JP2023032200A - 化粧板用裏面防湿紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、室内のドアパネルなどに用いる化粧板に、室内での温度や湿度の変化による吸湿・放湿などが原因で発生する反りを防止するために、化粧板の裏面に貼り合わせて用いる化粧板用裏面防湿紙に関する。【解決手段】紙基材20の一面に防湿層30を積層してなる化粧板用裏面防湿紙10であって、防湿層30は、紙基材20の一面に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40と、蒸着層50と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有するポリオレフィンを含む層60と、をこの順で設けてなる。また、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の厚みがlμm以上5μm以下でもよいし、蒸着層50の厚みが、30nm以上100nm以下でもよいし、ポリオレフィンを含む層60の厚みが、2μm以上10μm以下でもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、室内のドアパネルなどに用いる化粧板に、室内での温度や湿度の変化による吸湿・放湿などが原因で発生する反りを防止するために、化粧板の裏面に貼り合わせて用いる化粧板用裏面防湿紙に関する。
従来、室内のドアパネルなどの用途に用いる化粧板としては、合板、中密度繊維板(MDF)、ベニア板、ボード材、その他の多層構造の木質系基材の表面に、隠蔽性を与えるためのベタ印刷層や意匠性を向上させるための絵柄模様層を印刷した化粧シートを貼り合わせたものが一般的に知られている。
木質系基材は、その含水率が外気条件において、木質系基材の平衡含水率より小さい場合は、化粧板の化粧シートを貼り合せていない面から吸湿して面が膨張し、木質系基材の平衡含水率より大きい場合には、放湿して収縮が起こるのに対して、化粧シートを貼り合せた面は、吸放湿がほとんどないため、化粧板に変形(反り、寸法変化)が生じる。
この変形を防止するために、表面に化粧シートを貼り合せた化粧板の裏面に塗料を塗布する方法や、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂シートを貼り合せる方法や、或いは、紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シートを貼り合せる方法等が知られている。
従来、保護樹脂層/印刷柄層/紙間強化紙/合成樹脂層/紙間強化紙の5層構造を有する防湿化粧シートや、紙間強化紙/合成樹脂/紙間強化紙の3層構造を有する防湿裏面シートが接着された扉などの建具が知られている(特許文献1の段落[0013]~[0016]、並びに図1~図4参照)。
特許第3206408号公報
しかしながら、従来の防湿化粧シートや防湿裏面シートでは、防湿性が不十分であるため、両面の温湿度環境に大きな差があるドア、引き戸、間仕切り等に長期間使用された場合には、両面の伸縮の度合いが異なり、反りが発生する場合がある。
本発明はこの課題を解決するためになされたものであり、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを防止する化粧板用裏面防湿紙を提供することができる。
本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙は、紙基材の一面に防湿層を積層してなる化粧板用裏面防湿紙であって、前記防湿層は、前記紙基材の一面に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層と、蒸着層と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有するポリオレフィンを含む層と、をこの順で設けてなることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙は、前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む層の厚みがlμm以上5μm以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙は、前記蒸着層の厚みが、30nm以上100nm以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙は、前記ポリオレフィンを含む層の厚みが、2μm以上10μm以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙は、前記紙基材の重量が、前記防湿層の全体を基準として、50質量%以上であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙は、前記化粧板用裏面防湿紙において、前記防湿層の外面に接着用プライマー層を設けてなることを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙は、前記化粧板用裏面防湿紙において、前記紙基材が紙間強化紙であることを特徴とする。
本発明の一態様に係る化粧板用裏面防湿紙によれば、透湿度が格段に低減でき、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、例えば化粧板の反りを防止できる。
さらに、本発明の一態様によれば、プラスチック材料の使用量削減に寄与する化粧板用裏面防湿紙を提供できる。
本発明の防湿紙の一実施例の断面の形状を示す説明図である。 本発明の防湿紙の接着用プライマー層を用いた一実施例の断面の形状を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図1、図2を参照しながら説明を加える。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内であって、種々の変更を加えることができる。
[化粧板用裏面防湿紙10]
図1は、一実施形態に係る化粧板用裏面防湿紙10を示す模式断面図である。
一実施形態に係る化粧板用裏面防湿紙10は、図示しないが、例えば室内のドアパネルなどに用いる化粧板に、化粧板の裏面に貼り合わせて用いられ、以下、「防湿紙10」ともいう。
防湿紙10は、室内での温度や湿度の変化による吸湿・放湿などが原因で、化粧板に発生する反りを防止するために使用される。
防湿紙10は、図1に示すように、大別すると、紙基材20の一面に防湿層30を積層し、2層からなる。
防湿層30は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40と、蒸着層50と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有するポリオレフィンを含む層60と、をこの順で設けてなる。
[防湿紙10の透湿度]
防湿紙10の透湿度は、5g/m・24hr以下あるいは未満が好ましく、さらに5g/m・24h未満、4g/m・24h以下、3g/m・24h以下が好ましく、又、下限は0g/m・24hr、又は0.1g/m・24hr以上、0.3g/m・24hr以上、0.5g/m・24hr以上、1.0g/m・24hr以上が好ましい。
[紙基材20]
紙基材20としては、特に限定されるものではなく、適用される化粧板用裏面防湿紙10の用途に応じて適宜選択すればよい。
紙基材20の具体例として、薄葉紙、上質紙、アート紙、キャストコート紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、コート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等が挙げられる。
好ましくは、合成樹脂を混抄させて、紙間強度を強化した薄葉紙(いわゆる紙間強化紙)や紙にラテックスや合成樹脂を含浸したものが、好ましく使用される。
坪量としては特に限定されないが、20g/m以下の場合は柔軟すぎるため、加工時に皺の発生が起こりやすく、200g/m以上の場合は紙層からの剥がれが発生しやすいため、20~200g/mが好ましく、20~100g/mがより好ましく、20~50g/mが更に好ましい。
さらに、これらの紙基材20については、必要に応じてコロナ処理やプラズマ処理、フレーム処理等の表面処理を行つても良い。
[コート層]
紙基材20には、少なくとも後述するポリビニルアルコール系樹脂を含む層40と接する側にコート層(図示せず)を設けてあってもよい。
コート層を設けることで、紙にポリビニルアルコール系樹脂を含む層40が染み込むことを防ぐことができるほか、紙の凹凸を埋める目止めの役割を果たすこともでき、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40を欠陥なく均―に製膜することができる。
コート層には、例えば、バインダー樹脂として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、などの各種共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、パラフィン(WAX)等を用い、填料としてクレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が含まれていてもよい。
コート層の厚みは、特に制限されるものではないが、例えば、1~10μm、又は3~8μmであってよい。
紙基材20の重量は、防湿層30を基準として、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
紙基材20の重量が防湿層30を基準として、50質量%以上であれば、プラスチック材料の使用量を十分に削減することができ、化粧板用裏面防湿紙として紙製であるということができる。
[ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40]
ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40は、紙基材20の表面上に設けられ、紙基材20と後述する蒸着層50との間の密着性の向上ために設けられるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂とは、例えば、完全けん化のポリビニルアルコール樹脂、部分けん化のポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂、エチレンービニルアルコール共重合樹脂等である。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、300以上、1500以下が好ましい。
重合度が300以上であれば、防湿層のバリア性や屈曲耐性が良好になり、重合度が1500以下であれば、後述するポリビニルアルコール系樹脂の塗液の粘度が低くなり、塗布性が良好になる。
ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40を設ける方法としては、紙基材20上に上述したポリビニルアルコール系樹脂及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。
塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、特に水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコールとの混合溶媒が好ましい。
また、塗液には、界面活性剤や防腐剤、保存安定剤、シランカップリング剤、有機チタネート等の添加剤を含んでいても構わない。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を含む層40は、柔軟性に優れ、蒸着層50の割れを抑制することができるとともに、蒸着層50とポリビニルアルコール系樹脂を含む層40との密着性を向上させることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の厚みは、例えば、lμm以上であってよく、2μm以上であってよく、5μm以下であってよい。厚みがlμm以上であれば、上述した紙基材20の凹凸を効率的に埋めることができ、後述する蒸着層50を均―に積層させることができる。
また、厚みが5μm以下であれば、コストを押さえつつ蒸着層50を均―に積層させることができる。
[蒸着層50]
蒸着層50は、金属又は無機化合物を蒸着した層である。
蒸着層50としては、アルミニウムを蒸着して得られたものであってもよく、酸化アルミニウム(A10x)、酸化ケイ素(SiOx)等を含むものであってもよい。
蒸着層50の厚みは、使用用途によって適宜設定すればよいが、好ましくは30nm以上、50nm以上であってよく、100nm以下、80nm以下であってよい。
蒸着層50の厚みを30nm以上とすることで蒸着層50の連続性を十分なものとしやすく、100nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なガスバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
蒸着層50は、真空成膜手段によって成膜することが、酸素ガスバリア性能や膜均一性の観点から好ましい。
成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。
また、真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで制御しやすいことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから有効である。
[ポリオレフィンを含む層60]
ポリオレフィンを含む層60は、蒸着層50の表面上に、蒸着層50に接するように設けられるもので、カルボキシアレ基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有するポリオレフィンを含む。
このようなポリオレフィンを含む層60は、柔軟性に優れ、蒸着層50の割れを抑制することができるとともに、蒸着層50との密着性に優れる。
さらに、上述したポリオレフィンを含むことで、水蒸気バリア性に優れる防湿層30を得ることができる。
ポリオレフィンを含む層60は、上記のポリオレフィンのほかに、他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
ポリオレフィンを含む層60における上記ポリオレフィンの含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、100質量%であってよい。
ポリオレフィンを含む層60の厚みは、例えば、2μm以上であってよく、3μm以上であってよく、10μm以下であってよく、8μm以下であってよく、5μm以下であってよい。
また、ポリオレフィンを含む層60の厚みが10μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層との密着性やバリア性を十分に発揮することができる。
ポリオレフィンを含む層60を設ける方法としては、蒸着層50の上に上述したポリオレフィン及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。
塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルクトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルクトン、水が好ましい。
また、環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
[接着用プライマー層70]
接着用プライマー層70は、各種の被貼着基材の表面に積層貼着する際に使用される、例えばイソシアネート硬化型ウレタン樹脂系や変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン系等の各種のラミネート用接着剤との接着性を十分に確保する目的で設けられるものである。
その材質としては、例えばエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等の各種のプライマー剤が知られており、これらの中からラミネート用接着剤の種類に合せたものを選んで使用する。
例えば、ラミネート用接着剤として変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤を使用する場合には、ウレタン系接着用プライマー剤で良好な接着が得られる。
なお、接着用プライマー層70に、例えばシリカ等の無機質微粉末を添加しておくと、接着用プライマー層70の表面が粗面化することにより、防湿シートの巻取り保存時のブロッキングが防止できる他、投錨効果によるラミネート用接着剤との接着性の向上を図ることもできる。
また、これらの接着用プライマー層70は、単独ないし混合して接着組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。
(本発明に基づく実施形態に係る特徴点と効果)
本発明に基づく実施形態の特徴点は、次の通りである。
(第1の特徴点)
第1の特徴点は、紙基材20の一面に防湿層30を積層してなる化粧板用裏面防湿紙10であって、防湿層30は、紙基材20の一面に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40と、蒸着層50と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有するポリオレフィンを含む層60と、をこの順で設けてなる。
(第1の特徴点の効果)
第1の特徴点によれば、透湿度が格段に低減でき、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、例えば化粧板の反りを防止できる。
さらに、第1の特徴点によれば、プラスチック材料の使用量削減に寄与できる。
具体的には、後述する表1及び表2に示すように、実施例と比較例とを例に挙げれば、透湿度(JIS Z 0208)が5.0g/m・24hr以下であるために、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートあるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シートに比べて格段に優れた防湿性能を有する。
また、プラスチック使用量を削減し、リサイクル性に優れている。
(第2の特徴点)
第2の特徴点は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の厚みがlμm以上5μm以下である。
(第2の特徴点の効果)
第2の特徴点によれば、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の厚みが、lμm以上の場合に、紙基材20の凹凸を効率的に埋めることができ、蒸着層50を均―に積層させることができる。
また、厚みが、5μm以下であれば、コストを押さえつつ蒸着層50を均―に積層させることができる。
(第3の特徴点)
第3の特徴点は、蒸着層50の厚みが、30nm以上100nm以下である。
(第3の特徴点の効果)
第3の特徴点によれば、蒸着層50の厚みを30nm以上とすることで蒸着層50の連続性を十分なものとしやすく、100nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なガスバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
(第4の特徴点)
第4の特徴点は、ポリオレフィンを含む層60の厚みが、2μm以上10μm以下である。
(第4の特徴点の効果)
第4の特徴点において、ポリオレフィンを含む層60の厚みを2μm以上としたのは、最表層として蒸着層を保護する目的と、水蒸気バリア性能を維持するためである。
また、厚みが10μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層50との密着性やバリア性を十分に発揮することができる。
(第5の特徴点)
第5の特徴点は、紙基材20の重量が、防湿層30の全体を基準として、50質量%以上である。
(第5の特徴点の効果)
第5の特徴点によれば、50質量%以上であれば、プラスチック材料の使用量を十分に削減することができ、化粧板用裏面防湿紙10として紙製であるということができる。
すなわち、第5の特徴点によれば、プラスチック材料の使用量削減に寄与し、木質材料と紙成分で構成されることから、リサイクル性にも優れる。
(第6の特徴点)
第6の特徴点は、化粧板用裏面防湿紙10において、防湿層30の外面に接着用プライマー層70を設けてなる。
(第6の特徴点の効果)
第6の特徴点によれば、接着用プライマー層70を、各種の被貼着基材の表面に積層貼着する際に使用できる。例えばイソシアネート硬化型ウレタン樹脂系や変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン系等の各種のラミネート用接着剤との接着性を十分に確保する。
また、接着用プライマー層70に、例えば無機質微粉末を添加しておくことで、接着用プライマー層70の表面が粗面化することにより、化粧板用裏面防湿紙10の巻取り保存時のブロッキングが防止できる他、投錨効果によるラミネート用接着剤との接着性の向上を図ることもできる。
(第7の特徴点)
第7の特徴点は、化粧板用裏面防湿紙10において、紙基材20が紙間強化紙である。
(第7の特徴点の効果)
第7の特徴点によれば、紙間強化紙を使用することで、長期に使用された場合や、不可抗力的に外力が加わった場合など、紙層の層間からの剥離を防止することができる。
(第8の特徴点)
第8の特徴点は、化粧板用裏面防湿紙10の透湿度が、5.0g/m・24hr未満である。
(第8の特徴点の効果)
第8の特徴点によれば、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、例えば化粧板の反りを防止できる。
具体的には、後述する表1及び表2に示すように、実施例と比較例とを例に挙げれば、透湿度(JIS Z 0208)が5.0g/m・24hr未満であるために、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートあるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シートに比べて格段に優れた防湿性能を有する。
(第9の特徴点)
第9の特徴点は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の重合度は、300以上1500以下である。
(第9の特徴点の効果)
第9の特徴点によれば、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の重合度を、300以上とすることで、防湿層のバリア性や屈曲耐性が良好になり、重合度が1500以下であれば、後述するポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の塗液の粘度が低くなり、塗布性が良好になる。
(第10の特徴点)
第10の特徴点は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の厚みは、lμm以上5μm以下である。
(第10の特徴点の効果)
第10の特徴点によれば、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層40の厚みを、lμm以上とすることで、紙基材20の凹凸を効率的に埋めることができ、蒸着層50を均―に積層させることができる。
また、厚みが5μm以下であれば、コストを押さえつつ蒸着層50を均―に積層させることができる。
(第11の特徴点)
第11の特徴点は、蒸着層50の厚みは、30nm以上100nm以下である。
(第11の特徴点の効果)
第11の特徴点によれば、蒸着層50の厚みを30nm以上とすることで、蒸着層50の連続性を十分なものとしやすく、100nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分なガスバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
紙基材として30g/mの紙間強化紙(天間特殊製紙(株)製)表面上に、けん化度98%、重合度500のポリビニルアルコール樹脂を水/1PA=8/2の溶液に固形分濃度10質量%で溶解した塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂を含む層を形成させた。
層の厚みは3μmであった。
続いて、ポリビニルアルコール樹脂を含む層上に真空蒸着法にてAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであつた。
その後、蒸着層上にカルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、ポリオレフィンを含む層を形成させ、防湿層を得た。
ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであつた。
(実施例2)
ポリビニルアルコール樹脂を含む層の厚みをlμmとした以外は、実施例1と同様の操作によって防湿層を得た。
(実施例3)
ポリオレフィンを含む層の厚みを2μmとした以外は、実施例1と同様の操作によって防湿層を得た。
(実施例4)
ポリオレフィンを含む層の厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様の操作によって防湿層を得た。
(実施例5)
蒸着層をシリカとし、蒸着層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の操作によって防湿層を得た。
(実施例6)
蒸着層をアルミナとし、蒸着層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の操作によって防湿層を得た。
(比較例1)
ポリビニルアルコール樹脂を含む塗液に代えて、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む塗液(商品名:ケミパールV300、三井化学製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により防湿層を得た。
(比較例2)
蒸着層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の操作によって防湿層を得た。
(比較例3)
従来品の防湿シートとして、片側にコロナ処理を施した30g/mの紙間強化紙(天聞特殊製紙株式会社製)のコロナ処理面同士を、Tダイ押出し機より押出した溶融したポリエチレン樹脂50μmでサンドラミネートを行い、防湿シート(紙間強化紙/ポリエチレン/紙間強化紙)を作製した。
<評価>
上記で作製した実施例及び比較例の防湿シートについて、JIS Z 0208に準拠して透湿度を算出し、それぞれ透湿度の比較を行った。その結果を下記の表1及び表2に示す。
Figure 2023032200000002
Figure 2023032200000003
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例の防湿シートは、比較例の防湿シートと比べて、透湿度が格段に低い結果が得られた。本発明の防湿シートは防湿層を設けたことにより、透湿度の性能向上が認められ、室内での温度や湿度の変化による吸湿・放湿などが原因で発生する化粧板の反りを従来品に比べて少なくする効果が期待できる。
これにより本発明の課題である、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを防止することのできる化粧板用裏面防湿紙を提供することが可能であることを検証することができた。
<評価結果>
(実施例1~6と比較例1~3との比較)
表1及び表2を用いて、実施例1~6に係る防湿化粧紙と、比較例1~3に係る防湿化粧紙とについて、透湿度の上から比較した。
防湿化粧紙の透湿度は、「5g/m・24hr」以下を合格として、実施例1~6は、表1に示すように、すべて合格であった。
これに対し、比較例1~3は、表2に示すように、すべて不合格であった。
比較例1は、実施例1~6と比較し、「ポリオレフィンを含む層」が無いことが原因と推測できる。
比較例2は、実施例1~6と比較し、「蒸着層」が無いことが原因と推測できる。また、比較例2は、比較例1と比較し、透湿度が高くなったのは、「蒸着層」が無いことが原因と推測できる。
比較例3は、実施例1~6と比較し、「ポリビニルアルコール系樹脂を含む層」、「蒸着層」及び「ポリオレフィンを含む層」が無いことが原因と推測できる。
10 化粧板用裏面防湿紙
20 紙基材
30 防湿層
40 ポリビニルアルコール系樹脂を含む層
50 蒸着層
60 ポリオレフィンを含む層
70 接着用プライマー層

Claims (7)

  1. 紙基材の一面に防湿層を積層してなる化粧板用裏面防湿紙であって、
    前記防湿層は、前記紙基材の一面に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層と、蒸着層と、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有するポリオレフィンを含む層と、をこの順で設けてなることを特徴とする化粧板用裏面防湿紙。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂を含む層の厚みがlμm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の化粧板用裏面防湿紙。
  3. 前記蒸着層の厚みが、30nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧板用裏面防湿紙。
  4. 前記ポリオレフィンを含む層の厚みが、2μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧板用裏面防湿紙。
  5. 前記紙基材の重量が、前記防湿層の全体を基準として、50質量%以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の化粧板用裏面防湿紙。
  6. 前記化粧板用裏面防湿紙において、前記防湿層の外面に接着用プライマー層を設けてなることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の化粧板用裏面防湿紙。
  7. 前記化粧板用裏面防湿紙において、前記紙基材が紙間強化紙であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の化粧板用裏面防湿紙。
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