JPH11300921A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JPH11300921A
JPH11300921A JP10108176A JP10817698A JPH11300921A JP H11300921 A JPH11300921 A JP H11300921A JP 10108176 A JP10108176 A JP 10108176A JP 10817698 A JP10817698 A JP 10817698A JP H11300921 A JPH11300921 A JP H11300921A
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JP
Japan
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layer
function
functional layer
functional
decorative material
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JP10108176A
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English (en)
Inventor
Kazuya Masuko
和也 益子
Nobunao Yagishita
信尚 柳下
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に所望の各種の機能性を有する化粧材にお
いて、表面の磨耗による機能性の低下の少ない、耐久性
に優れた化粧材を提供する。 【解決手段】基材1上に盛り上げ印刷層2を有し、更に
少なくとも該盛り上げ印刷層2が設けられた部分を除く
基材1上に機能性層3を有する化粧材である。盛り上げ
印刷層2は好ましくは、硬化性樹脂又は耐磨耗性粒子を
含有し、機能性層より高硬度の材質から構成される。ま
た、機能性層3は、盛り上げ印刷層2を被覆して全面に
設けられていても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁、天井等の建築
内外装や、造作材、建具等の建築資材、家具什器類、住
設機器等の表面化粧等に使用するための化粧材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築資材や家具材等としては、天
然木材やその塗装品、或いは天然木材の木目を模倣し若
しくは木目以外の所望の適宜の意匠を施した印刷化粧シ
ートを、合板または繊維板等の適宜の基材の表面に貼付
した化粧材等が広く使用されている。そして近年では、
係る意匠性の他にも例えば汚染防止機能、抗菌機能、防
黴機能、防虫機能、消臭機能、ホルムアルデヒド除去機
能、芳香機能、光触媒超親水性機能、導電機能、イオン
発生機能等の各種の機能性を備えた化粧材に対する要望
が益々高まっている。
【0003】上記した各種の機能性は一般に、化粧材の
表面に適宜の所望の機能性を有する材料の層(機能性
層)を設けることによって達成されている。例えば汚染
防止機能は、化粧材基材の表面に、必要に応じて適宜の
所望の意匠を施した後、例えばフッ素系樹脂やシリコー
ン系樹脂等の耐汚染性の材料からなる層を、塗工法若し
くはフィルムラミネート法等の適宜の方法により積層す
ることによって付与されている。
【0004】ところで、係る化粧材類には一般に、十年
単位の長期に亘る耐久性が要求されることは、周知の通
りである。そして、係る長期間の間、或いは風雨に曝さ
れ、或いは使用者の身体や持ち物等に触れ、或いは他の
家具什器類等と擦れ、或いはゴミや泥等の汚染物質が付
着し、或いは箒または雑巾掛け等の清掃作業を受ける等
して、化粧材の表面は絶えず物理的・化学的に厳しい攻
撃を受け続けるのである。そして、係る攻撃によって、
化粧材の表面に設けられた機能性層は、剥落や磨耗等に
よって僅かずつ失われ、遂にはその機能を果たすことが
出来なくなってしまうのである。
【0005】斯くの如き問題を克服し、化粧材に付与し
た機能性を長期間に亘り持続させる方策として、従来で
あれば、次の2通りの考え方があった。すなわちその第
1は、当該機能性層そのものを、磨耗に強い高硬度の材
質から構成する方法である。またその第2は、当該機能
性層を、予定される使用期間が満了するまでは完全に磨
耗消失することがない様に、十分に厚く設ける方法であ
る。
【0006】しかし、上記した2つの方法は、いずれも
実用上の限界があり、必ずしも満足すべき結果が得られ
るものではなかった。何となれば、まず上記第1の方法
によると、機能性材料の硬度と機能性との両立が困難で
ある場合がある。例えば前記した汚染防止機能を例に取
ると、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の耐汚染性樹脂は
一般に、平均分子量又は架橋密度を上げれば、硬度は向
上するが、同時に表面張力も上昇し、耐汚染性は低下し
てしまう傾向がある。
【0007】また、上記第2の方法によると、高価な機
能性材料を大量に使用する為に、化粧材が非常に高価な
ものとなってしまったり、機能性材料が着色または白濁
している場合には、化粧材の意匠性を損なってしまう等
の問題点が発生する。この様な事情により、化粧材の使
用状態における磨耗に耐え、長期間に亘り機能性を持続
することができる化粧材は、実現されていないのが実情
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記した問題点に鑑みてなされたものであって、
表面に所望の各種の機能性を有する化粧材において、表
面の磨耗による機能性の低下の少ない、耐久性に優れた
化粧材を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、基材
上に盛り上げ印刷層を有し、更に少なくとも該盛り上げ
印刷層が設けられた部分を除く基材上に機能性層を有す
ることを特徴とするものである。
【0010】また特に、前記盛り上げ印刷層が、前記機
能性層よりも高硬度であることを特徴とするものであ
る。
【0011】また特に、前記盛り上げ印刷層が、硬化性
樹脂を少なくとも含有することを特徴とするものであ
る。
【0012】また特に、前記盛り上げ印刷層が、耐磨耗
性粒子を少なくとも含有することを特徴とするものであ
る。
【0013】また特に、前記機能性層が、汚染防止機
能、抗菌機能、防黴機能、防虫機能、消臭機能、ホルム
アルデヒド除去機能、芳香機能、吸放湿機能、光触媒機
能、超親水性機能、導電機能およびイオン発生機能から
選ばれる1つまたは2つ以上の機能性を有することを特
徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材の具体的な実施の
形態は各種考えられるが、その基本的な類型としては以
下の3種類を挙げることができる。第1は、図1に示す
様に、基材1上に所望のパターン状の盛り上げ印刷層2
を有し、更に該盛り上げ印刷層2が設けられた部分を除
く基材1上に機能性層3を有する構成の化粧材である。
第2は、図2に示す様に、基材1上に盛り上げ印刷層2
を有し、更に該盛り上げ印刷層2上を含む基材1上全面
に機能性層3を有する構成の化粧材である。第3は、図
3に示す様に、基材1上に全面に機能性層3を有し、更
に該機能性層層3上に所望のパターン状の盛り上げ印刷
層2を有する構成の化粧材である。いずれの類型であっ
ても、少なくとも盛り上げ印刷層2が完全に磨耗消滅す
る迄は、機能性層3による機能性が持続する点で、共通
の効果を奏するものである。
【0015】上記第1の類型は、盛り上げ印刷層2と機
能性層3とを正確に位置合わせをして形成する必要があ
る(注:形成順序は特に問わない)点がやや難点である
が、機能性層3に使用する機能性材料を最も節約するこ
とができると共に、磨耗の過程で機能性層3の表面積が
不変であるので、安定した機能性が得られる利点があ
る。なお、本類型の変形例として、図4や図5に示す形
態が挙げられる。
【0016】図4に示す形態は、機能性層3を盛り上げ
印刷層2の側壁に沿って延設したもので、初期状態にお
いて機能性層3の表面積が大きいので高い機能性が得ら
れる利点がある。また、図5に示す形態は、機能性層3
を盛り上げ印刷層2と同一の高さとなる様に盛り上げ印
刷層2の間隙に充填したもので、機能性材料の使用量は
増加するが、磨耗の進行と共に絶えず機能性層3の新し
い表面が出現するから、機能性材料自体の機能性に寿命
がある場合等には、長期に亘り安定した機能性を持続で
きる利点がある。
【0017】第2の類型(図2)は、初期状態において
機能性層3の表面積が最も大きく、高い機能性が得られ
る特長がある。尤も、磨耗の進行によりまず盛り上げ印
刷層2上の機能性層3が失われ(初期磨耗。その結果
は、実質的に図4に示す形態となる)、ここで機能性層
3の表面積がかなり大きく減少してしまうのが、難点と
言えば難点である。しかし、初めから図1や図4に示す
様な第1の類型の化粧材を製造することは、機能性層3
に使用する機能性材料の性状によっては、かなりの困難
を伴う場合も多いから、磨耗による機能性層3の表面積
の減少を初めから計算に入れた上で、この図2に示す態
様を採用した方が、諸般の事情から見て総合的には有利
である場合も少なくない。
【0018】例えば、汚染防止機能を目的とする場合に
は、汚染物質が強固に付着して除去が困難になり易いの
は、一般に主として化粧材表面の凹部であるから、耐汚
染性材料からなる層は、化粧材表面の凹部(及び、好ま
しくは、その側壁)に少なくとも設けられていれば、必
要とされる効果は十分に達成することができる。この場
合、機能性材料(耐汚染性材料)の節約を優先したい場
合には第1の類型を採用すれば良いし、製造の容易性を
優先したい場合には第2の類型を採用すれば良い。
【0019】他の機能性の例について検討すると、例え
ばホルムアルデヒド除去機能に関しては、住宅等の室内
の気中ホルムアルデヒドは一般に建築後の経時により自
然に低下することが知られており、初期状態において高
い機能性を発現すれば十分であるから、第2の類型を採
用した方が合理的である。一方、例えば芳香機能の場合
には、初期状態において芳香剤が過剰に放出されると、
却って使用者に不快感を与える場合があり、経時的に安
定していた方が好ましいから、第1の類型を採用するこ
とが、一般的には好ましいと考えられる。
【0020】第2の類型の変形例として、図6に示す形
態が挙げられる。これは、図2に示した形態では機能性
層3が盛り上げ印刷層2を含む基材1の表面に沿って設
けられ表面が凹凸形状をなしていたのに対し、盛り上げ
印刷層2を完全に機能性層3中に埋設して、機能性層3
の表面を平坦化したものであって、使用時の磨耗によ
り、いずれは図4に示す形態に移行する。この形態は、
初期状態において機能性層3の表面積が大きいが磨耗に
より大きく減少する点で、図2に示す形態と共通点を有
し、その後の磨耗により絶えず機能性層3の新しい表面
が出現する点で、図4に示す形態と共通点を有するもの
であり、その長所・短所にも図2や図4に示す形態と通
ずるものがある。
【0021】なお、図6に示す形態と図4に示す形態と
に共通する問題点として、盛り上げ印刷層2による凹凸
の立体感が、意匠上に活かせない点が挙げられる。しか
しながら、この問題点も、例えば盛り上げ印刷層2に着
色顔料または光輝性顔料等を添加したり、盛り上げ印刷
層2と機能性層3とに屈折率の差が大きい材料の組み合
わせを選択する等の方法により、表面が平滑であっても
恰も凹凸があるかの様に見える、所謂内部エンボス効果
を得ることは可能である。
【0022】特に、汚染防止機能を目的とする場合にあ
っては、表面が平滑であった方が汚染物質が付着しにく
いので、機能的には図5または図4に示す形態を採用す
ることが最も好ましいと考えられるが、その場合にあっ
ても、上記した技術手段を採用することによって、立体
的な意匠感と耐汚染性とを両立することができる。
【0023】第3の類型(図3)は、初期磨耗によって
機能性層3の表面積が急激に減少することがない点で、
前記第1の類型と共通する利点を有しつつ、盛り上げ印
刷層2と機能性層3との見当合わせの問題がない点で、
前記第2の類型と共通する利点を有するものである。そ
の他、前記2類型では盛り上げ印刷層2が完全に磨耗消
失すると同時に機能性層3も完全に磨耗消失するのに対
し、この第3の類型では、盛り上げ印刷層2が完全に磨
耗消失しても、機能性層3が残存するのみならず、機能
性層3の新たな表面が出現するので、機能性層3の初め
から表面に露出していた部分の機能性が経時により低下
しても、磨耗後に新たに出現した表面によって機能性が
補われるという面白い特徴がある。
【0024】この特徴は、例えば芳香機能等の様に、機
能性層3自体の機能性がその発現によって徐々に失われ
てゆく機能の場合に、失われた機能性を自動的に補充す
る自己修復機能として利用することができる。この自己
修復機能は、例えば盛り上げ印刷層2の厚みを連続的に
変化させたり、厚みまたは耐磨耗性の異なる複数種類の
盛り上げ印刷層2を設けたりすることにより、磨耗の進
行程度に応じて連続的ないし段階的に発現させることも
できる。
【0025】但し、盛り上げ印刷層2は機能性層3の表
面に十分な接着性を有する必要があるので、例えば機能
性層3として耐汚染性樹脂を使用する場合には、盛り上
げ印刷層2の材料や形成手段にやや工夫が必要である。
具体的には、機能性層3を構成する耐汚染性樹脂とし
て、例えば水酸基等の反応性官能基を含有する樹脂を使
用し、該反応性官能基との間で架橋反応可能な、例えば
イソシアネート基等の反応性官能基を含有する樹脂をバ
インダーとするインキで盛り上げ印刷層2を形成する等
の方法を挙げることができる。
【0026】以上の形態の他、本発明の化粧材として
は、上記第1〜第3の類型の各形態を組み合わせた形態
も可能である。例えば、図7及び図8に示す形態は、第
1の類型と第3の類型とを組み合わせた形態であり、図
9及び図10に示す形態は、第2の類型と第3の類型と
を組み合わせた形態である。これらはいずれも、その基
となった形態の長所・短所を兼ね備えまたは補い合った
作用・効果を奏するものであることは、既に詳述した事
項から明らかであろう。
【0027】すなわち、図7に示す形態は、基材1上に
機能性層3を介して盛り上げ印刷層2を設けると共に、
前記機能性層3を前記盛り上げ印刷層2の側壁に沿って
延設してなるものであって、初期状態における機能性層
3の表面積が稼げる点で、図4に示す形態に準じ、盛り
上げ印刷層2の磨耗消滅時に機能性層3が消滅せずに機
能性層3の新しい表面が現出する点で、図3に示す形態
に準ずる効果を、それぞれ奏する特徴がある。
【0028】図8に示す形態は、基材1上に機能性層3
を介して盛り上げ印刷層2を設けると共に、該盛り上げ
印刷層2の間隙の凹部を機能性層3で充填して、表面を
平坦化したものであって、初期状態及び磨耗過程におい
て表面が平滑である点、及び、磨耗過程において常に機
能性層3の新しい表面が現出する点で、図5に示す形態
に準じ、盛り上げ印刷層2の磨耗消滅時に機能性層3が
消滅せずに機能性層3の新しい表面が現出する点で、図
3に示す形態に準ずる効果を、それぞれ奏するものであ
る。
【0029】図9に示す形態は、基材1上に機能性層3
を介して盛り上げ印刷層2を設けると共に、該盛り上げ
印刷層2の上面及び側面に沿って機能性層3を延設して
なるものであって、いずれ磨耗の進行に伴い図7に示す
形態に移行するものである。この形態は、初期状態にお
いて機能性層3の表面積が大きいが磨耗により大きく減
少する点で、図2に示す形態に準じ、その後の盛り上げ
印刷層2の磨耗過程においては図4や図7に示す形態に
準じ、盛り上げ印刷層2の磨耗消滅時に機能性層3が消
滅せずに機能性層3の新しい表面が現出する点で、図3
や図7に示す形態に準ずる効果を、それぞれ奏するもの
である。
【0030】図10に示す形態は、基材1上に機能性層
3を介して盛り上げ印刷層2を設けると共に、該盛り上
げ印刷層2を機能性層3中に埋設して機能性層3の表面
を平坦化したものであって、いずれ磨耗の進行に伴い図
8に示す形態に移行するものである。この形態は、初期
状態において機能性層3の表面積が大きいが磨耗により
大きく減少する点、及び、その後の磨耗により絶えず機
能性層3の新しい表面が出現する点で、図6に示す形態
に準じ、その後の盛り上げ印刷層2の磨耗過程において
は図5や図8に示す形態に準じ、盛り上げ印刷層2の磨
耗消滅時に機能性層3が消滅せずに機能性層3の新しい
表面が現出する点で、図3や図8に示す形態に準ずる効
果を、それぞれ奏するものである。
【0031】なお、図5や図6、図8、図10に示す形
態では、機能性層3は盛り上げ印刷層2の厚さと同等ま
たはそれ以上の厚さに設けるので、一見、機能性材料の
節約や意匠性低下の防止といった、本発明の本来の目的
の達成にはつながらないかの様に見えるかも知れない。
しかしながら、機能性層3が同一厚さであれば、盛り上
げ印刷層2を設けない場合と比較して、盛り上げ印刷層
2の体積に相当する分だけ機能性材料が節約できる訳で
あるし、また、盛り上げ印刷層2が機能性層3よりも高
硬度であれば、表面からの磨耗を低減し、機能性層3が
発現する機能性の寿命を延長することができるのであ
る。逆に言えば、従来品と同等の寿命があれば良い場合
には、機能性層3の厚みを減じ、機能性材料を節約する
ことができるし、特に、機能性材料が着色または白濁し
ている場合にあっては、機能性層3による意匠性の低下
を抑えることもできるのである。
【0032】本発明の目的である、盛り上げ印刷層2に
よって機能性層3を磨耗から保護し、その機能性を長期
に亘り持続させるという効果を十分に発揮させる為に
は、盛り上げ印刷層2は少なくとも機能性層3よりも高
硬度であることが好ましい。その為に、盛り上げ印刷層
2としては、例えばメラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、
エポキシ7系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、アルキ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂や、ア
クリル系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂
を少なくとも含有する組成物を使用するか、または、例
えばシリカ、アルミナ、ガラス、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化ジルコニウム、窒化硼素、窒化珪素、炭
化硼素、炭化珪素、ゼオライト、シラスバルーン、珪藻
土等の耐磨耗性粒子を少なくとも含有する組成物を使用
することが好ましく、両者を併用すれば更に好ましい。
【0033】盛り上げ印刷層2の厚みには特に制限はな
いが、機能性層3の保護という観点からは一般に、少な
くとも5μm以上は必要である。一方上限としては、1
00μmを越える盛り上げ印刷は通常は困難である。機
能性と生産性との両面から見て、10〜50μm程度の
範囲内とするのが一般的であり、中でも20〜30μm
程度が最も好ましい。盛り上げ印刷層2は適宜着色され
ていても良いし、後述する絵柄層4の絵柄に同調して設
けられていても良い。
【0034】本発明の化粧材において使用する基材1
は、従来より各種の化粧材用の基材として使用されてい
るものであれば、任意の材料を適宜選択して使用するこ
とができる。具体的には、例えば薄葉紙、チタン紙、樹
脂含浸紙、樹脂混抄紙、紙間強化紙、晒又は未晒クラフ
ト紙、リンター紙、上質紙、コート紙、無機紙、難燃
紙、板紙、和紙等の各種の紙類や、天然繊維、再生繊
維、合成繊維又は無機繊維等からなる織布又は不織布
類、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の合成
樹脂からなるフィルム乃至シートや板材乃至成形品類、
木材単板や合板、集成材、パーティクルボード、中密度
繊維板等の木質基材、その他無機質材料や金属材料等か
らなる基材等を使用することができ、必要に応じてこれ
らから選ばれる複数の材料を混合、積層または複合した
ものを使用することもできる。
【0035】上記基材1の表面には、必要に応じて適宜
の所望の意匠の絵柄層4が設けられる。絵柄層4の材質
や形成方法には特に制限はないが、一般的には適宜の印
刷インキや塗料等を使用して適宜の印刷方法や塗装方法
によって設けられる。なお、絵柄層4は、盛り上げ印刷
層2や機能性層3の表面上や層間に設けられていても良
いし、基材1の全部または一部が透明である場合には、
基材の裏面や層間に設けられていても良く、これらから
選ばれる複数の箇所に設けられていても良い。
【0036】機能性層3としては、目的とする化粧材の
用途に応じて所望の任意の機能性を有する材料を適宜使
用することができる。具体的には例えば、汚染防止機
能、抗菌機能、防黴機能、防虫機能、消臭機能、ホルム
アルデヒド除去機能、芳香機能、吸放湿機能、光触媒機
能、超親水性機能、導電機能、イオン発生機能等を挙げ
ることができ、それらの2つ以上の機能性を兼ね備えて
いても良い。これらの機能性を有する材料としては、そ
れぞれ従来公知の任意の材料を適宜使用することができ
る。また、可能な場合には、盛り上げ印刷層2にも機能
性層3と同種または異種の機能性を具備させても良く、
そうすることによって更に機能性に優れた化粧材を得る
ことができる。
【0037】機能性層3の厚みや形成方法には特に制限
はなく、目的とする機能性を発現すべき機能性材料の特
性に合わせて適宜設計すれば良い。一般的には、機能性
層3の厚みは0.1μm〜10μm程度の範囲内から選
ばれる場合が多い。また機能性層3の形成方法として
は、機能性材料が塗液状で供給される場合や適当な溶剤
に溶解ま3たは分散可能である場合には塗布法、フィル
ム状で供給される場合にはドライラミネート法や熱圧着
法、熱可塑性物質であれば溶融押出積層法や射出成形
法、減圧下で蒸発し得る物質であれば真空蒸着法やスパ
ッタリング法等、従来公知の各種の製膜方法から適宜選
択して実施することができる。
【0038】
【実施例】<実施例1>坪量60g/m2 の建材用紙の
表面に、まず硝化綿系インキを使用してグラビア印刷法
にて抽象柄の絵柄層を印刷形成し、次に固形分70%の
アクリル−ウレタン系2液硬化型インキ(大日精化株式
会社製、商品名KKBキュアU)を使用してグラビア印
刷法にて前記絵柄層に同調した透明な盛り上げ印刷層を
乾燥後の厚さ約30μmに形成し、しかる後に、イソシ
アネート硬化型フッ素系樹脂塗料(特殊色料株式会社
製、商品名A812G/817M)を使用してグラビア
コート法により全面に乾燥後の塗布量8g/m2 に塗工
して汚染防止層を形成し、本発明の化粧材である化粧紙
を作製した。
【0039】<比較例1>実施例1で使用した建材用紙
の表面に、実施例1と同様にして抽象柄の絵柄層を印刷
形成し、次に盛り上げ印刷層を形成せずに、絵柄層印刷
面上に直接、実施例1で使用したイソシアネート硬化型
フッ素系樹脂塗料を乾燥後の塗布量8g/m2 に塗工し
て汚染防止層を形成し、化粧紙を作製した。
【0040】<性能比較試験>実施例1及び比較例1の
化粧紙を、同一銘柄の厚さ3mmのラワン合板の表面に
貼付し、表面をJAS磨耗B試験に準じた条件で50回
転磨耗させた後、汚染物質として市販の赤色クレヨンを
使用して付着24時間後に水拭きにて拭き取ったとこ
ろ、実施例1の化粧紙では汚染物質の痕跡は認められな
かったが、比較例1の化粧紙では目視にてはっきりと汚
染の残存が認められた。
【0041】<実施例2>坪量30g/m2 の紙間強化
紙の表面に、水性アクリル系インキを使用してグラビア
印刷法により絵柄の印刷を施し、更にアルミナ粉末を添
加した2液硬化型ウレタン系インキにて乾燥後の厚さ2
5μmの盛り上げ印刷を施し、最後に銀系抗菌剤を添加
した2液硬化型ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗
布量3g/m2 に全面に塗工して、本発明の化粧材であ
る化粧紙を作製した。
【0042】<実施例3>坪量30g/m2 の薄葉紙の
表面に、ウレタン系インキにて絵柄を印刷し、更にコロ
イダルシリカを添加した2液硬化型ウレタン系インキに
て乾燥後の厚さ30μmの盛り上げ印刷を施し、最後に
ホルムアルデヒド吸収剤としてカルボヒドラジドを添加
したエポキシ硬化型水性アクリル系トップコート剤を乾
燥後の塗布量5g/m2 に全面に塗工して、本発明の化
粧材である化粧紙を作製した。
【0043】<実施例4>厚さ90μmの隠蔽性着色オ
レフィン系樹脂シートの表面をコロナ処理後、2液硬化
型ウレタン系インキにて絵柄を印刷形成し、更に防黴剤
を添加した2液硬化型ウレタン系インキを、後に形成す
る盛り上げ印刷層とは逆パターンの版を使用して乾燥後
の厚さ3μmに印刷して防黴層を形成し、しかる後に、
紫外線硬化型アクリル系樹脂を前記防黴層が設けられて
いない部分に厚さ40μmに印刷して紫外線照射により
硬化して、本発明の化粧材である化粧シートを作製し
た。
【0044】<実施例5>厚さ50μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムの表面をコロナ処理後、ポリエ
ステル系インキを使用して絵柄を印刷形成し、更に芳香
剤を内包したマイクロカプセルを添加したアクリル系イ
ンキを全面に膜厚15μmに塗工し、最後にシリカ系減
摩剤を添加したメラミンアクリル系インキにて厚さ20
μmの盛り上げ印刷を施して、本発明の化粧材である化
粧シートを作製した。
【0045】<実施例6>坪量60g/m2 の建材用紙
の表面に、まず硝化綿系インキを使用してグラビア印刷
法にて抽象柄の絵柄層を印刷形成し、次にアクリル−ウ
レタン系2液硬化型インキを使用してグラビア印刷法に
て前記絵柄層に同調した透明な盛り上げ印刷層を乾燥後
の厚さ約30μmに形成し、しかる後に、銀系抗菌剤を
添加したイソシアネート硬化型フッ素系樹脂塗料を使用
してグラビアコート法により全面に乾燥後の塗布量5g
/m2 に塗工して抗菌兼汚染防止層を形成し、本発明の
化粧材である化粧紙を作製した。
【0046】<実施例7>厚さ5mmのラワン合板基材
の表面に目止め処理と隠蔽塗装処理を施した後、平均粒
径3μmのガラスビーズを含有するアクリル系高固形分
インキを使用してスクリーン印刷法により乾燥後の厚さ
50μmの盛り上げ印刷を施し、最後に、予めフッ素樹
脂系インキにて裏面に絵柄を施した厚さ12μmのエチ
レン−テトラフロロエチレン共重合体樹脂フィルムを、
フッ素樹脂系接着剤を介して、前記盛り上げ印刷層を含
む基材表面に沿わせる様に熱圧着して汚染防止層を形成
し、本発明の化粧材である化粧板を作製した。
【0047】<実施例8>坪量30g/m2 の薄葉紙の
表面に、硝化綿系インキを使用してグラビア印刷法にて
絵柄を印刷形成し、アルミナ粒子を含有する2液硬化型
ウレタン系インキを使用して乾燥後の膜厚10μmの盛
り上げ印刷層を形成し、更に2液硬化型フッ素系樹脂塗
料を、前記盛り上げ印刷層を埋設する様に、前記盛り上
げ印刷層が形成されていない部分において厚みが15μ
mとなる様に塗工、硬化させて、表面が平滑面となって
いる汚染防止層を形成して、本発明の化粧材である化粧
紙を作製した。
【0048】
【発明の効果】本発明の化粧材は、基材上に盛り上げ印
刷層を有し、更に少なくとも該盛り上げ印刷層が設けら
れた部分を除く基材上に機能性層を有する構成により、
表面から磨耗が進行しても、まず盛り上げ印刷層の頂部
から磨耗が始まり、該盛り上げ印刷層が設けられた部分
を除く基材上の機能性層が保護されるので、盛り上げ印
刷層の全てが磨耗消失しない限り、機能性層が磨耗消失
することがない。斯くして、たとえ機能性層が耐磨耗性
に乏しい材質である場合や、機能性層の膜厚が薄い場合
であっても、長期に亘り表面からの磨耗に耐え、機能性
を持続させることができるという優れた効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図2】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図3】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図4】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図5】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図6】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図7】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図8】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図9】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図10】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図
である。
【符号の説明】 1‥‥基材 2‥‥盛り上げ印刷層 3‥‥機能性層 4‥‥絵柄層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に盛り上げ印刷層を有し、更に少な
    くとも該盛り上げ印刷層が設けられた部分を除く基材上
    に機能性層を有することを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記盛り上げ印刷層が、前記機能性層より
    も高硬度であることを特徴とする請求項1に記載の化粧
    材。
  3. 【請求項3】前記盛り上げ印刷層が、硬化性樹脂を少な
    くとも含有することを特徴とする請求項2に記載の化粧
    材。
  4. 【請求項4】前記盛り上げ印刷層が、耐磨耗性粒子を少
    なくとも含有することを特徴とする請求項2又は3に記
    載の化粧材。
  5. 【請求項5】前記機能性層が、汚染防止機能、抗菌機
    能、防黴機能、防虫機能、消臭機能、ホルムアルデヒド
    除去機能、芳香機能、吸放湿機能、光触媒機能、超親水
    性機能、導電機能およびイオン発生機能から選ばれる1
    つまたは2つ以上の機能性を有することを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の化粧材。
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