〔定義〕
本発明において使用されるパラメータは以下の通り定義される。
「L*a*b*表色系」は、CIE(国際照明委員会)で規格化され、JIS Z 8781−4:2013で採用されている表色系を意味する。L*a*b*表色系において、明度はL*で表され、色度はa*及びb*で表され、彩度はC*=((a*)2+(b*)2)1/2で表される。
化粧シート又は暗色基材層に関する「反射光に基づいて測定されるL*a*b*表色系のL*及びC*」は、分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用して、化粧シートの第1主面又は暗色基材層の第1主面側の表面へ入射角10度(化粧シートの第1主面又は暗色基材層の第1主面側の表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて測定する。
化粧シート又は暗色基材層に関する「透過光に基づいて測定されるL*a*b*表色系のL*及びC*」は、分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用して、化粧シートの第2主面又は暗色基材層の第2主面側の表面へ入射角0度(化粧シートの第2主面又は暗色基材層の第2主面側の表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線透過光に基づいて測定する。
化粧シート又は暗色基材層に関する「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率(%)」は、下記式に基づいて算出する。
波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率(%)=100(%)−波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率(%)−波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率(%)
化粧シート又は暗色基材層に関する「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率(%)」は、波長781nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長781nm、782nm、783nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した1720個の分光反射率の和を1720で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用して、化粧シートの第1主面又は暗色基材層の第1主面側の表面に入射角5度(化粧シート又は暗色基材層の表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定する。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。
化粧シート又は暗色基材層に関する「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率(%)」は、波長781nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長781nm、781nm、782nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光透過率(%)を測定し、測定した1720個の分光透過率の和を1720で割ることにより算出する。「各波長の分光透過率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、化粧シートの第1主面又は暗色基材層の第1主面側の表面に入射角0度(化粧シート又は暗色基材層の表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として測定する。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。
化粧シート又は暗色基材層に関する「波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率(%)」は、下記式に基づいて算出する。
波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率(%)=100(%)−波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射率(%)−波長域300nm以上780nm以下の平均分光透過率(%)
化粧シート又は暗色基材層に関する「波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射率(%)」は、波長300nmから波長780nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・、778nm、779nm、780nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した481個の分光反射率の和を481で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用して、化粧シートの第1主面又は暗色基材層の第1主面側の表面に入射角5度(化粧シート又は暗色基材層の表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定する。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。
化粧シート又は暗色基材層に関する「波長域300nm以上780nm以下の平均分光透過率(%)」は、波長300nmから波長780nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・、778nm、779nm、780nm)の分光透過率(%)を測定し、測定した481個の分光透過率の和を481で割ることにより算出する。「各波長の分光透過率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、化粧シートの第1主面又は暗色基材層の第1主面側の表面に入射角0度(化粧シート又は暗色基材層の表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として測定する。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。
暗色基材層に関する「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率(%)」、「波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射率(%)」、「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率(%)」及び「波長域300nm以上780nm以下の平均分光透過率(%)」は、暗色基材層が単独で存在する状態(すなわち、暗色基材層の両面に何の層も積層されていない状態)で、上記の通り、暗色基材層の第1主面側の表面に各波長の光を照射して測定する。したがって、暗色基材層上に黒色層、透明樹脂層及び表面保護層が積層された化粧シートの形態から暗色基材層の分光反射率又は分光透過率を測定する場合には、化粧シートから暗色基材層の第1主面側に積層された全層(黒色層、透明樹脂層及び表面保護層)を切削又は剥離して除去し、暗色基材層の第1主面側表面を露出させた状態で暗色基材層の分光反射率又は分光透過率を測定する。
基材シートに関する「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率(%)」は、波長781nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長781nm、782nm、783nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した1720個の分光反射率の和を1720で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用して、基材シートの表面に入射角5度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定する。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。各波長の光を照射する表面は、原則として、基材シートの第1主面側の表面とする。
基材シートに関する「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率(%)」は、波長781nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長781nm、782nm、783nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光透過率(%)を測定し、測定した1720個の分光透過率の和を1720で割ることにより算出する。「各波長の分光透過率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、基材シートの表面に入射角0度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として測定する。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。各波長の光を照射する表面は、原則として、基材シートの第1主面側の表面とする。
基材シートに関する「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率(%)」及び「波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率(%)」は、基材シートが単独で存在する状態(すなわち、基材シートの両面に何の層も積層されていない状態)で、上記の通り、基材シートの第1主面側の表面に各波長の光を照射して測定する。したがって、基材シート上に暗色層、黒色層、透明樹脂層及び表面保護層が積層された化粧シートの形態から基材シートの分光反射率又は分光透過率を測定する場合には、化粧シートから基材シートの第1主面側に積層された全層(暗色層、黒色層、透明樹脂層及び表面保護層)を切削又は剥離して除去し、基材シートの第1主面側の表面を露出させた状態で基材シートの分光反射率又は分光透過率を測定する。但し、基材シートの表裏両面の分光反射率が同一である場合には、基材シートの第2主面側の表面の分光反射率又は分光透過率を測定して、これを基材シートの分光反射率又は分光透過率とする。
透明樹脂層に関する「L*a*b*表色系のL*、a*及びb*」は、透明樹脂層が単独で存在する状態(すなわち、透明樹脂層の両面に何の層も形成されていない状態)において、分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用して、透明樹脂層の第1主面側の表面へ入射角10度(透明樹脂層の第1主面側の表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて測定する。したがって、基材シート上に暗色層、黒色層、透明樹脂層及び表面保護層が積層された化粧シートの形態から透明樹脂層のL*、a*及びb*を測定する場合には、化粧シートから透明樹脂層の第1主面側及び第2主面側に積層された全層(基材シート、暗色層、黒色層及び表面保護層)を切削又は剥離して除去し、透明樹脂層の表面を露出させた状態で透明樹脂層のL*、a*及びb*を測定する。
〔化粧シート〕
以下、図面に基づいて、本発明の化粧シートの実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る化粧シート1Aの構成を模式的に示す側面図であり、図2は、本発明の第2実施形態に係る化粧シート1Bの構成を模式的に示す側面図である。なお、図1及び図2において、同一の部分又は部材には同一符号が付されている。
(化粧シート1A,1B)
以下、化粧シート1Aに関する説明と、化粧シート1Bに関する説明とを合わせて行う際、「化粧シート1A,1B」、「暗色基材層10A,10B」及び「基材シート11A,11B」という表現を使用する。「化粧シート1A,1B」、「暗色基材層10A,10B」及び「基材シート11A,11B」は、化粧シート1Aに関しては「化粧シート1A」、「暗色基材層10A」及び「基材シート11A」を、化粧シート1Bに関しては「化粧シート1B」、「暗色基材層10B」及び「基材シート11B」を意味する。
図1及び図2に示すように、化粧シート1A,1Bは、第1主面S1と、第1主面S1の反対側に位置する第2主面S2と、第1主面S1と第2主面S2との間に位置する暗色基材層10A,10Bと、暗色基材層10A,10Bの第1主面S1側に設けられた黒色層13と、黒色層13の第1主面S1側に設けられた透明樹脂層14と、透明樹脂層14の第1主面S1側に設けられた表面保護層15とを備える。
図1及び図2に示すように、暗色基材層10A,10Bは、基材シート11A,11Bと、基材シート11A,11Bの第1主面S1側に設けられた暗色層12とを備える。
図1及び図2に示すように、暗色層12の第1主面S1側の表面は、暗色基材層10A,10Bの第1主面S1側の表面T1を形成しており、基材シート11A,11Bの第2主面S2側の表面は、暗色基材層10A,10Bの第2主面S2側の表面T2を形成している。
図1及び図2に示すように、暗色基材層10A,10Bの第2主面S2側の表面T2は、化粧シート1A,1Bの第2主面S2を形成している。「暗色基材層10A,10Bが第1主面S1と第2主面S2との間に位置する」には、化粧シート1A,1Bの第2主面S2が、暗色基材層10A,10Bの第2主面S2側に設けられた層の表面により形成されている場合に加えて、化粧シート1A,1Bの第2主面S2が、暗色基材層10A,10Bの第2主面S2側の表面T2により形成されている場合も包含される。
暗色基材層10A,10Bは、暗色層12によって付与される暗色を呈する。本発明において「暗色」とは、その色調が低明度の有彩色又は無彩色であることを意味する。例えば、黒色、濃い灰色等の無彩色、及び、紺色、茶褐色、黄褐色、深緑色、濃紫色、臙脂色等の有彩色が暗色に該当する。
暗色基材層10A,10Bの第1主面S1側の表面T1へ光を照射し、反射光に基づいて測定される暗色基材層10A,10BのL*a*b*表色系の明度L*(以下「L10R *」という)及び彩度C*(以下「C10R *」という)は、L10R *:50以下、かつ、C10R *:18以下である。これにより、化粧シート1A,1Bを第1主面S1側から反射光に基づいて観察したとき、暗色層12は、基材シート11A,11Bの色(例えば、白色)を隠蔽し、基材シート11A,11Bの色が黒色層13の色に及ぼす悪影響を抑制することができるとともに、暗色層12それ自体の色が黒色層13の色に及ぼす悪影響を抑制することができる。したがって、化粧シート1A,1Bを第1主面S1側から反射光に基づいて観察したとき、化粧シート1A,1Bは、黒色層13によって付与される所望の黒色を呈することができる。
L10R *は、50以下である限り特に限定されないが、好ましくは40以下、さらに好ましくは35以下、さらに一層好ましくは30以下である。L10R *の下限値は特に限定されないが、例えば20、23又は25である。
C10R *は、18以下である限り特に限定されないが、暗色基材層10A,10Bの外観(ひいては化粧シート1A,1Bの外観)を無彩色とする観点から、C10R *の値は小さいほど好ましい。かかる観点から、C10R *は、好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、さらに一層好ましくは5以下である。C10Rの下限値は特に限定されないが、例えば1、2又は4である。
化粧シート1A,1Bを第1主面S1側から反射光に基づいて観察したときに化粧シート1A,1Bが呈する黒色の程度は、化粧シート1A,1Bの第1主面S1へ光を照射し、反射光に基づいて測定される化粧シート1A,1BのL*a*b*表色系の明度L*(以下「L1R *」という)及び彩度C*(以下「C1R *」という)に基づいて評価することができる。L1R *は、好ましくは30以下、さらに好ましくは28以下、さらに一層好ましくは26以下である。L1R *の下限値は特に限定さないが、例えば20、23又は25である。C1Rは、好ましくは2.4以下、さらに好ましくは2.0以下である。化粧シート1A,1Bの外観を無彩色とする観点から、C1R *の値は小さいほど好ましい。C1Rの下限値は特に限定されないが、例えば1である。
化粧シート1A,1Bを第1主面S1側から反射光に基づいて観察したときに化粧シート1A,1Bが呈する黒色の程度は、化粧シート1A,1Bの第1主面S1へ波長域300nm以上780nm以下の光を照射して測定される化粧シート1A,1Bの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率に基づいて評価することができる。化粧シート1A,1Bの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、さらに一層好ましくは80%以上である。これにより、化粧シート1A,1Bを第1主面S1側から反射光に基づいて観察したとき、化粧シート1A,1Bは、黒色層13によって付与される所望の黒色を呈することができる。化粧シート1A,1Bの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率の上限値は特に限定されないが、例えば81%、88%又は93%である。
化粧シート1A,1Bの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率は、暗色基材層10A,10Bの第1主面S1側の表面T1へ波長域300nm以上780nm以下の光を照射して測定される暗色基材層10A,10Bの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率を調整することにより調整することができる。暗色基材層10A,10Bの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに一層好ましくは70%以上である。暗色基材層10A,10Bの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率の上限値は特に限定されないが、例えば71%、83%又は91%である。
化粧シート1A,1Bの第1主面S1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される化粧シート1A,1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率は、50%以下である。これにより、化粧シート1A,1Bは遮熱性能を発揮することができる。化粧シート1A,1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率は、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、さらに一層好ましくは15%以下である。化粧シート1A,1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率の下限値は特に限定されないが、例えば12%、7%又は3%である。
化粧シート1A,1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率は、暗色基材層10A,10Bの第1主面S1側の表面T1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される暗色基材層10A,10Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率を調整することにより調整することができる。暗色基材層10A,10Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率は、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下、さらに一層好ましくは15%以下である。暗色基材層10A,10Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率の下限値は特に限定されないが、例えば12%、4%又は2%である。
化粧シート1Aの第1主面S1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される化粧シート1Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率が高くなるほど、化粧シート1Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率が低くなり、その結果、化粧シート1Aの遮熱性が高くなる。化粧シート1Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率は、好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上、さらに一層好ましくは50%以上である。化粧シート1Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、例えば51%、52%又は54%である。
暗色基材層10Aの近赤外線反射性が高くなるほど、化粧シート1Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率が高くなる。暗色基材層10Aの第1主面S1側の表面T1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される暗色基材層10Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率は、好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上、さらに一層好ましくは50%以上である。暗色基材層10Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、例えば51%、52%又は54%である。
基材シート11Aの近赤外線反射性が高くなるほど、暗色基材層10Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率が高くなる。基材シート11Aの第1主面S1側の表面U1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される基材シート11Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率は、好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上、さらに一層好ましくは50%以上である。基材シート11Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、例えば51%、53%又は54%である。
化粧シート1Aの第2主面S2へ光を照射し、透過光に基づいて測定される化粧シート1AのL*a*b*表色系の明度L*(以下「L1AT *」という)及び彩度C*(以下「C1AT *」という)は、好ましくは、L1AT *:10以下、かつ、C1AT *:4.5以下、さらに好ましくは、L1AT *:5以下、かつ、C1AT *:2以下、さらに一層好ましくは、L1AT *:2以下、かつ、C1T *:1以下である。これにより、化粧シート1Aを第1主面S1側から透過光に基づいて観察したとき、化粧シート1Aは、黒色層13によって付与される所望の黒色を呈することができる。L1AT *の下限値は特に限定されないが、例えば0.5、0.7又は0.9である。C1ATの下限値は特に限定されないが、例えば0.4、0.5又は0.6である。
化粧シート1Aの第2主面S2へ光を照射し、透過光に基づいて測定される化粧シート1AのL*a*b*表色系の明度L*及び彩度C*は、暗色基材層10Aの第2主面S2側の表面T2へ光を照射し、透過光に基づいて測定される暗色基材層10AのL*a*b*表色系の明度L*(以下「L10AT *」という)及び彩度C*(以下「C10AT *」という)を調整することにより調整することができる。L10AT *及びC10AT *は、好ましくは、L10AT *:20以下、かつ、C10AT *:20以下、さらに好ましくは、L10AT *:15以下、かつ、C10AT *:10以下、さらに一層好ましくは、L10AT *:10以下、かつ、C10AT *:5以下である。L10AT *の下限値は特に限定されないが、例えば0.5、1又は2である。C10ATの下限値は特に限定されないが、例えば0.5、0.7または1である。
黒色層13の近赤外線透過性が高くなるほど、化粧シート1Aの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率が高くなる。黒色層13の近赤外線透過性を高めるために、黒色層13に含有される黒色顔料が近赤外線透過性を有することが好ましい。
化粧シート1Bの第1主面S1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される化粧シート1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率が高くなるほど、化粧シート1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率が低くなり、その結果、化粧シート1Bの遮熱性が高くなる。化粧シート1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは78%以上、さらに一層好ましくは80%以上である。化粧シート1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率の上限値は特に限定されないが、例えば82%、85%又は87%である。
暗色基材層10Bの近赤外線透過性が高くなるほど、化粧シート1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率が高くなる。暗色基材層10Bの第1主面S1側の表面T1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは78%以上、さらに一層好ましくは80%以上である。暗色基材層10Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率の上限値は特に限定されないが、例えば82%、85%又は90%である。
基材シート11Bの近赤外線透過性が高くなるほど、暗色基材層10Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率が高くなる。基材シート11Bの第1主面S1側の表面U1へ波長域781nm以上2500nm以下の光を照射して測定される波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは78%以上、さらに一層好ましくは80%以上である。基材シート11Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率の上限値は特に限定されないが、例えば82%、85%又は87%である。
化粧シート1Bの第2主面S2へ光を照射し、透過光に基づいて測定される化粧シート1BのL*a*b*表色系の明度L*(以下「L1BT *」という)及び彩度C*(以下「C1BT *」という)は、好ましくは、L1BT *:35以下、かつ、C1BT *:30以下、さらに好ましくは、L1BT *:25以下、かつ、C1BT *:20以下、さらに一層好ましくは、L1BT *:20以下、かつ、C1BT *:10以下である。これにより、化粧シート1Bを第1主面S1側から透過光に基づいて観察したとき、化粧シート1Bは、黒色層13によって付与される所望の黒色を呈することができる。L1BT *の下限値は特に限定されないが、例えば0.1、0.5又は1である。C1BTの下限値は特に限定されないが、例えば0.5、0.7又は1である。
化粧シート1Bの第2主面S2へ光を照射し、透過光に基づいて測定される化粧シート1BのL*a*b*表色系の明度L*及び彩度C*は、暗色基材層10Bの第2主面S2側の表面T2へ光を照射し、透過光に基づいて測定される暗色基材層10BのL*a*b*表色系の明度L*(以下「L10BT *」という)及び彩度C*(以下「C10BT *」という)を調整することにより調整することができる。L10BT *及びC10BT *は、好ましくは、L10BT *:68以下、かつ、C10BT *:30以下、さらに好ましくは、L10BT *:50以下、かつ、C10BT *:20以下、さらに一層好ましくは、L10BT *:40以下、かつ、C10BT *:10以下である。L10BT *の下限値は特に限定されないが、例えば0.1、1又は5である。C10BTの下限値は特に限定されないが、例えば0.1、1又は5である。
黒色層13の近赤外線透過性が高くなるほど、化粧シート1Bの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率が高くなる。黒色層13の近赤外線透過性を高めるために、黒色層13に含有される黒色顔料が近赤外線透過性を有することが好ましい。
(基材シート11A,11B)
基材シート11Aの近赤外線反射性及び基材シート11Bの近赤外線透過性は、基材シート11A,11Bに含有される樹脂の種類、基材シート11A,11Bの厚み、基材シート11A,11Bが着色剤を含有する場合には着色剤の種類及び量等を調整することにより調整することができる。
基材シート11A,11Bに含有される樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。基材シート11Aに含有される樹脂は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられ、これらのうち、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、これらのうち、ポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。
基材シート11A,11Bの厚さは、好ましくは20μm以上200μm以下、好ましくは40μm以上150μm以下、さらに好ましくは60μm以上100μm以下である。
基材シート11Aは、着色樹脂シートであることが好ましい。着色樹脂シートは、有色透明であってもよいし、有色不透明であってもよいが、一般的には、被着材の表面を隠蔽するために、有色不透明とする。基材シート11Aとして着色樹脂シートを使用することにより、化粧シート1Aを貼着する被着材の表面色相がばらついている場合であっても、被着材の表面色相を良好に隠蔽することができるので優れた意匠性が得られる。また、基材シート11Aの第1主面S1側に設けられる暗色層12及び黒色層13の色調の安定性を確保することができる。基材シート11Aの近赤外線反射性を高める観点から、着色樹脂シートは、白色に着色されている(すなわち、白色顔料を含有する)ことが好ましい。
基材シート11Aに含有される着色剤としては、例えば、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。
基材シート11Aが白色顔料として酸化チタンを含む場合、酸化チタンの結晶型は特に限定されるものではなく、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型等の公知の結晶形から適宜選択することができるが、優れた白色度、耐候性、遮熱性能等を有する観点から、ルチル型が好ましい。また、酸化チタンは、光触媒作用によって樹脂を劣化させる可能性があることから、光触媒作用を安定させる目的で、表面被覆剤で表面処理されていることが好ましく、該表面被覆剤の組成としては限定的ではないが、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、酸化亜鉛等の無機酸化物が挙げられる。表面被覆剤の被覆方法についても特に限定されたものではなく、公知の方法で得られた酸化チタンを使用することができる。
基材シート11A中の着色剤の含有量は、基材シート11Aの所望の分光反射率を実現する観点から、基材シート11Aを構成する樹脂100質量部に対して、通常1質量部以上70質量部以下、好ましくは1質量部以上50質量部以下である。
基材シート11Bは、着色されていない樹脂で構成される無色透明樹脂シートであることが好ましい。
基材シート11A,11Bの第1主面S1側に設けられる層との密着性の強化、基材シート11A,11Bの第2主面S2側に設けられる被着材との接着性の強化等を目的として、基材シート11A,11Bの片面又は両面には、酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施してもよい。酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択することができる。一般的には、コロナ放電処理法が効果、操作性等の観点から好ましい。また、基材シート11A,11Bの第1主面S1側に設けられる層との密着性の強化、基材シート11A,11Bの第2主面S2側に設けられる被着材との接着性の強化等を目的として、基材シート11A,11Bの第1主面S1側の表面にプライマー層を、基材シート11A,11Bの第2主面S2側の表面に裏面プライマー層を形成してもよい。
基材シート11A,11Bは、必要に応じて無機充填剤を含有してもよい。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。基材シート11A,11B中の無機充填剤の含有量は、通常、基材シート11A,11Bを構成する樹脂100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下である。基材シート11A,11Bは、必要に応じてその他の各種添加剤、例えば、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含有してもよい。
(暗色層12)
暗色層12は、基材シート11A,11Bの第1主面S1側に設けられており、基材シート11A,11Bとともに暗色基材層10A,10Bを構成している。
暗色層12は、茶褐色顔料及び青色顔料を含有する。暗色層12は、茶褐色顔料及び青色顔料の可視光吸収作用により、暗色を呈することができる。化粧シート1A,1Bを第1主面S1側から反射光又は透過光に基づいて観察したとき、暗色層12は、基材シート11A,11Bを隠蔽し、基材シート11A,11Bが黒色層13の色に及ぼす悪影響を抑制することができるとともに、暗色層12それ自体が黒色層13の色に及ぼす悪影響を抑制することができる。黒色層13のうち平面視において暗色層12と重なる領域の割合が大きいほど、暗色層12の効果が大きい。したがって、暗色層12は、平面視において黒色層13の全体と重なっていることが好ましい。暗色層12は、絵柄として認識されるように、基材シート11A,11Bの表面の一部に形成されていてもよいが、基材シート11A,11Bの表面の全体が隠蔽されるように、基材シート11A,11Bの表面の全体に形成されていることが好ましい。すなわち、暗色層12は、基材シート11A,11Bの表面の全体に形成されたベタ層であることが好ましい。なお、暗色層12は、絵柄(全面被覆では無く所望のパターンで部分的被覆)としてもよいが、その際は、暗色層と黒色層の絵柄が一致するか、又は、黒色層の面積が大きくなるように印刷することが好ましい
暗色層12の形成方法としては、例えば、コート法、印刷法等が挙げられる。コート法としては、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート等が挙げられる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。暗色層12は、好ましくは、印刷層である。
暗色層12に含有される茶褐色顔料のL*a*b*表色系の色度a*及びb*は、好ましくはa*:25以上50以下、かつ、b*:15以上45以下、さらに好ましくはa*:28以上48以下、かつ、b*:18以上42以下、さらに一層好ましくはa*:30以上45以下、かつ、b*:20以上40以下である。なお、茶褐色顔料のL*a*b*表色系の色度a*及びb*は、茶褐色顔料を暗色層12に含有させる前の状態(すなわち茶褐色顔料が単独で存在する状態)において、化粧シート又は暗色基材層に関する「反射光に基づいて測定されるL*a*b*表色系のL*及びC*」と同様にして測定する。
暗色層12に含有される茶褐色顔料は、有機顔料であってもよいし、無機顔料であってもよい。暗色層12に含有される茶褐色顔料は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
暗色層12に含有される茶褐色顔料としては、例えば、酸化鉄系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、縮合アゾ系顔料等が挙げられる。
酸化鉄系顔料は、無機顔料として広く使用されている公知の酸化鉄系顔料から適宜選択することができる。酸化鉄系顔料としては、例えば、赤色のヘマタイト(三酸化二鉄,α−Fe2O3)、黒色のマグネタイト(四酸化三鉄,Fe3O4)、黄色のゲーサイト(水和酸化鉄,α−FeOOH)、褐色のマグヘマイト(γ−Fe2O3)、赤褐色のレピドクロサイト(γ−FeOOH)等が挙げられる。酸化鉄系顔料は、好ましくはFe2O3である。
ベンズイミダゾロン系顔料は、ベンズイミダゾロン骨格を有する顔料であり、公知のベンズイミダゾロン系顔料から適宜選択することができる。ベンズイミダゾロン系顔料としては、例えば、PigmentYellow120、PigmentYellow151、PigmentYellow154、PigmentYellow175、PigmentYellow180、PigmentYellow181、PigmentYellow194、Pigment Red175、PigmentRed176、PigmentRed185、PigmentRed208、PigmentViolet32、PigmentOrange36、PigmentOrange62、PigmentOrange72、PigmentBrown25等が挙げられる。
縮合アゾ系顔料は、公知の縮合アゾ系顔料から適宜選択することができる。
暗色層12に含有される青色顔料のL*a*b*表色系の色度a*及びb*は、好ましくはa*:−25以上−5以下、かつ、b*:−55以上−30以下、さらに好ましくはa*:−22以上−8以下、かつ、b*:−52以上−32以下、さらに一層好ましくはa*:−20以上−10以下、かつ、b*:−50以上−35以下である。なお、青色顔料のL*a*b*表色系の色度a*及びb*は、青色顔料を暗色層12に含有させる前の状態(すなわち青色顔料が単独で存在する状態)において、化粧シート又は暗色基材層に関する「反射光に基づいて測定されるL*a*b*表色系のL*及びC*」と同様にして測定する。
暗色層12に含有される青色顔料は、有機顔料であってもよいし、無機顔料であってもよい。暗色層12に含有される青色顔料は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
青色有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、インディゴ系、アントラキノン系、インドフェノール系顔料、ジオキサジン系等の青色有機顔料が挙げられる。青色有機顔料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。青色有機顔料は、好ましくは、フタロシアニン系である。フタロシアニン系の青色有機顔料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー、コバルトフタロシアニンブルー等が挙げられる。フタロシアニン系の青色有機顔料は、好ましくは、銅フタロシアニンブルーである。銅フタロシアニンブルーは、茶褐色顔料と組み合わせた場合に、十分な暗色性を呈することができる。また、銅フタロシアニンブルーは、赤外吸収性が比較的低い。銅フタロシアニンブルーとしては、C.I.Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6等が挙げられる。なお、「C.I.Pigment Blue 15:1」等は、カラーインデックス名である。銅フタロシアニンブルーは、安定型(β型)であってもよいし、不安定型(α型)であってもよいが、β型より着色力が強いα型であることが好ましい。
青色無機顔料としては、例えば、ウルトラマリンブルー(群青)、アズライト、プルシアンブルー(紺青)、コバルトブルー(アルミン酸コバルト)、セルリアンブルー(錫酸コバルト)、コバルトクロムブルー、コバルト−アルミ−珪素酸化物、コバルト−亜鉛−珪素酸化物、スマルト、マンガンブルー等が挙げられる。青色無機顔料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
暗色層12に含有される顔料は、青色顔料及び茶褐色顔料の2種のみであることが好ましい。暗色層12に含有される顔料が2種のみである場合、暗色層12に含有される顔料が3種以上である場合と比較して、顔料の耐候性の相違に起因する暗色層12の変色リスクが小さくなる。
暗色層12に含有される顔料は、青色顔料及び茶褐色顔料以外の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、バインダー樹脂が挙げられる。バインダー樹脂は、茶褐色顔料及び青色顔料の分散性等を考慮して適宜選択することができる。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、1液硬化型樹脂、2液硬化型樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の中から選択されたバインダー樹脂を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、バインダー樹脂以外の成分としては、例えば、茶褐色顔料及び青色顔料以外の着色剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等が挙げられる。
暗色層12に含有される茶褐色顔料及び青色顔料の量、暗色層12の厚さ等は、暗色基材層10A,10BのL*、C*、分光反射率、分光透過率等が所望の範囲となるように適宜調整することが好ましい。
暗色層12中の茶褐色顔料の含有量は、暗色層12に含有される固形分総質量に対して、好ましくは1質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上35質量%以下、さらに一層好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
暗色層12中の青色顔料の含有量は、暗色層12に含有される固形分総質量に対して、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上8質量%以下、さらに一層好ましくは1.5質量%以上5質量%以下である。
暗色層12中の茶褐色顔料と青色顔料との質量比(茶褐色顔料の質量:青色顔料の質量)は、好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:20、さらに一層好ましくは40:60〜60:40である。
暗色層12の厚さは、好ましくは0.1μm以上10μm以下、さらに好ましくは0.3μm以上8μm以下、さらに一層好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
暗色層12を形成するために使用されるインキとしては、例えば、バインダー樹脂に茶褐色顔料及び青色顔料を混合したものが挙げられる。インキは、茶褐色顔料及び青色顔料以外の着色剤、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を含有してもよい。インキに含有される着色剤の具体例は、基材シート11Aに含有される着色剤に関して上記した具体例と同様である。インキ中の溶剤は蒸発するので、インキに含有される茶褐色顔料、青色顔料及びバインダー樹脂の量(固形分基準)は、それぞれ、暗色層12に含有される酸化鉄系顔料、青色顔料及びバインダー樹脂の量(固形分基準)に相当する。
暗色層12を形成する際、インキ塗布面(例えば、基材シート11Aの一方の面)の単位面積当たりに塗布されるインキの量(固形分基準)は、好ましくは0.1g/m2以上10g/m2以下、さらに好ましくは0.3g/m2以上8g/m2以下、さらに一層好ましくは0.5g/m2以上5g/m2以下である。
(黒色層13)
黒色層13は、暗色層12の第1主面S1側に設けられている。なお、暗色層12と黒色層13との境界は必ずしも明確であるとは限らない。例えば、暗色層12と黒色層13との境界には、暗色層12を構成する成分と黒色層13を構成する成分とが混在した領域が形成される場合がある。
黒色層13は、黒色顔料を含有する。黒色層13は、黒色顔料の可視光吸収作用により、黒色を呈する。黒色層13は、化粧シート1Aに黒色を付与し、化粧シート1Aの意匠性を向上させる。黒色層13は、絵柄として認識されるように、暗色層12の第1主面S1側の表面に部分的に形成されていてもよいが、化粧シート1Aの全面が黒色として認識されるように、暗色層12の第1主面S1側の表面の全体に形成されていることが好ましい。すなわち、黒色層13は、暗色層12の第1主面S1側の表面の全体に形成されたベタ層であることが好ましい。
黒色層13の形成方法としては、例えば、コート法、印刷法等が挙げられる。コート法としては、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート等が挙げられる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。黒色層13は、好ましくは、印刷層である。
黒色層13に含有される黒色顔料は、有機黒色顔料であってもよいし、無機黒色顔料であってもよい。黒色層13は、有機黒色顔料又は無機黒色顔料の一方を含有していてもよいし、有機黒色顔料及び無機黒色顔料の両方を含有していてもよい。
有機黒色顔料としては、例えば、アゾメチンアゾ系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、アゾ系黒色顔料、アニリンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、ランプブラック、ベンズイミダゾロンピグメントブラウン25(茶)とフタロシアニンブルー(青)との混合顔料等が挙げられる。有機黒色顔料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
黒色層13に含有される黒色顔料は、近赤外線透過性黒色顔料であることが好ましい。これにより、黒色層13の近赤外線透過性が向上し、黒色層13の近赤外線吸収性が低下するので、化粧シート1A,1Bの遮熱性能を向上させることができる。なお、本発明において「近赤外線透過性黒色顔料」は、波長域831nm以上2500nm以下の近赤外線を、好ましくは60%以上、さらに好ましくは65%以上、さらに一層好ましくは70%以上、透過する黒色顔料を意味する。
近赤外線透過性黒色顔料としては、例えば、アゾメチンアゾ系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料等が挙げられる。近赤外線透過性を有するその他の顔料としては、例えば、オキサジン系、ベンズイミダゾロン系、ピロール系顔料、キナクリドン系、アゾ系、ペリレン系、ジオキサン系、イソインドリノン系、インダスレン系、キノフタロン系、ペリノン系、フタロシアニン系等の有機顔料が挙げられる。
アゾメチンアゾ系黒色顔料は、メチン基及びアゾメチン基を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、特開昭62−30202号公報、特開昭62−32149号公報(特公平4−15265号公報)、特開2002−256165号公報(特許第4084022号明細書)、特開2002−348491号公報(特許第4084023号明細書)等に記載のアゾメチンアゾ系黒色顔料が挙げられる。
アゾメチンアゾ系黒色顔料としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
上記式中、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表し、
mは1〜4の整数を表し、
R
1は、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基及びニトロ基からなる群より選択される1又は2以上の置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、
nは1又は2を表し、
nが1を表す場合、R
2は、メチル基、エチル基、メトキシ基及びアニリノカルボニル基からなる群より選択される1又は2以上の置換基を有していてもよいフェニル基、
を表し、
nが2を表す場合、メチル基、エチル基、メトキシ基及びアニリノカルボニル基からなる群より選択される1又は2以上の置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表す。
また、アゾメチンアゾ系黒色顔料としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
上記式中、
Rは、炭素数1〜3の低級アルキル基及び炭素数1〜3の低級アルコキシ基からなる群より選択される基を表し、
nは1〜5の整数を表し、
nが2以上の整数を表す場合、Rは同一であってもよいし異なっていてもよい。
アゾメチンアゾ系黒色顔料の具体例としては、1−[[4−[(4,5,6,7−テトラクロロ−3−オキソ−イソインドリン−1−イリデン)アミノ]フェニル]アゾ]−2−ヒドロキシ−N−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−11H−ベンゾ[a]カルバゾール−3−カルボキシアミド、(2−ヒドロキシ−N−(2’−メチル−4’−メトキシフェニル)−1−{[4−[(4,5,6,7−テトラクロロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−3−イリデン)アミノ]フェニル]アゾ}−11H−ベンゾ[a]−カルバゾール−3−カルボキシアミド)等が挙げられる。
ペリレン系黒色顔料としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
上記式中、
Rは、同一又は異なって、−(CH
2)
2−OH、−CH
2−CH
2−Y(Yはフェニル基、メチル基又はヒドロキシメチル基を表す。)、又は
を表す。
ペリレン系黒色顔料の具体例としては、例えば、下記式で表されるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド等が挙げられる。
無機黒色顔料としては、例えば、複合酸化物、鉄黒、チタンブラック等が挙げられる。無機黒色顔料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
複合酸化物は、少なくとも2種の金属元素を含む酸化物である。複合酸化物は、少なくともマンガン元素を含む複合酸化物、すなわち、マンガン元素と、マンガン元素以外の少なくとも1種の金属元素を含む酸化物であることが好ましい。複合酸化物に含まれるマンガン元素以外の金属元素は、特に限定されるものではなく、より明度が低い落ち着いた意匠性を得る観点、遮熱性能を得る観点等から適宜選択することができる。複合酸化物に含まれるマンガン元素以外の金属元素は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。複合酸化物に含まれるマンガン元素以外の金属元素としては、例えば、カルシウム元素、バリウム元素等の第2族元素;イットリウム元素、ランタン元素、プラセオジム元素;ネオジム元素等の第3族元素、チタン元素、ジルコニウム元素等の第4族元素;ホウ素元素、アルミニウム元素、ガリウム元素、インジウム元素等の第13族元素;アンチモン元素、ビスマス元素等の第15族元素等の金属元素が挙げられる。これらのなかでも、第2族元素、第4族元素、第15族元素が好ましく、カルシウム元素、チタン元素、及びビスマス元素がより好ましく、カルシウム元素及びチタン元素がさらに好ましい。複合酸化物の特に好ましい具体例としては、マンガン元素、カルシウム元素及びチタン元素を含む複合酸化物が挙げられる。
複合酸化物の構造は、特に限定されるものではないが、構造として安定している観点、優れた遮熱性能及び意匠性を得る観点等から、ペロブスカイト構造、斜方晶構造、六方晶構造等であることが好ましく、ペロブスカイト構造であることがさらに好ましい。
黒色層13は、黒色顔料のみから構成されていてもよいし、黒色顔料以外の成分を含有してもよい。黒色顔料以外の成分としては、例えば、バインダー樹脂が挙げられる。バインダー樹脂は、黒色顔料の分散性等を考慮して適宜選択することができる。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、1液硬化型樹脂、2液硬化型樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。バインダー樹脂以外の成分としては、例えば、黒色顔料以外の着色剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等が挙げられる。着色剤の具体例は、基材シート11Aに含有される着色剤に関して上記した具体例と同様である。
黒色層13に含有される黒色顔料の量、黒色層13の厚さ等は、化粧シート1A,1BのL*、C*、分光反射率、分光透過率等が所望の範囲となるように調整することが好ましい。
黒色層13中の黒色顔料の含有量は、黒色層13に含有される固形分総質量に対して、好ましくは1質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上50質量%以下、さらに一層好ましくは20質量%以上40質量%以下である。
黒色層13の厚さは、好ましくは0.1μm以上10μm以下、さらに好ましくは0.3μm以上8μm以下、さらに一層好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
黒色層13を形成するために使用されるインキとしては、例えば、バインダー樹脂に黒色顔料を混合したものが挙げられる。インキは、黒色顔料以外の着色剤、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を含有してもよい。インキに含有される着色剤の具体例は、基材シート11Aに含有される着色剤に関して上記した具体例と同様である。インキ中の溶剤は蒸発するので、インキに含有される黒色顔料及びバインダー樹脂の量(固形分基準)は、それぞれ、黒色層13に含有される黒色顔料及びバインダー樹脂の量(固形分基準)に相当する。
黒色層13を形成する際、インキ塗布面(例えば、暗色層12の一方の面)の単位面積当たりに塗布されるインキの量(固形分基準)は、好ましくは0.1g/m2以上10g/m2以下、さらに好ましくは0.3g/m2以上8g/m2以下、さらに一層好ましくは0.5g/m2以上5g/m2以下である。
黒色層13は、単一の層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
(透明樹脂層14)
透明樹脂層14は、黒色層13の第1主面S1側に設けられている。透明樹脂層14は、暗色層12及び黒色層13を保護して、耐傷性を向上させる効果を有する。透明樹脂層14は、必要に応じて設けられる層であり、省略可能である。
透明樹脂層14のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*を調節することにより、透明樹脂層14を化粧シート1A,1Bの色を補正する色補正層として機能させることができ、これにより、化粧シート1A,1BのL*a*b*表色系のL*、a*及びb*を調節することができる。
透明樹脂層14のL*a*b*表色系のL*は30以上50以下であることが好ましく、透明樹脂層14のL*a*b*表色系のa*及びb*は、a*:−1以上0以下、かつ、b*:−3以上−2以下であることが好ましい。
透明樹脂層14のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*は、透明樹脂層14を構成する樹脂の種類、透明樹脂層14の厚み、透明樹脂層14が着色剤を含有する場合には着色剤の種類及び量等を適宜調整することにより調整することができる。
透明樹脂層14は、例えば、熱可塑性樹脂で構成することができる。透明樹脂層14を構成する樹脂としては、基材シート11Aを構成する樹脂に関して上記した具体例(ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂)の他、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。成型加工性の向上、耐傷性の向上の観点から、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリオレフィン樹脂がより好ましい。また、これと同様の観点から、基材シート11A及び透明樹脂層14を構成する樹脂がともにポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
透明樹脂層14は、暗色層12及び黒色層13を視認できる程度の透明性を有していればよく、無色透明の他、着色透明や半透明であってもよい。透明樹脂層14を構成する樹脂層が着色されている場合、樹脂層に含有される着色剤の具体例は、基材シート11Aに含有される着色剤に関して上記した具体例と同様である。
透明樹脂層14の厚さは、好ましくは20μm以上130μm以下、さらに好ましくは30μm以上100μm以下、さらに一層好ましくは40μm以上90μm以下である。透明樹脂層14の厚さが上記範囲内であると、暗色層12及び黒色層13の保護機能及び耐傷性の向上を望める。
透明樹脂層14は、各層との接着性を向上させる観点から、片面又は両面に酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。これらの物理的又は化学的表面処理としては、基材シート11Aの表面処理と同様の方法が挙げられる。また、透明樹脂層14は、各層との接着性を向上させる観点から、プライマー層や裏面プライマー層を形成する等の処理を施すこともできる。
(表面保護層15)
表面保護層15は、透明樹脂層14の第1主面S1側に設けられている。表面保護層15は、化粧シート1A,1Bの最表面に位置し、化粧シート1A,1Bの第1主面を形成している。表面保護層15は、必要に応じて設けられる層であり、省略可能である。
表面保護層15は、化粧シート1A,1Bに耐傷性、耐摩耗性、耐薬品性等の表面特性を付与する。表面保護層15は、好ましくは硬化性樹脂を含有する樹脂組成物の硬化物で構成される。硬化性樹脂組成物の硬化物により構成されることで、化粧シート1A,1Bの表面特性を向上させることができる。
表面保護層15の形成に使用される硬化性樹脂としては、2液硬化型樹脂等の熱硬化性樹脂の他、電離放射線硬化性樹脂等が挙げられ、これらを複数使用した、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用する、あるいは、硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用する、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。
表面保護層15を形成する樹脂の架橋密度を高め、表面の耐傷性や耐摩耗性を向上させ得るとの観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、また、無溶媒で塗布することができ、取り扱いが容易との観点から、電子線硬化性樹脂がより好ましい。
(電離放射線硬化性樹脂)
電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂のことである。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して使用することができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、なかでも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
前記多官能性(メタ)アクリレート等とともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
表面保護層15の厚さは、優れた耐傷性とその持続性、さらには耐摩耗性、耐薬品性等の表面特性を得る観点から、2μm以上25μm以下が好ましく、2μm以上15μm以下がより好ましく、2μm以上10μm以下がさらに好ましい。
表面保護層15を形成する樹脂組成物中には、その性能を阻害しない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
(接着層)
化粧シート1A,1Bは、必要に応じて接着層を有することができる。例えば、黒色層13と透明樹脂層14との間の接着性を向上させるために、黒色層13と透明樹脂層14との間に接着層を設けることができる。接着層を構成する接着剤としては、化粧シートにおいて一般的に使用されている接着剤を適宜選択して使用することができ、その厚さは0.1μm以上50μm以下であり、十分な接着性が得られる観点から1μm以上30μm以下が好ましい。
接着剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、なかでも、ウレタン系接着剤が接着力の点で好ましい。なお、このようなウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ポリオール化合物と、トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート等の各種ポリイソシアネート化合物とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。また、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。接着層は、これら樹脂等からなる接着剤組成物を使用して、塗工法等の公知の層形成法で形成することができる。
(プライマー層)
化粧シート1A,1Bは、必要に応じて、各層間密着性を向上させるために、各層間のいずれかにプライマー層、裏面プライマー層を有することができる。例えば、被着材と基材シート11A,11Bとの密着性を向上させるために、基材シート11A,11B側に裏面プライマー層を設けることができる。また、透明樹脂層14と表面保護層15との密着性を向上させるために、透明樹脂層14と表面保護層15との間にプライマー層を設けることができる。
プライマー層は、透明又は半透明な層であり、例えば、インキのバインダー樹脂として例示した樹脂等を使用して形成することができる。プライマー層の厚さは、通常0.5μm以上20μm以下、好ましくは0.5μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上3μm以下である。
(凹形状)
化粧シート1A,1Bは、少なくとも表面保護層15に凹形状を有することが好ましい。化粧シート1A,1Bが凹形状を有することで、特に質感(触感)に優れたものとなる。この凹形状は、少なくとも表面保護層15に存在していればよく、また基材シート11A,11Bに至るものがあってもよい。優れた質感(触感)を得る観点から、表面保護層15内に留まるものだけでなく、透明樹脂層14まで至るもの、暗色層12及び黒色層13まで至るもの、基材シート11A,11Bまで至るものが組み合わされていることが好ましい。なお、本明細書において、表面保護層15等が上記凹形状を有する場合、表面保護層15等の厚みは、上記凹形状を有さない箇所で測定した厚みを意味する。
凹形状の最大深さは、化粧シート1A,1Bの総厚さに対して15%以上100%未満が好ましく、15%以上80%以下がさらに好ましく、25%以上80%以下がさらに一層好ましい。また、凹形状の最大深さとしては、15μm以上が好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。このような最大深さを有することで、凹形状の加工、例えばエンボス加工の際に化粧シート1A,1Bが破断してしまうことがなく、凹形状が潰れたように仕上がってしまうといったこともなく、優れた質感(触感)が得られ、結果として優れた意匠性が得られる。
ここで、凹形状の最大深さの測定は、任意の30点の凹形状について、該凹形状の最下点から表面保護層15の表面までの高さを、表面粗さ形状測定機を使用して、カットオフ値:2.50mm、カットオフフィルタの種類:2RC、傾斜補正方法:直線の測定条件で測定し、最も深いものを最大深さとした。
表面保護層15に凹形状を施す方法については特に制限はなく、例えば作業の容易さを考慮すると、エンボス加工を採用することが好ましい。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
(化粧シートの製造方法)
本発明の化粧シートの製造方法について、本発明の一実施形態に係る化粧シート1Aを例にとって、その製造方法を説明する。化粧シート1A,1Bは、例えば、(a)基材シート11A,11B上に暗色層12を形成する工程、(b)暗色層12上に黒色層13を形成する工程、(c)黒色層13上に透明樹脂層14を形成する工程、(d)透明樹脂層14上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層15を形成する工程、を順に経ることにより製造することができる。
工程(a)は、基材シート11A,11B上に暗色層12を設ける工程である。暗色層12は、例えば、基材シート11A,11B上にインキを塗布して乾燥させることにより形成することができる。インキの塗布は、グラビア印刷法により行うことが好ましい。
基材シート11A,11Bに表面処理を施す場合は、暗色層12を形成する前に基材シート11A,11Bに対して表面処理を行えばよい。基材シート11A,11Bと暗色層12との間にプライマー層を設ける場合は、暗色層12を形成する前にプラシマー層を設ければよい。基材シート11A,11Bの第2主面S2側表面に裏面プライマー層を設ける場合、暗色層12を形成する前、形成している間又は形成した後に裏面プライマー層を設ければよい。プライマー層の形成は、プライマー層を形成する樹脂組成物を、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布して形成することができる。
工程(b)は、暗色層12上に黒色層13を形成する工程である。黒色層13は、例えば、暗色層12上にインキを塗布して乾燥させることにより形成することができる。インキの塗布は、グラビア印刷法により行うことが好ましい。
工程(c)は、黒色層13上に透明樹脂層14を設ける工程である。透明樹脂層14は、暗色層12及び黒色層13を有する基材シート11A,11Bに必要に応じて接着剤を塗布して接着層を形成した後に、透明樹脂層14を形成する樹脂組成物を使用して、透明樹脂層14を押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着及び圧着させて積層して形成することができる。
工程(d)は、透明樹脂層14上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層15を形成する工程である。表面保護層15は、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を、透明樹脂層14上又は透明樹脂層14上に所望に応じて設けられたプライマー層の上に塗布し、硬化させて得られる。
表面保護層15を形成するための、樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚さが通常1μm以上20μm以下となるように、好ましくはグラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により、より好ましくはグラビアコートにより行う。
表面保護層15の形成に電離放射線樹脂組成物を使用する場合、該樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して硬化物とすることで、表面保護層15となる。ここで、電離放射線として電子線を使用する場合、その加速電圧については、使用する樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を使用することができる。また、電離放射線として紫外線を使用する場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が使用される。
表面保護層15の形成に熱硬化性樹脂組成物を使用する場合は、使用する樹脂組成物に応じた熱処理を施して、硬化させて表面保護層15を形成すればよい。
以上のようにして得られる化粧シート1A,1Bは、黒色を呈することができるとともに、遮熱性能を発揮することができるので、例えば、被着材と積層した形態で、壁、天井、床、バルコニー、ベランダ等の建築物の内装用部材又は外装用部材の表面化粧板;窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の表面化粧板;厨房機器、家具、弱電機器、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装又は外装用の表面化粧板;携帯電話等の通信機器の表面化粧板;車道、歩道等の舗装道路用の表面化粧板(舗装道路の舗装面に積層して色彩、模様等を付与するための表面化粧板)等の種々の用途の化粧部材として、好適に使用することができる。
〔化粧部材〕
以下、図面に基づいて、本発明の化粧部材の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る化粧部材2Aの構成を模式的に示す側面図であり、図4は、本発明の第2実施形態に係る化粧部材2Bの構成を模式的に示す側面図である。なお、図3及び図4において、同一の部分又は部材には同一符号が付されている。
(化粧部材2A,2B)
以下、化粧部材2Aに関する説明と、化粧部材2Bに関する説明とを合わせて行う際、「化粧部材2A,2B」、「化粧シート1A,1B」、「基材シート11A,11B」及び「被着材21A,21B」という表現を使用する。「化粧部材2A,2B」、「化粧シート1A,1B」、「基材シート11A,11B」及び「被着材21A,21B」は、化粧部材2Aに関しては「化粧部材2A」、「化粧シート1A」、「基材シート11A」及び「被着材21A」を、化粧部材2Bに関しては「化粧部材2B」、「化粧シート1B」、「基材シート11B」及び「被着材21B」を意味する。
図3及び図4に示すように、化粧部材2A,2Bは、被着材21A,21Bと化粧シート1A,1Bとを、被着材21A,21Bと基材シート11A,11Bとが対向するように備える。
(被着材)
被着材21Aとしては、例えば、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。具体的には、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として使用される木質部材;鉄、アルミニウム等の板材や鋼板、立体形状物品、あるいはシート等として使用される金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として使用される窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として使用される樹脂部材等が挙げられる。また、これらの部材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
被着材21Aは、上記のなかから用途に応じて適宜選択すればよく、壁、天井、床等の建築物の内外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材を用途とする場合は、木質部材、金属部材、樹脂部材、これらの組み合わせた部材が好ましい。
被着材21Bとしては、近赤外線域(781nm以上2500nm以下)の平均分光反射率が高い被着材を使用することが好ましい。基材シート11Bにおける近赤外線域の分光透過率が高いため、被着材21Bの近赤外線域の平均分光反射率が低いと、化粧部材2Bの遮熱性能が不十分となるおそれがある一方、被着材21Bの近赤外線域の平均分光反射率が高いと、化粧部材2Bは、近赤外線反射性能に基づく遮熱性能を発揮することができる。被着材21Bにおける波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上、さらに一層好ましくは60%以上である。なお、被着材21Bにおける波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、例えば100%、95%又は90%である。被着材における波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率の測定は、基材シートにおける波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率と同様にして行われる。
被着材21Bの分光反射率は、例えば、被着材21Aで例示した部材の表面を着色剤でコーティングすることにより調節することができる。また、被着材Bが樹脂で構成される場合には、樹脂の種類、被着材21Bの厚み、被着材21Bに含有される着色剤の種類及び量等を適宜選択することにより調節することができる。
着色剤は、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、被着材21Bを有色透明や、有色不透明に着色することができる。一般的には被着材21Bの表面を隠蔽する観点から、有色不透明とすることが好ましい。被着材21Bに使用される着色剤の具体例は、基材シート11Aに含有される着色剤に関して上記した具体例と同様である。化粧部材2Bの優れた遮熱性能を実現する観点から、被着材21Bは、白色に着色されている(すなわち、白色顔料を含有する又は白色顔料でコーティングされている)ことが好ましい。
被着材21A又は21Bの厚さは、用途及び材料に応じて適宜選択すればよく、通常0.1mm以上5mm以下が好ましく、0.1mm以上3mm以下がさらに好ましい。
(接着剤層)
化粧部材2A,2Bは、被着材21A,21Bと化粧シート1A,1Bとの間に、接着剤層22を有する。接着剤層22は省略可能であるが、優れた接着性を得るため、被着材21A,21Bと化粧シート1A,1Bとを接着剤層22を介して貼り合わせることが好ましい。
接着剤層22に含有される接着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤が挙げられる。接着剤を構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。イソシアネート等を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。接着剤層22には、粘着剤を使用することもできる。粘着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤が挙げられる。
接着剤層22は、上記樹脂を溶液又はエマルジョン等の塗布可能な形態にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法又はグラビア版を使用したリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。接着剤層の厚さは特に制限はないが、通常1μm以上100μm以下である。この範囲とすることで、優れた接着性が得られる。
(化粧部材の製造方法)
本発明の化粧部材の製造方法について、化粧部材2A,2Bを例にとって、その製造方法を説明する。化粧部材2A,2Bは、化粧シート1A,1Bと被着材21A,21Bとを、(d)化粧シート1A,1Bの基材シート11A,11Bと被着材21A,21Bとを対向させて積層する工程を経て製造することができる。
被着材21A,21Bと化粧シート1A,1Bとを積層する方法としては、例えば、接着剤を間に介して化粧シート1Aを板状の被着材に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法、接着剤を間に介して化粧シート1A,1Bを供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着材21A,21Bを構成する複数の側面に順次化粧シート1A,1Bを加圧接着して積層してゆくラッピング加工、また、固定枠に固定した化粧シート1A,1Bが軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した化粧シート1A,1Bに真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し化粧シート1A,1Bを真空成形金型にしっかりと密着させる真空成形加工等が好ましく挙げられる。
ラミネート加工やラッピング加工において、ホットメルト接着剤(感熱接着剤)を使用する場合、接着剤を構成する樹脂の種類にもよるが、加温温度は通常160〜200℃、反応性ホットメルト接着剤では通常100〜130℃程度である。また、真空成形加工の場合は加熱しながら行うことが一般的であり、通常80〜130℃程度、好ましくは90〜120℃程度で行われる。
以上のようにして得られる化粧部材2A,2Bは、更に任意切断し、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を使用して溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。そして種々の用途、例えば、壁、天井、床、バルコニー、ベランダ等の建築物の内装用部材又は外装用部材の表面化粧板;窓枠、扉、扉枠等の建具、手すり、幅木、廻り縁、モール等の造作部材、塀、柵等の表面化粧板;厨房機器、家具、弱電機器、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装又は外装用の表面化粧板;携帯電話等の通信機器の表面化粧板;車道、歩道等の舗装道路用の表面化粧板(舗装道路の舗装面に積層して色彩、模様等を付与するための表面化粧板)等に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
〔実施例A1〕化粧シートの製造及び評価
1.基材シートの準備
基材シートAとして、両面にコロナ放電処理を施したポリプロピレン(PP)樹脂シートを準備した。このPP樹脂シートは、PP樹脂100質量部に対し、顔料として酸化チタン10質量部のみを含む、白色に着色された着色樹脂シート(厚さ:60μm)である。
基材シートAが単独で存在する状態(すなわち、基材シートAの両面に何の層も積層されていない状態)において、波長300nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定した。各波長の分光反射率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、各波長の光を基材シートAの表面に入射角5度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定した。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。
基材シートAが単独で存在する状態(すなわち、基材シートAの両面に何の層も積層されていない状態)において、波長300nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光透過率(%)を測定した。各波長の分光透過率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、各波長の光を基材シートAの表面に入射角0度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として測定した。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した
基材シートAに関する波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射率、平均分光透過率及び平均分光吸収率は、それぞれ、70.0%、10.7%及び19.3%であった。基材シートAに関する波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率、平均分光透過率及び平均分光吸収率は、それぞれ、52.9%、41.0%及び6.1%であった。
2.暗色層の形成
第1印刷インキとして、バインダー樹脂(2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂)、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤、銅フタロシアニンブルー(青色顔料)及び酸化鉄系顔料(Fe2O3,茶色顔料)を含む印刷インキを準備した。第1印刷インキの溶剤としては、酢酸エチル及びメチルエチルケトンの混合溶剤(酢酸エチルの質量:メチルエチルケトンの質量=1:1)を使用した。第1印刷インキにおいて、固形分総濃度は30質量%、銅フタロシアニンブルー及び酸化鉄系顔料の総濃度は12質量%、青色顔料及び茶色顔料の質量比(青色顔料の質量:茶色顔料の質量)は、20:80である。
基材シートAの一方の面に第1印刷インキをグラビア印刷法で塗布(塗布量:固形分基準で約2g/m2)し、硬化させ、暗色層(硬化後の厚さ:2μm)を形成した。こうして、基材シートAと、基材シートA上に形成された暗色層とからなる暗色基材層を形成した。
3.黒色層の形成
第2印刷インキとして、バインダー樹脂(1液硬化型アクリル−ウレタン樹脂)及び平均粒径0.2μmのアゾメチンアゾ系黒色顔料(大日精化工業株式会社製クロモファインブラックA−1103)を含む印刷インキ(固形分21.6質量%、P/V比0.3)を準備した。第2印刷インキ中のアゾメチンアゾ系黒色顔料濃度は、5質量%である。
暗色層の上面に第2印刷インキをグラビア印刷法で塗布(塗布量:固形分基準で約2g/m2)し、硬化させ、黒色層(硬化後の厚さ:2μm)を形成した。
4.裏面プライマー層の形成
基材シートAの他方の面に2液硬化型ウレタン−硝化綿混合樹脂組成物を塗布し、乾燥させ、裏面プライマー層(乾燥後の厚さ:2μm)を形成した。
5.接着層の形成
黒色層の上に透明なポリウレタン樹脂系接着剤を塗布し、乾燥させ、接着層(乾燥後の厚さ:3μm)を形成した。
6.透明樹脂層の形成
接着剤層の上に透明なポリプロピレン樹脂をTダイ押出機により加熱溶融押出し、透明樹脂層として透明樹脂層(厚さ:80μm)を形成した。
なお、上記と同様にして透明樹脂層を単独で形成し、透明樹脂層が単独で存在する状態(すなわち、透明樹脂層の両面に何の層も積層されていない状態)において、L*a*b*表色系におけるL*値、a*値及びb*値を測定した。L*a*b*表色系におけるL*値、a*値及びb*値は、分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用して透明樹脂層の表面へ入射角10度(透明樹脂層の表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて測定した。測定は透明樹脂層の表面の3箇所について行った。測定結果を表1に示す。
7.プライマー層の形成
透明樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、コロナ放電処理表面に2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂組成物をグラビア印刷法で塗布し、乾燥させ、プライマー層(乾燥後の厚さ:1μm)を形成した。
8.表面保護層の形成
プライマー層の表面に透明な電子線硬化性樹脂組成物(電子線硬化性樹脂:3官能ウレタンアクリレート)をグラビアコート法で塗布(固形分:3g/m2)し、乾燥させ、未硬化樹脂層を形成し、酸素濃度200ppmの環境下で電子線(加圧電圧:125KeV、5Mrad)を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、表面保護層(厚さ:3μm)を形成した。
9.エンボス加工
表面保護層側からエンボス加工を施して、60°光沢度が8となる砂目調凹凸模様を形成し、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。
10.暗色基材層及び化粧シートの評価
暗色基材層及び化粧シートについて以下の評価を行った。化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
[反射光に基づいて測定されるL*、a*、b*及びC*]
分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用して、暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面へ入射角10度(暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて、暗色基材層又は化粧シートのL*、a*及びb*を測定した。測定されたa*及びb*に基づいて、彩度C*を算出した。なお、彩度はC*=((a*)2+(b*)2)1/2で表される。
[透過光に基づいて測定されるL*、a*、b*及びC*]
分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用して、暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面へ入射角0度(暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線透過光に基づいて、暗色基材層又は化粧シートのL*、a*及びb*を測定した。測定されたa*及びb*に基づいて、彩度C*を算出した。
[分光反射率の測定]
JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用して、暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面に入射角5度(暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面の法線方向を0度とする)で、波長300nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として、各波長の分光反射率(%)を測定した。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。なお、各波長の分光反射率(%)は、暗色基材層又は化粧シートの両面に何の層も積層されていない状態で測定した。
[分光透過率の測定]
JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用して、暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面に入射角0度(暗色基材層の暗色層側表面又は化粧シートの表面保護層側表面の法線方向を0度とする)で、波長300nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の光を照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として、各波長の分光透過率(%)を測定した。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。なお、各波長の分光反射率(%)は、暗色基材層又は化粧シートの両面に何の層も積層されていない状態で測定した。
[波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射の算出]
波長300nmから波長780nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、362nm、・・・778nm、779nm、780nm)の分光反射率(%)の和を481で割ることにより、暗色基材層又は化粧シートの波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射率(%)を算出した。
[波長域300nm以上780nm以下の平均分光透過率の算出]
波長300nmから波長780nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、362nm、・・・778nm、779nm、780nm)の分光透過率(%)の和を481で割ることにより、暗色基材層又は化粧シートの波長域300nm以上780nm以下の平均分光透過率(%)を算出した。
[波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率の算出]
下記式に基づいて、暗色基材層又は化粧シートの波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率(%)を算出した。
波長域300nm以上780nm以下の平均分光吸収率(%)=100(%)−波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射率(%)−波長域300nm以上780nm以下の平均分光透過率(%)
[波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率の算出]
波長781nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長781nm、782nm、783nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)の和を1720で割ることにより、暗色基材層又は化粧シートの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率(%)を算出した。
[波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率の算出]
波長781nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長781nm、782nm、783nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光透過率(%)の和を1720で割ることにより、暗色基材層又は化粧シートの波長域781nm以上2500nm以下の平均透過反射率(%)を算出した。
[波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率の算出]
下記式に基づいて、暗色基材層又は化粧シートの波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率(%)を算出した。
波長域781nm以上2500nm以下の平均分光吸収率(%)=100(%)−波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率(%)−波長域781nm以上2500nm以下の平均分光透過率(%)
〔実施例A2〕
第1印刷インキにおける青色顔料及び茶色顔料の質量比(青色顔料の質量:茶色顔料の質量)を33:67に変更した点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔実施例A3〕
第1印刷インキにおける青色顔料及び茶色顔料の質量比(青色顔料の質量:茶色顔料の質量)を15:85に変更した点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔実施例A4〕
第1印刷インキにおける茶色顔料として、酸化鉄系顔料に代えて、ベンズイミダゾロン系顔料を使用した点、及び、第1印刷インキにおける青色顔料及び茶色顔料の質量比(青色顔料の質量:茶色顔料の質量)を30:70に変更した点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔実施例A5〕
第1印刷インキにおける茶色顔料として、酸化鉄系顔料に代えて、縮合アゾ系顔料を使用した点、及び、第1印刷インキにおける青色顔料及び茶色顔料の質量比(青色顔料の質量:茶色顔料の質量)を35:65に変更した点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔実施例A6〕
第1印刷インキにおける茶色顔料として、酸化鉄系顔料に代えて、縮合アゾ系顔料を使用した点、及び、第1印刷インキにおける青色顔料及び茶色顔料の質量比(青色顔料の質量:茶色顔料の質量)を17:83に変更した点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔比較例A1〕
第1印刷インキに茶色顔料を含有させず、青色顔料のみを含有させた点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔比較例A2〕
第1印刷インキに青色顔料を含有させず、茶色顔料のみを含有させた点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔比較例A3〕
第2印刷インキにおける黒色顔料として、アゾメチンアゾ系黒色顔料に代えて、カーボンブラックを使用した点、及び、暗色層を形成することなく、基材シートA上に黒色層を形成した点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表2に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表3に示す。
〔比較例A4〕
実施例A1と同様にして、基材シートA上に黒色層を形成し、基材シートAと、基材シートA上に形成された黒色層とからなる黒色基材層を得た。黒色基材層の特徴を表2に示す。黒色基材層について実施例A1と同様の評価を行った。黒色基材層に関する評価結果を表3に示す。
〔実施例B1〕
基材シートBとして、両面にコロナ放電処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シートを準備した。このPET樹脂シートは、無色透明な樹脂シート(厚さ:60μm)である。
基材シートBが単独で存在する状態(すなわち、基材シートBの両面に何の層も積層されていない状態)において、波長300nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定した。各波長の分光反射率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、各波長の光を基材シートBの表面に入射角5度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定した。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。
基材シートBが単独で存在する状態(すなわち、基材シートBの両面に何の層も積層されていない状態)において、波長300nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら各波長(すなわち、波長300nm、301nm、302nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光透過率(%)を測定した。各波長の分光透過率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、各波長の光を基材シートBの表面に入射角0度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として測定した。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した
基材シートBに関する波長域300nm以上780nm以下の平均分光反射率、平均分光透過率及び平均分光吸収率は、それぞれ、12.3%、84.1%及び3.6%であった。基材シートBに関する波長域781nm以上2500nm以下の平均分光反射率、平均分光透過率及び平均分光吸収率は、それぞれ、10.7%、88.2%及び1.1%であった。
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、実施例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔実施例B2〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、実施例A2と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔実施例B3〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、実施例A3と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔実施例B4〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、実施例A4と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔実施例B5〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、実施例A5と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔実施例B6〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、実施例A6と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔比較例B1〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、比較例A1と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔比較例B2〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、比較例A2と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔比較例B3〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、比較例A3と同様の操作を行い、化粧シートを得た。化粧シートの特徴を表4に示す。暗色基材層及び化粧シートについて実施例A1と同様の評価を行った。暗色基材層及び化粧シートに関する評価結果を表5に示す。
〔比較例B4〕
基材シートAに代えて基材シートBを使用した点を除き、比較例A4と同様の操作を行い、黒色基材層を得た。黒色基材層の特徴を表4に示す。黒色基材層について実施例A1と同様の評価を行った。黒色基材層に関する評価結果を表5に示す。