JP6988155B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、化粧シートに関するものである。とくに防湿性に優れ、耐油性に優れる化粧シートであって、建具に用いた場合のそりや、生活上起こり得る油性の汚れに対する耐汚染性、防湿性に優れる化粧シートに関するものである。
化粧シートは紙を基材として印刷を施した後、用いられる用途や意匠性、要求される品質に応じて、表面に樹脂加工や、意匠表現が加えられる。木質基材と貼り合わせられたものは、化粧板、化粧合板とも呼ばれ、住宅や建物の内装材として、また家具や建具の表面材として広く用いられている。
昨今では、単に絵柄や意匠表現にとどまらず、機能性の向上や環境適合性などにも各方面からの要求が広がりを見せており、化粧シートの新たな用途開発や機能性向上が重要な課題となっている。
たとえば、室内扉、キッチン扉、収納扉、襖などの建具においては、扉の表裏あるいは室内外の温度、湿度の違いから反りが発生することがあった。とくに湿度の、建具内部の木質基材への浸透が原因である。
このそりを防止するためには、建具の枠体に金属製の支持体を入れて補強したり、化粧板の表面および裏面に、防湿層を設けたシートを貼って、湿度の影響を少なくするとともに、応力のバランスを取るなどする場合もある。
当然のことながらこの方法では、建具の重量が重くなるほか、建具の製造工程やコストも見直す必要に迫られる。
また防湿層としては、金属薄膜、金属酸化物薄膜、を用いる場合もあり、アルミニウム蒸着膜やアルミニウム箔を用いることもある。また無機化合物の蒸着膜をプラスチックフィルム上に形成して用いることもできる。
化粧シートは基材として、紙間強化紙などの紙基材を用いて絵柄印刷層を設けた後、樹脂コート層を設けて表面保護層とすることも行なわれている。必要に応じて他のフィルムや紙材料などとの積層も行なわれる。
表面保護層としては、たとえば、水酸基を有するポリエステル系、アクリル系、ポリエーテル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物などのポリオールプレポリマーとイソシアネート化合物を混合して架橋硬化させて用いるなどすることができる。
この表面保護層によって、化粧シートには耐汚染性や耐傷性などが付与されるが、必ずしも万能というわけではなく、とくにクラックや、ピンホールなどの塗膜の微小欠陥がある場合には、油性の汚れなどは紙基材まで浸透して染みを作るおそれがある。
特許文献1には、紙間強化紙を用い、表面保護層を有する化粧シートと、裏面防湿紙とを用いて建具の反りを防止しようとする試みが提案されているが、建具のそりの防止には一定の効果が期待できるものの、生活上起こり得る油性の汚れに対する耐汚染性は考慮されているものではなかった。
また特許文献2には、紙間強化紙を用い、表面保護層を有する化粧シートと、無機物質を含む防湿層を有する合成樹脂フィルムを積層した化粧シートの提案があるが、この場合においても建具のそりの防止と、生活上起こり得る油性汚れに対する耐汚染性の両立を考慮したものではなかった。
特開平9−174767号公報 特開平9−248882号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性を有する化粧シートを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
紙基材上に、印刷絵柄層、トップコート層をこの順に設け、紙基材裏面にはバリアフィルムを積層したシートの製造方法であって、
前記紙基材には耐油紙を用い、
前記印刷絵柄層の上には、硬化型の透明樹脂から成る前記トップコート層を設け、
前記バリアフィルムは、厚さ15nm〜30nmの無機化合物蒸着層がアンカーコート層を介して設けられているプラスチックフィルムからなり、
該バリアフィルムの無機化合物蒸着層上には、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤からなる、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を設け
該バリアフィルム前記紙基材裏面と接着剤を介して貼りあわせることを特徴とする、化粧シートの製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、
前記耐油紙は、フッ素系耐油剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧シートの製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、
前記フッ素系耐油剤は、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、もしくはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含まず、
官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上、80000以下であり、
かつフッ素部位における炭素数が8個未満であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化粧シートの製造方法である。
また、請求項4に記載の発明は、
前記耐油紙は、耐油度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法、N0.41:2
000により測定した値が、2以上であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化粧シートの製造方法である。
本発明によれば、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性を有する化粧シートを提供することが可能である。
とくに請求項2に記載の発明によれば、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温
度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性をより効果的に有する化粧シートを提供することが可能である。
とくに請求項3に記載の発明によれば、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する染込みを抑えて、耐汚染性を有する化粧シートを、より環境適合型の材料を用いて提供することが可能である。
とくに請求項4に記載の発明によれば、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性を、数値化あるいは公平に判断できる方法の形で、化粧シートを提供することが可能である。
図1は本発明に係る、化粧シートの一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。 図2は、実施例のうち、比較例1を説明するための、部分断面模式図である。 図3は、実施例のうち、比較例2を説明するための、部分断面模式図である。
以下、本発明を図を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は本発明に係る、化粧シートの一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
本発明による化粧シート(10)は、紙基材(1)に、印刷絵柄層(9)、トップコート層(4)をこの順に設けた化粧紙(20)に加えて、紙基材(1)の裏面にはバリアフィルム(7)を有する。また、ここに示す例において、印刷絵柄層(9)はベタインキ層(2)および絵柄インキ層(3)とからなる。
本発明においては、紙基材(1)には、耐油紙を用いる。また印刷絵柄層(9)の上には、硬化型の透明樹脂から成る該トップコート層(4)を設けてある。
また、紙基材(1)の裏面には、無機化合物層(6)を有するプラスチックフィルム(5)、すなわちバリアフィルム(7)を、接着剤層(8)を介して貼りあわせてある。
本発明による化粧シート(10)を構成する各材料について個々に説明を加える。
(紙基材)
前述のように本発明においては、紙基材(1)には、耐油紙を用いる。耐油紙を用いることによって、化粧シート(10)の耐油性を向上することができ、仮にトップコート層(4)に、クラックやピンホールなどの微小欠陥が存在する場合においても、油脂汚れによる染み残りを防止することが可能になる。
紙基材(1)は、フッ素系耐油剤を含有することによって耐油性を向上させたものを用いることができる。さらに、フッ素系耐油剤は、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、もしくはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含まず、官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上、80000以下であり、かつフッ素部位における炭素数が
8個未満であることによって、より油脂汚れの染込みをなくして、環境適合的な材料構成とすることができる。
一般にフッ素化合物は耐熱性、耐薬品性、低摩擦性、難燃性、撥水・撥油性などにおいて優れた性能を示す。本発明の化粧シート(10)において、油脂汚れによる染み残りを防止できる性能は、この撥水・撥油性の効果に由来するものである。一方でフッ素化合物は非常に安定した物質であるため、自然界に放出された際にも分解されずに、蓄積されたり、環境影響を及ぼすおそれが指摘されている。
具体的には、オゾン層破壊の懸念であり、地球温暖化の懸念であり、フッ素資源枯渇の懸念であり、また人類を含む生体内への残留、蓄積への懸念であって、なお未知のリスクもゼロとは言い切れない。
我々は鋭意、検討・調査を重ねた結果、耐油紙に含まれるフッ素化合物が、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、もしくはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含まず、官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上、80000以下であり、かつフッ素部位における炭素数が8個未満である場合に、とくに生体残留性のリスクが低いことを見出した。
したがって、本発明による化粧シート(10)において、前述のフッ素化合物を用いる場合には、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する染込みを抑えて、耐汚染性を有する化粧シート(10)を、より環境適合型の材料を用いて提供することが可能である。
また耐油度の基準としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法、N0.41:20000により測定した値が、2以上であることによって、より耐油性に優れた実用的な化粧紙(20)とすることが可能である。
(印刷絵柄層)
印刷絵柄層(9)はベタインキ層(2)および絵柄インキ層(3)とからなる。ベタインキ層(2)は、紙基材(1)を隠蔽する役割を果たすとともに、印刷絵柄層(9)全体の色調を表現する。
また絵柄インキ層(3)は、単色のほか複数の版を用いて構成され、例えば木目柄や抽象柄など、化粧紙(20)のより複雑な絵柄を表現することができる。
印刷方法には、既存の印刷方法を用いればよく、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などから適宜選択して用いることができる。とくにグラビア印刷法は、印刷の精細度、生産性の点からより好適である。
また印刷絵柄層(9)に用いるインキは、格別の制限を設けるものではなく、紙基材への密着性、色調、耐光性などを考慮して適宜選択することができる。
たとえばベタインキ層(2)、および絵柄インキ層(3)には硝化綿系のインキを用いることができ、とくにベタインキ層(2)は、紙基材(1)を隠蔽する役割があるために、顔料に二酸化チタンを含む不透明な層とすることが好ましい。
(トップコート層)
本発明において、印刷絵柄層(9)の上には、硬化型の透明樹脂から成る該トップコート層(4)を設けてある。トップコート層(4)は、化粧シート表面の耐傷性や、対汚染性
を向上させることができ表面保護層として有効である。
トップコート層(4)の樹脂系は硬化型の透明樹脂の中から、適宜選択してよいが、たとえばアクリルポリオールからなるウレタン系樹脂を用いることができる。また意匠性の向上を目的として、はじきインキなどを用いて部分的に光沢の差を設けて、グロスマット効果を持たせることも可能である。
(バリアフィルム)
バリアフィルム(7)は無機化合物層(6)、およびプラスチックフィルム(5)とからなる。無機化合物層(6)とプラスチックフィルム(5)との密着をより強固にすることを目的として、アンカーコートを設けることができる。
本発明による化粧シート(10)を化粧板として建具などに用いる場合に、バリアフィルム(7)によって、建具表裏の温度、湿度の差、とくに湿度による木質基材への影響をなくすことができ、建具のそりを防止することができる
プラスチックフィルム(5)は高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。とくにポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとして使用する場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
無機化合物層(6)には、無機化合物の蒸着層に加えて、コーティング層を重ねて構成することができ、プラスチックフィルム(5)にアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設ける。
バリアフィルム(7)のアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
無機化合物層(6)を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けた基材フィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。蒸着層の厚みは15nm〜30nmが良い。
さらにコーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、バリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるい
は微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、建具などの基材へのラミネート適性なども具備することができる。
(接着剤層)
接着剤層(8)は、化粧紙(2)とバリアフィルム(7)とを、積層して接着する。積層、接着はドライラミネーションを用いて行なうことができ、例えばポリエステル系ドライラミネーション接着剤を用いることができる。
このように、本発明によれば、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性を有する化粧シートを提供することが可能である。
以下本発明を、実施例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によってのみ限定されるものである。
下記実施例1、および比較例1、比較例2に示す材料構成の化粧シートを作成し、評価項目を定めて評価を実施した。
<実施例1>
実施例1の説明は、図1による。
化粧シート(10)の材料構成は以下のとおりである。
紙基材(1):フッ素系耐油剤を含有する耐油紙を用いた。(坪量30g/m
ベタインキ層(2):二酸化チタン70%含有する硝化綿系インキをグラビア印刷法により塗工した。
絵柄インキ層(3):硝化綿系インキを用いてグラビア印刷法により木目の絵柄印刷をした。
トップコート層(4):アクリルポリオールからなるウレタン系樹脂を用いた。(塗布量7g/m)。また表面はグロスマット絵柄付きとした。
無機化合物層(6):SiOを無機化合物として、プラスチックフィルム上に真空蒸着法を用いて、無機化合物層を形成した。
プラスチックフィルム(5):ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)を用いた。
接着剤層(8):紙基材(1)裏面と、バリアフィルム(7)の無機化合物層(6)側を、接着剤層(8)を介して積層、接着した。ポリエステル系ドライラミネーション接着剤(塗布量3g/m)とした。
<比較例1>
比較例1の説明は、図2による。
化粧シート(30)の材料構成は以下のとおりである。
紙基材(11):紙間強化紙を用いた。(坪量30g/m
紙基材(11)以外の材料構成は、実施例1と同様である。
<比較例2>
比較例2の説明は、図3による。
化粧シート(40)の材料構成は以下のとおりである。
紙基材(1):フッ素系耐油剤を含有する耐油紙を用いた。(坪量30g/m)。すなわち化粧紙の部分の材料構成は、実施例1と同様である。
紙基材(1)の印刷を施していない面と、紙間強化紙(13)との間に、防湿層(12)として低密度ポリエチレン層を形成し、積層、接着した。
すなわち比較例2は、バリアフィルムは用いていない構成である。
評価項目は以下のとおりである。
(透湿度):JIS Z 0208による。
(耐油度):JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.41:2000による。
(サラダ油滴下試験):化粧シート表面にズダンブラック(C2924)で染色したサラダ油を1ml滴下して、時計皿で8時間被覆して放置した後、サラダ油を拭き取り、油の染込みの有無を観察する。
(ハンドクリーム評価試験):化粧シート表面にハンドクリーム(ニベアクリーム)(登録商標)を滴下して、時計皿で8時間被覆して放置した後、ハンドクリームを拭き取り、染込みの有無を観察する。
評価結果を、表1に示す。
Figure 0006988155
表1に示す結果から明らかなように、本発明による化粧シートである実施例1は、透湿度は低く、また、耐油度、サラダ油滴下、ハンドクリーム評価、においても優れていることが検証された。
透湿度については、実施例1とおなじくバリアフィルムを用いた比較例1が同様に低く、比較例2は高くなっていることから、無機化合物層を有するバリアフィルムが極めて効果的であって、本発明による化粧シートを、建具などに用いた際には、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができることがわかる。
油脂汚れに対する耐汚染性においては、実施例1とおなじく比較例2が優れており、これは紙基材にフッ素系耐油剤を含有する耐油紙を用いた効果であると考えられる。
本発明による化粧シートは、バリアフィルムによって防湿性を大きく向上させ、耐油紙によって、油脂汚れに対する耐油汚染性を向上させ、それらの両立を実現していることがわかる。
このように本発明によれば、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性を有する化粧シートの提供が可能である。
1・・・紙基材
2・・・ベタインキ層
3・・・絵柄インキ層
4・・・トップコート層
5・・・プラスチックフィルム層
6・・・無機化合物層
7・・・バリアフィルム
8・・・接着剤層
9・・・印刷絵柄層
10・・・化粧シート
11・・・紙基材
12・・・防湿層
13・・・紙間強化紙
20・・・化粧紙
30・・・化粧シート
40・・・化粧シート

Claims (4)

  1. 紙基材上に、印刷絵柄層、トップコート層をこの順に設け、紙基材裏面にはバリアフィルムを積層したシートの製造方法であって、
    前記紙基材には耐油紙を用い、
    前記印刷絵柄層の上には、硬化型の透明樹脂から成る前記トップコート層を設け、
    前記バリアフィルムは、厚さ15nm〜30nmの無機化合物蒸着層がアンカーコート層を介して設けられているプラスチックフィルムからなり、
    該バリアフィルムの無機化合物蒸着層上には、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤からなる、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を設け
    該バリアフィルム前記紙基材裏面と接着剤を介して貼りあわせることを特徴とする、化粧シートの製造方法
  2. 前記耐油紙は、フッ素系耐油剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧シートの製造方法
  3. 前記フッ素系耐油剤は、
    ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、もしくはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含まず、
    官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上、80000以下であり、
    かつフッ素部位における炭素数が8個未満であることを特徴とする、
    請求項1または請求項2に記載の化粧シートの製造方法
  4. 前記耐油紙は、
    耐油度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法、N0.41:2000により測定した値が、2以上であることを特徴とする、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化粧シートの製造方法
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