JP2019126984A - 遮熱性化粧シート及びこれを用いた化粧部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】暗色系である木目模様等の色彩及び絵柄の意匠性を有していても、遮熱効果に優れる遮熱性化粧シート及びこれを有する化粧部材を提供する。【解決手段】樹脂基材シートと装飾層とを有し、該樹脂基材シートが赤外線反射性能を有しており、該装飾層を構成する着色インキが、(1)アゾメチンアゾ系黒色顔料を含み、(2)赤色顔料及び黄色顔料から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ(3)青色顔料を含まない、遮熱性化粧シート及びこれを有する化粧部材である。【選択図】図1

Description

本発明は、遮熱性化粧シート及びこれを用いた化粧部材に関する。
壁、窓等の建築物の外装には、例えば金属部材、樹脂部材、あるいは木質部材を被着材として、これに化粧シートを貼り合せた化粧部材が提案されている。
しかし、上記樹脂部材の多くは、その耐熱性の上限温度が約70℃付近であることから、樹脂部材を被着材とした化粧部材は、太陽熱を原因とした変形を生じる場合がある。特に、窓枠の化粧部材は太陽光の照射を受けやすいため変形を生じやすい。
一方近年では、暗色系外装の需要が高まっており、窓枠等を含む化粧部材を例えば木目模様等の暗色系の色彩や絵柄に統一して意匠性を高めたいといった要望がある。しかし、暗色系の化粧部材は蓄熱性が高い傾向にあるため変形を生じやすい。特に、暗色系の色調を表現するために用いられる黒色顔料のカーボンブラックは、太陽光中に含まれる近赤外線吸収率が高く、吸収された近赤外線は熱に変換される。そのため、カーボンブラックを着色インキに用いた場合、化粧部材の太陽光に起因する変形が顕著となる。
そこで、カーボンブラックを用いずに暗色系を表現しようとする検討が行われている(例えば特許文献1及び2)。
特許文献1では、カーボンブラックを用いずにイソインドリノン、ジケトピロロピロール、及びフタロシアニン顔料を混合して黒色を再現し、木目模様を形成した遮熱性化粧シートが開示されている。
また、特許文献2では、フィルム基材に酸化チタンやフタロシアニン等の赤外線反射顔料を含有させ、絵柄層に用いる着色インキに上記赤外線反射顔料及びアゾメチンアゾ系顔料を含有させた遮熱化粧シートが開示されている。
特開2014−172197号公報 特許6111559号公報
特許文献1ではカーボンブラックを着色インキに用いないことで太陽熱を原因とした化粧部材の変形を抑制しており、特許文献2ではカーボンブラックを用いないことに加え、可視光線を吸収しかつ赤外光線を反射するアゾメチンアゾ系顔料を着色インキに含有させることで遮熱効果を得ている。
しかしながら、特許文献1及び2に開示の技術を用いても、暗色系である木目模様等の色彩及び絵柄を有する化粧シートでは、依然として太陽光の照射により赤外光の一部が吸収され十分満足できる遮熱効果を得ることはできていない。
本発明は、このような状況下になされたもので、暗色系である木目模様等の色彩及び絵柄の意匠性を有していても、遮熱効果に優れる遮熱性化粧シート及びこれを用いた化粧部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は下記本発明に想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]樹脂基材シート上に装飾層を有し、該樹脂基材シートが赤外線反射性能を有しており、該装飾層を構成する着色インキが、(1)アゾメチンアゾ系黒色顔料を含み、(2)赤色顔料及び黄色顔料から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ(3)青色顔料を含まない、遮熱性化粧シート。
[2]上記遮熱性化粧シートと被着材とを有する化粧部材。
[3]上記化粧部材を用いてなる窓枠。
本発明によれば、暗色系である木目模様等の色彩及び絵柄の意匠性を有していても、遮熱効果に優れる遮熱性化粧シート及びこれを用いた化粧部材を提供することができる。
本発明の遮熱性化粧シートの一実施形態を示す断面図である。 本発明の遮熱性化粧シートのその他の実施形態を示す断面図である。
[遮熱性化粧シート]
本発明の遮熱性化粧シートは、樹脂基材シート上に装飾層を有し、該樹脂基材シートが赤外線反射性能を有しており、該装飾層を構成する着色インキが、(1)アゾメチンアゾ系黒色顔料を含み、(2)赤色顔料及び黄色顔料から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ(3)青色顔料を含まない、ことを特徴とするものである。
本発明の遮熱性化粧シートは、装飾層を構成する着色インキが、(1)アゾメチンアゾ系黒色顔料を含み、(2)赤色顔料及び黄色顔料から選ばれる少なくとも1種を含むことで、暗色系の色彩を表現した意匠性を有するものとなる。また、上記樹脂基材シートが赤外線反射性能を有し、かつ上記着色インキが(1)アゾメチンアゾ系黒色顔料を含むことで、装飾層においてアゾメチンアゾ系黒色顔料が可視光線を吸収しつつ、近赤外線(780〜2500nm程度)を透過し、樹脂基材シートにおいて装飾層で透過した近赤外線を反射して、化粧シート全体で優れた遮熱性を発現する。さらに、上記着色インキが(3)青色顔料を含まないことで、青色顔料を含有させた場合に比べ遮熱性をより向上させることができる。
上記によって本発明は、暗色系である木目模様等の色彩及び絵柄の意匠性を有していても、遮熱効果に優れる遮熱性化粧シート及びこれを有する化粧部材とすることができる。
なお暗色系とは、本発明においては、例えば、濃灰色、深緑色、紺色、黒色、濃紫色、臙脂(えんじ)色、茶色等の低明度、低彩色の暗い感じのする色を意味する。
(樹脂基材シート)
本発明における樹脂基材シートは赤外線反射性能を有するものであり、樹脂基材に赤外線反射性能を示す着色剤を含有させることにより当該性能を発現させることができる。
〈着色剤〉
赤外線反射性能を示す着色剤としては、白色顔料及び金属顔料等が挙げられ、これらの中でも近赤外線(波長780〜2500nmの光)の反射特性に優れることから、酸化チタン及びアルミニウムが好ましい。特に、白色顔料である酸化チタンは、装飾層の暗色系の色相を損ないにくい点で好適である。すなわち、樹脂基材シートは酸化チタンを含むものであることがさらに好ましい。
酸化チタンには、アナターゼ型、ブルッカイト型及びルチル型があり、いずれも用いることができるが、隠蔽性(発色)に優れ、耐候性を考慮すると、ルチル型が好ましい。ルチル型の酸化チタンは、光触媒活性が低いため、直射日光に晒される環境下で用いても、光触媒反応が生じにくく、光触媒反応による耐候性への影響が低減され、耐候性が向上する。また、酸化チタンの光触媒活性をさらに低減させる観点から、白色顔料としての酸化チタン粒子の表面を光触媒活性が発現しやすい物質で被覆したものを用いることが好ましい。かかる光触媒活性を発現しやすい物質としては、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム等の金属原子を含む化合物が好ましく挙げられ、化合物としては酸化物が代表的であり、例えば、シリカ等の酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が好ましく挙げられる。
酸化チタンの一次粒子の平均粒径は、0.02μm以上1.5μm以下が好ましく、0.15μm以上0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.3μm以下がさらに好ましい。酸化チタンの平均粒径が上記範囲内であると、好適な赤外線反射性能が得られ、高い隠蔽性とともに、優れた意匠が得られる。
酸化チタンの含有量は、遮熱性の観点から、樹脂基材シートを構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、上限として好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。
〈樹脂基材〉
樹脂基材は、通常化粧シートの基材として用いられるものを制限なく採用することができ、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂基材が使用される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下、「ABS樹脂」とも称する。)、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂などが使用される。これらの中で、取扱い易さ、加工特性等を考慮すると、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びABS樹脂が好ましく、特にポリオレフィン樹脂が好ましい。本発明においては、これらの樹脂を1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。中でも、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体が好ましい。
遮熱性化粧シートを外装用部材とした場合の耐候性の観点から、紫外線吸収剤及び光安定剤等の耐候剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。また、光安定剤としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合である官能基等を有する反応性基含有ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられ、中でもデカン二酸(セバシン酸)由来のヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
樹脂基材シート中の紫外線吸収剤の含有量は、樹脂基材を構成する樹脂100質量部に対し、通常0.1〜5質量部である。また、樹脂基材シート中の光安定剤の含有量は、樹脂基材を構成する樹脂100質量部に対し、通常0.5〜10質量部である。
さらに、樹脂基材には必要に応じて、各種添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、酸化防止剤等が挙げられる。添加剤の配合量は特に制限はなく、要求特性等に応じて適宜設定できる。これら添加剤は1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂基材シートは、単層構造であってもよく、同種あるいは異種の層を二以上有する複層構造であってもよい。
樹脂基材シートの厚さは、取り扱い性及び強度のバランスの観点から、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上がさらに好ましい。上限としては、200μm以下が好ましく、160μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。
樹脂基材シートは、装飾層等の遮熱性化粧シートを構成する他の層との密着性の向上のため、あるいは、後述する被着体との接着性の強化等のために、その片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。
(装飾層)
〈層構成〉
本発明における装飾層を構成する層として、意匠性の観点から絵柄層を有することが好ましい。
絵柄としては、木目模様、大理石模様、石目模様、砂目模様、層布地模様等を挙げることができる。これらの中でもニーズの多い暗色系の色彩及び絵柄であり、本発明の遮熱性化粧シートの効果を好適に発揮することができる観点から木目模様であることが好ましい。
装飾層を構成する層として、さらにベタ印刷層を有することが好ましい。意匠性により深みを与えかつ均等な遮熱性を付与する観点から図1又は図2で示されるように、装飾層2は樹脂基材シート側から、ベタ印刷層2a及び絵柄層2bの順で構成されることがより好ましい。すなわち、樹脂基材シート、ベタ印刷層、及び絵柄層の順で有する遮熱性化粧シートであることが好ましい。
絵柄層は、単層であってもよく、絵柄及び着色インキがそれぞれ同一又は異なる層を二層以上設けた複層構造であってもよい。より繊細な意匠性を発現させる観点から、絵柄層は、絵柄及び着色インキがそれぞれ異なる層を二層以上設けた絵柄層であることが好ましく、絵柄及び着色インキがそれぞれ異なる三層から構成される絵柄層であることがより好ましい。
また、ベタ印刷層は、単層であってもよく、同一の着色インキあるいは異なる着色インキを用いた層を二層以上設けた複層構造であってもよい。
絵柄層及びベタ印刷層に用いられる後述の着色インキは、上述の(1)〜(3)を満たせば同一でも異なるものでもよいが、絵柄層及びベタ印刷層で用いられる着色インキは異なるものが好ましい。
なお、本発明において着色インキが異なるとは、用いる顔料が異なる場合のみならず、同一種であってもそれぞれの含有量が異なる場合も含まれる。
装飾層の厚さは、意匠性及び遮熱性の観点から、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上がさらに好ましい。また、装飾層の上限としては、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、8μm以下がさらに好ましい。
〈着色インキ〉
本発明における装飾層を構成する着色インキは、(1)アゾメチンアゾ系黒色顔料を含み、(2)赤色顔料及び黄色顔料から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ(3)青色顔料を含まないことを要する。
前述のとおり、カーボンブラックは吸熱を促進するため、化粧シート等の変形を防止する観点からは使用量は制限せざるを得ない。そのため、カーボンブラックの代わりに、赤色系顔料、黄色系顔料及び青色系顔料を混合した着色インキを用いることにより黒色を表現することが行われている。しかし、上記顔料を混合した着色インキを用いても遮熱性が不十分であった。これは、着色インキがフタロシアニン系等の青色顔料の顔料を含むことで、近赤外光領域での分光反射率が低下し、化粧シートの遮熱性能を十分満足させることができなくなるためであると考えられる。
そこで本発明では、着色インキに用いる着色剤として、少なくとも上記(1)〜(3)を満たすことで、意匠性及び遮熱性を優れたものとする。
アゾメチンアゾ系顔料は、テトラクロロフタルイミドとアミノアニリンの反応化合物であるジアゾニウム基を有するものである。
赤色顔料としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料、スレン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、及びジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料;無機硫化物、無機酸化物、及び無機複合酸化物等の無機顔料等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはアゾ系顔料、縮合多環系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、酸化鉄赤色顔料であり、より好ましくはジスアゾ、ポリアゾ、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、酸化鉄赤色顔料である。赤色顔料は1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
黄色顔料としては、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、キノフタロン系顔料、及びニッケルアゾ錯体系顔料等の有機顔料;無機硫化物、無機酸化物、及び無機複合酸化物等の無機顔料等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはイソインドリノン系顔料、ニッケルアゾ錯体系顔料、酸化鉄黄色顔料であり、より好ましくはイソインドリノン、ニッケルアゾ錯体、酸化鉄黄色顔料である。黄色顔料は1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
上記(2)赤色顔料及び黄色顔料から選ばれる少なくとも1種を含むとする要件は、赤色顔料及び黄色顔料をそれぞれ少なくとも1種併用することが好ましく、中でもキナクリドン、ニッケルアゾ錯体、酸化鉄赤色顔料、及び酸化鉄黄色顔料から選ばれる赤色顔料及び黄色顔料をそれぞれ少なくとも1種併用する組合せがより好ましい。
着色インキとして、上記アゾメチンアゾ系黒色顔料、赤色顔料及び黄色顔料を組み合わせ、各顔料の含有量を適宜調整して用いることにより、所望する暗色系の明度及び濃淡等を表現することができる。
着色インキ中の固形分基準の顔料の含有量は、上記のとおり所望の意匠における暗色系の明度及び濃淡等の度合いに応じて適宜調整すればよいが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、上限として好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
上記顔料の平均粒径としては、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上であり、上限として好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。平均粒径が上記範囲内であると、より繊細な意匠が得られやすく、またアゾメチンアゾ系顔料の場合は、優れた遮熱性も得られやすく、遮熱性化粧シート及び化粧部材の反り等の変形を防止しやすくなる。ここで、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50として求めることができる値である。
また、着色インキには、上記(1)〜(3)を満たし、かつ遮熱性及び意匠性を損なわない範囲で、アゾメチンアゾ系黒色顔料、赤色顔料及び黄色顔料以外の有機顔料、無機顔料及び染料等の着色剤を含有させてもよい。また、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤を適宜含有させてもよい。
しかし、着色インキにおいて、カーボンブラック等の吸熱を促進するような着色剤の含有量は少ないことが好ましく、より好ましくは含有させないことである。
さらに着色インキには、その他必要に応じた添加剤、例えば、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜添加することができる。添加剤の添加量は特に制限はなく、要求特性等に応じて適宜設定できる。これら添加剤は1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
着色インキに用いられるバインダー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン−アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン−アクリル共重合体)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。また、1液硬化型の他、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPID)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のイソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型など、種々のタイプの樹脂を用いることができる。
(他の層)
本発明の遮熱性化粧シートは、樹脂基材シート及び装飾層以外の他の層、例えば、透明性樹脂層、表面保護層等を必要に応じて有することができる。本発明の遮熱性化粧シートの具体的な実施形態の一例として、図2の断面図が示される。図2において、遮熱性化粧シート10は、樹脂基材シート1、ベタ印刷層2a及び絵柄層2bを有する装飾層2、さらに透明性樹脂層3及び表面保護層4を順に有している。
以下、本発明の遮熱性化粧シートが有しうる、他の層について説明する。
〈透明性樹脂層〉
遮熱性化粧シートは、装飾層を保護する観点から、装飾層上に直接、又は他の層を介して透明性樹脂層を設けることができる。
透明性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が好ましく挙げられる。中でも、耐候性及び耐傷性等の表面特性の向上の観点から、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂がさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、樹脂基材を構成し得るものとして例示した樹脂が挙げられ、中でもポリプロピレン樹脂が好ましい。
透明性樹脂層は、必要に応じて、添加剤が配合されていてもよく、例えば、上記樹脂基材中に配合し得る添加剤として例示したものを用いることができる。各種の添加剤の中でも、紫外線吸収剤、光安定剤といった耐候剤を用いることが好ましい。添加剤の添加量は特に制限はなく、要求特性等に応じて適宜設定できる。
透明性樹脂層の厚さは、装飾層の保護の向上の観点から、10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましい。また、化粧部材の取り扱い性の観点から、上限としては、150μm以下が好ましく、120μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。また、装飾層の保護の向上の観点から、樹脂基材シートと同等以上の厚さとすることが好ましい。
透明性樹脂層は、透明性樹脂層と他の層との層間密着性の向上等のために、その片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。これらの表面処理は処理する樹脂の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から、好ましく用いられる。
また、透明性樹脂層と他の層との層間密着性の向上のために、透明性樹脂層の片面又は両面にプライマー層を形成する等の処理を施してもよい。このプライマー層については、後述する。
〈表面保護層〉
化粧シートには、主に耐傷性及び耐候性等の表面特性を付与する観点から、装飾層上に直接、又は他の層、例えば、必要に応じて設けられる接着剤層、透明性樹脂層、又は装飾層と表面保護層との層間密着性を向上させるためのプライマー層等の上に表面保護層を設けることができる。
表面保護層は、硬化性樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物で構成される層である。
表面保護層の形成に用いられる硬化性樹脂としては、2液硬化型樹脂等の熱硬化性樹脂の他、電離放射線硬化性樹脂等が好ましく用いられ、これらの複数種を組み合わせた、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用する、又は硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用する、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。
硬化性樹脂としては、表面保護層を構成する樹脂の架橋密度を高め、より優れた耐傷性及び耐候性等の表面特性とを得る観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、また、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化性樹脂がより好ましい。
(電離放射線硬化性樹脂)
電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂のことであり、電離放射線硬化性官能基を有するものである。ここで、電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられる。また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、特に制限はない。多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーの官能基数は、より優れた耐傷性及び耐候性等の表面特性を得る観点から、好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
これらの重合性オリゴマーは、1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。より優れた耐傷性及び耐候性等の表面特性を得る観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましい。
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーの官能基数は、より優れた耐傷性及び耐候性等の表面特性を得ることができ、また製造過程において収縮するおそれがない観点から、好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
これらの重合性オリゴマーの重量平均分子量は、より優れた耐傷性及び耐候性等の表面特性を得る観点から、1,000以上が好ましく、1,200以上がより好ましい。また、上限としては、12,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
電離放射線硬化性樹脂は、上記多官能性(メタ)アクリレート等とともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを適宜併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは、1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、耐傷性及び耐候性等の表面特性を向上させる観点から、重合性オリゴマーを含むものであることが好ましい。電離放射線硬化性樹脂中の重合性オリゴマーの含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、100質量%がよりさらに好ましい。
表面保護層を構成する硬化性樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。表面保護層が紫外線吸収剤を含むことで、表面保護層中に紫外線吸収剤が安定して保持されるので、厳しい環境下においても、優れた耐候性が得られる。また、表面保護層を構成する硬化性樹脂組成物は、耐候性を向上させる観点から、光安定剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤及び光安定剤は、樹脂基材中に配合しうる紫外線吸収剤及び光安定剤として例示したものが挙げられる。
また、紫外線吸収剤及び光安定剤は、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有するものであってもよい。表面保護層を構成する硬化性樹脂との相互作用により、ブリードアウトしにくくなるため、より多量に用いることができ、より優れた耐候性が得られる。表面保護層において、これらの紫外線吸収剤及び光安定剤は、1種単独で、又は2種以上を併用することができる。
表面保護層中の紫外線吸収剤の含有量は、表面保護層を構成する硬化性樹脂100質量部に対し、通常0.1〜20質量部である。また、表面保護層中の光安定剤の含有量は、表面保護層を構成する硬化性樹脂100質量部に対し、通常0.1〜10質量部である。
表面保護層には、添加剤として、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の紫外線吸収剤、光安定剤の他、紫外線遮蔽剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、溶剤等を添加することができる。
表面保護層の厚さは、装飾層を保護する観点から、2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましい。また、化粧シートを成形する際の表面保護層のクラック抑制の観点から、表面保護層の厚さは15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、8μm以下がさらに好ましい。
〈接着剤層〉
本発明の遮熱性化粧シートには、さらに必要に応じて接着剤層を設けることができる。
特に、化粧シートが前述した透明性樹脂層を有する場合、装飾層と該透明性樹脂層との層間密着性を向上させるときに、接着剤層を設けることは有効である。接着剤層を構成する接着剤としては、通常化粧シートで用いられる接着剤を制限なく用いることができる。
接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、中でも、ウレタン系接着剤が接着力の点で好ましい。なお、ウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートジオール等の各種ポリオール化合物と、上記の各種イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。また、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。
接着剤層の厚さは、十分な接着性が得られる観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、上限として好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
〈プライマー層〉
本発明の遮熱性化粧シートには、さらに必要に応じてプライマー層を設けることができる。
プライマー層は、主に層間密着性の向上効果を得るために設けられる層である。また、プライマー層が、樹脂基材シートの装飾層側とは反対側の面に設けられる場合(このような場合のプライマー層は、「裏面プライマー層」とも称される。)は、樹脂基材シートと後述の被着体との層間密着性を向上することができる。
プライマー層は、樹脂基材シートと装飾層との間、接着剤層と透明性樹脂層との間、透明性樹脂層と表面保護層との間、樹脂基材シートの装飾層側とは反対側の面、から選らばれる何れか1箇所以上に設けることができる。
プライマー層の形成には、バインダーに硬化剤、また紫外線吸収剤及び光安定剤等の耐候剤等の添加剤を適宜混合した樹脂組成物が用いられる。
バインダーとしては、例えば、上記の装飾層に用い得るバインダーとして例示した樹脂が好ましく挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を併用することができる。例えば、アクリル−ウレタン樹脂や、ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体とアクリルポリオール樹脂との混合物等をバインダーとして用いることができる。
また、1液硬化型の他、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPID)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のイソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型等、種々のタイプの樹脂を用いることができる。
紫外線吸収剤及び光安定剤は、樹脂基材中に配合しうる紫外線吸収剤及び光安定剤として例示したものが挙げられる。
プライマー層における紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対し、通常1〜40質量部である。また、プライマー層における光安定剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対し、通常0.5〜20質量部である。
プライマー層中の紫外線吸収剤及び光安定剤の含有量が上記範囲内であると、プライマー層としての優れた性能とともに、優れた耐候性が得られる。
プライマー層の厚さは、層間密着性の向上効果、さらには各層の熱収縮の緩和効果を得る観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上がさらに好ましい。また、上限としては、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、6μm以下がさらに好ましい。
(遮熱性化粧シートの製造方法)
本発明の遮熱性化粧シートの製造方法について、好ましい態様の一つである、樹脂基材シート、装飾層、接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する遮熱性化粧シートを例にとって説明する。
本発明の遮熱性化粧シートは、例えば、樹脂基材シートに装飾層を設ける工程(1)、該装飾層上に透明性樹脂層を設ける工程(2)、及び該透明性樹脂層上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成する工程(3)を順に経ることにより製造することができる。
工程(1)は、樹脂基材シート上に装飾層を設ける工程である。装飾層は、樹脂基材シート上に装飾層の形成に用いられる着色インキを塗布して所望の装飾層、例えばベタ印刷層及び絵柄層を設けることにより形成される。該着色インキの塗布は、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式により行うことができる。
絵柄層は、前述たように、所望の絵柄に応じて一層構成としてもよく、また多層構成としてもよいが、より繊細な絵柄の意匠を得る観点から多層構成とすることが好ましい。すなわち、多層構成の絵柄層の形成において、一つの版で絵柄を形成してもよいし、各層で個々の版を用いて重ねて刷ることによって形成することもできる。また、各層で用いる着色インキは同一でもよく、異なっていてもよい。
より繊細な絵柄の意匠を得る観点から、絵柄層は、各層で個々の版及び異なる着色インキを用いて重ねて刷る、多色印刷等の手法により形成することが好ましい。
また、樹脂基材シートに表面処理を施す場合は、装飾層を設ける前に表面処理を行えばよい。樹脂基材シートと装飾層との間にプライマー層を設ける場合、装飾層の形成前にプライマー層を設ければよく、また裏面プライマー層を設ける場合は、装飾層の形成後に設ければよい。プライマー層の形成は、プライマー層を構成する樹脂組成物を、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布して形成すればよい。
工程(2)は、装飾層上に透明性樹脂層を設ける工程である。透明性樹脂層は、上記の装飾層に必要に応じて接着剤を塗布して接着層を形成した後に、樹脂層を構成する樹脂組成物を押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着及び圧着させて積層して形成することができる。
透明性樹脂層に表面処理を施す場合は、透明性樹脂層を設けた後に表面処理を行えばよい。
また、透明性樹脂層と表面保護層との間にプライマー層を設ける場合、透明性樹脂層を設けた後にプライマー層を構成する樹脂組成物を用いてプライマー層を設ければよい。
工程(3)は、透明性樹脂層上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成する工程である。
表面保護層は、上記の電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を、透明性樹脂層あるいは該透明性樹脂層上に所望に応じて設けられたプライマー層の上に塗布し、硬化させて得られる。なお、透明性樹脂層を設けない場合は、樹脂基材シートに装飾層を設けた後、硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
表面保護層を形成するための、樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚さが所定の厚さとなるように、好ましくはグラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により、より好ましくはグラビアコート又はロールコートにより行う。
表面保護層の形成に電離放射線樹脂組成物を用いる場合、該樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して硬化物とすることで、表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常70〜300keV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
表面保護層の形成に熱硬化性樹脂組成物を用いる場合は、使用する樹脂組成物に応じた熱処理を施して、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
[化粧部材]
本発明の化粧部材は、上述の本発明の遮熱性化粧シートと被着材とを有するものである。具体的に上記化粧部材は、遮熱性化粧シートの樹脂基材シート面と、被着材の装飾を要する面とが対向して積層されたものである。すなわち、本発明の化粧部材は、少なくとも、被着材、樹脂基材シート、及び装飾層をこの順に有するものである。
(被着材)
被着材としては、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(あるいはフィルム)等が挙げられる。また、本発明の遮熱性化粧シートの遮熱効果に優れる特性から、被着材は樹脂部材が好適である。
樹脂部材としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等が挙げられる。
また、被着材は樹脂部材の他に、木質部材、金属部材、窯業部材等であってもよい。上記各種部材は、1種単独で、又は2種以上を併用することができる。
被着材は、上記の中から用途に応じて適宜選択すればよく、壁、天井、床等の建築物の内装材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材を用途とする場合は、木質部材、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも1種の部材からなるものが好ましく、玄関ドア、屋根等の外装用部材、窓枠、扉等の建具を用途とする場合は、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも1種の部材からなるものが好ましい。
また被着体の厚さは、用途及び材料に応じて適宜選択すればよく、0.1mm以上30mm以下が好ましく、0.3mm以上20mmがより好ましく、0.5mm以上10mm以下がさらに好ましい。
(接着剤)
被着体と遮熱性化粧シートとは、優れた接着性を得るため、接着層を介して貼り合わせられることが好ましい。
接着層に用いられる接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤を使用することができ、例えば、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤が好ましく挙げられる。この接着剤層を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、イソシアネート化合物等を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤も適用し得る。
また、接着層には、粘着剤を用いることもできる。粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
接着層の厚さは特に制限はないが、優れた接着性を得る観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
(化粧部材の製造方法)
化粧部材は、遮熱性化粧シートと被着体とを積層する工程を経て製造することができる。
本工程は、被着体の装飾を要する側の面と、遮熱性化粧シートの樹脂基材シート面とを対向させて積層する。被着体と遮熱性化粧シートとを積層する方法としては、例えば、接着層を介して遮熱性化粧シートを板状の被着体に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法等が挙げられる。
接着剤としてホットメルト接着剤(感熱接着剤)を用いる場合、接着剤を構成する樹脂の種類にもよるが、加温温度は160℃以上200℃以下が好ましく、反応性ホットメルト接着剤では100℃以上130℃以下が好ましい。また、真空成形加工の場合は加熱しながら行うことが一般的であり、80℃以上130℃以下が好ましく、より好ましくは90℃以上120℃以下である。
(用途)
以上のようにして得られる化粧部材は、種々の用途、例えば、塀、屋根、壁、天井、床、窓枠、扉枠、扉、棚、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建築物の内装材又は外装用部材;キッチン、家具又は弱電製品;OA機器等のキャビネットの表面化粧板;ダッシュボード、グローブボックス、インパネアッパーケース、センターコンソール及びフロアコンソール等車両の内装材又は外装用部材等に用いることができる。
本発明の化粧シート及び化粧部材は、木目模様等の色彩及び絵柄の意匠性を有していても、遮熱効果に優れることから、熱による変形を抑制できる。そのため本発明の化粧部材は、とりわけ壁、窓、扉、手すり等の建築物の外装用の部材として用いることが好ましく、特に、太陽光の照射による熱が問題となりやすい窓枠用の外装用部材として好適に用いることができる。
[遮熱性]
(明度(L値))
本発明の遮熱性化粧シートは、上述の構成により優れた遮熱性を発現するものである。とりわけ、暗色系である木目模様等の色彩及び絵柄の意匠性を有していても、遮熱性化粧シートの色調の明度にかかわらず優れた遮熱性を維持することができる。
例えば、着色インキとしてフタロシアニン等の青色顔料を用いて黒色系を表した場合では、明度が暗くなるにしたがい分光反射率及び表面温度が劣るものとなり、優れた遮熱性を維持することはできない。
一方、本発明の遮熱性化粧シートであれば、明度を表すJIS Z8781−4:2013に準拠して測定されるCIE(国際照明委員会)L表色系のL値が42以下、さらに40以下、さらに35以下、さらに30〜25の範囲であっても優れた遮熱性を発現することができる。
なお、L値のより具体的な測定方法は後述の実施例に記載のとおりである。
(分光反射率)
また、本発明の化粧シートはJIS K5602:2008(塗膜の日射反射率)に準拠して測定した波長780〜2500nmの分光反射率が、好ましくは72%以上、より好ましくは73%以上、さらに好ましくは74%以上の遮熱性を発現することが可能である。
なお、分光反射率のより具体的な測定方法は後述の実施例に記載のとおりである。
(表面温度)
また、本発明の化粧部材は遮熱性能に優れることから、窓枠等の外装用部材として用いた場合、化粧部材の表面温度上昇を抑えることができる。
具体的には、IEC−60904−3で規定する温帯地域用のAM1.5Gの基準太陽光を照射するソーラーシミュレーターを用いた擬似太陽光照射測定方法において、化粧部材の表面温度を通常70℃以下、好ましくは65℃以下、より好ましくは62℃以下に維持することが可能である。
なお、表面温度のより具体的な測定方法は後述の実施例に記載のとおりである。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.測定及び評価
1−1.L値の測定
実施例及び比較例で得られた化粧シート(大きさ:100cm×100cm)を100に分割した(分割した一つあたりの大きさ:10cm×10cm)。
分割したシートの任意の20の各々について、コニカミノルタホールディングス株式会社の分光測色計(商品名:CM−3500d)を用い、JIS Z8781−4:2013に準拠して、CIE(国際照明委員会)L表色系のL値を測定し、測定値の平均値を分割したシートのL値とし、20の分割したシートのL値の平均値を化粧シートのL値とした。
値の測定時の光入射角は5度として、光源はD65光源を用いた。
1−2.日射反射率(全波長域及び近赤外域)
実施例及び比較例で得られた化粧シートについて、コニカミノルタホールディングス株式会社の分光測色計(商品名:CM−3500d)を用い、JIS K5602:2008に準拠して、波長300〜2500nm(全波長域)及び波長780〜2500nm(近赤外域)の分光反射率を測定し(測定波長の間隔は1nm)、分光反射率の平均を算出した。
分光反射率の測定時の光入射角は5度として、光源はD65光源を用いた。
1−3.表面温度
熱伝導率0.028W/(m・K)以下の断熱材(JIS A9511:2009の3種bの規格を満たす、A種押出法ポリスチレンフォーム保温板。株式会社カネカの商品名「カネライトフォーム スーパーE-III」。厚み25mm)を、縦20cm、横20cmの大きさに切断した。次いで、波長780〜2500nmの分光反射率の平均が80%の遮熱材(プレイリーホームズ株式会社の商品名「アストロフォイル」。両表面のアルミニウム膜の間に空気を含む中間層を有する構成からなる遮熱材)を、縦22cm、横22cmの大きさに切断した。次いで、実施例及び比較例で作製した化粧部材を縦9cm、横4cmに切断した。
切断した上記断熱材、遮熱材及び化粧部材をこの順に重ね、さらに、遮熱材の化粧部材側の面のうち化粧部材で覆われていない箇所を、波長780〜2500nmの分光反射率の平均が87.8%の反射材(アルミテープ。古藤工業株式会社社製の商品名Monf)で覆い、測定用のサンプルを作製した。サンプル内では、化粧部材の被着体側の面が遮熱材側を向くように配置した。また、サンプルを面方向から観察した際に、断熱材及び遮熱材の中心に化粧部材が位置するように、化粧部材を配置した。なお、化粧部材の表面には、温度測定用のリード線直結形の熱電対(株式会社佐藤商事の商品名「TPK−01」)を設置した。なお、熱電対の先端が化粧部材の表面に密着するようにするため、熱電対の先端の上から、縦2cm×横1cmのポリイミドテープ(アズワン社製、品番:KS-200055-3、厚み0.055mm)を押し当て、該テープの上下の短辺をアルミテープ(古藤工業株式会社の商品名「monfアルミテープ」)で固定した。
次いで、IEC−60904−3で規定する温帯地域用のAM1.5Gの基準太陽光を照射するソーラーシミュレーター(株式会社三永電機製作所の商品名「XES−155S1」。IEC−60904−9のスペクトル合致度「A」、時間変動率「A」、放射照度の場所ムラ「A」)を用いて、サンプルの300mm上方からサンプルの化粧部材側の面に、1時間あたりのエネルギー積算値が1.12W/mとなるように基準太陽光を照射し、90分後の化粧部材の表面温度を測定した。基準太陽光の照射開始時の空間温度は28℃とした。
[実施例1]
樹脂基材シートとして白色ポリプロピレンシート(厚さ:60μm、ランダムポリプロピレン樹脂100質量部に対して平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタン粒子を10質量部含有)を用意して、該シートの一方の面に、プライマー剤(アクリル−ウレタン樹脂)を用いてグラビアコート法により裏面プライマー層(厚さ:2μm)を設けた。
次いで、該裏面プライマー層を設けた面とは反対側の面に、下記表1に示す処方のベタ印刷層形成用着色インキをグラビア印刷法により塗布、乾燥し、次いで下記表1に示す処方で構成される絵柄層1、2及び3形成着色インキをそれぞれ用いて、絵柄層1、2及び3を順次印刷して3層からなる木目模様の絵柄層を形成し、厚さ4μmの装飾層を形成した。
なお、表1に示すバインダー樹脂として2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂を用い、溶剤としてメチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル及びイソプロピルアルコールの混合溶剤を用いた。
次いで、装飾層上に、接着剤層(2液硬化型ウレタン樹脂、厚さ:5μm)を形成し、該接着剤層上に、透明性樹脂層(透明ポリプロピレン樹脂、厚さ:80μm)を押出しラミネート方式で積層した。
次いで、透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、2液硬化性ウレタン樹脂組成物をグラビア印刷法で塗布してプライマー層(厚さ:3μm)を形成した。
次いで、プライマー層上に下記処方の表面保護層形成用インキをロールコート法で塗布し、電子線照射装置を用いて、酸素濃度:200ppm、加速電圧:175keV、照射量:5Mradの条件で電子線を照射し、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて、厚さ3μmの表面保護層を形成し、化粧シートを得た。
<表面保護層形成用インキ>
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマー 80質量部
(重量平均分子量:1500)
・6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー 20質量部
(重量平均分子量:1500)
・無機充填剤 14質量部
(シリカ粒子、平均粒径:11μm)
次いで、化粧シートの裏面プライマー層側の面と、厚み2mmの塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂被着体(ユニサンデー社製の白色塩化ビニル板、品番「EB232−5」、塩化ビニル樹脂の割合:50質量%以上)とを、接着層(酢酸ビニル系水性エマルジョン接着剤、厚さ:7μm)を介して貼り合わせ、実施例1の化粧部材を得た。
[実施例2]
装飾層を構成する着色インキを下記表2に示す処方(質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の化粧シート及び化粧部材を得た。
[実施例3]
装飾層を構成する着色インキを下記表3に示す処方(質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の化粧シート及び化粧部材を得た。
[比較例1]
装飾層を構成する着色インキを下記表4に示す処方(質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の化粧シート及び化粧部材を得た。
[比較例2]
装飾層を構成する着色インキを下記表5に示す処方(質量部)に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2の化粧シート及び化粧部材を得た。
[比較例3]
装飾層を構成する着色インキを下記表6に示す処方(質量部)に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例3の化粧シート及び化粧部材を得た。
各実施例及び比較例における、上述の測定及び評価結果を下記表7に示す。
実施例1〜3ではL値にかかわらず近赤外域の分光反射率が74%以上で維持されているが、比較例1〜3ではL値が小さくなるに従い分光反射率が低下している。このことから、それぞれ同程度のL値である実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3の対比により、本発明の遮熱性化粧シートは色調の明度にかかわらず、優れた遮熱性を維持できることがわかる。
また、表面温度についても実施例1〜3では比較例1〜3に比べ、色調が暗くなるに伴う表面温度の上昇を抑えることができることがわかる。
なお、青色顔料含有着色インキでは、絵柄や色味によって分光反射率が上記比較例よりもさらに低くなった場合、カーボンブラック含有着色インキと同様に表面温度が70℃以上となると考えられる。一方、本発明の化粧シートを用いれば、絵柄や色味にかかわらず近赤外域において高い分光反射率を維持でき、表面温度の上昇を抑えることができる。
本発明の化粧シートは、木目模様等の色彩及び絵柄の意匠性を有していても、遮熱効果に優れることから、熱による変形を抑制できる。そのため本発明の化粧シートは、壁、窓、扉、手すり、塀、柵、簀子等の化粧部材として有用であり、特に、太陽光の照射が過度になりやすい窓枠用の部材として極めて有用である。
10:遮熱性化粧シート
1:樹脂基材シート
2:装飾層
2a:ベタ印刷層
2b:絵柄層
3:透明性樹脂層
4:表面保護層

Claims (9)

  1. 樹脂基材シート上に装飾層を有し、該樹脂基材シートが赤外線反射性能を有しており、該装飾層を構成する着色インキが、(1)アゾメチンアゾ系黒色顔料を含み、(2)赤色顔料及び黄色顔料から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ(3)青色顔料を含まない、遮熱性化粧シート。
  2. 前記装飾層を構成する層として絵柄層を有し、該絵柄層が木目模様により構成される、請求項1に記載の遮熱性化粧シート。
  3. 前記樹脂基材シートが酸化チタンを含む、請求項1又は2に記載の遮熱性化粧シート。
  4. 前記赤色顔料が、ジスアゾ、ポリアゾ、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、及び酸化鉄赤色顔料から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の遮熱性化粧シート。
  5. 前記黄色顔料が、イソインドリノン、ニッケルアゾ錯体、及び酸化鉄黄色顔料から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の遮熱性化粧シート。
  6. JIS K5602:2008に準拠して測定した波長780〜2500nmの分光反射率が72%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の遮熱性化粧シート。
  7. JIS Z8781−4:2013に準拠して測定されるCIE(国際照明委員会)L表色系のL値が42以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の遮熱性化粧シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の遮熱性化粧シートと被着材とを有する化粧部材。
  9. 請求項8に記載の化粧部材を用いてなる窓枠。
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