JP2000265589A - 内外装用断熱シート及び内外装用断熱部材 - Google Patents

内外装用断熱シート及び内外装用断熱部材

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JP2000265589A
JP2000265589A JP7162699A JP7162699A JP2000265589A JP 2000265589 A JP2000265589 A JP 2000265589A JP 7162699 A JP7162699 A JP 7162699A JP 7162699 A JP7162699 A JP 7162699A JP 2000265589 A JP2000265589 A JP 2000265589A
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heat insulating
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exterior
resin
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Hironori Kamiyama
弘徳 上山
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保冷や保温等の断熱効果を有し、反りや結露
を生じない内外装用断熱シートと、そのシートを金属基
材に積層した内外装用断熱部材を提供する。 【解決手段】 化粧層1の裏側に、細胞状樹脂からなり
複数の開口部4を有する断熱層2、支持層3を積層し、
開口部を、化粧層、断熱層及び支持層によって囲い込み
複数の中空空間5とする。断熱層は独立気泡の集合体等
とする。支持層3の裏側に、更に第二の断熱層2Aと第
二の支持層3Aを積層し、断熱層2Aの開口部4Aを、
複数の第二の中空空間5Aとしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、建具、及
び乗り物等の内装又は外装用、すなわち、内外装用とし
て、用いられる内外装用断熱シートと、それを金属等の
基材に積層して得られる内外装用断熱部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄やアルミニウム等からなる
板や立体物等の基材表面を、天然木等の絵柄や色調に化
粧した内外装用部材が、上記の如き各種用途で使用され
ている。そして、表面の化粧は、例えば、樹脂シートに
印刷等で装飾処理を施した化粧シート等を基材に積層す
る事で、化粧層を形成する方法で行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、基材が鉄、
アルミニウム等の金属基材の場合には、内外装用部材の
熱伝導率が高くなり、例えば、夏期の冷房や冬季の暖房
時に、内外装用部材での保冷や保温の断熱効果が不十分
となったり、室内暖房時に結露が生じたり、日光の赤外
線によって加熱され熱膨張による反りが生じたりする、
問題があった。
【0004】そこで、本発明の課題は、保冷や保温等の
優れた断熱効果を有し、反りや結露を生じない内外装用
断熱シートと、該内外装用断熱シートを金属等の基材に
積層してなる内外装用断熱部材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の内外装用断熱シートでは、化粧層の裏側
に、細胞状樹脂からなり複数の開口部を有する断熱層
と、支持層とが、この順に積層され、該断熱層の複数の
開口部が、化粧層、断熱層及び支持層とに囲まれること
によって、複数の中空空間を形成している構成とした。
また、この断熱層の細胞状樹脂は独立気泡の集合体とす
る構成が好ましい。
【0006】また、本発明の内外装用断熱シートは、上
記内外装用断熱シートの支持層の裏側に、更に、複数の
開口部を有する第二の断熱層と第二の支持層とがこの順
に積層され、第二の断熱層の複数の開口部が、前記支持
層、第二の断熱層及び第二の支持層とに囲まれることに
よって、複数の第二の中空空間を形成し、且つ該中空空
間が、上記内外装用断熱シートの中空空間に対して、2
層で互い違いに形成されている構成とした。
【0007】以上の様に、本発明の内外装用断熱シート
は、断熱層によって保冷や保温の断熱効果を有し、しか
も、その断熱層が有する開口部を中空空間としてあるの
で、より大きな断熱効果を有する。更に、裏面に第二の
断熱層等を積層した構成では、断熱層が2層になる事と
各2層の断熱層による各中空空間を互い違いに形成して
ある事とによって、より大きな断熱効果が得られる。
【0008】また、本発明の内外装用断熱シートは、上
記構成に対して更に、化粧層、支持層、第二の支持層の
いずれか一層以上を防湿性とした。この様に、防湿性を
付与する事によって、湿気が内外装用断熱シート内部に
進入して断熱性を低下させたり、該内外装用断熱シート
を通過して内外装用断熱部材の基材まで達して、基材に
腐食、錆、或いは黴が発生したりすることを防止でき
る。
【0009】本発明の内外装用断熱部材は、上記いずれ
かの内外装用断熱シートが、その裏面側で直接又は他の
層を介して基材に積層されてなる構成とした。その結
果、上記した内外装用断熱シートによる断熱効果が得ら
れる。この為、この例えば冬季の暖房等によって起こる
結露の問題等を効果的に防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。なお、図1は本発明の内外
装用断熱シートの基本的構成となる形態例を示す断面
図、図2は中空空間となる断熱層の開口部の各種形状例
を示す平面図、図3は本発明の内外装用断熱シートの或
る一形態を示す断面図、図4〜図6は本発明の内外装用
断熱シートの他の形態例の幾つかを例示する断面図、図
7は本発明の内外装用断熱部材の或る一形態を示す断面
図である。
【0011】〔概要〕先ず、図1の断面図で、本発明の
内外装用断熱シートSの基本的な構成を説明する。図1
(A)に例示する内外装用断熱シートSは、断熱層が1
層の場合であり、化粧層1の裏側に、細胞状樹脂からな
り複数の開口部を有する断熱層2と、支持層3とが、こ
の順に積層され、断熱層2の複数の開口部4が、化粧層
1、断熱層2及び支持層3とによって包囲されて、複数
の中空空間5を形成している、内外装用断熱シートであ
る。細胞状樹脂からなる断熱層2は、例えば独立気泡の
集合体等である。また、図1(B)に例示する内外装用
断熱シートSは、断熱層が2層の場合であり、化粧層1
の裏側に、細胞状樹脂からなり複数の開口部を有する断
熱層2と、支持層3とが、この順に積層され、断熱層2
の複数の開口部4が、化粧層1、断熱層2及び支持層3
とによって包囲されて、複数の中空空間5を形成した積
層体〔この積層体が上記図1(A)の内外装用断熱シー
トSに相当する〕に対して、更に、該支持層3の裏側
に、複数の開口部を有する第二の断熱層2Aと第二の支
持層3Aとがこの順に積層され、第二の断熱層2Aの複
数の開口部4Aが、前記支持層3、第二の断熱層2A及
び第二の支持層3Aとによって包囲されて、複数の第二
の中空空間5Aを形成し、且つ該中空空間5Aが、前記
中空空間5に対して、断熱層2及び断熱層2A(或いは
中空空間自体を層とみれば、中空空間5と中空空間5
A)の2層で互い違いに形成されている構成の内外装用
断熱シートである。そして、図7は、本発明の内外装用
断熱部材の或る一形態を例示する断面図であり、上記の
如き内外装用断熱シートSが、接着剤層7を介して基材
8の表面に積層された構成の部材である。
【0012】〔断熱層〕断熱層2は、外界から熱が伝導
してくるのを遮断して、基材が熱伝導により昇温或いは
冷却されるのを防止するために設けられる。断熱層とし
ては、化粧層側から基材側へ、或いは逆に基材側から化
粧層側への熱伝導及び対流による熱移動を抑制すること
が可能なものであれば、基本的にはいずれでも良い。但
し、本発明では、この断熱層は細胞状樹脂から構成す
る。断熱層を細胞状樹脂から構成する事によって、断熱
層を例えば繊維質シートから構成する場合等に比べて、
内外装用断熱シート及び内外装用断熱部材の加工適性が
向上する他、断熱性能も良好なものと出来る。
【0013】細胞状樹脂から構成する断熱層としては、
何らかの形で内部が空気等の気体、減圧又は真空からな
る多数の密閉空間を細胞状に樹脂を用いて形成した層を
使用できる。該断熱層としては、例えば、中空ビーズ
を樹脂中に分散保持したもの、各種樹脂中に、マイク
ロカプセル型発泡剤及び/又は熱分解型発泡剤を添加し
これを加熱発泡させてなる、押出し発泡ポリスチレンフ
ォーム及びビーズ法ポリスチレンフォーム等のポリスチ
レンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、ポリエチレ
ンフォーム、発泡塩化ビニルフォーム及びフェノール樹
脂フォーム等の発泡プラスチック系断熱材からなる樹脂
発泡体、或いは、コルク粉を樹脂中に分散保持したも
のでも良い。なかでも、上記の樹脂発泡体は、細胞状
樹脂の断熱層として好ましい一例である。それは、本発
明の特徴である断熱層の開口部を打ち抜きプレス等で形
成する場合に、その形成が、や等の他の断熱層に比
べて容易であるからである。
【0014】また、断熱層が樹脂発泡体であれば、
(a)中空ビーズ等を用いる断熱層と比較して、密度が
低く、断熱効果の高い断熱層を有する内外装用断熱シー
ト及び内外装用断熱部材とすることができること、
【0015】(b)断熱効果は断熱層が厚みが厚いほど
高い効果を得ることができる。従って、樹脂発泡体を断
熱層に用いることにより、厚い層の断熱層を容易に形成
することができ、優れた断熱効果を得ることができるこ
と、及び、
【0016】(C)樹脂発泡体からなる断熱層は、中空
ビーズを添加し分散保持した樹脂層に比較して、断熱層
の可撓性が良好で、内外装用断熱シートのVカット加
工、ラッピング加工等の折り曲げ加工適性も良好となる
こと、等の理由もある。
【0017】なお、断熱層とする樹脂発泡体は、各種製
造法により製造し得る。例えば、次の(A) 〜(C) に示す
方法等が挙げられる。
【0018】(A) 各種樹脂中にマイクロカプセル型発泡
剤及び/又は熱分解型発泡剤を添加する方法。
【0019】ここで用いられるマイクロカプセル型発泡
剤としては、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデ
ン等の樹脂からなる中空の微小球殻中に、熱膨張性気体
として、空気、ブタン、ペンタン、ヘキサン等を内包し
たもの等が挙げられる。
【0020】又、熱分解型発泡剤としては、アゾジカル
ボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド、パラトルエンスルホニ
ルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等
の有機系のもの、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウ
ム、ソジウムボロンハイドライド等の無機系のものが挙
げられる。これら発泡剤は一種若しくは二種以上を用い
る。
【0021】発泡剤の添加量は、べ一スとなる樹脂の種
類、発泡剤の種類、発泡条件、発泡促進触媒の有無等に
より異なるが、通常は、べ一スとなる樹脂100重量部
に対して3〜50重量部程度であり、この範囲の中か
ら、以下で述べるような所望の発泡倍率を得るように添
加量を加減して選べば良い。
【0022】そして、発泡剤を所定量配合させたバイン
ダー樹脂の加熱熔融物、有機溶剤溶液、或いは発泡剤を
所定量配合させた樹脂エマルション(水分散懸濁液)か
らなるバインダー樹脂組成物を、塗工又は製膜して、
(加熱)発泡させることにより、樹脂層中に多数の細胞
状気泡を有する樹脂発泡体を、細胞状樹脂からなる断熱
層として形成することができる。なお、塗工の代わりに
スクリーン印刷等の印刷法で行えば、開口部も同時に形
成した断熱層が形成できる。
【0023】(B) 或いは、熔融樹脂中に、空気、窒素、
炭酸ガス、ブタン等の気体を注入したものを、Tダイか
ら押し出し成形して、冷却固化させる方法、(C) その他
の方法等による。これらの中でも、(B) の製法が高発泡
倍率を容易に得られること、樹脂発泡体の断熱効果が良
好なこと等の点から好ましい。
【0024】樹脂発泡体を細胞状樹脂からなる断熱層と
して有効に機能させる為には、例えば、断熱層の厚みが
100〜1000μm程度の場合、発泡倍率(=発泡後
の断熱層の厚さ/発泡前の断熱層の厚さ)は、20倍以
上とするのが好ましい。
【0025】前記の樹脂発泡体、或いは前記や等
の断熱材を、分散保持する為の断熱層のバインダー樹脂
としては、それら断熱材を保持し断熱層を所定形状に成
形可能なものであれば、特にその制限はない。また、樹
脂発泡体に於いて、気泡を保持する為のバインダー樹脂
も、樹脂発泡体を利用して得られる断熱層を所定形状に
成形可能なものであれば、特にその制限はない。なお、
樹脂発泡体では、製造時にシート状に成膜した樹脂発泡
体を断熱層に利用すれば、断熱材(樹脂発泡体)を分散
保持する為のバインダー樹脂は不要である。これらのバ
インダー樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、フッ素系樹脂、ゴム等である。
【0026】なかでも、これら樹脂のうち、成形性、折
り曲げ加工性、特に内外装用断熱部材の内部の結露も防
止できる点で、ポリオレフィン系樹脂は好ましい樹脂の
一つである。
【0027】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン(低密度、中密度又は高密度)、ポリ
プロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン等の単独
オレフィン重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プ
ロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブ
テン共重合体等の異なる種類のオレフィン同士の共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体等のオレフィンとそれ
以外の重合可能な単量体との2元或いは3元共重合体等
がある。
【0028】断熱層中の気泡は、独立気泡、連通気泡の
いずれでも良いが、断熱性の点からは独立気泡とするこ
とが好ましい。独立気泡では、気泡間の気体の流通によ
る熱移動が無く、その分、連通気泡よりも断熱性が向上
する。しかも、断熱層の細胞状樹脂構造に独立気泡を採
用する事によって、断熱層とする前のシート状の断熱層
(断熱シート)を打ち抜き、或いは切り抜いて形成した
開口部が、化粧層、支持層とで密閉されて複数の中空空
間を形成したときでも、それら中空空間同士が個々に独
立した、大きな独立気泡(空間)となるので、断熱性向
上に繋がる。また、独立気泡とすることによって、実際
に、内外装用断熱シートや内外装用断熱部材を、所望の
形状及び大きさに切断して使用する場合において、シー
トや部材の端面から断熱層内部や中空空間に湿気が伝わ
って、断熱性や防湿性が低下する様な事も防げる。
【0029】そして、上記の様な細胞状樹脂からなる断
熱層2は、複数の開口部4を有する。この開口部4が、
断熱層2の表面側の化粧層1と、裏面側の支持層3とで
挟まれて、複数の中空空間5を形成する。また、断熱層
が2層構成の形態では、断熱層2Aは、その複数の開口
部4Aが、断熱層2Aの表面側の支持層3と、裏面側の
支持層3Aとで挟まれて、複数の中空空間5Aを形成す
る。
【0030】断熱層2、2Aに開口部4、4Aを形成す
るには、予め押し出し成形、カレンダー成形、キャステ
ィング成形等で成膜し、細胞状樹脂からなる(開口部無
しの)断熱層(断熱シート)を、刃型を用いたプレス加
工で打ち抜く方法、或いは、支持層3、3A又は化粧層
1上に、シルクスクリーン印刷で所望の開口パターン状
に印刷(但し、印刷直後のスクリーン版の網目はインキ
のレベリング作用で埋めてしまう)し、発泡させる方法
等を用いる。
【0031】図2は、開口部4(或いは4Aも同じ)の
形状(平面視)の幾つかを例示する平面図であり、その
形状は、同図の如く、三角形〔図2(A)〕、四角形
〔図2(B)〕、六角形〔図2(C)〕、その他の多角
形、円形〔図2(D)〕等が代表的であるが、これらに
限定されるものでは無い。また、これら開口部の配置も
図2に例示した規則的配列の他に、不規則的配列等でも
良く、図2に例示の配列に限定されるものでは無い。開
口部は、細胞状樹脂からなる断熱層に対して、言わば大
きな気泡と捉える事が出来、開口部が占める面積は大き
ければ大きい程、断熱性向上に繋がると考えられる。し
かし、開口部の大きさ及び配置は、内外装用断熱シート
乃至は部材の強度の点から、面積開口率(複数の開口部
が占める総面積の、複数の開口部を含むシート全面積に
対する比率)は10〜99%程度、より好ましくは20
〜50%程度が望ましい。面積開口率が大きすぎると強
度が低下し、小さすぎると断熱性向上への寄与が少な
い。但し、面積開口率は、必ずしもこれら範囲に限るも
のでは無く、用途、材料等によって適宜な値とすれば良
い。
【0032】〔化粧層〕化粧層1は、上記断熱層2の上
側に、直接、又は接着剤層、防湿層等の他の層を介して
積層される。或いは、この化粧層1の下側に、直接、又
は接着剤層、防湿層等の他の層を介して、上記断熱層2
を積層する。
【0033】化粧層1は、例えば図3及び図4の断面図
で例示の内外装用断熱シートS等の様に、化粧層1の構
成要素として基材層11を用いることができる。基材層
は、通常、厚さ20〜200μm程度である。基材層自
体で所望の意匠外観を表現できれば、基材層をそのまま
化粧層として用いることができるが、通常は、基材層に
対して装飾処理を施したものを化粧層とする。
【0034】ここで先ず、図4及び図5の断面図に例示
す各種の内外装用断熱シートSを参照しながら、化粧層
1に於いて基材層11に対して行う各種装飾処理の例を
説明する。
【0035】図4(A)の内外装用断熱シートSは、化
粧層1の裏側に、断熱層2、支持層3が、この順に積層
され、断熱層2の複数の開口部4が化粧層1、断熱層2
及び支持層3によって包囲されて、複数の中空空間5を
形成した構成のものであるが、この場合の化粧層1は、
着色剤添加による装飾処理の例であり、樹脂シート等か
らなる基材層11に対して、その内部に着色剤aが練り
込み等によって添加され着色されて、基材層11自体が
化粧層1自体となった例である。
【0036】次に、図4(B)に示す内外装用断熱シー
トSは、化粧層1、断熱層2及び支持層3の3層に関す
る構成は図4(A)と同じだが、化粧層1の基材層11
に対する装飾処理として、基材層11の表側に絵柄層1
2が印刷等で形成された例である。
【0037】次に、図4(C)に示す内外装用断熱シー
トSは、図4(B)において、装飾処理として、絵柄層
12の形成の代わりに、エンボス加工等によって凹凸模
様13が基材層11の表側に形成された例である。
【0038】次に、図4(D)に示す内外装用断熱シー
トSは、図4(C)において、装飾処理として、更に、
凹凸模様13の凹部内部にワイピング加工等によって着
色部14が形成され例である。
【0039】次に、図5の断面図で例示する内外装用断
熱シートSは、図4(B)において、装飾処理として、
更に、絵柄層12が形成された基材層11の表側面に、
表面層15が形成された例である。
【0040】(基材層)基材層11としては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン
−ブテン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン
系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)
アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル
共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合
体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブ
チル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重
合体等のアクリル樹脂(ここで、(メタ)アクリルと
は、アクリル又はメタクリルの意味で用いる。)、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン、A
BS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、ポリスチレン等の樹脂、ガラス繊維、石綿、チタ
ン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊
維等の無機質繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等
の有機樹脂繊維等の織布又は不織布、及び、杉、檜、
楢、樫等の樹木の薄板(突板)等が挙げられる。また、
これらの単層の他、2層以上の積層体を基材層として用
いることもできる。
【0041】なお、基材層に織布又は不織布、薄板(突
板)等を用いる時は、防湿層、接着剤層、表面層等の他
の層によって、断熱層上の化粧層等による層の全体とし
ての防湿性を確保するのが、空気の流通や湿気の流入に
よる断熱性の低下を防ぐ点で好ましい。
【0042】(装飾処理)基材層に対する装飾処理とし
ては、化粧シートに於ける従来公知のもので良く、特に
制限は無い。例えば、基材層表面に絵柄層、金属薄膜層
等を形成したり、基材層表面に凹凸模様を施したり、或
いは基材層が樹脂の場合には、染料、顔料等の着色剤を
練り込んだり、或いはこれらの組み合わせとする。或い
は、また別の第二の基材層にそれらの装飾処理を施した
ものを、(第一の)基材層に積層する事で(第一の)基
材層を装飾処理する事もある。
【0043】着色剤aとしては、チタン白、亜鉛華、弁
柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カー
ボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザ
イエロー、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フ
タロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリ
ンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミ
ニウム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料(或いは染料も
含む)、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉
からなる真珠光沢(パール)顔料等がある。これらは、
粉末或いは鱗片状箔片として添加、分散せしめられる。
【0044】絵柄層12は、印刷法、手描き等によって
形成する。印刷法としては、例えば、グラビア印刷、オ
フセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートから
の転写印刷等の公知の印刷法によってインキにて絵柄
(模様)を形成する。絵柄が全面ベタ柄の場合は、グラ
ビアコート、ロールコート等の公知の塗工法によって塗
料で形成する事もできる。絵柄層の形成に用いるインキ
(或いは)塗料としては、バインダーの樹脂として、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポ
リオレフィン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、セルロース樹脂等を、1種又は2種以上の混合
物として用いる。これに前記列挙した様な公知の着色剤
を1種又は2種以上添加した物を用いる。絵柄は、木目
絵柄、石目絵柄、布目絵柄、皮絞絵柄、タイル貼り絵
柄、煉瓦積み絵柄、幾何学図形、文字、記号、或いは全
面ベタ柄等である。
【0045】一方、金属薄膜層は、アルミニウム、クロ
ム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着法、スパッタ
リング法等の公知の成膜法で成膜し形成する。該金属薄
膜層は、全面に設けても、或いは、部分的に、例えばパ
ターン状に設けてもよい。
【0046】凹凸模様13を形成するには、エンボス加
工により形成するのが、特に熱可塑性樹脂からなる基材
層の場合には代表的であるが、ヘアライン加工等のその
他の方法も可能である。エンボス加工は、基材層を加熱
軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、冷却固定するも
ので、公知の枚葉、或いは輪転式のエンボス機が用いら
れる。
【0047】凹凸模様としては、木目導管溝、石板表面
凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨地、
砂目、ヘアライン、万線条溝、煉瓦積又はタイル貼りの
目地溝等がある。
【0048】更に必要に応じて、凹凸模様の凹部に公知
のワイピング法(特公昭58−14312号公報等参
照)によって、着色インキを充填して着色部14を形成
することもできる。着色インキは前記絵柄層に用いたイ
ンキと同様の物を使用することができる。但し、耐磨耗
性の点で、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーの樹脂
とする物が好ましい。
【0049】更に必要に応じ、前記絵柄層の上に表面保
護や塗装感や艶調整等の装飾処理のための表面層15を
形成することもできる。表面層は、例えば、アクリル樹
脂系の塗料(又はインキ)の塗工(又は印刷)で形成す
ることができる。また、表面層は、単層の他に複層であ
っても良い。例えば、アクリル系等の不織布からなる不
織布層16と、その上の塗膜層17とからなる表面層と
する〔図3参照〕。不織布層16は、アクリル樹脂等の
樹脂の溶液又は分散液等からなる接着剤で積層し、その
上から保護層として、アクリル樹脂等の樹脂を用いた塗
膜層17を塗工形成すれば良い。不織布層は表面強度の
向上、塗装適性の向上等の為に用いる。
【0050】なお、上記不織布或いは織布としては、例
えば、硝子繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミ
ナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維などの無機質繊維、アク
リル繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維などの有機
樹脂繊維などを用いることができる。
【0051】また、上記塗膜層等の表面層、前記基材
層、絵柄層中には、耐候(光)を付与するために、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレ
ート系、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の各種
紫外線吸収剤、及び/又はヒンダードアミン系ラジカル
捕捉剤等の光安定剤を添加することもできる。
【0052】〔支持層〕支持層3(又は3A)は、断熱
層2(又は2A)が有する開口部4(又は4A)を裏側
(なおここで、裏側とは断熱層の化粧層が積層される方
の側とは反対側の面を言う)から密閉して、中空空間5
(又は5A)とする為の層である。また、断熱層が断熱
層2及2Aと2層構成の場合には、支持層3は開口部4
Aを表側から密閉する層ともなる。この支持層3、3A
の材料、厚み等は、前記化粧層1の基材層11の所で例
示したものと同様な樹脂の層(樹脂層)を用いることが
できる。
【0053】また、支持層3、3Aとしては、より高度
な断熱、また断熱層中の内部結露を考慮すると、防湿性
を有する支持層とするのが、より好ましい。防湿性を有
する支持層は、防湿層を兼用する支持層となる。防湿性
により、湿気が内外装用断熱シート内部に進入して断熱
性を低下させたり、該内外装用断熱シートを通過して内
外装用断熱部材の基材まで達して、基材に腐食、錆、或
いは黴が発生したりすることを防止する。
【0054】防湿性は、層の透湿抵抗値を50m2 ・h
・mmHg/g以上とするのが好ましい。支持層に防湿
性を付与するには、:支持層となる樹脂層自体に防湿
性のものを使用する、:樹脂層に(支持層の構成要素
として)専ら防湿性を主目的とする層を積層する、:
上記と上記の組み合わせる等すれば良い。
【0055】上記となる支持層3、3Aとしては、例
えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン
系樹脂(厚さ100μmでの透湿抵抗値が、390m2
・h・mmHg/g程度のもの)、2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、又はポリ塩化ビニ
リデン等の透湿抵抗の高い樹脂材料が好ましい。また、
この場合の支持層の厚さは、通常20〜100μm程度
が好ましい。
【0056】上記となる支持層3、3Aとしては、樹
脂層の表面、裏面或いは表裏両面に、専ら防湿性を主目
的とする層として、例えば、アルミニウム等の金属から
なる金属層やシリカ等の金属酸化物からなる金属酸化物
層を、真空蒸着法やCVD(Chemical Vap
or Deposition)法、スパッタリング法等
の薄膜形成手法を用いて形成して、金属層又は金属酸化
物層が樹脂層に積層された構成の支持層を用いる事がで
きる。例えば、シリカを蒸着した2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートのシート等である。但し、金属層は密閉
性及び防湿性の点では優れているが、金属酸化物層や樹
脂層に比べて一般に高熱伝導率である為に、本発明の様
に断熱性を目的とする場合には、金属酸化物層の方が金
属層よりも好ましい。
【0057】そして、上記となる支持層3、3Aは、
上記と上記の組み合わせとすれば良い。
【0058】なお、防湿性とする層は、この支持層3、
3A以外に、化粧層1を防湿性としても良い。化粧層の
場合には、例えば、上記、、等の支持層となる材
料を基材層11として使用することで、化粧層に防湿性
を付与できる。また、基材層が不織布等で防湿性に乏し
い場合は、これに上記した防湿層を兼用する支持層を積
層した構成のものを基材層としても良い。
【0059】従って、防湿性とする層は、支持層3、支
持層3A、化粧層1がその対象となるが、少なくともこ
れらのうち1層を防湿性とする。もちろん、2層以上、
より好ましくはこれら全層を防湿性とすれば、より効果
的である。但し、もちろんだが、断熱層が一層構成の場
合では(断熱層2のみで断熱層2Aが無い構成)、支持
層3Aは無いので、支持層3Aは対象外である。
【0060】図6の断面図で例示する本発明の内外装用
断熱シートSは、化粧層1と断熱層2との間に防湿層6
を設けた例であるが、この防湿層6は化粧層1の一部と
見なすこともできる。防湿層6は、上記した防湿層を兼
用する支持層として挙げたもの等を使用する。
【0061】なお、支持層と断熱層との積層には、公知
の積層法によれば良く、例えばドライラミネーション法
で積層すれば良い。ドライラミネーションでは、例えば
支持層に2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤等を塗布した
後、接着剤を介して断熱層を重ねて積層すれば良い。防
湿層と隣接する他層との積層や、2層構成の断熱層の場
合も同様である。
【0062】〔或る内外装用断熱シートの例〕次に、本
発明の内外装用断熱シートの或る一形態として、後述す
る実施例で製造した具体例を、図3の断面図で示す。同
図の内外装用断熱シートSは、1層の断熱層2を有する
構成のものであり、化粧層1は、基材層11と該基材層
11に印刷形成した絵柄層12、不織布層16と塗膜層
17とからなる表面層、及び不織布層16の上からエン
ボスで賦形された基材層11にまで凹凸が及ぶ凹凸模様
13から構成される。そして、この化粧層1と断熱層2
とは接着剤層21を介して積層され、断熱層2と支持層
3とは接着剤層21Aを介して積層されている。この結
果、断熱層2が有する複数の開口部4は、化粧層1(こ
の場合は間に接着剤層21を介する)と、支持層3(こ
の場合は間に接着剤層21Aを介する)とによって、表
裏を挟まれて密閉され、複数の中空空間5が形成された
構成となっている。
【0063】〔接着剤層〕図3で例示する接着剤層2
1、21A等の如く、化粧層1と断熱層2、断熱層2と
支持層3等の、層同士の積層には必要に応じ適宜、接着
剤による接着剤層を介して積層することができる。接着
剤層に用いる接着剤は、用途に応じ、アクリル樹脂、ポ
リアミド等の熱可塑性樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂、
2液硬化型エポキシ樹脂等の硬化性樹脂等の従来公知の
接着剤を使用すれば良い。なお、接着剤層はロールコー
ト等の公知の塗工法で形成すれば良い。
【0064】〔裏面接着剤層〕なお、図示はしないが、
本発明の内外装用断熱シートは、その裏面側、つまり最
裏面層となる支持層の裏面側に、被着体となる基材に積
層させる為の裏面接着剤層、或いは接着性を向上する為
のプライマー層を設けた構成としても良い。また、プラ
イマー層は、裏面接着剤層と支持層間に設けても良い。
裏面接着剤層或いはプライマー層は、基材の材質等の用
途に応じ、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、2液硬化型ウ
レタン樹脂等の硬化性樹脂等の従来公知の接着剤、プラ
イマー剤を使用すれば良い。形成は、グラビア印刷、ロ
ールコート等の公知の印刷又は塗工法で形成すれば良
い。
【0065】〔内外装用断熱部材〕本発明の内外装用断
熱部材は、図7(A)の断面図及び図7(B)の斜視図
で例示する内外装用断熱部材Dの如く、上述した本発明
の内外装用断熱シートSが、(化粧層側を表側にして)
金属等の基材8の表面に、直接又は他の層を介して積層
した構成の部材である。該他の層は、例えば図7の如き
接着剤層7である。ちなみに、図7(B)の斜視図で例
示する内外装用断熱部材Dは、平板状で中実の直方体の
基材8の連続する3面及び他の1面の一部に、内外装用
断熱シートSを、ラッピング加工法等によって、回り込
む様にして、接着剤層7を介して貼着して積層した部材
である。内外装用断熱シートSによって、基材8に断熱
効果及び表面装飾効果が付与された部材となる。なお、
この様な板状部材は、例えば、壁面材の内装建材等にな
る。なお、既に目的用途に設置済の基材(部材)に対し
ては、上述した本発明の内外装用断熱シートを場施工で
貼着して積層すれば、該基材に断熱効果及び表面装飾効
果を付与させた本発明の内外装用断熱部材とすることが
できる。
【0066】(基材)本発明の内外装用断熱部材の基材
8、或いは前述本発明の内外装用断熱シートの被着体と
しての基材としては、形状、材質に特に制限は無い。基
材の形状としては、例えば、中空或いは中実の平板、湾
曲した凸面板等の板、円柱、多角柱等の角柱等の形状か
らなる基材を用いる事ができる。基材の材質としては、
例えば、金属、木材、セラミックス、セメント等の無機
窯業系、樹脂等が用いられるが、特に本発明が効果を奏
するのは、元来それ自体が高熱伝導率の金属の場合であ
る。金属としては、鉄、又は炭素鋼、ステンレス剛等の
鉄合金、アルミニウム又はジュラルミン等のアルミニウ
ム合金、銅、真鍮、チタニウム等を挙げることができ
る。
【0067】(積層法)基材8に対して内外装用断熱シ
ートSを貼着して積層するには、基材の形状等に応じた
従来公知の積層方法を採用すればよい。例えば、基材8
の外側に、接着剤を全面塗布して接着剤層7を形成した
後、本発明の内外装用断熱シートSを、該内外装用断熱
シートの裏面(断熱層2に対して支持層3側の面)で貼
着させることにより積層すれば良い。
【0068】積層方法の具体的としては、例えば接着
剤層を間に介して板状の基材に加圧ローラーで加圧して
積層する方法、特公昭61−5895号公報、特公平
3−2666号公報等に記載される様に、円柱、多角柱
等の柱状体の基材の長軸方向に、内外装用断熱シートを
間に接着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なる
ローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次内
外装用断熱シートを加圧接着して積層してゆく、所謂ラ
ッピング加工方法である。
【0069】(接着剤層)接着剤層7としては、内外装
用断熱シートSを基材8に接着できるものであれば、特
に制限はない。例えば、2液硬化型ウレタン樹脂系、2
液硬化型エポキシ樹脂系等の2液(反応)硬化型接着
剤、熱硬化型ポリエステル系、フェノール樹脂系接着剤
等の熱硬化性接着剤、ポリ酢酸ビニル系、アクリル樹脂
系、ポリエチレン系接着剤等の熱可塑性接着剤等が挙げ
られる。
【0070】〔内外装用断熱シート及び部材の用途〕本
発明の内外装用断熱シート及び内外装用断熱化粧部材
は、各種の内装材、又は外装材として用いられる。例え
ば、屋根、外壁、戸袋、窓枠、ルーフデッキ、バルコニ
ー、フェンス、門扉、扉枠等の建築物又は建具の外装部
材、回縁、幅木、手摺、室内扉、室内壁、間仕切り等の
建築部材又は建具等の内装部材、自動車、電車、船舶、
航空機等の乗物の外装材及び内装材等が挙げられる。
【0071】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
説明する。
【0072】〔実施例〕図3の断面図の如き、内外装用
断熱シートSを次の様にして作製した。先ず、厚さ25
μmで透明な2軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材層
11として用意し、該基材層11の表裏両面に、コロナ
放電処理を施した。次いで、この基材層11の表側面と
する面に、絵柄層12をグラビア印刷で形成して印刷シ
ートを得た。なお、絵柄層12は、黄褐色インキ(バイ
ンダーの樹脂にアクリルポリオールの主剤100重量部
に、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを架橋剤
として8重量部添加した2液硬化型ウレタン樹脂を用
い、着色剤として、カーボンブラック、弁柄、チタン白
及びイソインドリノンを使用)を用いて全面ベタ柄を印
刷後、第2色目として、黒褐色インキ(バインダーの樹
脂は第1色目と同じ。着色剤はカーボンブラック及び弁
柄を使用)を用いて杉板目の木目絵柄を印刷して形成し
た。
【0073】次に、得られた印刷シートの表側面に、ア
クリル樹脂系の透明接着剤を3g/m2 (固形分基準)
に塗布後、目付量25g/m2 のアクリル系乾式不織布
(日本バイリーン(株)製、商品番号OL−750)を
重ねた後、基材層11を加熱軟化させて金属製のエンボ
ス版で不織布の上から加圧し、冷却して、印刷シートと
不織布とを接着して(前記透明塗液が含浸した)不織布
層16とすると共に、不織布層16の表面から基材層1
1にまで達する木目導管溝の凹凸模様13を形成した。
更に引き続き、耐候性及び表面強度を向上させる為に、
アクリル樹脂系コート剤をロールコート法により表面コ
ートすることにより、透明な塗膜層17を形成して、化
粧層1となる中間化粧シートを得た。なお、不織布層1
6は、該層中に前記接着剤及び上記コート剤が含浸して
おり、絵柄層の絵柄が透視可能な透明層となっている。
【0074】そして、上記中間化粧シートの裏面(基材
層11側)に、細胞状樹脂からなる断熱層2として、独
立気泡型ポリエチレン発泡シート(発泡倍率30倍、厚
み1mm。積水化成工業株式会社製、商品名ライトロン
#52)に、プレス加工による打ち抜きで、図2(B)
の様な縦横に多数規則配置した一辺が1mmの正方形の
孔を開口部4として縦横1mm間隔で開けた断熱シート
を、2液硬化型アクリルウレタン系接着剤(主剤がアク
リルポリオールで架橋剤がトリレンジイソシアネートの
接着剤)による接着剤層21を介して貼り付た。
【0075】更に、防湿層を兼用する支持層3として、
上記貼り付後の断熱層2の裏面に、2液硬化型アクリル
ウレタン系接着剤(主剤がアクリルポリオールで架橋剤
がトリレンジイソシアネートの接着剤)による接着剤層
21Aを介して、防湿性向上の為にアルニウムを400
Å厚に蒸着した厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを、蒸着面を断熱層側に向けて貼
り付て、図3に示す様な、本発明の内外装用断熱シート
Sを得た。
【0076】そして、上記内外装用断熱シートSを、金
属基材としてアルニミニウム板(厚み2mm)の片面
に、2液硬化型アクリルウレタン系接着剤(主剤がアク
リルポリオールで架橋剤がトリレンジイソシアネートの
接着剤)を介して貼り付て、本発明の内外装用断熱部材
を得た。
【0077】〔比較例1〕実施例に於いて、開口部とす
る孔を全く開けない断熱シートを断熱層として用いた他
は、実施例と同様にして、内外装用断熱シートを作製し
た。そして、この内外装用断熱シートを用いて、実施例
と同様にして内外装用断熱部材を作製した。
【0078】〔比較例2〕実施例に於いて、断熱シート
に替えて、厚さ1mmの未発泡の開口部を全く開けてい
ないポリエチレン樹脂シートを用いた他は、実施例と同
様にして、内外装用断熱シートを作製した。そして、こ
の内外装用断熱シートを用いて、実施例と同様にして内
外装用断熱部材を作製した。
【0079】〔断熱効果試験〕実施例と比較例1、及び
比較例2で得られた各々の内外装用断熱部材を、室温2
0℃、30%RH(露点4℃)の部屋において、0℃の
氷水の上に浮かべたところ、実施例及び比較例1とも
に、部材表面には結露は生じず、良好な断熱性を示し
た。しかし、アルミニウムの金属基材温度が、実施例及
び比較例1ともに1℃であるのに対して、部材表面の温
度は、実施例で8℃、比較例1で6℃であり、実施例の
方が、比較例1よりも、断熱性がより優れたものであっ
た。また、比較例2については、部材表面に結露を生じ
た。そして、部材表面温度は1℃であり、断熱性及び結
露防止性に於いて、実施例及び比較例1よりも劣ったも
のとなった。
【0080】
【発明の効果】本発明の内外装用断熱化粧シート及び内
外装用断熱部材は、優れた断熱性を示し、室内外の温度
変化に対して安定であり、反り等の歪みを生じ難い。
【0081】また、夏季や冬季に、本発明の内外装用断
熱化粧シートや本発明の内外装用断熱部材を使用した室
内を冷暖房する場合、その優れた断熱効果により、冷房
時は優れた保冷効果、暖房時は優れた保温効果が得ら
れ、また、省エネ効果も得られる。また、特に冬季に室
内暖房をする場合、外部温度が下降した際に内部に結露
が生じたりすることがない。
【0082】また、化粧層、支持層、第二の支持層のい
ずれか一層以上を防湿性とする事によって、湿気が内外
装用断熱シート内部に進入して断熱性を低下させたり、
該内外装用断熱シートを通過して内外装用断熱部材の基
材まで達して、基材に腐食、錆、或いは黴の発生を防止
したりする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内外装用断熱シートの基本的構成の形
態例を示す断面図。
【図2】中空空間となる断熱層の開口部の各種形状例を
示す平面図。
【図3】本発明の内外装用断熱シートの或る一形態を示
す断面図。
【図4】本発明の内外装用断熱シートの他の形態例の幾
つかを例示する断面図。
【図5】本発明の内外装用断熱シートの他の一形態を例
示する断面図。
【図6】本発明の内外装用断熱シートの他の一形態を例
示する断面図。
【図7】本発明の内外装用断熱部材の或る一形態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 化粧層 2 断熱層 2A 第二の断熱層 3 支持層 3A 第二の支持層 4 開口部 4A 第二の開口部 5 中空空間 5A 第二の中空空間 6 防湿層 7 接着剤層 8 基材 11 基材層 12 絵柄層 13 凹凸模様 14 着色部 15 表面層 16 不織布層 17 塗膜層 21 接着剤層 21A 接着剤層 D 内外装用断熱部材 S 内外装用断熱シート
フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DD01 FA04 FA09 FA10 FA16 GA24 GA82 HA01 HA14 HB01 HC01 HD01 HD02 HD07 HD09 JA06 4F100 AB10 AK01B AK01D AK04 AK07 AK25 AK25G AK41 AS00A AT00C AT00E BA03 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10E BA21 DG15 DJ02B DJ02D DJ04 EC18 EC182 EJ38 EJ55 EJ551 GB08 GB33 HB21 HB31 JD04A JD04C JD04E JJ02 JJ02B JJ02D JL04 JL07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧層の裏側に、細胞状樹脂からなり複
    数の開口部を有する断熱層と、支持層とが、この順に積
    層され、該断熱層の複数の開口部が、化粧層、断熱層及
    び支持層とに囲まれることによって、複数の中空空間を
    形成している、内外装用断熱シート。
  2. 【請求項2】 断熱層の細胞状樹脂が独立気泡の集合体
    である、請求項1記載の内外装用断熱シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の内外装用断
    熱シートの支持層の裏側に、更に、複数の開口部を有す
    る第二の断熱層と第二の支持層とがこの順に積層され、
    第二の断熱層の複数の開口部が、前記支持層、第二の断
    熱層及び第二の支持層とに囲まれることによって、複数
    の第二の中空空間を形成し、且つ該中空空間が、前記請
    求項1又は請求項2記載の内外装用断熱シートの中空空
    間に対して、2層で互い違いに形成されている、内外装
    用断熱シート。
  4. 【請求項4】 化粧層、支持層、第二の支持層のいずれ
    か一層以上を防湿性とした、請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の内外装用断熱シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内
    外装用断熱シートが、その裏面側で直接又はその他の層
    を介して基材に積層されてなる、内外装用断熱部材。
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