JP2023028082A - 防湿化粧紙、防湿化粧板及び建具 - Google Patents

防湿化粧紙、防湿化粧板及び建具 Download PDF

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Abstract

Figure 2023028082000001
【課題】両面側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを防止する防湿化粧紙を提供する。
【解決手段】防湿化粧紙10は、紙基材3の一方の面に印刷柄層2と保護樹脂層1とが積層された化粧紙a1と、アンカーコート層4と蒸着層5とオーバーコート層6とが積層された防湿層a2とを備え、アンカーコート層4は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含み、オーバーコート層6は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内扉、キッチン扉、収納扉、襖などの建具に用いられる防湿化粧紙、それを用いた防湿化粧板及び扉などの建具に関し、詳しくは湿度変化、温度変化等によって発生する反りを防止する機能を有する防湿化粧紙とそれを用いた防湿化粧板と扉などの建具に関するものである。
従来、室内扉、キッチン扉、収納扉などの建具において、湿度、温度の関係で使用中に徐々に反りが発生することがあった。これは、主として、室内外に湿度差や温度差が生じることで、本質建具内部の含水率分布に偏りが生じるために発生する現象である。すなわち、湿度差が生じると、本質建具表裏面における吸放湿量に差が生じ、湿度の高い側では高含水率になるために膨張し、湿度の低い側では低含水率になるために収縮することにより反りが発生する。また、温度差が生じると、本質基材中では冷たい側に含有水分が移動するため、厚み方向に含水率の傾斜ができ、反りが発生する。通常、低温側が高湿度、高含水率になることが多く、この場合、前記2つの作用が同方向に働くことになるため、反りが最も顕者になると考えられる。
こうした木質建具の反りを抑制する方法として、扉などの建具の表裏面に、同じ材質シートを用いることで、片方に反らないようにしたもの、また、建具の枠体に金属製の支持体を使用する等の対策が取られている。また、透湿度が低い防湿シートを建具の部材に用いることで、部材の吸放湿量を小さくする方法が広く用いられている。また、特許文献1には、合板などの板基材の表面側に、表面側から保護樹脂層/印刷柄層/紙間強化紙/合成樹脂層/紙間強化紙の5層構造を有する防湿化粧シートを、接着剤を介して貼着すると共に、該板基材の裏面側には、紙間強化紙/合成樹脂/紙間強化紙の3層構造を有する防湿裏面シートを、接着剤を介して貼着して防湿化粧板とし、この防湿化粧板をフラッシュ扉の表裏にそれぞれ接着剤を介して貼着することが提案されている。この時の防湿シートの透湿度は、5(g/m・24h)以上30(g/m・24h)以下が良いとされている。この構成によれば、フラッシュ扉の表裏化粧面材として使用される防湿化粧板において、板基材の表裏に貼着される防湿シート及び防湿裏面シートが、高い防湿機能を有する為、フラッシュ扉の表面側と裏面側との温度・湿度差による防湿化粧板の板基材の含水率変化が抑制され、その結果として反り防止効果を発揮するものとされている。
特許第3206408号
近年において、扉のデザイン性の観点から、高さが2mを超えるような扉が採用される事が多くなっている。扉が高くなったことにより、わずかな反り量でも、扉全体としては反りが大きくなってしまう為に、より高い防湿性が求められている。高い防湿性を有するシートとして、合成樹脂基材に金属蒸着膜とコート層とを有する防湿シートが提案されている。透湿度としては、5(g/m・24h)以下で、反り防止効果も高いとされている。
しかしながら、これらの防湿シートは、いずれもプラスチック材料を使用している為、環境面を考慮した場合、プラスチック使用量の削減が望まれる。また、これらの防湿シートを貼り合せた化粧板や扉などの建具等のリサイクルにおいては、木質基材とプラスチック部分(合成樹脂層や合成樹脂基材)を分離する必要があり、リサイクルには適していない。
本発明は上記未解決の課題を解決するためになされたものであり、プラスチック使用量をより低減し、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを防止することの可能な防湿化粧紙、それを用いた防湿化粧板、及び扉などの建具を提供することを目的としている。
上記目的を達成するべく、本発明の一態様によれば、化粧紙と防湿層とを備えた防湿化粧紙であって、化粧紙は、紙基材の一方の面に印刷柄層と保護樹脂層とがこの順に設けられてなり、防湿層は、紙基材の他方の面に設けられ、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層と、蒸着層と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層と、がこの順に設けられてなる、防湿化粧紙が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、上記態様の防湿化粧紙を、この防湿化粧紙のオーバーコート層側を合板等の板基材の表面に向けて貼着し、透湿度が5(g/m・24h)以下である裏面防湿シートを、板基材の裏面に貼着した、防湿化粧板が提供される。
さらに、本発明の他の態様によれば、上記態様の防湿化粧板が、この防湿化粧板の裏面防湿シート側が表裏面に接するようにして圧着された木質系の芯組部材を含む、反り防止が施された扉などの建具が提供される。
本発明の一態様によれば、プラスチックの使用量を低減しつつ、反りの発生をより防止することができる
本発明の一実施形態に係る防湿化粧紙の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る防湿化粧紙の構成の他の例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る防湿化粧板の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る防湿化粧板の構成の他の例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る扉の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る扉の構成の他の例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各厚みの比率などは現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状などを下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<構成>
図1に示すように、本発明による防湿化粧紙10は、保護樹脂層1と、印刷柄層2と、紙基材3と、アンカーコート層4と、蒸着層5と、オーバーコート層6とが、この順に積層されて形成されている。保護樹脂層1と印刷柄層2とが化粧紙a1を構成し、アンカーコート層4と蒸着層5とオーバーコート層6とが防湿層a2を構成している。
図2に示すように、防湿化粧紙10の、オーバーコート層6の表出面、つまり、蒸着層5とは逆側の面に接着用プライマー層7を設けることも可能である。
アンカーコート層4は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含む。また、オーバーコート層6は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含む。
図3は、防湿化粧板21の一例を示す断面図である。防湿化粧板21は、板基材Sと、板基材Sの一方の面に設けられた防湿化粧紙10と、板基材Sの他方の面に設けられた裏面防湿シート11と、を備える。防湿化粧紙10は、オーバーコート層6が、板基材Sの一方の面に接するように設けられている。裏面防湿シート11は、防湿化粧紙10の透湿度と同等の特性を持つ裏面防湿シートが適しており、透湿度が5g/m・24h以下好ましくは3g/m・24h以下の裏面防湿シートがより好ましい。
例えば、裏面防湿シートとして、合成樹脂基材に金属蒸着膜及びコート層を有する防湿シートを使用することができる。しかし、プラスチック使用量削減という環境面においては、紙基材に防湿層を有する防湿シートが好ましい。
裏面防湿シート11としては、図4の防湿化粧板22に示すように、防湿化粧紙10の防湿層a2と同等の特性を持つ防湿層からなる裏面防湿シート12を適用することもできる。すなわち、裏面防湿シート12は、紙基材3上にカルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層4と、蒸着層5と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層6と、がこの順で積層されてなり、オーバーコート層6が板基材Sに接して設けられている。なお、裏面防湿シート12は、オーバーコート層6の表出面、つまり蒸着層5とは逆側の面に接着用プライマー層(図示せず)を設けることも可能である。
図3及び図4に示すように、防湿化粧紙10を板基材Sの表面に、また、裏面防湿シート11又は裏面防湿シート12を板基材Sの裏面側に接着剤を介して貼着することで、反り止め防止が施された防湿化粧板21、22を得ることができる。なお、本実施形態で用いる板基材Sは、中密度繊維強化板(MDF:medium-density fiberboard)、合板、パーティクルボード等の本質系板基材を使用することができる。
図5及び図6は、図3、図4に示す防湿化粧板21、22を表裏に用いてフラッシュ加工を行ったフラッシュ扉などの建具30の一部を示すものである。図5、図6に示す建具30は、木質系の芯組部材SSの表裏面に、防湿化粧板21(図5)又は防湿化粧板22(図6)の、裏面防湿シート11又は裏面防湿シート12を内側にして接着剤を用いて圧着し、反り防止が施されたフラッシュ扉などの建具30を形成したものである。
なお、本実施形態で用いる芯組部材SSは、中密度繊維強化板(MDF)、合板、パーティクルボード等の木質系板基材を使用することができ、フラッシュ扉の場合にはハニカムパネルなどのコア材なども芯組部材SSとして使用できる。
なお、本実施形態で用いる接着剤は、例えば、水性系接着剤、溶剤系接着剤、化学反応系接着剤、ホットメルト系接着剤等、限定されるものではなく、いずれのタイプであっても適用することができる。接着剤としては、公知のもの、または市販品を適宜選択して使用することができる。
次に、各層の構成について説明する。
<表面保護層>
表面保護層1は防湿化粧紙10の表面を保護するための層であり、防湿化粧紙及び防湿化粧板や扉などの建具に要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性、耐侯性等の表面物性を付与するために設けられるものである。表面保護層1の形成は特に限定されるものではなく、グラビアコート等の公知の塗工方法で形成することができる。
表面保護層1の材料としては、特に制限は無く、従来の化粧紙で表面保護層として使用されている材料と同様のものを使用することができる。表面保護層1としては、例えば、アクリルウレタン系樹脂、電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。アクリルウレタン系樹脂としては、例えばアクリルポリオール化合物を主剤とし、イソシアネート化合物を硬化剤とした反応生成物を採用できる。また、電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、電子線や紫外線等の電離放射線の照射により架橋反応する性質を有する(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの少なくとも何れかを主成分とする組成物を採用することができる。
表面保護層1は単層でも良く、2又は3層の複層でもよい。複層とした場合、マット樹脂とグロス樹脂との塗り分けによって、グロスマット表現を付与することもできる。また、部分的に樹脂を盛り上げた凹凸表現を付与することもできる。更に抗菌剤や抗ウイルス剤等を添加することもできる。
<印刷柄層>
印刷柄層2は意匠性を付与するためのものであり、絵柄としては任意の絵柄を用いることができ、例えば木目柄、石目柄、布目柄、コルク柄、抽象柄等或いはこれらの2種類以上の組み合わせ等を用いることができる。印刷柄層2と紙基材3との間に、隠蔽性を確保するために、ベタインキ層を設けることができる。これらの印刷方法は、特に限定されるものでは無く、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷など、公知の印刷方法を用いることができる。
印刷インキ等としては、特に制限は無く、油性、水性のいずれでも特に問題はない。従来の化粧紙において印刷柄層に使用されている印刷インキ等と同様のものを使用することができ、例えば、アクリルインキを用いることができる。アクリルインキとしては、例えば、アクリルポリオール系ビヒクルにイソシアネート硬化剤を配合してなる2液硬化型ウレタン樹脂系インキを使用することができる。
<紙基材>
紙基材3としては、特に限定されるものではなく、適用される防湿化粧紙の用途に応じて適宜選択すればよい。紙基材3の具体例として、薄葉紙、上質紙、アート紙、キャストコート紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、コート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等が挙げられる。
紙基材3としては、好ましくは、合成樹脂を混抄させて、紙間強度を強化した薄葉紙(いわゆる紙間強化紙)や紙にラテックスや合成樹脂を含浸させたものが、好ましく使用される。紙基材3の坪量としては特に限定されないが、20g/m以下の場合は柔軟すぎるため加工時に皺の発生が起こりやすく、200g/m以上の場合は紙基材3そのものの基材層間で二つに引き裂かれる等、紙基材3を基点として剥がれ等の不具合が生じやすいため、20g/m以上200g/m以下が好ましく、20g/m以上100g/m以下がより好ましく、20g/m以上50g/m以下が更に好ましい。
さらに、これらの紙基材3については、必要に応じてコロナ処理やプラズマ処理、フレーム処理等の表面処理を行っても良い。
紙基材3には、少なくとも後述するアンカーコート層4と接する側にコート層を設けてあってもよい。コート層を設けることで、紙基材3にアンカーコート層が染み込むことを防ぐことができるほか、紙基材3の凹凸を埋める目止めの役割を果たすこともでき、アンカーコート層を欠陥なく均一に製膜することができる。コート層には、例えば、バインダー樹脂として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、などの各種共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、パラフィン(WAX)等を用い、填料としてクレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が含まれていてもよい。
コート層の厚みは、特に制限されるものではないが、例えば、1μm以上10μm以下、又は3μm以上8μm以下であってよい。
紙基材3の重量は、防湿層a2を基準として、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。紙基材3の重量が防湿層a2を基準として、50質量%以上であれば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シート(プラスチック材料90重量%以上)あるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シート(ポリエチレンの厚みによるが、防湿性能を有するためには、50重量%以上がポリエチレン)等といった従来の防湿用部材に比較して、使用するプラスチックの量が少ない為、防湿化粧紙に含まれるプラスチック材料の割合を十分に削減することができる。また50%以上が紙材料であることから、本発明による防湿化粧紙は紙製であるということができる。
<アンカーコート層>
アンカーコート層4は、紙基材3の表面上に設けられ、紙基材3と後述する蒸着層5との間の密着性向上や、ガスバリア積層体のガスバリア性の向上のために設けられるものである。アンカーコート層4には、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含む。このようなアンカーコート層4は柔軟性に優れ、蒸着層5の割れを抑制することができるとともに、アンカーコート層4と蒸着層5との密着性を向上させることができる。さらに、上述したポリオレフィンを含むことで、ポリオレフィンの結晶性による緻密な膜の形成が可能である。また、ポリオレフィンは、極性基も少ないため水蒸気バリア性に優れる。
アンカーコート層4には、上記第1のポリオレフィンのほかに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、上記第1のポリオレフィン以外のポリオレフィン、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
アンカーコート層4における第1のポリオレフィンの含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、100質量%であってよい。
アンカーコート層4の厚みは、例えば、1μm以上であってよく、2μm以上であってよく、20μm以下であってよく、10μm以下であってよく、5μm以下であってよい。アンカーコート層4の厚みが1μm以上であれば、上述した紙基材3の凹凸を効率的に埋めることができ、後述する蒸着層5を均―に積層させることができる。また、アンカーコート層4の厚みが20μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層5を均―に積層させることができる。
アンカーコート層4の塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
アンカーコート層4を設ける方法としては、紙基材3上に少なくとも上述した第1のポリオレフィン及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液中における第1のポリオレフィンの平均粒径は、乾燥後の塗面を平滑にし、蒸着層5を均―に積層し、バリア性を向上させる観点から小さいほど良い。具体的には、1μm以下、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.5μm以下であってよい。第1のポリオレフィンの平均粒径の下限値は、特に限定されるものではないが、例えば1nm以上であってよい。
<蒸着層>
蒸着層5は、金属又は無機化合物を蒸着した層である。蒸着層5としては、アルミニウムを蒸着して得られたものであってもよく、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)等を含むものであってもよい。
蒸着層5の厚みは、使用用途によって適宜設定すればよいが、好ましくは10nm以上300nm以下であり、より好ましくは30nm以上100nm以下である。蒸着層5の厚みを10nm以上とすることで蒸着層5の連続性を十分なものとしやすく、300nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なガスバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
蒸着層5は、真空成膜手段によって成膜することが、酸素ガスバリア性能や膜均一性の観点から好ましい。成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで制御しやすいことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから有効である。
<オーバーコート層>
オーバーコート層6は、蒸着層5の表面上に、蒸着層5に接するように設けられるもので、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含む。
このようなオーバーコート層6は、柔軟性に優れ、蒸着層5との密着性に優れる。さらに、上述した第2のポリオレフィンを含むことで、ポリオレフィンの結晶性による緻密な膜の形成が可能である。また、ポリオレフィンは、極性基も少ないため水蒸気バリア性に優れる。
オーバーコート層6には、上記第2のポリオレフィンのほかに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
オーバーコート層6における第2のポリオレフィンの含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、好ましくは70質量%以上であってよく、より好ましくは90質量%以上であってよく、100質量%であってもよい。オーバーコート層6の厚みは、例えば、0.05μm以上20μm以下であってよく、好ましくは0.5μm以上10μm以下であってよく、より好ましくは1μm以上5μm以下であってよい。
また、オーバーコート層6の厚みが20μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層5との密着性やバリア性を十分に発揮することができる。
オーバーコート層6の塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
オーバーコート層6を設ける方法としては、蒸着層5上に上述した第2のポリオレフィン及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液中における第2のポリオレフィンの平均粒径は、特に限定されるものではないが、具体的には、1μm以下であってよく、好ましくは0.7μm以下であってよく、より好ましくは0.5μm以下であってよい。
アンカーコート層4及びオーバーコート層6にそれぞれ含まれる第1のポリオレフィン及び第2のポリオレフィンは、それぞれ同種のものであっても異種のものであってもよいが、製造の容易性等を考慮すれば、それぞれ同種のものであることが好ましい。
<接着用プライマー>
接着用プライマー層7は、各種の被貼着基材の表面に積層貼着する際に使用される、例えばイソシアネート硬化型ウレタン樹脂系や変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン系等の各種のラミネート用接着剤との接着性を十分に確保する目的で設けられるものである。その材質としては、例えばエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等の各種のプライマー剤が知られており、これらの中からラミネート用接着剤の種類に合せたものを選んで使用する。例えば、ラミネート用接着剤として変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤を使用する場合には、ウレタン系接着用プライマー剤を用いれば良好な接着が得られる。
なお、接着用プライマー層7に例えばシリカ等の無機質微粉末を添加しておくと、接着用プライマー層の表面が粗面化することにより、防湿シートの巻取り保存時のブロッキングを防止できる他、投錨効果によるラミネート用接着剤との接着性の向上を図ることもできる。また、これらの接着用プライマーは単独ないし混合して接着組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。
<効果>
本発明の防湿化粧紙は、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートあるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シートに比べて、透湿度(JIS Z 0208)をより小さくすることができる。そのため、優れた防湿性能を有する防湿化粧紙を得ることができる。また、この防湿化粧紙を用いた防湿化粧板を用いて扉等の建具を形成することによって、扉等の建具の反り防止効果を得ることができ、反り防止効果が高いとされる、透湿度が5(g/m・24h)以下程度の建具を得ることができる。
また、防湿化粧紙において、紙基材3の重量は、防湿層a2を基準として50質量%以上としているため、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シート(プラスチック材料90重量%以上)あるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シート(プラスチック材料50重量%以上)等といった従来の防湿用部材と比較して、使用するプラスチックの重量が少ない為、防湿化粧紙として使用するプラスチック材料を十分に削減することができる。
そのため、この防湿化粧紙を用いて防湿化粧板を形成し、この防湿化粧板を用いて扉等の建具を形成することによって、プラスチック材料の使用量を削減することができる。また、防湿化粧紙を用いた防湿化粧板及び扉は、高い防湿性能を有すると共に、木質材料と紙成分とで構成されるため、リサイクル性にも優れる。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
紙基材3として30g/mの紙間強化紙(天間特殊製紙株式会社製)を用い、その片面に、カルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS100、アイオノマー系、ケミパールの粒径:<0.1μm、溶媒:水、IPA(イソプロピルアルコール)、三井化学株式会社製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アンカーコート層4を形成させた。なお、「ケミパールの粒径:<0.1μm」とは、ケミパールの粒径が0.1μmよりも小さいことを表す。以後、同様である。
アンカーコート層4の厚みは3.0μmであった。続いて、アンカーコート層4上にAL(アルミニウム)蒸着を施した。
AL蒸着層5の厚みは50nmであった。その後、蒸着層5上にカルボキシル基の塩を含む溶液(商品名:ケミパールS100、アイオノマー系、ケミパールの粒径:<0.1μm、溶媒:水、IPA、三井化学株式会社製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、オーバーコート層6を形成させ、防湿層a2を得た。オーバーコート層6の厚みは3.0μmであった。
次に、紙基材3の防湿層a2を形成した面とは逆側の面に、硝化綿とアクリル樹脂をバインダーとするインキを用いて、グラビア印刷にてベタインキ層を形成した。その上には同じく、硝化綿とアクリル樹脂をバインダーとするインキを用いて、グラビア印刷にて絵柄インキ層(印刷柄層2)を形成した。
続いて、ウレタン系アクリルポリオールとイソシアネートを用いて、グラビア印刷にて表面保護層(保護樹脂層1)を形成し、防湿化粧紙10を得た。
<実施例2>
蒸着層5をアルミナ(Al)で形成したこと以外は、実施例1と同様の手順で防湿化粧紙10を得た。
<実施例3>
アンカーコート層4を、カルボキシル基の塩を含む溶液(商品名:ケミパールS500、アイオノマー系、ケミパールの粒径:0.7μm、溶媒:水、IPA、三井化学株式会社製)で形成したこと以外は、実施例1と同様の手順で防湿化粧紙10を得た。
<実施例4>
アンカーコート層4の厚みを、1.0μmとしたこと以外は、実施例1と同様の手順で防湿化粧紙10を得た。
<実施例5>
アンカーコート層4の厚みを、0.9μmとしたこと以外は、実施例1と同様の手順で防湿化粧紙10を得た。
<実施例6>
紙基材3として、30g/mの紙間強化紙(天間特殊製紙株式会社製)を用い、その片面に、カルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、アイオノマー系、ケミパールの粒径:0.7μm、溶媒:水、IPA、三井化学株式会社製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アンカーコート層4(厚み:3.0μm)を形成した。続いて、アンカーコート層4上にAL蒸着を施した。AL蒸着層5の厚みは50nmであった。その後、蒸着層5上にカルボキシル基の塩を含む溶液(商品名:ケミパールS100、アイオノマー系、ケミパールの粒径:<0.1μm、溶媒:水、IPA、三井化学株式会社製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、オーバーコート層6(厚み:3.0μm)を形成させて防湿層a2とした裏面防湿シート12を得た。
実施例3で得られた防湿化粧紙10の防湿層a2側を接着側として、MDFの板基材(ホクシン株式会社製:厚み:3mm)の表面に、実施例4で得られた裏面防湿シート12の防湿層側を接着側として、前記板基材の裏面に、酢酸ビニル樹脂系接着剤(コニシ株式会社製)(ウェット状態で5g/尺角塗布)を介してラミネートし、反り止め防止が施された防湿化粧板22を得た。
次にLVL(ファーストウッド株式会社製:27mm×26mm)で芯組した4方枠の表裏に、防湿化粧板22の裏面防湿シート側をそれぞれ内側にして、酢酸ビニル系樹脂接着剤(コニシ株式会社製)を用いて、フラッシュ扉(810mm×2030mm)を作製した。
<比較例1>
アンカーコート層4として、アクリルポリオール(アクリルポリオールとは、アクリル酸誘導体モノマーの重合物或いはアクリル酸誘導体モノマーとその他モノマーの重合体であり、末端に水酸基を有する)とポリイソシアネートの硬化物であるウレタン硬化型アクリル樹脂とした以外は実施例1と同様の手順で防湿化粧紙10を得た。
<比較例2>
オーバーコート層6として、PVA(polyvinyl alcohol)とTEOS(tetra ethoxy silane)の加水分解物の混合物で形成させたこと以外は、実施例1と同様の手順で防湿化粧紙10を得た。
<比較例3>
従来品の防湿シートとして、一方の面にコロナ処理を施した30g/mの2枚の紙間強化紙(天間特殊製紙株式会社製)のコロナ処理面同士を、Tダイ押出し機より押出した溶融したポリエチレン樹脂50μmでサンドラミネートを行い、防湿シート(紙間強化紙/ポリエチレン/紙間強化紙)を作製した。
次に、防湿シートの表出面に、実施例1と同様の手順で、硝化綿とアクリル樹脂とをバインダーとするインキを用いて、グラビア印刷にてベタインキ層を形成した。その上には同じく、硝化綿とアクリル樹脂をバインダーとするインキを用いて、グラビア印刷にて絵柄インキ層を形成した。
続いて、ウレタン系アクリルポリオールとイソシアネートを用いて、グラビア印刷にて表面保護層を形成し、防湿化粧シートを得た。
上記で得られた防湿化粧シートをMDF(Medium density fiberboard:中質繊維板)の板基材(ホクシン株式会社製:3mm)の表面に、防湿シートを前記板基材の裏面に、酢酸ビニル樹脂系接着剤(コニシ株式会社製)(ウェット状態で5g/尺角塗布)を介してラミネートし、反り止め防止が施された防湿化粧板を得た。
次にLVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)(ファーストウッド株式会社製:27mm×26mm)で芯組した4方枠の表裏に、前記防湿化粧板の防湿シート側をそれぞれ内側にして、酢酸ビニル樹脂系接着剤(コニシ株式会社製)を用いて、フラッシュ扉(810mm×2030mm)を作成した。
<比較例4>
30g/mの紙間強化紙(天間特殊製紙株式会社製)の片面に、実施例1と同様の手順で、硝化綿とアクリル樹脂をバインダーとするインキを用いて、グラビア印刷にてベタインキ層を形成した。その上には実施例1と同様に、硝化綿とアクリル樹脂とをバインダーとするインキを用いて、グラビア印刷にて絵柄インキ層を形成した。
続いて、ウレタン系アクリルポリオールとイソシアネートを用いて、グラビア印刷にて表面保護層を形成し、化粧紙を得た。
上記で得られた化粧紙をMDFの板基材(ホクシン株式会社製:3mm)の表面に、30g/mの紙間強化紙(天間特殊製紙株式会社製)を裏面に、酢酸ビニル樹脂系接着剤(コニシ株式会社製)(ウェット状態で5g/尺角塗布)を介してラミネートし、化粧板を得た。
次にLVL(ファーストウッド株式会社製:27mm×26mm)で芯組した4方枠の表裏に、裏面に紙間強化紙側をそれぞれ内側にして、酢酸ビニル樹脂系接着剤(コニシ株式会社製)を用いて、フラッシュ扉(810mm×2030mm)を作成した。
<評価>
<評価1>
上記で作製した実施例1~5、比較例1~2の防湿化粧紙及び比較例3の防湿シートについて、JIS Z 0208に準拠して透湿度を算出し、それぞれ透湿度の比較を行った。その結果を表1に示す。
また、実施例1~5、比較例1~2の防湿化粧紙について、蒸着層5の膜均一性を評価した。この評価は、透湿度を元に間接的に評価した。透湿度が4g/m・24hrより小さい場合を「○」、透湿度が4g/m・24hr以上である場合を「×」とした。その結果を表1に示す。
Figure 2023028082000002
表1の結果から明らかなように、アンカーコート層として第1のポリオレフィンを含み、オーバーコート層として第2のポリオレフィンを含む実施例1~5の防湿化粧紙は、アンカーコート層として第1のポリオレフィンを含まないか、または、オーバーコート層として第2のポリオレフィンを含まない比較例1、2の防湿化粧紙及び比較例3の従来の防湿シートと比べて、より低い透湿度となることが確認された。特に比較例3の従来の防湿シートに比較して、実施例1~5の防湿化粧紙は、格段に低い透湿度となることが確認された。
また、アンカーコート層として第1のポリオレフィンを含み、オーバーコート層として第2のポリオレフィンを含み、さらにアンカーコート層の厚みが1.0μm以上である実施例1~4の防湿化粧紙は、蒸着層5の膜均一性が優れているが、アンカーコート層4の厚みが1.0より低い実施例5の防湿化粧紙は、蒸着層5の膜均一性が劣ることが確認された。
<評価2>
実施例6及び比較例3及び4で作製したフラッシュ扉について、2室1体型環境試験室にて、反り試験を行った。試験方法として、フラッシュ扉を2室の境界に設置し、一方の面を高湿環境下、他方の面を低湿環境下にし、フラッシュ扉の反り量の測定を行った。試験方法の詳細として、高湿側を湿度90%±5%、温度20℃、低湿側を湿度50%± 5%、温度20℃として8時間静置し、その後両室とも湿度50%±5%、温度20℃の環境で16時間静置する。この24時間を1サイクルとして、5サイクルの加湿繰り返しを行った。この時のフラッシュ扉の縦方向、横方向、対角線方向の最大変位量の測定を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2023028082000003
表2の結果から、実施例6のフラッシュ扉は、高さ方向、幅方向及び対角線方向のいずれの場合も、比較例3、4のフラッシュ扉に比較して、最大変位量がより小さいことが確認された。
表1及び表2から、本発明の課題である、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを防止することのできる防湿化粧板及び扉などの建具を提供することが可能であることを検証することができた。
1 保護樹脂層
2 印刷柄層
3 紙基材
4 アンカーコート層
5 蒸着層
6 オーバーコート層
7 接着用プライマー層
10 防湿化粧紙
11 裏面防湿シート
12 裏面防湿シート
21 防湿化粧板
22 防湿化粧板
a1 化粧紙
a2 防湿層
S 板基材
SS 芯材

Claims (7)

  1. 化粧紙と防湿層とを備えた防湿化粧紙であって、
    前記化粧紙は、紙基材の一方の面に印刷柄層と保護樹脂層とがこの順に設けられてなり、
    前記防湿層は、前記紙基材の他方の面に設けられ、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層と、
    蒸着層と、
    カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層と、がこの順に設けられてなることを特徴とする防湿化粧紙。
  2. 前記アンカーコート層の厚みが1μm以上である、請求項1に記載の防湿化粧紙。
  3. 前記オーバーコート層の、前記蒸着層とは逆側の面に接着用プライマー層を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防湿化粧紙。
  4. 前記紙基材が紙間強化紙であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の防湿化粧紙。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の防湿化粧紙を、当該防湿化粧紙の前記オーバーコート層側を合板等の板基材の表面に向けて貼着し、透湿度が5(g/m・24h)以下である裏面防湿シートを、前記板基材の裏面に貼着したことを特徴とする防湿化粧板。
  6. 前記裏面防湿シートが、紙基材上に設けられ、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含むアンカーコート層と、
    蒸着層と、
    カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層と、がこの順に設けられた防湿層からなり、
    前記オーバーコート層側を前記板基材の裏面に貼着したことを特徴とする請求項5に記載の防湿化粧板。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の防湿化粧板が、当該防湿化粧板の前記裏面防湿シート側が表裏面に接するようにして圧着された木質系の芯組部材を含むことを特徴とする、反り防止が施された扉などの建具。
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