JP2019064139A - 化粧シート及び該化粧シートを備える化粧部材 - Google Patents

化粧シート及び該化粧シートを備える化粧部材 Download PDF

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Abstract

【課題】暗色を呈することができるとともに、遮熱性能及び断熱性能により、基材シートの反りの発生を防止することができる化粧シート及び化粧部材を提供する。【解決手段】赤外線反射性を有する基材シート11と、アゾメチンアゾ系黒色顔料を含む暗色層12と、透明断熱層13を順に有し、透明断熱層13側表面に光を照射して測定されるL*a*b*表色系のL*値が30以下、a*値が0以上2.5以下、かつ、b*値が−3以上0.5以下であり、透明断熱層13側表面の波長域831〜2500nmの平均分光反射率が30%以上である、化粧シート10。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート及び該化粧シートを備える化粧部材に関する。
化粧シートは、金属部材、樹脂部材、木質部材等の被着材と積層した形態(化粧部材の形態)で、壁、天井、床、バルコニー、ベランダ等の建築物の内装用部材又は外装用部材の表面化粧板;窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の表面化粧板;キッチン、家具、弱電機器、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装又は外装用の表面化粧板;携帯電話等の通信機器の表面化粧板;車道、歩道等の舗装道路用の表面化粧板(舗装道路の舗装面に積層して色彩、模様等を付与するための表面化粧板)等の様々な用途に使用されている。化粧シートは、一般的に、基材シートと、基材シート上に設けられた装飾層とを備える。
近年、茶褐色、黒色等の暗色系の化粧シートの需要が高まっており、暗色系の化粧シートとしては、装飾層中に黒色顔料としてカーボンブラックを含む化粧シートが知られている。しかしながら、このような化粧シートが直射日光に晒される環境で使用されると、カーボンブラックが赤外線を吸収して輻射熱が発生し、基材シートの表裏面で温度差が生じ、基材シートに反りが生じるという問題がある。
特許文献1(特開2007−168176号公報)には、赤外線反射特性を有するFe、Cr、Mn、Cu、Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物から成る無機顔料を含む熱可塑性樹脂の使用により、蓄熱性を低下させた、木目模樣調の外観を呈する積層体が記載されている。しかしながら、特許文献1で使用される無機顔料は、白色のような高明度品であれば、高い赤外線反射特性を示すが、黒色のような暗色系の低明度品では、十分な赤外線反射特性を示さない。したがって、暗色を呈することができるとともに、遮熱性能を発揮することができる化粧シートを特許文献1により実現することは困難である。
特許文献2(特開2014−43066号公報)には、木目模様中の導管部を形成する絵柄模様層中の黒色顔料として、赤外線透過性が高いアゾメチンアゾ系顔料を使用することにより、遮熱性能を向上させた化粧シートが記載されている。しかしながら、アゾメチンアゾ系顔料は、赤味を帯びた黒色を呈する。特許文献2では、化粧シートの表面積のうち、導管部を形成する絵柄模様層が設けられる部分の面積が占める割合が小さいこと、並びに、その実施例に開示されているように、絵柄模様層の基材となる着色フィルムに、赤外線反射性顔料である白色の酸化チタンに加えて青色のフタロシアニンブルーを添加して絵柄模様層の赤味を相殺していることから、絵柄模様層中のアゾメチンアゾ系顔料が、赤味を帯びた黒色を呈しても、化粧シートは、黒色、赤味の少ない褐色等の所望の暗色を呈する自由度が阻害されないかもしれない。しかしながら、化粧シートの表面積のうち、絵柄模様層が設けられる部分の面積が占める割合が大きくなるほど、絵柄模様層中のアゾメチンアゾ系顔料が呈する赤味が強くなり、化粧シートの暗色を実現するための選択の自由度が狭くなる。したがって、このような化粧シートとしては、実際に、全面に亘って暗色が基調色となった木目模様、暗色の全面ベタ(全面に亘る単色層)等の表面に占める絵柄模様の面積占有率の大きい絵柄模様が選択されることも多い。また、暗色として、赤味がかった茶褐色、臙脂色等以外にも、黒色、濃灰色、紺色、深緑色、黄褐色等の色が選択されることも多い。さらに、酸化チタンを含む赤外線反射性の着色フィルム中に青等の着色顔料を添加することにより赤外線反射率、すなわち遮熱性能も多少なりとも低下する。したがって、絵柄模様層の面積が広い絵柄模様においても色調が赤味がかった特定の暗色に制限されることがなく、絵柄模様と暗色の選択自由度が高いとともに、遮熱性能を発揮することができる化粧シートを特許文献2により実現することは困難である。
一方、化粧シートの遮熱性能だけでは、化粧シートの表面から装飾層への熱伝導を抑制することができない。このため、化粧シートが高温の外気に晒されると、外気の熱が化粧シートの表面から装飾層へ伝導することにより基材シートの表裏面で温度差が生じ、基材シートに反りが生じるという問題がある。
特開2007−168176号公報 特開2014−043066号公報
そこで、本発明は、暗色を呈することができるとともに、遮熱性能及び断熱性能により、基材シートの反りの発生を防止することができる化粧シート及び化粧部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の発明を提供する。
[1]赤外線反射性を有する基材シートと、アゾメチンアゾ系黒色顔料を含む暗色層と、透明断熱層とを順に有する化粧シートであって、
前記化粧シートの透明断熱層側表面に光を照射して測定されるL表色系のL値、a値及びb値が、L値:30以下、a値:0以上2.5以下、かつ、b値:−3以上0.5以下であり、
前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長域831〜2500nmの光を照射して測定される波長域831〜2500nmの平均分光反射率が30%以上である、前記化粧シート。
[2]前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長750nmの光を照射して測定される波長750nmの分光反射率が50%以上、かつ、前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長800nmの光を照射して測定される波長800nmの分光反射率が60%以上である、[1]に記載の化粧シート。
[3]前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長域360〜600nmの光を照射して測定される波長域360〜600nmの平均分光反射率が10%以下である、[1]又は[2]に記載の化粧シート。
[4]前記基材シートが単独で存在する状態において、前記基材シートの表面に波長域831〜2500nmの光を照射して測定される波長域831〜2500nmの平均分光反射率が50%以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧シート。
[5]前記透明断熱層が単独で存在する状態において、前記透明断熱層の表面に光を照射して測定されるL表色系のa値及びb値が、a値:−1以上0以下、かつ、b値:−3以上−2以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の化粧シート。
[6]前記化粧シートの透明断熱層側表面を形成する表面保護層をさらに備える、[1]〜[5]のいずれかに記載の化粧シート。
[7]前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂の硬化物を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の化粧シート。
[8]前記基材シートが着色樹脂シートである、[1]〜[7]のいずれかに記載の化粧シート。
[9]前記着色樹脂シートが白色樹脂シートである、[8]に記載の化粧シート。
[10]前記化粧シートがカーボンブラックを含まない、[1]〜[9]のいずれかに記載の化粧シート。
[11]前記基材シートの一方の表面の面積のうち、前記暗色層が形成される領域の面積が占める割合が50%以上である、[1]〜[10]のいずれかに記載の化粧シート。
[12]被着材と[1]〜[11]のいずれかに記載の化粧シートとを、前記被着材と前記化粧シートの前記基材シートとが対向するように備える、化粧部材。
[13]前記被着材が、木質部材、金属部材及び樹脂部材から選択される少なくとも一種の部材である、[12]に記載の化粧部材。
[14]前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長域831〜2500nmの光を照射して測定される波長域831〜2500nmの平均分光反射率が50%以上である、[12]又は[13]に記載の化粧部材。
[15]前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長750nmの光を照射して測定される波長750nmの分光反射率が55%以上、かつ、前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長800nmの光を照射して測定される波長800nmの分光反射率が70%以上である、[14]に記載の化粧部材。
[16]前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長域360〜600nmの光を照射して測定される波長域360〜600nmの平均分光反射率が10%以下である、[12]〜[15]のいずれかに記載の化粧部材。
本発明によれば、暗色を呈することができるとともに、遮熱性能及び断熱性能により、基材シートの反りの発生を防止することができる化粧シート及び化粧部材が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧シートの構成を模式的に示す側面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る化粧部材の構成を模式的に示す側面図である。 図3は、実施例で使用された基材シートS1における波長域360〜2500nmの分光反射率曲線及び分光透過率曲線を示す図である。 図4は、実施例で使用された基材シートS2における波長域360〜2500nmの分光反射率曲線及び分光透過率曲線を示す図である。 図5は、実施例1の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図6は、実施例2の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図7は、実施例3の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図8は、実施例4の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図9は、実施例5の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図10は、比較例1の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図11は、比較例2の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図12は、比較例3の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。 図13は、比較例4の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を示す図である。
〔定義〕
本発明において使用されるパラメータは以下の通り定義される。
「L表色系」は、CIE(国際照明委員会)で規格化され、JIS Z 8781−4:2013で採用されている表色系を意味する。なお、L表色系において、明度はLで表され、色相及び彩度を示す色度はa、bで表される。
化粧シートにおける「L表色系のL値、a値及びb値」は、分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用し、化粧シートの透明断熱層側表面(図1における上面)に入射角10度(化粧シートの表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて測定する。
化粧シート又は化粧部材における「波長域831〜2500nmの平均分光反射率(%)」は、波長831nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長831nm、832nm、833nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した1670個の分光反射率の和を1670で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、化粧シート又は化粧部材の透明断熱層側表面(図1又は図2における上面)に入射角5度(化粧シート又は化粧部材の表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定する。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。
化粧シート又は化粧部材における「波長750nmの分光反射率(%)」又は「波長800nmの分光反射率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、化粧シート又は化粧部材の透明断熱層側表面(図1又は図2における上面)に入射角5度(化粧シート又は化粧部材の表面の法線方向を0度とする)で波長750nm又は波長800nmの光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定する。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。
化粧シート又は化粧部材における「波長域360〜600nmの平均分光反射率(%)」は、波長360nmから波長600nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・598nm、599nm、600nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した241個の分光反射率の和を241で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」の測定方法は、上記した通りである。
基材シートにおける「波長域360〜2500nmの平均分光反射率(%)」、「波長域831〜2500nmの平均分光反射率(%)」、「波長750nmの分光反射率(%)」、「波長800nmの分光反射率(%)」及び「波長域360〜600nmの平均分光反射率(%)」は、基材シートが単独で存在する状態(すなわち、基材シートの両面に何の層も積層されていない状態)で、基材シートの透明断熱層側表面の反射率として測定する。したがって、基材シート上に暗色層、透明断熱層等が積層された化粧シートの形態から、基材シートの反射率を測定する場合には、化粧シートから基材シートの透明断熱層側表面に積層された全層(暗色層、透明断熱層等)を切削又は剥離して除去し、基材シートの透明断熱層側表面(図1における上面)を露出させた状態で基材シートの反射率を測定する。但し、基材シートの表裏両面の反射率が同一である場合には、化粧シートの裏面(透明断熱層とは反対側の面)の反射率を測定して、これを基材シートにおける反射率とする。
基材シートにおける「波長域360〜2500nmの平均分光反射率(%)」は、波長360nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した2141個の分光反射率の和を2141で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、基材シートの透明断熱層側表面(図1における上面)に入射角5度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定する。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠する。
基材シートにおける「波長域831〜2500nmの平均分光反射率(%)」は、波長831nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長831nm、832nm、833nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した1670個の分光反射率の和を1670で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」の測定方法は、上記した通りである。
基材シートにおける「波長750nmの分光反射率(%)」及び「波長800nmの分光反射率(%)」の測定方法は、化粧シートにおける「波長750nmの分光反射率(%)」及び「波長800nmの分光反射率(%)」と同様である。
基材シートにおける「波長域360〜600nmの平均分光反射率(%)」は、波長360nmから波長600nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・598nm、599nm、600nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した241個の分光反射率の和を241で割ることにより算出する。「各波長の分光反射率(%)」の測定方法は、上記した通りである。
透明断熱層における「L表色系のa値及びb値」は、透明断熱層が単独で存在する状態(すなわち、透明断熱層の両面に何の層も形成されていない状態)で透明断熱層の表面(基材シートとは反対側の表面)のa値及びb値として測定する。したがって、基材シート上に暗色層、透明断熱層等が積層された化粧シートの形態から透明断熱層のa値及びb値を測定する場合には、化粧シートから透明断熱層の表面(基材シートとは反対側の表面)及び裏面(基材シート側の表面)に積層された全層(基材シート、暗色層等)を切削又は剥離して除去し、透明断熱層の表面を露出させた状態で透明断熱層のa値及びb値を測定する。測定方法は、化粧シートにおける「L表色系のL値、a値及びb値」と同様である。
なお、本明細書において、「数値A〜数値B」と表現される数値範囲は、別段規定される場合を除き、数値Aを上限値とし、数値Bを下限値とする数値範囲(すなわち、数値A及び数値Bを含む数値範囲)を意味する。
〔化粧シート〕
以下、図1に基づいて、本発明の一実施形態に係る化粧シートについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る化粧シート10の構成を模式的に示す側面図である。
図1に示すように、化粧シート10は、赤外線反射性を有する基材シート11と、アゾメチンアゾ系黒色顔料を含む暗色層12と、透明断熱層13と、表面保護層14とを順に備える。なお、表面保護層14は、必要に応じて設けられる層であり、本発明には、表面保護層14が省略された実施形態も包含される。
化粧シート10の透明断熱層13側表面に光を照射して測定されるL表色系のL値、a値及びb値は、L値:30以下、a値:0以上2.5以下、かつ、b値:−3以上0.5以下である。これにより、化粧シート10は暗色を呈することができる。化粧シート10が呈する暗色は、主として、暗色層12が呈する暗色に起因する。なお、「暗色」とは、その色調が、低明度の有彩色又は無彩色であることを意味する。例えば、黒色、濃い灰色等の無彩色、及び、紺色、茶褐色、黄褐色、深緑色、濃紫色、臙脂色等の有彩色が、暗色に該当する。
化粧シート10におけるL値は、30以下である限り特に限定されないが、好ましくは29以下である。L値の下限値は特に限定されないが、通常20、好ましくは22、さらに好ましくは23である。
化粧シート10におけるa値は、0以上2.5以下である限り特に限定されないが、好ましくは0.5以上1.8以下、さらに好ましくは0.5以上1.5以下、さらに一層好ましくは0.7以上1.3以下、さらに一層好ましくは0.7以上1.2以下である。
化粧シート10におけるb値は、−3以上0.5以下である限り特に限定されないが、好ましくは−2.8以上0以下、さらに好ましくは−2.3以上−0.5以下、さらに一層好ましくは−2以上−1以下である。
化粧シート10の透明断熱層13側表面に波長831〜2500nmの光を照射して測定される波長831〜2500nmの平均分光反射率は、30%以上である。これにより、化粧シート10は、赤外線反射性能に基づく遮熱性能を発揮することができる。化粧シート10の赤外線反射性能は、主として、基材シート11の赤外線反射性能と、アゾメチンアゾ系黒色顔料によって付与される暗色層12の赤外線透過性能に起因する。すなわち、化粧シート10の透明断熱層13側表面に照射された波長域831〜2500nmの光のうち、表面保護層14、透明断熱層13を順次透過して暗色層12に到達した光は、暗色層12を透過し、基材シート11で反射される。これにより、化粧シート10は、赤外線反射性能に基づく遮熱性能を発揮することができる。化粧シート10が遮熱性能を発揮することにより、基材シート11の表裏面の温度差(特に、暗色層12が赤外線を吸収することにより生じる基材シート11の表裏面の温度差)に起因する基材シート11の反りの発生を防止することができる。これに加えて、化粧シート10の透明断熱層13側表面から暗色層12への熱伝導は、透明断熱層13により抑制される。したがって、化粧シート10が高温の外気に晒されても、外気の熱が化粧シート10の透明断熱層13側表面から暗色層12へ伝導することを抑制することができ、これにより、基材シート11の表裏面の温度差(特に、化粧シート10の透明断熱層13側表面から暗色層12への熱伝導により生じる基材シート11の表裏面の温度差)に起因する基材シート11の反りの発生を防止することができる。このように、化粧シート10は、遮熱性能及び断熱性能により、基材シート11の反りの発生を防止することができる。
化粧シート10における波長831〜2500nmの平均分光反射率は、好ましくは33%以上、さらに一層好ましくは35%以上である。化粧シート10における波長831〜2500nmの平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは90%、さらに好ましくは85%、さらに一層好ましくは80%である。
化粧シート10の透明断熱層13側表面に波長750nmの光を照射して測定される波長750nmの分光反射率は、50%以上、かつ、化粧シート10の透明断熱層13側表面に波長800nmの光を照射して測定される波長800nmの分光反射率は、60%以上であることが好ましい。これにより、化粧シート10は、赤外線反射性能に基づく遮熱性能を、より効果的に発揮することができる。
化粧シート10における波長750nmの分光反射率は、好ましくは53%以上、さらに好ましくは55%以上、さらに一層好ましくは60%以上である。化粧シート10における波長750nmの分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは75%、さらに好ましくは70%である。
化粧シート10における波長800nmの分光反射率は、好ましくは63%以上、さらに好ましくは65%以上、さらに一層好ましくは70%以上である。化粧シート10における波長800nmの分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは100%、さらに好ましくは95%、さらに一層好ましくは90%である。
化粧シート10の透明断熱層13側表面に波長域360〜600nmの光を照射して測定される波長域360〜600nmの平均分光反射率は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは8%以下、さらに一層好ましくは6%以下、さらに一層好ましくは4%以下である。これにより、化粧シート10は、暗色を、より効果的に呈することができる。化粧シート10における波長域360〜600nmの平均分光反射率の下限値は特に限定されない。
化粧シート10は、波長域360〜600nmの平均分光反射率が10%以下であるという特徴と、波長750nmの分光反射率が50%以上、かつ、波長800nmの分光反射率が60%以上であるという特徴と、波長域831〜2500nmの平均分光反射率が30%以上であるという特徴とを兼ね備えることが好ましい。これにより、化粧シート10の分光反射率は、波長域600〜800nmにおいて急な立ち上がりを有し、化粧シート10は、可視光域における低い分光反射率に基づく暗色の呈色と、赤外線域(波長域831〜2500nm)の高い分光反射率に基づく遮熱性能の発揮とを、より効果的に両立することができる。
(基材シート)
基材シート11の分光反射率は、化粧シート10の分光反射率に影響を与える。したがって、基材シート11の分光反射率を調節することにより、化粧シート10における波長域360〜600nmの平均分光反射率、波長750nmの分光反射率、波長800nmの分光反射率及び波長831〜2500nmの平均分光反射率を調節することができる。
基材シート11における波長域360〜2500nmの平均分光反射率は、好ましくは55%以上、さらに好ましくは58%以上、さらに一層好ましくは60%以上である。基材シート11における波長域360〜2500nmの平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは100%、さらに好ましくは90%、さらに一層好ましくは80%である。
基材シート11における波長域360〜600nmの平均分光反射率は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上、さらに一層好ましくは60%以上である。なお、基材シート11における波長域360〜600nmの平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは90%、さらに好ましくは85%、さらに一層好ましくは80%である。
基材シート11における波長750nmの分光反射率は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、さらに一層好ましくは80%以上である。なお、基材シート11における波長750nmの分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは100%、さらに好ましくは95%である。
基材シート11における波長800nmの分光反射率は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、さらに一層好ましくは80%以上である。なお、基材シート11における波長800nmの分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは100%、さらに好ましくは95%である。
基材シート11における波長831〜2500nmの平均分光反射率は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは53%以上、さらに一層好ましくは55%以上である。なお、基材シート11における波長831〜2500nmの平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは95%、さらに好ましくは93%、さらに一層好ましくは90%である。
基材シート11の赤外線反射性及び分光反射率は、基材シート11を構成する樹脂の種類、基材シート11の厚み、基材シート11が着色剤を含む場合には着色剤の種類及び量等を適宜選択することにより調節することができる。
基材シート11を構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。基材シート11を構成する樹脂は1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
基材シート11を構成するポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられ、これらのうち、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。
基材シート11を構成するポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられ、これらのうち、ポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。
基材シート11の厚みは、基材シート11における所望の赤外線反射性及び分光反射率を実現する観点から、通常20〜200μm、好ましくは40〜150μm、さらに好ましくは60〜100μmである。
基材シート11は、着色された樹脂で構成される着色樹脂シートであることが好ましい。基材シート11として着色樹脂シートを使用することにより、化粧シート10を貼着する被着材の表面色相がばらついている場合であっても、被着材の表面色相を良好に隠蔽することができるので優れた意匠性が得られる。また、基材シート11上に設けられる暗色層12の色調の安定性を確保することができる。基材シート11における所望の赤外線反射性及び分光反射率を実現する観点から、着色樹脂シートは、白色に着色されている(すなわち、白色顔料を含む)ことが好ましい。
着色剤は、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、基材シート11を有色透明や、有色不透明に着色することができる。一般的には被着材の表面を隠蔽する観点から、有色不透明とすることが好ましい。
着色剤としては、例えば、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられ、これらの中から選択した1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。但し、基材シート11が上記のような可視光域及び赤外線域の分光特性を満たすように、着色剤の種類及び含有量は選択される。
基材シート11が着色剤としてカーボンブラック(墨)を含む場合、化粧シート10の優れた遮熱性能を実現する観点から、カーボンブラックの含有量は、基材シート11を形成する樹脂100質量部に対して5.0質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がさらに好ましく、ゼロであること(カーボンブラックを添加しないこと)が最も好ましい。カーボンブラックは熱を吸収しやすい特性を有するため、化粧シート10にカーボンブラックが使用されることにより、化粧シート10が熱を吸収しやすくなり、遮熱性能が低下してしまうからである。
基材シート11が白色顔料として酸化チタンを含む場合、酸化チタンの結晶型は特に限定されるものではなく、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型等の公知の結晶形から適宜選択することができるが、優れた白色度、耐候性、遮熱性能等を有する観点から、ルチル型が好ましい。また、酸化チタンは、光触媒作用によって樹脂を劣化させる可能性があることから、光触媒作用を安定させる目的で、表面被覆剤で表面処理されていることが好ましく、該表面被覆剤の組成としては限定的ではないが、例えば、酸化ケイ素やアルミナ、又は、酸化亜鉛等の無機酸化物が挙げられる。表面被覆剤の被覆方法についても特に限定されたものではなく、公知の方法で得られた酸化チタンを使用することができる。
基材シート11に含まれる着色剤の量は、基材シート11における所望の赤外線反射性及び分光反射率を実現する観点から、基材シート11を構成する樹脂100質量部に対して、通常1〜70質量部、好ましくは1〜50質量部である。
基材シート11は、基材シート11と他の層との層間密着性や、各種の被着材との接着性の強化等のために、片面又は両面に酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく使用される。また、基材シート11と各層との層間密着性の強化等を目的として、プライマー層、裏面プライマー層を形成する等の処理を施してもよい。
基材シート11は、必要に応じて無機充填剤を含んでもよい。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。基材シート11に含まれる無機充填剤の量は、通常、基材シート11を形成する樹脂100質量部に対して、1〜50質量部である。基材シート11は、必要に応じてその他の各種添加剤、例えば、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでもよい。
基材シート11は、一方又は両方の面に設けられた金属膜を有していてもよい。金属膜が有する高熱伝導性により、基材シート11の熱を高温側から低温側へ速やかに移動(放熱)させる。金属膜を構成する金属は、光反射性を有する限り特に限定されない。金属膜を構成する金属としては、例えば、銀、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、スズ、インジウム、これらから任意に選択された2種以上の金属を含む合金等が挙げられる。金属膜を構成する金属は、合金であってもよい。金属膜の形成方法としては、例えば、蒸着、スパッタリング、めっき等が挙げられる。
金属膜の厚さは、金属膜が光反射性を発揮し得る限り特に限定されないが、通常40〜10000nm、好ましくは50〜9000nm、さらに好ましくは55〜8000nmである。
(暗色層)
暗色層12は、暗色を呈する。なお、「暗色」とは、その色調が、低明度の有彩色又は無彩色であることを意味する。例えば、黒色、濃い灰色等の無彩色、及び、紺色、茶褐色、黄褐色、深緑色、濃紫色、臙脂色等の有彩色が、暗色に該当する。
暗色層12は、化粧シート10に暗色を付与し、化粧シート10の意匠性を向上させる効果の他、基材シート11を隠蔽する効果も有する。暗色層12は、絵柄として認識されるように基材シート11の一方の表面に部分的に形成されていてもよいが、化粧シート10の透明断熱層13側表面の全体が暗色として認識されるように、基材シート11の一方の表面の全体に形成されていることが好ましい。基材シート11の一方の表面の面積のうち、暗色層12が形成される領域の面積が占める割合は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは100%である。
暗色層12の形成方法としては、例えば、コート法、印刷法等が挙げられる。コート法としては、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート等が挙げられる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。暗色層12は、好ましくは、印刷層である。
暗色層12は、アゾメチンアゾ系黒色顔料を含む。暗色層12には、アゾメチンアゾ系黒色顔料により付与される赤外線透過性を有する。但し、暗色層12の赤外線透過性は、アゾメチンアゾ系黒色顔料のみに起因するわけではない。
暗色層12に含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量、暗色層12の厚み等は、化粧シート10におけるL表色系のL値、a値及びb値並びに分光反射率に影響を与える。したがって、暗色層12に含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量、暗色層12の厚み等を調節することにより、化粧シート10におけるL表色系のL値、a値及びb値並びに分光反射率を調節することができる。
暗色層12に含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量は、化粧シート10における所望のL値、a値及びb値並びに所望の分光反射率を実現する観点から、暗色層12に含まれる固形分総量に対して通常1〜100質量%、好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは20〜40質量%である。暗色層12に含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料以外の成分は、主として、バインダー樹脂で構成されることが好ましい。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、1液硬化型樹脂、2液硬化型樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。具体的には、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の中から選択されたバインダー樹脂を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
暗色層12の厚みは、化粧シート10における所望のL値、a値及びb値並びに所望の分光反射率を実現する観点から、通常0.5〜15μm、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは3〜7μmである。
アゾメチンアゾ系黒色顔料は、メチン基及びアゾメチン基を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、特開昭62−30202号公報、特開昭62−32149号公報(特公平4−15265号公報)、特開2002−256165号公報(特許第4084022号明細書)、特開2002−348491号公報(特許第4084023号明細書)等に記載のアゾメチンアゾ系黒色顔料が挙げられる。
アゾメチンアゾ系黒色顔料としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019064139
上記式中、
Xは、水素原子又はハロゲン原子を表し、
mは1〜4の整数を表し、
は、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基及びニトロ基からなる群より選択される1又は2以上の置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表し、
nは1又は2を表し、
nが1を表す場合、Rは、メチル基、エチル基、メトキシ基及びアニリノカルボニル基からなる群より選択される1又は2以上の置換基を有していてもよいフェニル基、
Figure 2019064139
を表し、
nが2を表す場合、メチル基、エチル基、メトキシ基及びアニリノカルボニル基からなる群より選択される1又は2以上の置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表す。
また、アゾメチンアゾ系黒色顔料としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019064139
上記式中、
Rは、炭素数1〜3の低級アルキル基及び炭素数1〜3の低級アルコキシ基からなる群より選択される基を表し、
nは1〜5の整数を表し、
nが2以上の整数を表す場合、Rは同一であってもよいし異なっていてもよい。
アゾメチンアゾ系黒色顔料の具体例としては、1−[[4−[(4,5,6,7−テトラクロロ−3−オキソ−イソインドリン−1−イリデン)アミノ]フェニル]アゾ]−2−ヒドロキシ−N−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−11H−ベンゾ[a]カルバゾール−3−カルボキシアミド、(2−ヒドロキシ−N−(2’−メチル−4’−メトキシフェニル)−1−{[4−[(4,5,6,7−テトラクロロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−3−イリデン)アミノ]フェニル]アゾ}−11H−ベンゾ[a]−カルバゾール−3−カルボキシアミド)等が挙げられる。
暗色層12は、アゾメチンアゾ系黒色顔料以外の1種又は2種以上の顔料を含んでもよい。アゾメチンアゾ系黒色顔料以外の顔料は暗色を呈することが好ましい。アゾメチンアゾ系黒色顔料以外の顔料は、単独で暗色を呈する顔料であってもよいし、2種以上の顔料の組み合わせにより暗色を呈する顔料であってもよい。例えば、茶褐色顔料と青色顔料との組み合わせは、黒色を呈することができる。アゾメチンアゾ系黒色顔料以外の顔料は、赤外線反射性又は赤外線透過性を有することが好ましい。これにより、暗色層12の赤外線吸収性を減少させることができ、化粧シート10の遮熱性を向上させることができる。赤外線反射性を有する1種又は2種以上の顔料と、赤外線透過性を有する1種又は2種以上の顔料とを組み合わせて使用してもよい。
赤外線透過性を有する顔料としては、例えば、ペリレン系黒色顔料、ベンズイミダゾロン系茶色顔料、オキサジン系紫色顔料、フタロシアニン系青色顔料、イソインドリノン系黄色顔料、キナクリドン系赤色顔料等の有機顔料が挙げられる。赤外線透過性を有する顔料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ペリレン系黒色顔料としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019064139
上記式中、
Rは、同一又は異なって、−(CH−OH、−CH−CH−Y(Yはフェニル基、メチル基又はヒドロキシメチル基を表す。)、又は
Figure 2019064139
を表す。
ペリレン系黒色顔料の具体例としては、例えば、下記式で表されるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド等が挙げられる。
Figure 2019064139
ベンズイミダゾロン系顔料は、ベンズイミダゾロン骨格を有する顔料であり、公知のベンズイミダゾロン系顔料から適宜選択することができる。ベンズイミダゾロン系顔料としては、例えば、PigmentYellow120、PigmentYellow151、PigmentYellow154、PigmentYellow175、PigmentYellow180、PigmentYellow181、PigmentYellow194、Pigment Red175、PigmentRed176、PigmentRed185、PigmentRed208、PigmentViolet32、PigmentOrange36、PigmentOrange62、PigmentOrange72、PigmentBrown25等が挙げられる。
オキサジン系顔料としては、例えば、バイオレット23(分子量589)、CIダイレクトバイオレット37(分子量:789)等が挙げられる
フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン骨格を有する顔料である。フタロシアニン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green7、C.I.Pigment Green36、C.I.Pigment Green37、C.I.Pigment Blue16、C.I.Pigment Blue75、C.I.Pigment Blue15等が挙げられる。
イソインドリン系顔料としては、例えば、C.I.Pigment Orange66、C.I.Pigment Yellow109、C.I.Pigment Yellow139、C.I.Pigment Yellow185等が挙げられる。
キナクリドン系顔料としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド122、C.I.ダイレクトレッド202、C.I.ダイレクトレッド209等が挙げられる。
赤外線反射性を有する顔料としては、例えば、複合酸化物、酸化鉄、酸化チタン等の無機黒色顔料が挙げられる。赤外線反射性を有する顔料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
赤外線反射性を有する複合酸化物は、例えば、国際公開2016/125907号、国際公開2010/029757号等に記載されるような公知の複合酸化物の中から選択することができる。
国際公開2016/125907号に記載の複合酸化物は、少なくとも2種の金属元素を含む酸化物である。複合酸化物は、少なくともマンガン元素を含む複合酸化物、すなわち、マンガン元素と、マンガン元素以外の少なくとも1種の金属元素を含む酸化物であることが好ましい。複合酸化物に含まれるマンガン元素以外の金属元素は、特に限定されるものではなく、より明度が低い落ち着いた意匠性を得る観点、遮熱性能を得る観点等から適宜選択することができる。複合酸化物に含まれるマンガン元素以外の金属元素は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。複合酸化物に含まれるマンガン元素以外の金属元素としては、例えば、カルシウム元素、バリウム元素等の第2族元素;イットリウム元素、ランタン元素、プラセオジム元素;ネオジム元素等の第3族元素、チタン元素、ジルコニウム元素等の第4族元素;ホウ素元素、アルミニウム元素、ガリウム元素、インジウム元素等の第13族元素;アンチモン元素、ビスマス元素等の第15族元素等の金属元素が挙げられる。これらのなかでも、第2族元素、第4族元素、第15族元素が好ましく、カルシウム元素、チタン元素、及びビスマス元素がより好ましく、カルシウム元素及びチタン元素がさらに好ましい。複合酸化物の特に好ましい具体例としては、マンガン元素、カルシウム元素及びチタン元素を含む複合酸化物が挙げられる。
複合酸化物の構造は、特に限定されるものではないが、構造として安定している観点、優れた遮熱性能及び意匠性を得る観点等から、ペロブスカイト構造、斜方晶構造、六方晶構造等であることが好ましく、ペロブスカイト構造であることがさらに好ましい。
国際公開2010/029757号に記載の複合酸化物は、実質的にCrを含有せず、少なくともCo、Mg、Fe、Al及びCuを含有し、Cu/(Co+Mg+Fe+Al+Cu)がモル比で10〜90%である。「実質的にCrを含まない」とは、不可避的に各種原料由来の不純物が混入する場合もあるが、この場合であっても、Crの含有量は1質量%以下であり、殊に、Cr6+の含有量は10ppm以下であることを意味する。Coの含有量は、全金属元素に対して、1〜20モル%が好ましく、2〜16モル%がより好ましく、Mgの含有量は、全金属元素に対して、1〜50モル%が好ましく、2〜30モル%がより好ましい。Fe及びAlの含有量は、全金属元素に対して、1〜50モル%が好ましく、2〜40モル%がより好ましい。
暗色層12は、赤外線透過性顔料及び赤外線反射性顔料以外の着色剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等の成分を含んでいてもよい。着色剤の具体例は、基材シート11に含まれる着色剤に関して上記した具体例と同様である。暗色層12は、カーボンブラック(墨)を含まないことが好ましい。カーボンブラックは熱を吸収しやすい特性を有するため、化粧シート10にカーボンブラックが使用されることにより、化粧シート10が熱を吸収しやすくなり、遮熱性能が低下してしまうからである。
暗色層12を形成するために使用される暗色層形成用インキは、例えば、溶剤又は分散媒と、バインダー樹脂、アゾメチンアゾ系黒色顔料等の固形分との混合物である。溶剤又は分散媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。溶剤又は分散媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、暗色層形成用インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料及びバインダー樹脂の量(固形分基準)は、それぞれ、暗色層12に含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料及びバインダー樹脂の量(固形分基準)に相当する。
暗色層12を形成する際、暗色層形成用インキが塗布される面(例えば、基材シート11が有する一方の面)の単位面積当たりに塗布される暗色層形成用インキの量(固形分基準)は、化粧シート10における所望のL値、a値及びb値並びに所望の分光反射率を実現する観点から、通常0.5〜15g/m、好ましくは1〜10g/m、さらに好ましくは3〜7g/mである。
(透明断熱層)
透明断熱層13は、暗色層12と表面保護層14の間に設けられている。透明断熱層13が暗色層12と表面保護層14の間に設けられている限り、暗色層12と透明断熱層13との間及び/又は透明断熱層13と表面保護層14との間には、他の層が設けられていてもよい。
透明断熱層13は、化粧シート10の透明断熱層13側表面から暗色層12への熱伝導を抑制することができる。したがって、化粧シート10が高温の外気に晒されても、外気の熱が化粧シート10の透明断熱層13側表面から暗色層12へ伝導することを抑制することができ、これにより、基材シート11の表裏面の温度差(特に、化粧シート10の透明断熱層13側表面から暗色層12への熱伝導により生じる基材シート11の表裏面の温度差)に起因する基材シート11の反りの発生を防止することができる。これに加えて、上述のように化粧シート10は遮熱性能を有する。したがって、化粧シート10は、遮熱性能及び断熱性能により、基材シート11の反りの発生を防止することができる。
透明断熱層13の熱伝導率は適宜調整することができるが、通常3〜100mW/mK、好ましくは5〜80mW/mK、さらに好ましくは10〜50mW/mKである。
透明断熱層13におけるL表色系のL値、a値及びb値は、化粧シート10におけるL表色系のL値、a値及びb値に影響を与える。したがって、透明断熱層13におけるL表色系のL値、a値及びb値を調節することにより、透明断熱層13を化粧シート10の色を補正する色補正層として機能させることができ、これにより、化粧シート10におけるL表色系のL値、a値及びb値を調節することができる。なお、透明断熱層13は、暗色層12を保護して、耐傷性を向上させる効果も有する。
透明断熱層13におけるL表色系のa値及びb値は、a値:−1以上0以下、かつ、b値:−3以上−2以下であることが好ましい。なお、透明断熱層13におけるL表色系のL値は30〜50であることが好ましい。
透明断熱層13におけるL表色系のL値、a値及びb値は、透明断熱層13を構成する樹脂の種類、透明断熱層13の厚み、透明断熱層13が断熱材、着色剤等を含む場合には断熱材、着色剤等の種類及び量等を適宜選択することにより調節することができる。
透明断熱層13は、暗色層12をより鮮明に視認できるようにする観点から、透明である。「透明」には、無色透明の他、着色透明及び半透明も包含する。透明断熱層13が着色されている場合、透明断熱層13に含まれる着色剤の具体例は、基材シート11に含まれる着色剤に関して上記した具体例と同様である。透明断熱層13は、カーボンブラック(墨)を含まないことが好ましい。カーボンブラックは熱を吸収しやすい特性を有するため、化粧シート10にカーボンブラックが使用されることにより、化粧シート10が熱を吸収しやすくなり、遮熱性能が低下してしまうからである。
透明断熱層13の厚みは、透明断熱層13における所望のL値、a値及びb値並びに所望の断熱性を実現する観点から、通常20〜130μm、好ましくは30〜100μm、さらに好ましくは40〜90μmである。透明断熱層13の厚みが上記範囲内であると、暗色層12の保護機能及び耐傷性の向上も望める。
透明断熱層13は、各層との接着性を向上させる観点から、片面又は両面に酸化法、凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。これらの物理的又は化学的表面処理としては、基材シート11の表面処理と同様の方法が挙げられる。また、透明断熱層13は、各層との接着性を向上させる観点から、プライマー層や裏面プライマー層を形成する等の処理を施すこともできる。
透明断熱層13の構成は、化粧シート10の透明断熱層13側表面から暗色層12への熱伝導を抑制し得る限り特に限定されない。透明断熱層13は、例えば、独立気泡又は連続気泡、好ましくは独立気泡を内部に有する。
一実施形態において、透明断熱層13は、樹脂及び発泡剤を含む発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。透明断熱層13の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は、化粧シートの用途等に応じて適宜調整することができる。
発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂の量は適宜調整することができる。発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂は、好ましくは、ポリオレフィン樹脂である。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン系共重合体樹脂等が挙げられる。エチレン系共重合体樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂は、アイオノマー樹脂であってもよい。アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)又はエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。なお、アクリル樹脂に関し、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート又はアクリレートの意味である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられる。
発泡剤含有樹脂層に含まれる発泡剤としては、例えば、熱分解型発泡剤、マイクロカプセル型発泡剤等が挙げられる。熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。発泡剤含有樹脂層に含まれる熱分解型発泡剤の量は、発泡剤の種類、発泡倍率(発泡剤含有樹脂層の厚みに対する透明断熱層13の厚み)等に応じて適宜調整することができる。発泡倍率は1.5倍以上が好ましく、3倍以上8倍以下がさらに好ましい。発泡剤含有樹脂層に含まれる熱分解型発泡剤の量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
マイクロカプセル型発泡剤としては、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂からなる中空の微小球殻中に、熱膨張性気体として、空気、ブタン、ペンタン、ヘキサン等を内包したものが挙げられる。
発泡効果を向上させるために、発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の分解を促進する発泡助剤を含んでもよい。発泡助剤は、使用する発泡剤の種類に応じて適宜選択することができるが、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを使用する場合には、発泡助剤として、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジド;酸化亜鉛;硫酸鉛;尿素;ステアリン酸亜鉛等を使用することができる。発泡剤含有樹脂層に含まれる発泡助剤の量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上5質量部以下である。
発泡剤含有樹脂層は、1種又は2種以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、セル調整剤、無機充填剤、顔料、安定剤、滑剤等が挙げられる。また、
セル調整剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層に含まれるセル調整剤の量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上10質量部以下、さらにこのましくは1質量部以上5質量部以下である。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層に含まれる無機充填剤の量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは0質量部以上100質量部以下、さらに好ましくは20質量部以上70質量部以下である。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。発泡剤含有樹脂層に含まれる顔料の量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上50質量部以下、15質量部以上30質量部以下である。
発泡剤含有樹脂層の発泡は、常法に従って行うことができる。例えば、発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより透明断熱層13を形成することができる。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により透明断熱層13を形成し得る限り特に限定されない。加熱温度は、例えば200℃以上220℃以下、加熱時間は、例えば30秒以上45秒以下である。
別の実施形態において、透明断熱層13は、バインダー樹脂と、該バインダー樹脂中に分散して存在する断熱材とを含む樹脂層である。バインダー樹脂の具体例は、上記と同様である。断熱材は、例えば、空気等の気体が充填された閉鎖空間又は真空の閉鎖空間を内部に有する断熱材である。このような断熱材としては、例えば、無機質の中空ビーズを使用することができる。中空ビーズは、次の点で好ましい:(1)中空ビーズは、内部に空気等の気体を充填することができるとともに、必要に応じて、内部を真空にすることもでき、内部を真空にした場合には、内部に気体を充填とした場合と比較して、断熱性能が高くなる;(2)中空ビーズは、発泡プラスチック系断熱材等の他の断熱材と比較して、バインダー樹脂に高充填することができるので、透明断熱層13をシート状に成形することができる;(3)中空ビーズは、任意の着色剤と混合した状態でバインダー樹脂中に配合することができる;(4)中空ビーズは一般的に透明であるので、透明断熱層13の透明性を向上させ、暗色層12の視認性を向上させることができる。
中空ビーズは、球形状の中空体の総称であり、バルーンとも呼ばれる。球形状の形状としては、完全な球でもよいし、回転楕円体、正多面体又はこれらが多少歪んだ形状であってもよい。中空ビーズは、有機系の中空ビーズであってもよいし、無機系の中空ビーズであってもよい。中空ビーズは、空気、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ブタン等の気体が内部に充填されている中空ビーズであってもよいし、内部が真空である中空ビーズであってもよい。
有機系の中空ビーズとしては、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の高透湿抵抗材料からなる中空ビーズが挙げられる。具体的には、100μm厚で透湿抵抗値が50mhmmHg/g以上の高透湿抵抗材料からなる中空ビーズが好ましい。
無機系の中空ビーズとしては、例えば、珪酸ソーダ系ガラスから形成された中空ビーズ、耐水性等に優れたアルミケイ酸ガラス系、ホウケイ酸ソーダガラス系等の多成分系ガラスから形成された中空ビーズ、シラス、黒曜石等の天然火山性ガラス系材料から形成された中空ビーズ等が挙げられる。これらのうち、多成分系ガラスから形成された中空ビーズが好ましい。多成分系ガラスから形成された無機系の中空ビーズは、一般的に、隔壁が0.5〜2μmの厚みを有し、内部が外気と隔離されたきれいな球形を有する。
無機系の中空ビーズは、有機系の中空ビーズに比較して、化学的安定性、硬度、耐圧強度等に優れている点、他の無機系充填材と比較して軽量である点で好ましい。無機系の中空ビーズの密度は、球の粒径に応じて適宜調整することができるが、通常0.2〜1.5g/cm程度である。
中空ビーズの粒径は、例えば、1μm〜数百μm程度であるが、バインダー樹脂中に高充填を行う点から、中空ビーズの粒径は100μm以下であることが好ましい。透明断熱層13の透明性を向上させ、暗色層12の視認性を向上させる点から、中空ビーズの粒径は5μm以下であることが好ましい。
中空ビーズをバインダー樹脂中に高充填するほど、透明断熱層13の断熱性能は向上する。したがって、中空ビーズのバインダー樹脂中への添加量は、バインダー樹脂100重量部に対して、50重量部以上であることが好ましい。こうして形成される透明断熱層13の厚みは、中空ビーズの充填量(含有量)、粒径等に応じて適宜調整することができるが、5μm〜500μm程度であることが好ましい。
中空ビーズの表面には、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理を施してもよい。中空ビーズの表面をシランカップリング剤で処理することにより、中空ビーズのバインダー樹脂への充填率を向上させることができるとともに、中空ビーズとバインダー樹脂との親和性を向上させることができるので、透明断熱層13の強度を向上させることができる。
中空ビーズを保持するバインダー樹脂自体も断熱性を有することが好ましい。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)社製のローペイクHP−1055(商品名)、日本ゼオン(株)社製のアクリル−スチレン共重合体系のNipol MH5055(商品名)等のアクリル−スチレン共重合体系の水性エマルジョン(ディスパージョン)インキを使用することができる。
(表面保護層)
表面保護層14は、透明断熱層13の上に設けられる。表面保護層14は、化粧シート10の最も外側に位置して化粧シート10の透明断熱層13側表面を形成し、化粧シート10に耐傷性、耐摩耗性、耐薬品性等の表面特性を付与する。表面保護層14は、好ましくは硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で構成される。硬化性樹脂組成物の硬化物により構成されることで、化粧シート10の表面特性を向上させることができる。表面保護層14は、暗色層12をより鮮明に視認できるようにする観点から、透明であることが好ましい。ここで、透明には、無色透明の他、着色透明及び半透明も包含する。表面保護層14が着色されている場合、表面保護層14に含まれる着色剤の具体例は、基材シート11に含まれる着色剤に関して上記した具体例と同様である。表面保護層14は、カーボンブラック(墨)を含まないことが好ましい。カーボンブラックは熱を吸収しやすい特性を有するため、化粧シート10にカーボンブラックが使用されることにより、化粧シート10が熱を吸収しやすくなり、遮熱性能が低下してしまうからである。
表面保護層14の形成には、硬化性樹脂を含む組成物(硬化性樹脂組成物)を使用することが好ましい。硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂は、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用する、あるいは、硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用する、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化型(2液硬化型を含む)ウレタン樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂,熱硬化型アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、好ましくは1液反応硬化性樹脂、さらに好ましくは1液反応硬化性アクリル系樹脂である。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂である。電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が使用されるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、安定な硬化特性が得られる点で好ましい。
電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合、カチオン重合性官能基等を分子中に有するモノマー、オリゴマー、プレポリマー等の1種以上を使用することができる。電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられ、特に、多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、特に限定されない。多官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられ、特に、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端又は側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート等であってもよい。ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも使用することができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコン(メタ)アクリレートとは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコンの末端又は側鎖に(メタ)(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらの中でも、表面保護層14の硬度をより一層高める観点からは、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。これらのオリゴマーは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
電離放射線硬化性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上である。電離放射線硬化性樹脂の重量平均分子量が上記範囲であると、電離放射線硬化性樹脂組成物を支持層に塗布する際、電離放射線硬化性樹脂組成物が支持層へ浸み込みにくいので、電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜を形成しやすい。
電離放射線硬化性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは80000以下、さらに好ましくは50000以下である。電離放射線硬化性樹脂の重量平均分子量が上記範囲であると、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度を、塗布に適した粘度に調整しやすい。
なお、「重量平均分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレンを標準物質に用いて測定される値である。
電離放射線硬化性樹脂は、重量平均分子量が500以上である多官能モノマー及びオリゴマーから選択される少なくとも1種であることが好ましい。このような多官能モノマー又はオリゴマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、電離放射線硬化性樹脂の硬化反応に関与する成分、例えば、光重合開始剤(増感剤)を含んでもよい。例えば、紫外線の照射により電離放射線硬化性樹脂を硬化させる場合、電離放射線硬化性樹脂組成物は光重合開始剤(増感剤)を含むことが好ましい。なお、電離放射線硬化性樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するので、電子線の照射により電離放射線硬化性樹脂を硬化させる場合、電離放射線硬化性樹脂組成物は光重合開始剤(増感剤)を含まなくてもよい。
電離放射線硬化性樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する場合、光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種を使用することができる。また、電離放射線硬化性樹脂がカチオン重合性官能基を有する場合、光重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種を使用することができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤の量は特に限定されないが、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、通常0.1質量部以上10質量部以下である。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)、熱硬化性樹脂等を含んでもよい。電離放射線硬化性樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂を添加することにより、電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。溶剤乾燥型樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を使用することができ、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
表面保護層14の形成に使用される樹脂組成物は、1種又は2種以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
表面保護層14の厚みは、優れた耐傷性とその持続性、さらには耐摩耗性、耐薬品性等の表面特性を得る観点から、通常2〜25μm、好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは2〜10μmである。
(接着層)
化粧シート10は、必要に応じて接着層を有することができる。例えば、暗色層12と透明断熱層13との間の接着性を向上させるために、暗色層12と透明断熱層13との間に接着層を設けることができる。接着層を構成する接着剤としては、化粧シートにおいて一般的に使用されている接着剤を適宜選択して使用することができ、その厚みは0.1〜50μm程度であり、十分な接着性が得られる観点から1〜30μmの範囲が好ましい。
接着剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、なかでも、ウレタン系接着剤が接着力の点で好ましい。なお、このようなウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ポリオール化合物と、トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート等の各種ポリイソシアネート化合物とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。また、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。接着層は、これら樹脂等からなる接着剤組成物を使用して、塗工法等の公知の層形成法で形成することができる。
(プライマー層)
化粧シート10は、必要に応じて、各層間密着性を向上させるために、各層間のいずれかにプライマー層、裏面プライマー層を有することができる。例えば、被着材と基材シート11との間で、基材シート11側に裏面プライマー層としてプライマー層を設けることで、層間密着性に優れた化粧部材が得られる。また、透明断熱層13と表面保護層14との間にプライマー層を設けることで、化粧部材の優れた耐傷性が得られる。
プライマー層は、透明又は半透明な層であり、例えば、印刷インキのバインダー樹脂として例示した樹脂等を使用して形成することができる。プライマー層の厚みは、通常0.5〜20μm程度、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは0.5〜3μmである。
(凹形状)
化粧シート10は、少なくとも表面保護層14に凹形状を有することが好ましい。化粧シート10が凹形状を有することで、特に質感(触感)に優れたものとなる。この凹形状は、少なくとも表面保護層14に存在していればよく、また基材シート11に至るものがあってもよい。優れた質感(触感)を得る観点から、表面保護層14内に留まるものだけでなく、透明断熱層13まで至るもの、暗色層12まで至るもの、基材シート11まで至るものが組み合わされていることが好ましい。なお、本明細書において、表面保護層14等が上記凹形状を有する場合、表面保護層14等の厚みは、上記凹形状を有さない箇所で測定した厚みを意味する。
凹形状の最大深さは、化粧シート10の総厚みに対して15%以上100%未満が好ましく、15〜80%がより好ましく、25〜80%がさらに好ましい。また、凹形状の最大深さとしては、15μm以上が好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。このような最大深さを有することで、凹形状の加工、例えばエンボス加工の際に化粧シート10が破断してしまうことがなく、凹形状が潰れたように仕上がってしまうといったこともなく、優れた質感(触感)が得られ、結果として優れた意匠性が得られる。
ここで、凹形状の最大深さの測定は、任意の30点の凹形状について、該凹形状の最下点から表面保護層14の表面までの高さを、表面粗さ形状測定機を使用して、カットオフ値:2.50mm、カットオフフィルタの種類:2RC、傾斜補正方法:直線の測定条件で測定し、最も深いものを最大深さとした。
表面保護層14に凹形状を施す方法については特に制限はなく、例えば作業の容易さを考慮すると、エンボス加工を採用することが好ましい。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
(化粧シートの製造方法)
本発明の化粧シートの製造方法について、化粧シート10を例にとって、その製造方法を説明する。化粧シート10は、例えば、(a)基材シート11上に暗色層12を設ける工程、(b)暗色層12上に透明断熱層13を設ける工程、(c)透明断熱層13上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層14を形成して化粧シート10を作製する工程を順に経ることにより製造することができる。
工程(a)は、基材シート11上に暗色層12を設ける工程である。暗色層12は、基材シート11上に暗色層12の形成に使用される印刷インキを塗布して乾燥させることにより形成される。印刷インキの塗布は、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式、好ましくはグラビア印刷法により行う。
基材シート11に表面処理を施す場合は、暗色層12の形成に使用されるインキを塗布する前に表面処理を行えばよい。基材シート11と暗色層12との間にプライマー層を設ける場合も、暗色層12の形成に使用されるインキを塗布する前に設ければよく、また基材シート11の暗色層12を設ける面とは反対側の面(裏面)に裏面プライマー層を設ける場合は、暗色層12の形成に使用されるインキを塗布する際に設ければよい。プライマー層の形成は、プライマー層を形成する樹脂組成物を、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布して形成することができる。
工程(b)は、暗色層12上に透明断熱層13を設ける工程である。透明断熱層13は、暗色層12を有する基材シート11に必要に応じて接着剤を塗布して接着層を形成した後に、透明断熱層13を形成する樹脂組成物を使用して、透明断熱層13を押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着及び圧着させて積層して形成することができる。
透明断熱層13が発泡樹脂層である場合、例えば、発泡剤含有樹脂層の形成に使用される樹脂組成物を、樹脂の融点以上であって、発泡剤が発泡しない温度で、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール、単軸押出機、二軸押出機等の公知の混錬機で溶融混錬し、カレンダー、Tダイ等の公知のシート成形機にてシート状に成形した後、暗色層12上に発泡剤含有シートをラミネートする。この際、必要に応じて、発泡剤含有シートの上側及び/又は下側に、非発泡樹脂層を積層してもよい。その後、発泡剤含有樹脂層を加熱発泡させることにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層を形成し得る限り特に限定されない。加熱温度は、例えば200℃以上220℃以下であり、加熱時間は、例えば30秒以上45秒以下である。発泡剤含有樹脂層の加熱発泡は、通常、表面保護層を形成した後に実施される。加熱処理の前に、電離放射線を行ってもよい。これにより、発泡剤含有樹脂層又は非発泡樹脂層の樹脂成分を架橋できるため、発泡化粧シートの表面強度、発泡程度等を制御することができる。電離放射線照射により、発泡剤含有樹脂層又は非発泡樹脂層の樹脂成分を架橋させると同時に、表面保護層の樹脂成分を硬化させてもよい。
工程(c)は、透明断熱層13上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層14を形成する工程である。表面保護層14は、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を、透明断熱層13上又は透明断熱層13上に所望に応じて設けられたプライマー層の上に塗布し、硬化させて得られる。
表面保護層14を形成するための、樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚みが通常1〜20μm程度となるように、好ましくはグラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により、より好ましくはグラビアコートにより行う。
表面保護層14の形成に電離放射線樹脂組成物を使用する場合、該樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して硬化物とすることで、表面保護層14となる。ここで、電離放射線として電子線を使用する場合、その加速電圧については、使用する樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を使用することができる。また、電離放射線として紫外線を使用する場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が使用される。
表面保護層14の形成に熱硬化性樹脂組成物を使用する場合は、使用する樹脂組成物に応じた熱処理を施して、硬化させて表面保護層14を形成すればよい。
以上のようにして得られる化粧シートは、暗色を呈することができるとともに、遮熱性能及び断熱性能を発揮することができるので、例えば、被着材と積層した形態で、壁、天井、床、バルコニー、ベランダ等の建築物の内装用部材又は外装用部材の表面化粧板;窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の表面化粧板;キッチン、家具、弱電機器、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装又は外装用の表面化粧板;携帯電話等の通信機器の表面化粧板;車道、歩道等の舗装道路用の表面化粧板(舗装道路の舗装面に積層して色彩、模様等を付与するための表面化粧板)等の種々の用途の化粧部材として、好適に使用することができる。
〔化粧部材〕
以下、図2に基づいて、本発明の一実施形態に係る化粧部材について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る化粧部材20の構成を模式的に示す側面図である。
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る化粧部材20は、被着材21と化粧シート10とを、被着材21と化粧シート10の基材シート11とが対向するように備える。
化粧部材20の透明断熱層13側表面に波長831〜2500nmの光を照射して測定される波長831〜2500nmの平均分光反射率は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上、さらに一層好ましくは60%以上である。これにより、化粧部材20は、近赤外線反射性能に基づく遮熱性能を、より効果的に発揮することができる。化粧部材20における波長831〜2500nmの平均分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは90%、さらに好ましくは85%、さらに一層好ましくは80%である。
化粧部材20の透明断熱層13側表面に波長750nmの光を照射して測定される波長750nmの分光反射率は、55%以上、かつ、化粧部材20の透明断熱層13側表面に波長800nmの光を照射して測定される波長800nmの分光反射率は、70%以上であることが好ましい。これにより、化粧部材20は、近赤外線反射性能に基づく遮熱性能を、より効果的に発揮することができる。化粧部材20における波長750nmの分光反射率は、好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上、さらに一層好ましくは65%以上、さらに一層好ましくは70%以上である。なお、化粧部材20における波長750nmの分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは95%、さらに好ましくは90%である。化粧部材20における波長800nmの分光反射率は、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上、さらに一層好ましくは80%以上である。なお、化粧部材20における波長800nmの分光反射率の上限値は特に限定されないが、好ましくは98%、さらに好ましくは95%、さらに一層好ましくは90%である。
化粧部材20の透明断熱層13側表面に波長域360〜600nmの光を照射して測定される波長域360〜600nmの平均分光反射率は、10%以下であることが好ましい。これにより、化粧部材20は、暗色を、より効果的に呈することができる。化粧部材20における波長域360〜600nmの平均分光反射率は、好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下、さらに一層好ましくは4%以下である。化粧シート10における波長域360〜600nmの平均分光反射率の下限値は特に限定されない。
(被着材)
被着材21としては、例えば、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。具体的には、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として使用される木質部材;鉄、アルミニウム等の板材や鋼板、立体形状物品、あるいはシート等として使用される金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として使用される窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として使用される樹脂部材等が挙げられる。また、これらの部材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
被着材21は、上記のなかから用途に応じて適宜選択すればよく、壁、天井、床等の建築物の内外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具を用途とする場合は、木質部材、金属部材、樹脂部材、これらの組み合わせた部材が好ましい。
被着材21の厚みは、用途及び材料に応じて適宜選択すればよく、通常0.1〜5mmが好ましく、0.1〜3mmがより好ましい。
(接着剤層)
化粧部材20は、被着材21と化粧シート10との間に、接着剤層22を有する。接着剤層22は省略可能であるが、優れた接着性を得るため、被着材21と化粧シート10とを接着剤層22を介して貼り合わせることが好ましい。
接着剤層22に含まれる接着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤が挙げられる。接着剤を構成する樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。イソシアネート等を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。接着剤層22には、粘着剤を使用することもできる。粘着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤が挙げられる。
接着剤層22は、上記樹脂を溶液又はエマルジョン等の塗布可能な形態にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法又はグラビア版を使用したリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。接着剤層の厚みは特に制限はないが、通常1〜100μmの範囲である。この範囲とすることで、優れた接着性が得られる。
(化粧部材の製造方法)
本発明の化粧部材の製造方法について、化粧部材20を例にとって、その製造方法を説明する。化粧部材20は、化粧シート10と被着材21とを、(d)化粧シート10の基材シート11と被着材21とを対向させて積層する工程を経て製造することができる。
被着材21と化粧シート10とを積層する方法としては、例えば、接着剤を間に介して化粧シート10を板状の被着材に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法、接着剤を間に介して化粧シート10を供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着材21を構成する複数の側面に順次化粧シート10を加圧接着して積層してゆくラッピング加工、また、固定枠に固定した化粧シート10が軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した化粧シート10に真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し化粧シート10を真空成形金型にしっかりと密着させる真空成形加工等が好ましく挙げられる。
ラミネート加工やラッピング加工において、ホットメルト接着剤(感熱接着剤)を使用する場合、接着剤を構成する樹脂の種類にもよるが、加温温度は通常160〜200℃、反応性ホットメルト接着剤では通常100〜130℃程度である。また、真空成形加工の場合は加熱しながら行うことが一般的であり、通常80〜130℃程度、好ましくは90〜120℃程度で行われる。
以上のようにして得られる化粧部材は、更に任意切断し、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を使用して溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。そして種々の用途、例えば、壁、天井、床、バルコニー、ベランダ等の建築物の内装用部材又は外装用部材の表面化粧板;窓枠、扉、扉枠等の建具、手すり、幅木、廻り縁、モール等の造作部材、塀、柵等の表面化粧板;厨房機器、家具、弱電機器、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装又は外装用の表面化粧板;携帯電話等の通信機器の表面化粧板;車道、歩道等の舗装道路用の表面化粧板(舗装道路の舗装面に積層して色彩、模様等を付与するための表面化粧板)等に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
1.基材シートの準備
基材シートS1として、両面にコロナ放電処理を施したポリプロピレン(PP)樹脂シートを準備した。このPP樹脂シートは、PP樹脂100質量部に対し、顔料として酸化チタン10質量部のみを含む、白色に着色された着色樹脂シート(厚み:60μm)である。
基材シートS1が単独で存在する状態(すなわち、基材シートS1の両面に何の層も積層されていない状態)において、基材シートS1における波長域360〜2500nmの平均分光反射率(%)を測定した。波長域360〜2500nmの平均分光反射率(%)は、波長360nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した2141個の分光反射率(%)の和を2141で割ることにより算出した。各波長の分光反射率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、各波長の光を基材シートS1の表面に入射角5度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定した。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。
基材シートS1が単独で存在する状態(すなわち、基材シートS1の両面に何の層も積層されていない状態)において、基材シートS1における波長域360〜2500nmの平均分光透過率(%)を測定した。波長域360〜2500nmの平均分光透過率(%)は、波長360nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光透過率(%)を測定し、測定した2141個の分光透過率の和を2141で割ることにより算出した。各波長の分光透過率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、各波長の光を基材シートS1の表面に入射角0度(基材シートの表面の法線方向を0度とする)で照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として測定した。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。
基材シートS1における波長域360〜2500nmの分光反射率曲線及び分光透過率曲線を図3に示す。
基材シートS1における波長域360〜2500nmの平均分光反射率は69.3%、波長域360〜600nmの平均分光反射率は91.7%、波長750nmの分光反射率は93.8%、波長800nmの分光反射率は93.6%、近赤外線域(波長域831〜2500nm)の平均分光反射率は66.8%であった。
基材シートS1における波長域360〜2500nmの平均分光透過率は32.0%、波長域360〜600nmの平均分光透過率は7.6%、波長750nmの分光透過率は16.6%、波長800nmの分光透過率は18.17%、近赤外線域(波長域831〜2500nm)の平均分光透過率は39.0%であった。
2.化粧シートの製造及び評価
(1)暗色層の形成
印刷インキとして、2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂をバインダーとして含むとともに、平均粒径0.2μmのアゾメチンアゾ系黒色顔料(大日精化工業株式会社製「クロモファインブラックA−1103」)を固形分基準で40質量%含む印刷インキを準備した。基材シートS1の一方の面の全体に印刷インキをグラビア印刷法で塗布(塗布量:固形分基準で5g/m)し、硬化させ、暗色層(硬化後の厚み:4μm)を形成した。形成された暗色層は、基材シートS1の一方の面の面積のうち、当該面に形成された暗色層の面積が占める割合(面積被覆率)が100%である、全面絵柄の暗色層である。
(2)裏面プライマー層の形成
基材シートの他方の面に2液硬化型ウレタン−硝化綿混合樹脂組成物を塗布し、裏面プライマー層(厚み:2μm)を形成した。
(3)接着層の形成
暗色層の上に透明なポリウレタン樹脂系接着剤を塗布し、接着層(厚み:3μm)を形成した。
(4)透明断熱層の形成
マイクロカプセル(MFL−100MCA:松本油脂製薬株式会社)を添加した透明なポリプロピレン樹脂をTダイ押出機により加熱溶融押出しして、透明な樹脂層(厚み:80μm)を形成した。マイクロカプセルの添加量は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、10質量部とした。
上記と同様にして透明断熱層を単独で形成し、透明断熱層が単独で存在する状態(すなわち、透明断熱層の両面に何の層も積層されていない状態)において、L表色系におけるL値、a値及びb値を測定した。L表色系におけるL値、a値及びb値は、分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用し、透明断熱層の表面に入射角10度(透明断熱層の表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて測定した。測定は透明断熱層の表面の3箇所について行った。測定結果を表1に示す。
Figure 2019064139
(5)プライマー層の形成
透明断熱層の表面にコロナ放電処理を施した後、コロナ放電処理表面に2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂組成物をグラビア印刷法で塗布し、プライマー層(厚み:1μm)を形成した。
(6)表面保護層の形成
プライマー層に透明な電子線硬化性樹脂組成物(電子線硬化性樹脂:3官能ウレタンアクリレート)をグラビアコート法で塗布(固形分:3g/m)し、乾燥させ、未硬化樹脂層を形成し、酸素濃度200ppmの環境下で電子線(加圧電圧:125KeV、5Mrad)を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、表面保護層(厚み:3μm)を形成した。
(7)エンボス加工
表面保護層側からエンボス加工を施して、最大深さ30μmの凹形状を有する木目導管模様の凹凸模様を形成し、実施例1の化粧シートを得た。
(8)化粧シートに関する評価及び測定
実施例1の化粧シートについて以下の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表2に示す。実施例1の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図5に示す。
[化粧シートが呈する暗色の評価]
化粧シートを表面保護層側から目視で観察し、化粧シートが呈する暗色を以下の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
A:化粧シートが呈する暗色が、赤味を帯びていない。
B:化粧シートが呈する暗色が、赤味を帯びている。
[化粧シートにおけるL表色系のL値、a値及びb値の測定]
化粧シートにおけるL表色系のL値、a値及びb値は、分光測色計(日本電色工業株式会社製SE6000)を使用し、化粧シートの透明断熱層側表面に入射角10度(化粧シートの表面の法線方向を0度とする)で光(D65光源)を照射し、全光線反射光(鏡面反射光+拡散反射光)に基づいて測定した。
[化粧シートにおける波長域360〜2500nmの平均分光吸収率の測定]
化粧シートにおける波長域360〜2500nmの平均分光吸収率(%)は、式:波長域360〜2500nmの平均分光吸収率(%)=100(%)−波長域360〜2500nmの平均分光反射率(%)−波長域360〜2500nmの平均分光透過率(%)に基づいて算出した。
化粧シートにおける波長域360〜2500nmの平均分光反射率(%)は、波長360nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した2141個の分光反射率の和を2141で割ることにより算出した。各波長の分光反射率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、化粧シートの表面保護層側表面に入射角5度(化粧シートの表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定した。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。なお、各波長の分光反射率(%)は、化粧シートの両面に何の層も積層されていない状態で測定した。
化粧シートにおける波長域360〜2500nmの平均分光透過率(%)は、波長360nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光透過率(%)を測定し、測定した2141個の分光透過率の和を2141で割ることにより算出した。各波長の分光透過率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、化粧シートの表面保護層側表面に入射角0度(化粧シートの表面の法線方向を0度とする)で各波長の光を照射し、平行入射光束に対する全透過光束の割合(すなわち全光線透過率)として測定した。全光線透過率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。なお、各波長の分光透過率(%)は、化粧シートの両面に何の層も積層されていない状態で測定した。
[化粧シートにおける波長域831〜2500nmの平均分光反射率の測定]
化粧シートにおける波長域831〜2500nmの平均分光反射率(%)は、波長831nmから波長2500nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長831nm、832nm、833nm、・・・・2498nm、2499nm、2500nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した1670個の分光反射率の和を1670で割ることにより算出した。各波長の分光反射率(%)の測定方法は、上記した通りである。
[化粧シートにおける波長域360〜600nmの平均分光反射率の測定]
化粧シートにおける波長域360〜600nmの平均分光反射率(%)は、波長360nmから波長600nmまで波長を1nmずつ変化させながら、各波長(すなわち、波長360nm、361nm、362nm、・・・・598nm、599nm、600nm)の分光反射率(%)を測定し、測定した241個の分光反射率の和を241で割ることにより測定した。各波長の分光反射率の測定方法は、上記した通りである。
[化粧シートにおける波長750nm又は波長800nmの分光反射率の測定]
化粧シートにおける波長750nm又は波長800nmの分光反射率(%)は、JIS K 0115:2004に準拠する分光光度計(日本分光株式会社製V−670)を使用し、化粧シートの透明断熱層側表面に入射角5度(化粧シートの表面の法線方向を0度とする)で波長750nm又は波長800nmの光を照射し、平行入射光束に対する全反射光束の割合(すなわち全光線反射率)として測定した。全光線反射率の測定方法は、JIS K 7375:2008に準拠した。なお、各波長の分光反射率(%)は、化粧シートの両面に何の層も積層されていない状態で測定した。
〔実施例2〕
1.基材シートの準備
基材シートS2として、両面にコロナ放電処理を施したポリプロピレン(PP)樹脂シートを準備した。このPP樹脂シートは、PP樹脂100質量部に対し、顔料として酸化チタン7質量部のみを含む、白色に着色された着色樹脂シート(厚み:60μm)である。
基材シートS2が単独で存在する状態(すなわち、基材シートS2の両面に何の層も積層されていない状態)において、基材シートS2における波長域360〜2500nmの平均分光反射率(%)及び波長域360〜2500nmの平均分光透過率(%)を測定した。測定方法は基材シートS1と同様である。
基材シートS2における波長域360〜2500nmの分光反射率曲線及び分光透過率曲線を図4に示す。
基材シートS2における波長域360〜2500nmの平均分光反射率は63.3%、波長域360〜600nmの平均分光反射率は71.9%、波長750nmの分光反射率は88.60%、波長800nmの分光反射率は88.58%、近赤外線域(波長域831〜2500nm)の平均分光反射率は60.8%であった。
基材シートS2における波長域360〜2500nmの平均分光透過率は46.4%、波長域360〜600nmの平均分光透過率は13.1%、波長750nmの分光透過率は28.98%、波長800nmの分光透過率は31.11%、近赤外線域(波長域831〜2500nm)の平均分光透過率は55.5%であった。
2.化粧シートの製造並びに化粧シートに関する評価及び測定
基材シートS1に代えて基材シートS2を使用した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、実施例2の化粧シートを得た。実施例2の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表2に示す。実施例2の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図6に示す。
〔実施例3〕
印刷インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量を固形分基準で11質量%に変更した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、実施例3の化粧シートを得た。実施例3の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表2に示す。実施例3の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図7に示す。
〔実施例4〕
印刷インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量を固形分基準で26質量%に変更した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、実施例4の化粧シートを得た。実施例4の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表2に示す。実施例4の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図8に示す。
〔実施例5〕
印刷インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量を固形分基準で53質量%に変更した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、実施例5の化粧シートを得た。実施例5の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表2に示す。実施例5の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図9に示す。
〔比較例1〕
印刷インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量を固形分基準で20質量%に変更した点、並びに、暗色層の硬化後の厚みを2μmに変更した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、比較例1の化粧シートを得た。比較例1の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表3に示す。比較例1の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図10に示す。
〔比較例2〕
印刷インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料の量を固形分基準で55質量%に変更した点、並びに、暗色層の硬化後の厚みを2μmに変更した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、比較例2の化粧シートを得た。比較例2の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表3に示す。比較例2の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図11に示す。
〔比較例3〕
印刷インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料に代えてカーボンブラックを使用し、印刷インキに含まれるカーボンブラックの量を固形分基準で33質量%に変更した点、並びに、暗色層の硬化後の厚みを2μmに変更した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、比較例3の化粧シートを得た。比較例3の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表3に示す。比較例3の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図12に示す。
〔比較例4〕
印刷インキに含まれるアゾメチンアゾ系黒色顔料に代えてARCTIC Black411(Fe−Cr,シェファードカラジャパン社製)を使用し、印刷インキに含まれるFe−Crの量を固形分基準で65質量%に変更した点、並びに、暗色層の硬化後の厚みを5μmに変更した点を除き、実施例1と同様の操作を行い、比較例4の化粧シートを得た。比較例4の化粧シートについて実施例1の化粧シートと同様の評価及び測定を行った。評価及び測定の結果を表3に示す。比較例4の化粧シートにおける波長域360〜2500nmの分光反射率及び分光透過率を図13に示す。
Figure 2019064139
Figure 2019064139
10・・・化粧シート
11・・・基材シート
12・・・暗色層
13・・・透明断熱層
14・・・表面保護層
20・・・化粧部材
21・・・被着材
22・・・接着剤層

Claims (16)

  1. 赤外線反射性を有する基材シートと、アゾメチンアゾ系黒色顔料を含む暗色層と、透明断熱層とを順に有する化粧シートであって、
    前記化粧シートの透明断熱層側表面に光を照射して測定されるL表色系のL値、a値及びb値が、L値:30以下、a値:0以上2.5以下、かつ、b値:−3以上0.5以下であり、
    前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長域831〜2500nmの光を照射して測定される波長域831〜2500nmの平均分光反射率が30%以上である、前記化粧シート。
  2. 前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長750nmの光を照射して測定される波長750nmの分光反射率が50%以上、かつ、前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長800nmの光を照射して測定される波長800nmの分光反射率が60%以上である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記化粧シートの透明断熱層側表面に波長域360〜600nmの光を照射して測定される波長域360〜600nmの平均分光反射率が10%以下である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記基材シートが単独で存在する状態において、前記基材シートの表面に波長域831〜2500nmの光を照射して測定される波長域831〜2500nmの平均分光反射率が50%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧シート。
  5. 前記透明断熱層が単独で存在する状態において、前記透明断熱層の表面に光を照射して測定されるL表色系のa値及びb値が、a値:−1以上0以下、かつ、b値:−3以上−2以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧シート。
  6. 前記化粧シートの透明断熱層側表面を形成する表面保護層をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧シート。
  7. 前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂の硬化物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧シート。
  8. 前記基材シートが着色樹脂シートである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧シート。
  9. 前記着色樹脂シートが白色樹脂シートである、請求項8に記載の化粧シート。
  10. 前記化粧シートがカーボンブラックを含まない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化粧シート。
  11. 前記基材シートの一方の表面の面積のうち、前記暗色層が形成される領域の面積が占める割合が50%以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化粧シート。
  12. 被着材と請求項1〜11のいずれか一項に記載の化粧シートとを、前記被着材と前記化粧シートの前記基材シートとが対向するように備える、化粧部材。
  13. 前記被着材が、木質部材、金属部材及び樹脂部材から選択される少なくとも一種の部材である、請求項12に記載の化粧部材。
  14. 前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長域831〜2500nmの光を照射して測定される波長域831〜2500nmの平均分光反射率が50%以上である、請求項12又は13に記載の化粧部材。
  15. 前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長750nmの光を照射して測定される波長750nmの分光反射率が55%以上、かつ、前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長800nmの光を照射して測定される波長800nmの分光反射率が70%以上である、請求項14に記載の化粧部材。
  16. 前記化粧部材の透明断熱層側表面に波長域360〜600nmの光を照射して測定される波長域360〜600nmの平均分光反射率が10%以下である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の化粧部材。
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