JP5573986B2 - 化粧シート - Google Patents

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本発明は、住宅内装や家具等の表面装飾に用いられる化粧シート、および当該化粧シートを用いた化粧板に関する。特に、家具等における水平面に使用でき、耐久性(耐摩擦性、耐傷性、耐汚染性)に優れた化粧シートおよびこれを用いた化粧板に関する。
従来から、住宅の内装、建具、さらには家具等の分野では化粧シートが用いられている。当該化粧シートの最表面に位置する層(「表面保護層」とか「トップコート層」と呼ばれる場合もある。)においては、耐摩擦性、耐傷性、耐汚染性といったいわゆる耐久性を付与することを目的として、ウレタン樹脂などからなる熱硬化型樹脂(2液硬化型樹脂)や、紫外線や電子線等の電離放射線で硬化する電離放射線硬化型樹脂が用いられている。
また、化粧シートに艶消し効果(マット感)を付与することを目的として、前記化粧シートの最表面に位置する層に、シリカの粒子を含有することも行われている。さらに近年は、防汚性を付与することを目的として、含有されるシリカ粒子として特定の給油量を有するシリカ粒子を用いる技術もある(例えば、特許文献1)。
しかしながら、艶消し効果を狙って化粧シートの最表面に位置する層にシリカを含有させた場合、当該層の表面はシリカが露出している状態となっており、使用開始直後にあっては、露出したシリカにより艶消し効果を発揮できるものの、時間経過とともに露出したシリカが摩耗してしまい、当初の艶消し効果が発揮されないことがあった。
特開平10−337997号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、艶消し効果を長時間発揮することができ、耐傷性も良好であり、さらに優れた意匠性を発揮することができる化粧シートおよび化粧板を提供することを主たる課題とする。
前記課題を解決するための本発明の化粧シートは、基材と、絵柄層と、硬化型樹脂組成物中にマット剤とソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子を含有してなる表面保護層と、をこの順で積層してなることを特徴とする。
また、前記化粧シートにあっては、前記ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子が、前記硬化型樹脂組成物100重量部に対して5〜20重量部の割合で含有されていることが好ましい。
また、前記化粧シートにあっては、前記マット剤とソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子の重量比が、1:2〜1:6であることが好ましい。
また、前記化粧シートにあっては、前記ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子の平均粒径が3〜7μmであってもよい。
また、前記化粧シートにあっては、前記マット剤がシリカであってもよい。
また、前記化粧シートにあっては、前記硬化型樹脂組成物が熱硬化型樹脂組成物であってもよい。
また、前記化粧シートにあっては、前記基材の絵柄層が設けられていない側に、防湿シート用基材と蒸着層とからなる防湿シートが形成されていてもよい。
さらに、上記課題を解決するための本願発明の化粧板は、化粧板用基材に前記本願発明の化粧シートを貼着してなることを特徴とする。
本発明の化粧シートは、表面保護層を形成する硬化型樹脂組成物中に従来からのマット剤に加え、ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子が含有されていることを特徴としている。ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子は、マット剤として一般的なシリカ粒子等に比べて硬い性質を有しているため、摩耗することがほとんどなく、したがって、当該ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子を表面保護層の表面から露出させておくことにより、同様に表面保護層の表面から露出しているマット剤が摩耗することを効果的に防止することができる。また、たとえマット剤が摩耗してなくなっても、当該ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子は露出した状態で存在可能であり、これにより長期間にわたって艶消し効果を発揮せしめることができるとともに、耐傷性も良好である。
さらに、本願発明の化粧シートは、表面保護層を形成する硬化型樹脂組成物中に「マット剤」と「ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子」という2種類の粒子を含有せしめているため、これらの粒子がそれぞれ表面保護層から露出した状態となっており、これらそれぞれの粒子によって複雑に光が散乱することとなり、従来にない艶消し感(マット感)を提供することができる。
なお、本発明の化粧板も上記と同様の効果を奏することは言うまでもない。
本発明の化粧シートの構成を説明するための概略断面図である。 本発明の化粧シートの別の構成を説明するための概略断面図である。
以下に、本発明の化粧シートおよびこれを用いた化粧板について図面を用いて具体的に説明する。
<化粧シート>
図1は、本発明の化粧シートの構成を説明するための概略断面図である。
図1に示すように、本発明の化粧シート100は、基材1と、絵柄層2と、表面保護層3と、をこの順で積層することにより構成される。
以下、各層について詳細に説明する。
(基材)
基体1としては、形状、材質、その他特性等は特に制限はない。例えば形状は、いわゆるシート状であればよく、大きさや厚さについては特に制限されない。また、材質は、紙系、木質系、金属系、無機非金属系(セラミック系、非セラミックス窯業系等)、樹脂系等である。また、インキ浸透性のあるもの(紙、不織布等)、インキ浸透性の無いもの(樹脂シート等)、いずれでも良い。中でも紙や樹脂シート(フィルム)が代表的である。
また、紙系以外の繊維質基材としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、硝子等の繊維からなる不織布等も用いられる。不織布は前記紙系の場合と同様に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでも良い。
樹脂系では、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、三酢酸セルロース、セロハン、ポリカーボネート等の樹脂等の樹脂材料がある。これら樹脂は、シート、板、立体物として使用される。また、樹脂系では、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂板、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝子繊維不織布、布帛、紙、その他各種繊維質基体に含浸硬化させて複合化した所謂FRP(繊維強化プラスチック)板、等の樹脂シートもある。
基材の厚みは、形状、材質、用途等にもよるが、例えば紙系の様な繊維質基材を使用する場合は、坪量で23〜150g/m2程度で、厚みが30〜300μm程度が望ましい。
(化粧用基材)
また、化粧用基材としては、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等の木質材料がある。また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料がある。金属系はシート(箔)、板、立体物として使用される。また、無機非金属系では、例えば、押し出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非セラミックス窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス系材料等がある。
(絵柄層)
絵柄層2は、化粧シート100に所望の絵柄を付与するために形成される層であり、目的とする意匠表現や要求物性等に応じて、化粧シートにおける従来公知の形成方法・材料で形成すればよく、特に限定はない。
なお、絵柄層2は、部分形成と全面形成とで区分けすれば、図1に示すとおり、任意のパターン形状を表現するために部分的に形成される柄パターン層2Bと、全面に形成される全ベタ層2Aとに分類することができる。全ベタ層2Aと柄パターン層2Bとは各々単独で使用されることもあるが、通常は、下地としての全ベタ層2Aとその上に形成して絵柄パターンを表現するための柄パターン層2Bとを組み合わせて使用することが多い。
絵柄層2は、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、電子写真複写、手描(例えば筆描等)等の従来公知の印刷等による形成方法及び材料で形成すればよい。絵柄層は通常、顔料添加で着色した層とする。絵柄層が表す絵柄は任意であり、用途に合わせて、例えば木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様等である。なお、絵柄層のうち全面ベタとなる全ベタ層は、グラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法によって塗料で形成することもできる。
絵柄層を形成する為のインキ(又は塗料)は、一般的なインキ(又は塗料)同様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バインダーの樹脂には、例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂等といった汎用の樹脂を選択でき、単体又はこれらを含む混合物として使用する。ただし、リコート性電離放射線硬化性樹脂層との密着性の点で、バインダーの樹脂としては、ニトロセルロース系やアクリル樹脂系は望ましい樹脂である。
また、着色剤としては、例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を使用すればよい。
なお、絵柄層2は金属薄膜層等でも良い。金属薄膜層の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜する。あるいはこれらの組み合わせでもよい。当該金属薄膜層は、全面に設けても(全ベタ層2Aとなる)、あるいは、部分的にパターン状に設けても(柄パターン層2Bとなる)よい。
(表面保護層)
次に表面保護層3について説明する。
本願発明の化粧シート100における表面保護層は、硬化型樹脂組成物3A中にマット剤3Bとソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cとを含有することにより構成されている。
ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cは、一般的なマット剤3Bに比べて硬い性質を有しているため、摩耗することがほとんどなく、したがって、当該ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cを表面保護層3の表面から露出させておくことにより、同様に表面保護層3の表面から露出しているマット剤3Bが摩耗することを効果的に防止することができる。また、たとえマット剤3Bが摩耗してなくなっても、当該ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cは露出した状態で存在可能であり、これにより長期間にわたって艶消し効果を発揮せしめることができるとともに、耐傷性も良好である。
さらに、表面保護層3を形成する硬化型樹脂組成物3A中にマット剤3Bとソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cという2種類の粒子を含有することにより、前述の通り、これらの粒子がそれぞれ表面保護層3から露出した状態となっており、これらそれぞれの粒子によって複雑に光が散乱することとなり、従来にない艶消し感(マット感)を提供することができる。
<硬化型樹脂組成物>
表面保護層3を形成する硬化型樹脂組成物3Aとしては、耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性、耐候性等、通常の化粧シートの最表面層に求められる性質を適当に有していればよく、公知の熱硬化型樹脂ないし公知の電離放射線硬化型樹脂を用いて形成することができる。
熱硬化型樹脂は、ハンドリングが容易であり上記種々の性質を兼ね備えていることから好ましく、具体的には、2液硬化型樹脂、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂等を用いることが好ましい。2液硬化型ウレタン樹脂としては、主剤にアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールを用い、架橋剤(硬化剤)に2,4−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートを用いた公知のウレタン樹脂から適宜選択すればよい。
<マット剤>
前記硬化型樹脂組成物3A中に含有されるマット剤3Bとしては、従来の化粧シートにおいて用いられているマット剤であれば特に限定されることはなく、任意に選択可能である。具体的には、シリカ、アルミナ、炭化カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ガラスバルーン等からなる無機微粉末、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、シリコーン、フェノール系樹脂、メラミン樹脂等からなる有機微粉末を挙げることができる。
これらの中でも、艶消し効果が高く、前記硬化型樹脂組成物3Aとほぼ同じ屈折率を有することから表面保護層の透明性を損なうことが少ないシリカが特に好ましい。
<ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子>
上記マット剤3Bと併せて、硬化型樹脂組成物3A中に含有されるソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cは、主にカルシウム、ナトリウム、アルミニウムおよびケイ素から構成される複合酸化物粒子であり、これを構成する各元素の割合は、Ca元素がCaO換算値で3〜10重量%、Na元素がNa2O換算値で5〜12重量%、Al元素がAl23換算値で20〜30重量%、Si元素がSiO2換算値で50〜60重量%である。
当該ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cの形状は粒状(球状)であり、その平均粒径は3〜7μm程度が好ましい。3μmよりも小さいと前述したソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子の効果を十分に発揮できない場合があり、一方で7μmよりも大きいと、マット剤の効果を阻害してしまう可能性があるからである。
また、当該ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cの含有量についても、上記効果を奏する程度であれば特に限定されることはないが、具体的には、例えば、前記硬化型樹脂組成物100重量部に対して5〜20重量部の割合で含有されていることが好ましい。含有量が5重量部より少ないと前述したソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子の効果を十分に発揮できない場合があり、一方で20重量部よりも多いと過剰スペックとなるばかりでなく、マット剤の効果を阻害してしまう可能性があるからである。
さらに、マット剤3Bとソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子3Cとの重量比(配合比率)についても、上記効果を奏する程度であれば特に限定されることはないが、具体的には、例えば、前記マット剤とソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子の重量比が、1:2〜1:6であることが好ましい。ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子の上記効果を十分に発揮させるためにはマット剤の2倍以上の量が必要であり、一方で6倍以上含有すると、マット剤の効果に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
図2は、本発明の化粧シートの別の実施形態を説明するための概略断面図である。
図2に示すように、本発明の化粧シート300は、図1で説明した化粧シート(100)の裏面側に、防湿シート用基材20と蒸着層21とからなる防湿シート200が形成された形態を呈している。
以下に防湿シート200を構成する防湿シート用基材20と蒸着層21とについてそれぞれ説明する。
(防湿シート用基材)
防湿シート用基材20の材質については、特に限定されることはなく、前述した化粧シートの基材1に接着剤等により貼り合わせることが可能であれば、いかなる材料をも用いることができる。具体的には、各種合成合成樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。これらは、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよいが、後述する蒸着層21が少なくとも一方の面に形成される関係上、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。防湿シート用基材20の厚さとしては、概ね9〜25μmが適当である。
(蒸着層)
次に蒸着層21について説明する。
蒸着層21としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、あるいは、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜からなる無機酸化物蒸着層であり、この蒸着層11は真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法等の周知の蒸着法で、上記した防湿シート用基材20の少なくとも一方の面に薄膜形成される。なお、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる蒸着層は金属光沢があるために、化粧シートに用いる場合には、意匠性の点から金属光沢を隠蔽しなければならない場合があり、このような観点からは、蒸着層は透明な無機酸化物蒸着層であることが好ましい。また、前記蒸着層21のガスバリアー性を一層向上させる目的で、前記蒸着層21上にポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコールに酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物を添加した組成物をロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布方法形成してもよい(図示せず)。
上述した化粧シート(100)と防湿シート200との接着に関しては、図2に示すように、接着剤層22により接着することが一般的であるが、当該接着剤層22の材質等については特に限定することはなく、従来公知の各種接着剤を任意に選択して用いればよい。
また、本発明の化粧板は、図1に示す化粧シート100、および図2に示す化粧シート300を、化粧板用基板に貼着することにより形成することができる。
ここで用いられる化粧板用基板、および化粧板用基板と化粧シートとの貼着方法については、特に限定されることはなく、従来公知の化粧板用基板を用い、従来公知の貼着方法を採用すればよい。
(実施例1)
基材として30g/m2の薄葉紙を用い、当該基材の一方の面に硝化綿系樹脂をビヒクルとする印刷インキを用いてベタ層と、木目模様を呈する柄パターン層とからなる絵柄層をグラビア印刷法により形成した。
ついで、マット剤としてのシリカ、およびソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子を含有する2液硬化型樹脂を準備し、これを前記絵柄層の上にグラビア印刷法で塗布することにより表面保護層を形成して実施例1の化粧シートとした。
なお、2液硬化型樹脂の組成は以下の通りである。
・アクリルポリオール系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加
・シリカ(前記樹脂に対して7重量%)
・ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子(前記樹脂に対して16重量%)
(比較例1)
表面保護層にソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子を含有しない以外、全て同じ条件にて比較例1の化粧シートを製造した。
(対比実験)
上記実施例および比較例の化粧シートの表面保護層側をスチールウール(日本スチールウール株式会社製:ボンスター♯00)を用いて250g/cm2の荷重をかけて40往復擦り、その前後を目視により比較した。
その結果、実施例1の化粧シートは、スチールウール試験の前後においてマット感に変化はなかったのに対し、比較例1の化粧シートにおいては、マット感に著しい変化があった。
このことからも、本願発明の化粧シートは、艶消し効果を長時間発揮することができ、耐傷性も良好であることが分かった。
100、300 … 化粧シート
200 … 防湿シート
1 … 基材
2 … 絵柄層
2A … 全ベタ層
2B … 柄パターン層
3 … 表面保護層
3A … 硬化型樹脂組成物
3B … マット剤
3C … ソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子
20 … 防湿シート
21 … 防湿シート用基材
22 … 蒸着層

Claims (1)

  1. 基材に、
    硬化型樹脂組成物中にマット剤とソジウムカルシウムアルミノシリケート粒子を含有してなる表面保護層
    積層してなることを特徴とする化粧シート。
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