JP4998043B2 - 化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、木質系基材に貼着する防湿シートおよびそれを用いた化粧シートおよびそれらからなる化粧板に関し、さらに詳しくは、環境温・湿度の変化による木質系基材の吸湿や放湿によって生じる反りを防止する機能を有する防湿シートおよびそれを用いた化粧シートおよびそれらからなる化粧板に関するものである。
従来から、合板、中密度繊維板(MDF)、ハードボード、パーティクルボード等の木質系基材の表面に化粧シートを貼着した化粧板がドア、引き戸、間仕切り等の表面材として用いられている。木質系基材は、その含水率が外気条件下における木質系基材の平衡含水率より小さい場合には、化粧板の化粧シートを貼着していない面から吸湿・吸水し、この面を膨張させ、また、反対に木質系基材の含水率が、外気条件下における木質系基材の平衡含水率より大きい場合には、放湿・放水して収縮させるのに対し、化粧シートを貼着した面は吸・放湿が殆どないために、化粧板の化粧シートを貼着した面と木質系基材が表出した面との膨張率または収縮率が異なり、化粧板に反りが発生し、商品価値を落とす結果となる。
このような反りを防止する方法としては、たとえば、化粧板を金属等で反らないように十分に補強する方法、あるいは、表面に化粧シートを貼着した化粧板の裏面側に、化粧板の裏面からの吸・放湿による木質系基材の含水率の変化を防ぐために塗料を塗装する方法、あるいは、表面に化粧シートを貼着した化粧板の裏面側に、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートを貼着する方法、あるいは、紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シート(たとえば、特許文献1参照)を貼着する方法等が知られている。
化粧板を補強する方法は、補強することにより反りは防止することができるが、フラッシュドアのような補強を十分に行なうことができない構造の場合には反りを防止することはできないという問題があり、また、塗料を塗装する方法は、木質系基材の表面の塗料の吸い込みが強く、また、表面の平滑度が悪いために均一な防湿、防水層を形成することが難しいという問題があり、フラッシュドアに対しても適用可能であり、ある程度反りを防止することができることなどから、合成樹脂製シートあるいは防湿シートを貼着する方法が採用され、広く使用されている。
しかしながら、合成樹脂製シートあるいは防湿シートを貼着する方法を採用した化粧板であっても、両側の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り等に長期間使用された場合には、木質系基材の水分分布に一方の面側と他方の面側とで差が生じ、その結果、両面の伸張や収縮の度合いが異なり、反りが発生する場合がある。また、別の問題として、防湿シートを用いた場合には両面が紙層であり、エマルジョン型接着剤で木質系基材に容易に貼着することができるという加工適性の面で優れた効果を奏する反面、紙層の層間強度が弱いために、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合など、紙層の層間から剥離する虞がある。
特開平9−29919号公報
そこで本発明は、ドア、引き戸、間仕切り等において、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを防止して商品価値を落とすことがない防湿シートおよびそれを用いた化粧シートおよびそれらからなる化粧板を提供することであり、また、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合などに剥離する虞がない防湿シートおよびそれを用いた化粧シート及びそれらからなる化粧板を提供することである。さらに、防湿シートを化粧シートの構成素材として用いることから、化粧板とした際に化粧板用基材の表面色や色むらを隠蔽して化粧シートの意匠性を損なうことがない防湿シートおよびそれを用いた化粧シート及びそれらからなる化粧板を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、着色した合成樹脂製基材層と無機酸化物蒸着層とポリビニルアルコールに無機酸化物が含まれた組成物からなる樹脂層と接着用プライマー層がこの順に積層されてなる防湿シートの前記合成樹脂製基材層の表出面に印刷層を設け、該印刷層面全面に接着剤層を介して合成樹脂製透明層を設け、該合成樹脂製透明層の全面に硬化型樹脂からなる表面保護層を設けてなる化粧シートの前記接着用プライマー層面全面に接着剤層を介して化粧板用基材を設けてなることを特徴とする化粧板である。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の化粧板において、前記無機酸化物が酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよびこれらの混合物から選ばれたものであることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明、請求項1または2に記載の化粧板において、前記化粧板用基材の表出面に着色した合成樹脂製基材層と蒸着層とポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールに無機酸化物が含まれた組成物からなる樹脂層と接着用プライマー層がこの順に積層されてなる防湿シートを設けてなることを特徴とするものである。
本発明の防湿シートは、透湿度(JIS Z 0208)が2.0g/m2 ・24hr以下であるために、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートあるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シートに比べて格段に優れた防湿性能を有し、また、本発明の防湿シートおよびそれを用いた化粧シートからなる化粧板は、ドア、引き戸、間仕切りなど、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを生じることが殆どないという優れた効果を奏する。また、本発明の防湿シートおよびそれを用いた化粧シートからなる化粧板は、長期間使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合などに剥離する虞が殆どないという優れた効果を奏する。また、本発明の防湿シートおよびそれを用いた化粧シートからなる化粧板は、化粧板用基材の表面色や色むらを隠蔽して化粧シートの意匠性を損なうことがないという優れた効果を奏する。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートの一実施例を図解的に示す層構成図、図2は本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートを用いた化粧シートの参考形態を図解的に示す層構成図、図3は本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートを用いた化粧シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図、図4は本発明にかかる防湿シートおよび化粧シートを用いた化粧板の参考例を図解的に示す層構成図、図5は本発明にかかる防湿シートおよび化粧シートを用いた化粧板の実施例を図解的に示す層構成図であって、図中の1は防湿シート、2,2’は化粧シート、3は化粧板、10は着色した合成樹脂製基材層、11は蒸着層、12は接着剤層、13は合成樹脂製透明層、15,16は接着用プライマー層、17は印刷層、18は表面保護層、19は接着剤層、20は化粧板用基材をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートの一実施例を図解的に示す層構成図であって、防湿シート1は着色された合成樹脂製基材層(以下、合成樹脂製着色基材層と呼称する)10の一方の面に蒸着層11と接着用プライマー層15とを形成したものである。なお、前記合成樹脂製着色基材層10の他方の面に、必要に応じて接着用プライマー層16(図4、5参照)を設けてもよいものである。なお、他方の面に接着用プライマー層16を設ける場合としては、たとえば、化粧板用基材の裏面に防湿シート1として本来の目的に使用する場合に設けるものであり、この防湿シート1を設けた化粧板を、たとえば、ドア、引き戸、間仕切りなどの芯材に貼着する際に、芯材と化粧板とを接着する接着剤の選択肢が広がり、貼着作業を容易なものとすることができるという効果を奏する。
図2は本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートを用いた化粧シートの参考形態を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2は前記防湿シート1の前記合成樹脂製着色基材層10の表出面に印刷層17を設け、該印刷層17面全面に硬化型樹脂からなる表面保護層18を設けたものである。
図3は本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートを用いた化粧シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2’は前記防湿シート1の前記合成樹脂製着色基材層10の表出面に印刷層を設け、該印刷層17面全面に接着剤層12を介して合成樹脂製透明層13を設け、該合成樹脂製透明層13面全面に硬化型樹脂からなる表面保護層18を設けたものである。
図4は本発明にかかる防湿シートおよび化粧シートを用いた化粧板の参考例を図解的に示す層構成図であって、化粧板3は化粧板用基材20の一方の面に図2に示した化粧シート2を表面保護層18が表出するように接着剤層19を介して貼着し、他方の面に図1に示した防湿シート1を蒸着層11が化粧板用基材20側に位置するように接着剤層19を介して貼着したものである。
図5は本発明にかかる防湿シートおよび化粧シートを用いた化粧板の実施例を図解的に示す層構成図であって、化粧板3は化粧板用基材20の一方の面に図3に示した化粧シート2’を表面保護層18が表出するように接着剤層19を介して貼着し、他方の面に図1に示した防湿シート1を蒸着層11が化粧板用基材20側に位置するように接着剤層19を介して貼着したものである。
なお、図4、5において、防湿シート1の表出面に接着用プライマー層16を設けた実施例を示したが、これは上記したように、たとえば、ドア、引き戸、間仕切りなどの芯材に貼着する際の貼着作業を容易なものとするために設けたものである。
次に、防湿シート1、化粧シート2,2’および化粧板3を構成する諸材料について説明する。まず、前記合成樹脂製着色基材層10としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。前記合成樹脂製着色基材層10は、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよいものである。着色剤としては、耐候性に優れる周知の顔料を適宜用いることができ、上記樹脂と顔料との混合方法はドライブレンドであっても、マスターバッチのいずれであってもよいが、ムラのない均一な着色基材層を得るという意味ではマスターバッチが好ましい。なお、前記合成樹脂製着色基材層10は、着色した透明、半透明あるいは不透明(隠蔽性がある)のいずれであってもよいものである。
また、前記蒸着層11としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、あるいは、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜からなる無機酸化物蒸着層であり、この蒸着層11は真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法等の周知の蒸着法で、上記した合成樹脂製着色基材層10の少なくとも一方の面に薄膜形成される。なお、前記蒸着層11としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる蒸着層は金属光沢があるために、印刷層17を形成する必要がある化粧シート2,2’に対しては、意匠性の点から金属光沢を隠蔽しなければならないという問題があり、また、フラッシュドア加工の際に高周波を使用して接着を行う場合などがあり、より好ましくは、蒸着層が透明である無機酸化物蒸着層である。また、前記蒸着層11のガスバリアー性を一層向上させる目的で、前記蒸着層11上にポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコールに酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物を添加した組成物をロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布方法でポリビニルアルコール層あるいは前記組成物層を塗布形成してもよいものである。
また、前記合成樹脂製透明層13としては、前記合成樹脂製着色基材層10で説明した樹脂ないし樹脂をシート化したものを用いることができ、前記合成樹脂製着色基材層10と同様に未延伸の状態、あるいは、一軸ないし二軸方向に延伸した状態のいずれの状態であってもよいし、また、2層以上積層した状態であってもよいのであって、種々の構成を適宜採ることができる。また、前記合成樹脂製透明層13は、半透明であってもよいし、また、着色した透明あるいは半透明であってもよいものである。
前記合成樹脂製着色基材層10および前記合成樹脂製透明層13の厚さとしては、概ね12〜300μmが適当である。また、これらの層10、13は、必要に応じて必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の周知の易接着処理を施してもよいものである。また、これらの層2、2’は、適宜、酸化防止剤、光安定剤、紫外線防止剤等の周知の添加剤を添加したものであってもよいものである。
また、前記印刷層17としては、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷法でインキを用いて形成することができる。前記印刷層17としては、通常、たとえば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄等の模様柄印刷層と、隠蔽性を有するベタ柄印刷層とからなるものであるが、いずれか一方の構成であってもよいものである。
前記印刷層17を形成するインキとしては、ビヒクルとして塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂等を1種ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができ、環境問題を考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合した非塩素系のビヒクルが適当であり、より好ましくはポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合したものである。これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができる。
次に、前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16について説明する。前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16に用いる樹脂としては、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独ないし混合して接着組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。
しかしながら、前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16は、(I)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と、(II)イソシアネートとからなる樹脂で形成するのが特に好ましい。すなわち、(I)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(II)のイソシアネートと反応させて硬化させて形成するものである。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよいものである。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、上記に塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンテンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16に柔軟性を与え、接着性向上に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよいのであって、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(I)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(I)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(II)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16を形成すればよいものである。また、(II)のイソシアネートとしては、(I)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。
なお、前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2であり、好ましくは1〜5g/m2である。また、前記接着剤層12および前記接着用プライマー層15,16は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
次に、前記表面保護層18について説明する。この表面保護層18は化粧シート2,2’に要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性、耐候性等の表面物性を付与するために設けられるものであり、この表面保護層18を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂ないし電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂を用いて形成するのが適当であるが、より好ましくは表面硬度が硬く、生産性に優れるなどから電離放射線硬化型樹脂である。
熱硬化型樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。上記樹脂には必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、または、重合促進剤を添加して用いる。たとえば、硬化剤としては、イソシアネートまたは有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤は不飽和ポリエステル樹脂に添加される。上記熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、たとえば、上記した熱硬化型樹脂を溶液化し、ロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布法で所定の面に塗布し、乾燥すると共に硬化させることにより形成することができる。表面保護層18の塗布量としては、固形分で概ね5〜200g/m2 が適当であり、好ましくは5〜30g/m2 である。
また、電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、またはエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマーまたはポリマーからなる。これら単量体、プレポリマーまたはポリマーは、単体で用いるか、あるいは、複数種混合して用いる。なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレートないしメタアクリレートの意味で用いる。また、電離放射線とは、電磁波ないし荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常は紫外線ないし電子線である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートとは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンテレフタレート等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有する単量体は、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
上記した電離放射線硬化型樹脂を、紫外線を照射することにより硬化させる場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単独ないし混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独ないし混合物として用いることができる。なお、これら光重合開始剤の添加量は、一般に、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。前記表面保護層18の形成方法としては、前記した電離放射線硬化型樹脂を溶液化し、グラビアコート法やロールコート法等の周知の塗布方法で所定の面に塗布することにより形成することができる。塗布量としては、固形分として概ね5〜200g/m2 が適当であり、好ましくは5〜30g/m2 である。
また、前記表面保護層18には、要求される物性に応じて、たとえば、ベンゾトリアゾール系,ベンゾフェノン系,トリアジン系等の周知の有機系紫外線吸収剤や平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン,酸化セリウム,酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤、あるいは、ヒンダードアミン系等の周知の光安定剤、あるいは、帯電防止剤、レべリング剤等の周知の添加剤を添加することができる。
次に、前記接着剤層19について説明する。前記接着剤層19は、防湿シート1および化粧シート2,2’と化粧板用基材20とを貼着するために用いる層であり、前記接着剤層19を形成する接着剤としては、たとえば、熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの接着剤であってもよいものである。これらは、公知のもの、ないし、市販品を適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、たとえば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができ、また、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。特に、化粧シート2,2’と化粧板用基材20とを貼着する前記接着剤層19は化粧板用基材20の表面色を隠蔽して意匠性を向上させるために、顔料等により着色してもよいものである。
また、前記化粧板用基材20としては、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)等の木質系基材たフラッシュ構造からなる基材を挙げることができる。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
[実施例1]
一方の面にアルミナ蒸着層を設けた60μm厚さの着色ポリプロピレンフィルム(以下、着色PPフィルムと呼称する)の蒸着層面にポリビニルアルコール溶液を乾燥後に0.2g/m2 となるようにグラビア印刷法で塗布した後に、コロナ放電処理を施した着色PPフィルム面にポリウレタン/アクリルポリオール系樹脂を主体とし、硬化剤としてイソシアネートを添加したビヒクルからなる2液硬化型印刷インキを用いて、グラビア印刷法でベタ柄印刷層を形成し、次いでポリウレタン/アクリルポリオール系樹脂をビヒクルとする印刷インキを用いて模様柄印刷層(木目模様)を形成し、次いで、ポリビニルアルコールを塗布した蒸着層面に、主剤としてのウレタン樹脂/硝化綿系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷法にて固形分としての塗布量が2g/m2 の接着用プライマー層を形成した中間シートを作製した。さらに、前記中間シートの印刷層面全面に、2液硬化型ウレタン系樹脂からなる接着剤層(固形分として2g/m2 )を形成し、該接着剤層面にエチレン/プロピレン/ブテン共重合体を主成分とし、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を添加したポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイ押出機で加熱溶融押出しして、80μm厚さの透明樹脂層を形成し、次いで前記透明樹脂層面全面にアクリル/ウレタンブロック共重合体を主剤とし、硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン系樹脂を塗布して透明プライマー層(固形分として1g/m2 )を形成し、さらに前記透明プライマー層面全面に、ウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂を塗布すると共に電子線〔加速電圧:175KeV、照射量:5Mrad〕を照射して透明な表面保護層(固形分として5g/m2 )を形成すると共に、前記表面保護層側からエンボス加工して凹陥模様を設けた化粧シートを作製した。該化粧シートを3mm厚さのMDFに酢酸ビニル系接着剤をウエット状態で8g/尺2 塗布・乾燥した後に、該塗布面に前記化粧シートの蒸着層面側が位置するようにロールラミネート機で貼着した化粧板を作製した。
[比較例1]
一方の面にコロナ放電処理を施した23g/m2 の紙間強化紙と30g/m2 の紙間強化紙をコロナ放電処理面が対向するように配置してTダイ押出機でPEを40μm厚さとなるように加熱溶融押し出しし、いわゆるサンドイッチラミネーション法で積層した積層体(紙間強化紙23g/m2 /PE40μm/紙間強化紙30g/m2 )を作製した。次いで、前記積層体の30g/m2の紙間強化紙の表出面に、主剤としての硝化綿系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加したビヒクルからなる2液硬化型印刷インキを用いて、グラビア印刷法でベタ柄印刷層を形成し、次いで硝化綿系樹脂をビヒクルとする印刷インキを用いて絵柄印刷層を形成し、次いで、主剤としてのアクリルポリオール系樹脂に硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷法で前記ベタ印刷層および絵柄印刷層を形成した面全面に固形分として16g/m2 )をとなるように印刷して表面保護層を形成した化粧シートを作製した。前記化粧シートを3mm厚さのMDFに酢酸ビニル系接着剤をウエット状態で8g/尺2 塗布・乾燥した後に、該塗布面に前記化粧シートの23g/m2 の紙間強化紙の表出面が位置するようにロールラミネート機で貼着した化粧板を作製した。
[比較例2]
一方の面にアルミナ蒸着層を設けた60μm厚さの着色PPフィルムに代えて、蒸着層のない単なる60μm厚さの着色PPフィルムを用いた以外は実施例2と同様にして化粧板を作製した。当然、蒸着層がないためにポリビニルアルコール溶液の塗布も行わなかった。
上記で作製した実施例および、比較例1、2に化粧板について、透湿度、平面引張強度を下記する評価方法で評価し、その結果を表1に纏めて示した。
Figure 0004998043
〔評価方法〕
・透湿度:JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準拠して実施例1、2、および、比較例1、2の化粧シートを測定して透湿度を算出。
・平面引張強度:JAS合板 平面引張試験に準拠して測定して平面引張強度を算出。
なお、評価に供した化粧板は、防湿シートとMDFとを24時間コールドプレスしたもの用い、化粧板を5cm角にカットし、底辺が2cm角の金属治具を防湿シート面にシアノアクリレート系接着剤にて貼り、24時間常温(約23℃)養生した後、カッターナイフにて金属治具に沿ってMDFにまで達する切り込みを入れ、測定試験機器により試験片に対して垂直面方向に引っ張り、その際の剥離界面を目視観察して評価すると共に引張強度を測定した。
表1からも明らかなように、本発明の化粧シートはアルミナ蒸着層を設けたことにより、透湿度性能の向上が見られ、環境温湿度の変化により発生する化粧板の反りをアルミナ蒸着層が層構成中に存在しない従来品(比較例1、2)に比べて少なくすることができるという効果を期待できる。また、平面引張強度においては、紙層からなる比較例1が紙間剥離となるのに対して、実施例は化粧板用基材の層間剥離(材料破壊=材破)となるために剥離強度を向上させることができる。
本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートの一実施例を図解的に示す層構成図である。 本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートを用いた化粧シートの参考形態を図解的に示す層構成図である。 本発明にかかる化粧板に用いる防湿シートを用いた化粧シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図である。 本発明にかかる防湿シートおよび化粧シートを用いた化粧板の参考例を図解的に示す層構成図である。 本発明にかかる防湿シートおよび化粧シートを用いた化粧板の実施例を図解的に示す層構成図である。
1 防湿シート
2,2’ 化粧シート
3 化粧板
10 着色した合成樹脂製基材層
11 蒸着層
12,19 接着剤層
13 合成樹脂製透明層
15,16 接着用プライマー層
17 印刷層
18 表面保護層
20 化粧板用基材

Claims (3)

  1. 着色した合成樹脂製基材層と無機酸化物蒸着層とポリビニルアルコールに無機酸化物が含まれた組成物からなる樹脂層と接着用プライマー層がこの順に積層されてなる防湿シートの前記合成樹脂製基材層の表出面に印刷層を設け、該印刷層面全面に接着剤層を介して合成樹脂製透明層を設け、該合成樹脂製透明層の全面に硬化型樹脂からなる表面保護層を設けてなる化粧シートの
    前記接着用プライマー層面全面に接着剤層を介して化粧板用基材を設けてなることを特徴とする化粧板
  2. 前記無機酸化物が酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよびこれらの混合物から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の化粧板
  3. 前記化粧板用基材の表出面に
    着色した合成樹脂製基材層と蒸着層とポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコールに無機酸化物が含まれた組成物からなる樹脂層と接着用プライマー層がこの順に積層されてなる防湿シートを設けてなることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧板
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