JPH1191060A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JPH1191060A
JPH1191060A JP9256616A JP25661697A JPH1191060A JP H1191060 A JPH1191060 A JP H1191060A JP 9256616 A JP9256616 A JP 9256616A JP 25661697 A JP25661697 A JP 25661697A JP H1191060 A JPH1191060 A JP H1191060A
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JP
Japan
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layer
decorative material
material according
formaldehyde scavenger
printing
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Application number
JP9256616A
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English (en)
Inventor
Nobunao Yagishita
信尚 柳下
Kazuya Masuko
和也 益子
Kazuteru Kato
一照 加藤
Kahei Murata
嘉平 村田
Takashi Tominaga
孝史 冨永
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】木質基材が放散するホルムアルデヒドを効果的
に捕捉除去し、不快臭や健康被害等の問題を解決するこ
とができ、しかも簡便且つ安価に製造可能な化粧材を提
供する。 【解決手段】基材上に設ける絵柄印刷層、艶調整層また
はシーラー層がホルムアルデヒド捕捉剤を含有する化粧
材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧シート及び化粧
材に関するものである。更に詳しくは、木質基材が放散
するホルムアルデヒドを捕捉して無臭化、無害化する機
能性を有する化粧シート及び化粧材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅建材や家具等に多用されてい
る合板やパーティクルボード等の木質基材が、ホルムア
ルデヒドを放散して室内の空気を汚染し、その特有の刺
激臭による不快感やアレルギー症状等の健康被害を居住
者に与える場合があることが指摘され、身近な環境汚染
の一つとして社会問題化しつつある。
【0003】上記現象の主たる原因は、上記した合板等
の木質基材の製造時に、尿素系等のホルムアルデヒドを
含有する接着剤を使用していることである。この問題に
鑑み合板業界等では、ホルムアルデヒドを含有しない接
着剤での代替や、ホルムアルデヒド使用量の削減等の対
策を講じ始めているが、接着剤コストの上昇、接着性や
耐久性等の製品性能の低下、初期接着性や硬化時間等の
生産性の低下等の諸問題を抱え、性能面、価格面の両面
で十分満足できるものは得られていない。
【0004】この問題の解決手段として、ホルムアルデ
ヒドを吸収反応する含窒素化合物の溶液を含浸し乾燥さ
せた紙を基材とする木目印刷紙を合板等の木質基材に貼
付した化粧材も提案されている(特公昭52−134号
公報参照)。しかしながら、木目化粧紙にあっては通
常、下地の隠蔽の目的で隠蔽性の高いベタ印刷を行う例
が多く、係る印刷層は気体の透過を阻害するので、一旦
木口部等から室内空気中に放散されたホルムアルデヒド
は、印刷層に邪魔されて基材紙まで到達できず、有効に
補足除去することが困難である。また、絵柄等の印刷と
は別工程で事前に原紙にホルムアルデヒド捕捉剤を含
浸、乾燥する工程が必要となるので、製造工程が煩雑で
生産性が低く、コスト高になるという問題点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上述の如き問題点に鑑み、木質基材が放散する
ホルムアルデヒドを効果的に捕捉除去し、不快臭や健康
被害等の問題を解決することができ、しかも簡便且つ安
価に製造可能な化粧材を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、基材
上に絵柄印刷層を有する化粧材において、前記絵柄印刷
層がホルムアルデヒド捕捉剤を含有することを特徴とす
る化粧材である。
【0007】また特に、前記絵柄印刷層が少なくとも通
常印刷層を含むことを特徴とする化粧材である。
【0008】また特に、前記通常印刷層がホルムアルデ
ヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材である。
【0009】また特に、前記絵柄印刷層が少なくとも隠
蔽ベタ印刷層を含むことを特徴とする化粧材である。
【0010】また特に、前記隠蔽ベタ印刷層がホルムア
ルデヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材であ
る。
【0011】また特に、前記絵柄印刷層が少なくとも盛
り上げ印刷層を含むことを特徴とする化粧材である。
【0012】また特に、前記盛り上げ印刷層がホルムア
ルデヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材であ
る。
【0013】また特に、前記盛り上げ印刷層の表面が艶
消し状であることを特徴とする化粧材である。
【0014】また特に、前記盛り上げ印刷層が体質顔料
を含有することを特徴とする化粧材である。
【0015】また特に、前記体質顔料が多孔質顔料であ
ることを特徴とする化粧材である。
【0016】また特に、前記絵柄印刷層が少なくとも撥
液性印刷層を含み、全表面に透明又は半透明のトップコ
ート層が設けられ、該トップコート層が前記撥液性印刷
層上で弾かれてなることを特徴とする化粧材である。
【0017】また特に、前記撥液性印刷層がホルムアル
デヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材であ
る。
【0018】また特に、前記撥液性印刷層の表面が艶消
し状であることを特徴とする化粧材である。
【0019】また特に、前記撥液性印刷層が体質顔料を
含有することを特徴とする化粧材である。
【0020】また特に、前記体質顔料が多孔質顔料であ
ることを特徴とする化粧材である。
【0021】また特に、前記トップコート層がホルムア
ルデヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材であ
る。
【0022】また特に、前記トップコート層が水性エマ
ルジョン系樹脂からなり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤
がヒドラジン誘導体であることを特徴とする化粧材であ
る。
【0023】また特に、前記絵柄印刷層が少なくとも発
泡印刷層を含むことを特徴とする化粧材である。
【0024】また特に、前記発泡印刷層がホルムアルデ
ヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材である。
【0025】また特に、前記発泡印刷層の表面が艶消し
状であることを特徴とする化粧材である。
【0026】また特に、表面に保護樹脂層を有すること
を特徴とする化粧材である。
【0027】また特に、前記保護樹脂層がホルムアルデ
ヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材である。
【0028】また特に、前記保護樹脂層が水性エマルジ
ョン系樹脂からなり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤がヒ
ドラジン誘導体であることを特徴とする化粧材である。
【0029】また特に、前記保護樹脂層が、前記発泡印
刷層上を除く表面のみに形成されてなることを特徴とす
る化粧材である。
【0030】また本発明の化粧材は、基材上に絵柄印刷
層を有し、該絵柄印刷層上に艶消し層および/または艶
出し層を有する化粧材において、前記艶消し層および/
または艶出し層の一方または両方がホルムアルデヒド捕
捉剤を含有することを特徴とする化粧材である。
【0031】また特に、前記艶消し層がホルムアルデヒ
ド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材である。
【0032】また特に、前記艶消し層が体質顔料を含有
することを特徴とする化粧材である。
【0033】また特に、前記体質顔料が多孔質顔料であ
ることを特徴とする化粧材である。
【0034】また特に、前記艶出し層がホルムアルデヒ
ド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧材である。
【0035】また特に、前記艶消し層が樹脂吸収性を有
し、その上に印刷された艶出し層の樹脂を吸収すること
により艶消しの表面を現出してなることを特徴とする化
粧材である。
【0036】また特に、前記艶消し層が前記絵柄印刷層
上の全面にベタ状に設けられ、その上に前記艶出し層が
模様状に設けられてなることを特徴とする化粧材であ
る。
【0037】また特に、前記艶出し層が前記絵柄印刷層
上の全面にベタ状に設けられ、その上に前記艶消し層が
模様状に設けられてなることを特徴とする化粧材であ
る。
【0038】また特に、前記艶消し層および/または艶
出し層が、艶の程度の異なる複数の層を含むことを特徴
とする化粧材である。
【0039】また本発明の化粧材は、基材上にシーラー
層を介して絵柄印刷層が設けられてなる化粧材におい
て、前記シーラー層がホルムアルデヒド捕捉剤を含有す
ることを特徴とする化粧材である。
【0040】また特に、前記シーラー層の表面が艶消し
状であることを特徴とする化粧材である。
【0041】また特に、前記シーラー層が体質顔料を含
有することを特徴とする化粧材である。
【0042】また特に、前記体質顔料が多孔質顔料であ
ることを特徴とする化粧材である。
【0043】また特に、前記基材がシート状基材である
ことを特徴とする化粧材である。
【0044】また特に、前記基材が板状基材または成型
品状基材であることを特徴とする化粧材である。
【0045】また本発明の化粧材は、板状基材または成
型品状基材の表面に、前記シート状基材を用いた化粧材
を貼り合わせてなることを特徴とする化粧材である。
【0046】
【発明の実施の形態】図1に示す例は本発明の実施の形
態の一つであって、基材1上に、ホルムアルデヒド捕捉
剤を含有する絵柄印刷層を設けてなるものである。
【0047】基材1は、目的の化粧材の用途に応じ任意
の素材を使用することができる。例えば薄葉紙やチタン
紙等の所謂建材用紙をはじめ、上質紙やコート紙、板紙
等の任意の紙類であっても良いし、その他天然繊維また
は合成繊維、或いはガラス繊維等の鉱物質繊維等からな
る織布または不織布、合成樹脂フィルムまたはシート、
金属箔等、またはそれらの複合体乃至積層体等からなる
可撓性のシート状の材料を使用することができる。
【0048】勿論、基材1として木板や合板、集成材、
パーティクルボード、中密度繊維板等の木質系材料や、
セメントや石膏等の無機物質、合成樹脂、金属等、或い
はそれらの複合体乃至積層体等からなる、板状または成
型品状の基材を使用することも可能である。しかし、印
刷適性上、基材1はシート状であることが最も好まし
い。そして、シート状の基材1を使用した化粧材は、印
刷完了後に、板状基材や成型品状基材等の表面に貼付し
て使用される(図11)。
【0049】ホルムアルデヒドを放散する木質材料の表
面に貼付して使用するための化粧材の場合には、紙また
は不織布等の透気性の基材1を使用すると、木質材料が
放散したホルムアルデヒドが基材1を透過して絵柄印刷
層に達することにより、空気中に発散する前に効率的に
捕捉除去することができる。
【0050】絵柄印刷層は、ホルムアルデヒド捕捉剤を
添加した適宜の印刷インキを使用して、任意の印刷方法
によって所望の絵柄状に印刷形成してなるものであっ
て、図1に示す例では、通常の印刷インキにホルムアル
デヒド捕捉剤を添加して常法で印刷してなる通常印刷層
2である。
【0051】通常印刷層2等の絵柄印刷層の印刷方法に
は特に制限はなく、例えばグラビア印刷法、オフセット
印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法等の通常の印刷
方法で良い。また、例えば手描き法や転写法、真空蒸着
法、感光性樹脂法、写真法、電子写真法、静電印刷法、
インクジェット法等のあらゆる任意の画像形成方法の適
用も勿論可能であり、本発明でいう「印刷」とは、これ
らをも包含する。
【0052】印刷インキの組成にも特に制限はない。具
体的には、有機または無機の染料または顔料等の着色剤
を、適当な結着剤樹脂中に分散してなるものであって、
印刷に適した粘度に調整する為に、溶剤で希釈されるの
が通例であり、他に必要に応じて粘着付与剤、分散剤、
体質顔料、消泡剤、安定剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止
剤、界面活性剤等の各種の添加剤が適宜添加される。
【0053】ホルムアルデヒド捕捉剤は、ホルムアルデ
ヒドと反応して無臭化・無害化する機能を有する物質で
あれば何であってもよく、例えばジシアンジアミド、メ
ラミン等のアミノ化合物、尿素、バルビツール酸等のア
ミド類、グルタミン酸塩、グリシン、アラニン等のアミ
ノ酸類、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等
のヒドラジン誘導体等の含窒素化合物を少なくとも含有
する組成物を使用することが好ましい。
【0054】基材1として、例えば薄葉紙や透明合成樹
脂フィルム等の様に、下地隠蔽性の弱いシート状の素材
を使用する場合には、印刷絵柄の意匠効果を十分に発揮
させるべく、化粧材に隠蔽性を持たせる目的で、基材1
と通常印刷層2との間に隠蔽ベタ印刷層3が設けられる
(図2)。
【0055】隠蔽ベタ印刷層3は、基材1の全面に設け
られるので表面積が大きく、しかも隠蔽性を持たせる為
に通常印刷層2よりも塗布量が多いのが通例であるか
ら、この隠蔽ベタ印刷層3にホルムアルデヒド捕捉剤を
添加すれば、ホルムアルデヒド捕捉剤の総量も多く、ま
た環境の空気に接する面積も大きいから、室内空気中の
ホルムアルデヒドの捕捉に有利である。勿論、通常印刷
層2へのホルムアルデヒド捕捉剤の添加を併用すれば、
さらに好適である。
【0056】絵柄印刷層としては、上記した通常印刷層
2や隠蔽ベタ印刷層3の他、絵柄と同調した凹凸の立体
的な意匠性を具備せしめる目的で、盛り上げ印刷層4を
設けることもできる(図3)。盛り上げ印刷層4は、固
形分の多いインキを使用し、版深の深いグラビア印刷版
等を使用して肉厚に着肉される。そして、特に耐擦傷性
や耐磨耗性を要求される用途には、熱硬化型、常温硬化
型または電離放射線硬化型等の硬化型インキが使用され
る。
【0057】上記盛り上げ印刷層4にホルムアルデヒド
捕捉剤を添加すると、着肉量が多い為にホルムアルデヒ
ド捕捉剤の総量が多くなり、ホルムアルデヒドの総捕捉
能力を高めることができる。逆に言えば、盛り上げ印刷
インキへのホルムアルデヒド捕捉剤の添加率が比較的に
低くても、結果として十分なホルムアルデヒド捕捉能力
を賦与することができるから、インキの印刷適性の悪化
や色調への悪影響等の問題の発生を防止することができ
る。
【0058】また、盛り上げ印刷層4においては、上面
のみならず側面においても環境の空気に接しており、そ
の分表面積が大きいので、室内空気中のホルムアルデヒ
ド捕捉効率を向上することができる。勿論、通常印刷層
2や隠蔽ベタ印刷層3等へのホルムアルデヒド捕捉剤の
添加を適宜併用すれば、さらに効果的である。
【0059】また、盛り上げ印刷層4の表面を艶消し状
に形成すると、意匠効果の他、表面積が増し、室内空気
中のホルムアルデヒドの捕捉効率も高まるので好適であ
る。盛り上げ印刷層4の表面を艶消し状に形成する方法
は、例えばエンボス法等も可能であるが、盛り上げ印刷
インキに体質顔料を添加する方法によると、印刷直後の
盛り上げ印刷層の安定性が増し、固化後の強度や耐磨耗
性、艶消し状態の安定性も高めることができる。係る目
的での体質顔料としては、粒径が少なくとも1μm以
上、好ましくは5〜20μm程度の粗粒の体質顔料が好
適である。
【0060】特に、上記体質顔料として、例えばシラス
バルーンや珪藻土、タルク、カオリン、ゼオライト、シ
リカゲル等の多孔質の体質顔料を使用すると、表面積を
増加する効果が大きく、しかも係る多孔質顔料自体が、
ホルムアルデヒド分子がホルムアルデヒド捕捉剤と反応
するまでの間これを吸着保持し、環境空気中への再発散
を防止するので、ホルムアルデヒド捕捉効率をより向上
することができる。
【0061】なお、上述した化粧材には、必要に応じて
表面にトップコート層を形成することもできる。但し、
トップコート層の塗布量が多すぎると、絵柄印刷層の環
境空気中からのホルムアルデヒド捕捉を阻害し、一方少
なすぎると、目的の耐溶剤性や耐磨耗性等の表面物性が
十分に発現されなくなってしまう。
【0062】そこで、ホルムアルデヒド捕捉剤をトップ
コート層に含有させる方法によれば、環境空気中からの
ホルムアルデヒドの捕捉効率をより向上することができ
る。しかしながら、トップコート層へのホルムアルデヒ
ド捕捉剤の大量添加は、トップコート層の透明性を低下
させ、絵柄印刷層の意匠性を減殺する虞がある。従っ
て、少なくとも絵柄印刷層へのホルムアルデヒド捕捉剤
の添加を併用することが好ましい。
【0063】上記したトップコート層を具備した化粧材
において、絵柄印刷層として少なくとも撥液性印刷層5
を形成すると、後から塗工するトップコート剤が撥液性
印刷層5上で弾かれる結果、撥液性印刷層5上を除く表
面にのみ選択的にトップコート層6が形成された、絵柄
に同調した表面凹凸形状を有する立体感に富む化粧材が
得られる(図4)。
【0064】この場合、撥液性印刷層5は化粧材表面に
露出するから、この撥液性印刷層5にホルムアルデヒド
捕捉剤を含有させることにより、環境空気中からのホル
ムアルデヒド捕捉効果を具備させることができる。
【0065】勿論、ホルムアルデヒド捕捉剤はトップコ
ート層6に含有させても良い。しかしながら、上述の様
にトップコート層6のホルムアルデヒド捕捉剤添加量に
は限界があるのに対し、撥液性印刷層5は、例えば木目
化粧材における導管部の様に、暗色系で色調変化の影響
を受けにくい場合が多いから、ホルムアルデヒド捕捉剤
を十分に添加し、十分なホルムアルデヒド捕捉効果を実
現することができる。
【0066】しかも、前記撥液性印刷層5を艶消し状に
形成すると、トップコート層6との艶差による視覚的立
体効果が向上する他、表面積の増加によりホルムアルデ
ヒド捕捉効率も向上する。艶消し状に形成する方法とし
ては、前記した盛り上げ印刷層の場合と同様に、体質顔
料、特に多孔質顔料の添加が好ましい。
【0067】トップコート層にホルムアルデヒド捕捉剤
を含有させる場合に、ホルムアルデヒド捕捉能力の向上
を目的として過度に大量に添加すると、トップコート層
の機械的強度や耐水性が低下したり、塗工適性や乾燥性
が悪化したり、樹脂との相溶性に乏しい為に白化して意
匠性を低下させる等の問題を発生する場合がある。
【0068】従って、トップコート層に含有させるホル
ムアルデヒド捕捉剤は、その末端基でトップコート剤の
樹脂分子と結合可能なものを使用することが好ましい。
具体的には、例えばイソプロピルヒドラジン、ブチルヒ
ドラジン、ベンジルヒドラジン、フェニルヒドラジン、
ヒドラゾベンゼン等の有機ヒドラジン類や、メチルカル
バゼート、プロピオン酸ヒドラジド、カルボヒドラジ
ド、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジ
ド、チオカルボヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ
ド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド等のヒドラジド類等のヒドラジン誘導体が好適であ
る。ヒドラジン誘導体は、樹脂分子中のカルボキシル基
やカルボニル基等の官能基と反応して化学的に結合する
ことができ、樹脂中で化学的に安定化するので、表面強
度や耐水性の低下や、層分離によるブリード・白化等も
防止することができる。
【0069】また特に、分子中にヒドラジノ基を複数含
有するヒドラジン誘導体を使用すると、これが樹脂の分
子間で架橋剤として作用し、物理的、化学的にさらに優
れたトップコート層6を得ることができる。但し、ヒド
ラジノ基が架橋反応によって消費されるとホルムアルデ
ヒド捕捉能力が低下するので、未反応のヒドラジノ基が
残存する様に、ヒドラジン誘導体を過剰に含有させるこ
とが好ましい。
【0070】ヒドラジン誘導体は、ケトン系やエステル
系の溶剤とは反応してしまうので、トップコート剤は水
を希釈剤とするものを使用することが好ましい。具体的
には、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、ウレタン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹
脂等からなる水性エマルジョン系樹脂を主剤とするトッ
プコート剤を使用することが好ましい。
【0071】化粧材に凹凸の立体的意匠性を賦与する手
段としては、上記の他、絵柄印刷層として発泡印刷層7
を設ける方法もある(図5)。発泡印刷層7は、例えば
炭酸水素ナトリウム等の無機発泡剤やアゾジカルボンア
ミド等の有機発泡剤、若しくはマイクロカプセル発泡剤
等を含有する加熱発泡性インキを使用して、通常の印刷
手法により所望の絵柄状に印刷し、加熱発泡することに
より形成される。
【0072】上記加熱発泡性インキにホルムアルデヒド
捕捉剤を添加して、ホルムアルデヒド捕捉剤を含有する
発泡印刷層を設けると、上記した凹凸意匠効果に加え
て、表面積の増加によりホルムアルデヒド捕捉効率を向
上することができる。すなわち、発泡により印刷層の厚
みが増し、側面部の分だけ表面積が増加する他、発泡剤
の作用で表面に微細な凹凸が生じ、これも表面積の増加
に寄与し、捕捉効率の向上に貢献する。
【0073】また、発泡剤の作用で生成した内部の気泡
は、発泡印刷層7中に浸透したホルムアルデヒド分子
を、ホルムアルデヒド捕捉剤と反応するまでの間トラッ
プする作用を有し、これもホルムアルデヒド捕捉効率の
向上に寄与することができる。
【0074】発泡印刷層7は耐磨耗性や耐擦傷性に劣る
ので、表面に保護樹脂層を設けることによって物性の向
上を図ることができる。保護樹脂層にホルムアルデヒド
捕捉剤を含有させても良い。保護樹脂層の材質は特に限
定されないが、保護樹脂層にホルムアルデヒド捕捉剤を
含有させる場合には、前記したトップコート層の場合と
同様の理由により、水性エマルジョン系樹脂にホルムア
ルデヒド捕捉剤としてヒドラジン誘導体を添加した構成
とすることが最も好ましい。
【0075】上記した保護樹脂層は、化粧材の表面全面
に設けても良いが、図6に示す様に、発泡印刷層7上を
除く表面にのみ保護樹脂層8を形成すると、凹凸や艶変
化の意匠効果にも優れ、また上記したホルムアルデヒド
捕捉剤を含有する発泡印刷層7の優れたホルムアルデヒ
ド捕捉効果を阻害しないので好適である。
【0076】発泡印刷層7上を除く表面にのみ保護樹脂
層8を形成する方法としては、従来公知の種々の方法が
適用可能であるが、例えば発泡印刷層7の発泡前に保護
樹脂層8を塗工し、発泡樹脂層7の発泡後表面を研磨す
る方法によると、研磨により露出した発泡印刷層7の表
面に著しい艶消し状態が得られ、意匠効果とホルムアル
デヒド捕捉効果との両面から好適である。
【0077】上記した如き凹凸模様を形成する方法の
他、化粧材に立体感のある意匠性を賦与する方法とし
て、化粧材の表面に艶状態の異なる部分を模様状に設
け、視覚的な立体感を得る方法がある。この様な目的
で、絵柄印刷層上に艶消し層および/または艶出し層を
設ける場合には、これら艶消し層および/または艶出し
層にホルムアルデヒド捕捉剤を含有させることにより、
化粧材にホルムアルデヒド捕捉除去効果を賦与すること
ができる。
【0078】上記した艶消し層および/または艶出し層
は、単なる表面の艶状態の制御を目的として、一方のみ
を全面に設ける場合もあれば、艶変化模様の意匠性の賦
与を目的として、いずれか一方を模様状に設ける場合も
ある。しかし、後者の場合には、図7に示す様に、通常
印刷層2等の絵柄印刷層上に、艶消し層9と艶出し層1
0との両方を設けると、艶消し部分と艶出し部分との艶
状態の差を明確に際立たせ、高度の艶変化の意匠性を得
ることができる。また、該艶変化模様を絵柄印刷層の絵
柄と同調させると、意匠上さらに効果的である。
【0079】この様な例にあっては、ホルムアルデヒド
捕捉剤は、艶消し層9と艶出し層10との両方にホルム
アルデヒド捕捉剤を添加しても良いし、一方のみであっ
ても良い。一方のみに添加する場合には、所望の意匠に
応じ、面積の大きい方に添加することが効果的である。
但し、艶出し層10へのホルムアルデヒド捕捉剤の大量
添加は、艶出し層10の艶を低下させ、艶変化効果を減
殺してしまう場合があるので、ホルムアルデヒド捕捉剤
は艶消し層9のみに含有させるか、両者を併用すること
が好ましい。
【0080】ホルムアルデヒド捕捉剤を艶消し層9に添
加すると、表面が艶消しになっている分だけ表面積が大
きく、ホルムアルデヒド捕捉効率が高いので、比較的少
ない面積率でも大きな効果が得られるという利点もあ
る。また、ホルムアルデヒド捕捉剤の添加によって樹脂
の透明度が低下することがあっても、艶出し層の場合と
比較して艶消し層の場合には、意匠性への悪影響が少な
く、寧ろ艶出し層との艶差を一層引き立てる結果とな
る。従って、ホルムアルデヒド捕捉剤は、艶消し層9の
みに含有させるか、艶消し層9の方に多く含有させるこ
とが好ましい。
【0081】艶消し層9や艶出し層10は、無色透明に
は限定されず、下地の絵柄印刷層の絵柄が透視可能であ
る限りにおいて、半透明や着色透明であっても良い。艶
消し層9は通例、体質顔料の添加によって表面を艶消し
状態に形成される。体質顔料の種類は特に限定されず、
粒径が少なくとも1μm以上、好ましくは5〜20μm
程度の粗粒の体質顔料であれば任意のものが使用可能で
ある。
【0082】特に、上記体質顔料として、例えばシラス
バルーンや珪藻土、タルク、カオリン、ゼオライト、シ
リカゲル等の多孔質の体質顔料を使用すると、表面積を
増加する効果が大きく、しかも係る多孔質顔料自体が、
ホルムアルデヒド分子がホルムアルデヒド捕捉剤と反応
するまでの間これを吸着保持し、環境空気中への再発散
を防止するので、ホルムアルデヒド捕捉効率をより向上
することができる。
【0083】図7に示す例の様に、絵柄印刷層上に艶消
し層9と艶出し層10との両方を設ける方法としては、
互いにポジとネガの関係にある印刷版を使用して同調整
合させながら印刷する方法もある。しかし、微細なパタ
ーンを正確に同調整合させて見当ズレなく印刷すること
は一般に困難であり、歩留まりや生産性の面で問題があ
る場合も多い。
【0084】そこで、艶消し層9と艶出し層10とから
なるパターンを生産性良く製造する方法として、例え
ば、樹脂吸収性を有する艶消しインキを使用してパター
ン状の艶消し層9を形成し、該艶消し層9上を含む全面
に艶出し層10を施して、艶消し層9上の艶出し層10
の樹脂を艶消し層9に吸収させることにより、艶消し層
9の艶消し表面を露出させる方法を用いることができ
る。
【0085】この他、図8に示す例の様に、まず絵柄印
刷層上に全面に艶消し層9を設け、その上にパターン状
に艶出し層10を設ける方法によっても良いし、また逆
に、図9に示す例の様に、全面に艶出し層10を設けた
上に、パターン状に艶消し層9を設ける方法を用いるこ
ともできる。
【0086】また、前記艶消し層および/または艶出し
層として、艶の程度の異なる複数の層を設けることによ
って、階調性のある多段艶変化模様を表現し、さらに優
れた意匠効果を得ることもできる。艶の程度を多段階に
異ならせるには、例えば体質顔料の粒径および/または
添加量を異ならせる等の手段によればよい。
【0087】基材1と、通常印刷層2等の絵柄印刷層と
の間には、必要に応じてシーラー層11を設けることが
できる。シーラー層11は、基材1の表面の凹凸を埋め
て平滑化し、印刷適性を向上したり、基材1やそれを貼
付する下地等からの滲出物(例えば、木質材料からのヤ
ニや、コンクリート等からのアルカリ成分など)による
化粧材表面の汚染や劣化を防止する等の目的で設けられ
るものである。このシーラー層11にホルムアルデヒド
捕捉剤を含有させることによっても、化粧材にホルムア
ルデヒド捕捉効果を賦与することができる。
【0088】勿論、上記したシーラー層11へのホルム
アルデヒド捕捉剤の添加に加えて、通常印刷層2や隠蔽
ベタ印刷層3等へのホルムアルデヒド捕捉剤の添加を併
用しても良い。また、上述した盛り上げ印刷層4、撥液
性印刷層5、トップコート層6、発泡印刷層7、表面保
護層8、艶消し層9、艶出し層10等を必要に応じて適
宜設けることもでき、これらへのホルムアルデヒド捕捉
剤の添加を併用しても良い。
【0089】上記シーラー層11としては、従来公知の
任意のシーラー剤が使用可能であり、例えばアミノ系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、水性アクリ
ル系樹脂等を好適に使用することができる。また必要に
応じて硬化剤を添加することもできる。
【0090】上記シーラー層11の表面は、平滑化とは
言っても、必ずしも完全に鏡面状にすることを意味する
ものではなく、飽くまでも基材表面の不規則で粗い凹凸
を緩和するという程度の意味であって、完全な鏡面状よ
りは寧ろ、ある程度艶消し状とした方が、絵柄印刷イン
キの着肉性や密着性が良く、絵柄印刷層の意匠効果にも
優れることは、周知の通りである。また特に、ホルムア
ルデヒド捕捉剤を含有させる場合にあっては、表面積を
増し、ホルムアルデヒド捕捉効果を向上することができ
るので、艶消し状であることが好ましい。
【0091】上記シーラー層11は、基材1の凹凸を埋
め表面を平滑化する為の充填性の観点からも、また表面
を艶消し状に形成する観点からも、体質顔料を含有する
ことが好ましい。体質顔料の種類は特に限定されない
が、特に例えばシラスバルーンや珪藻土、タルク、カオ
リン、ゼオライト、シリカゲル等の多孔質の体質顔料を
使用すると、表面積を増加する効果が大きく、しかも係
る多孔質顔料自体が、ホルムアルデヒド分子がホルムア
ルデヒド捕捉剤と反応するまでの間これを吸着保持し、
環境空気中への再発散を防止するので、ホルムアルデヒ
ド捕捉効率をより向上することができ、最も好適であ
る。
【0092】本発明の化粧材は、シート状の基材1を使
用したものにあっては、例えば壁紙として壁面に貼付し
たり、建具や什器等の表面被覆材として芯材の表面に貼
付したりして使用される。また、例えば合板やパーティ
クルボード等の木質材料や、セメント系等の無機質材
料、金属材料、合成樹脂材料等からなる板状基材または
成型品状基材等を基材1としたものや、これらの基材の
表面に前記したシート状の基材1を使用した化粧材を貼
付したものは、住宅等の内装建築材料や家具材、家電製
品の筐体等として使用される。
【0093】そして、基材である木質材料が発散するホ
ルムアルデヒドを捕捉除去して室内空気中への放散を防
止したり、或いは木質材料から一度室内空気中に放散さ
れたホルムアルデヒドを再吸収して捕捉除去することに
より、室内空気のホルムアルデヒドによる汚染を防止
し、居住者の不快感や健康被害の防止に寄与するもので
ある。
【0094】
【実施例】
<実施例1>ホルムアルデヒド捕捉剤としてジシアンジ
アミドを固形分比10重量%添加したアクリル系水性イ
ンキを使用して、坪量40g/m2 の薄葉紙に隠蔽ベタ
印刷及び木目柄の絵柄印刷を施して、本発明の化粧材を
作製した。
【0095】<実施例2>坪量40g/m2 の薄葉紙
に、通常のアクリル系水性インキを使用して、隠蔽ベタ
印刷および木目模様印刷を施し、更に、体質顔料として
珪藻土を固形分比30重量%、ホルムアルデヒド捕捉剤
としてジシアンジアミドを固形分比10重量%それぞれ
含有するアクリル系水性インキを使用し、版深120μ
mのグラビア印刷版にて盛り上げ印刷を施して、本発明
の化粧材を作製した。
【0096】<実施例3>坪量40g/m2 の薄葉紙
に、通常のアクリル水性インキを使用して、隠蔽ベタ印
刷および木目模様印刷を施し、更に、体質顔料として多
孔質シリカを固形分比20重量%、撥液剤としてシリコ
ーン樹脂を固形分比10重量%、ホルムアルデヒド捕捉
剤としてジシアンジアミドを固形分比10重量%それぞ
れ含有する撥液性インキを使用して、前記木目模様と同
調する導管柄の印刷を施し、更に、ホルムアルデヒド捕
捉剤としてカルボヒドラジドを固形分比10重量%含有
する水性アクリル樹脂を、乾燥後の塗布量6g/m2
塗工し、前記撥液性インキからなる導管柄の上で弾かせ
て凹部を形成して、本発明の化粧材を作製した。
【0097】<実施例4>坪量40g/m2 の薄葉紙
に、通常のアクリル系水性インキを使用して、隠蔽ベタ
印刷および木目模様印刷を施し、更に、マイクロカプセ
ル発泡剤を固形分比5重量%、ホルムアルデヒド捕捉剤
としてメラミンを固形分比10重量%それぞれ含有する
水性アクリル系発泡インキを使用して、前記木目模様印
刷に同調した木目発泡印刷層を施し、乾燥後加熱発泡し
て、本発明の化粧材を作製した。
【0098】<実施例5>坪量40g/m2 の薄葉紙
に、通常のアクリル系水性インキを使用して、隠蔽ベタ
印刷および木目模様印刷を施し、その上に、マイクロカ
プセル発泡剤を固形分比5重量%、ホルムアルデヒド捕
捉剤としてメラミンを固形分比10重量%それぞれ含有
する水性アクリル系発泡インキを使用して、前記木目模
様印刷に同調した木目発泡印刷層を施し、更に、ホルム
アルデヒド捕捉剤としてアジピン酸ジヒドラジドを固形
分比10重量%含有する水性アクリル樹脂を、乾燥後の
塗布量5g/m2 に施して保護樹脂層を形成し、乾燥
後、前記発泡印刷層を加熱発泡させた後、表面を研磨し
て発泡印刷層上の保護樹脂層を除去して、本発明の化粧
材を作製した。
【0099】<実施例6>坪量40g/m2 の薄葉紙
に、通常のアクリル系水性インキを使用して、隠蔽ベタ
印刷および木目模様印刷を施し、その上に、体質顔料と
してシラスバルーンを固形分比20重量%、ホルムアル
デヒド捕捉剤としてメラミンを固形分比10重量%それ
ぞれ含有する水性アクリル樹脂にて、全面に艶消し層を
形成した後、水性アクリル樹脂にて前記木目模様と同調
するパターン状に艶出し層を形成して、本発明の化粧材
を作製した。
【0100】<実施例7>坪量40g/m2 の薄葉紙
に、通常のアクリル系水性インキを使用して、隠蔽ベタ
印刷および木目模様印刷を施し、その上に、水性アクリ
ル系樹脂にて全面に艶出し層を形成した後、体質顔料と
してシラスバルーンを固形分比20重量%、ホルムアル
デヒド捕捉剤としてメラミンを固形分比10重量%それ
ぞれ含有する水性アクリル樹脂にて、前記木目模様と同
調するパターン状に艶消し層を形成して、本発明の化粧
材を作製した。
【0101】<実施例8>坪量40g/m2 の薄葉紙
に、体質顔料としてゼオライトを固形分比25重量%、
ホルムアルデヒド捕捉剤としてグルタミン酸を10重量
%含有する水性アクリル系シーラー剤を、乾燥後の塗布
量3g/m2 に塗工し、その上に、通常のアクリル系水
性インキを使用して隠蔽ベタ印刷および木目模様印刷を
施して、本発明の化粧材を作製した。
【0102】<施工試験>上記実施例1〜8に記載の化
粧材を使用し、厚さ3mmのパーティクルボードに貼付
して、一般木造住宅の天井を施工したところ、対策の施
されていない従来の化粧材を使用した場合と比較して、
室内の空気中のホルムアルデヒド濃度が大幅に低減し、
不快感や体調不良を訴えていた居住者の症状も、大幅に
軽減されることが確認された。
【0103】
【発明の効果】本発明の化粧材は、基材上にホルムアル
デヒド捕捉剤を含有する絵柄印刷層等が設けた構成によ
り、木質基材が室内空気中に放散したホルムアルデヒド
を捕捉除去して、居住者の不快感や健康被害等を防止す
ることができ、しかも特別な工程を必要としないので、
簡便且つ安価に製造可能であるという顕著な効果を奏す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図2】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図3】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図4】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図5】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図6】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図7】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図8】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図9】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【図10】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図
である。
【図11】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図
である。
【符号の説明】
1 基材 2 通常印刷層 3 隠蔽ベタ印刷層 4 盛り上げ印刷層 5 撥液性印刷層 6 トップコート層 7 発泡印刷層 8 保護樹脂層 9 艶消し層 10 艶出し層 11 シーラー層 12 板状基材 13 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 嘉平 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 冨永 孝史 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に絵柄印刷層を有する化粧材におい
    て、前記絵柄印刷層がホルムアルデヒド捕捉剤を含有す
    ることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記絵柄印刷層が少なくとも通常印刷層を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 【請求項3】前記通常印刷層がホルムアルデヒド捕捉剤
    を含有することを特徴とする請求項2に記載の化粧材。
  4. 【請求項4】前記絵柄印刷層が少なくとも隠蔽ベタ印刷
    層を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の化粧材。
  5. 【請求項5】前記隠蔽ベタ印刷層がホルムアルデヒド捕
    捉剤を含有することを特徴とする請求項4に記載の化粧
    材。
  6. 【請求項6】前記絵柄印刷層が少なくとも盛り上げ印刷
    層を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の化粧材。
  7. 【請求項7】前記盛り上げ印刷層がホルムアルデヒド捕
    捉剤を含有することを特徴とする請求項6に記載の化粧
    材。
  8. 【請求項8】前記盛り上げ印刷層の表面が艶消し状であ
    ることを特徴とする請求項6または7に記載の化粧材。
  9. 【請求項9】前記盛り上げ印刷層が体質顔料を含有する
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の化粧
    材。
  10. 【請求項10】前記体質顔料が多孔質顔料であることを
    特徴とする請求項9に記載の化粧材。
  11. 【請求項11】前記絵柄印刷層が少なくとも撥液性印刷
    層を含み、全表面に透明又は半透明のトップコート層が
    設けられ、該トップコート層が前記撥液性印刷層上で弾
    かれてなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    に記載の化粧材。
  12. 【請求項12】前記撥液性印刷層がホルムアルデヒド捕
    捉剤を含有することを特徴とする請求項11に記載の化
    粧材。
  13. 【請求項13】前記撥液性印刷層の表面が艶消し状であ
    ることを特徴とする請求項11または12に記載の化粧
    材。
  14. 【請求項14】前記撥液性印刷層が体質顔料を含有する
    ことを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の
    化粧材。
  15. 【請求項15】前記体質顔料が多孔質顔料であることを
    特徴とする請求項14に記載の化粧材。
  16. 【請求項16】前記トップコート層がホルムアルデヒド
    捕捉剤を含有することを特徴とする請求項11〜15の
    いずれかに記載の化粧材。
  17. 【請求項17】前記トップコート層が水性エマルジョン
    系樹脂からなり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤がヒドラ
    ジン誘導体であることを特徴とする請求項16に記載の
    化粧材。
  18. 【請求項18】前記絵柄印刷層が少なくとも発泡印刷層
    を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載の化粧材。
  19. 【請求項19】前記発泡印刷層がホルムアルデヒド捕捉
    剤を含有することを特徴とする請求項18に記載の化粧
    材。
  20. 【請求項20】前記発泡印刷層の表面が艶消し状である
    ことを特徴とする請求項18または19に記載の化粧
    材。
  21. 【請求項21】表面に保護樹脂層を有することを特徴と
    する請求項18〜20のいずれかに記載の化粧材。
  22. 【請求項22】前記保護樹脂層がホルムアルデヒド捕捉
    剤を含有することを特徴とする請求項21に記載の化粧
    材。
  23. 【請求項23】前記保護樹脂層が水性エマルジョン系樹
    脂からなり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤がヒドラジン
    誘導体であることを特徴とする請求項21または22に
    記載の化粧材。
  24. 【請求項24】前記保護樹脂層が、前記発泡印刷層上を
    除く表面のみに形成されてなることを特徴とする請求項
    18〜23のいずれかに記載の化粧材。
  25. 【請求項25】基材上に絵柄印刷層を有し、該絵柄印刷
    層上に艶消し層および/または艶出し層を有する化粧材
    において、前記艶消し層および/または艶出し層の一方
    または両方がホルムアルデヒド捕捉剤を含有することを
    特徴とする化粧材。
  26. 【請求項26】前記艶消し層がホルムアルデヒド捕捉剤
    を含有することを特徴とする請求項25に記載の化粧
    材。
  27. 【請求項27】前記艶消し層が体質顔料を含有すること
    を特徴とする請求項26に記載の化粧材。
  28. 【請求項28】前記体質顔料が多孔質顔料であることを
    特徴とする請求項27に記載の化粧材。
  29. 【請求項29】前記艶出し層がホルムアルデヒド捕捉剤
    を含有することを特徴とする請求項25〜28のいずれ
    かに記載の化粧材。
  30. 【請求項30】前記艶消し層が樹脂吸収性を有し、その
    上に印刷された艶出し層の樹脂を吸収することにより艶
    消しの表面を現出してなることを特徴とする請求項25
    〜29のいずれかに記載の化粧材。
  31. 【請求項31】前記艶消し層が前記絵柄印刷層上の全面
    にベタ状に設けられ、その上に前記艶出し層が模様状に
    設けられてなることを特徴とする請求項25〜29のい
    ずれかに記載の化粧材。
  32. 【請求項32】前記艶出し層が前記絵柄印刷層上の全面
    にベタ状に設けられ、その上に前記艶消し層が模様状に
    設けられてなることを特徴とする請求項25〜29のい
    ずれかに記載の化粧材。
  33. 【請求項33】前記艶消し層および/または艶出し層
    が、艶の程度の異なる複数の層を含むことを特徴とする
    請求項25〜29のいずれかに記載の化粧材。
  34. 【請求項34】基材上にシーラー層を介して絵柄印刷層
    が設けられてなる化粧材において、前記シーラー層がホ
    ルムアルデヒド捕捉剤を含有することを特徴とする化粧
    材。
  35. 【請求項35】前記シーラー層の表面が艶消し状である
    ことを特徴とする請求項34に記載の化粧材。
  36. 【請求項36】前記シーラー層が体質顔料を含有するこ
    とを特徴とする請求項34または35に記載の化粧材。
  37. 【請求項37】前記体質顔料が多孔質顔料であることを
    特徴とする請求項36に記載の化粧材。
  38. 【請求項38】前記基材がシート状基材であることを特
    徴とする請求項1〜37のいずれかに記載の化粧材。
  39. 【請求項39】前記基材が板状基材または成型品状基材
    であることを特徴とする請求項1〜37のいずれかに記
    載の化粧材。
  40. 【請求項40】板状基材または成型品状基材の表面に、
    請求項38に記載の化粧材を貼り合わせてなることを特
    徴とする化粧材。
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