JPH1148413A - ホルムアルデヒド捕捉壁紙およびその製造方法 - Google Patents

ホルムアルデヒド捕捉壁紙およびその製造方法

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JPH1148413A
JPH1148413A JP9225870A JP22587097A JPH1148413A JP H1148413 A JPH1148413 A JP H1148413A JP 9225870 A JP9225870 A JP 9225870A JP 22587097 A JP22587097 A JP 22587097A JP H1148413 A JPH1148413 A JP H1148413A
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JP
Japan
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layer
formaldehyde
resin film
transparent resin
resin layer
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Withdrawn
Application number
JP9225870A
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English (en)
Inventor
Hisafumi Nishida
尚史 西田
Seiji Kuroda
誠二 黒田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏打紙の一方の面に発泡樹脂層、絵柄印刷
層、表面保護層が設けられた、表面物性に優れ、かつ、
ホルムアルデヒド捕捉層に有機アミノ化合物を用いた構
成からなるホルムアルデヒド捕捉機能を有する壁紙およ
びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 裏打紙の一方の面に発泡樹脂層、絵柄印
刷層、熱接着性樹脂層、透明樹脂フイルム層が順次設け
られた積層体において、前記透明樹脂フイルム層の表面
にホルムアルデヒド捕捉層が設けられているホルムアル
デヒド捕捉壁紙とすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅、ホテル、公
共施設等の壁面に用いられる壁紙とその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の内装には、天井材、床材
等の内装材、扉、襖等の造作材等、木質系基材からなる
下地材に接着剤を介して化粧シートを貼着した化粧材ま
たは化粧板が多く用いられており、これらの下地材を構
成する基材は、一般的に木材合板、木質繊維板、パーチ
クルボード等の木質系基材、石膏ボード、石膏スラグボ
ード等の石膏系基材、パルプセメント板、石綿スレート
板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント
板、GRCおよびコンクリート等であり、例えば、木質
系基材は接着剤によって結合されており、この接着剤と
しては接着性能やコストの点から尿素系、メラミン系あ
るいはフェノール系樹脂の接着剤を用いることが多い。
ところが、これらの接着剤には遊離のホルムアルデヒド
が含まれており、また、樹脂の分解によってホルムアル
デヒドが遊離してくる。従って、このような木質系基材
に化粧シートをそのまま貼合せると強い刺激臭、いわゆ
るホルマリン臭を有する有毒物質であるホルムアルデヒ
ドを放出し、衛生環境を損なうことになる。即ち、これ
らの内装材、造作材からもホルムアルデヒドが空気中に
放出され室内等の衛生環境を損なうという問題もあっ
た。
【0003】また、壁紙としては、裏打紙に塩化ビニル
樹脂発泡体層、絵柄印刷層、透明保護層を順に設けた構
成のものが多く用いられており、壁面の下地材の表面に
貼合せて使用されており、壁面の下地材に壁紙を貼合せ
るときに用いられる接着剤には、接着剤の安定剤、防腐
剤としてホルムアルデヒドが含まれているものがあり、
これらの接着剤を用いた場合にも、ホルムアルデヒドが
空気中に放出され、同じく室内等の衛生環境を損なうと
いう問題もあった。
【0004】さらに、熱分解型発泡剤入り発泡性樹脂に
よる発泡樹脂層と有機アミノ化合物で形成されたホルム
アルデヒド捕捉層とを有する壁紙は、製造時において、
発泡樹脂層の形成に要する加熱によって有機アミノ化合
物が熱分解又は揮発する可能性も有り、その場合、ホル
ムアルデヒドを捕捉する機能を減少させるといった問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、裏打紙の一方の面に発泡樹脂層、絵柄印刷層、表
面保護層が設けられた、表面物性に優れ、かつ、ホルム
アルデヒド捕捉層に有機アミノ化合物を用いた構成から
なるホルムアルデヒドの捕捉機能を有する壁紙およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の解決手段は、裏打紙の一方の面に発泡樹脂
層、絵柄印刷層、透明樹脂フイルム層が順次設けられた
積層体において、前記透明樹脂フイルム層の表面にホル
ムアルデヒド捕捉層が設けられていることを特徴とする
ホルムアルデヒド捕捉壁紙とすることである。このよう
な構成とすることにより、天井材、床材、壁材の下地材
である基材の結合、あるいは、基材への化粧シートまた
は壁紙の貼着のために使用する接着剤等から発生するホ
ルムアルデヒドは透明樹脂フイルム層の表面に設けたホ
ルムアルデヒド捕捉剤を含有するホルムアルデヒド捕捉
層によって捕捉、吸着されるためホルムアルデヒドによ
る刺激臭がすることの非常に少なくなるものであり、室
内を常に衛生環境の良い状態に保持することができ、ま
た、壁紙に耐磨耗性、耐擦傷性、耐汚染性等の表面強度
を付与するものである。
【0007】また、透明樹脂フイルム層の表面に凹凸模
様を形成してなることを特徴とするものである。こうす
ることによって、壁紙の表面に繊細で、風合いのある凹
凸模様が形成され意匠性に優れた壁紙となる。
【0008】また、透明樹脂フイルム層の裏面に熱接着
性樹脂層が積層されていることを特徴とするものであ
る。こうすることによって、透明樹脂フイルムの積層が
容易に、強固に行われ品質に優れた壁紙となる。
【0009】また、透明樹脂フイルム層がエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体樹脂フイルムよりなることを特
徴とするものである。こうすることによって、発泡樹脂
層からの可塑剤の移行または表面への滲みだしが防止さ
れ、壁紙の表面に汚れ防止機能を付与するものであり、
また賦形性等の加工適性に優れた壁紙となる。
【0010】また、必要に応じて片方の面に熱接着性樹
脂層が形成されている透明樹脂フイルムの他方の面にホ
ルムアルデヒド捕捉剤を含有する樹脂組成物を塗布して
ホルムアルデヒド捕捉層を設ける工程、裏打紙の一方の
面上に発泡性樹脂層を設ける工程、前記発泡性樹脂層の
表面上に絵柄印刷層を設ける工程、次いで発泡性樹脂層
を加熱発泡させた後、前記透明樹脂フイルムの熱接着性
樹脂層面を前記絵柄印刷層面に接するように重ね合わせ
た状態でラミネートロール間に挿入し、加熱、加圧する
ことにより熱接着する工程からなることを特徴とするホ
ルムアルデヒド捕捉壁紙の製造方法である。このように
製造することにより、ホルムアルデヒド捕捉層が発泡性
樹脂層を発泡させるための加熱による影響を受けること
がないので、熱による有機アミノ化合物の熱分解や揮発
によるホルムアルデヒド捕捉性能の劣化を防ぐことがで
き、その結果ホルムアルデヒド捕捉層のホルムアルデヒ
ドの捕捉、吸着性能を十分に発揮する壁紙を製造でき
る。
【0011】また、前記ラミネートロールの代わりにエ
ンボスロールと加圧ロール間に前記透明樹脂フイルムの
熱接着性樹脂層面を前記絵柄印刷層面に接するように重
ね合わせた状態で挿入し、加熱、加圧することにより熱
接着すると同時に前記透明樹脂フイルム面に凹凸模様を
形成する工程からなることを特徴とするホルムアルデヒ
ド捕捉壁紙の製造方法とすることにより、ホルムアルデ
ヒドの捕捉、吸着性能を有し、表面の意匠性に優れた壁
紙が容易に確実に製造できるものである。
【0012】裏打紙の一方の面上に発泡性樹脂層を設け
る工程、前記発泡性樹脂層の表面上に絵柄印刷層を設け
る工程、次いで発泡性樹脂層を加熱発泡させた後、必要
に応じて片方の面に熱接着性樹脂層が形成されている透
明樹脂フイルムの前記熱接着性樹脂層面を前記絵柄印刷
層面に接するように重ね合わせた状態でエンボスロール
と加圧ロール間に挿入し加熱、加圧することにより熱接
着すると同時に前記透明樹脂フイルム面に凹凸模様を形
成する工程、次いで前記透明樹脂フイルムの凹凸模様面
にホルムアルデヒド捕捉剤を含有する塗料を塗工、乾燥
することによりホルムアルデヒド捕捉層を形成する工程
からなることを特徴とするホルムアルデヒド捕捉壁紙の
製造方法とすることにより、上記のような効果を有する
ホルムアルデヒド捕捉性に優れた壁紙が容易に確実に製
造できるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を図面を参照しながら説明する。図1〜図4は本発明の
壁紙の実施形態の積層構成を示す断面図、図5は本発明
の壁紙の製造方法の一例を説明する積層断面図であり、
1、10、20、30は壁紙、2は裏打紙、3は発泡樹
脂層、4は絵柄印刷層、5は透明樹脂フイルム層、6は
熱接着性樹脂層、7はホルムアルデヒド捕捉層、8は凹
凸模様をそれぞれ表している。
【0014】本発明の壁紙の第1の実施形態の壁紙1の
積層構成は図1に示すように、裏打紙2の表面に発泡樹
脂層3、絵柄印刷層4、透明樹脂フイルム層5を順次積
層し、その上にホルムアルデヒド捕捉層6を設けた構成
からなるものである。ここで、ホルムアルデヒド捕捉層
6は裏打紙2の上に設けた発泡性樹脂層を加熱発泡後、
ホルムアルデヒド捕捉層6を設けた透明樹脂フイルム5
を熱接着により積層することを特徴とするものであり、
天井材、床材、扉、襖等の内装材、造作材等から室内に
放出されたホルムアルデヒドを捕捉、吸着する性能を十
分に発揮しやすくしたものである。
【0015】また、図2は本発明の壁紙の第2の実施形
態の壁紙10の積層構成を示すもので、図1に示す本発
明の壁紙1の絵柄印刷層4と透明樹脂フイルム層5との
間に熱接着性樹脂層6を設けてなる構成を有するもので
ある。熱接着性樹脂層6は絵柄印刷層4と透明樹脂フイ
ルム5との密着性を向上させるために設けられたもので
ある。
【0016】次に、本発明の壁紙10の製造方法の一例
について図面を用いて説明する。先ず、図5(イ)に示
すように、片方の面に熱接着性樹脂層6が形成された透
明樹脂フイルム5の他方の面にホルムアルデヒド捕捉剤
を含有するホルムアルデヒド捕捉層7を設ける。次に、
図5(ロ)に示すような、裏打紙2の表面に発泡性樹脂
層3aと絵柄印刷層4を設けた後、図5(ハ)に示すよ
うに、加熱し発泡性樹脂層3aを発泡させ、裏打紙2の
上面に発泡樹脂層3を形成し、続いて図5(ニ)に示す
ように、該透明樹脂フイルム5の熱接着性樹脂層6面を
裏打紙2の表面側に設けた絵柄印刷層4面に重ね合わせ
るとともに、ラミネートロール間に挿入し(図示せず)
熱接着することによって、図5(ホ)に示すように、裏
打紙2上の発泡樹脂層3、絵柄印刷層4の上面に熱接着
性樹脂層6を介してホルムアルデヒド捕捉層7を上面に
設けた透明樹脂フイルム5を積層したホルムアルデヒド
捕捉性に優れた壁紙10が得られる。
【0017】本発明に使用する裏打紙2はセルロース繊
維を主体として、必要に応じて合成繊維、無機繊維、合
成パルプ等を適宜配合し、自己消火性填料、他の填料、
乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、
定着剤等を適宜添加し抄紙することで得られ、特に、7
0〜100g/m2 の秤量を有する厚さ0.10〜0.
12mmのビニル壁紙用の難燃紙が好ましく用いられ
る。
【0018】本発明の発泡性樹脂層3を構成する樹脂と
しては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコー
ル共重合体、等のビニル重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン、ポリメタアクリル酸メチ
ル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂等の1種又
は2種以上の混合体を適宜安定剤、可塑剤、分散剤を配
合して塗料状とするか、溶剤等に溶解して塗料状とする
か、あるいは、酢酸ビニル系水性エマルジョン、ウレタ
ン系水性エマルジョン、アクリル系水性エマルジョン、
ポリオレフィン系エマルジョンの1種又は2種以上の樹
脂混合物に無機質充填剤、金属水和物を添加して水溶性
エマルジョンの状態で塗料状としたものが使用可能であ
る。
【0019】また、発泡性樹脂層3に用いられる発泡剤
としては、上記発泡性樹脂層3に用いられる樹脂が完全
に溶融ゲル化する温度以下で、かつその樹脂の軟化点以
上で分解する熱分解型のもの、あるいは、気体や低沸点
の有機溶剤を内包したマイクロカプセル型のものがあ
る。熱分解型発泡剤の例としては、アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼ
ンのようなアゾ系発泡剤、N,N’−ジメチル−N,
N’−ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロソ系発
泡剤、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホ
ニルヒドラジド、P,P’−オキシビスベンゼンスルホ
ニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド系発泡剤、
あるいは重炭酸ナトリウムなどが挙げられ、マイクロカ
プセル型発泡剤の例としては、ポリアクリロニトリル
系、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体、フェ
ノール樹脂系、エポキシ樹脂系などの有機発泡剤系のも
のが挙げられる。また、熱分解型発泡剤の場合には、し
ゅう酸、クエン酸、酒石酸、尿素、亜鉛化合物、銅化合
物などの分解助剤を併用して分解温度を調整し、発泡性
樹脂の加工温度以下で分解しガスを発生するようにする
ことが望ましい。
【0020】また、酸化チタン、カーボンブラック、シ
アニンブルー等の着色剤や炭酸カルシウム、クレー等の
充填剤、三酸化アンチモン、酸化モリブデン等の難燃剤
を適宜配合することもできる。
【0021】発泡樹脂層3に付される絵柄印刷層4は、
全面ベタ刷りのベタインキ層と例えば、木目、石目、天
然皮革の表面柄、布目、抽象柄等を表現する絵柄インキ
層が付されており、インキのビヒクルとしては公知のも
のが使用でき、例えばアクリル系、塩化ビニル系、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン、
ニトロセルロース、ウレタン系等の樹脂系からなる単体
又は複数の混合体に必要に応じて、顔料、染料等の着色
剤、体質顔料、溶剤等を適宜混合したものを用いること
が出来る。
【0022】次に、前記絵柄印刷層4の上、すなわち、
壁紙1、壁紙10の最表面には、壁紙に耐磨耗性、耐擦
傷性、耐汚染性等の物性を付与することを目的として、
透明樹脂からなる透明樹脂フイルム層5が形成されてお
り、この透明樹脂フイルム層5としては、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレー
ト、アクリル系樹脂、カーボネート、ポリイミド等のプ
ラスチックフイルムが挙げられ、なかでも、発泡樹脂層
3からの可塑剤の滲みだしの防止、図3、図4に示すよ
うな、高意匠特性を付与するために凸部を有するエンボ
ス版での凹凸模様賦形性からエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体樹脂フイルムが好ましいものである。
【0023】エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
フイルムとしては、一般にエチレンとビニルアルコール
のランダム共重合体を成膜したフイルムが用いられる。
共重合成分の比率を変えることにより、エチレンの持つ
熱可塑性、耐水性と、ビニルアルコールの持つ剛性、耐
油性、耐溶剤性、非帯電性の性能の大小を任意に調整し
うるが、なるべく両者の特徴を兼ね備え、且つ加工適性
に優れたフイルムとすることか望ましく、フイルムの厚
みは10〜100μmが好ましい。
【0024】熱接着性樹脂層6に用いる接着剤は発泡樹
脂層3または印刷絵柄層4とエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体樹脂をベースとした透明樹脂フイルム5との
接着性を有する熱可塑性樹脂であればいずれも使用でき
る。この熱接着性樹脂層6は接着性を有する樹脂を溶
媒、例えば、有機溶剤中又は水中に溶解又は分散させた
り、又は120℃程度の温度で溶融するホットメルト型
も使用可能である。具体的には、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の単
独または共重合体を用いることができる。また、熱接着
性樹脂層6の塗工方法としては、例えば、ロールコーテ
ィング、グラビアコーティング、スプレーコーティング
等の公知のコーティング法を用いることが可能である。
【0025】次に、ホルムアルデヒド捕捉層6は、硝化
綿/アルキッド系、セルロース系、塩化ビニル系、塩化
ビニル−酢酸ビニル系、アクリル系、アクリルポリオー
ル系、エステル系等の溶剤タイプやエマルジョンタイプ
のビヒクルにホルムアルデヒド捕捉作用のある物質と添
加剤等を任意に加えて混練りした塗工液を難燃性裏打紙
に塗布することにより形成することができる。ホルムア
ルデヒド捕捉作用のある代表的な物質は有機アミノ化合
物であり、この化合物はホルムアルデヒドと容易に反応
し、その生成物がホルムアルデヒドを解離せず、無害で
安定な物質であって、例えば、尿素、エチレン尿素、プ
ロピレン尿素、5−ヒドロキシプロピレン尿素、5−メ
トキシプロピレン尿素、5−メチルプロピレン尿素、パ
ラバン酸(グリオキザールモノウレイン)、4,5−ジ
メトキシエチレン尿素、ピロリジン、ピペリジン、モル
ホリン、ジシアンジアミド、2−ヒドラゾベンゾチアゾ
ールもしくはその誘導体、等のアミン類、アミド類、イ
ミド類などが挙げられる。また、必要に応じて水酸化ア
ンモニウムを添加してもよい。さらに、前記ホルムアル
デヒド捕捉物質をシリカ、タルク、クレー、活性炭、ゼ
オライト、セピオライト等の無機質系粉末に担持させた
ものであってもよい。
【0026】また、ホルムアルデヒド捕捉層6の形成
は、前記有機アミン化合物からなるホルムアルデヒド捕
捉剤を混練した塗工液を透明樹脂フイルムの上面に、周
知のロールコート法、スポンジロールコート法、ナイフ
コート法等で容易に形成することができる。
【0027】本発明の壁紙の第3の実施形態の壁紙20
の積層構成を図3に示す。以下、既に説明した構成要素
と同一の符号によって表記し、重複する説明は省略す
る。壁紙20は第2実施形態の壁紙10の表面に凹凸模
様を形成したもので、透明樹脂フイルム5を裏打紙2の
上面に設けられた発泡樹脂層3面に熱接着性樹脂層6を
介して積層する時にラミネートロールとして、表面に凸
部を形成したエンボスロールを用いることによって熱接
着と同時にエンボスによる凹凸模様を形成したもので、
優れた意匠性と表面物性を保持したホルムアルデヒド捕
捉性を有する壁紙となる。
【0028】本発明の壁紙の第4の実施形態の壁紙30
の積層構成を図4に示す。本実施形態の壁紙30はホル
ムアルデヒド捕捉層7が透明樹脂フイルム5の上面に設
けられた凹凸模様層8の上面に積層された構成からなる
ものであり、裏打紙2の表面に熱分解型発泡剤入りの樹
脂組成物よりなる発泡性樹脂層3aと絵柄印刷層4を設
け、前記発泡性樹脂層3aの熱分解型発泡剤の発泡温度
以上に加熱し発泡性樹脂層3aを発泡させた後、透明樹
脂フイルム5の熱接着性樹脂層6面を裏打紙2の表面側
に設けた絵柄印刷層4面に重ね合わせた状態で、エンボ
スロールと加圧ロール間に挿入し熱接着するとともに透
明樹脂フイルム面に凹凸模様を形成し、さらに透明樹脂
フイルム5の上面に形成された凹凸模様面にホルムアル
デヒド捕捉層7をスポンジロールコート法、ナイフコー
ト法等で形成することで凹部により多く塗工することが
できるので、ホルムアルデヒドの捕捉性能の向上ととも
に、意匠性の面で深みが付加されたものである。
【0029】しかしながら、裏打紙2に塩化ビニル樹脂
に熱分解型発泡剤を添加した発泡性樹脂を塗工し、熱分
解型発泡剤の発泡温度以上に加熱して発泡性樹脂を発泡
させて発泡樹脂層3を形成し、その後表面保護フイルム
を熱ラミネートした壁紙において、ホルムアルデヒド捕
捉層7を形成するホルムアルデヒド捕捉剤が有機アミノ
化合物よりなる場合においては、塩化ビニル樹脂系発泡
樹脂の熱分解型発泡剤の発泡温度は180〜220℃と
高く、一方の有機アミノ化合物の融点は90〜100℃
と比較的低温のため、塩化ビニル樹脂よりなる発泡性樹
脂層を加熱発泡する前に、有機アミノ化合物からなるホ
ルムアルデヒド捕捉層を形成すると、発泡性樹脂を加熱
溶融し発泡剤を分解する熱によって有機アミノ化合物が
熱分解したり、揮発してホルムアルデヒドを捕捉する機
能を低下させるといった結果になる。
【0030】そこで、本発明は有機アミノ化合物からな
るホルムアルデヒド捕捉層が形成されるとともに該裏打
紙の表面に発泡樹脂層、絵柄印刷層、及びエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体樹脂による透明樹脂層を形成し
た壁紙を製造する場合、裏打紙の一方の面に熱分解型発
泡剤入りの発泡性樹脂層、絵柄印刷層を積層し、高温で
加熱して熱分解型発泡剤入りの発泡性樹脂層を発泡させ
発泡樹脂層を形成した後に、前記裏打紙の印刷絵柄層面
に有機アミノ化合物からなるホルムアルデヒド捕捉層を
塗布・形成した透明樹脂フイルムを熱接着することによ
り、ホルムアルデヒド捕捉性に優れた壁紙を得ることが
できる。
【0031】また、発泡樹脂層の形成を、マイクロカプ
セル型発泡剤を利用した場合、その表面が粗面化し密着
性の劣ることもあるので、その場合には、発泡樹脂層の
表面に、例えば塩酢ビ系樹脂等の接着性透明樹脂層を更
に一層設け透明エチレン−ビニルアルコール共重合体樹
脂フイルムとの接着性を向上させるようにしてもよいも
のである。
【0032】
【実施例】
実施例1 片面に熱接着性樹脂層を有する厚み12μmの透明エチ
レン−ビニルアルコールフイルム((株)クラレ製、エ
バールHFフイルム)のもう一方の面にホルムアルデヒ
ド捕捉剤(テイカ(株)製、K−FRESH ZA)を
含有するアクリル樹脂系塗料をグラビアコーターにて
2.2g/m2 (乾燥時)になるように塗工した。次い
で、秤量70g/m2 の難燃性裏打紙(特種製紙(株)
製、TT−70)にコンマコーターにて、発泡剤アゾジ
カルボンアミドを含有する塩化ビニルペースト塗料を前
記難燃性裏打紙に200μm膜厚に塗工し160℃/1
分でゲル化させ、その上に塩化ビニル系インキを使用し
てグラビア印刷で着色ベタインキ層と絵柄模様インキ層
を印刷し、更に220℃で40秒間加熱処理し発泡させ
壁紙を作製し、続いて、発泡させた塩化ビニルペースト
層上に、透明エチレン−ビニルアルコールフイルムの熱
接着性樹脂層面を重ね合わせ、ロール温度130℃、ロ
ール圧0.5kg/cm2 、速度15m/分の条件でロ
ールラミネートし、表面にホルムアルデヒド捕捉層を有
する壁紙を作製した。
【0033】実施例2 前記実施例1と同様にして作製した発泡させた発泡壁紙
原反と、実施例1と同様にホルムアルデヒド捕捉層処理
をした厚さ12μmの透明エチレン−ビニルアルコール
フイルム((株)クラレ製、エバールHFフイルム)の
熱接着性樹脂面を重ねて、エンボスロール温度130
℃、エンボス圧0.5kg/cm2 、速度15m/分の
条件でエンボスに付すことにより、両者を積層すると同
時に透明エチレン−ビニルアルコールフイルムの表面に
凹凸模様を賦形し、意匠性に優れたホルムアルデヒド捕
捉性能を有する壁紙を作製した。
【0034】実施例3 秤量70g/m2 の難燃性裏打紙(特種製紙(株)製、
TT−70)にコンマコーターにて、発泡剤アゾジカル
ボンアミドを含有する塩化ビニルペースト塗料を前記難
燃性裏打紙に200μm膜厚に塗工し160℃/1分で
ゲル化させ、その上に塩化ビニル系インキを使用してグ
ラビア印刷で着色ベタインキ層と絵柄模様インキ層を印
刷し、更に220℃で40秒間加熱処理し発泡させ壁紙
原反を作製した。次いで前記で得た壁紙原反の印刷イン
キ層面と片面に熱接着性樹脂層を有する厚み12μmの
透明エチレン−ビニルアルコールフイルム((株)クラ
レ製、エバールHFフイルム)の熱接着性樹脂層面を重
ねて、次いでエンボスロール温度130℃、エンボス圧
0.5kg/cm2 、速度15m/分の条件でエンボス
に付すことにより、両者を積層すると同時に該フイルム
面に凹凸模様を形成した。次いでエンボスによる凹部が
表面に賦形された前記積層体に対して、ホルムアルデヒ
ド捕捉剤(テイカ(株)製、K−FRESH ZA)を
含有するアクリル樹脂系塗料をグラビアコーターにて
3.5g/m2 (乾燥時)になるように塗工し、凹部内
にホルムアルデヒド捕捉剤を充填し、ホルムアルデヒド
捕捉性能に優れた壁紙を作製した。
【0035】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の壁紙は、壁
面の下地材あるいは下地材への壁紙の貼着のために使用
する接着剤から発生するホルムアルデヒド、および、天
井材、床材等から放出されるホルムアルデヒドも有効に
捕捉、吸着することができる。また、本発明の壁紙は、
本発明の製造方法で製造することによりホルムアルデヒ
ドを有効に捕捉する性能を有するものである。
【0036】壁紙表面に貼着する透明樹脂フイルムがエ
チレン−ビニルアルコール共重合体樹脂よりなることで
燃焼時の煙濃度が少なく、表面強度、耐薬品性、耐溶剤
性、汚れに強い壁紙となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁紙の第1の実施形態の積層構成を示
す断面図である。
【図2】本発明の壁紙の第2の実施形態の積層構成を示
す断面図である。
【図3】本発明の壁紙の第3の実施形態の積層構成を示
す断面図である。
【図4】本発明の壁紙の第4の実施形態の積層構成を示
す断面図である。
【図5】本発明の壁紙の製造方法の一例を説明する積層
断面図である。
【符号の説明】
1、10、20、30 壁紙 2 裏打紙 3 発泡樹脂層 3a 発泡性樹脂層 4 絵柄印刷層 5 透明樹脂フイルム層 6 熱接着性樹脂層 7 ホルムアルデヒド捕捉層 8 凹凸模様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/10 B32B 27/10 27/28 102 27/28 102 31/22 31/22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏打紙の一方の面に発泡樹脂層、絵柄印
    刷層、透明樹脂フイルム層が順次設けられた積層体にお
    いて、前記透明樹脂フイルム層の表面にホルムアルデヒ
    ド捕捉層が設けられていることを特徴とするホルムアル
    デヒド捕捉壁紙。
  2. 【請求項2】 前記透明樹脂フイルム層の表面に凹凸模
    様を形成してなることを特徴とする請求項1記載のホル
    ムアルデヒド捕捉壁紙。
  3. 【請求項3】 前記透明樹脂フイルム層の裏面に熱接着
    性樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1、
    2記載のホルムアルデヒド捕捉壁紙。
  4. 【請求項4】 前記透明樹脂フイルム層がエチレン−ビ
    ニルアルコール共重合体樹脂フイルムよりなることを特
    徴とする請求項1〜3記載のホルムアルデヒド捕捉壁
    紙。
  5. 【請求項5】 必要に応じて片方の面に熱接着性樹脂層
    が形成されている透明樹脂フイルムの他方の面にホルム
    アルデヒド捕捉剤を含有する樹脂組成物を塗布してホル
    ムアルデヒド捕捉層を設ける工程、裏打紙の一方の面上
    に発泡性樹脂層を設ける工程、前記発泡性樹脂層の表面
    上に絵柄印刷層を設ける工程、次いで発泡性樹脂層を加
    熱発泡させた後、前記透明樹脂フイルムの熱接着性樹脂
    層面を前記絵柄印刷層面に接するように重ね合わせた状
    態でラミネートロール間に挿入し、加熱、加圧すること
    により熱接着する工程からなることを特徴とするホルム
    アルデヒド捕捉壁紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ラミネートロールの代わりにエンボ
    スロールと加圧ロール間に前記透明樹脂フイルムの熱接
    着性樹脂層面を前記絵柄印刷層面に接するように重ね合
    わせた状態で挿入し、加熱、加圧することにより熱接着
    すると同時に前記透明樹脂フイルム面に凹凸模様を形成
    する工程からなることを特徴とする請求項5記載のホル
    ムアルデヒド捕捉壁紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 裏打紙の一方の面上に発泡性樹脂層を設
    ける工程、前記発泡性樹脂層の表面上に絵柄印刷層を設
    ける工程、次いで発泡性樹脂層を加熱発泡させた後、必
    要に応じて片方の面に熱接着性樹脂層が形成されている
    透明樹脂フイルムの前記熱接着性樹脂層面を前記絵柄印
    刷層面に接するように重ね合わせた状態でエンボスロー
    ルと加圧ロール間に挿入し加熱、加圧することにより熱
    接着すると同時に前記透明樹脂フイルム面に凹凸模様を
    形成する工程、次いで前記透明樹脂フイルムの凹凸模様
    面にホルムアルデヒド捕捉剤を含有する塗料を塗工、乾
    燥することによりホルムアルデヒド捕捉層を形成する工
    程からなることを特徴とするホルムアルデヒド捕捉壁紙
    の製造方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7201896B1 (en) 1999-06-21 2007-04-10 Yeda Research And Development Company Ltd. IL6RIL6 chimera for the treatment of neurodegenerative diseases
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