JP7187823B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートに関するものであり、特に表面の立体意匠性や手触り感に優れる化粧シートに関する。
従来、建築物の内装や家具、キャビネット、あるいは車両の内装の装飾に用いられ、特に表面の立体意匠性や手触り感を有するための化粧シートとしては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
この特許文献1に記載の技術では、
基材シートに形成された絵柄模様層と、絵柄模様層上に形成された第1の表面保護層と、第1の表面保護層上に形成された第2の表面保護層とを備え、第2の表面保護層は、第2の表面保護層から突出した合成樹脂ビーズを含んでいる。これにより、化粧シートの表面に凹凸を設け、触感により立体感を感じさせるようになっている。
また、このような化粧シートでは、目視による立体感を得るために、最外層の光沢(第2の表面保護層の光沢)と、最外層よりも内側の層の光沢(第1の表面保護層の光沢)と差をつけている。
特開2015-77709号公報
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、化粧シートの光沢度を下げようとした場合に、保護層の白濁による意匠性の低下を起こしうるものであった。
本発明は、上記の点に着目したもので、触感による立体感を維持しつつ、保護層の白濁を抑えることにより意匠性に優れ、さらに視覚的な立体感を有する化粧シートを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明における化粧シートの第一の態様は、
基材シート上に、絵柄模様層、透明接着層、エンボスによる凹凸パターンを設けた透明熱可塑性樹脂層、表面保護層がこの順で形成され、
前記表面保護層は、前記透明熱可塑性樹脂層上に形成された第1の表面保護層と、前記第1の表面保護層上に部分的に形成された第2の表面保護層とからなり、
前記第2の表面保護層は、電離放射線硬化樹脂を含む樹脂組成物からなり、平均粒径が1.5~5μmの樹脂フィラーおよび平均粒径が8μm~20μmの無機質フィラーの混合よりなるフィラーを含み、前記第2の表面保護層の最大高さに相当する、JIS B0601:2001に基づき測定された最大高さPz値が30μm以上であることを特徴とする化粧シートである。
また、本発明の第二の態様は、
前記第2の表面保護層が、前記絵柄模様層の印刷インキと対向する部分を被覆する層であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シートである。
また、本発明の第四の態様は、
前記第2の表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂からなることを特徴とする化粧シートである。
本発明によれば、第2の表面保護層が、平均粒径が1.5~5μmのフィラーAおよび8μm~20μmのフィラーBの混合よりなるフィラーとすることにより、第2の表面保護層の光沢度調整をフィラーA、保護層の塗工高さおよび耐傷性の付与をフィラーBに主に担わせることができる。
そのため第1の表面保護層と第2の表面保護層の光沢を視覚的な立体感を表現可能な範囲で調整しつつ保護層の白濁を抑え、第2の保護層のかさ高さを30μm以上としつつ耐傷性を付与することが可能になるので、触感による立体感を維持しつつ、耐傷性に優れ、かつ視覚的な立体感を有する意匠的に良好な化粧シートを提供できる。
本発明の実施形態に係る化粧シートを表す断面模式図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の化粧シート8は、図1に示すように、基材シート1の一方の面(表面)側に、絵柄模様層2、透明接着層3および透明熱可塑性樹脂層4が積層され、更に第1の表面保護層5、第2の表面保護層6が積層されている。
また基材シート1における、絵柄模様層2とは反対側の面(裏面)には、樹脂層を構成する裏面樹脂コート層7が設けられている。
(基材シート)
基材シート1は、例えば着色した熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、またポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂あるいはポリエチレン樹脂、などを用いることができる。なかでも環境適合性や加工性、価格の点で、ポリオレフィン系樹脂を好ましく用いることができる。
また、樹脂のグレードや組成は、そのほかにシーティングの容易さや印刷適性、曲げ加工に対する適性を考慮して選択することができる。
基材シート1を着色する場合には、化粧シートを貼り合せる基材を隠蔽し、また絵柄模様層2の下地色として色相を適宜、選択することができる。例えば熱可塑性樹脂のシーティングに際して、顔料などの着色剤を混合、練りこむなどしておくことで着色ができる。あるいは絵柄模様層2を設ける前にベタインキ層として、コーティングあるいは印刷の手法を用いて絵柄模様層2の下に着色層を設けることもできる。
(絵柄模様層)
絵柄模様層2は、基材シート1上に既知の印刷手法により形成され、意匠性を付与するための絵柄を付加するための層である。印刷手法は特に限定するものではないが、生産性や絵柄の品位を考慮すれば、例えばグラビア印刷法を用いることができる。
絵柄としては、例えば、木目、コルク、石目、タイル、焼き物、抽象柄等、化粧シート8を用いる箇所に適した絵柄を選ぶことができる。
絵柄模様層2の絵柄パターンを構成する印刷インキについては、特に限定するものではないが、印刷方式に対応したインキを適宜選ぶことができる。とくに樹脂製の基材シート1に対する密着性や印刷適性、または化粧材としての耐候性を考慮して選択することが好ましい。
また必要な場合には、絵柄模様層2と透明接着層3および透明接着層3と透明熱可塑性樹脂層4との接着性向上を目的として、絵柄模様層2の上に接着層(不図示)を設けても良い。この接着層(不図示)に用いる樹脂は特に限定するものではないが、例えば2液硬化型ウレタン樹脂などを用いることができ、例えばコーティング装置やグラビア印刷装置などを用いて設けることができる。
(透明接着層および透明熱可塑性樹脂層)
透明接着層3は、基材シート1および絵柄模様層2と透明熱可塑性樹脂層4の層間の接着を強固にする目的で、図1に示すように絵柄模様層2の絵柄パターンを被覆するように設けられる。この接着が強固であることによって、化粧シート8に対し曲面や直角面に追随する曲げ加工性を付与することができる。
透明接着層3は、その接着方法としては任意の材料選定が可能で、熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート等による積層方法があり、接着剤はアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系などから適宜選択できる。通常はその凝集力から2液硬化タイプのものとして、特にイソシアネートを用いたポリオールとの反応で得られるウレタン系の材料を用いることが望ましい。
なお、透明接着層3は、透明熱可塑性樹脂層4と絵柄模様層2との接着強度が十分に得られる場合には、省略してもよい。
透明熱可塑性樹脂層4は、例えば塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、またポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂あるいはポリエチレン樹脂、などを用いることができる。なかでも環境適合性や加工性、価格の点でポリオレフィン系樹脂を好ましく用いることができる。樹脂のグレードや組成は、シーティングの容易さや印刷適性の他、特に曲げ加工性において曲げ部の白化や割れが発生しないことを考慮して選択することが重要である。
透明熱可塑性樹脂層4によって、化粧シートは意匠的に厚みや深みが出る効果を有するほか、化粧シートの耐候性、耐磨耗性能を向上させることができる。
(第1の表面保護層)
第1の表面保護層5は、透明熱可塑性樹脂層4上に形成され、透明熱可塑性樹脂層4の全体を被覆するシート状の層である。第1の表面保護層5は、第1の表面保護層5を通して絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明または半透明な材料(樹脂)で形成されている。第1の表面保護層5は単層でも良く、また複数の層を重ねて表面保護層5としても良い。
第1の表面保護層5の材料としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂、その混合樹脂を用いることが出来る。ここで電離放射線とは電磁波および荷電粒子線のうち、保護層を構成する有機樹脂を直接、あるいは反応開始剤の活性化を経由して間接的に架橋することが出来るものを意味し、通常は紫外線または電子線が用いられる。
電離放射線硬化型樹脂としては、設備の導入コストや用いる樹脂を広く選択できる、紫外線硬化型樹脂を好ましく用いることが出来る。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂を使用できる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、第2の表面保護層6との接着性、化粧シート8の変形追従性、耐擦傷性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂(バインダー)を用いるのが好ましい。熱硬化型樹脂には、シリカ粒子等の艶消剤の添加を行ってもよい。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることができる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートを用いることができる。
また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
表面に露出した第1の表面保護層5によって、化粧シート8の耐傷性や耐汚染性を得ることができる。
(第2の表面保護層)
第2の表面保護層6は、第1の表面保護層5上に部分的に形成され、第1の表面保護層5の一部(例えば絵柄模様層2の印刷インキと対向する部分)を被覆する層である。これにより、化粧シート8の意匠を絵柄模様層2に由来する視覚と表面保護層6の凹凸に由来する触感との両方で表現できる。
第2の表面保護層6は、例えば、第1の表面保護層5上の0.1%以上の面積に形成すればよい。本実施形態では、第1の表面保護層5を耐傷性や耐汚染性が高いものとしたため、第2の表面保護層6の面積が小さくても、化粧シート8を耐傷性や耐汚染性に優れたものとすることができる。
また、第2の表面保護層6は、第2の表面保護層6と第1の表面保護層5を通して、絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明または半透明な材料(樹脂)で形成されている。
第2の表面保護層6の材料としては、電離放射線硬化型樹脂が好ましい。電離放射線硬化型樹脂としては前述の樹脂組成物を用いることが出来る。また、第1の表面保護層5との接着性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を硬度と柔軟性を調整するために添加することができる。
第2の表面保護層6の表面は、JIS B0601:2001に基づいて接触式粗さ計で測定した最大高さPz値を30μm以上とすることにより、触感による立体感を感じさせることができる。
触感を有効に得るためには、部分的に形成された第2の表面保護層6の幅方向の長さLと最大高さHの比H/Lにより示される値が0.25以上、好ましくは0.33以上であり、適宜独立した領域で形成されることが好ましい。
第2の表面保護層6の面積が広い場合にも、表面保護層6の形成端部から距離100μmをLとみなして、高さの立ち上がりを上述の範囲に収めることで境界の立体感を触感において適切に感じさせることができる。
また、艶消剤としてフィラーを適宜添加することにより、第1の表面保護層5の光沢(艶)と第2の表面保護層6の光沢に差をつけることができる。光沢値は化粧シートの使用条件下における意匠上の要請から任意に選択され、おおよそ4~60の範囲で用いられるが、前記2層の光沢値の差は、低光沢においても目視での差を感ずることができるよう3以上であることが好ましく、また、高光沢においては、光沢の差が少ない場合は変化を感じ難いため、地の光沢値の50%程度のコントラストがあることが好ましい。実用上は15程度までの差があれば意匠的に優れた効果を得られる。したがって光沢の差は0~30の範囲、好ましくは3~15とする。
このように、第2の表面保護層6を第1の表面保護層5と異なる光沢で形成することにより、第2の表面保護層6と第1の表面保護層5で、視覚的な立体感を適切に表現できる。また、電離放射線樹脂を用いることで、第2の表面保護層6の最大高さPz値を30μm以上にするにあたりこの保護層を厚くしても、短時間に硬化することにより形状を保持することができ、シートをロールに巻き取ることでシートの連続加工が可能となる。
第2の表面保護層6に含まれるフィラーは、平均粒径が1.5~5μmのフィラーAおよび、8μm~20μmのフィラーBの混合よりなるフィラーを含む。この意図するところは光沢と塗工高さおよび耐傷性の両立にある。
前述の塗工高さおよび光沢を得るために、フィラーAは艶消し剤、フィラーBは耐傷性付与および塗工高さの保持としての機能をそれぞれ主に担う。この際、フィラーAは平均粒径が1.5~5μmと小さく、表面保護層6の表面に細かな凹凸を形成することで光の反射面積が大きくなるため、添加量に対し効率よく光沢の調整を行うことが出来る。一方でフィラーBは平均粒径が8μm~20μmと大きいため第2の表面保護層6の樹脂の支持体として作用し、コート直後の未硬化樹脂の流動を抑制する効果と硬化後の耐傷性を向上することができる。
表面保護層6に添加するフィラーの材質としては、例えば、合成樹脂として透明度の高いアクリル樹脂ビーズ、あるいは表面処理した無機質のフィラー、好ましくはシリカガラスビーズを用いることができる。フィラーA、Bいずれも任意の材質を用いることが可能であるが、光沢調整能と絵柄模様層2の透過視認性の両立の点からフィラーAの屈折率は表面保護層6の構成樹脂と近いことが好ましく、アクリル樹脂ビーズが好適である。
フィラーBは耐傷性付与の観点から無機質フィラーが好ましく、シリカガラスビーズが好適である。表面保護層6との密着を考慮し、既知の表面処理技術による親和化処理を行ったものを選択することができる。
フィラーは第2の表面保護層6の全質量に対し、3質量%以上含むのが好ましい。これにより、第2の表面保護層6の光沢を十分に低下でき、第2の表面保護層6と第1の表面保護層5との光沢差を調整することができる。それゆえ、第1の表面保護層5の全面積に対し、第2の表面保護層6の面積が小さくても、視覚的な立体感を適切に感じさせることができる。なお、フィラーの添加上限は、熱硬化性樹脂の全質量に対し、35質量%以下
とする。35質量%以上の添加では、表面保護層6の曲げ加工性が悪化し、塗工後の白濁や塗工乾燥時の発泡による意匠低下を避けることが困難である。
このように、本実施形態では、第2の表面保護層は、平均粒径が1.5~5μmのフィラーAおよび、8μm~20μmのフィラーBの混合よりなるフィラーとすることにより、第2の表面保護層の光沢度調整をフィラーA、保護層の塗工高さおよび耐傷性の付与をフィラーBに主に担わせることができる。そのため第1の表面保護層と第2の表面保護層の光沢を、視覚的な立体感が表現可能な範囲で調整しつつ保護層の白濁を抑え、第2の保護層のかさ高さを30μm以上としつつ耐傷性を付与することが可能になり、触感による立体感を維持しつつ、耐傷性に優れ、かつ視覚的な立体感を有する意匠的に良好な化粧シートを提供できる。
以下に本発明の一態様により奏される効果について実施例および比較例を用いて示す。
<実施例1>
ポリプロピレンを主成分とする厚み60μmのシート上にウレタン/塩化酢酸ビニル系インキを用いて絵柄を印刷し、この絵柄模様層の上に、厚み5μmのポリウレタン系の透明接着層を介して 厚さ70μmのポリプロピレン層を溶融押し出しラミネートにより積層し、透明接着層と透明熱可塑性樹脂層を形成した。
透明熱可塑性樹脂層の上から版深20μmの賦形版を用いてエンボス加工を行い、アクリルポリオール系樹脂とHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を混合した第1の表面保護層1をグラビアコートで厚み6μmで形成した。さらに第1の表面保護層の上から絵柄模様層と一致した印刷版を用い、ウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化樹脂を厚み30μmで重ね、高圧水銀灯で硬化して第2の表面保護層とした。
第1の表面保護層の光沢は10、第2の表面保護層へは平均粒径2μmのアクリルビーズ3重量部、平均粒径18μmのシリカガラスビーズを3重量部添加して光沢を4とした。
<比較例1>
第2の表面保護層の厚みを20μmとした他は実施例1と同様に作成した。
<比較例2>
第2の表面保護層の厚みを10μmとした他は実施例1と同様に作成した。
<比較例3>
第2の表面保護層のアクリルビーズを平均粒径5μmのシリカガラスビーズへ変更した他は実施例1と同様に作成した。
<比較例4>
第2の表面保護層のシリカガラスビーズを平均粒径19μmのアクリルビーズへ変更した他は実施例1と同様に作成した。
<比較例5>
第2の表面保護層の印刷版を、塗工厚25μmのベタ版とした他は実施例1と同様に作成した。
<比較例6>
第2の表面保護層をアクリルポリオールとHDIの混合バインダー樹脂とし、塗工後40℃に72時間安置して硬化させた他は実施例1と同様に作成した。
(立体感評価)
実施例1および比較例1~2に対し、指触による立体感の評価を行い、凹凸感を感じられたものを○、凹凸感がわずかに感じられたものを△、凹凸感を感じられないものを×とした。結果を表1に示す。
Figure 0007187823000001
第2の表面保護層の厚みが30μm未満の比較例1~2においては、指触による凹凸感が弱まり、立体感を保持した意匠としては劣るものとなった。
(耐傷性及び意匠性評価)
次に、実施例1および比較例3~5について、耐傷性の評価として20g/cm荷重のスチールウールで表面を10往復して表面の傷つきを比較した。また、光沢および第2の表面保護層の塗工面の外観より意匠性を評価した。
比較例3についてはフィラーの透明度が実施例1に劣り白濁したため、絵柄層の透視性が悪く意匠として劣るものとなった。
比較例4については外観および凹凸感には問題がなかったが、耐傷性に劣る結果となった。
比較例5については絵柄に対応した表面保護層2の重ね印刷ではなく全面に保護層を形成した結果、外観としては発泡による意匠の悪化、凹凸感としては砂地状の手触りとなり、絵柄と一致した立体感に比較すると意匠性に劣る結果となった。
表2に結果を示す。
Figure 0007187823000002
比較例6については、第2の表面保護層の塗工工程の後シートを巻取り、硬化したところ、未硬化の樹脂がシート裏面に固着してシート破断や表面樹脂の転移が発生し、加工上のトラブルが発生した。
これらのトラブルは、第2の表面保護層を紫外線硬化樹脂で形成した際には起こらないものであった。
1 基材シート
2 絵柄模様層
3 透明接着層
4 透明熱可塑性樹脂層
5 第1の表面保護層
6 第2の表面保護層
7 裏面樹脂コート層
8 化粧シート

Claims (2)

  1. 基材シート上に、絵柄模様層、透明接着層、エンボスによる凹凸パターンを設けた透明熱可塑性樹脂層、表面保護層がこの順で形成され、
    前記表面保護層は、前記透明熱可塑性樹脂層上に形成された第1の表面保護層と、前記第1の表面保護層上に部分的に形成された第2の表面保護層とからなり、
    前記第2の表面保護層は、電離放射線硬化樹脂を含む樹脂組成物からなり、平均粒径が1.5~5μmの樹脂フィラーおよび平均粒径が8μm~20μmの無機質フィラーの混合よりなるフィラーを含み、前記第2の表面保護層の最大高さに相当する、JIS B0601:2001に基づき測定された最大高さPz値が30μm以上であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記第2の表面保護層が、前記絵柄模様層の印刷インキと対向する部分を被覆する層であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
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