JP6988155B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents
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紙基材上に、印刷絵柄層、トップコート層をこの順に設け、紙基材裏面にはバリアフィルムを積層したシートの製造方法であって、
前記紙基材には耐油紙を用い、
前記印刷絵柄層の上には、硬化型の透明樹脂から成る前記トップコート層を設け、
前記バリアフィルムは、厚さ15nm〜30nmの無機化合物蒸着層がアンカーコート層を介して設けられているプラスチックフィルムからなり、
該バリアフィルムの無機化合物蒸着層上には、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤からなる、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を設け、
該バリアフィルムを前記紙基材裏面と接着剤を介して貼りあわせることを特徴とする、化粧シートの製造方法である。
前記耐油紙は、フッ素系耐油剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧シートの製造方法である。
前記フッ素系耐油剤は、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、もしくはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含まず、
官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上、80000以下であり、
かつフッ素部位における炭素数が8個未満であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化粧シートの製造方法である。
前記耐油紙は、耐油度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法、N0.41:2
000により測定した値が、2以上であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化粧シートの製造方法である。
度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性をより効果的に有する化粧シートを提供することが可能である。
前述のように本発明においては、紙基材(1)には、耐油紙を用いる。耐油紙を用いることによって、化粧シート(10)の耐油性を向上することができ、仮にトップコート層(4)に、クラックやピンホールなどの微小欠陥が存在する場合においても、油脂汚れによる染み残りを防止することが可能になる。
8個未満であることによって、より油脂汚れの染込みをなくして、環境適合的な材料構成とすることができる。
印刷絵柄層(9)はベタインキ層(2)および絵柄インキ層(3)とからなる。ベタインキ層(2)は、紙基材(1)を隠蔽する役割を果たすとともに、印刷絵柄層(9)全体の色調を表現する。
本発明において、印刷絵柄層(9)の上には、硬化型の透明樹脂から成る該トップコート層(4)を設けてある。トップコート層(4)は、化粧シート表面の耐傷性や、対汚染性
を向上させることができ表面保護層として有効である。
バリアフィルム(7)は無機化合物層(6)、およびプラスチックフィルム(5)とからなる。無機化合物層(6)とプラスチックフィルム(5)との密着をより強固にすることを目的として、アンカーコートを設けることができる。
プラスチックフィルム(5)は高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。とくにポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとして使用する場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
は微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、建具などの基材へのラミネート適性なども具備することができる。
接着剤層(8)は、化粧紙(2)とバリアフィルム(7)とを、積層して接着する。積層、接着はドライラミネーションを用いて行なうことができ、例えばポリエステル系ドライラミネーション接着剤を用いることができる。
このように、本発明によれば、化粧板として建具などに用いて、建具表裏の温度、湿度の差による建具のそりを防止することができるとともに、実生活上で考えられる、油脂汚れに対する耐汚染性を有する化粧シートを提供することが可能である。
実施例1の説明は、図1による。
化粧シート(10)の材料構成は以下のとおりである。
紙基材(1):フッ素系耐油剤を含有する耐油紙を用いた。(坪量30g/m2)
ベタインキ層(2):二酸化チタン70%含有する硝化綿系インキをグラビア印刷法により塗工した。
絵柄インキ層(3):硝化綿系インキを用いてグラビア印刷法により木目の絵柄印刷をした。
トップコート層(4):アクリルポリオールからなるウレタン系樹脂を用いた。(塗布量7g/m2)。また表面はグロスマット絵柄付きとした。
無機化合物層(6):SiOを無機化合物として、プラスチックフィルム上に真空蒸着法を用いて、無機化合物層を形成した。
プラスチックフィルム(5):ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)を用いた。
接着剤層(8):紙基材(1)裏面と、バリアフィルム(7)の無機化合物層(6)側を、接着剤層(8)を介して積層、接着した。ポリエステル系ドライラミネーション接着剤(塗布量3g/m2)とした。
比較例1の説明は、図2による。
化粧シート(30)の材料構成は以下のとおりである。
紙基材(11):紙間強化紙を用いた。(坪量30g/m2)
紙基材(11)以外の材料構成は、実施例1と同様である。
比較例2の説明は、図3による。
化粧シート(40)の材料構成は以下のとおりである。
紙基材(1):フッ素系耐油剤を含有する耐油紙を用いた。(坪量30g/m2)。すなわち化粧紙の部分の材料構成は、実施例1と同様である。
すなわち比較例2は、バリアフィルムは用いていない構成である。
(透湿度):JIS Z 0208による。
(耐油度):JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.41:2000による。
(サラダ油滴下試験):化粧シート表面にズダンブラック(C29H24N6)で染色したサラダ油を1ml滴下して、時計皿で8時間被覆して放置した後、サラダ油を拭き取り、油の染込みの有無を観察する。
(ハンドクリーム評価試験):化粧シート表面にハンドクリーム(ニベアクリーム)(登録商標)を滴下して、時計皿で8時間被覆して放置した後、ハンドクリームを拭き取り、染込みの有無を観察する。
2・・・ベタインキ層
3・・・絵柄インキ層
4・・・トップコート層
5・・・プラスチックフィルム層
6・・・無機化合物層
7・・・バリアフィルム
8・・・接着剤層
9・・・印刷絵柄層
10・・・化粧シート
11・・・紙基材
12・・・防湿層
13・・・紙間強化紙
20・・・化粧紙
30・・・化粧シート
40・・・化粧シート
Claims (4)
- 紙基材上に、印刷絵柄層、トップコート層をこの順に設け、紙基材裏面にはバリアフィルムを積層したシートの製造方法であって、
前記紙基材には耐油紙を用い、
前記印刷絵柄層の上には、硬化型の透明樹脂から成る前記トップコート層を設け、
前記バリアフィルムは、厚さ15nm〜30nmの無機化合物蒸着層がアンカーコート層を介して設けられているプラスチックフィルムからなり、
該バリアフィルムの無機化合物蒸着層上には、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤からなる、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を設け、
該バリアフィルムを前記紙基材裏面と接着剤を介して貼りあわせることを特徴とする、化粧シートの製造方法。 - 前記耐油紙は、フッ素系耐油剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧シートの製造方法。
- 前記フッ素系耐油剤は、
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、もしくはペルフルオロオクタン酸(PFOA)を含まず、
官能基を含めたフッ素樹脂の分子量が3000以上、80000以下であり、
かつフッ素部位における炭素数が8個未満であることを特徴とする、
請求項1または請求項2に記載の化粧シートの製造方法。 - 前記耐油紙は、
耐油度としてJAPAN TAPPI紙パルプ試験方法、N0.41:2000により測定した値が、2以上であることを特徴とする、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化粧シートの製造方法。
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