JPH1120088A - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

化粧シート及び化粧材

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JPH1120088A
JPH1120088A JP9176992A JP17699297A JPH1120088A JP H1120088 A JPH1120088 A JP H1120088A JP 9176992 A JP9176992 A JP 9176992A JP 17699297 A JP17699297 A JP 17699297A JP H1120088 A JPH1120088 A JP H1120088A
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sheet
decorative
decorative sheet
formaldehyde
layer
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JP9176992A
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Kahei Murata
嘉平 村田
Kazuya Masuko
和也 益子
Kazuteru Kato
一照 加藤
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木質基材の表面に特殊な化粧シートを貼付する
ことにより、木質基材が放散するホルムアルデヒドを捕
捉除去し、不快臭や健康被害を防止する。 【解決手段】基材シートにホルムアルデヒド捕捉剤を塗
布または含浸した化粧シート、及びそれを木質基材の表
面に貼付した化粧材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧シート及び化粧
材に関するものである。更に詳しくは、木質基材が放散
するホルムアルデヒドを捕捉して無臭化、無害化する機
能性を有する化粧シート及び化粧材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅建材や家具等に多用されてい
る合板やパーティクルボード等の木質基材が、ホルムア
ルデヒドを放散して室内の空気を汚染し、その特有の刺
激臭による不快感やアレルギー症状等の健康被害を居住
者に与える場合があることが指摘され、身近な環境汚染
の一つとして社会問題化しつつある。
【0003】上記現象の主たる原因は、上記した合板等
の木質基材の製造時に、尿素系等のホルムアルデヒドを
含有する接着剤を使用していることである。この問題に
鑑み合板業界等では、ホルムアルデヒドを含有しない接
着剤での代替や、ホルムアルデヒド使用量の削減等の対
策を講じ始めているが、接着剤コストの上昇、接着性や
耐久性等の製品性能の低下、初期接着性や硬化時間等の
生産性の低下等の諸問題を抱え、性能面、価格面の両面
で十分満足できるものは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ホルムアル
デヒドを放散する木質基材を使用しても、その表面に貼
付するだけで、その木質基材が放散するホルムアルデヒ
ドを捕捉除去し、不快臭や健康被害等の問題を解決する
ことのできる化粧シート、並びに係る化粧シートの貼付
により上記問題が解決された化粧材を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の化粧シー
トは、繊維質基材シートの表面に絵柄層とトップコート
層とを順次有する化粧シートにおいて、前記繊維質基材
シートにホルムアルデヒド捕捉剤が塗工又は含浸されて
なることを特徴とする化粧シートである。
【0006】本発明の第二の化粧シートは、熱可塑性樹
脂基材シートの表面又は裏面に絵柄層を有する化粧シー
トにおいて、前記熱可塑性樹脂基材シートの裏面に、ホ
ルムアルデヒド捕捉剤が塗工されてなることを特徴とす
る化粧シートである。
【0007】本発明の第三の化粧シートは、基材シート
の表面に突板を有する化粧シートにおいて、前記基材シ
ートにホルムアルデヒド捕捉剤が塗工又は含浸されてな
ることを特徴とする化粧シートである。
【0008】本発明の第四の化粧シートは、基材シート
の表面に発泡樹脂層を有する化粧シートにおいて、前記
基材シートにホルムアルデヒド捕捉剤が塗工又は含浸さ
れてなることを特徴とする化粧シートである。
【0009】本発明の化粧材は、木質基材の表面に上記
のいずれかの化粧シートを貼付してなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第一の化粧シート1は、
図1に示す様に、繊維質基材シート11の表面に、絵柄
層12、トップコート層13が順次積層されて構成さ
れ、前記繊維質基材シート11には、ホルムアルデヒド
捕捉剤が塗工又は含浸されてなるものである。
【0011】繊維質基材シート11は、例えば薄葉紙や
チタン紙等の所謂建材用紙が最も好適に使用される。勿
論これらに限定されるものではなく、例えば上質紙やコ
ート紙、無機紙、難燃紙、樹脂混抄紙、樹脂含浸紙等の
各種の紙類や、天然繊維又は合成繊維、無機繊維等から
なる織布又は不織布等、任意の材質を使用することがで
きる。
【0012】また、繊維質基材シート11としては、繊
維質材料を少なくとも含む複数の材質の組合せからなる
複合体乃至積層体を使用することもできる。例えば、2
枚の繊維質シートの間にポリエチレン等の防湿性樹脂層
を挟持した3層構成のシートを使用すると、表面の印刷
適性に優れ、裏面の木質基材51との接着性も良好であ
り、しかも防湿性を備えた化粧シート1を得ることがで
きる。勿論、絵柄層12等は、繊維質基材シート11を
構成する各層の積層前に、その最上層の表面に形成して
おいても良い。また、上記3層構成のシートの表面に直
接絵柄層12等を設ける替わりに、別途用意した繊維質
シートに予め絵柄層12等を形成しておき、これを上記
3層構成のシートの表面に貼り合わせても良い。
【0013】絵柄層12は、例えばグラビア印刷等の任
意の方法でインキを所望の絵柄状に着肉してなるもので
あり、その形成方法やインキの組成、絵柄の種類等には
特に制限はなく、目的とする用途や使用者の嗜好等に応
じ任意である。インキとして発泡性インキや、体質顔料
を多量に含有する盛り上げインキ等を使用しても良い
し、印刷に替えて金属蒸着層等を設けても良く、これら
を通常の印刷と共に適宜組み合わせて使用することもで
きる。絵柄層12は、全面に亘り連続して設けられてい
る必要は必ずしもなく、所望する絵柄に応じ必要な箇所
にのみ設けられていれば良い。
【0014】トップコート層13は、化粧シート1の表
面に耐擦傷性、耐磨耗性、耐水性、耐溶剤性、耐汚染性
等の表面物性を付与するためのもので、例えばアクリル
系樹脂、アミノアルキド樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ
素系樹脂、電離放射線硬化型樹脂等を主成分とする公知
の任意のトップコート剤を使用すればよい。このトップ
コート層13は、ホルムアルデヒドの透過を阻害して捕
捉効率を向上する作用をも有する。なお、トップコート
層13に替えて、木質基材51等への貼付後に塗装を施
しても良い。
【0015】トップコート層13には、必要に応じて着
色剤や減摩剤、滑剤、帯電防止剤、艶調整剤、ブロッキ
ング防止剤等の添加剤を添加することにより、所望の物
性に調整することができる。またトップコート層13
は、必ずしも全面に亘り均一に設ける必要はなく、例え
ば絵柄層12の少なくとも一部に撥液剤を含有するイン
キを使用してトップコート剤を弾かせて凹凸模様を形成
したり、全面に設けた第一のトップコート層の上に艶の
異なる第2のトップコート層を絵柄状に設けて艶変化模
様を形成したりしても良い。
【0016】繊維質基材シート11に塗布又は含浸する
ホルムアルデヒド捕捉剤は、ホルムアルデヒドと反応し
て無臭化・無害化することができる物質であれば何であ
ってもよく、例えばジシアンジアミド、メラミン等のア
ミノ化合物、尿素、バルビツール酸等のアミド類、グル
タミン酸塩、グリシン、アラニン等のアミノ酸類、カル
ボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン
誘導体等の含窒素化合物を少なくとも含有する組成物を
使用することが好ましい。
【0017】ホルムアルデヒド捕捉剤は、繊維質基材シ
ート11の全体に均一に含浸されていても良いし、表面
又は裏面等に部分的に塗布又は含浸されていても良い。
ホルムアルデヒド捕捉剤の塗布又は含浸は、当該化粧シ
ート1の製造工程のうちの任意の時点で行うことができ
る。例えば、紙であれば抄紙時にパルプスラリー中に添
加しておいても良いし、抄紙後、絵柄層の印刷後又はト
ップコート層の塗工後に塗布又は含浸しても良い。
【0018】なお、繊維質基材シート11が複数の材質
の積層体からなる場合には、ホルムアルデヒド捕捉剤
は、繊維質基材シート11の裏面側の層に塗布又は含浸
することが好ましい。例えば、前記した2枚の繊維質シ
ートの間にポリエチレン等の防湿性樹脂層を挟持した3
層構成のシートを使用した場合にあっては、ホルムアル
デヒド捕捉剤は裏面側の繊維質シートに塗布又は含浸す
ることが好ましい。化粧シート1を貼付する木質基材5
1が放散するホルムアルデヒドの捕捉効率が高まるから
である。勿論、ホルムアルデヒド捕捉剤の塗布又は含浸
の時期は問わず、繊維質基材シート11を構成する複数
層の積層前であっても積層後であっても良いし、印刷後
やトップコート層の塗工後であっても良い。
【0019】本発明の第二の化粧シート2は、図2に示
す様に、熱可塑性樹脂基材シート21の表面に絵柄層2
2が設けられると共に、裏面にホルムアルデヒド捕捉剤
23が塗工されて構成されるものである。なお、熱可塑
性樹脂基材シート21が透明又は半透明である場合に
は、絵柄層22は熱可塑性樹脂基材シート21の裏面に
設けられていてもよく、また、表面及び裏面の両方に設
けられていてもよい。
【0020】熱可塑性樹脂基材シート21は、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂フィ
ルム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂フ
ィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリ
デン樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル系樹脂フィルム、ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデン、エチレン−テトラフロロエチレン共重
合体等のフッ素系樹脂フィルム等、またはそれらを少な
くとも包含する積層体等からなる可撓性のシートを使用
することができる。
【0021】絵柄層22は、本発明の第一の化粧シート
1における絵柄層12と同様であり、その材質、形成
法、絵柄の種類等には特に制限はない。
【0022】ホルムアルデヒド捕捉剤23は、本発明の
第一の化粧シート1の場合と同様の材料が使用可能であ
り、それらを単独で塗工しても良いし、適当なバインダ
ー樹脂と混合して塗工しても良い。塗工方法には特に制
限はなく、塗工の時点も、例えばフィルム製膜と同時
や、絵柄22の印刷前、印刷後等、任意の時点とするこ
とができる。
【0023】この他、必要に応じて、表面に透明樹脂層
やトップコート層、艶調整層等を適宜設けたり、エンボ
スを施したり、エンボス凹部にワイピングを施すなどし
てもよい。エンボス方法としては例えば、エンボス版や
エンボスロールを使用する機械エンボス法や、撥液性イ
ンキで形成した絵柄層の上に樹脂液を塗工して弾かせる
方法、電離放射線硬化性樹脂層を塗工形成し部分的に電
離放射線を照射する方法、硬化抑制剤を含有するインキ
で形成した絵柄層の上に硬化性樹脂層を塗工形成し絵柄
層上以外を硬化させる方法等、従来公知の任意の手段が
用いられる。また、木質基材51等への貼付後に塗装を
施しても良い。
【0024】本発明の第三の化粧シート3は、図3に示
す様に、基材シート31の表面に突板32が積層されて
なり、前記基材シート31にはホルムアルデヒド捕捉剤
が塗工又は含浸されてなるものである。
【0025】基材シート31は、化粧シート用基材とし
ての強度や加工性を備えた可撓性のシートであれば何で
あっても良く、例えば紙、織布、不織布等の繊維質シー
トや樹脂フィルム等が使用可能である。中でも紙又は不
織布が最も一般的であり、接着性の観点からは少なくと
もセルロース系繊維を含有するものを使用することが最
も好ましい。
【0026】また、基材シート31としては、複数の材
質を組み合わせてなる複合体乃至積層体を使用すること
もできる。例えば、2枚の繊維質シートの間にポリエチ
レン等の防湿性樹脂層を挟持した3層構成のシートを使
用すると、突板32や木質基材51との接着にも好都合
であり、しかも防湿性を備えた化粧シート3を得ること
ができる。
【0027】突板32は、天然の木材を厚さ1mm以
下、好ましくは0.1〜0.5mm程度の厚さにスライ
スしたものであって、天然木の無垢材に匹敵する外観を
化粧材の表面に付与する目的で設けられるものであるか
ら、美麗な木目の意匠性を有するものを使用することが
好ましい。但し、天然の木目の意匠性に優れた突板は、
木材資源の枯渇により年々高価になりつつあるので、例
えば南洋材等の木目不明瞭な突板に、好ましくは非隠蔽
性の木目の印刷を施して使用することにより、天然材に
ほぼ匹敵する品質のものを安価に製造することもでき
る。突板32は、常法により基材シート31に接着され
る。
【0028】基材シート31に塗布又は含浸するホルム
アルデヒド捕捉剤は、本発明の第一の化粧シート1や本
発明の第二の化粧シート2の場合と同様であり、塗布又
は含浸の工程の時点にも特に制限はない。
【0029】この他、必要に応じて突板32の表面に透
明又は半透明のトップコートや塗装を施したり、透明又
は半透明の保護樹脂層を設けてもよい。これらトップコ
ート層や塗装皮膜、保護樹脂層等は、突板32の表面を
保護し、耐擦傷性、耐磨耗性、耐水性、耐汚染性等の表
面物性を付与する他、ホルムアルデヒドの透過を抑制し
捕捉効率を向上する作用をも有する。なお、塗装等は木
質基材51等への貼付後に施しても良い。
【0030】本発明の第四の化粧シートは、図4に示す
様に、基材シート41の表面に発泡樹脂層42が設けら
れて構成され、前記基材シート41にはホルムアルデヒ
ド捕捉剤が塗工又は含浸されてなるものである。発泡樹
脂層42の表面には、絵柄層43が設けられるのが通例
である。絵柄層43は、発泡樹脂層42が透明又は半透
明である場合には、基材シート41と発泡樹脂層42と
の間に設けることもできるし、その両方に設けても良
い。
【0031】基材シート41の材質は、化粧シート用基
材としての強度や加工性を備えたシート状の材料であれ
ば何であっても良く、特に限定されない。一般的には紙
又は熱可塑性樹脂シートが好適であり、特に壁紙用途に
は、不燃紙や難燃紙、無機紙等が使用される例が多い。
【0032】発泡樹脂層42は、適当な熱可塑性樹脂を
発泡剤や他の添加剤と共に溶剤又は可塑剤中に溶解又は
分散してなる発泡性樹脂組成物塗工剤を、基材シート4
1の表面に塗工して加熱発泡して形成される。熱可塑性
樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂やアクリル系
樹脂、EVA樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が使用される。発泡剤
としては、例えばアゾジカルボンアミド等の有機発泡剤
や、炭酸水素ナトリウム等の無機発泡剤、熱可塑性樹脂
からなる微小殻の内部に気体又は低沸点液体を封入して
なるマイクロカプセル発泡剤等が使用される。
【0033】絵柄層43は、本発明の第一〜第三の化粧
シートの場合と同様に、その目的とする用途に応じて所
望により任意であり、その材料や形成手法、絵柄の種類
等には特に制限はない。
【0034】基材シート41に塗布又は含浸されるホル
ムアルデヒド捕捉剤は、本発明の第一〜第三の化粧シー
トの場合と同様であり、その塗布又は含浸の工程の時点
等にも、特に制限はない。
【0035】発泡樹脂層42には、必要に応じてエンボ
スを施して、立体的な意匠感を付与することもできる。
エンボスの形成方法としては、例えばエンボス版又はエ
ンボスロールを使用するメカニカルエンボス法、発泡抑
制剤又は発泡促進剤を含有するインキの絵柄と組み合わ
せるケミカルエンボス法、版深の深い印刷版を使用して
発泡性又は非発泡性のインキを厚肉に印刷する盛り上げ
印刷法等、従来公知の任意の方法が適用可能である。そ
の他、必要に応じてエンボスの凹部に着色剤をワイピン
グ充填したり、表面に透明樹脂層やトップコート層、艶
調整層等を設ける等しても良い。
【0036】以上に説明した本発明の各種の化粧シート
52は、図5に示す様に、木質基材51の表面に貼付し
た化粧材5として、住宅建材や家具材、機器類の筐体材
料等に使用される。
【0037】木質基材51は、例えば合板、集成材、パ
ーティクルボード、ハードボード、中密度繊維板等が使
用される。木質基材51の形状は必ずしも平板状に限定
されることはなく、例えば柱状や異形断面状、三次元凹
凸形状等であっても良く。この様な場合には、化粧シー
ト52はラッピング法や真空ラミネート法、熱圧成形法
等の手段により、木質基材51の表面形状に沿って貼付
される。
【0038】木質基材51の化粧シート52を貼付する
表面とは、裏面や側面等を含む全表面であっても良く、
その方が確かにホルムアルデヒドの捕捉除去という観点
からは最も確実である。しかしながら、化粧材5は化粧
シート52の貼付後さらに切断や切削等の後加工がなさ
れる場合も多いので、全表面を化粧シート52で覆い尽
くすことは現実的ではない。
【0039】また、化粧材5がその一面で他の部材と接
合される場合や、その一面が壁内部や床下、天井裏等に
向けて使用される場合、裏面にVカットや櫛目カット等
を施して折り曲げ芯材に貼付される場合等にあっては、
当該面に貼付された化粧シート52は無駄である。従っ
て要するに、使用状態で外部に露出する部分、特に室内
の空気に直接曝される部分に化粧シート52が貼付され
ていればよい。
【0040】
【実施例】
<実施例1>坪量30g/m2 の薄葉紙の表面に、グラ
ビア印刷法により硝化綿系インキにて隠蔽ベタ印刷と木
目印刷とを施し、2液硬化型ウレタン系透明トップコー
ト剤を乾燥後の塗布量6g/m2 に塗工し、乾燥、硬化
した。さらに、その裏面に、メラミンを主成分とするホ
ルムアルデヒド捕捉剤を乾燥後の塗布量6g/m2 に塗
工し乾燥して、本発明の化粧シートを作製した。
【0041】厚さ2.5mmのラワン合板の表裏両面
に、上記化粧シートを酢酸ビニルエマルジョン接着剤に
て貼付して、本発明の化粧材を作製した。この化粧材を
50mm×150mmに切断したものを10枚使用し
て、蒸留水300ml入りの結晶皿とともにデシケータ
中に入れ密封し、20℃で24時間放置後、蒸留水中の
ホルムアルデヒドをアセチルアセトン法により定量した
ところ、ホルムアルデヒド放散量は1.5mg/lであ
った。
【0042】<比較例1>上記実施例1において、ホル
ムアルデヒド捕捉剤の塗工を省略し、他は同一条件にて
化粧材を作製し、ホルムアルデヒド放散量を測定したと
ころ、2.5mg/lであった。
【0043】<実施例2>厚さ50μmの着色ポリ塩化
ビニル樹脂フィルムの表面に、ウレタン系インキを使用
してグラビア印刷法にて木目柄を印刷し、その上に厚さ
100μmの透明ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを熱ラミ
ネートすると同時に導管模様のエンボスを施し、該導管
部にワイピング法により着色剤を充填し、その上に2液
ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗布量5g/m2
に塗工してトップコート層を形成した。しかる後に、裏
面にメラミンを主成分とするホルムアルデヒド捕捉剤を
乾燥後の塗布量4g/m2 に塗工して、本発明の化粧シ
ートを作製した。
【0044】厚さ2.5mmの化粧合板の片面に、上記
化粧シートを水溶性ウレタン樹脂系接着剤にて貼付し
て、本発明の化粧材を作製した。この化粧材のホルムア
ルデヒド放散量を測定したところ、3.5mg/lであ
った。
【0045】<比較例2>上記実施例2において、ホル
ムアルデヒド捕捉剤の塗工を省略し、他は同一条件にて
化粧材を作製し、ホルムアルデヒド放散量を測定したと
ころ、4.2mg/lであった。
【0046】<実施例3>坪量30g/m2 のレーヨン
不織布に、メラミンを主成分とするホルムアルデヒド捕
捉剤を乾燥後の含浸量6g/m2 に含浸したものを、酢
酸ビニルエマルジョン接着剤を介して、厚さ0.2mm
の突板に貼付して、本発明の化粧シートを作製した。
【0047】厚さ2.5mmの化粧合板の表裏両面に、
上記化粧シートを酢酸ビニルエマルジョン接着剤にて貼
付し、突板面に木材用ウレタン塗装(乾燥後の塗布量2
0g/m2 )を施して、本発明の化粧材を作製した。こ
の化粧材のホルムアルデヒド放散量を測定したところ、
1.7mg/lであった。
【0048】<比較例3>上記実施例3において、ホル
ムアルデヒド捕捉剤の含浸を省略し、他は同一条件にて
化粧材を作製し、ホルムアルデヒド放散量を測定したと
ころ、3.0mg/lであった。
【0049】<実施例4>坪量70g/m2 の難燃紙の
裏面に、メラミンを主成分とするホルムアルデヒド捕捉
剤を乾燥後の塗布量6g/m2 に塗工し乾燥後、表面に
マイクロカプセル発泡剤を含有するポリエステル樹脂系
水性エマルジョンを乾燥後の塗布量300g/m2 に塗
工し、この表面に塩化ビニル−酢酸ビニル系インキにて
抽象柄の絵柄を印刷し、さらにアクリル系トップコート
剤を乾燥後の塗布量4g/m2 に塗工した後、加熱発
泡、エンボスを施して、本発明の化粧シートを作製し
た。
【0050】厚さ2.5mmの化粧合板の片面に、上記
化粧シートを酢酸ビニルエマルジョン接着剤にて貼付し
て、本発明の化粧材を作製した。この化粧材のホルムア
ルデヒド放散量を測定したところ、3.3mg/lであ
った。
【0051】上記実施例4において、ホルムアルデヒド
捕捉剤の塗工を省略し、他は同一条件にて化粧材を作製
し、ホルムアルデヒド放散量を測定したところ、4.2
mg/lであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の化粧シートの基材シートには、
ホルムアルデヒド捕捉剤が塗布または含浸されているの
で、木質基材の表面に貼付して使用することにより、木
質基材が放散するホルムアルデヒドを捕捉除去し、室内
の空気中への放散を防止することができ、以て居住者の
不快感や健康被害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【図2】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【図3】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【図4】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【図5】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【符号の説明】
1 化粧シート 11 繊維質基材シート 12 絵柄層 13 トップコート層 2 化粧シート 21 熱可塑性樹脂基材シート 22 絵柄層 23 ホルムアルデヒド捕捉剤 3 化粧シート 31 基材シート 32 突板 4 化粧シート 41 基材シート 42 発泡樹脂層 43 絵柄層 5 化粧材 51 木質基材 52 化粧シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維質基材シートの表面に絵柄層とトップ
    コート層とを順次有する化粧シートにおいて、前記繊維
    質基材シートにホルムアルデヒド捕捉剤が塗工又は含浸
    されてなることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂基材シートの表面又は裏面に
    絵柄層を有する化粧シートにおいて、前記熱可塑性樹脂
    基材シートの裏面にホルムアルデヒド捕捉剤が塗工され
    てなることを特徴とする化粧シート。
  3. 【請求項3】基材シートの表面に突板を有する化粧シー
    トにおいて、前記基材シートにホルムアルデヒド捕捉剤
    が塗工又は含浸されてなることを特徴とする化粧シー
    ト。
  4. 【請求項4】基材シートの表面に発泡樹脂層を有する化
    粧シートにおいて、前記基材シートにホルムアルデヒド
    捕捉剤が塗工又は含浸されてなることを特徴とする化粧
    シート。
  5. 【請求項5】木質基材の表面に請求項1〜4のいずれか
    に記載の化粧シートを貼付してなる化粧材。
JP9176992A 1997-07-02 1997-07-02 化粧シート及び化粧材 Pending JPH1120088A (ja)

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JP9176992A JPH1120088A (ja) 1997-07-02 1997-07-02 化粧シート及び化粧材

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002303030A (ja) * 2001-04-06 2002-10-18 Misawa Homes Co Ltd 仕上シートの更新方法およびシート式仕上構造
JP2009285945A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Bridgestone Corp 樹脂発泡体及びその製造方法
JP2019098603A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 ダイニック株式会社 壁装材料

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