材11は、壁部材10の基礎となる部材であり、本実施形態では、石膏ボードが使用されている。
接着層12は、内装用シート20を基礎部材11に接着する接着剤から構成される層である。接着層12は、例えば、でんぷん系接着剤やでんぷんのり系接着剤等を使用することができる。
内装用シート20は、基礎部材11の室内側に貼付され、絵柄や文字等の意匠が施されたシート状の部材である。内装用シート20は、図2に示すように、基礎部材11側(室外側)から順に、裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、意匠層24、表面保護層25が積層されている。
また、内装用シート20には、上述したように、赤外線反射層23が設けられており、室内側から入射した赤外線を反射する機能を有しており、壁部材10が室内の熱を吸収してしまうのを極力抑制することができる。
仮に、赤外線を吸収する赤外線吸収部材のように、赤外線の放射率が高い壁部材が室内に用いられている場合、例えば、夏場においては、室外から入射した太陽光の熱を壁部材が吸収してしまうため、この室内を冷房装置によって冷却しようとしても、まず壁部材の高放射面が冷却されてしまい、室内空間の冷却が遅くなってしまう。また、冬場においては、暖房装置の熱が壁部材に吸収されてしまい、室内空間の加熱が遅くなってしまう。
これに対して、本実施形態の壁部材10は、上述したように、内装用シート20に赤外線反射層23を備えているので、冷房装置や、暖房装置(以下、冷暖房装置という)の熱が壁部材10に吸収されてしまうのを抑制することができる。また、例えば、夏場において窓を透過して室外から太陽光が入射したとしても、壁部材10において熱を吸収してしまうのを抑制することもできる。そのため、冷暖房装置によって室内を冷却又は加熱しようとした場合、部屋1の室内空間をより迅速に冷却又は加熱することができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
なお、本実施形態の部屋1に配置する冷暖房装置は、対流式の冷暖房装置よりも、放射式の冷暖房装置を適用するのが望ましい。放射式の冷暖房装置の場合、放射した熱を赤外線反射層23を有する内装用シート20により室内側へ反射することができ、更に効率よく均一に部屋1の室内空間の温度調節が可能になるからである。
裏打ちシート21は、内装用シート20と接着層12との接着を容易にする易接着部材である。本実施形態の裏打ちシート21は、公知の繊維質シート(裏打紙)などが利用できる。具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの)や、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙、上質紙、薄用紙などが挙げられる。裏打ちシート21は、基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜120g/m程度がより好ましく、基材層22の室外側の面に設けられている。
基材層22は、内装用シート20の基礎となる部材であり、例えば、オレフィン系樹脂や、塩化ビニル系樹脂により形成されている。本実施形態の基材層22は、上記樹脂材料に発泡剤が含有されており、基材層22の形成過程において加熱により樹脂を軟化させるとともに、発泡剤からガスを発生させて基材層22を所定の厚みに膨らませている。
そのため、基材層22は、その内部に多数の気泡を有する多孔質状に形成されている。ここで、基材層22を構成する樹脂に含有される発泡剤としては、例えば、アゾ化合物、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム及び亜硝酸アンモニウムからなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。この中でも、アゾ化合物としては、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等を使用することができる。基材層22を構成する上記樹脂に対する発泡剤の含有量の比率は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度であることが望ましい。
基材層22は、内装用シート20は現場施工での取り扱い性と生産時の巻き取り性とを容易にする観点から、上述の裏打ちシート21と積層した状態で300〜700μmの厚み範囲で形成されるのが望ましい。
また、基材層22には、炭酸カルシウム又は酸化チタンが含有されており、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等の無機充填材が含有されており、無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。
ここで、基材層22の室内側に設けられる赤外線反射層23は、赤外線の反射率が後述するように20%以上であるため、赤外線反射層23に入射した赤外線の一部は、赤外線反射層23において反射されず基材層22側へ透過してしまう。上述のように、基材層22が白色又は銀色、若しくはこれらの色に近い色で形成されることによって、赤外線反射層23において反射されずに透過してしまう赤外光の一部を、基材層22により室内側へ反射させることができ、内装用シート20における赤外線の反射効率を向上させることができる。また、基材層22よりも室内側に設けられる意匠層24に施される意匠の色彩を、より鮮明に視認されるようにすることができる。
基材層22を構成する上記樹脂に対する炭酸カルシウム又は酸化チタンの含有量の比率は、入射した赤外線を十分に反射させる観点から、無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
赤外線反射層23は、基材層22の室内側の面に設けられ、室内側から入射した赤外線を反射する層である。赤外線反射層23は、以下に示す3形態(赤外線反射層23A、赤外線反射層23B、赤外線反射層23C)のいずれかで構成される。
赤外線反射層23Aは、赤外線の反射特性の良好なアルミニウムの薄膜が、50nm〜10μmの厚さで形成されたものである。この赤外線反射層23Aは、外観から見た色彩が、銀色(金属色)に形成されており、その赤外線(780nm〜2500nm)の反射率は80%以上である。赤外線反射層23Aは、例えば、蒸着金属(アルミニウム)を蒸発させて、基材層22の室内側の面に付着させる真空蒸着法等によって形成することができる。
また、赤外線反射層23Aは、所定の間隔で貫通孔が形成されたアルミニウムの薄膜が上記厚み形成されるようにしてもよい。この貫通孔は、アルミニウムの薄膜の孔以外の部位により赤外線を均一に反射させる観点から、均等な大きさの孔が、均等な間隔で配列されているのが望ましい。上述のようにアルミニウムの薄膜の赤外線の反射特性が80%以上と良好であるため、アルミニウムの薄膜に貫通孔が設けられたとしても、80%以上の赤外光の反射率を実現することができる。
貫通孔を有するアルミニウムの薄膜としては、上述の蒸着による手法の他、例えば、貫通孔の空いたアルミニウムのシートを用いたり、アルミニウムの微粒子(パウダー)を含有したインキによりパターン印刷したりして、作製することができる。アルミニウムの薄膜の厚みは、十分な反射特性を得る観点から、アルミニウムのシートを用いる場合6μm以上が望ましく、パターン印刷で形成する場合0.5μm以上が望ましく、蒸着により形成する場合50nm以上であることが望ましい。なお、蒸着によりアルミニウムの薄膜を形成する場合、厚みの上限は、厚膜化による密着性の低下と生産性の低下を抑制する観点から、100nmとすることが望ましい。
赤外線反射層23Bは、ATO(アンチモン酸化スズ)や、ITO(スズ酸化インジウム)、Ag合金等から構成された層が、5〜10nmの厚さで形成されたものである。この赤外線反射層23Bは、外観から見た色彩が、透明又は略透明に形成されており、その赤外線(780nm〜2500nm)の反射率は20%以上である。ここで、略透明とは、層(赤外線反射層23B)を一方の面側から見て、反対側が透けて見える状態をいう。
赤外線反射層23Bは、スパッタリングなどの真空製膜法によって形成することができる。
赤外線反射層23Cは、赤外線の反射特性を有する顔料を含有した樹脂により構成された層が、2〜10μmの厚さで形成されたものである。この赤外線反射層23Cは、含有される赤外線の反射特性を有する顔料の分散のさせ方によって色味が相違するように形成することができる。そのため、赤外線反射層23Cは、その顔料の分散状態を調整することによって、絵柄や文字等の意匠を形成して意匠層としても使用することができる。赤外線反射層23Cの赤外線(780nm〜2500nm)の反射率は、40%以上である。
赤外線反射層23Cは、赤外線の反射特性を有する顔料が分散された樹脂を塗布したり、印刷したりすることによって形成することができる。また、赤外線反射層23Cに用いる赤外線の反射特性を有する顔料としては、酸化チタンや、アルミニウムの他、カルシウム元素、チタン元素、マンガン元素からなる複合酸化物や鉄−クロム、ビスマス−コバルト等の顔料を使用することができる。また、赤外線反射層23Cの母材(上記顔料を含有する樹脂)としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合したものを使用することができる。この母材となる樹脂に対する酸化チタン等の顔料の含有量の比率は、固形分基準で75質量%以下であることが好ましく、30〜75質量%がより好ましく、50〜75質量%がさらに好ましい。
赤外線反射層23は、内装用シート20の赤外線の反射機能の仕様等に応じて、赤外線反射層23A〜23Cから適宜選択することができる。
なお、赤外線反射層23Aは、近赤外線だけでなく中赤外線、遠赤外線においても80%以上の反射率を有しているので、近赤外線より波長の長い中赤外線や、遠赤外線を反射させる必要がある場合に特に有効である。
意匠層24は、赤外線反射層23の室内側の面に設けられ、絵柄や、文字等の意匠(例えば、木目の絵柄)が施された層である。意匠層24に施された意匠は、内装用シート20を室内側から見た場合に表面保護層25を通して視認することができる。
本実施形態の意匠層24は、赤外線を透過する機能を有しており、室内側から入射した赤外線を赤外線反射層23へ透過させるとともに、赤外線反射層23において反射した赤外線を室内側へ透過させることができる。
このような赤外線を透過する意匠層24には、例えば、イソシンドリノンや、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、酸化チタンのうち少なくとも1種類の顔料(以下、赤外線透過顔料という)を含有した樹脂を、上述の赤外線反射層23上に塗布したり、印刷したりすることによって形成される。
また、意匠層24の母材となる樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合したものを使用することができる。
意匠層24は、施す意匠に応じて適宜、複数層設けるようにしてもよい。意匠層24の層厚みは、十分な隠蔽性と意匠性を得る観点から1μm以上が好ましく、単層、複数層に関係なく、十分な密着性を得る観点から、10μm以下で形成されるのが望ましい。
表面保護層25は、内装用シート20の最も室内側に位置する透明な赤外線を透過する層であり、内装用シート20の室内側の面を保護するために設けられている。表面保護層25は、擦れ等による傷を抑制する耐擦傷性を持たせるために、アクリルウレタン系樹脂や、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン樹脂等の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用できる。これらの熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の中でも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等が好ましい。乾燥硬化型樹脂は1種単独でもよく2種以上の混合で使用してもよい。
表面保護層25の厚みは、1〜10μmの範囲で形成される。仮に、表面保護層25の厚みが1μm未満である場合、表面保護層25の厚みが薄くなりすぎてしまい、耐擦傷性が低下してしまうので望ましくない。また、表面保護層25の厚みが10μmよりも大きい場合、生産性が低下してしまうので望ましくない。
以上より、内装用シート20は、意匠層に施された意匠を室内側から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく室内側へ反射することができる。これにより、壁部材10の熱の吸収を極力抑制することができ、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
(内装用シート20の製造方法)
次に、内装用シート20製造方法の一例について説明する。
まず、裏打ちシート21を準備して、裏打ちシート21の一方の面上に、発泡剤含有樹脂層を押出して製膜する。その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。ここで、Tダイとは、片面にT字型の溝が刻まれた金型を、T字型の溝を向かい合わせた状態で二枚重ねた形態に形成された成形樹脂を押し出す口金をいう。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層を製膜後は、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度、発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用することができる。以上により、裏打ちシート21の一方の面上に、発泡前の基材層22が形成される。
続いて、基材層22の室内側(裏打ちシート21とは反対側)の面に赤外線反射層23を形成する。例えば、赤外線反射層が赤外線反射層23Aである場合、真空蒸着法により、真空環境下において蒸着金属(アルミニウム)を加熱、溶融させて蒸発させ、蒸発した蒸着金属を基材層22の室内側の面に衝突させて付着させることによって、赤外線反射層23Aが形成される。
次に、赤外線反射層23の室内側(基材層22とは反対側)の面に、赤外線透過顔料が含有された樹脂を塗布(印刷)して硬化させることによって、赤外線の透過機能を有する意匠層24を形成する。
続いて、意匠層24の室内側(赤外線反射層23とは反対側)の面に、ウレタンアクリル系の樹脂を塗布(印刷)して硬化させ、表面保護層25を形成する。
次に、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層(多孔質状の基材層22)を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
最後に、裏打ちシート21上に基材層22、赤外線反射層23、意匠層24、表面保護層25が順次積層された積層体を、必要に応じて冷却ロールと加圧ロールとの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面に凹凸模様を有する内装用シート20が完成する。
次に、壁部材10に使用される内装用シート20の別な形態について説明する。
図3は、内装用シート20の別な形態を示すものである。図3の各図は、それぞれ内装用シートの厚み方向に平行な断面における断面形状を示している。
上述の説明では、内装用シート20は、図2に示すように、室外側から順に、裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、意匠層24、表面保護層25が積層される形態について説明したがこれに限定されるものでない。
(内装用シート20の別な形態1)
例えば、内装用シート20は、図3(a)に示すように、室外側から順に、裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、透明基材層(赤外線透過層)26、意匠層24’、表面保護層25が積層される形態としてもよい。ここで、裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、表面保護層25は、それぞれ上述の図2に示す形態の裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、表面保護層25と同様である。
透明基材層26は、赤外線反射層23及び意匠層24’間に設けられた赤外線を透過可能な透明な樹脂シートであり、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等から形成されている。透明基材層26は、室内側から入射した赤外線を赤外線反射層23側へ効率よく透過させる観点から、その厚み寸法が80μm以下に形成されるのが望ましい。仮に、80μmよりも大きい場合、透明基材層26に入射した赤外線の透過量が減少してしまうので望ましくない。
意匠層24’は、上述の図2に示す形態の意匠層24と同様に、絵柄や、文字等の意匠(例えば、木目や石目調の絵柄)が施された層である。意匠層24’は、前記意匠層24と相違して赤外線を透過する機能を有している必要がなく、赤外線を吸収する機能を有していてもよい。したがって、カーボンブラックのような光を吸収する作用を有する材料を使用することできる。意匠層24’にこのカーボンブラックが適用できることによって、上述の意匠層24に比して意匠に施される色彩に含まれる黒味をより鮮明にすることができる。
仮に、室内側から入射した赤外線が意匠層24’により吸収されたとしても、意匠層24’と赤外線反射層23との間に透明基材層26が設けられているので、吸収された赤外線の一部を、意匠層24’と透明基材層26との界面から赤外線反射層23側へ出射させることができる。意匠層24’から出射した光は、透明基材層26を透過して、赤外線反射層23により反射し、再度、透明基材層26を透過して意匠層24’に吸収され、その一部が表面保護層25との界面から室内側へ出射することとなる。そのため、本形態の内装用シート20も、赤外線による熱が壁部材10内に蓄積されるのを抑制することができる。
意匠層24’に使用可能な顔料としては、上述の赤外線透過顔料に加え、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の一般の印刷等に使用される公知の顔料等を適宜使用することができる。意匠層24’は、密着性を確保する観点から、10μm以下の厚みで形成される。
このように、意匠層24’には、上述の図2に示す意匠層24のように赤外線の透過機能を付与する必要がなく、赤外線を吸収する顔料等も使用することができるので、より多くの種類の材料を意匠層24’の形成に適用することができ、絵柄や文字等の意匠に施される色味のバリエーションを増やすことができる。
内装用シート20をこのような形態としても、上述の図2に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を室内側から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
(内装用シート20の別な形態2)
また、内装用シート20は、図3(b)に示すように、室外側から順に、裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、空気層27、意匠シート28、表面保護層25が積層される形態としてもよい。ここで、裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、表面保護層25は、それぞれ上述の図2に示す形態の裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23、表面保護層25と同様である。
空気層27は、赤外線反射層23及び意匠シート28間に設けられた空気の層が介在する層である。本実施形態の空気層27は、赤外線反射層23の室内側の面に沿って網状に形成され、各編み目に空気の層が形成されている。この空気層27は、網状の樹脂シートを赤外線反射層23の上に貼付したり、赤外線反射層23上に樹脂(インキ)を網状のパターンに印刷する等によって形成される。
この空気層27は、上述の図3(a)に示す別な形態1に設けられた透明基材層26と同様に、意匠シート28において吸収された赤外線の一部を赤外線反射層23側に出射させるために設けられている。
この空気層27の被覆率(赤外線反射層23の面積と、網状の空気層27により被覆される面積との比率)は、意匠シート28から出射する赤外線を効率よく赤外線反射層23へ入射させる観点から、50%未満であることが望ましい。
空気層27の網状の形状は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられることにより形成される。空気層27の厚みは、1〜20μmの範囲内で形成される。
意匠シート28は、絵柄や文字等の意匠が施されたシート状の樹脂部材であり、シート状の樹脂フィルム上に、上述の図3(a)に示す内装用シート20の別な形態1の意匠層24’が形成された形態となる。意匠シート28は、空気の層を有する空気層27の上に意匠層を均一な厚みで形成するのが困難であるため、シート状の部材に形成されている。そのため、本形態の内装用シート20は、別工程で製造した意匠シート28を、空気層27の赤外線反射層23とは反対側の面に貼付すことによって形成される。
意匠シート28は、上述の図3(a)に示す別な形態1の意匠層24’と同様に、赤外線透過機能を有した意匠層である必要がなく、赤外線を吸収する機能を有していてもよい。これにより、意匠シート28により赤外線が吸収されたとしても、意匠シート28の室外側(赤外線反射層23側の面)に空気層27が設けられているので、吸収された赤外線の一部が、空気層27との界面から赤外線反射層23側へ出射させることができる。そのため、本形態の内装用シート20も赤外線による熱が壁部材10内に蓄積されるのを抑制することができる。
意匠シート28を構成する樹脂フィルムは、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられることにより形成された厚さ1〜10μmのシート状基材を用いることができる。
また、意匠シート28を構成する意匠層24’は、上述の図3(a)に示す内装用シート20の別な形態1の意匠層24’と同様の材料、寸法により形成される。
なお、意匠シート28を構成する樹脂フィルムが、黒色等の暗色系に着色されている形態の場合、意匠層24’に施された意匠が室内側から視認されなくなるのを回避する観点から、樹脂フィルムは、意匠層24’の室外側の面に配置されるのが望ましい。樹脂フィルムが透明や、略透明、白色等の背面側が透ける形態の場合は、意匠層24’の室内側の面、又は、意匠層24’の室外側の面のいずれの面に配置されてもよい。
このように、意匠シート28には、上述の図2に示す意匠層24のように赤外線の透過機能を付与する必要がなく、赤外線を吸収する部材も使用することができるので、より多くの種類の材料やインキを意匠シート28の形成に使用することができ、絵柄や文字等の意匠に施される色味のバリエーションを増やすことができる。
内装用シート20をこのような形態としても、上述の図2に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を室内側から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
(内装用シート20の別な形態3)
また、内装用シート20は、図3(c)に示すように、室外側から順に、裏打ちシート21、基材層22、意匠層24’、赤外線反射層23B、表面保護層25が積層される形態としてもよい。ここで、裏打ちシート21、基材層22、表面保護層25は、それぞれ上述の図2に示す形態の裏打ちシート21、基材層22、表面保護層25と同様である。
本形態の意匠層24’は、上述の図3(a)に示す別な形態1の意匠層24’と同様の意匠層である。
本形態の赤外線反射層には、意匠層24’の室内側の面に形成されるため、意匠層24’に設けられる意匠が室内側から視認されるように、透明又は略透明に形成された赤外線反射層、すなわち、上述の3形態の赤外線反射層うちの赤外線反射層23Bが用いられる。
内装用シート20をこのような形態としても、上述の図2に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を室内側から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
また、意匠層24’に、上述の図2に示す意匠層24のように赤外線の透過機能を付与する必要がなく、赤外線を吸収する部材も使用することができるので、より多くの種類の材料(顔料)を意匠層24’の形成に使用することができ、絵柄や文字等の意匠に施される色味のバリエーションを増やすことができる。
(内装用シート20の別な形態4)
また、内装用シート20は、図3(d)に示すように、室外側から順に、裏打ちシート21、基材層22、赤外線反射層23C、表面保護層25が積層される形態としてもよい。ここで、裏打ちシート21、基材層22、表面保護層25は、それぞれ上述の図2に示す形態の裏打ちシート21、基材層22、表面保護層25と同様である。
本形態の赤外線反射層は、意匠層を兼ねた形態であるため、絵柄等の意匠を施すことができる赤外線反射層、すなわち、上述の3形態の赤外線反射層うちの赤外線反射層23Cが用いられる。
内装用シート20をこのような形態としても、上述の図2に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を室内側から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
また、図2に示す形態及び図3(a)〜(c)に示す各別な形態に比して、内装用シート20の層構成を減らすことができ、内装用シート20の生産コストや、製造効率を向上させることができる。
(天井部材10’)
天井部材10’は、図1に示すように、部屋1の室内側の天井を覆う内装部材である。天井部材10’は、上述の壁部材10と同様の層構成、すなわち、基礎部材、接着層、内装用シートが順次積層された構成である。
天井部材10’に使用される内装用シートは、上述の壁部材10に使用される内装用シート20と同様である。なお、天井部材10’に用いられる内装用シートの意匠層には、上述の壁部材10に用いられる内装用シート20の意匠層24に設けられる意匠と相違する意匠が施されるようにしてもよい。
(床部材30)
図4は、本実施形態の床部材30の詳細を説明する図である。図3は、床部材30の厚み方向に平行な断面形状を示している。
床部材30は、部屋1の室内側の床部(底部)を覆う内装部材である。床部材30は、図4に示すように、基礎部材31、接着層32、内装用シート40が順次積層されている。この床部材30は、内装用シート40側の面が床上側(室内側)となるように部屋1内に配置されており、内装用シート40に設けられた意匠層44(後述する)を床上側(室内側)から視認することができる。
基礎部材31は、床部材30の基礎となる部材であり、本実施形態では、合板等が使用されている。
接着層32は、内装用シート40を基礎部材31に接着する接着剤から構成される層である。接着層32は、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等を使用することができる。
内装用シート40は、基礎部材31の床上側(室内側)に貼付され、絵柄や文字等の意匠が施されたシート状の部材である。内装用シート40は、図4に示すように、基礎部材31側(床下側、室外側)から順に、基材層42、赤外線反射層43、意匠層44、中間層45、表面保護層46が積層されている。
また、内装用シート40には、上述の壁部材10の内装用シート20と同様に、赤外線反射層43が設けられており、床上側(室内側)から入射した赤外線を反射する機能を有しており、床部材30が室内の熱を吸収してしまうのを極力抑制している。
そのため、本実施形態の床部材30は、例えば、夏場において窓を透過して室外から太陽光が入射したとしても、床部材30において熱を吸収してしまうのを極力抑制することができる。これにより、冷房装置によって室内を冷却しようとした場合、部屋1の室内空間をより迅速に冷却することができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
基材層42は、内装用シート40の基礎となる部材であり、例えば、PP(ポリプロピレン)樹脂や、オレフィン系樹脂により形成されている。基材層42は、20〜100μmの厚み範囲で形成される。
また、基材層42には、炭酸カルシウム及び酸化チタン等の反射顔料が含有されており、白色又は銀色、若しくはこれらの色に近い色になるように形成されている。
ここで、基材層42の床上側(室内側)に設けられる赤外線反射層43は、赤外線の反射率が後述するように20%以上であるため、赤外線反射層43に入射した赤外線の一部は、赤外線反射層43において反射されず基材層42側へ透過してしまう。上述のように、基材層42が白色又は銀色、若しくはこれらの色に近い色で形成されることによって、赤外線反射層43において反射されずに透過してしまう赤外光の一部を、基材層42により床上側(室内側)へ反射させることができ、内装用シート40における赤外線の反射効率を向上させることができる。また、基材層42よりも室内側に設けられる意匠層44に施される意匠の色彩を、より鮮明に視認されるようにすることができる。
基材層42を構成する上記樹脂に対する炭酸カルシウム又は酸化チタンの含有量の比率は、入射した赤外線を十分に反射させる観点から、樹脂100質量部に対し、1〜70質量部であることが望ましい。
赤外線反射層43は、基材層42の床上側(室内側)の面に設けられ、床上側(室内側)から入射した赤外線を反射する層である。赤外線反射層43は、以下に示す3形態(赤外線反射層43A、赤外線反射層43B、赤外線反射層43C)のいずれかで構成される。
赤外線反射層43A、赤外線反射層43B、赤外線反射層43Cは、それぞれ、上述の壁部材10の赤外線反射層23A、赤外線反射層23B、赤外線反射層23Cと同様の形態であり、赤外線反射層23A、赤外線反射層23B、赤外線反射層23Cと同様の材料や、寸法等によって形成されている。
意匠層44は、赤外線反射層43の床上側(室内側)の面に設けられ、絵柄や、文字等の意匠(例えば、木目の絵柄)が施された層である。意匠層44に施された意匠は、内装用シート40を床上側(室内側)から見た場合に中間層45、表面保護層46を通して視認することができる。
本実施形態の意匠層44は、上述の壁部材10に設けられた内装用シート20の意匠層24と同様に、赤外線を透過する機能を有しており、床上側(室内側)から入射した赤外線を赤外線反射層43へ透過させるとともに、赤外線反射層43において反射した赤外線を床上側(室内側)へ透過させることができる。
意匠層44は、上述の内装用シート20の意匠層24と同様の材料、寸法により形成されている。
中間層45は、意匠層44の床上側(室内側)の面に設けられた透明な赤外線を透過する層である。床部材は、一般的に壁部材に比して、物の落下等による傷付きの可能性が高く、表面保護層を有していても、表面保護層を貫通して、その下層に存在する意匠層や赤外線反射層等が傷付いてしまう可能性がある。そのため、本実施形態の床部材30には、表面保護層46よりも下層となる意匠層44や赤外線反射層43に傷等がついてしまうのを抑制するために、中間層45が設けられている。
この中間層45は、PP(ポリプロピレン)樹脂や、オレフィン系樹脂等によって形成されており、その層厚みは、40〜100μmの範囲で形成される。
なお、中間層45は、床部材30に加わる衝撃を低減させる観点から、上述の壁部材10の基材層22のように発泡剤により多孔質状に膨らんだ形態としてもよい。この場合、中間層45の厚みは、100〜1500μmの範囲で形成される。
表面保護層46は、内装用シート40の最も床上側(室内側)に位置する透明な赤外線を透過する層であり、内装用シート40の床上側(室内側)の面を保護するために設けられている。表面保護層46は、擦れ等による傷を抑制する耐擦傷性を持たせるために、重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、なかでも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
表面保護層46の層厚みは、2〜20μmの範囲で形成される。
以上より、内装用シート40は、意匠層に施された意匠を床上側(室内側)から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく床上側(室内側)へ反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
次に、床部材30に使用される内装用シート40の別な形態について説明する。
図5は、内装用シート40の別な形態を示す図である。図5の各図は、それぞれ内装用シート40の厚み方向に平行な断面における断面形状を示している。
上述の説明では、内装用シート40は、図4に示すように、床下側(室外側)から順に、基材層42、赤外線反射層43、意匠層44、中間層45、表面保護層46が積層される形態について説明したがこれに限定されるものでない。
(内装用シート40の別な形態1)
例えば、内装用シート40は、図5(a)に示すように、床下側(室外側)から順に、基材層42、赤外線反射層43、透明基材層47、意匠層44’、中間層45、表面保護層46が積層される形態としてもよい。ここで、基材層42、赤外線反射層43、中間層45、表面保護層46は、それぞれ上述の図4に示す形態の基材層42、赤外線反射層43、中間層45、表面保護層46と同様である。
透明基材層47は、赤外線反射層43及び意匠層44’間に設けられた赤外線を透過可能な透明な樹脂シートである。透明基材層47は、上述の壁部材10に設けられた内装用シート20の別な形態1(図3(a)参照)の透明基材層26と同様の材料、寸法により形成されている。
意匠層44’は、上述の図4に示す形態の意匠層44と同様に、絵柄や、文字等の意匠(例えば、木目の絵柄)が施された層である。意匠層44’は、前記意匠層44と相違して赤外線を透過する機能を有している必要がなく、赤外線を吸収する機能を有していてもよい。意匠層44’は、上述の壁部材10に設けられた内装用シート20の別な形態1の意匠層24’と同様の形態であり、意匠層24’と同様の材料、寸法により形成されている。
以上により、本形態の内装用シート40は、床上側(室内側)から入射した赤外線が意匠層44’により吸収されたとしても、意匠層44’と赤外線反射層43との間に設けられた透明基材層47によって、吸収された赤外線の一部を、意匠層44’と透明基材層47との界面から赤外線反射層43へ出射させることができる。意匠層44’から出射した光は、透明基材層47を透過して、赤外線反射層43により反射し、再度、透明基材層47を透過して意匠層44’に吸収され、その一部が表面保護層46との界面から室内側へ出射することとなる。そのため、本形態の内装用シート40も赤外線による熱が床部材30内に蓄積されるのを抑制することができる。
内装用シート40をこのような形態としても、上述の図4に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を床上側(室内側)から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
また、意匠層44’は、上述の図4に示す形態の床部材30の意匠層44のように赤外線透過顔料に限定されなくなるので、より多くの種類の材料を意匠層44’の形成に適用することができ、絵柄や文字等の意匠に施される色味のバリエーションを増やすことができる。
(内装用シート40の別な形態2)
また、内装用シート40は、図5(b)に示すように、床下側(室外側)から順に、基材層42、赤外線反射層43、空気層48、意匠シート49、中間層45、表面保護層46が積層される形態としてもよい。ここで、基材層42、赤外線反射層43、中間層45、表面保護層46は、それぞれ上述の図4に示す形態の基材層42、赤外線反射層43、中間層45、表面保護層46と同様である。
空気層48は、赤外線反射層43及び意匠シート49間に設けられた空気の層が介在する層である。空気層48は、上述の壁部材10に設けられた内装用シート20の別な形態2(図3(b)参照)の空気層27と同様の材料、寸法、製法等により形成されている。
この空気層48は、上述の図5(a)に示す内装用シート40の別な形態1に設けられた透明基材層47と同様に、意匠シート49において吸収された赤外線の一部を赤外線反射層43側に出射させるために設けられている。
意匠シート49は、絵柄や文字等の意匠が施されたシート状の樹脂部材である。意匠シート49は、空気の層を有する空気層48の上に意匠層を均一な厚みで形成するのが困難であるため、シート状の部材に形成されている。
意匠シート49は、絵柄や文字等の意匠が施されたシート状の樹脂部材であり、シート状の樹脂フィルム上に、上述の図5(a)に示す内装用シート40の別な形態1の意匠層44’が形成された形態となる。意匠シート49を構成する樹脂フィルムと意匠層44’は、上述の壁部材10に設けられた内装用シート20の別な形態2の意匠シート28を構成する樹脂フィルム及び意匠層24’と同様の材料、寸法等によって形成されている。
これにより、意匠シート49により赤外線が吸収されたとしても、意匠シート49の床下側(室外側、赤外線反射層43側)の面に空気層48が設けられているので、吸収された赤外線の一部が、空気層48との界面から赤外線反射層43へ出射させることができる。そのため、本形態の内装用シート40も赤外線による熱が床部材30内に蓄積されるのを抑制することができる。
内装用シート40をこのような形態としても、上述の図4に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を床上側(室内側)から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
また、意匠シート49は、上述の図4に示す形態の床部材30の意匠層44のように赤外線透過顔料に限定されなくなるので、より多くの種類の材料を意匠シート49の形成に適用することができ、絵柄や文字等の意匠に施される色味のバリエーションを増やすことができる。
(内装用シート40の別な形態3)
また、内装用シート40は、図5(c)に示すように、床下側(室外側)から順に、基材層42、意匠層44’、赤外線反射層43B、中間層45、表面保護層46が積層される形態としてもよい。ここで、基材層42、中間層45、表面保護層46は、それぞれ上述の図4に示す形態の基材層42、中間層45、表面保護層46と同様である。
本形態の意匠層44’は、上述の図5(a)に示す内装用シート40の別な形態1の意匠層44’と同様の意匠層である。
本形態の赤外線反射層43は、意匠層44’の床上側(室内側)の面に形成されるため、意匠層44’に設けられる意匠が床上側(室内側)から視認されるように、透明又は略透明に形成された赤外線反射層、すなわち、上述の3形態の赤外線反射層うちの赤外線反射層43Bが用いられる。
内装用シート20をこのような形態としても、上述の図4に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を床上側(室内側)から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
また、意匠層44’に、上述の図4に示す意匠層44のように赤外線の透過機能を付与する必要がなく、赤外線を吸収する部材も使用することができるので、より多くの種類の材料(顔料)を意匠層44’の形成に使用することができ、絵柄や文字等の意匠に施される色味のバリエーションを増やすことができる。
(内装用シート40の別な形態4)
また、内装用シート40は、図5(d)に示すように、床下側(室外側)から順に、基材層42、赤外線反射層43C、中間層45、表面保護層46が積層される形態としてもよい。ここで、基材層42、中間層45、表面保護層46は、それぞれ上述の図4に示す形態の基材層42、中間層45、表面保護層46と同様である。
本形態の赤外線反射層は、意匠層を兼ねた形態であるため、絵柄等の意匠を施すことができる赤外線反射層、すなわち、上述の3形態の赤外線反射層うちの赤外線反射層43Cが用いられる。
内装用シート40をこのような形態としても、上述の図4に示す形態と同様の効果、すなわち、意匠層の意匠を床上側(室内側)から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。これにより、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
また、図4に示す形態及び図5(a)〜(c)に示す各別な形態に比して、内装用シート40の層構成を減らすことができ、内装用シート40の生産コストや、製造効率を向上させることができる。
以上より、本実施形態の内装用シート20、40、部屋1は、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の内装用シートは、基材層の一方の面に設けられ、赤外線を反射する赤外線反射層と、赤外線反射層の基材層とは反対側に設けられ、内装用シートに意匠を付与する意匠層とを備えるので、意匠性を有するとともに、入射した赤外線を効率よく室内側に反射することができる。これにより、赤外線による熱が壁部材内や床部材内等に蓄積されてしまうのを抑制し、部屋1の室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
(2)本実施形態の内装用シートは、意匠層が赤外線を透過する赤外線透過機能を有するので、入射した赤外線をより効率よく室内側へ反射することができる。
(3)本実施形態の内装用シートは、赤外線反射層と意匠層との間に、赤外線を透過する透明基材層を更に備えている。これにより、意匠層が赤外線を吸収する機能を有している場合であっても、意匠層に吸収された赤外線の一部を赤外線反射層側へ出射することができ、内装用シートによって赤外線を十分に反射させることができる。
(4)本実施形態の内装用シートは、赤外線反射層と意匠シートとの間に、赤外線を透過する空気層を更に備えている。これにより、意匠シートが赤外線を吸収する機能を有している場合であっても、意匠シートに吸収された赤外線の一部を赤外線反射層側へ出射することができ、内装用シートによって赤外線を十分に反射させることができる。
(5)本実施形態の内装用シートは、図3(c)、図5(c)に示すように、基材層の一方の面に設けられ、内装用シートに意匠を付与する意匠層と、意匠層の基材層とは反対側に設けられ、赤外線を反射する透明又は略透明な赤外線反射層とを備えている。これにより、意匠層の意匠を室内側から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。
また、内装用シートの層構成を減らすことができ、内装用シートの生産コストや、製造効率を向上させることができる。
更に、意匠層に赤外線を透過させる必要がないので、意匠層を形成する材料(顔料)に赤外線を透過する材料以外の他種類の材料(顔料)を使用することができ、絵柄や文字等の意匠に施される色味のバリエーションを増やすことができる。
(6)本実施形態の内装用シートは、図3(d)、図5(d)に示すように、基材層の一方の面に設けられ、赤外線を反射する赤外線反射層を備え、赤外線反射層が、内装用シートに意匠を付与する機能も有している。これにより、意匠層の意匠を室内側から視認可能にするとともに、入射した赤外線を効率よく反射することができる。
また、内装用シートの層構成を減らすことができ、内装用シートの生産コストや、製造効率を向上させることができる。
(7)本実施形態の部屋1は、内装部材(壁部材10、天井部材10’、床部材30)に、内装用シートが用いられているので、壁部材10、天井部材10’、床部材30に熱が蓄えられてしまうのを極力抑制することができ、室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
例えば、夏場において窓2を閉めきった部屋1には熱気がこもってしまうが、壁部材10や、天井部材10’、床部材30が熱をほとんど吸収していないので、一度の換気により室内空間の熱気を排気することができ、その後の冷房装置の使用により、迅速に室内空間を涼しくすることができる。また、冬場においては、暖房装置を使用して冷え切った室内空間を温めようとした場合、暖房装置の熱が壁部材10や、天井部材10’、床部材40によりほとんど吸収されないので、より迅速に室内空間を温めることができる。
また、部屋1の温度調節に放射式の冷暖房装置を使用することによって、冷暖房装置から放出される熱が内装用シートに設けられた赤外線反射層により反射し、より効率よく均一に室内空間を冷やしたり、温めたりすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態において、内装用シートは、建造物の部屋1の壁部材10等の内装部材に用いる例を示したが、これに限定されるものでない。内装用シートは、自動車(乗用車、バス等)や、鉄道、航空機等の乗り物の運転席や、客席等の室内の内装部材に適用してもよい。
乗り物の室内に内装用シートを適用することによって、上述の部屋1の場合と同様に、乗り物の内装部材に熱が蓄えられてしまうのを極力抑制することができ、室内空間の温度調節をより迅速に行うことができ、室内を快適な温度環境にすることができる。
なお、乗用車に内装用シートを用いる場合、耐傷性や、防水性を確保する観点から、上述の床部材30に用いられた内装用シート40と同様の層構成を有した内装用シートを用いるのが望ましい。
(2)上述の実施形態において、壁部材10に設けられた内装用シート20の基材層22は、多孔質状に形成される例を示したが、これに限定されるものでない。基材層22には、細孔が少ない、若しくは細孔が存在しないような樹脂が密となって硬化した状態の樹脂シートを適用してもよい。この場合、基材層22は、裏打ちシート21と積層した状態で100〜700μmの厚み範囲で形成されるのが望ましい。
1 部屋
10 壁部材
10’ 天井部材
21 裏打ちシート
22 基材層
23 赤外線反射層
24、24’ 意匠層
25 表面保護層
26 透明基材層
27 空気層
28 意匠シート
30 床部材
40 内装用シート
41 裏打ちシート
42 基材層
43 赤外線反射層
44、44’ 意匠層
45 中間層
46 表面保護層
47 透明基材層
48 空気層
49 意匠シート

Claims (8)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面に設けられ、赤外線を反射する赤外線反射層と、
    前記赤外線反射層の前記基材層とは反対側に設けられ、該内装用シートに意匠を付与する意匠層と、
    を備える内装用シート。
  2. 請求項1に記載の内装用シートにおいて、
    前記意匠層は、赤外線を透過する赤外線透過機能を有すること、
    を特徴とする内装用シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内装用シートにおいて、
    前記赤外線反射層と前記意匠層との間に、赤外線を透過する赤外線透過層を更に備えること、
    を特徴とする内装用シート。
  4. 請求項3に記載の内装用シートにおいて、
    前記赤外線透過層は、空気層であること、
    を特徴とする内装用シート。
  5. 基材層と、
    前記基材層の一方の面に設けられ、該内装用シートに意匠を付与する意匠層と、
    前記意匠層の前記基材層とは反対側に設けられ、赤外線を反射する透明又は略透明な赤外線反射層と、
    を備える内装用シート。
  6. 基材層と、
    前記基材層の一方の面に設けられ、赤外線を反射する赤外線反射層とを備え、
    前記赤外線反射層は、該内装用シートに意匠を付与する機能を有すること、
    を特徴とする内装用シート。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の内装用シートが室内の内装に用いられること、
    を特徴とする部屋。
  8. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の内装用シートが室内の内装に用いられること、
    を特徴とする乗り物。
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