JPH11348180A - 木質系化粧板及びその製造方法 - Google Patents

木質系化粧板及びその製造方法

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JPH11348180A
JPH11348180A JP15734198A JP15734198A JPH11348180A JP H11348180 A JPH11348180 A JP H11348180A JP 15734198 A JP15734198 A JP 15734198A JP 15734198 A JP15734198 A JP 15734198A JP H11348180 A JPH11348180 A JP H11348180A
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JP15734198A
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Takashi Doi
孝志 土井
So Kubota
創 久保田
Mutsuo Shima
睦男 島
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質化粧板を用いた扉等が温湿度変化で反る
のを防止する。 【解決手段】 木質化粧板Dは、木質板Bの表裏両面に
塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層1が塗液の
塗布で形成され、更に表側は防湿防水塗膜層を接着剤層
とするか別途接着剤層2を介して紙系化粧シートSaを
貼着する。プラスチック系化粧シートSb使用時は、表
側の防湿防水塗膜層に変えて接着剤層2で木質板に貼着
する。裏側は、防湿防水塗膜層を接着剤層として紙を貼
着しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MDF(中密度繊
維板)等の木質板を基材として、扉等の建具等の建材に
使用する、湿気による反りを防止した木質系化粧板と、
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、住宅の開口部の扉として、木製の
ドアが使用されることが多い。この種のドアは、一般
に、枠材としては合板、平行合板等の木質系材料を用
い、面材としてMDFや合板等の木質板にプラスチック
系又は紙系の化粧シートを貼り合わせた木質系化粧板を
用い、小口化粧処理等を行って内装用ドア等として仕上
げる場合が多い。ところで、木質板は温度や湿度の変化
に応じて含水率が変化する性質を有する。従って、内装
用のドアであっても、室内温度・室内湿度の変化に対し
て、耐性を有している事が必要となる。また、外装用の
ドアでも同様である。耐性が不足すると、基材の木質板
の含水率の変化によって、ドア表裏の面材の寸法収縮に
よって、ドア全体に大幅な「反り」や「ネジレ」が生じ
たり、ドア枠材との大幅な狂いが生じたりする。その結
果、ドアが開閉できなくなったり、ドア枠とドアとの間
に隙間が生じたりする問題が発生する。面材に使用する
木質板が合板の場合は、単板を縦横に積層した構成であ
る為に、室内温度・湿度差に対する反り等への耐性を保
ち易い。しかし、木質板が特にMDFの場合には、その
製造方法からして、室内温度・湿度差に対して耐性を有
しておらず、通常有している8〜9%の含水率に変化を
来たし、反り等を生じ易すかった。
【0003】そこで、従来、上記の様な耐性が要求され
る用途に対しては、木質系化粧板は防湿・防水加工が施
された物を使用したりする。 例えば、MDF等からなる木質板の表側面にはプラス
チック系化粧シートを貼着するとともに、裏側面に防湿
・防水加工としてプラスチックフィルムを貼着した構成
の木質系化粧板。 或いは、MDF等からなる木質板の表側面には上記
同様にプラスチック系化粧シートを貼着するとともに、
裏側面には防湿防水塗膜層として、紙−プラスチックフ
ィルム−紙(表裏を紙で覆ったプラスチックフィルム)
からなる積層体を貼着した構成や、金属箔−紙の積層体
を貼着した構成の木質系化粧板。なお、裏側面に貼着す
るプラスチックフィルムや金属箔の表裏等に紙を貼って
おくのは、紙の多孔質性によってプラスチックフィルム
等を木質板に接着し易くすると同時に、得られた木質系
化粧板を他の物に接着し易くする為である。例えば、特
開平7−251407号公報では、防湿性を有する内装
材として、基板の少なくとも一面に、プラスチックフィ
ルムや金属箔等からなる防湿シートを芯層としてその表
裏に紙を積層した構成の防湿紙を、基板に接する内側の
紙層内に接着剤が含浸されるように貼着した構成を開示
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、木質系化
粧板の反りやネジレを防止する為に、従来はプラスチッ
クフィルム等を何らかの方法及び構成によって、木質板
の裏側面等に貼着する等して防湿層を備えた構成とする
事が行われて来た。しかしながら、上記の如く、プラ
スチックフィルム単体では、木質板には接着し難い為
に、紙も積層した積層体として貼着する等の工夫も必要
であった。
【0005】そこで、本発明の課題は、反りやネジレが
防止できる木質系化粧板と、その木質系化粧板を容易に
製造できる方法を提供する事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の木質系化粧板では、紙系化粧シートが
使用される場合は、(A)木質板の表裏両面に塩化ビニ
リデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層が形成され、更に表
側の防湿防水塗膜層上に接着剤層を介して紙系化粧シー
トが貼着されてなる構成とした。(B)或いは、木質板
の表裏両面に塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜
層が形成され、更に表側には該防湿防水塗膜層を接着剤
層として紙系化粧シートが貼着されてなる構成とした。
その結果、化粧シートが紙系で化粧シート自体には防湿
性が無くとも、木質板は表裏両面の防湿防水塗膜層で耐
湿性が確保され、反りが防止される。更に、上記(B)
の構成では、化粧シート貼着専用の接着剤層を省略でき
る。
【0007】また、本発明の木質系化粧板は、プラスチ
ック系化粧シートが使用される場合では、(C)木質板
の表側面に接着剤層を介してプラスチック系化粧シート
が貼着され、裏側面に塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿
防水塗膜層が形成されてなる構成とした。その結果、木
質板の耐湿性は、表側はプラスチック系の化粧シートで
確保され、裏側は防湿防水塗膜層で確保され、反りが防
止される。
【0008】また、本発明の木質系化粧板は、(D)上
記各構成に於いて、裏側面の防湿防水塗膜層を接着剤層
として、裏側に紙が貼着されてなる構成とした。その結
果、木質系化粧板は裏側面の紙によって、裏面で他の物
に接着する場合に接着が容易となる。
【0009】次に、本発明の木質系化粧板の製造方法
は、紙系化粧シートが使用される前記(A)の木質系化
粧板を製造する方法としては、(a)木質板の表側面に
は塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗料を塗布後、
その上に接着剤で紙系化粧シートを貼り合わせ、裏側面
には塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗料を塗布す
る様にした。その結果、前記(A)の構成の木質系化粧
板を容易に製造できる。或いは、前記(B)の木質系化
粧板を製造する方法としては、(b)木質板の表側面に
は塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗料を塗布後、
その上に紙系化粧シートを貼り合わせ、裏側面には塩化
ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗料を塗布する様にし
た。その結果、前記(B)の構成の木質系化粧板を容易
に製造できる。以上の各方法によって、防湿性に優れた
塩化ビニリデン系樹脂を使用するにも拘らず、該樹脂を
用いた防湿防水層は塗工によって形成した塗膜層(防湿
防水塗膜層)とするので、塩化ビニリデン系樹脂フィル
ムを貼着する場合に比べて木質板への接着が容易に出
来、反りが防止される木質系化粧板を容易に製造でき
る。しかも、(b)の方法では、表側に塗布する防湿防
水塗料は紙系化粧シートを木質板に貼着する接着剤を兼
用させるので、別途接着剤を施す手間も省ける。
【0010】また、本発明の木質系化粧板の製造方法
は、プラスチック系化粧シートが使用される前記(C)
の木質系化粧板を製造する方法として、(c)木質板の
表側面には接着剤でプラスチック系化粧シートを貼り合
わせ、裏側面には塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水
塗料を塗布する様にした。その結果、前記(C)の構成
の木質系化粧板を容易に製造できる。すなわち、防湿性
に優れた塩化ビニリデン系樹脂を使用するにも拘らず、
該樹脂を用いた防湿防水層は、塗工で形成した塗膜層と
するので、フィルムの貼着に比べて木質板への接着が容
易に出来、表側のプラスチック系化粧シートによる防湿
効果と共に、反りが防止される木質系化粧板を容易に製
造できる。
【0011】また、本発明の木質系化粧板の製造方法
は、前記(D)の木質系化粧板を製造する方法として、
(d)木質板の裏側面に防湿防水塗料を塗布後、その上
に紙を貼り合わせる様にした。その結果、前記(D)の
構成の木質系化粧板を容易に製造できる。すなわち、裏
側に塗布する防湿防水塗料は紙を木質板に貼着する接着
剤を兼用させるので、別途接着剤を施す手間を省ける。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の木質系化粧板及び
その製造方法について、図面を参照しながら実施の形態
を説明する。
【0013】〔概要〕先ず、図1に本発明の木質系化粧
板の各種形態例を断面図で示す。図1(A)に示す木質
系化粧板Dは、紙系化粧シートを使用する場合の形態で
あり、木質板Bの表裏両面に、塩化ビニリデン系樹脂を
含む防湿防水塗膜層1がそれぞれ形成され、更に表側の
防湿防水塗膜層1の上には接着剤層2を介して紙系化粧
シートSaが貼着された構成である。また、図1(B)
に示す木質系化粧板Dも紙系化粧シートを使用する場合
の形態であり、こちらの形態では、木質板Bの表裏両面
に、塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層1がそ
れぞれ形成され、更に表側は、表側の防湿防水塗膜層1
を接着剤層と兼用して紙系化粧シートSaが木質板Bに
貼着された構成である。
【0014】また、図1(C)に示す木質系化粧板D
は、プラスチック系化粧シートを使用する場合の形態で
あり、木質板Bの表側面に接着剤層2を介してプラスチ
ック系化粧シートSbが貼着され、裏側面には塩化ビニ
リデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層1が形成された構成
である。
【0015】そして、図2(A)及び図2(B)はこれ
ら木質系化粧板の裏側面に、裏側の防湿防水塗膜層を接
着剤層としても使用して紙を木質板に貼着した形態を例
示する断面図である。すなわち、図2(A)は図1
(B)の構成に対して更に裏側面に紙3を貼着した形態
であり、図1(B)は図1(C)の構成に対して更に裏
側面に紙3を貼着した形態である。
【0016】以上の様に、使用する化粧シートが紙を基
材シートとする紙系化粧シートSaで防湿性が劣った物
であっても、該化粧シートを貼着する木質板の表側面に
は、特定樹脂からなり塗工で形成された防湿防水塗膜層
を有する為、裏面側の同様の防湿防水塗膜層とともに、
木質板は温度・湿度変化が保護され、反りやネジレが防
止される。そしてまた、使用する化粧シートがプラスチ
ック系化粧シートSbの場合では、紙系化粧シートに比
較して防湿性が優れるので、該化粧シート自体を防湿防
水層として使用する事ができる。この為、プラスチック
系化粧シートを貼着する形態では、本発明の木質系化粧
板は、表側には特定樹脂からなる防湿防水塗膜層は省略
した構成となる。
【0017】なお、プラスチック系化粧シートの場合で
も、紙系化粧シートの場合と同様に、表側にも特定樹脂
からなる防湿防水塗膜層を形成した構成も考えられる。
すなわち、図1(C)や図2(B)に於いて、接着剤層
2と木質板Bとの間に防湿防水塗膜層1を更に設けた
り、接着剤層2を防湿防水塗膜層1と兼用した層とした
りする構成である。この様な構成とすれば、プラスチッ
ク系化粧シート及び防湿防水塗膜層の両方によって、更
に防湿性は向上する。しかし、その分、工程数及び材料
費の点でコスト高となり、プラスチック系化粧シートで
既に十分な防湿性が確保されている場合には、過剰性能
ともなる。また、防湿防水塗膜層を接着剤層と兼用する
場合には、塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層
による化粧シートの木質板への貼着は、プラスチック系
化粧シートの方が、紙系化粧シートより接着し難い。そ
れは、紙系化粧シートでは、紙の繊維質間に防湿防水塗
膜層形成用の塗液が侵入する事によって、接着性を上げ
易いからである。従って、表側にも防湿防水塗膜層を形
成する場合には、工程数及び材料費の点でコスト高とな
るが、防湿防水塗膜層の上に接着剤層を介して該化粧シ
ートを貼着する様にした方が接着性は確保し易い。
【0018】〔木質板〕先ず、木質板Bとしては、木質
からなる板材であれば良く特に限定はない。木材種は例
えば、杉、松、檜、樫、ラワン、チーク、メラピー等で
ある。形態は、単板、合板、中密度繊維板(MDF)、
パーティクルボード、集成材等である。なかでも、本発
明では中密度繊維板(MDF)等の反りが生じ易い物
は、防湿防水塗膜層の効果の点で好適である。
【0019】〔防湿防水塗膜層〕防湿防水塗膜層1は、
内部の木質板に湿気や水分が侵入するのを防止する。こ
の防湿防水塗膜層は、本発明では塩化ビニリデン系樹脂
を含んだ防湿防水塗料を塗布して形成する塗膜層とす
る。塩化ビニリデン系樹脂は、各種樹脂の中でも特に防
湿性が優れた樹脂である。上記塩化ビニリデン系樹脂と
しては、塩化ビニリデンのホモポリマーの他に、塩化ビ
ニリデンを主モノマーとして、これにコモノマーとして
塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリレート、メタク
リレート等の他のビニルモノマーを1種又は2種以上を
用いた、共重合体等である。なお、ホモポリマーは物性
上扱い難いので、一般には共重合体を用いる。例えば、
塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリレート等のビニ
ルモノマーをコモノマーとする共重合体である。また、
防湿防水塗膜層は塩化ビニリデン系樹脂を必須樹脂とし
て含有するが、この他、必要に応じて、該塗膜層の接着
性等の物性調整等の為に、他の樹脂を含有しても良い。
他の樹脂は、用途に応じて選択すれば良く特に限定は無
いが、例えばアクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、酢酸ビニル樹脂等のビニル樹脂、或いはカルボキ
シル基タイプで油溶性とした変性ポリプロピレン等であ
る。なお、この変性ポリプロピレンは防湿性にも優れて
いる。塩化ビニリデン系樹脂とその他の樹脂との配合割
合は、防湿性が確保される範囲であれば良く、その他の
樹脂材料にもよるが、例えば樹脂全量に対する塩化ビニ
リデン系樹脂の割合を40重量%以上の範囲とする。
【0020】防湿防水塗料は、上記塩化ビニリデン系樹
脂を有機溶媒に溶解した溶液、または分散媒(通常は
水)に分散した分散液(エマルション)の形態で使用す
る。また、塗料中には、必要に応じ塗布適性等を調整す
る為にシリカ等の体質顔料を添加する。塗布方法は、ロ
ールコート、スプレーコート等の従来公知の方法で良
い。防湿防水塗料を塗布後、必要に応じ適宜加熱して乾
燥させれば防湿性の塗膜となった防湿防水塗膜層が得ら
れる。なお、尚防湿防水塗膜層の厚みは、用途、要求性
能によるが、例えば20〜200μm程度である。な
お、表裏に防湿防水塗膜層を塗布して形成する場合、そ
の順序(前後又は同時)は任意である。
【0021】なお、防湿防水塗膜層上に接着剤で化粧シ
ートを貼着する場合は、化粧シートの貼着は、防湿防水
塗膜層を加熱乾燥等で面造膜処理(造膜する事)が完了
した後でも良い。しかし、防湿防水塗膜層を接着剤層と
して表側に紙系化粧シートや裏側に紙を貼着する場合に
は、防湿防水塗料を木質板に塗布後、完全乾燥前の状態
で該化粧シートや紙をその塗布面に貼り合わせ、その
後、塗料を必要に応じ適宜加熱して乾燥させれば良い。
その結果、防湿防水塗料が接着剤となって化粧シートや
紙が木質板に貼着される。
【0022】〔接着剤層〕紙系やプラスチック系の化粧
シートを木質板に直接、或いは防湿防水塗膜層に貼着す
る為の層であり、使用する接着剤としては特に制限は無
い。化粧シート、木質板、防湿防水塗膜層等の材料、要
求物性等等に応じた接着剤を従来公知の接着剤の中から
適宜選択使用すれば良い。例えば、アクリル樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ウ
レタン樹脂等の熱可塑性樹脂、或いはウレタン樹脂等の
硬化性樹脂等を用いれば良い。接着剤は、上記防湿防水
塗料同様に、溶液や分散液、或いは溶融物等の形態で木
質板に塗布すれば良い。塗布は、ロールコートやスプレ
ーコート等の従来公知の方法で良い。なお、木質系化粧
板に於ける接着剤層は、熱融着型接着剤でプラスチック
系化粧シートの場合等、木質板側に形成すぜに、裏面に
接着剤層を形成した化粧シートを用いて貼着する事も可
能であるが、表面が平滑でなく多孔質ともなる木質板で
は、木質板側に接着剤は施した方が、接着性の点で好ま
しい。
【0023】〔化粧シート〕使用する化粧シートには、
紙系化粧シートとプラスチック系化粧シートとがある。
前者は基材シートが紙からなり、後者は基材シートがプ
ラスチックからなる化粧シートである。これら化粧シー
トとしては、特に制限はなく、従来公知の各種化粧シー
トを適宜使用すれば良い。なお、化粧シートとは、基材
シートが装飾処理されたシートである。装飾処理として
は、模様等を表現する印刷等よる装飾層の基材シートへ
の付与等である。装飾層は化粧シートの表側面、或いは
プラスチック系化粧シートでは裏側面等もある。また、
プラスチック系化粧シートでは、プラスチックからなる
基材シート中への顔料添加による着色、表面等へのエン
ボス加工による凹凸模様賦形等もある。
【0024】紙系化粧シートの基材シートには、例え
ば、薄葉紙、上質紙、クラフト紙、和紙等の紙が用いら
れる。また、プラスチック系化粧シートの基材シートに
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン、オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー等の
ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂等の樹脂
シート(フィルム)が用いられる。基材シートの厚さは
通常は20〜200μm程度である。
【0025】そして例えば装飾層は、グラビア印刷や転
写印刷等の従来公知の方法、材料で絵柄等を印刷したイ
ンキ層や、アルニウム等の金属の真空蒸着等で部分又は
全面に形成した金属薄膜層等である。装飾層の模様は、
例えば、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾
何学図形、文字等である。なお、特に紙系化粧シートの
場合には、貼着後等に上塗り層を塗工形成する事もあ
る。上塗り層は、耐擦傷性等の表面物性の向上、塗装感
等の意匠感付与の他に、防湿性の向上等の為に使用され
る。上塗り層としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等
の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等が使用され、これに必
要に応じ適宜体質顔料、着色剤、減摩剤、滑剤、紫外線
吸収剤等を添加した塗料が使用される。
【0026】なお、紙系或いはプラスチック系の化粧シ
ートを貼着するには、接着剤を間に介して加圧ローラー
等で加圧して積層する方法等の公知の方法で良い。接着
剤(防湿防水塗料或いは専用の接着剤)は、木質板側に
ロールコート等で塗布して、これに紙を貼る形態が一般
的である。
【0027】〔裏側面に貼着する紙〕裏側面に貼着する
紙3は、木質系化粧板をその裏面で他の物に、接着剤を
用いて接着し易くする為の物である。紙3はその繊維間
に接着剤が侵入する事で接着性を向上させる。従って、
紙3としては、表面が塗工されていない非塗工紙が好ま
しい。例えば、薄葉紙、上質紙、クラフト紙、和紙、建
材用紙等である。更に、質系化粧板を他の物に接着後、
その紙3の部分で剥がれない様に、紙間強度の強い紙が
好ましい。例えば、紙間強度を高めた建材用紙等の紙間
強化紙、含浸紙等が良い。上記紙を木質板の裏側面に貼
着する方法は、前記化粧シートの貼着の場合と同様でも
良く、加圧ローラー等で加圧して積層する方法等の公知
の方法で良い。
【0028】〔木質系化粧板の用途〕木質系化粧板の用
途は特に制限は無い。例えば、前述したドア等の扉の面
材等である。この他にも、例えば、敷居、鴨居等の建
具、壁面、天井、床等の建築物の内装材、門扉等の外装
材、箪笥等の家具、或いはテレビ受像機等の弱電・OA
機器のキャビネットの表面化粧材、自動車、電車、航空
機、船舶等の乗物内装材等である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、更に具体的
に説明する。
【0030】〔実施例1〕図1(A)の如き構成の木質
系化粧板を次の様にして製造した。木質板としては、M
DFからなる厚さ2.7mmの板材を用意した。防湿防
水塗料としては、塩化ビニリデン系樹脂水性エマルショ
ン、アクリル樹脂系水性エマルション、及び適量の水を
混合し、塩化ビニリデン系樹脂とアクリル樹脂とが5対
5重量比の、塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗料
(水性エマルション)を調整した。化粧シートとして
は、木目柄の装飾層を紙間強化紙にグラビア印刷した紙
系化粧シートを用意した。
【0031】そして、上記木質板の裏側となる面には、
上記防湿防水塗料をロールコート法によって40g/m
2 (固形分基準)塗布後、加熱乾燥して防湿防水塗膜層
を形成した。次いで、木質板の表側となる面に、上記防
湿防水塗料を裏側面と同様にして塗布後、加熱乾燥して
防湿防水塗膜層を形成後、更にその上に酢酸ビニル樹脂
系接着剤をロールコート法によって50g/m2 (固形
分基準)塗布した上から、前記紙系化粧シートを貼り合
わせた後、加熱乾燥して、図1(A)の如き構成の木質
系化粧板を得た。得られた木質系化粧板を表裏のそれぞ
れの面材に使用して扉を作製し、この扉について、温度
・湿度変化に対する耐性テストを行ったところ、扉のソ
リ発生は認められず良好であった。なお、耐性テスト条
件は、5℃、湿度70%に保ったA室と、30℃湿度3
0%に保ったB室との間に扉を設置し、24時間放置す
る条件で行った。
【0032】〔実施例2〕図1(C)の如き構成の木質
系化粧板を次の様にして製造した。木質板及び防湿防水
塗料は実施例1と同一物を用意した。化粧シートとして
は、木目柄の装飾層を塩化ビニル樹脂製基材シートにグ
ラビア印刷したプラスチック系化粧シートを用意した。
【0033】そして、実施例1と同様にして、上記木質
板の裏側となる面に、防湿防水塗料を塗布して、防湿防
水塗膜層を形成した。次いで、木質板の表側となる面
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤をロールコ
ート法によって80g/m2 (固形分基準)塗布した上
から、前記プラスチック系化粧シートを貼り合わせ、図
1(C)の如き構成の木質系化粧板を得た。得られた木
質系化粧板で実施例1同様に扉を作製して耐性テストし
た結果、扉のソリ発生は認められず良好であった。
【0034】〔実施例3〕図2(A)の如き構成の木質
系化粧板を次の様にして製造した。木質板は実施例1と
同一物を用意した。防湿防水塗料としては、塩化ビニリ
デン系樹脂水性エマルション、酢酸ビニル樹脂系水性エ
マルション、及び適量の水を混合し、塩化ビニリデン系
樹脂と酢酸ビニル樹脂とが5対5重量比の、塩化ビニリ
デン系樹脂を含む防湿防水塗料(水性エマルション)を
調整した。化粧シートは、実施例1と同一物の紙系化粧
シートを用意した。
【0035】そして、上記木質板の裏側となる面に、上
記防湿防水塗料をロールコート法によって80g/m2
(固形分基準)塗布した後、紙間強度を高めた建材用紙
(坪量30g/m2 )を貼り合わせた後、加熱乾燥し
て、建材用紙を接着した。次いで、木質板の表側となる
面に、上記防湿防水塗料を裏側面と同様にして80g/
2 (固形分基準)塗布した上から、前記紙系化粧シー
トを貼り合わせ、加熱乾燥して、図2(A)の如き構成
の木質系化粧板を得た。得られた木質系化粧板で実施例
1同様に扉を作製して耐性テストした結果、扉のソリ発
生は認められず良好であった。
【0036】〔実施例4〕図2(B)の如き構成の木質
系化粧板を次の様にして製造した。木質板は実施例1と
同一物を用意した。防湿防水塗料としては、塩化ビニリ
デン系樹脂水性エマルション、エチレン−酢酸ビニル共
重合体系水性エマルション、及び適量の水を混合し、塩
化ビニリデン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体と
が4対5重量比の、塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防
水塗料(水性エマルション)を調整した。化粧シート
は、実施例2と同一物のプラスチック系化粧シートを用
意した。
【0037】そして、防湿防水塗料の組成のみ異なる他
は、実施例3と同様にして、上記木質板の裏側となる面
に、防湿防水塗料を80g/m2 (固形分基準)塗布
し、その上に建材用紙を貼着した。次いで、木質板の表
側となる面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤
をロールコート法によって80g/m2 (固形分基準)
塗布した上から、前記プラスチック系化粧シートを貼り
合わせ、図2(B)の如き構成の木質系化粧板を得た。
得られた木質系化粧板で実施例1同様に扉を作製して耐
性テストした結果、扉のソリ発生は認められず良好であ
った。
【0038】
【発明の効果】本発明の木質系化粧板によれば、塩化
ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層によって、基材
の木質板への湿気の出入りが防止され、反りが防止でき
る。また、表側にも防湿防水塗膜層を形成しておけば、
化粧シートが紙系で化粧シート自体には防湿性が無くと
も、木質板は表裏両面の防湿防水塗膜層で耐湿性が確保
され、反りが防止される。 また、化粧シートがプラスチック系ではそれ自体に防
湿性が有るので、表側の防湿防水塗膜層は省略して化粧
シート自体で防湿性を確保できる。以上の結果、紙系及
びプラスチック系化粧シートの両方で、木質系化粧板を
例えばドアの面材に使用しても、反りやネジレがドアに
生じ難い。 更に、表側の防湿防水塗膜層を化粧シートを木質板に
貼着する接着剤層と兼用させれば、化粧シート貼着専用
の接着剤層を省略する事もできる。 また、裏側の防湿防水塗膜層を接着剤層として紙を貼
着した構成とすれば、該紙によって、裏面で他の物に接
着する場合に接着が容易となる。
【0039】また、本発明の木質系化粧板の製造方法
では、上記木質系化粧板を容易に製造出来る。すなわ
ち、塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層は、塗
工によって形成されるで、塩化ビニリデン系樹脂シート
を貼着する場合に比べて、木質基材や化粧シートへの密
着が容易である。 また、表側に塗布する防湿防水塗料を木質板に紙系化
粧シートを貼着する為の接着剤と兼用させれば、別途接
着剤を施す手間も省ける。 また、裏側に塗布する防湿防水塗料を木質板に紙を貼
着する為の接着剤と兼用させれば、別途接着剤を使用す
る手間を省ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木質系化粧板の形態例を示す断面図。
【図2】本発明の木質系化粧板の他の形態例を示す断面
図。
【符号の説明】
1 防湿防水塗膜層 2 接着剤層 3 紙 B 木質板 D 木質系化粧板 Sa 紙系化粧シート Sb プラスチック系化粧シート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質板の表裏両面に塩化ビニリデン系樹
    脂を含む防湿防水塗膜層が形成され、更に表側の防湿防
    水塗膜層上に接着剤層を介して紙系化粧シートが貼着さ
    れてなる、木質系化粧板。
  2. 【請求項2】 木質板の表裏両面に塩化ビニリデン系樹
    脂を含む防湿防水塗膜層が形成され、更に表側には該防
    湿防水塗膜層を接着剤層として紙系化粧シートが貼着さ
    れてなる、木質系化粧板。
  3. 【請求項3】 木質板の表側面に接着剤層を介してプラ
    スチック系化粧シートが貼着され、裏側面に塩化ビニリ
    デン系樹脂を含む防湿防水塗膜層が形成されてなる、木
    質系化粧板。
  4. 【請求項4】 裏側面の防湿防水塗膜層を接着剤層とし
    て、裏側に紙が貼着されてなる、請求項1〜3のいずれ
    かに記載の木質系化粧板。
  5. 【請求項5】 木質板の表側面には塩化ビニリデン系樹
    脂を含む防湿防水塗料を塗布後、その上に接着剤で紙系
    化粧シートを貼り合わせ、裏側面には塩化ビニリデン系
    樹脂を含む防湿防水塗料を塗布する事で、木質板の表裏
    両面に塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層が形
    成され、更に表側の防湿防水塗膜層上に接着剤層を介し
    て紙系化粧シートが貼着されてなる木質系化粧板とす
    る、木質系化粧板の製造方法。
  6. 【請求項6】 木質板の表側面には塩化ビニリデン系樹
    脂を含む防湿防水塗料を塗布後、その上に紙系化粧シー
    トを貼り合わせ、裏側面には塩化ビニリデン系樹脂を含
    む防湿防水塗料を塗布する事で、木質板の表裏両面に塩
    化ビニリデン系樹脂を含む防湿防水塗膜層が形成され、
    更に表側には該防湿防水塗膜層を接着剤層として紙系化
    粧シートが貼着されてなる木質系化粧板とする、木質系
    化粧板の製造方法。
  7. 【請求項7】 木質板の表側面には接着剤でプラスチッ
    ク系化粧シートを貼り合わせ、裏側面には塩化ビニリデ
    ン系樹脂を含む防湿防水塗料を塗布する事で、木質板の
    表側面に接着剤層を介してプラスチック系化粧シートが
    貼着され、裏側面に塩化ビニリデン系樹脂を含む防湿防
    水塗膜層が形成されてなる木質系化粧板とする、木質系
    化粧板の製造方法。
  8. 【請求項8】 木質板の裏側面に防湿防水塗料を塗布
    後、その上に紙を貼り合わせる事で、防湿防水塗膜層を
    接着剤層として裏側に紙が貼着されてなる木質系化粧板
    とする、請求項5〜7のいずれかに記載の木質系化粧板
    の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236263A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Daiken Corp 床暖房用床材及びその製造方法
JP2012210738A (ja) * 2011-03-30 2012-11-01 Dainippon Printing Co Ltd 化粧板及び化粧板の製造方法
JP2013002246A (ja) * 2011-06-21 2013-01-07 Panasonic Corp 木質床材及びその製造方法
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JP2015214156A (ja) * 2015-06-24 2015-12-03 大日本印刷株式会社 化粧板の製造方法及び化粧板

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