JP6720498B2 - 建材用防湿シートおよび化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、ドアパネルなどの建具その他の建材を構成する木質系基材などに貼り付けられる建材用防湿シート、およびその防湿シートを有する化粧板に関する。
室内のドアパネルなどの化粧板では、室内雰囲気での温度や湿度の変化による吸湿・放湿などが原因で発生する基材の反りを防止するために、化粧板を構成する木質系基材の表面に防湿シートが貼り合わされる場合がある。
すなわち、化粧板は、例えば合板、中密度繊維板(MDF)、ベニア板、ボード材、その他の多層構造の木質系基材の表面に、隠蔽性を与えるためのベタ印刷層や意匠性を向上させるための絵柄摸様層を印刷した化粧シートを貼り合わせて構成される。そして、これらの化粧板には、温度や湿度による変形(反り、寸法変化)を防止するために、木質系基材の表面に塗料を塗ったり、防湿シートを貼り合せたりする方法が知られている(特許文献1)。
しかし、前記各種化粧板に接着性を有し、防湿性を有する防湿シートに用いる材質としては、単にその間に接着剤を塗布したり、界面に接着性の処理を施したりするだけでは十分な接着性は見込めなかった。特に前記のような温度や湿度の変化による影響に耐えることも要求されるようなものでは十分な接着性を維持することができなかった。
特許第4946350号公報
本発明は、ドアパネルなどの建具に適用しても、環境の温度や湿度の変化による影響に対し、化粧板の反りを抑制し且つ基材との接着性を維持できる防湿シートを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様の建材用防湿シートは、透明な合成樹脂製からなる基材層と、上記基材層の一方の面側に形成された無機酸化物からなる蒸着層と、上記蒸着層の上および上記基材層の他方の面に対しそれぞれ設けられた接着用プライマー層と、を有し、シート全体の水蒸気透過度が1.0g/m・day以下であり、且つシート表面側からシート裏面側が視認可能な透明度を有することを特徴とする。
本発明の態様である防湿シートによれば、所定厚さの合成樹脂製の基材層と蒸着層を有することで、水蒸気透過度が1.0g/m・day以下であることから、優れた防湿性能を有し、このことはまた、本発明の態様である防湿シートを用いた化粧板は、ドア、引き戸、間仕切りなど、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを生じることが殆どないという優れた効果を奏する。
また、本発明の態様である防湿シートを用いた化粧板は、長期間使用された場合などであって、十分な接着性を維持することが可能となる。
更に、視認可能なだけの透明度を有することで、基材の割れなどを防湿シートを貼り付けた後でも確認可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る防湿シートの構成例を示す断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る化粧板を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の建材用防湿シート1は、図1に示すように、透明な基材層2の表面に対して、無機酸化物からなる蒸着層3が形成され、更に、防湿シート1の表裏両面を構成する、蒸着層3の表面、及び基材層2の裏面に対しそれぞれ透明な接着用プライマー層5,6が形成されている。ここで、透明には、表から裏が視認できる程度の透明度を指し、防湿シート1全体で表面側から裏面側が視認できるだけの透明度を指す。
また、防湿シート1は、シート全体の水蒸気透過度が1.0g/m・day以下となっている。
例えば、基材層2を、厚さ12μmの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとする。また、蒸着層3を、酸化アルミニウムを、真空蒸着法を用い、また真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式に150nmの厚みとなるように形成する。その際、蒸着層3と基材層2との密着性及び蒸着層3の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法を用いつつ、蒸着膜の透明性を上げるために、蒸着の際、酸素ガスを吹き込み、反応蒸着を行う。以上の処理によって、水蒸気透過度が1.0g/m・day以下であり、且つシート表面側からシート裏面側が視認可能な透明度を有する建材用防湿シートを作成する事が可能となる。
透明合成樹脂製の基材層2の材料としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
基材層2は、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよいが、後述する蒸着層3が少なくとも一方の面に形成される基材となるものであり、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。基材層2の厚さは、例えば9〜100μmの範囲である。例えば、基材層2は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、基材層2を構成するフィルムは透明である。
蒸着層3は、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜からなる。
ここで、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物からなる蒸着層3は金属光沢があるが、本実施形態のように無機酸化物蒸着層3は透明な蒸着膜となる。
蒸着層3の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、防湿シート1としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は薄膜の残留応力によりフレキシビリティを保持させることができず、成膜後外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることが好ましい。
蒸着層3を基材層2に積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることができる。ただし、生産性を考慮すれば、真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式または抵抗加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着層3と基材層2の密着性及び蒸着層3の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。
接着用プライマー層5,6は、化粧板の木質系基材や化粧シート11との接着を良くするために設けられるものであって、具体的にはエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独ないし混合して接着組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。
接着用プライマー層5,6を構成するプライマーとしては、ウレタン−アクリレート系樹脂が好ましい、すなわち、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体とイソシアネートとからなる樹脂で形成するのが特に好ましい。すなわち、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基をイソシアネートと反応させて硬化させて形成するものである。
成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよいものである。
成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンテンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
成分Bと成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、接着用プライマー層5,6に柔軟性を与え、接着性向上に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、接着用プライマー層5,6の耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、成分Bの分子量は接着用プライマー層5,6に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよいのであって、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(I)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
アクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、イソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより接着用プライマー層5,6を形成すればよいものである。また、イソシアネートとしては、アクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。
接着用プライマー層5,6の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/mであり、好ましくは1〜5g/mである。また、接着用プライマー層5,6は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
次に、本実施形態の防湿シート1を使用した化粧板の例を説明する。
本実施形態では、化粧板として、建具であるドアパネルに適用した場合を例に説明するが。これに限定されない。床パネルなどの化粧板に適用しても構わない。
ドアパネルは、図2に示すように、木質系基材を用いた芯材10の両面にそれぞれ、本実施形態の建材用防湿シート1、化粧シート11がこの順に貼り合わされることで形成されている。
木質系基材としては、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)等が例示出来る。
貼り付ける際の接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの接着剤であってもよいものである。これらは、公知のもの、ないし、市販品を適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、たとえば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができ、また、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。
化粧シート11は、例えば、熱可塑性樹脂層、絵柄層と、表面保護層がこの順に積層して構成されている。但し、化粧シート11の層構成などは、これに限定されるものではなく、適宜公知の化粧シート11を用いることが出来る。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
<実施例1>
12μm厚さの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるPETフィルムを基材層2として、基材層2の表面に酸化珪素からなる蒸着層3を形成した。
また、基材層2の裏面にコロナ放電処理(接着補助処理)を施し、該コロナ放電処理面と蒸着層3の表面とのそれぞれに、主剤としてウレタン樹脂/硝化綿系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷法にて固形分としての塗布量が1g/mの接着用プライマー層5,6を形成した。
以上のように作成した防湿シート1を6mm厚さのMDFに酢酸ビニル系接着剤をウエット状態で8g/m塗布・乾燥した後に、塗布面に防湿シート1の蒸着面側が位置するようにロールラミネート機で貼着した実施例1の化粧板を作製した。
<実施例2>
12μm厚さの蒸着PETフィルムを基材層2として、基材層2の表面に酸化珪素からなる蒸着層3を形成した。
また、基材層2の裏面にコロナ放電処理(接着補助処理)を施し、該コロナ放電処理面と蒸着層3の表面とのそれぞれに、主剤としてウレタン樹脂/塩酢ビ系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷法にて固形分としての塗布量が2g/mの接着用プライマー層5,6を形成した。
以上のように作成した防湿シート1を6mm厚さのMDFに酢酸ビニル系接着剤をウエット状態で8g/m塗布・乾燥した後に、塗布面に防湿シート1の蒸着面側が位置するようにロールラミネート機で貼着した実施例2の化粧板を作製した。
<比較例1>
一方の面にコロナ放電処理を施した23g/mの紙間強化紙をコロナ放電処理面が対向するように配置してTダイ押出機でPEを40μm厚さとなるように加熱溶融押し出しし、いわゆるサンドイッチラミネーション法で積層した防湿シート1(紙間強化紙23g/m/PE40μm/紙間強化紙23g/m)を作製した。
該防湿シート1を3mm厚さのMDFに酢酸ビニル系接着剤をウエット状態で8g/m塗布・乾燥した後に、該塗布面にロールラミネート機で貼着した化粧板を作製した。
<評価>
上記で作製した実施例1、2、および、比較例1の化粧板について、水蒸気透過度、平面引張強度、透明度を評価した。その結果を表1に纏めて示した。
・水蒸気透過度 :JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準拠して実施例1、および、比較例1、2の防湿シート1を測定して水蒸気透過度を算出した。水蒸気透過度の単位は、g/m・dayである。
・平面引張強度 :JAS合板 平面引張試験に準拠して測定して平面引張強度を算出した。平面引張強度の単位はN/cmである。
なお、評価に供した化粧板は、防湿シート1とMDFとを24時間コールドプレスしたもの用い、化粧板を5cm角にカットし、底辺が2cm角の金属治具を防湿シート1面にシアノアクリレート系接着剤にて貼り、24時間常温(約23℃)養生した後、カッターナイフにて金属治具に沿ってMDFにまで達する切り込みを入れ、測定試験機器により試験片に対して垂直面方向に引張り、その際の剥離界面を目視観察して評価すると共に引張強度を測定した。
・透明度 :試験員が各化粧板を視認により基材であるMDFの表面が確認できるか確認した。
評価は次の指標で実施した。
MDFの表面が視認できない:×
MDFの表面の板目が確認できる:△
MDFの表面の板目がはっきり確認できる:○
Figure 0006720498
表1からも明らかなように、本発明の防湿シート1は、従来に比べて水蒸気透過度が向上して、雰囲気の温度・湿度の変化により発生する化粧板の反りを格段に少なくすることができることが分かる。
また、平面引張強度においては、紙層を層構成に用いないために、化粧板用基材の層間剥離で材料破壊となり、紙間剥離に比べて剥離強度が向上する。
また所定の透明度があるので、木質系基材の割れの有無を容易に確認することが出来る。
1 建材用防湿シート
2 基材層
3 蒸着層
5,6 接着用プライマー層
10 芯材
11 化粧シート

Claims (5)

  1. 透明な合成樹脂製からなる基材層と、
    上記基材層の一方の面側に形成された無機酸化物からなる蒸着層と、
    上記蒸着層の上および上記基材層の他方の面に対しそれぞれ設けられた接着用プライマー層と、を有し、
    シート全体の水蒸気透過度が1.0g/m2・day以下であり、
    且つシート表面側からシート裏面側が視認可能な透明度を有し、
    上記蒸着層の厚さが5nm以上300nm以下の範囲内であり、
    上記接着用プライマー層は、ウレタン樹脂と塩酢ビ系樹脂とを含む主剤と、硬化剤とからなる2液硬化型樹脂で形成されていることを特徴とする建材用防湿シート。
  2. 上記蒸着層の厚さが10nm以上150nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の建材用防湿シート。
  3. 上記無機酸化物は、酸化珪素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建材用防湿シート。
  4. 上記基材層の他方の面は、コロナ放電処理面であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の建材用防湿シート。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の建材用防湿シートが、酢酸ビニル系接着剤を介して、木質系基材の面に貼り付けられたことを特徴とする化粧板。
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