JP7272501B2 - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

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Description

本開示は、化粧シート及び化粧板に関する。
従来、化粧シートは、意匠性の観点等から、化粧シートの表面保護層に艶調整剤(艶消し添加剤)を添加して、化粧シート表面のマット感を調整していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-129959号公報
しかしながら、艶調整剤は、樹脂材料により形成した層の撥油性を低下させる。このため、艶調整剤を含む表面保護層を有する化粧シートは、指紋が付きやすくなるという問題があった。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、化粧シート表面の耐指紋性に優れた化粧シート及び化粧板を得ることにある。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る化粧シートは、熱可塑性樹脂及び無機材料を含む原反層と、原反層の一方に設けられた着色絵柄層と、着色絵柄層の原反層とは反対側に設けられ、コア部及びコア部の一方の面から畝状に突出して設けられた畝状部を有し、表面に凹凸形状が形成された第一表面保護層と、を備えている。
また、本開示の他の態様に係る化粧板は、上述した化粧シートと、原反層の着色絵柄層とは反対側の面に設けられた基材層と、を備えることを特徴とする。
本開示の態様によれば、化粧シート表面のマット感と耐指紋性とを両立可能な化粧シート及び化粧板を得ることができる。
本開示の第一実施形態に係る化粧シートの一構成例を示す断面図である。 本開示の第一実施形態に係る化粧シートの第一表面保護層の表面の一構成例を示す平面写真である。 本開示の第一実施形態に係る化粧シートの第一表面保護層の一構成例を示す断面写真である。 本開示の第一実施形態に係る化粧シートの一構成例を示す拡大断面図である。 表面保護層の表面にエンボス加工等の機械的な加工により凹凸形状を形成した場合の表面保護層の表面形状を示す拡大断面図である。 本開示の第一実施形態に係る化粧シートの変形例を示す断面図である。 本開示の第一実施形態に係る化粧シートの変形例を示す断面図である。 本開示の第一実施形態に係る化粧シートの変形例を示す断面図である。 本開示の第二実施形態に係る化粧シートの一構成例を示す断面図である。 本開示の第三実施形態に係る化粧板の一構成例を示す断面図である。
以下、実施形態を通じて本開示を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面は特許請求の範囲にかかる発明を模式的に示すものであり、各部の幅、厚さ等の寸法は現実のものとは異なり、これらの比率も現実のものとは異なる。
本開示の化粧シートについて説明する。本開示に係る化粧シートは、例えば、壁面、建具、家具等に施工される化粧シートである。なお、以下の説明では、化粧シートの下地に接触する側を「下」、化粧シートの下地に接触する側と反対側(表面)を「上」として説明する場合がある。
以下、図1から図8を参照して本開示の各実施形態の各態様について説明する。
1.第一実施形態
(1.1)化粧シートの基本構成
本開示の第一実施形態に係る化粧シートの基本構成について、図1を用いて説明する。図1は、本開示の実施形態に係る化粧シート1の一構成例を説明するための断面図である。図1に示すように、化粧シート1は、原反層11と、着色絵柄層12と、第一表面保護層13と、を備えている。化粧シート1は、原反層11、着色絵柄層12及び第一表面保護層13がこの順に積層されて構成されている。
原反層11は、化粧シート1の基材となる層であり、貼り付け面の凹凸や段差などを吸収して化粧シート1の施工仕上がりを良好にするとともに、貼り付け面の色・模様を隠蔽するための層である。着色絵柄層12は、化粧シート1に色彩及び絵柄の少なくとも一方を付与する層である。第一表面保護層13は、原反層11及び着色絵柄層12を傷等から保護するための層である。
以下、原反層11、着色絵柄層12及び第一表面保護層13の各層について詳細に説明する。
<原反層>
原反層11は、化粧シート1の基材となる層(シート)である。
原反層11は、例えば、パルプやセルロース繊維を主体とする紙素材又は樹脂材料により形成された樹脂層又は樹脂シートである。
原反層11が紙素材である場合、紙力剤や隠蔽改善を目的とした添加剤、セルロースナノファイバー、着色剤等の添加剤が添加されていても良い。
また、原反層11が樹脂材料である場合、樹脂材料としてはポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステル等に代表されるような熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。熱可塑性樹脂には、例えば酸化チタンや炭酸カルシウム等の無機材料を添加剤として含んでいても良い。熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステルの少なくとも1種を使用することで、無機材料の分散性が向上する。また、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレンを使用することで、無機材料の分散性がさらに向上する。
さらに、原反層11が樹脂フィルムである場合、樹脂フィルムとしてはポリエチレンテレフタレートを主とするフィルム素材であることが好ましい。樹脂フィルムには、上述した無機材料を添加剤として含んでいても良い。また、原反層11が樹脂フィルムである場合、原反層11は1軸もしくは2軸に延伸された樹脂フィルムであっても良い。1軸もしくは2軸に延伸された樹脂フィルムにより形成された原反層11は、内部に空隙を含んでいても良い。
原反層11が樹脂材料又は樹脂フィルムである場合、原反層11に対する無機材料の含有量を1質量%以上90質量%以下の範囲内とすることが好ましく、5質量%以上80質量%以下の範囲内とすることがより好ましく、20質量%以上80質量%以下の範囲内とすることがさらに好ましい。無機材料の含有量を上述した範囲内とすることにより、十分な不燃性または十分な難燃性を確実に得つつ、印刷適性やラミネート適性を確実に向上させ、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを確実に低減することができる。
原反層11の厚みは、20μm以上250μm以下の範囲内であることが好ましく、25μm以上250μm以下の範囲内であることがより好ましく、70μm以上200μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。原反層11の厚みが上述の範囲内である場合、ラミネート適性を向上させ、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを低減することができる。
原反層11の表面には、例えばコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理を施してもよい。これにより、原反層11と着色絵柄層12との接着性(密着性)が向上する。
<着色絵柄層>
着色絵柄層12は、原反層11の一方の表面上に設けられている。着色絵柄層12は、例えば原反層11上に設けられた着色層12Aと、着色層12A上に設けられた絵柄層12Bとを有している。なお、着色絵柄層12は、所望の意匠性に応じて、着色層12A又は絵柄層12Bの少なくとも一方を有していればよい。
着色層12Aは、化粧シート1に所望の色彩による意匠性を付与するとともに、化粧シート1が貼りつけられる下地材の色・模様を隠蔽するための層である。着色層12Aは、例えば、インクのベタ塗り等により形成される。
絵柄層12Bは、着色層12Aよりも化粧シート1の表面側に設けられ、化粧シート1に所望の絵柄による意匠性を付与するための層である。絵柄層12Bは、着色層12Aの上面に形成され、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形等の柄模様が印刷により形成されている。
着色層12A及び絵柄層12Bは、例えばインキを用いたスクリーン印刷等により形成される。着色層12A及び絵柄層12Bを形成する為のインキとしては、例えば、イソインドリノンイエロー、ポリアゾレッド、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタンのいずれかを単独で、または、これらの混合物を顔料として用いる事が可能である。また、これらのインキは、水性溶剤であっても有機溶剤であってもよく、有機溶剤としては例えば、酢酸エチル、酢酸nブチル、イソブタノール、メチルイソブチルケトンなどを用いる事が可能である。
着色絵柄層12の着色層12A及び絵柄層12Bの厚さは、所望の意匠性が十分に発現する程度の厚みであれば良い。着色層12Aの厚さは、例えば2μm以上20μm以下の範囲とすることが好ましい。着色層12Aの厚さを上述の範囲内とすることにより、例えば白色や淡色に着色する場合であっても原反層11の色や汚れに対して十分な隠蔽性を発現でき、また、着色層12Aを構成するインキ層間の密着強度の低下を防止して、十分な耐久性を得ることができる。また、絵柄層12Bの厚さは、例えば0.1μm以上10μm以下の範囲とすることが好ましい。ここで、「絵柄層12Bの厚さ」とは、インキが印刷された部分の厚さをいう。絵柄層12Bは、着色層12Aの全面に設けられていなくても良く、絵柄層12Bから着色層12Aが露出していても良い。絵柄層12Bの厚さを上述の範囲内とすることにより、絵柄を鮮明に表現したり、絵柄に階調をつける事で意匠性を高めることができ、また、複数色を重ねて印刷した際に上層の色と下層の色とが重なることで限られた色で表現可能な色彩幅を増やすことができる。
<第一表面保護層>
第一表面保護層13は、着色絵柄層12の原反層11とは反対側の面に設けられている。第一表面保護層13は、層内の下層(裏面側)の領域であるコア部13Aと、層内の上層(表面側)の領域である畝状部13Bとを含んでいる。第一表面保護層13は、コア部13Aとコア部13Aの一方の面から畝状に突出して設けられた畝状部13Bとを有している。これにより、第一表面保護層13の表面には、凹凸形状が形成されている。
ここで、本実施形態に係る化粧シート1において、「畝状」とは、細長く盛り上がり、平面視で線状に連なった形状であることをいう。畝状部13Bは、平面視で曲線状であっても直線状であっても良いが、化粧シート1表面の耐指紋性の観点から曲線状であることが好ましい。また、本開示において、畝状部13Bは、例えば、第一表面保護層13の表面に設けられた凹凸形状の最も低い部分から先端までの部分であり、コア部13Aは第一表面保護層13の畝状部13Bを除く部分をいうものとする。
図2は、第一表面保護層13の表面(上面)の構成を示す平面写真であり、図3は、第一表面保護層13の表面(上面)の構成を示す断面写真である。また、図4は、第一表面保護層13の表面(上面)の構成を模式的に示す断面図である。図3及び図4は、畝状部13Bの幅方向の断面を示す断面写真及び断面図である。ここで、図2及び図3は、光学式顕微鏡(デジタルマイクロスコープ、キーエンス(KEYENCE)製VHX-6000)により得た平面写真及び断面写真である。
畝状部13Bは、図2及び図3の平面写真及び断面写真に示すように、細長く盛り上がり、平面視で線状に連なった形状となっている。畝状部13Bは、後述するように、電離放射線硬化型樹脂の表面に対して特定波長の電離放射線を照射して、電離放射線硬化型樹脂の表面を収縮させることにより形成される。電離放射線硬化型樹脂が収縮して形成された畝状部13Bは、収縮していないコア部13Aと異なる組成となっている。具体的には、電離放射線硬化型樹脂が収縮して形成された畝状部13Bは、深層にあるコア部13Aと比較して、樹脂中に含有されるカルボニル結合(C=O)や炭素-炭素結合(炭素と炭素との二重結合(C=C)、三重結合(C≡C))の比率が低下した組成となっている。例えば、畝状部13Bは、深層にあるコア部13Aと比較して、樹脂中に含有されるカルボニル結合及び炭素-炭素結合の比率が10%以上低下していることが好ましく、20%以上低下していることがより好ましい。これは、高いエネルギーの電離放射線を電離放射線硬化型樹脂に照射することで、樹脂中に含有される高分子鎖(カルボニル結合や炭素-炭素結合(二重結合、三重結合))が切れるためである。高いエネルギーの電離放射線が照射された電離放射線硬化型樹脂では、結合が切れた部分で新たな結合(再結合、再架橋)が生じ、電離放射線硬化型樹脂の表面が収縮して畝状部13Bが形成される。このようなコア部13Aと畝状部13Bとの組成の相違は、電離放射線を照射して第一表面保護層13の表面に凹凸を形成した際の特徴である。
また、高いエネルギーの電離放射線を電離放射線硬化型樹脂に照射することで、樹脂中に含有される高分子鎖の切断と、水素原子の引き抜きが起こった状態での再結合及び再架橋とが行われる。このため、高分子鎖の切断と再結合及び再架橋とにより形成された畝状部13Bは、深層にあるコア部13Aと比較して、高い架橋密度を有する構成となっている。このため、化粧シート1の最表層となる第一表面保護層13の表面部分である畝状部13Bを構成する樹脂中の空隙率が低下して第一表面保護層13の表面硬度が向上し、化粧シート1の耐傷性が向上する。
図4に示すように、このような畝状部13Bの表面は、断面視で曲線形状となっている。畝状部13Bは、特定波長の電離放射線が照射された電離放射線硬化型樹脂のアブレーションにより収縮する。すなわち、強いレーザ光が電離放射線硬化型樹脂の表面に照射されることで、局所的に高温となった表面の電離放射線硬化型樹脂が蒸発し、原子、分子、プラズマ、およびそれらのクラスターが飛散することで、畝状部13Bが形成される。このように断面視で曲線形状となった畝状部13Bは、表面保護層の表面にエンボス加工等の機械的な加工により形成された凹凸形状(図5参照)と明らかに異なる形状となる。
このため、電離放射線硬化型樹脂の表面には、表面張力により滑らかな形状の畝状部13Bが形成される。具体的には、上述した電離放射線のラジカルが、第一表面保護層13を構成する樹脂のうち、カルボニル結合や炭素と炭素との間の二重結合もしくは三重結合を直接切断する。また、真空紫外光等の高エネルギーの電離放射線の照射により、酸素分子からオゾンや酸素ラジカル等が発生し、このようにして生じたラジカルが、カルボニル結合や炭素と炭素との間の二重結合もしくは三重結合を切断する場合もある。この場合、真空雰囲気環境下で例えば2000ppm、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは400ppm以下の濃度に制限された酸素分子からオゾンや酸素ラジカル等が発生する。切断された結合が、近接する炭素、酸素、窒素、等の原子や、雰囲気中に存在するラジカルと再結合する事で、電離放射線硬化型樹脂表面の収縮を生じ、なだらかな曲線形状を形成する。このような畝状部13Bのなだらかな形状も、電離放射線を照射して第一表面保護層13の表面に凹凸を形成した際の特徴である。
このような畝状部13Bの高さは、例えば15μm以下となっていることが好ましく、8μm以下となっていることがより好ましい。また、隣接する畝状部13Bの周期(例えば畝状部13Bの頂点同士の間隔)pは、50μm以下となっていることが好ましく、10μm以下となっていることが好ましく、6.5μm以下となっていることがより好ましい。高エネルギーの電離放射線を電離放射線硬化型樹脂に照射して形成した畝状部13Bは、表面保護層の表面にエンボス加工等の機械的な加工により形成された凹凸形状と比較して、微細な構造となっている。第一表面保護層13の表面にこのような微細な凹凸形状が形成されることにより、化粧シート1表面のマット感を維持しながら耐指紋性を向上させることが可能となる。
以下、第一電離放射線照射によって畝状部13Bが形成されるメカニズムについてより詳細に説明する。
真空紫外光(VUV:Vacuum Ultra Violet)は、光子エネルギーを用いて当該光子エネルギーより小さい結合エネルギーを切断する事が可能である。したがって、真空紫外光を電離放射線硬化型樹脂の表面に照射することにより、電離放射線硬化型樹脂中の有機物の分子結合が切断され、電離放射線硬化型樹脂表面の高分子の結合状態が変化して表面が改質(収縮)される。
第一電離放射線の媒質として希ガス、ハロゲンガス及び水銀等を組み合わせると、波長100nm以上500nm以下の範囲において、20nm~30nmの波長間隔で単色光に近い光源が得られる。畝状部13Bを形成するために用いる第一電離放射線として、これら光源のうちのどの光源を用いても構わない。しかしながら、得られる光子エネルギーの大きさ、波長と、有機物の結合エネルギーとの差を考慮すると、中心波長が172nmのエキシマレーザを発光するキセノンランプを光源として用いることが最も好ましい。低波長でエネルギーの強い第一電離放射線ほど、有機物の分子結合を切断して表面収縮を起こしやすいため好ましい。一方、設備維持にかかるコストや材料の入手等も併せて考慮すると、キセノンランプを光源として用いることが最も好ましい。
ここで、380nm以下の波長の光は紫外線(UV)と呼ばれているが、その中でも波長200nm以下の光は真空紫外光(VUV)と呼ばれ、大気中の酸素に光が吸収され減衰する。このため、第一電離放射線照射環境下の酸素を除去することにより、電離放射線硬化型樹脂の表面改質効果をより高めることができる。また、必要な反応ガス(例えば窒素ガス)を導入して反応雰囲気を制御したり、酸素濃度が2000ppm以下に抑えられるチャンバーシステムを用いたり、電離放射線硬化型樹脂に紫外線(特に、250nm以下の光)を照射することが好ましい。光エネルギーが電離放射線硬化型樹脂中の有機物質の分子結合を切断し、水素原子の引き抜きが起こって分子の構成が変わりやすくなり、電離放射線硬化型樹脂の表面改質(収縮)が起きやすくなる。
樹脂表面において例えば手油や指紋等の汚れが付着しないようにする為には、撥油性を持たせる必要がある。このために、可能な限り電離放射線照射雰囲気中の酸素濃度を低くして(理想的には400ppm以下の条件下で)電離放射線を照射する事で、本願が目的とする化粧シートの性能を発現させる事が出来る。光照射時の酸素濃度を調整する事で、求める表面性能を発現出来る。
エキシマレーザの照射により励起された光子は、化粧シート表面の表面保護層となる電離放射線硬化型樹脂の高分子鎖に強く吸収され、電離放射線硬化型樹脂の数十~数百nm程度の深さまで到達し、高分子ラジカルを発生させる。この高分子ラジカルにより、電離放射線硬化型樹脂の高分子鎖の切断と再結合及び再架橋が生じる。これにより、電離放射線硬化型樹脂の表面において、分子量の増加が起こり、また高分子中の自由体積(空隙率)が減少して、折畳みシワの様な波状に連なる微細な凹凸形状が生じる。
電離放射線硬化型樹脂にエキシマレーザを照射して生じる収縮の微細構造の周期(凹凸のピッチ)Iは、以下の式(1)で示すポラニーの式及び式(2)で示す0次回折光と1次回折光とに着目したポラニーの式から得ることができる。
l・sinφ=mλ ・・・(1)
l・sin[arctan(x/d)]=λ ・・・(2)
ここで、式(1)中、lは微細構造の周期、φはエキシマレーザの回折光の角度、mは0以上の整数、λはエキシマレーザの波長である。また、式(2)中、xはスクリーン上の0次回折光と1次回折光との距離、dは回折光を投影させるスクリーンとサンプルである電離放射線硬化型樹脂との距離である。また、式中、である。
電離放射線硬化型樹脂に照射するレーザの入射角度θを変えることで、電離放射線硬化型樹脂に生じる収縮の微細構造のパターンを制御する事が出来る。エキシマレーザの入射角が0度に近い場合、微細構造のパターンはレーザ照射部分に対して等方性を示し、ランダムな微細構造が生じる。一方、レーザの入射角度θが大きくなる程、微細構造のパターンはレーザ照射部分に対して大きい異方性を示す。入射角度0度のレーザによって収縮した電離放射線硬化型樹脂の表面形状は、例えば耐指紋性や耐汚染性、耐傷性の向上に有効である。等方的に並ぶランダムな微細構造により、汚染物質の付着や傷、艶変化等が目立ちにくくなる為である。入射角度0度のレーザを照射して形成された微細構造の間隔(周期)lは、照射するエキシマレーザの波長λと略同じとなる。また、入射角度θを変えた場合、微細構造の形状は縦縞模様のままで間隔lが変化する。間隔lは、レーザの入射角度θに基づき、以下の式(3)により得られる。
l=λ/cosθ ・・・(3)
第一表面保護層13を構成する電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂を用いることができる。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂を使用できる。紫外線硬化型樹脂は、水系樹脂又は非水系(有機溶剤系)樹脂の何れであっても良い。
第一表面保護層13は、無機粒子を含んでいてもよい。無機粒子としては、例えばシリカ、ガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機材料により形成された微粒子が挙げられる。第一表面保護層13における無機粒子の添加量は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0質量%超5質量%以下、好ましくは0質量%超1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%超0.5質量%以下の範囲内であることが好ましい。第一表面保護層13は、上述した添加量の無機粒子を含有することにより、耐摩耗性、耐傷性が向上するため好ましい。
第一表面保護層13には、必要に応じて、例えば、着色剤、マット剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤及び光散乱剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上が添加されていてもよい。しかしながら、第一表面保護層13は、撥油性を低下させて指紋をつきやすくする艶調整剤は含まない。
第一表面保護層13は、着色絵柄層12を完全に覆っていればよく、表面保護層としての機能を化粧シート1の全面に亘って発現することができる。また、第一表面保護層13の密度は、目的とする艶や性能に応じて調整可能である。
第一表面保護層13の厚さは、1.0μm以上50μm以下の範囲とすることが好ましい。第一表面保護層13の厚さを上述の範囲内とすることにより、原反層11及び着色絵柄層12を保護することにより意匠性が損なわれることを抑制できる。第一表面保護層13の厚さが1.0μm以上である場合、表面保護層として必要な耐摩耗性等の機能を十分に有することができる。また、第一表面保護層13の厚さが50μm以下である場合、第一表面保護層13が不要に厚くなりすぎず、製造コストが増加しすぎないという効果を有する。
このような化粧シート1は、艶調整剤(艶消し添加剤)を含有していないにも拘らず、光沢度が5.0以下となり、光沢度が極めて低い化粧シートとなる。従来の化粧シートにおいて、表面保護層を有する化粧シートの光沢度が8以下程度となった場合、表面保護層内における艶調整剤の含有率が高く、表面保護層が白濁してしまう。このため、着色絵柄層の色彩、絵柄が鮮明に発現しなかったり、化粧シートの意匠性が低下してしまうおそれがあった。さらに、光沢度が0に近い化粧シートを得ようとする場合、表面保護層内における艶調整剤の含有率がさらに高いため、表面保護層の形成時にスジやムラ等を発生させずに表面が平滑な表面保護層を形成することが困難であった。
化粧シート1は、20±3以上の光沢度を有する化粧シートと同程度の性能を維持したまま、光沢度が5.0以下、好ましくは2.0以下の低光沢度の化粧シートを得ることができる。ここで、「光沢度」は、光沢計グロスチェッカーを用いて入射角60度で測定した場合の測定値である。このため、化粧シート1として必要な性能を維持しつつ、撥油性が高く、指紋が付きにくい化粧シート1が得られる。
(1.2)化粧シートの製造方法
原反層11として樹脂フィルムを用い、原反層11上に所望の色彩のインクを印刷して着色層12Aを形成する。次に、着色層12A上に、所望の色彩のインクを所望の絵柄で印刷することにより、絵柄層12Bを形成する。
続いて、絵柄層12Bを形成した着色層12A(着色絵柄層12)上に電離放射線硬化型樹脂を塗布する。このとき、電離放射線硬化型樹脂の塗布量は、少なくとも着色絵柄層12が完全に覆われる程度で、かつ目的とする艶及び性能に合せて調整する事が可能であるが、例えば2.0g/m以上20g/m以下程度とすることが好ましい。
この後、塗布された電離放射線硬化型樹脂の表面に対してカルボニル結合及び炭素-炭素結合の少なくとも一方を切断可能なエネルギーを有する第一電離放射線を照射して電離放射線硬化型樹脂の表面を収縮させる。第一電離放射線は、所定の波長を有する一種類の電離放射線であってもよく、互いに異なる波長を有する複数種類の電離放射線であっても良い。第一電離放射線としては、例えば高いエネルギーを有するエキシマレーザが挙げられる。エキシマレーザの媒質は、カルボニル結合及び炭素-炭素結合の少なくとも一方を切断可能なエネルギーを有していれば、従来用いられたいずれの媒質(放電用ガス)であっても良い。放電用ガスとしては、Xe,Ar,Kr等の希ガスや、ArBr、ArF,KrCl,XeI,XeCl,XeBr,KrBr,KrF等の希ガスとハロゲンガスの混合ガスを用いることができる。エキシマレーザは、媒質によって波長(中心波長)が異なり、例えば約172nm(Xe)、約126nm(Ar)、約146nm(Kr)、約165nm(ArBr)、約193nm(ArF)、約222nm(KrCl)、約253nm(XeI)、約308nm(XeCl)、約283nm(XeBr)、約207nm(KrBr)、約248nm(KrF)等の波長を有する。
高いエネルギーを有する電離放射線を電離放射線硬化型樹脂に照射することにより、電離放射線硬化型樹脂の表面に畝状の凹凸形状を形成する。このとき、電離放射線硬化型樹脂の樹脂塗布量及び電離放射線照射時間を調整することにより、電離放射線硬化型樹脂の収縮率を調整して、完成した化粧シート1の仕上げの艶を調整する。
畝状の凹凸形状を形成する際に、電離放射線硬化型樹脂に照射する第一電離放射線の種類を変えることにより、化粧シート1の表面の触感や視覚的に得られる効果を変化させることができる。例えば、電離放射線硬化型樹脂に対して波長が約250nmの第一電離放射線を照射後、波長が約172nmの第一電離放射線を照射して畝状の凹凸形状を形成し、その後電離放射線硬化型樹脂を硬化させる。これにより、化粧シート1の触感(手触り)を調整することができる。また、例えば、電離放射線硬化型樹脂に対して波長が約172nmの第一電離放射線を照射して畝状の凹凸形状を形成し、その後電離放射線硬化型樹脂を硬化させてもよい。これにより、表面が平滑で低光沢の化粧シート1や、表面においてグロスマット効果(視覚的エンボス感)が得られる化粧シート1を得ることができる。
続いて、収縮させた電離放射線硬化型樹脂に電離放射線硬化型樹脂を硬化させる第二電離放射線を照射して、表面に凹凸形状を有する電離放射線硬化型樹脂を硬化させる。第二電離放射線としては、例えば、波長が400nm以下の紫外線等が挙げられる。電離放射線硬化型樹脂を硬化させる電離放射線は、400nm以下の範囲で広い波長範囲帯(すなわち、ブロードなスペクトル)を有する。
これにより、第一表面保護層13を形成する。
以上により、コア部13Aとコア部13Aの一方の面(上面)から畝状に突出して設けられた畝状部13Bとを有する第一表面保護層13を備える化粧シート1が形成される。
(1.3)変形例
(1.3.1)変形例1
第一実施形態の化粧シートでは、第一表面保護層13を一層で形成、すなわち一層の電離放射線硬化型樹脂の表面に電離放射線を照射して形成していたが、このような構成に限られない。
例えば、第一表面保護層13を多層とした化粧シート1Aであっても良い。すなわち、第一表面保護層13は、同一の電離放射線硬化型樹脂を複数層積層したり、異なる電離放射線硬化型樹脂を複数層積層して、表面に凹凸形状を形成しても良い。但し、第一表面保護層13の最表層は、上述した特定波長の電離放射線で収縮させることで形成された凹凸形状を有していることが重要である。
(1.3.2)変形例2
第一実施形態の化粧シートでは、原反層11が一層の樹脂フィルムで形成される構成について説明したが、このような構成に限られない。
例えば、図6に示すように、一層の原反層11に代えて、第一フィルム層11Aと第二フィルム層11Bとが設けられた化粧シート1Bであっても良い。第一フィルム層11A及び第二フィルム層11Bは、同じ樹脂材料で形成された樹脂フィルムであっても良く、異なる樹脂材料で形成された樹脂フィルムであっても良い。例えば、第一フィルム層11Aがポリエチレンフィルム、第二フィルム層11Bがポリプロピレンフィルムであっても良い。この場合、第一フィルム層11Aの上に着色絵柄層12を設け、着色絵柄層12の上に接着性樹脂層14及び第二フィルム層11Bを積層することが好ましい。また、第一表面保護層13は、第二フィルム層11B上に設けることが好ましい。このような積層構成とすることにより、着色絵柄層12が剥き出しとなって耐摩耗性、耐傷性、耐汚染性及び耐候性が低下することを防止することができる。着色絵柄層12が剥き出しの場合、耐候性が特に低下しやすい。このため、化粧シートに高い耐候性が求められる場合は、原反層としてフィルム(第一フィルム層11A及び第二フィルム層11B)を用い、フィルム間に着色絵柄層12を挟み込んだ化粧シート1Bを用いることが好ましい。
第一フィルム層11A及び第二フィルム層11Bは、二層で原反層としての機能を有する。原反層として機能する第一フィルム層11A及び第二フィルム層11Bの合計の厚みは、50μm以上250μm以下の範囲内であることが好ましく、70μm以上200μm以下の範囲内であることがより好ましい。第一フィルム層11A及び第二フィルム層11Bの合計の厚みの厚みが上述の範囲内である場合、ラミネート適性を向上させ、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを低減することができる。
なお、原反層として機能するフィルム層は、三層以上の層であっても良い。
(1.3.3)変形例3
第一実施形態の化粧シートでは、原反層11が一層の紙素材で形成される構成について説明したが、このような構成に限られない。
例えば、図7に示すように、一層の原反層11に代えて、第一紙素材11Cと、防湿樹脂層11Dと、第二紙素材11Eとが順に積層された積層原反層11’が設けられた化粧シート1Cであっても良い。
防湿樹脂層11Dは、例えばポリエチレン樹脂等により形成される。この場合、防湿樹脂層11Dを構成する樹脂材料の種類や防湿樹脂層11Dの厚みによって、透湿性能を微調整することができ、また、防湿樹脂層11Dの反りを抑制する等の効果を得ることができる。
第一紙素材11C防湿樹脂層11D及び第二紙素材11Eは、三層で原反層としての機能を有する。原反層として機能する第一紙素材11C、防湿樹脂層11D及び第二紙素材11Eの合計の厚みは、50μm以上250μm以下の範囲内であることが好ましく、70μm以上200μm以下の範囲内であることがより好ましい。第一紙素材11C及び第二紙素材11Eの合計の厚みが上述の範囲内である場合、ラミネート適性を向上させ、且つシートの折り曲げ部に発生する割れを低減することができる。
なお、原反層として機能する紙素材は、防湿樹脂層を介して積層された三層以上の層であっても良い。
(1.3.4)変形例4
第一実施形態の化粧シートでは、着色絵柄層12の上面に第一表面保護層13を形成した構成について説明したが、このような構成に限られない。
例えば、図8に示すように、着色絵柄層12と第一表面保護層13との間に透明層15が設けられた化粧シート1Dであっても良い。透明層15を設けることにより、変形例2の化粧シート1Bと同様に、着色絵柄層12が剥き出しとなって耐摩耗性、耐傷性、耐汚染性及び耐候性が低下することを防止することができる。
透明層15を構成する樹脂材料は、例えば熱硬化型樹脂を用いても良く、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂又はエポキシ系樹脂等を用いてもよい。また、透明層15の下層に、接着性樹脂層が設けられていても良い。
また、原反層11は、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムを用いても良い。
<第一実施形態の効果>
本実施形態に係る化粧シート1は、以下の効果を有する。
(1)本実施形態の化粧シート1は、表面に凹凸形状が形成された第一表面保護層13を備えている。
この構成によれば、第一表面保護層13に艶調整剤(艶消し添加剤)を含まなくても、第一表面保護層13の艶(光沢度)を調整することができる。艶調整剤は、樹脂材料により形成した層の撥油性を低下させるため、指紋が付きやすくなる。第一表面保護層13は、艶調整剤を含まないため、油を吸収せず相対的に撥油性が向上する。このため、現場施工時や家具組立て時、居住者の日常生活時の様々な場面において、第一表面保護層13を有する化粧シート1には、指紋が付着しにくくなる。
(2)本実施形態の化粧シート1は、表面に凹凸形状が形成された第一表面保護層13を備えている。
この構成によれば、第一表面保護層13の撥油性が向上し、化粧シート1表面への油染みや汚染物質の吸着を抑制することが可能となる。
(3)本実施形態の化粧シート1は、艶調整剤を含まない第一表面保護層13を備えている。
この構成によれば、化粧シート1の表面を引っ掻いた際に艶調整剤の粒子が脱落せず、化粧シート1表面の艶変化や引っ掻き傷を生じにくくすることが可能である。
(4)本実施形態の化粧シート1は、艶調整剤を含まない第一表面保護層13を備えている。
この構成によれば、第一表面保護層13における添加剤の含有量を低くできるため、第一表面保護層13の白濁を防ぐことができ、かつ第一表面保護層13の形成が容易となる。
2.第二実施形態
本開示の第二実施形態に係る化粧シートについて、図9を用いて説明する。
図9は、本開示の第二実施形態に係る化粧シート2の一構成例を説明するための断面図である。
化粧シート2は、原反層11と、着色絵柄層12と、第一表面保護層13と、第二表面保護層26とを備えている。化粧シート2は、原反層11、着色絵柄層12、第一表面保護層13及び第二表面保護層26がこの順に積層されて構成されている。すなわち、化粧シート2は、第一表面保護層13の上面に第二表面保護層26が設けられている点で、第一実施形態に係る化粧シート1と相違する。
以下、第二表面保護層26について説明する。なお、第二表面保護層26以外の各層(原反層11、着色絵柄層12及び第一表面保護層13)については、化粧シート1の各層と同様の構成であるため説明を省略する。
(2.1)化粧シートの基本構成
<第二表面保護層>
第二表面保護層26は、第一表面保護層13の凹凸形状形成面の一部に設けられている。第二表面保護層26は、第一表面保護層13上に部分的に形成されることで、第一表面保護層13との艶差を生じさせ、グロスマット効果による視覚的エンボス感を表現するための層である。
第二表面保護層26は、電離放射線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂等の樹脂材料により形成されており、電離放射線硬化型樹脂により形成されることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂としては、第一表面保護層13と同様の材料を用いることができる。
熱硬化型樹脂としては、第一表面保護層13との艶差の観点から、例えば2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を用いるのが好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることができる。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。多価イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートを用いることができる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
第二表面保護層26は、第一表面保護層13上に部分的に形成されており、意匠性及び目的とする性能に応じて被覆される面積を調整することが可能である。
第二表面保護層26は、第一表面保護層13の表面の10%以上90%以下を覆うように設けられることが好ましく、グロスマット効果(視覚的エンボス感)を表現する場合には第一表面保護層13の表面の10%以上80%以下を覆うように設けられることが好ましい。また、化粧シート2としての耐スクラッチ性や耐汚染性、撥油性の向上が求められる場合、第二表面保護層26は、第一表面保護層13の表面の10%以上80%以下を覆うように設けられることが好ましく、10%以上30%以下を覆うように設けられることがより好ましい。
化粧シート2の原反層11、着色絵柄層12及び第一表面保護層13は、化粧シート1と同様にして形成される。
第二表面保護層26は、第一表面保護層13の上面に、例えばスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等により樹脂材料が塗布され、硬化されることにより形成される。
これにより、化粧シート2が形成される。
(2.2)変形例
化粧シート2は、着色絵柄層12の絵柄層12Bと、第一表面保護層13及び第二表面保護層26の光沢差で作り出すグロスマット効果(視覚的エンボス感)とが同調していてもよい。絵柄層12Bと視覚的エンボス感とが同調した化粧シート1は、第一表面保護層13と第二表面保護層26との光沢差のみでグロスマット効果を表現するよりも、更に優れた視覚的エンボス感を作り出すことができる。
<第二実施形態の効果>
本実施形態に係る化粧シート2は、第一実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を有する。
(5)本実施形態の化粧シート2は、低光沢な第一表面保護層13の凹凸形状形成面の一部に、光沢度が比較的高い第二表面保護層26を有している。
この構成によれば、第一表面保護層13及び第二表面保護層26の白濁を生じることなく、グロスマット効果(視覚的エンボス感)を有する化粧シート2を得ることができる。
3.第三実施形態
本開示の第三実施形態に係る化粧板について、図10を用いて説明する。
図10は、本開示の第三実施形態に係る化粧板30の一構成例を説明するための断面図である。
化粧板30は、化粧シート1と基材31とを備えている。化粧板30は、基材31、原反層11、着色絵柄層12及び第一表面保護層13がこの順に積層されて構成されている。
なお、化粧板30は、化粧シート1に代えて化粧シート2を有していても良い。また、化粧板30は、化粧シート1に代えて、化粧シート1の変形例である化粧シート1A~1Dを有していても良い。
以下、基材31について説明する。なお、基材31以外の各層(原反層11、着色絵柄層12及び第一表面保護層13を含む化粧シートの各層)については、第1実施形態及び第二実施形態に記載の各層と同様の構成であるため説明を省略する。
(3.1)化粧シートの基本構成
<基材>
基材31は、例えば木質基板、中密度繊維板(MDF:Medium Density Fiberboard)。パーティクルボード、金属基板、不燃基板、複数の材料により構成された複合基板等でもよく、フラッシュ基材等であっても良い。また、基材31としては、合板とMDFとの練り合わせでもよい。
また、基材31状の化粧シート1と対向する面には、プライマー層や隠蔽層等を設けてもよい。
以下、本開示に係る化粧シートについて、実施例を挙げて説明する
実施例では、第一実施形態で説明した構成の化粧シートを作製し、後述する評価を行った。
<実施例1>
厚さ55μmのオレフィンフィルム(リケンテクノス社製)を原反層とし、原反層の一方の面の全面にウレタンインク(東洋インキ社製)を印刷して着色層を形成した。次に、着色層の上に、ウレタンインクを用いて絵柄を印刷することにより、絵柄層を形成した。
続いて、絵柄層を形成した着色層(着色絵柄層)上に、透明層として、原反層とは異なる透明オレフィンフィルムを積層させた。続いて、電離放射線硬化型樹脂を塗布した。電離放射線硬化型樹脂としては、艶調整剤を含まない(メタ)アクリル系樹脂を用いた。また、電離放射線硬化型樹脂の塗布量を12g/mとし、着色絵柄層が完全に覆われるようにした。
この後、電離放射線硬化型樹脂の表面に対して波長250nmの電離放射線(KrFエキシマレーザ)を照射後、波長172nmの電離放射線(Xeエキシマレーザ)を照射した。これにより、電離放射線硬化型樹脂の表面を収縮させ、電離放射線硬化型樹脂の表面に凹凸形状を形成した。このとき、電離放射線は、ラインスピード10m/minで照射した。続いて、表面を収縮させた電離放射線硬化型樹脂に広い波長範囲帯(400nm以下の範囲帯)を有する電離放射線を照射した。このとき、ガリウム(Ga)ランプ及び水銀(Hg)ランプの2つのUVランプを使用した。以上により、表面に凹凸形状を有する電離放射線硬化型樹脂を硬化させ、第一表面保護層を設けた化粧シートを形成した。形成された第一表面保護層は、厚さ20μmのコア部上に、高さ7μmの畝状部が形成された形状であった。最後に、化粧シートの原反層裏面に基材として木質基板を貼り合わせた。
以上により、実施例1の化粧板を形成した。
<実施例2>
原反層として、坪量30g/mの紙(天間特殊製紙社製)を用いるとともに、絵柄樹脂層上に透明層を設けることなく直接第一表面保護層を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例2の化粧板を形成した。なお、実施例2の化粧板では、第一表面保護層として実施例1と同量の電離放射線硬化樹脂を塗布しているものの、原反層が紙であることから電離放射線硬化樹脂の一部が原反層に染み込み、第一表面保護層の厚さは、実施例1の化粧板よりもやや薄くなっていた。また、実施例2の化粧板は、原反層と基材とが原反層に染み込んだ第一表面保護層により一体化して硬化して形成された。
<実施例3>
原反層として、坪量30g/mの紙(天間特殊製紙社製)を用い、電離放射線硬化樹脂の塗布量を25g/mとした以外は実施例2と同様にして、実施例3の化粧板を形成した。
<実施例4>
第一表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂として、実施例1で用いた材料よりも耐薬品性、耐傷性に優れた高耐薬品性・高耐傷性電離放射線硬化樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の化粧板を形成した。
<実施例5>
原反層の厚さを50μmとするとともに、絵柄樹脂層上に透明層を設けることなく直接第一表面保護層を形成し、さらに、第一表面保護層の凹凸形状形成面の一部に、第一表面保護層と同様の材料により第二表面保護層を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例5の化粧板を形成した。実施例5の化粧板は、化粧シート表面において第二表面保護層により、グロスマット効果による視覚的エンボス感が表現された化粧板となった。
<比較例1>
電離放射線硬化型樹脂として、艶調整剤を15質量%含むアクリル系樹脂(DICグラフィックス社製)を用い、電離放射線硬化型樹脂を着色絵柄層上に塗布した後、凹凸形状を形成せずに広い波長範囲帯(400nm以下の範囲帯)の電離放射線を照射して電離放射線硬化型樹脂を硬化させることにより、表面が平滑な第一表面保護層を形成して化粧シートを形成した。
これ以外は実施例2と同様にして、比較例1の化粧板を形成した。
<評価>
各実施例及び比較例1の化粧板のそれぞれについて、以下の各評価を行った。
(A)意匠性:着色絵柄層の鮮明性の評価
実施例1及び比較例1の化粧板の表面側(化粧シート側)から目視にて、着色絵柄層の色・絵柄が鮮明に発現しているかを確認した。このとき、着色絵柄層が鮮明に見える場合を「A」、着色絵柄層が鮮明に見えない場合を「C」と評価した。
(B)意匠性:第一表面保護層の白濁の評価
実施例1及び比較例1の化粧板の表面側(化粧シート側)から目視にて、第一表面保護層に白濁が生じているかを確認した。このとき、第一表面保護層に白濁が生じていない場合を「A」、第一表面保護層に白濁が生じている場合を「C」と評価した。
(C)耐指紋性:拭き取り性評価
各実施例及び比較例の化粧板表面(表面保護層)の60度鏡面光沢度を、光沢計(スガ試験機社製、GS-4K)を用いて測定し、初期光沢度とした。続いて、表面保護層上に耐指紋評価液を付着させ、耐指紋評価液が付着した部分の鏡面光沢度を測定し、拭き取り前光沢度とした。その後、化粧シート表面に付着した耐指紋評価液を拭き取り、耐指紋評価液を拭き取った部分の鏡面光沢度を測定して、拭き取り後光沢度とした。ここで、耐指紋評価液として、高級脂肪酸を用いた。
続いて、測定した初期光沢度、拭き取り前光沢度及び拭き取り後光沢度に基づいて、以下の式(4)から拭き取り後評価率(%)を算出した。
拭き取り後評価率(%)=(拭き取り後光沢度/初期光沢度)×100 ・・・(4)
このとき、拭き取り後評価率(%)が70%以上250%未満である場合を「A」、拭き取り後評価率(%)が50%以上70%未満、もしくは250%以上300%未満である場合を「B」、拭き取り後評価率(%)が50%未満、もしくは300%以上である場合を「C」と評価した。
(D)耐指紋性:滑落角の評価
各実施例及び比較例の化粧板を、水平な測定ステージ上に配置し、化粧板の化粧シート表面上に一定量の測定液を静置した。次に、測定ステージを一定速度で傾け、液滴が滑り落ち始めた時の測定ステージの傾きを滑落角として測定した。測定液は、ノルマルヘキサデカンを用い、化粧シート表面上に液滴量5μlを滴下した。このとき、滑落角が20度未満の場合を「A」、滑落角が20度以上30度未満の場合を「B」、滑落角が30度以上の場合を「C」と評価した。すなわち、滑落角が低い方が撥液性が高く、指紋が残りにくいと評価した。
(E)耐汚染性:撥油性の評価
各実施例及び比較例の化粧板の化粧シート側表面に手油を付着させた後、布にて手油を拭き取り、拭き取り後の化粧シート表面の状態を目視で確認した。このとき、化粧シート表面の手油が容易に拭き取ることができた場合を「A」、化粧シート表面の手油が拭き取れず、油染みが残った場合を「C」と評価した。
(F)耐汚染性:インキによる耐汚染性の評価
各実施例及び比較例の化粧板の化粧シート表面に対して、合板の日本農林規格(JAS:Japanese Agricultural Standards)に規定する汚染A試験により、青色インキ、黒色速乾性インキ及び赤色クレヨンでそれぞれ幅10mmの線を引き、4時間放置した後、エタノールを布に含ませて青色インキ、黒色速乾性インキ及び赤色クレヨンの線を拭き取り、インキによる耐汚染性を評価した。
このとき、各色の線を容易に拭き取ることができた場合を「A」、各色の線の一部を拭き取ることができるが、一部に汚れが残る場合を「B」、各色の線を拭き取ることができない場合を「C」と評価した。
(G)耐傷性・耐スクラッチ試験:ホフマンスクラッチ試験(艶変化)
各実施例及び比較例の化粧板の化粧シート表面に対して、ホフマンスクラッチハードネステスター(GARDCO社製)を用いてスクラッチ試験を行い、化粧シート表面の艶変化を確認した。スクラッチ試験では、化粧シートの表面に艶変化を生じなかった最も重い荷重を測定した。試験後、表面に艶変化が発生した部分を確認した。
このとき、200gの荷重では表面に艶変化が生じなかった場合を「A」、125g以上200g未満の荷重の間で艶変化が生じた場合を「B」、125g未満の荷重で艶変化が生じた場合を「C」と評価した。
(H)耐傷性・耐スクラッチ試験:ホフマンスクラッチ試験(破れ)
各実施例及び比較例の化粧板の化粧シート表面に対して、ホフマンスクラッチハードネステスター(GARDCO社製)を用いてスクラッチ試験を行い、化粧シート表面の破れを確認した。スクラッチ試験では、化粧シートの表面に破れ傷等を生じなかった最も重い荷重を測定した。試験後、表面に艶変化及び破れ傷等が発生した部分を確認した。
このとき、400gの荷重では表面に破れ傷が生じなかった場合を「A」、200g以上400g未満の荷重の間で破れ傷が生じた場合を「B」、200g未満の荷重で破れ傷が生じた場合を「C」と評価した。
(I)耐傷性・耐スクラッチ試験:鉛筆硬度試験
各実施例及び比較例の化粧板の化粧シート表面に対して、鉛筆引っかき試験により、化粧シートの表面に傷跡を生じなかった最も固い鉛筆の硬度(鉛筆硬度)を測定した。なお、引っかき硬度試験は、旧JIS K5400に準じて行った。
このとき、鉛筆硬度がHより固い場合を「A」、鉛筆硬度がFよりやわらかい場合を「B」と評価した。
(J)耐傷性・耐スクラッチ試験:コインスクラッチ試験
各実施例及び比較例の化粧板の化粧シート表面に対して、コインスクラッチ試験により、化粧シートの表面に10円硬貨を当てて一定速度で引っ掻き、表面に連続的な傷跡が生じなかった最大荷重を測定した。なお、コインスクラッチ試験では、荷重500gから試験を開始し、1Kg、2Kgと徐々に荷重を増加して試験を行った。
このとき、表面に連続的な傷跡が生じなかった最大荷重が1kg以上の場合を「A」、500g以上1kg未満の場合を「B」、500g未満の場合を「C」と評価した。
(K)耐傷性・耐スクラッチ試験:スチールウールラビング試験
各実施例及び比較例の化粧板の化粧シート表面に対して、スチールウールに500gの荷重をかけて20往復擦り、化粧シート表面に生じた傷や光沢の変化を目視にて確認した。
このとき、表面に傷や光沢の変化が発生しなかった場合を「A」、表面に軽微な傷や光沢の変化が発生した場合を「B」、表面に著しい傷や光沢の変化が発生した場合を「C」と評価した。
(L)印刷適性:第一表面保護層の印刷適性の評価
各実施例及び比較例の化粧板の第一表面保護層形成時に発生したスジ・ムラを目視にて確認した。
このとき、第一表面保護層にスジ・ムラが発生しなかった場合を「A」、第一表面保護層にスジ・ムラが発生した場合を「B」と評価した。
以下の表1に、各実施例及び比較例の構成の抜粋及び評価結果を示す。なお、各評価において、「A」が最も好ましい評価である。
Figure 0007272501000001
表1に示すように、艶調整剤を含まず、電離放射線硬化型樹脂により形成した第一表面保護層の表面に、所定波長の電離放射線の照射により電離放射線硬化型樹脂を収縮させて形成した凹凸を形成した実施例1の化粧シートでは、いずれの評価も最も好ましい評価結果となった。
一方、艶調整剤を含み、電離放射線硬化型樹脂により形成した第一表面保護層の表面に凹凸を有しない比較例1の化粧シートでは、化粧シート表面に着色絵柄層の色・絵柄が鮮明に発現せず、第一表面保護層の白濁も認められた。
また、比較例1の化粧シートでは、化粧シート表面の各色のインキ及びクレヨンの線を容易に拭き取ることができなかった。さらに、第一表面保護層の硬度が比較的低く、傷や艶変化が生じたのに加え、第一表面保護層にスジ・ムラが発生した。
以上の評価結果から、艶調整剤を含まず、電離放射線硬化型樹脂により形成した第一表面保護層の表面に、所定波長の電離放射線の照射により電離放射線硬化型樹脂を収縮させて形成した凹凸を形成した化粧シートは、このような第一表面保護層を有さない化粧シートと比較して、耐指紋性が高いことが確認された。また、上述した化粧シートは、耐指紋性に加えて、意匠性、耐汚染性、耐傷性・対スクラッチ性及び印刷適性のいずれも高い性能を有することが確認された。
本開示の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本開示の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1,1A,1B,1C,1D,2 化粧シート
11 原反層
11’ 積層原反層
11A 第一フィルム層
11B 第二フィルム層
11C 第一紙素材
11D 防湿樹脂層
11E 第二紙素材
12 着色絵柄層
12A 着色層
12B 絵柄層
13 第一表面保護層
13A コア部
13B 畝状部
14 接着性樹脂層
15 透明層
26 第二表面保護層
30 化粧板
31 基材

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂及び無機材料を含み、単層の原反層と、
    前記原反層の一方に設けられた着色絵柄層と、
    前記着色絵柄層の前記原反層とは反対側に設けられ、コア部及び前記コア部の一方の面から畝状に突出して設けられた畝状部を有し、表面に凹凸形状が形成された第一表面保護層と、
    前記着色絵柄層と、前記第一表面保護層との間に設けられた透明層と、
    を備える化粧シート。
  2. 前記第一表面保護層は、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂の少なくとも一種により形成されている
    請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記第一表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂で形成されており、前記電離放射線硬化型樹脂の塗布量が12g/m以上25g/m以下である
    請求項1又は2のいずれか1項に記載の化粧シート。
  4. 前記第一表面保護層の厚さは、1.0μm以上50μm以下である
    請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記畝状部の高さは、15μm以下であり、
    前記畝状部の周期は、50μm以下である
    請求項1から4のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記畝状部は、前記コア部と異なる組成となっている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記畝状部及び前記コア部は、樹脂材料により一体に形成されており、
    前記畝状部は、前記コア部と比較して、前記樹脂材料中に含有されるカルボニル結合及び炭素-炭素結合の比率が低下した組成となっている
    請求項1から6のいずれか1項に記載の化粧シート。
  8. 前記畝状部は、前記コア部と比較して、前記樹脂材料中に含有されるカルボニル結合及び炭素-炭素結合の比率が10%以上低下した組成となっている
    請求項7に記載の化粧シート。
  9. 前記畝状部は、前記コア部と比較して高い架橋密度を有する
    請求項1から8のいずれか1項に記載の化粧シート。
  10. 前記畝状部の表面は、断面視で曲線形状である
    請求項1から9のいずれか1項に記載の化粧シート。
  11. 前記第一表面保護層の前記凹凸形状形成面の一部に設けられた第二表面保護層を備える請求項1から10のいずれか1項に記載の化粧シート。
  12. 前記第二表面保護層は、前記第一表面保護層の表面の10%以上80%以下を覆うよう
    に設けられている
    請求項11に記載の化粧シート。
  13. 前記第一表面保護層は、無機ナノ粒子を含有せず、
    前記第一表面保護層の光沢度は、5.0以下である
    請求項1から12のいずれか1項に記載の化粧シート。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の化粧シートと、
    前記原反層の前記着色絵柄層とは反対側の面に設けられた基材層と、
    を備える化粧板。
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