JP2022170456A - 内装用化粧シート、内装材、部屋及び内装用化粧シートの製造方法 - Google Patents

内装用化粧シート、内装材、部屋及び内装用化粧シートの製造方法 Download PDF

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Takashi Nomoto
義生 岡部
Yoshio Okabe
恵子 平川
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Abstract

【課題】十分な遮熱・保温効果を示し、意匠性に優れ、かつ、製造の際の塗工適性に優れる内装用化粧シートを提供する。【解決手段】基材、赤外線反射層、及び隠蔽層をこの順に備え、赤外線反射層がアルミニウム粒子を含有し、アルミニウム粒子と、赤外線反射層に含まれるアルミニウム粒子以外の成分との重量比が、0.05以上1.5以下であり、アルミニウム粒子の平均粒径が5μm以上20μm以下である、内装用化粧シートを提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図3

Description

本開示は内装用化粧シート、内装材、部屋及び内装用化粧シートの製造方法に関し、特に壁紙用途に適した内装用化粧シート、それを含む内装材、それを含む部屋及び内装用化粧シートの製造方法に関する。
近年、地球環境保護の観点から「省エネルギー」が社会課題の一つとなっている。建築材料一つである壁紙は、建築物の中でも大きな面積を占め、塩化ビニル樹脂や、オレフィン等の非塩化ビニル樹脂を発泡させた発泡樹脂層を備えるものが主流である。しかし、それらの壁紙には、外部からの放射熱を遮蔽するような遮熱効果や、空間温度を保持するような保温効果はなかった。
遮熱効果や保温効果のある壁紙等として、例えば、特許文献1や特許文献2が知られている。
特許文献1(特開2015-189086)は、「建築物の壁面、天井等の内装材である断熱遮熱クロス(断熱遮熱壁紙)」として、また、「断熱遮熱ロールカーテンもしくはスクリーン」として使用する断熱遮熱シートを記載している。
特許文献2(特開2018-167539)は、「発泡壁紙、各種装飾材等」として使用する発泡積層シートを記載している。
特開2015-189086号公報 特開2018-167539号公報
特許文献1では、遮熱効果を持たせるためにアルミニウム層を設けることで、金属光沢感が顕著に表れ、壁紙としての意匠性が損なわれて一般的な屋内には使用し難いという課題があった。
特許文献2では、近赤外線の反射率を高めるために棒状二酸化チタンを積層シート中に配合しており、これは太陽光の反射を想定したものであることから、屋内における中赤外線から遠赤外線の反射率が低く、遮熱効果および保温効果が低かった。さらに、棒状二酸化チタンが非常に高価なため、一般的な壁紙には適用し難いという課題があった。
上述の通り、従来の壁紙は、十分な遮熱効果および保温効果(以下、遮熱・保温効果とする)を示し、かつ、意匠性に優れるものではなかった。
さらに、シートに遮熱・保温効果を持たせるために、金属粒子を添加した赤外線反射層を設ける場合、添加する金属粒子の種類や量によっては赤外線反射層を形成する組成物(インキ)の塗工適性が著しく低下し、所望の遮熱・保温効果を示すシートを安定して製造することが困難になるという課題があった。
本開示は、十分な遮熱・保温効果を示し、意匠性に優れ、かつ、製造の際の塗工適性に優れる内装用化粧シートを提供することを課題とする。
本開示の一実施態様によれば、基材、赤外線反射層、及び隠蔽層をこの順に備え、前記赤外線反射層がアルミニウム粒子を含有し、前記アルミニウム粒子と、前記赤外線反射層に含まれる前記アルミニウム粒子以外の成分との重量比が、0.05以上1.5以下である、内装用化粧シートが提供される。
本開示の別の実施態様によれば、前記内装用化粧シートが、被着体に積層された内装材が提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、前記内装用化粧シートが、内面に施工された部屋が提供される。
本開示のさらに別の実施態様によれば、基材上に、アルミニウム粒子を含有する組成物によって、前記アルミニウム粒子と前記アルミニウム粒子以外の成分との重量比が0.05以上1.5以下となるように赤外線反射層を形成する第一工程、前記第一工程で形成された赤外線反射層上に、隠蔽層を形成する第二工程、を含む、内装用化粧シートの製造方法が提供される。
本開示の内装用化粧シートは、十分な遮熱・保温効果を示し、意匠性に優れ、かつ、製造の際の塗工適性に優れる。そのため、内装用化粧シートとして、特に建築物の中でも大きな面積を占める壁紙用途に有利に使用することができる。
なお、上述の記載は、発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の一実施態様の内装用化粧シートの概略断面図である。 本開示の別の実施態様の内装用化粧シートの概略断面図である。 本開示のさらに別の実施態様の内装用化粧シートの概略断面図である。 本開示の一実施態様の内装材の概略断面図である。 本開示の一実施態様の部屋の概略側面図である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。図面は、模式的に示した図であり、各部の大きさ及び形状は、理解を容易にするために適宜誇張したり、省略したりして示している。
本開示において「シート」には「フィルム」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本開示の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものも、本開示の範囲内のものと解釈すべきである。
本開示において粒子の平均粒径とは、内装用化粧シートの各層の厚み方向の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、加速電圧3.0kV、拡大倍率5万倍の条件で観察し、無作為に選択した100個の粒子の非凝集体について測定した粒子径の平均値(算術平均径)である。なお、粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだときに、その2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離を測定した値である。
図1に、本開示の一実施態様による内装用化粧シートの模式的な断面図を示す。内装用化粧シート1は、基材10と、赤外線反射層20と、隠蔽層30をこの順に備える。
なお、本開示において、この順に備えるとは、この順に直接重ねて備える形態のみならず、間に他の層を介して備える形態も含む。
また、本開示において、内装用化粧シート1の基材10とは反対側の表面側を「表面側」、基材側の表面側を「裏面側」と示す。
基材10として、様々な裏打材、例えば、紙、織布、又は、不織布等が使用できる。
紙として、例えば、上質紙、薄葉紙、クラフト紙、リンター紙、パーチメント紙、グラシン紙、硫酸紙、これらの紙に硝子繊維及び/又は樹脂繊維を混抄した混抄紙、又は、これらの紙にゴムラテックス及び/又はアクリル樹脂等の樹脂を含侵した含侵紙等、公知の各種化粧シートに用いられる紙が使用できる。紙の坪量は様々であってよいが、一般に約20g/m2以上、約200g/m2以下とすることができる。
織布及び不織布として、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等、又は、硝子繊維を用いた織布及び不織布が使用できる。織布及び不織布の坪量は様々であってよいが、一般に約20g/m2以上、約200g/m2以下とすることができる。
別の実施態様では、基材10は多孔質層12を備える。例えば、図2に示す実施態様では、基材10として、裏打層11と多孔質層12を備え、多孔質層12には複数の孔(空洞)が形成されている。このようにして、基材10に空洞を構成することにより、後述する保冷効果及び保温効果の向上に寄与する。
裏打層11として、基材10と同様の、様々な裏打材が使用できる。
多孔質層12は、樹脂成分として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂を含む組成物を発泡させることにより形成することができる。組成物の発泡には、化学反応を利用して組成物中に気体を発生させる化学発泡法、機械的に空気、窒素等のガスを組成物に混入させる機械発泡法、組成物に低融点溶剤を含ませて気化させる溶剤気化法、組成物に含ませた溶剤を抽出等により除去して空隙を形成する溶剤除去法、常温常圧で気体である二酸化炭素等を超臨界状態で組成物を含侵させてから圧力を大気圧に戻す超臨界法等の方法を使用できる。このようにして多孔質層12に形成された複数の孔は、独立孔であっても、連続孔であってもよく、それらが混在していてもよい。孔の数、大きさ、密度、形状等は特に限定されず、内装用化粧シートの種類、用途等に応じて適宜変更できる。
熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂として、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が使用できる。これらの樹脂は1種単独で、又は、2種以上を併せて使用できる。
押出し製膜性等の観点から、樹脂成分として、オレフィン系樹脂が有利に使用できる。オレフィン系樹脂として、例えば、ポリオレフィン、オレフィンビニルエステル共重合体、オレフィン不飽和カルボン酸共重合体、又は、オレフィン不飽和カルボン酸エステル共重合体等が使用できる。
ポリオレフィンとして、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)が使用でき、中でもPEが有利に使用できる。PEとして、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用できる。
オレフィンビニルエステル共重合体は、オレフィン及びビニルエステルをモノマー成分として含む共重合体であり、二元又は三元以上の共重合体も使用できる。上記オレフィンとして、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、又は、1-ドデセンが使用でき、上記ビニルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、又は、ステアリン酸ビニルが使用できる。
オレフィンビニルエステル共重合体として、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-カプロン酸ビニル共重合体、エチレン-プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン-カプリル酸ビニル共重合体、エチレン-ラウリル酸ビニル共重合体、又は、エチレン-ステアリン酸ビニル共重合体等が使用できる。
オレフィン不飽和カルボン酸共重合体は、オレフィン及び不飽和カルボン酸をモノマー成分として含む共重合体であり、二元または三元以上の共重合体も使用できる。上記オレフィンとして、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、又は1-ドデセンが使用でき、上記不飽和カルボン酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、又はフマル酸が使用できる。
オレフィン不飽和カルボン酸共重合体として、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)又は、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等が使用できる。
オレフィン不飽和カルボン酸エステル共重合体として、例えば、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、又は、エチレン-エチルメタクリレート共重合体(EEMA)等が使用できる。
発泡適性、押出し製膜性等の観点から、多孔質層12における樹脂成分の含有量は、例えば、約30質量%以上、約40質量%以上、又は約50質量%以上、80質量%以下、70質量%以下、又は、60質量%以下とすることができる。樹脂成分の含有量が多すぎると十分な発泡倍率が得られない場合があり、一方で、樹脂成分の含有量が少なすぎると押出し製膜性に劣る場合がある。
多孔質層12を形成するための発泡剤として、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド、オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等の有機系熱分解型発泡剤、マイクロカプセル型発泡剤、又は、重曹等の無機系発泡剤等、公知の発泡剤が使用できる。これらは1種単独で、又は、2種以上を併せて使用できる。また、多孔質層12には、未発泡の発泡剤が含まれていてもよい。
多孔質層12を形成する組成物として、難燃性付与、目透き抑制、表面強度向上等の観点から、無機充填剤が使用できる。無機充填剤として、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、又は二酸化チタン等が使用できる。これらは1種単独で、又は、2種以上を併せて使用できる。
無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分100質量部に対して、例えば、約0質量部以上又は約20質量部以上、100質量部以下又は約70質量部以下とすることができる。
多孔質層12を形成する組成物として、必要に応じて、防カビ剤、顔料、酸化防止剤、光安定剤、架橋剤、架橋助剤、発泡助剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、希釈剤、消臭剤、可塑剤等の添加剤が使用できる。
多孔質層12の厚さは様々であってよいが、例えば、約350μm以上又は約500μm以上、1500μm以下又は1200μm以下とすることができる。
赤外線反射層20は、アルミニウム粒子を含有する組成物を製膜することにより形成することができる。組成物の製膜には、コーティング、押出ラミネート、転写等の公知の塗工方法が使用できる。
赤外線反射層20は、アルミニウム粒子を含有することにより十分な赤外線反射率を備える。ここで、赤外線反射層20にアルミニウム粒子を使用する理由について説明する。先行技術として知られている二酸化チタン等を用いた積層シートでは、近赤外線の反射率は高いが、中赤外線から遠赤外線の反射率は低かった。太陽光には近赤外線が多く含まれるため、太陽光の直射を防ぐという用途に対しては、従来の積層シートは有効である。しかし、物体から放射される赤外線には、中赤外線から遠赤外線が多く含まれるため、屋内の輻射による赤外線を反射する等の用途に対しては、従来の積層シートでは不十分であった。本発明者らは、赤外線反射層20にアルミニウム粒子を使用することで、中赤外線から遠赤外線の反射率を上げることができ、屋内においてより優れた遮熱・保温効果を得られることを見出した。
遮熱・保温効果とは、具体的には、夏季は屋外からの熱を反射して屋内の冷房効果を持続(遮熱)し、冬季は窓から入射する太陽光や屋内の熱を内部で反射して屋内の暖房効果を持続(保温)することである。具体的に、建物の屋内の内壁に、内装用化粧シート1を貼付して使用することを想定して説明する。夏季には、建物の外壁が、屋外の高温の外気や太陽光線よって熱せられて高温となり、外壁からの赤外線が屋内に向けて放射される。この外壁からの赤外線は、赤外線反射層20によって屋外側に反射されるため、屋外から屋内に放射される赤外線が少なくなり、屋内の冷房効果を持続(遮熱)することができる。多孔質層12を備えることで、遮熱効果をより高めることもできる。また、冬季には、屋内が暖房によって温められており、暖房器具や温められた家具等から赤外線が放射される。このように屋内で放射された赤外線が、赤外線反射層20によって屋内側に反射される。さらに、冬季には太陽高度が低いことから、太陽光線が窓から屋内に入射しやすく、このように屋内に入射した太陽光による赤外線も、赤外線反射層20によって屋内側に反射される。このようにして、屋内の赤外線が赤外線反射層20によって屋内側に反射されるため、屋内の暖房効果を持続(保温)することができる。多孔質層12を備えることで、保温効果をより高めることもできる。
なお、具体的にどの程度の遮熱効果及び保温効果が得られるかについては、建物の形態や環境等によって大きく左右されるため、定量的には証明し難いが、例えば、中赤外線の領域である2400nmの赤外線の反射率を数%向上させることで、室温を1℃程度遮熱又は保温することができる。1℃の遮熱・保温効果は、冷暖房に費やすエネルギーとして考えると非常に大きな効果がある。
赤外線反射層20を形成するアルミニウム粒子として、例えば、アルミニウムのみで構成された粒子、アルミニウム以外の粒子の表面をアルミニウムで被覆した粒子、又は、アルミニウム粒子の表面を樹脂等で被覆した粒子等が使用できる。アルミニウム粒子は、アルミニウムとアルミニウム以外の金属で構成されていてもよい。
アルミニウム粒子の平均粒径は様々であってよいが、意匠性及び塗工適性等の観点から、平均粒径が約5μm以上又は約10μm以上、20μm以下又は15μm以下のアルミニウム粒子が有利に使用できる。平均粒径が20μmよりも大きいと、塗工液中でのアルミニウム粒子の分散性が低下する場合や、粒子が視認できることで意匠性が低下する場合がある。また、平均粒径が5μmよりも小さいと、塗工適性が向上し、赤外線反射性能も向上するが、金属光沢が上がることで意匠性が低下する場合がある。
赤外線反射層20のアルミニウム粒子(P:ピグメント)と、赤外線反射層20に含まれるアルミニウム粒子以外の成分(V:ビヒクル)との重量比(以下、P/V比(Al)とする)は、赤外線反射率及び塗工適性等の観点から、0.05以上、1.5以下とすることができる。P/V比(Al)が1.5よりも大きいと、塗工時にスジが発生する等の問題が生じる場合がある。また、P/V比(Al)が0.05よりも小さいと、十分な赤外線反射率を得られない場合がある。
赤外線反射層20を形成するアルミニウム粒子以外の成分は、アルミニウム粒子を分散させて製膜できるバインダー樹脂等であれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、カゼイン樹脂等が使用できる。
赤外線反射層20の厚さは様々であってよいが、例えば、約0.5μm以上又は約1μm以上、50μm以下又は20μm以下とすることができる。厚さが50μmよりも大きいと、金属光沢が上がることで意匠性が低下する場合があり、一方で厚さが0.5μmよりも小さいと、十分な赤外線反射率を得られない場合がある。
本開示の内装用化粧シート1は、赤外線反射層20よりも表側に隠蔽層30を備えることにより、十分な赤外線反射率を備えながら、赤外線反射層20による金属光沢を隠蔽できる。
隠蔽層30は、光の屈折により赤外線反射層20の金属光沢を隠蔽する効果(隠蔽性)を有する組成物を、赤外線反射層20上に製膜することにより形成することができる。組成物の製膜には、コーティング、押出ラミネート、転写等の公知の塗工方法が使用できる。
隠蔽層30を形成する組成物として、隠蔽性を有する顔料等であれば特に限定されないが、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、又は、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料等が使用でき、特に、酸化チタン粒子を主成分として含むチタン白等の無機顔料が有利に使用できる。酸化チタン粒子は、比較的自由に粒度を変えることができ、化学的に不活性で、かつ、屈折率が極めて高いためである。
隠蔽層30の酸化チタン粒子(P:ピグメント)と、隠蔽層30に含まれる酸化チタン粒子以外の成分(V:ビヒクル)との重量比(以下、P/V比(Ti)とする)は、隠蔽性及び塗工適性等の観点から、1.0以上、3.0以下とすることができる。P/V比(Ti)が3.0よりも大きいと、塗工時にスジが発生する等の問題が生じる場合がある。また、P/V比(Ti)が1.0よりも小さいと、十分な隠蔽性を得られない場合がある。
隠蔽層30を形成する酸化チタン粒子以外の成分は、酸化チタン粒子を分散させて製膜できるバインダー樹脂等であれば特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル―アクリル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、又は、ニトロセルロース樹脂等使用できる。これらは1種単独で、又は、2種以上を併せて使用できる。
隠蔽層30の厚さは様々であってよいが、例えば、約0.1μm以上又は0.5μm以上、10μm以下又は5μm以下とすることができる。厚さが10μmよりも大きいと、赤外線反射率が低下する場合があり、一方で厚さが0.1μmよりも小さいと、十分な隠蔽性を得られない場合がある。
隠蔽層30の上に他の層、例えば、絵柄層40又は/及び表面保護層50等を備えていてもよい。例えば、図3に示す実施態様では、隠蔽層30の上に、絵柄層40及び表面保護層50をこの順に備える。
絵柄層40は、絵柄模様等を印刷することにより形成することができる。絵柄層40を備えることにより、内装用化粧シート1に所望の意匠性を付与することができる。
絵柄模様は、様々であってよいが、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、又は、草花模様等が挙げられる。
絵柄層40を形成するための印刷用インキの組成については、例えば、特開2017-43009号公報、特開2011-179161号公報に開示される絵柄模様層の形成に用いられる印刷インキの組成と同様の組成を採用できる。また、印刷用インキとして、公知又は市販のインキが使用できる。絵柄模様の印刷方法は、特に限定されないが、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、平版オフセット印刷、フレキソ印刷等の有版印刷法、インクジェット印刷、転写印刷等の無版印刷法等の公知の印刷方法が使用できる。
絵柄層40の厚さは、様々であってよいが、例えば0.1μm以上、10μm以下とすることができる。また、隠蔽層30上に直接形成してもよく、接着層等を介して形成してもよい。
表面保護層50の種類は、特に限定されず、例えば、絵柄層40の保護、耐擦傷性・耐摩耗性・耐汚染性の向上、又は光沢度の調整等の目的に応じて、適宜選択して備えることができる。
表面保護層50は、例えば、樹脂成分として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂等を含む組成物を製膜することにより形成することができる。組成物の製膜には、コーティング、押出ラミネート、転写等の公知の塗工方法が使用できる。
樹脂成分として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、メチルメタクリレート-ブチルメタクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)、クロロプレンゴム等のゴム、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、又は、ポリアミド系樹脂等が使用できる。これらの樹脂は1種単独で使用しても、2種以上を併せて使用してもよい。これらの樹脂は、押出ラミネート等の方法で表面保護層50を製膜する際に有利に使用できる。
また、樹脂成分として、例えば、熱硬化型ウレタン樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化型樹脂(1液硬化型又は2液硬化型のもの)、又は、紫外線又は電子線等の電離放射線の照射により架橋又は重合するアクリル酸エステル系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系の電離放射線硬化型樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は、コーティング等の方法で表面保護層50を製膜する際に有利に使用できる。
表面保護層50が絵柄層40の保護、耐擦傷性・耐摩耗性・耐汚染性の向上を目的とする場合は、樹脂成分として、樹脂の架橋物又は/及び硬化物が有利に使用できる。
表面保護層50を形成する組成物として、必要に応じて、マット剤等の添加剤が使用できる。マット剤として、例えば、シリカ、架橋アクリルビーズ、ウレタンビーズ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ガラスバルーン、又は、ポリエチレン等が使用できる。
表面保護層50の厚さは、様々であってよいが、例えば、0.5μm以上又は1μm以上、1000μm以下又は100μm以下とすることができる。
なお、特に図示していないが、内装用化粧シート1は、表面側に、凹凸形状を備えていてもよい。凹凸形状は、エンボス等の公知の加工方法により形成することができる。凹凸形状の凹凸深さは、様々であってよいが、例えば、10μm以上又は50μm以上、1000μm以下又は500μmとすることができる。凹凸形状を備えることにより、内装用化粧シート1に所望の意匠性を付与することができる。
さらに別の実施態様では、内装用化粧シート1が、被着体70に積層されていることにより、内装材2を構成する。例えば、図4に示す実施態様では、内装用化粧シート1が、接着層60を介して被着体70に積層されている。
接着層60として、公知の接着剤又は粘着剤等が使用できる。
被着体70として、例えば、杉、檜、松、ラワン等の木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質部材、鉄、アルミニウム、ステンレス等の鋼板、シート等の金属部材、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)等の非陶磁器窯業系材料等を用いた窯業部材、又は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴム等を用いた樹脂部材等を使用できる。これらの部材は、1種単独で、又は、2種以上を併せて使用できる。
さらに別の実施態様では、内装用化粧シート1が、内面に施工されていることにより、部屋3を構成する。例えば、図5に示す実施態様では、内装用化粧シート1が、部屋3の内面のうち、窓90が設けられた窓側内壁面80b、側壁面80c及び内部側内壁面80eに施工されている。
本開示において、部屋とは、壁、間仕切り、襖、床、天井等で仕切られ、生活の場等に用いられる、住居等の建物内部の隔てられた空間の区画を示す。
全ての部屋が生活の場であるわけではなく、車庫、厩舎、物置、玄関、廊下、風呂、トイレ等、通常は部屋とは呼ばないものも含む。船上では、通常、部屋とは呼ばず、キャビン、船室等の名称で呼ぶ。アパートやホテル等では、一つの空間の複数の部屋を一単位として、部屋と呼ぶこともある。建物や乗り物の中で、特定用途に限定して設けられた部屋を、特定の名称で呼ぶこともある。会社や事業所では、事務室、執務室、社長室等がある。乗り物では、操縦室、操舵室、客室等がある。特殊なものでは、霊安室、映写室、会見室等がある。
部屋には、必要に応じて、出入りをするための扉、太陽光や外気を室内に取り込むための窓、部屋の明るさを調節するための照明装置等を設けることができる。
また、本開示において、内面とは、部屋を仕切る壁、間仕切り、襖、床天井等の内側の面を示す。
部屋の内面のうち、内装用化粧シートを施工する箇所や面積は様々であってよいが、例えば、壁の全面に施工することができる。壁は、通常、建物の部屋の中で大きな面積を占めるため、内装用化粧シートを壁の全面に施工することで、遮熱・保温効果を得やすくなる。
なお、図5に示す実施態様では、部屋3の内面のうち、床面80a及び天井面80dには内装用化粧シート1を施工していないが、必要に応じて、床面80a及び天井面80dにも内装用化粧シート1を施工できる。また、窓側内壁面80b、側壁面80c及び内部側内壁面80eに対して、複数の内装用化粧シート1を垂直方向に隣接させて施工しているが、必要に応じて、内装用化粧シート1の数や、壁面に対する施工方向を変更できる。
さらに別の実施態様である、内装用化粧シート1の製造方法では、基材10上に、第一工程として、アルミニウム粒子を含有する組成物によって、前記アルミニウム粒子と前記アルミニウム粒子以外の成分との重量比が0.05以上1.5以下となるように赤外線反射層20を形成し、第一工程で形成された赤外線反射層20上に、第二工程として、隠蔽層30を形成する。本開示によれば、十分な遮熱・保温効果を示し、意匠性に優れ、かつ、製造の際の塗工適性に優れる内装用化粧シート1を得ることができる。
第一工程及び第二工程としては、前述した赤外線反射層20及び隠蔽層30の製膜方法を採用できる。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(三井・ダウ ポリケミカル株式会社製 エバフレックスV406)100重量部、二酸化チタン(石原産業株式会社製 CR58-2)20重量部、発泡剤(永和化成工業株式会社製 ビニホールAC#3)4重量部、発泡助剤(大塚化学株式会社製 ADH)2重量部を溶融混錬した樹脂組成物を、厚みが50から100μmとなる様に製膜し、裏打紙にラミネートした。そして、表面側から200kV、50kGyの条件で電子線照射した。
次に、平均粒径11μmのアルミニウム粒子をP/V比(P:ここではアルミニウム粒子の重量、V:ここではアルミニウム粒子以外の成分の重量)が0.7となるように配合した水性インキを、グラビア印刷機で1.0g/m2で塗布して乾燥させ、赤外線反射層20を形成した。なお、ここで用いたアルミニウム粒子は鱗片状の形状であり、平均粒径は、長辺における測定値の平均値である。
その後、二酸化チタン粒子(堺化学工業株式会社製 R-7E)をP/V比(P:ここでは二酸化チタン粒子の重量、V:ここでは二酸化チタン粒子以外の成分の重量)が2.3となるように配合した水性インキを、グラビア印刷機で1.0g/m2で塗布して乾燥させ、隠蔽層30を形成した。
さらに、アクリル系水性インキ(株式会社昭和インク工業所製)を、グラビア印刷機で1.0g/m2で塗布して乾燥させ、表面保護層50を形成した。
最後に、220℃のギアオーブンで35秒加熱して樹脂組成物を発泡させ、多孔質層12を形成し、実施例1の内装用化粧シートを得た。なお、表面保護層50の表面側に凹凸形状は設けていない。
(実施例2)
アルミニウム粒子を、平均粒径12μmのアルミニウム粒子にした以外は、実施例1と同様とした。
(実施例3)
アルミニウム粒子をP/V比1.2で配合した以外は、実施例1と同様とした。
(実施例4)
アルミニウム粒子を、平均粒径6μmのアルミニウム粒子にした以外は、実施例1と同様とした。
(実施例5)
表面保護層50として、ポリエチレン樹脂を約12μmとなる様に製膜して隠蔽層30の上にラミネートし、その上に電子線架橋樹脂を1.8g/m2で塗布して乾燥させ、200kV、50kGyの条件で電子線照射を行った以外は、実施例1と同様とした。
(比較例1)
アルミニウム粒子を二酸化チタン粒子(堺化学工業株式会社製 R-7E)にし、P/V比を1.5にした以外は、実施例1と同様とした。
(比較例2)
アルミニウム粒子をP/V比0.03で配合した以外は、実施例1と同様とした。
(比較例3)
アルミニウム粒子をP/V比1.6で配合した以外は、実施例1と同様とした。
(比較例4)
アルミニウム粒子をP/V比0.6で配合し、隠蔽層30を形成しない以外は、実施例1と同様とした。
上記実施例及び比較例について、可視光線反射率、赤外線反射率、60°グロス値、意匠性、塗工適性を評価した。評価結果を表1に示す。
<赤外線反射率>
各実施例及び比較例の内装用化粧シートを石膏ボード(吉野石膏株式会社)上に配置し、内装用化粧シートの表面側から、分光光度計(紫外可視近赤外分光光度計、型番:UH4150、株式会社日立ハイテクサイエンス)を用いて、波長2400nmにおいて測定した。なお、検出器は標準積分球タイプを用いた。
ここで波長2400nmは、中赤外線領域に相当する。本発明者らは、この波長2400nmでの測定は、他の波長における測定よりも測定値に顕著な差が表れ、中赤外線領域の反射率の評価に適切な波長であることを見出した。なお、遠赤外線領域については、測定が困難であることから、今回の測定では省略したが、中赤外線領域(2400nm)の評価結果に準ずる反射率が得られるものと考えられる。
<60°グロス値>
各実施例及び比較例の内装用化粧シートの表面側から、グロスメーター(携帯用光沢計、型番:GMX-203、村上色彩技術研究所)を用いて、測定角度60°において測定した。
なお、グロス値の測定には、測定角度60°における測定値(60°グロス値)の他に、20°グロス値及び85°グロス値が一般に知られている。本発明者らは、20°グロス値及び85°グロス値は、赤外線反射層20に起因する金属光沢の評価には適さず、一方で、60°グロス値は、赤外線反射層20に起因する金属光沢の度合いを、良好な相関性をもって評価できること見出した。その知見に基づき、今回の測定では、60°グロス値を採用した。
<意匠性>
各実施例及び比較例の内装用化粧シートの表面側から、目視による観察を行い、以下の評価基準に従って評価した。
「良」:通常の壁紙と遜色無い壁紙意匠を表現できている。
「可」:僅かに光沢感があるが、壁紙意匠として十分に使用可能である。
「不可」:金属光沢感があり、金属光沢感を望まない壁紙意匠として使用不可能である。
<塗工適性>
各実施例及び比較例において、赤外線反射層20を形成した際に、赤外線反射層20の表面側から目視による観察を行い、以下の評価基準に従って評価した。
「可」:赤外線反射層20の表面が均一であり、スジ、ムラ、抜けが無い。
「不可」:赤外線反射層20の表面が不均一であり、スジ、ムラ、抜けが有る。
Figure 2022170456000002
実施例1では、赤外線反射率が51%であり、また、60°グロス値が4.1で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が可であった。
実施例2では、赤外線反射率が48%であり、また、60°グロス値が4.1で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が可であった。
実施例3では、赤外線反射率が55%であり、また、60°グロス値が4.3で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が可であった。
実施例4では、赤外線反射率が62%であり、また、60°グロス値が4.1で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が可であった。実施例1、2及び実施例4を比較すると、アルミニウム粒子の粒径の減少に伴う赤外線反射率の増加が確認できる。これより、アルミニウム粒子の粒径の減少に伴い、表面積が増加することで、赤外線反射率の増加に寄与することがわかる。
実施例5では、赤外線反射率が49%であり、また、60°グロス値が4.1で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が可であった。実施例1と実施例5を比較すると、表面保護層を赤外線反射層よりも表側に備えていても、十分な赤外線反射率が得られることが確認できる。
比較例1では、赤外線反射率が23%であり、また、60°グロス値が3.3で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が可であった。比較例1と実施例1を比較すると、アルミニウム粒子を用いることによる赤外線反射率の増加が確認できる。これより、遮熱・保温効果を得るためには、赤外線反射層に二酸化チタン粒子よりもアルミニウム粒子を含有させることが有効であることがわかる。
比較例2では、赤外線反射率が26%であり、また、60°グロス値が4.1で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が可であった。比較例2と実施例1~3、実施例5を比較すると、P/V比の増加に伴う赤外線反射率の増加が確認できる一方で、P/V比が小さすぎると十分な赤外線反射率を得られないことがわかる。
比較例3では、赤外線反射率が58%であり、また、60°グロス値が4.1で意匠性が良であった。さらに、塗工適性が不可であった。比較例3と実施例1を比較すると、P/V比の増加に伴う赤外線反射率の増加が確認できる一方で、P/V比が大きすぎると塗工適性が低下することがわかる。
比較例4では、赤外線反射率が52%であり、また、60°グロス値が7.1で意匠性が不可であった。さらに、塗工適性が可であった。比較例4と実施例1を比較すると、隠蔽層によって赤外線反射層に起因する金属光沢が隠蔽され、意匠性が向上することがわかる。また、隠蔽層を赤外線反射層よりも表側に備えていても、十分な赤外線反射率が得られることがわかる。
1 内装用化粧シート
2 内装材
3 部屋
10 基材
11 裏打層
12 多孔質層
20 赤外線反射層
30 隠蔽層
40 絵柄層
50 表面保護層
60 接着層
70 被着体
80a 床面
80b 窓側内壁面
80c 側壁面
80d 天井面
80e 内部側内壁面

Claims (8)

  1. 基材、赤外線反射層、および隠蔽層をこの順に備え、
    前記赤外線反射層がアルミニウム粒子を含有し、
    前記アルミニウム粒子と、前記赤外線反射層に含まれる前記アルミニウム粒子以外の成分との重量比が、0.05以上1.5以下である、内装用化粧シート。
  2. 前記アルミニウム粒子の平均粒径が5μm以上20μm以下である、請求項1に記載の内装用化粧シート。
  3. 前記基材が多孔質層を備える、請求項1または請求項2に記載の内装用化粧シート。
  4. 前記隠蔽層が酸化チタン粒子を含有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内装用化粧シート。
  5. 前記酸化チタン粒子と、前記隠蔽層に含まれる前記酸化チタン粒子以外の成分との重量比が1.0以上3.0以下である、請求項4に記載の内装用化粧シート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内装用化粧シートが、被着体に積層された内装材。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内装用化粧シートが、内面に施工された部屋。
  8. 基材上に、アルミニウム粒子を含有する組成物によって、前記アルミニウム粒子と前記アルミニウム粒子以外の成分との重量比が0.05以上1.5以下となるように赤外線反射層を形成する第一工程、
    前記第一工程で形成された赤外線反射層上に、隠蔽層を形成する第二工程、
    を含む、内装用化粧シートの製造方法。
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