JP6780411B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
しかしながら、この方法では、無機粒子あるいは合成樹脂粒子によって、表面に凹凸を設けただけなので、表面が一様で、耐傷性や耐汚染性が低くなるという問題があった。
前記第1 表面保護層は、ウレタン結合を有する硬化型樹脂を含み、
前記第2 表面保護層は、ビーズ、無機化合物フィラーのいずれか、又はビーズおよび無機化合物フィラーを含み、且つ、表面は、接触式粗さ計で測定した最大高さRz値が30μm以上であり、切断レベル50高さ%における負荷長さ率Rmrが3〜33%であることを特徴とする化粧シートである。
また、この化粧シートは、汎用設備で生産できるので、生産性も高く、品質を目視等でも確認しながら生産できるので、安定した製造が可能である。
また、請求項1に記載の化粧シートは、触感による立体感をより適切に感じることができる。
また、この化粧シートは、汎用設備で生産できるので、生産性も高く、品質を目視等でも確認しながら生産できるので、安定した製造が可能である。
また、基材シート1の裏面側には、裏面樹脂コート層7が設けられている。
熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、アクリロニトリルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、6−ナイロンなどのポリアミド系樹脂などの他、ポリプロピレンやポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物、アイオノマーなどのポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。なかでも環境適合性や加工性、価格の点でポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記樹脂、あるいはそれらを2種以上の混合物、または積層して用いても良い。それらの樹脂のグレードや組成は、シーティングの容易さや印刷適性、曲げ加工に対する適性を考慮して選択することができる。
印刷インキについては、特に限定するものではないが、印刷方式に対応したインキを適宜選ぶことができる。とくに樹脂製の基材シート1に対する密着性や印刷適性、あるいは、建築化粧材としての耐候性を考慮して選択することが好ましい。
また必要な場合には、絵柄模様層2と透明接着層3および透明接着層3と透明熱可塑性樹脂層4との接着性向上を目的として、絵柄模様層2の上に接着層(不図示)を設けても良い。この接着層(不図示)に用いる樹脂は特に限定するものではないが、例えば2液硬化型ウレタン樹脂などを用いることができ、例えばコーティング装置やグラビア印刷装置などを用いて設けることができる。
樹脂のグレードや組成は、そのほかにシーティングの容易さや印刷適性、曲げ加工に対する適性を考慮して選択することができる。特に曲げ加工性においては曲げ部の白化や割れが発生しないことを考慮して選択することが重要である。
透明接着層3と透明熱可塑性樹脂層4の形成は、例えばドライラミネートにより基材1と透明熱可塑性樹脂層4とを透明接着層を介して貼り合せる方法、あるいは、共押し出し装置で両者を同時に押し出して基材に貼り合せる方法などで、行うことができる。
透明熱可塑性樹脂層4を押し出す時に、エンボスロールなどによって凹凸パターンを付けることもできる。エンボスの入った透明熱可塑性樹脂層4によって、化粧シートは意匠的に厚みや深みが出る効果を出すほか、化粧シートの耐候性、耐磨耗性能を向上させることができる。
第1表面保護層5の材料としては、第2表面保護層6との接着性、化粧シート8の変形追従性、耐擦傷性等を考慮する必要がある。
第1表面保護層5のバインダーとして、硬化型樹脂が好ましい。硬化型樹脂の中でも、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を用いるのが好ましい。この熱硬化型樹脂に、シリカ粒子等の艶消剤を添加してもよい。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族あるいは脂環式のイソシアネートを用いることができる。
さらに、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族あるいは脂環式のイソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
上記、第1表面保護層5は、ウレタン結合を有する硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、表面に露出した第1表面保護層5によって、化粧シート8の耐傷性や耐汚染性を向上できる。
これにより、化粧シート8の意匠を、絵柄模様層2に由来する視覚と、表面保護層6の凹凸に由来する触感と、の両方で表現できる。
第2表面保護層6は、少なくとも第1表面保護層5の塗工面積の0.1%以上の面積に形成すればよい。本実施形態では、第1表面保護層5を耐傷性や耐汚染性が高いものとしたため、第2表面保護層6の面積が小さくても、化粧シート8を耐傷性や耐汚染性に優れたものとすることができる。
また、第2表面保護層6は、第2表面保護層6と第1表面保護層5を通して、絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明または半透明な材料(樹脂)で形成される。
硬化型樹脂としては、第1表面保護層5との接着性等を考慮し、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂とし、熱硬化型樹脂に、シリカ粒子等の艶消剤や合成樹脂ビーズを添加した混合物として使用する。
艶消剤や合成樹脂ビーズを適宜添加することにより、第1表面保護層5の光沢と第2表面保護層6の光沢に差をつけることができる。
光沢度は化粧シートの使用条件下における意匠上の要請から任意に選択され、JIS Z
8741に準拠した60度鏡面光沢度で測定した場合、4〜60の範囲で用いられる。第2表面保護層6の光沢度と、第1表面保護層5の光沢度と、の差は低光沢においても目視での差を感ずることができるよう3以上であることが好ましく、また、高光沢においては光沢の差が少ない場合は変化を感じ難いため、地の光沢度の50%程度のコントラストがあることが好ましい。実用上は15程度までの差があれば意匠的に優れた効果を得られる。したがって光沢度の差は0〜30の範囲、好ましくは3〜15である。
このように、第2表面保護層6を第1表面保護層5と異なる光沢で形成することにより、第2表面保護層6と第1表面保護層5で、視覚的な立体感を適切に表現できる。また、ウレタン結合を有する熱硬化型樹脂は、硬度が高いため、化粧シート8の耐傷性や耐汚染性を向上できる。
また、ビーズとバインダーの材質によって、反射する光沢が大きく変化する場合があるので、それらの屈折率の差も、大きく光沢に影響する。
なお、溶剤としては、一般的な酢酸エチル、酢酸n−ブチルを用いることができる。
また、本実施形態では、熱硬化型樹脂に、合成樹脂ビーズを添加する例を示したが、他の構成を採用してもよく、例えば、無機化合物のフィラーを添加する構成としてもよい。
また、第2表面保護層6の形状は、特に限定されず、丸、四角形、六角形等の規則的に並んだ定形の形状としてもよく、不定型な絵柄形状としてもよい。
また、本発明の化粧シートは、汎用設備で生産可能であり、生産性も高く、絵柄と第2表面保護層との位置あわせ精度など、品質を高く維持し易く、本発明のメリットは大きい。
2・・・・・・・・絵柄模様層
3・・・・・・・・透明接着層
4・・・・・・・・透明熱可塑性樹脂層
5・・・・・・・・第1表面保護層
6・・・・・・・・第2表面保護層
7・・・・・・・・裏面樹脂コート層
8・・・・・・・・化粧シート
Claims (6)
- 樹脂製の基材シート上に絵柄模様層、透明接着層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層が、この順で形成され、
前記透明熱可塑性樹脂層上に形成された表面保護層は、透明熱可塑性樹脂層上全面に設けられる第1表面保護層と、第1表面保護層上に部分的に形成された第2表面保護層と、からなり、
前記第1表面保護層は、ウレタン結合を有する硬化型樹脂を含み、
前記第2表面保護層は、ビーズ、無機化合物フィラーのいずれか、又はビーズおよび無機化合物フィラーを含み、且つ、表面は、接触式粗さ計で測定した最大高さRz値が30μm以上であり、切断レベル50高さ%における負荷長さ率Rmrが3〜33%であることを特徴とする化粧シート。 - 第1表面保護層の光沢と、第2表面保護層の光沢との差が、JISZ 8741に準拠した60度鏡面光沢で3〜15であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- 前記第2表面保護層が、前記絵柄模様層の絵柄と同調したパターンで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記第2表面保護層に含まれる無機化合物フィラーは、シリカ粒子であって、5質量%以上35質量%以下含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記第2表面保護層に含まれるビーズは、ポリメチルメタアクリレートからなる合成樹
脂ビーズ、あるいは、表面処理したガラスビーズであることを特徴とする請求項1〜4の
いずれかに記載の化粧シート。 - 前記第2表面保護層は、ウレタン結合を有する硬化型樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
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