JP2017165030A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1表面保護層を低光沢に保ちつつ、耐摩耗性・耐傷性といった表面物性にも優れた化粧シート及びそれを用いた化粧板を提供する。【解決手段】化粧シート10において、シート基材1上に、絵柄模様層2と、第1表面保護層3と、第2表面保護層4とが、この順に積層されている。第1表面保護層3は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂と、紫外線硬化型樹脂と、平均粒径が3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラーとを含む。第2表面保護層4は、紫外線硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂を含み、第1表面保護層3の20%以上80%以下の面積を被覆する。【選択図】図1

Description

本発明は、内装材や家具等に使用可能な化粧シート及びそれを用いた化粧板に関する。
床・壁・天井等の建築物内装材、扉等の建具、家具等の表面材等の用途に用いる化粧シート(化粧材)では、通常、耐摩耗性、耐汚染性等の表面物性が要求される。特に、家具や建具等の外表面に貼る化粧シートにおいては耐傷性、耐磨耗性が強く要求されるため、耐傷性、磨耗性と優れた意匠性を兼ね備えた化粧シートが提案されている。
このような化粧シートとしては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1に記載の技術では、シート基材上に形成された絵柄模様層と、絵柄模様層上に形成された第1表面保護層と、第1表面保護層上に形成された第2表面保護層とを備え、第2表面保護層は、第2表面保護層から突出した合成樹脂ビーズを含んでいる。これにより、化粧シートの表面に凹凸を設け、触感により立体感を感じさせるようになっている。
また、このような化粧シートでは、一般に、最外層の光沢(第2表面保護層の光沢)を、最外層よりも内側の層の光沢(第1表面保護層の光沢)よりも高くしている。
特開2015−77709号公報
しかし、上記の技術では、第1表面保護層を低光沢に保ち、第2表面保護層との間に光沢差を保つことによって優れた立体感、意匠性を出すことはできるが、低光沢な第1表面保護層は傷や摩耗により容易に光沢変化が確認され、耐傷・耐摩耗性などの表面物性を満足するものではなかった。
また、第1表面保護層の光沢度を上げることで、傷・摩耗による光沢の変化を抑えることもできるが、それでは立体感や意匠性に乏しいものとなる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、第1表面保護層を低光沢に保ちつつ、耐摩耗性・耐傷性といった表面物性にも優れた化粧シート及びそれを用いた化粧板を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、シート基材上に、絵柄模様層と、第1表面保護層と、第2表面保護層とが、この順に積層されている。第1表面保護層は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂と、紫外線硬化型樹脂と、平均粒径が3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラーとを含む。第2表面保護層は、紫外線硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂を含み、第1表面保護層の20%以上80%以下の面積を被覆する。
本発明の一態様によれば、第1表面保護層を、その層厚とほぼ等しい粒径の3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラーを含有する熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂との混合物を用いて構成することで、低光沢でありながら耐摩耗性・耐傷性に優れた化粧シート及びそれを用いた化粧板を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る化粧シート及び化粧板を表す模式的断面図である。
<実施形態>
以下に、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る化粧シート及び化粧板について説明する。ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(化粧シート10)
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る化粧シート10は、シート基材1の一方の面(表面1S)側に、絵柄模様層2、第1表面保護層3、及び第2表面保護層4がこの順に積層されている。本実施形態では、絵柄模様層2上に形成される表面保護層を、第1表面保護層3と第2表面保護層4との2層としているが、実際には3層以上でも良い。
(化粧板20)
また、図1に示すように、本発明の一実施形態に係る化粧板20は、上述した化粧シート10のシート基材1の他方の面(裏面1T)を、基板5に貼り合わせてなる。すなわち、本実施形態に係る化粧板20は、シート基材1の一方の面(表面1S)側に、絵柄模様層2、第1表面保護層3、及び第2表面保護層4がこの順に積層されており、シート基材1の他方の面(裏面1T)側に、基板5が貼り合わされている。
本実施形態に係る化粧シート10及び化粧板20は、特に、大面積の内装材や家具等に好適なものである。
(シート基材1)
シート基材1は、防湿性を有するシート状の層である。防湿性とは、水蒸気を通し難い性質である。シート基材1としては、例えば、2枚の紙基材1a、1bと、2枚の紙基材1a、1bの間に配置された防湿樹脂層1cとを備える防湿紙を使用できる。
紙基材1a、1bとしては、例えば、セルロース繊維間に樹脂を含む紙間強化紙を使用できる。紙間強化紙としては、例えばセルロース繊維を50質量%以上含むものが好ましい。紙間強化紙の厚みは、例えば15μm以上60μm未満とする。シート基材1の裏面1T側の紙基材1aの坪量は23g/mとし、シート基材1の表面1S側の紙基材1bの坪量は30g/mとする。
また、防湿樹脂層1cは、水蒸気を通さない防湿樹脂からなる層である。防湿樹脂としては、例えば、融点が100℃以上200℃未満のオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましい。防湿樹脂層1cの厚みは、例えば、20μm以上70μm未満とする。
このように、シート基材1を、水蒸気を通さない防湿紙とすることで、化粧シート10の表面側から裏面側、つまり、第2表面保護層4側から基板5側に水蒸気を通し難くすることができ、水蒸気(湿気)により基板5が変形することを防止できる。そのため、例えば、化粧板20で大面積の引き戸を形成することで、水蒸気(湿気)により引き戸が変形することを防止でき、変形により引き戸が開閉できなくなることを防止できる。
また、シート基材1が、2枚の紙基材1a、1bと、これらの間に配置された防湿樹脂層1cとを有することで、シート基材1に厚みとコシとを持たせることができる。そのため、化粧シート10がシワになり難く、また、化粧シート10のカールの発生を防止することができる。これにより、化粧シート10を基板5に比較的容易にラミネートできる。
なお、本実施形態では、シート基材1として、防湿紙を用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、防湿性を有する樹脂のフィルムを用いることができる。また、シート基材1は、紙基材のみ(紙基材1a及び紙基材1bのいずれか一方、又は両方)で構成されていても良い。
(絵柄模様層2)
絵柄模様層2は、シート基材1上(表面1S)に印刷により形成され、意匠性を付与するための絵柄を付加するための層である。絵柄としては、例えば、木目、コルク、石目、タイル、焼き物、抽象柄等、化粧シート10を用いる箇所に適した絵柄を選ぶことができる。絵柄模様層2は、シート基材1の表面1Sに、表面1S全体を覆い絵柄の下地色となる柄インキ層2a、及び下地色以外の絵柄を表す導管インキ層2bが、この順に積層されて形成される。印刷インキとしては、例えば、イソインドリノンイエロー、ポリアゾレッド、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタンのいずれか、或いはこれらの混合物を顔料として用いることができる。また、溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸nブチル、イソブタノール及びメチルイソブチルケトンを用いることができる。
(第1表面保護層3)
第1表面保護層3は、絵柄模様層2上に形成され、絵柄模様層2の全体を被覆するシート状の層である。第1表面保護層3は、第1表面保護層3を通して絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明又は半透明な材料(樹脂)で形成されている。すなわち、第1表面保護層3は、光透過性(透光性)を有する。
第1表面保護層3の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂(UV硬化型樹脂)との混合物(ブレンド樹脂)が好ましい。このように、第1表面保護層3は、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、表面に露出した第1表面保護層3によって、化粧シート10の耐傷性を向上できる。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることができる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、第2表面保護層4との接着性、化粧シート10の変形追従性、耐擦傷性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を用いるのが好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることができる。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。多価イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートを用いることができる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂を使用できる。
第1表面保護層3を形成する熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂との混合物には、艶消剤(艶調整剤)を添加する。艶消剤としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミノシリケート等の無機物の粒子、或いはポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂等の有機物の粒子を用いることができる。これにより、第1表面保護層3の光沢を第2表面保護層4の光沢よりも低くする。
更に、本実施形態では、第1表面保護層3を形成する熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂との混合物には、平均粒径が第1表面保護層3の層厚とほぼ等しい粒径の3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを添加する。第1表面保護層3の層厚とほぼ同じ粒径の球状フィラー3aを用いることで、耐傷性が向上する傾向が見られた。反対に、第1表面保護層3の層厚を球状フィラー3aの粒径よりも薄くした場合は耐傷性が低下する結果となった。球状フィラー3aは、例えば、シリコーン樹脂等の無機化合物のフィラーである。無機化合物のフィラーを用いることで、有機化合物のフィラーを用いる場合と比べて、硬さの点で好ましく、樹脂層の硬度の向上が期待できる。ここでは、球状フィラー3aの材料は、シリコーン樹脂とする。
球状フィラー3aの粒径分布における最大粒径と最小粒径との差は8μm以下であり、特に3μm以下であると好ましい。第1表面保護層3に含有される球状フィラー3aは、ほぼ隙間の無いように第1表面保護層3を被覆していると好ましいが、実用上は第1表面保護層3の40%以上80%以下を被覆していれば良い。この場合、第1表面保護層3の光沢度は、JIS Z−8741に準じた鏡面光沢度測定法により測定される光沢度であり、入射角60度で1.5以上4.0以下である。
本実施形態では、第2表面保護層4との光沢差により、実際の木目に近い優れた意匠性を実現させている。光沢度が4.0以下であると第2表面保護層4との光沢差で優れた意匠性が実現できる。また、経験則から、第1表面保護層3の光沢度が1.5未満になることは起こり難い。
このように、第1表面保護層3を、その層厚とほぼ等しい粒径の3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを含有する熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂との混合物(ブレンド樹脂)を用いて構成することで、低光沢でありながら耐摩耗性・耐傷性に優れた化粧シート及びそれを用いた化粧板を得ることができる。
(第2表面保護層4)
第2表面保護層4は、第1表面保護層3上に部分的に形成され、第1表面保護層3の一部(例えば、導管インキ層2bの印刷インキと対向する部分)を被覆する層である。これにより、木目の導管を視覚的に表現することができる。
第2表面保護層4は、第2表面保護層4及び第1表面保護層3を通して絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明又は半透明な材料(樹脂)で形成されている。すなわち、第2表面保護層4は、第1表面保護層3と同じく、光透過性を有する。
このように、本実施形態では、絵柄模様層2上に、透明又は半透明な第1表面保護層3、第2表面保護層4を有するため、化粧シート10の最表面層から絵柄模様層2の絵柄を透視することができる。
第2表面保護層4の材料としては、例えば、紫外線硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。このように、第2表面保護層4は、紫外線硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、化粧シート10の最表面層の硬度を向上でき、化粧シート10の耐摩耗性や、耐擦傷性、耐溶剤性等の表面物性を向上できる。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることができる。
ここで、第2表面保護層4を形成する紫外線硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂には、艶消剤の添加を行わない。
このように、本実施形態では、第2表面保護層4は、艶消剤の添加がないため、第1表面保護層3と第2表面保護層4とにより、化粧シート10の表面に光沢差を設け、人間の目の錯覚を利用して、視覚的に立体感を感じさせることができる。具体的には、第2表面保護層4の光沢(艶)を第1表面保護層3の光沢(艶)よりも大きくしたため、第2表面保護層4で凸部を表現でき、第1表面保護層3で凹部を表現できる。これにより、視覚的に立体感を感じさせることができる。
更に、第2表面保護層4の光沢(艶)を第1表面保護層3の光沢(艶)よりも大きくしたため、第2表面保護層4の表面の平滑度を高めることができ、指紋(手垢)汚れが付き難くなり、化粧シート10の耐汚染性を向上できる。耐汚染性の向上効果は、第2表面保護層4の塗布量が低塗布量であっても得られる。また、アメリカ等で人気な塗装調の絵柄表現(木目表現等)を行うことができる。また、第2表面保護層4の白濁が低減されるため、より繊細で透明感のある絵柄の意匠表現が可能になる。
また、第2表面保護層4は、第1表面保護層3の20%以上80%以下の面積を被覆する。
本実施形態では、第1表面保護層3を耐傷性や耐汚染性が高いものとしたため、第2表面保護層4の面積が第1表面保護層3の面積の20%以上であれば、化粧シート10を耐傷性や耐汚染性に優れたものとすることができる。また、第1表面保護層3及び第2表面保護層4は、絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明又は半透明な材料(樹脂)で形成されているため、第2表面保護層4の面積が第1表面保護層3の面積の80%以下であっても、化粧シート10の意匠性を損なわない。
また、第2表面保護層4の形状は、特に限定されず、丸、四角形、六角形等の規則的に並んだ定形の形状としても良く、不定型な絵柄形状としても良い。また、絵柄模様層2の絵柄と同調させた形状としても良く、これにより絵柄をリアルに見せることができる。
また、第1表面保護層3及び第2表面保護層4は、光沢(艶)に階調、つまり光沢(艶)の高低を有する構成としても良い。例えば、光沢(艶)を高くする箇所では第1表面保護層3の厚みを厚くし、光沢(艶)を低くする箇所では第2表面保護層4の厚みを薄くする。これにより、第1表面保護層3及び第2表面保護層4に光沢(艶)の高低を持たせて(光沢差を設けて)、視覚による立体感をより適切に感じさせることができる。
更に、化粧シート10の最表面層である第2表面保護層4の表面にエンボス加工(エンボス版を用いた凹凸賦型)を行い、エンボス模様を賦型(付与)しても良い。この場合、第2表面保護層4の表面に賦型されたエンボス模様により、触感による立体感をより感じさせる構成とすることができる。エンボス加工では、例えば、深度15μmの以上の凹部をエンボスロールと、硬度が50度以上90度未満のゴム製のバックロールとの間を通過させて、化粧シート10に凹凸形状を施すようにしても良い。硬度の計測方法としては、例えば、JIS K−6301 A型を用いることができる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
(基板5)
基板5は、金属系又は木質系からなる板状の部材である。金属系としては、例えば、アルミニウム、鋼、ステンレス、複合パネルを使用することができる。複合パネルとしては、例えば、芯材となる樹脂層と、樹脂層の両面それぞれに貼り付けられた金属板(アルミニウム、ガルバリウム、ステンレス等)とを備えたものがある。また、木質系としては、MDF(medium density fiberboard:中密度繊維板)、合板、パーチクルボードを使用することができる。
このように、本実施形態では、シート基材1として、防湿紙を用いているため、化粧シート10の表面側から裏面側、つまり、第2表面保護層4側から基板5側に水蒸気を通し難くすることができ、水蒸気(湿気)により基板5が変形することを防止できる。そのため、例えば、化粧板20で大面積の引き戸を形成することで、水蒸気(湿気)により引き戸が変形することを防止でき、変形により引き戸が開閉できなくなることを防止できる。
以下に、本実施形態の実施例及び比較例を示す。なお、本実施形態は下記の実施例に限定されるものではない。また、以下の説明において、熱硬化型樹脂は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂である。
[実施例1]
坪量45g/mの薄葉紙上に、二酸化チタンを含有するインキを塗布量が20g/mになるようにグラビア印刷にて塗布し、その上に着色層として硝化綿系通常印刷インキにて木目柄の絵柄印刷(下地色ベタ版、ボケ版、骨版、導管版)を行い、その上に第1表面保護層3として、先に述べた球状フィラー3aを含有する熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂との混合物(ブレンド樹脂)を層厚みが4.0μm以上7.0μm以下となるように塗工し、第2表面保護層4として紫外線硬化型樹脂を化粧シート10の表面の面積比率で20%を占めるようにグラビア法により塗布し、化粧シート10を得た。
[比較例1]
第1表面保護層3に粒径3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを含有する樹脂を用いない(球状フィラー3aを含有しない)。それ以外は実施例1と同様にした化粧シート10を得て、同様の評価を行った。
[比較例2]
第1表面保護層3に紫外線硬化型樹脂を用いずに、熱硬化型樹脂のみを用いた。それ以外は実施例1と同様にした化粧シート10を得て、同様の評価を行った。
[比較例3]
第1表面保護層3に粒径3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを含有せず、光沢度が入射角60度で6.0以上8.0以下となる樹脂を用いた。それ以外は実施例1と同様にした化粧シート10を得て、同様の評価を行った。
[比較例4]
第1表面保護層3に粒径1.0μm以上3.0μm未満の球状フィラー3aを含有する樹脂を用いた。それ以外は実施例1と同様にした化粧シート10を得て、同様の評価を行った。
[比較例5]
第1表面保護層3に粒径7.1μm以上10.0μm未満の球面無機粒子3aを含有する樹脂を用いた。それ以外は実施例1と同様にした化粧シート10を得て、同様の評価を行った。
(性能評価)
実施例1、比較例1〜5に対し、以下に示す性能評価を行った。
[耐傷性]
スチールウール ボンスター#000(ボンスター販売株式会社製)を1cmに整形し、化粧板20の表面に配置し、それに5Nの荷重をかけ、15cmの距離(幅)を30往復させた後、目視にて化粧板20の表面状態を観察し、以下の〇、△、×で評価した。
〇:傷及び艶変化が確認できない、若しくは試験箇所の一部に対し極軽微な艶変化が確認できる
△:傷は確認できないが、試験箇所全体の艶変化が確認できる
×:試験箇所全体の艶変化に加え、一部の絵柄層の欠損が確認できる
[意匠性]
被験者10名に目視にて印刷紙表面を確認してもらい、意匠性を以下の◎、〇、×の3段階で評価し、最も多かった評価を採用した。
◎:第1表面保護層3と第2表面保護層4との光沢差による立体的な意匠が実現できている
〇:立体的な意匠が部分的に実現できている
×:平面的に見えてしまう
(評価結果)
実施例1、比較例1〜5の耐傷性、意匠性について、下記の表1に示すような評価結果が得られた。
Figure 2017165030
実施例1:耐傷性については、傷及び艶変化が確認できなかった(若しくは試験箇所の一部に対し極軽微な艶変化が確認できた)。意匠性については、第1表面保護層3と第2表面保護層4との光沢差による立体的な意匠が実現できていることが確認できた。
比較例1:耐傷性については、傷は確認できないが、試験箇所全体の艶変化が確認できた。意匠性については、立体的な意匠が部分的に実現できていることが確認できた。
比較例2:耐傷性については、試験箇所全体の艶変化に加え、一部の絵柄層の欠損が確認できた。意匠性については、第1表面保護層3と第2表面保護層4との光沢差による立体的な意匠が実現できていることが確認できた。
比較例3:耐傷性については、傷及び艶変化が確認できなかった(若しくは試験箇所の一部に対し極軽微な艶変化が確認できた)。意匠性については、平面的に見えてしまうことが確認できた。
比較例4:耐傷性については、傷は確認できないが、試験箇所全体の艶変化が確認できた。意匠性については、立体的な意匠が部分的に実現できていることが確認できた。
比較例5:耐傷性については、傷は確認できないが、試験箇所全体の艶変化が確認できた。意匠性については、立体的な意匠が部分的に実現できていることが確認できた。
実施例1及び比較例1、比較例3〜5の評価結果から、第1表面保護層3に粒径3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを含有する樹脂を用いた場合には、第1表面保護層3に粒径3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを含有する樹脂を用いない場合と比べて耐傷性、意匠性が向上することがわかった。
また、実施例1及び比較例2の評価結果から、第1表面保護層3に熱硬化型樹脂のみを用いた場合には、第1表面保護層3に球状フィラー3aを含有する熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂との混合物を用いた場合と比べて耐傷性が劣ることがわかった。
更に、実施例1及び比較例3の評価結果から、第1表面保護層3に粒径3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを含有せず、光沢度が入射角60度で6.0以上8.0以下となる樹脂を用いた場合には、第1表面保護層3に粒径3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラー3aを含有する樹脂を用いた場合と比べて意匠性が劣ることがわかった。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これらの説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。したがって、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
1…シート基材
1a…紙基材
1b…紙基材
1c…防湿樹脂層
2…絵柄模様層
2a…柄インキ層
2b…導管インキ層
3…第1表面保護層
3a…球状フィラー
4…第2表面保護層
5…基板
10…化粧シート
20…化粧板

Claims (9)

  1. シート基材上に、絵柄模様層と、第1表面保護層と、第2表面保護層とが、この順に積層され、
    前記第1表面保護層は、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂と、紫外線硬化型樹脂と、平均粒径が3.0μm以上7.0μm以下の球状フィラーとを含み、
    前記第2表面保護層は、紫外線硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂を含み、前記第1表面保護層の20%以上80%以下の面積を被覆することを特徴とする化粧シート。
  2. 前記第1表面保護層に含有される前記球状フィラーの粒径分布における最大粒径と最小粒径との差は8μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記第1表面保護層に含有される前記球状フィラーは、前記第1表面保護層の40%以上80%以下の面積を被覆していることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記第1表面保護層に含有される前記球状フィラーは、シリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧シート。
  5. 前記第1表面保護層の光沢度は、JIS Z−8741に準じた鏡面光沢度測定法により測定される光沢度であり、入射角60度で1.5以上4.0以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧シート。
  6. 前記シート基材は、
    2枚の紙基材と、
    前記2枚の紙基材の間に配置された防湿樹脂層と、
    を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧シート。
  7. 前記シート基材は、紙基材であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧シート。
  8. 前記第2表面保護層の表面にエンボス模様が賦型されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の化粧シート。
  9. 基板と、
    前記基板に張り合わされた請求項1から8のいずれか1項に記載の化粧シートと、
    を有することを特徴とする化粧板。
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