JP2005238504A - 化粧シート及びそれを用いた化粧鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】VOC使用量が低減されており、耐候剤のブリード抑制効果が高く、温度・湿度が高い環境下で使用しても優れた経時的安定性を発揮する化粧シートを提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる基材シート上に、接着剤層及び透明性ポリエステル系樹脂層が順に積層されており、透明性ポリエステル系樹脂層と接着剤層との間であって、透明性ポリエステル系樹脂層と接するように絵柄模様層が形成されてなる化粧シートであって、化粧シートを構成する層の少なくとも1種が水性組成物から形成されていることを特徴とする化粧シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧シート及びそれを用いた化粧鋼板に関する。
建築物の内装、建具の表面装飾、車両の内装等に用いられる化粧シートとして、一般に基材シート、ベタインキ層及び/又は絵柄インキ層からなるインキ層、接着剤層、透明性樹脂層等を順次積層させた複合シートが知られている。
このような化粧シートにおいて、従来、インキ層及び接着剤層は、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の脂肪族溶剤などを含む溶剤系塗工剤から形成されている(例えば、特許文献1参照)。
上記した芳香族溶剤、脂肪族溶剤等は、いずれも有機性揮発物質(VOC)であり、特にトルエン、キシレン等の芳香族溶剤はPRTR法の指定化学物質及び室内空気中化学物質の指針値策定物質として挙げられている。また、化粧シート製造時における溶剤系塗工剤に含まれるVOCの揮発による作業環境の問題、化粧シート使用時における残存VOCが一般の生活空間に拡散される環境安全性の問題等が指摘されている。そのため、化粧シート中のVOC使用量を低減することが最近の課題となっている。
従って、VOC使用量が低減された化粧シートの開発が望まれている。また、化粧シートが各種耐候剤(紫外線吸収剤、光安定剤等)を含む場合には、耐候剤の滲出(いわゆるブリード)が抑制された取扱い容易な化粧シートの開発も望まれている。さらに、浴室等のように温度・湿度が高い環境下で使用しても、最表層の剥離、脱落、亀裂等が発生し難い化粧シートの開発も望まれている。
特開平11−198309号公報
本発明は、VOC使用量が低減された化粧シートを提供することを主な目的とする。
また、耐候剤のブリード抑制効果が高く、温度・湿度が高い環境下で使用しても優れた経時的安定性を発揮する化粧シートを提供することも目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の化粧シートが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに係る。
1.ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる基材シート上に、接着剤層及び透明性ポリエステル系樹脂層が順に積層されており、透明性ポリエステル系樹脂層と接着剤層との間であって、透明性ポリエステル系樹脂層と接するように絵柄模様層が形成されてなる化粧シートであって、化粧シートを構成する層の少なくとも1種が水性組成物から形成されていることを特徴とする化粧シート。
2.水性組成物が、塩基性中和剤を含む上記項1記載の化粧シート。
3.塩基性中和剤が、第2級アミン、第3級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニアの少なくとも1種である上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.絵柄模様層と接着剤層との間に、さらに着色隠蔽層が形成されている上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートである上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6.透明性ポリエステル系樹脂層を構成する樹脂のヘイズ値が5%以下である上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7.接着剤層が、ヒートシール材又は電離放射線硬化型樹脂から形成されている上記項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
8.透明性ポリエステル系樹脂層の上に、さらに電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層が形成されている上記項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
9.上記項1〜8のいずれかに記載の化粧シートの基材シート側を、耐候剤を含む接着剤を介して鋼板に貼着してなる化粧鋼板。
10.浴室用化粧鋼板である上記項9記載の化粧鋼板。

以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。
本発明の化粧シートは、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる基材シート上に、接着剤層及び透明性ポリエステル系樹脂層が順に積層されており、透明性ポリエステル系樹脂層と接着剤層との間であって、透明性ポリエステル系樹脂層と接するように絵柄模様層が形成されてなる化粧シートであって、化粧シートを構成する層の少なくとも1種が水性組成物から形成されていることを特徴とする。
基材シート
基材シートとしては、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなるシートを用いる。通常は、これらの樹脂からなるフィルムを使用すればよい。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントに高結晶性で且つ高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテルを使用したブロックポリマーである。特に、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメントとアタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメントとを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリエステル系樹脂としても特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等が挙げられる。この中でも、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好ましい。
ポリエステル系樹脂としても、ポリオレフィン系樹脂と同様に、各種ホモポリマーの他、樹脂の柔軟化等の目的で各種の共重合成分又は改質成分を添加した共重合ポリエステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が使用できる。具体的には、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルと、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールとの縮合重合反応において、ジカルボン酸成分として、例えば、セバシン酸、エイコ酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の長鎖脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を導入したり、及び/又は、ジオール成分としてポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の両末端に水酸基を有するポリエーテル系ジオールを導入したもの等が好ましいものとして挙げられる。
上記したポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常20〜200μm、好ましくは40〜100μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。基材シートの着色態様には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)があり、これらは任意に選択できる。例えば、被着材(化粧シートを接着する基材)の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、被着材の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層を設けてもよい。プライマー層を設けることにより、隣接層(例えば、被着材)との層間密着力を高めることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、有機溶剤を含まない水性組成物、特に水性樹脂エマルションが好ましい。例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系水性プライマー剤、具体的には、トリイソプロパノールアミンを中和剤とした水性ウレタン樹脂エマルションが挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m2、好ましくは0.1〜50g/m2程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
接着剤層
基材シートの上には、接着剤層が形成されている。この接着剤層は、基材シートと裏面に絵柄模様層を有する透明性ポリエステル系樹脂層とを接着するために形成されている。以下の説明では、裏面に絵柄模様層を有する透明性ポリエステル系樹脂フィルムを「装飾フィルム」と称する場合がある。
接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。この中でも、水性組成物(特に、水性樹脂エマルション)からなるものが好ましい。また、水性組成物は、塩基性中和剤を含むことが好ましい。その他、電離放射線硬化型樹脂を接着剤としてもよいし、公知のフィルム状ヒートシール材を接着剤としてもよい。以下、これらについて説明する。
(公知の接着剤)
化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
上記の中でも、特に水性組成物(特に、水性樹脂エマルション)からなる接着剤が好ましい。例えば、水性ウレタン樹脂エマルション、水性ポリエステル樹脂エマルション、水性アクリル樹脂エマルション、セルロース樹脂エマルション等の少なくとも1種を含む接着剤が好ましい。また、水性組成物には、塩基性中和剤が含まれることが好ましい。水性組成物の詳細については、後記する絵柄模様層の項目において説明する。
接着剤層は、例えば、接着剤を基材シートの上に塗布し、装飾フィルムをラミネート後、乾燥・硬化させることにより形成できる。乾燥温度・乾燥時間等の条件は特に限定されず、接着剤の種類に応じて適宜設定すればよい。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは特に限定されないが、乾燥後の厚みが0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
(電離放射線硬化型樹脂からなる接着剤層)
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されないが、例えば、分子中に重合性不飽和結合又は、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した組成物を用いる。これらの樹脂系としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート、シロキサン等の珪素樹脂、ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。前記プレポリマー及びオリゴマーの例としては、不飽和ポリエステル類、メタクリレート類が挙げられる。また、単量体の例としては、スチレン系単量体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、不飽和カルボン酸アミド、その他の単量体が挙げられる。以上の化合物を1種若しくは2種以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマー及び/又は単量体を適宜の配合に混合する。
接着剤層は、例えば、電離放射線硬化型樹脂を基材シートの上に塗布し、装飾フィルムをラミネート後、電離放射線硬化型樹脂を硬化させる装飾フィルムの上から照射することにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の塗布方法は、前記した公知の接着剤の塗布方法と同様である。
電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギーを有するものが使用でき、通常は紫外線、電子線等が使用できる。電離放射線の照射時間等は、電離放射線硬化型樹脂の種類等に応じて適宜設定できる。
電離放射線硬化型樹脂からなる接着剤層の厚みも、前記と同じである。
(ヒートシール材からなる接着剤層)
ヒートシール材(熱硬化性樹脂)としては特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂には、必要に応じて、架橋剤、樹脂開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等が添加されていてもよい。不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の硬化剤としては、イソシアネートが好ましく、エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミンが好ましく、不飽和ポリエステル系樹脂の硬化剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤が好ましい。
接着剤層は、基材シートの上に、上記した熱硬化性樹脂からなるフィルム状ヒートシール材を配置し、その上に装飾フィルムをラミネート後、熱処理することにより形成できる。熱処理温度は特に限定されないが、通常80〜180℃、好ましくは100〜180℃である。熱処理時間は特に限定されないが、通常は一瞬(数秒)程度である。
ヒートシール材からなる接着剤層の厚みも、前記と同じである。
絵柄模様層
絵柄模様層は、透明性ポリエステル系樹脂層(詳細は後記する)と接着剤層との間であって、透明性ポリエステル系樹脂層と接するように形成されている。以下、絵柄模様層の位置を、透明性ポリエステル系樹脂層の裏面と称する場合がある。絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。具体的には、これらの着色インキ等を用いて、ウレタン系樹脂からなるプライマー層の裏面に、所望の絵柄模様を印刷等により形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
このような着色インキの中でも、水性組成物(特に水性樹脂エマルション)からなるものが好ましい。水性組成物を用いることにより、化粧シート中のVOC使用量を低減することができる。
水性組成物としては、水性樹脂エマルションが好ましく、例えば、水性ウレタン樹脂エマルション、水性ポリエステル樹脂エマルション、水性アクリル樹脂エマルション、セルロース樹脂エマルション、セラック樹脂エマルション、カゼイン樹脂エマルション、これらの混合系エマルション、これらに架橋成分を配合したエマルション等が挙げられる。
架橋成分を導入した水性エマルションには、例えば、アミノ基を有する水性化合物を主剤とし、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する水性化合物を架橋剤として含有する水性エマルション、活性水素基を有する水性化合物を主剤とし、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する水性化合物を架橋剤として含有する水性エマルション、カルボキシル基を有する水性化合物を主剤とし、1分子中に2個以上のカルボジイミド基を有する水性化合物を架橋剤として含有する水性エマルション等が挙げられる。
樹脂エマルションからなる水性組成物の場合には、塩基性中和剤を含むことが好ましい。塩基性中和剤としては、樹脂中のカルボキシル基等を中和により親水化して水に分散(乳化)できるものであればよく、例えば、2級アミン、3級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が好ましいものとして挙げられる。具体例を挙げると、ニトロセルロース系水性樹脂エマルション(インキ)には、2級アミン(例えば、ジエタノールアミン)を中和剤として用いることができる。
このような水性組成物(特に、水性樹脂エマルション)からなる着色インキにも、上記と同じ着色剤が使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
着色隠蔽層
絵柄模様層と接着剤層との間には、必要に応じて、さらに着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、化粧シートのおもて面から被着材の地色を隠蔽したい場合に設けられる。基材シートが透明性である場合は勿論、基材シートが隠蔽着色されている場合でも、隠蔽性を安定化するために形成できる。
着色隠蔽層を形成するインクとしては、絵柄模様層を形成するインクであって隠蔽着色が可能なものが使用できる。このインクとしても、水性組成物(特に水性樹脂エマルション)が好ましい。また、塩基性中和剤を含むことが好ましい。
着色隠蔽層の形成方法は、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、前記したロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は0.1〜10μm程度、乾燥後の層厚は0.05〜5μm程度である。
透明性ポリエステル系樹脂層の裏面に着色隠蔽層を形成する際は、両者の密着性を高めるためにプライマー層を挟んでもよい。プライマーとしては、公知のプライマー剤を使用できるが、ウレタン系樹脂(特に塩基性中和剤を含む水性ウレタン系樹脂エマルション)からならなるプライマー剤が好ましい。プライマー剤の塗布方法は、前記着色隠蔽層の形成方法と同じでよい。プライマー層の厚みも特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
透明性ポリエステル系樹脂層
接着剤層の上には、裏面に絵柄模様層を有する透明性ポリエステル系樹脂層が形成されている。
透明性ポリエステル系樹脂層としては、公知のポリエステル系樹脂のフィルムであって、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等の何れのものも使用できる。ポリエステル系樹脂の種類、フィルム成膜方法等については、基材シートの項目で説明した通りである。なお、透明性ポリエステル系樹脂層を構成する樹脂としても、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好ましい。
透明性ポリエステル系樹脂層を形成する樹脂中に不純物が少なく、透明性が優れている場合には、高い鮮映性が発揮される。不純物量は少なければ少ないほど好ましいが、通常は樹脂中のヘイズ値が10%以下、好ましくは5%以下であればよい。なお、本明細書におけるヘイズ値は、JIS K−7105の規定に準拠して測定された値である。
透明性ポリエステル系樹脂層の厚みは特に限定されないが、通常は20〜150μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層
透明性ポリエステル系樹脂層の上には、必要に応じて、さらに電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層が形成されていてもよい。電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を形成することにより、化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高めることができる。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
これらの電離放射線硬化型樹脂としても、水性組成物(特に、水性樹脂エマルション)が好ましく、特に塩基性中和剤を含む水性樹脂エマルションが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
表面保護層は、例えば、透明性ポリエステル系樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、電離放射線を照射して該樹脂を硬化させることにより形成できる。
表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
耐候剤
本発明の化粧シートを構成する層の少なくとも1種には、必要に応じて、耐候剤を配合してもよい。耐候剤としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が好ましい。これらの耐候剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、特に塩基性成分(特にヒドロキシル基)を有するものが好ましい。例えば、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の、2’−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の、2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類等の、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の、2ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、4−tert−ブチル−フェニル−サリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤が用いられる。その他に、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基を導入した反応性紫外線吸収剤等も用いられる。上記の中でも、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。なお、これら紫外線吸収剤の添加量は、樹脂分に対して、通常0.1〜5重量%程度である。
このような紫外線吸収剤を添加することにより、各層の耐候性を高められる。また、塩基性成分を含む紫外線吸収剤を用いる場合には、各層を形成するのに使用できる樹脂エマルションに含まれる樹脂骨格(カルボキシル基)と相互作用して、紫外線吸収剤のブリードを抑止する効果も得られる。例えば、分子中に水酸基を有する紫外線吸収剤を基材シートに添加し、隣接層を構成する樹脂成分としてイソシアネート基を有するウレタン樹脂等を用いる場合には、紫外線吸収剤が基材シートからブリードして隣接層に染み込んでも、水酸基とイソシアネート基とがウレタン結合することにより捕捉できる。
紫外線吸収剤の含有量は特に限定されないが、各層に100〜10000重量ppm程度、好ましくは500〜7500重量ppm程度である。添加する層は特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できる。
(ヒンダードアミン系光安定剤)
紫外線による各層の劣化をさらに防止し、耐候性を向上させるためには、他の耐候剤としてヒンダードアミン系光安定剤を添加することが好ましい。例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、その他、例えば特公平4−82625号公報に開示されている化合物等が挙げられる。これらの光安定剤の添加量は特に限定されないが、通常、樹脂分に対して0.1〜5重量%程度である。
なお、ヒンダードアミン系光安定剤を添加する場合には、基材シートをはじめ、化粧シートを構成する層中に塩素原子を含む樹脂を用いないことが耐候性向上の点から好ましい。例えば、バインダー樹脂に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン等の分子中に塩素原子を含む樹脂を用いると、紫外線又は熱の作用によりこれら塩素含有樹脂から脱塩素反応で塩化水素が発生した場合に、これがヒンダードアミン系光安定剤と反応してその作用を失活・阻害するため、該捕捉剤による耐候性向上効果が十分に発揮されないおそれがあるからである。
塩基性成分を含むヒンダードアミン系光安定剤を含める場合には、各層を形成し得る樹脂エマルションに含まれる樹脂骨格(カルボキシル基)と相互作用して、紫外線吸収剤のブリードを抑止する効果も得られる。
ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は特に限定されないが、各層に100〜10000重量ppm程度、好ましくは500〜7500重量ppm程度である。添加する層は特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できる。
化粧材
本発明の化粧シートは、各種被着材と接合することにより、化粧材とできる。被着材の材質は特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等の材質が挙げられる。
具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料などが挙げられる。
金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。
木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。
プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
このような被着材の形状は特に限定されず、例えば、平板、曲面板、多角柱等の形状を任意に採用できる。
本発明の化粧シートを上記した被着材の表面に貼着して得られる化粧材は、例えば、壁、天井等の建築物内装材、扉、扉枠、窓枠等の建具の表面材、回縁、幅木等の造作部材の表面材、箪笥、キャビネット等の家具の表面材などに使用できる。また、被着材を用いずに、化粧シート自体を建材部材に対するラミネート材、ラッピング材等として使用することもできる。例えば、浴室等に用いられる鋼板基材の表面に化粧シートの基材シート側を貼着して装飾を施してもよい。
被着体と化粧シートの基材シート側を積層するのに用いる接着剤は特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤を使用できるが、その中でも、特に耐候剤を含む接着剤が好ましい。耐候剤としては、前記した紫外線吸収剤及び光安定剤が挙げられる。
本発明の化粧シートによれば、VOC使用量が低減できる。また、耐候剤を含む場合でも耐候剤のブリード抑止効果が高い。ウレタン系樹脂からなるプライマー層を有することにより、温度・湿度の高い浴室等において長期間使用しても、表面層の剥離、脱落、亀裂等が生じ難い。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
60μm厚の着色オレフィンフィルムを基材シート(シート1)として用意した。
基材シートとは別に、ヒンダードアミン系光安定剤500ppm配合した50μm厚の透明性ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘイズ2%)(透明性ポリエステル系樹脂層)を用意し、その表裏両面をコロナ放電処理して、表裏両面の表面張力を48dyn/cm以上とした。
次いで、透明性ポリエステルフィルムの上にアクリルウレタン系樹脂からなる絵柄インクにより絵柄模様層(3μm)を形成後、その上に2液硬化型ポリエステルウレタン系樹脂に硫酸バリウム及びシリカを添加した隠蔽インクにより着色隠蔽層(2μm)を形成した(シート2)。なお、絵柄模様層及び着色隠蔽層の形成には、グラビア印刷を用いた。
次いで、当該シート1とシート2とを、シート1とシート2の着色隠蔽層とが対向するように、2液硬化型の水性の水酸化ナトリウムを中和剤としたポリエステルウレタン10g/m2からなる接着剤層を介してコーティングラミネートした。
接着剤を乾燥させて、化粧シートを作製した。
作製した化粧シートを120℃で10分間熱処理して残留溶剤を除去後、ガスクロマトグラフィーにかけたところ、化粧シート中の残留VOC量は20mg/m2であった。
作製した化粧シートおもて面の1kg荷重の鉛筆硬度(JIS−K5400の規定に準拠した測定結果)は、HBであった。
作製した化粧シートは、透明性ポリエチレンテレフタレートフィルムのヘイズ値が2%と低いため、鮮映性が優れており、発光している蛍光灯をかざした場合に鮮映に映っていた。
実施例2
ポリブチレンテレフタレートを主成分とする60μm厚の着色ポリエステルフィルムを基材シート(シート1)として用意した。
基材シートとは別に、ヒンダードアミン系光安定剤500ppm配合した50μm厚の透明性ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘイズ2%)(透明性ポリエステル系樹脂層)を用意し、その表裏両面をコロナ放電処理して、表裏両面の表面張力を48dyn/cm以上とした。
次いで、透明性ポリエステルフィルムの上にアクリルウレタン系樹脂からなる絵柄インクにより絵柄模様層(3μm)を形成後、その上に2液硬化型ポリエステルウレタン系樹脂に硫酸バリウム及びシリカを添加した隠蔽インクにより着色隠蔽層(2μm)を形成した。また、透明性ポリエステルフィルムの非装飾面(絵柄模様層を形成した面と逆面)に、電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層をさらに形成するために、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を5000重量ppm含み、トリイソプロパノールアミンを中和剤として含む、2官能ウレタンオリゴマーと6官能ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの9:1(重量比)混合物と水:イソプロピルアルコール(IPA)=(重量比7:3)の混合物に溶解したものを5g/m2塗布した。その後、おもて面から紫外線を175eV、5Mradで照射することにより電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層を硬化させた。得られた表面保護層/透明性ポリエステルフィルム/絵柄模様層/着色隠蔽層からなる積層体をシート2と称する。なお、各層の形成には、グラビア印刷を用いた。
次いで、当該シート1とシート2とを、シート1とシート2の着色隠蔽層とが対向するように、2液硬化型の水性の水酸化ナトリウムを中和剤としたポリエステルウレタン10g/m2からなる接着剤層を介してコーティングラミネートした。
接着剤を乾燥させて、化粧シートを作製した。
作製した化粧シートおもて面の1kg荷重の鉛筆硬度(JIS−K5400の規定に準拠した測定結果)は、2Hであった。
比較例1
実施例1において、各層の形成に水性組成物を使用せずに溶剤系組成物(市販品)を使用し、また透明性ポリエステル樹脂フィルムのヘイズを20%とした以外は、実施例1と同じ層構成の化粧シートを作製した。作製した化粧シートを120℃で10分間熱処理して残留溶剤を除去後、ガスクロマトグラフィーにかけたところ、化粧シート中の残留VOC量は200mg/m2であった。
作製した化粧シートは、透明性ポリエチレンテレフタレートフィルムのヘイズ値が20%と高いため、鮮映性が低く、発光している蛍光灯をかざした場合に蛍光灯が大きく歪んで映っていた。
化粧鋼板の作製
実施例及び比較例で作製した化粧シートの基材シート側を、メッキを施した鋼板に接着剤10g/m2を介してラミネートし、3種類の化粧鋼板を作製した。
接着剤としては、トリイソプロパノールアミンを中和剤として含む2液硬化型ウレタン系接着剤であって、これにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤1000ppmを配合したものと配合しないものとを2種類使用した。
使用する接着剤の種類と化粧鋼板サンプルの種類とを下記表1に示す。
Figure 2005238504
試験例1
上記で得られた各化粧鋼板サンプルに対して耐候性試験を行った。
耐候性評価は、カーボンアーク燈型サンシャインウェザーメーターを用いて、ブラックパネル温度63℃、降雨時間120分中18分の条件で1000時間照射後、各サンプルおもて面(鋼板とは反対側)の変色、サンプルの亀裂、剥離等の外観変化の有無を肉眼により目視観察することにより行った。
耐候性評価結果を下記表2に示す。
Figure 2005238504
実施例1で作製した化粧シートの概念図である。 実施例2で作製した化粧シートの概念図である。

Claims (10)

  1. ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる基材シート上に、接着剤層及び透明性ポリエステル系樹脂層が順に積層されており、透明性ポリエステル系樹脂層と接着剤層との間であって、透明性ポリエステル系樹脂層と接するように絵柄模様層が形成されてなる化粧シートであって、化粧シートを構成する層の少なくとも1種が水性組成物から形成されていることを特徴とする化粧シート。
  2. 水性組成物が、塩基性中和剤を含む請求項1記載の化粧シート。
  3. 塩基性中和剤が、第2級アミン、第3級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びアンモニアの少なくとも1種である請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 絵柄模様層と接着剤層との間に、さらに着色隠蔽層が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートである請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 透明性ポリエステル系樹脂層を構成する樹脂のヘイズ値が5%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 接着剤層が、ヒートシール材又は電離放射線硬化型樹脂から形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 透明性ポリエステル系樹脂層の上に、さらに電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層が形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の化粧シートの基材シート側を、耐候剤を含む接着剤を介して鋼板に貼着してなる化粧鋼板。
  10. 浴室用化粧鋼板である請求項9記載の化粧鋼板。

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