JP3718958B2 - 剥離シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シートなどと組み合わせて使用する剥離シートに関するものである。更に詳しくは、表面基材が、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムからなる粘着シート、あるいは、表面基材がアルミ箔や銅箔などからなる金属箔粘着シートに適用するのに好適な剥離シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粘着シート、粘着ラベルなどにおいて、粘着剤層の保護やラベルの貼付けまたは印刷加工時の支持等を目的として、これらに剥離シートを積層することが行われている。
従来、この剥離シートとしては、上質紙、クラフト紙等の片面を、ポリオレフィン樹脂の押出しラミネート層やクレー等の顔料コーテッド層で目止め処理した原紙の目止め処理面に、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン・アルキッド樹脂、ポリビニルカルバメート樹脂等の剥離剤を塗工した剥離シート、あるいはグラシン紙の一方の面に前記剥離剤を直接塗工した剥離シートが使用されている。
【0003】
しかし、これらの剥離シートは、環境の湿度変化により寸法の伸び、縮みが起こることから、表面基材として環境の湿度変化による寸法変化の少ないポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムや金属箔を使用した粘着シートは、外部環境の湿度変化によって、表面基材と剥離シートとの間の伸び、縮みの相違が発生し、著しいカールが生ずる問題があった。
【0004】
このようなカールの発生は、粘着シートに、印刷、ダイカット、シートカットを施して、ラベル、ステッカー、シート等に加工する各工程で、印刷ムラ、印刷ズレ、打抜き不良、走行不良、シートの不揃い等を起こすだけでなく、表面基材と剥離シートとの間に浮きやトンネルが発生する等の原因ともなっている。
そこで、粘着シートのカールを矯正するために、粘着シートをカールと逆方向に鋭角的に曲げるデカーラー処理、加湿することによりカールを防ぐスチームダンピング処理などを行う方法が提案されているが、これらの方法は工程が複雑であり、しかもその効果が長続きしない等の問題を有していた。
【0005】
このような問題点を解決するため、剥離シート用基材の一方の面に剥離剤の浸透防止および平滑性を得るための下地処理を行った後に、剥離剤を塗工し、更に該剥離シート用基材の他方の面に防湿処理を施した剥離シートが使用されている。
即ち、剥離シート用基材の一方の面にポリオレフィン樹脂をラミネートし、その上に剥離剤を塗工し、剥離シート用基材の他方の面(裏面)にポリオレフィン樹脂の押出しラミネート層や、ポリ塩化ビニリデンやポリアクリル酸エステル樹脂等の高分子樹脂を主成分とする防湿コート層を、塗工または含浸によって設け、該剥離シート用基材の裏面からの湿気の入、出を防ぐことにより、紙の伸び、縮みによるカールを防止したものが知られている。
【0006】
しかしながら、剥離シート用基材の裏面にポリオレフィン樹脂の押出しラミネート層を設けた剥離シートは、表面基材にプラスチックフィルムや金属箔を使用した粘着シートに適用した場合に、耐カール性は良好であるが、裏面のポリオレフィン樹脂層面への印刷適性に乏しい。
また、剥離シート用基材の裏面に塩化ビニリデン樹脂やアクリル系樹脂等の高分子樹脂を主成分とする防湿コート層を設けた剥離シートは、剥離シート用基材の裏面に、高分子化合物を水や溶剤に溶解または分散させた防湿コート剤液を直接塗工するものであるため、この防湿コート層の塗工工程で剥離シート用基材が水や溶剤を吸収し、剥離シートにシワやボコツキが発生する。したがって、この剥離シートを、表面基材としてプラスチックフィルムや金属箔を使用する粘着シートに適用すると、表面基材の平滑性が損なわれ、商品価値を低下させるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決するために、剥離シート用基材として、プラスチックフィルムを使用することを挙げられるが、プラスチックフィルムの場合、剥離剤の塗工性およびキュアー性が乏しく、また、印刷インキの乾燥性や密着性が乏しいという問題点があった。
本発明は、従来の剥離シート用基材の裏面にポリオレフィン樹脂層等の防湿層を設けた剥離シートや剥離シート用基材にプラスチックフィルムを使用した剥離シートの欠点を解消し、表面基材としてプラスチックフィルムや金属箔等を使用する粘着シートに適用しても、基材表面の平滑性が損なわれることがなく、しかも、剥離シートの非剥離剤面の印刷適性に優れ、さらに粘着シートのカールが良好な剥離シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、剥離シート用基材として、ポリオレフィン系合成紙を用いることで、前記課題を解決しようとした。しかし、シリコーン系剥離剤を塗布した場合、剥離剤層の硬化が不十分なものしか得られなかった。
通常、ポリオレフィン系合成紙は、基材が多層構造を有し、延伸処理されたものであるが、それ自体では、プラスチックフィルムと同様に印刷インキの乾燥性や密着性に乏しいため、その両面に例えば、アミン類等の窒素化合物を配合する樹脂層(プライマー層)を設けた製品が市販されている。本発明者等は、この樹脂層に含有する窒素化合物がシリコーン系剥離剤の硬化を阻害し、剥離シートの基材としてポリオレフィン系合成紙を使用するのに重大な障害となっていることを見出した。
【0009】
すなわち、シリコーン系剥離剤の主成分であるポリジメチルシロキサンの架橋反応は、シラノール基と架橋剤の官能基との化学反応によって成されるものであり、この開始に当たっては、数ppmオーダーでの白金触媒が反応開始剤として使用されている。該白金触媒は、アミン、リン、硫黄などにより、わずかな量で被毒するため、アミン、リン、硫黄などを含む成分があると硬化阻害を受ける。よって、ポリオレフィン系の合成紙は、表面に窒素化合物を配合する樹脂層があるため、これを基材とした剥離シートを作成することはできなかった。
【0010】
本発明者等は、鋭意研究を行った結果、基材と剥離剤層の間に、下塗り剤層として特定の樹脂を用いることにより、基材表面の窒素化合物を配合する樹脂層によるシリコーン系剥離剤の硬化阻害がなく、表面基材にプラスチックフィルムや金属箔を使用した粘着シートに適用しても、粘着シートの耐カール性および表面平滑性、非剥離剤面への印刷性に優れる剥離シートが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明は、多層構造を有し、延伸処理された合成紙の片面に、(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含む下塗り剤層を形成し、該下塗り層上にシリコーン系剥離剤層を設けたことを特徴とする剥離シートである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する基材としては、多層構造を有し、延伸処理された合成紙を使用する。例えば、ポリプロピレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を主原料とし、これに無機質又は有機質の充填剤と少量の添加剤を配合した組成物を溶融、混練後、押出し機のスリットダイから押出して成膜し、さらに2軸延伸して製造した内部紙化法によるフィルム状またはテープ状の合成紙が例示できる。なお、合成紙の厚さとしては、0.01〜0.5mm程度のものが使用でき、好ましくは、0.05〜0.1mmが使用できる。
通常の内部紙化法による合成紙は、縦方向および横方向に延伸配向されている基層と基層の上、下に存在する横方向のみに延伸配向されている紙状の層の3層構造からなり、紙状層には、熱可塑性樹脂に無機質充填剤を配合して延伸させることより生じた多数のミクロボイドがあり、該ミクロボイドの存在により、白色不透明、および印刷や筆記適性が得られ、また、基層の機械的強度が得られる。
【0013】
しかし、該ミクロボイドだけでは、各種印刷インキの密着性や乾燥性が不十分であるため、通常合成紙表面に窒素化合物を配合する樹脂層が塗工されている。この窒素化合物を配合する樹脂層は、シリコーン系剥離剤の主成分であるポリジメチルシロキサンの架橋反応において、架橋反応の反応開始剤である白金触媒への配位力が強く、触媒毒となる。
【0014】
本発明は、シリコーン系剥離剤を塗布する面に(メタ)アクリル酸エステル共重合体を主成分とする下塗り層を形成することにより、窒素化合物がシリコーン系剥離剤の硬化を阻害することなく、剥離剤層を形成することができる。なお、(メタ)アクリル酸エステル共重合体以外の樹脂、例えば、セラック樹脂等を主成分とする下塗り層を形成した場合、シリコーン系剥離剤の硬化が阻害されてしまい、剥離剤層を形成することができない。
【0015】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルの一種または数種と、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のビニル単量体の一種または数種と共重合したものが挙げられる。
【0016】
特に、共重合体の主成分としては、エチルアクリレートとメチルメタクリレートからなる共重合体が、耐熱性、耐溶剤性、基材との密着性等の面から好ましく使用できる。上記、エチルアクリレートとメチルメタクリレートの配合比は、エチルアクリレート100重量部に対して、メチルメタクリレート5〜70重量部が好ましく、より好ましくは、10〜30重量部である。
【0017】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、例えば、ポリビニルアルコールおよびその変成物、ポリカルボン酸共重合体の中和物を用い、あるいは更に乳化剤を併用してエマルジョン化したものが下塗り剤として使用できる。
【0018】
該乳化剤としては、例えば、オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルフォコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンジアルキル硫酸アンモニウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤を例示できる。
また、下塗り剤には必要に応じて、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート系樹脂、アジリジン系化合物等を架橋剤として使用しても構わない。
【0019】
下塗り剤の塗工方法としては、通常の塗工機、例えば、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター等によって塗工することができる。
下塗り剤の塗工量としては、乾燥重量で0.5〜10g/m2、好ましくは、3〜8g/m2が適当である。因みに、0.5g/m2未満では下塗り層としての効果に乏しく、また、10g/m2を越えることは経済性の面から必要性に乏しい。
【0020】
剥離シートに塗工する剥離剤としては、例えば、熱キュアー型シリコーン系剥離剤やUVキュアー型シリコーン系剥離剤などシリコーン系剥離剤が使用できる。因みに、非シリコーン系剥離剤の使用は、剥離力のコントロールが難しく、剥離シート剥離時の剥離音(ジッピング)があり、剥離感は好ましくない。
剥離剤の塗工方法としては、通常の塗工機、例えば、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター等によって塗工することができる。
剥離剤の塗工量としては、乾燥重量で0.05〜3g/m2、好ましくは、0.2〜1.5g/m2が適当である。因みに、0.05g/m2未満では剥離層としての効果に乏しく、また、3g/m2を越えることは経済性の面から必要性に乏しい。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明は、この実施例によって制限されるものではない。
【0022】
実施例1
「下塗り剤層の形成」
基材として、多層構造を有し、延伸処理されたポリプロピレン系合成紙(商品名:ユポ(SGS80),王子油化合成紙株式会社製,厚さ:80μm)を使用した。基材のパール面に下塗り剤として、エチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合体樹脂エマルジョン(商品名:ニューコート PV−412,新中村化学工業株式会社製)をバー塗工により5g/m2塗工した後、100℃のオーブンで1分間乾燥することにより下塗り剤層を形成した。
「剥離シートの製造」
続いて、下塗り剤層の上に、シリコーン系剥離剤(商品名:BY24−312,東レダウコーニングシリコーン株式会社製)をバー塗工により0.2g/m2塗工した後、120℃のオーブンで1分間乾燥することにより剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0023】
実施例2
「下塗り剤層の形成」
エチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合体樹脂エマルジョン(商品名:ニューコート PV−412,新中村化学工業株式会社製)の塗布量を1g/m2にした以外は実施例1と同様にして下塗り剤層を形成した。
「剥離シートの製造」
この下塗り剤層の上に、実施例1と同様にして剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0024】
実施例3
「下塗り剤層の形成」
エチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合体樹脂エマルジョン(商品名:ニューコート PV−412,新中村化学工業株式会社製)の塗布量を10g/m2にした以外は実施例1と同様にして下塗り剤層を形成した。
「剥離シートの製造」
この下塗り剤層の上に、実施例1と同様にして剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0025】
実施例4
「下塗り剤層の形成」
下塗り剤として、エチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合体樹脂エマルジョン(商品名:ニューコート PV−400,新中村化学工業株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして下塗り剤層を形成した。
「剥離シートの製造」
この下塗り剤層の上に、実施例1と同様にして剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0026】
実施例5
「下塗り剤層の形成」
基材として、多層構造を有し、延伸処理されたポリプロピレン系合成紙(商品名:ユポ(FPG80),王子油化合成紙株式会社製,厚さ:80μm)を使用した。基材の表面に下塗り剤として、エチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合体樹脂エマルジョン(商品名:ニューコート PV−412,新中村化学工業株式会社製)をバー塗工により5g/m2塗工した後、100℃のオーブンで1分間乾燥することにより下塗り剤層を形成した。
「剥離シートの製造」
この下塗り剤層の上に、実施例1と同様にして剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0027】
比較例1
「剥離シートの製造」
実施例1と同じ基材(商品名:ユポ(SGS80))を使用し、該基材のパール面に、シリコーン系剥離剤(東レダウコーニングシリコーン株式会社製,商品名:BY24−312)をバー塗工により0.2g/m2塗工した後、120℃のオーブンで1分間乾燥することにより剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0028】
比較例2
「剥離シートの製造」
基材として、ポリエステルフィルム(商品名:ルミラー,東レ株式会社製,厚さ:50μm)を使用した。基材のコロナ処理面に、シリコーン系剥離剤(商品名:BY24−312,東レダウコーニングシリコーン株式会社製)をバー塗工により0.2g/m2塗工した後、120℃のオーブンで1分間乾燥することにより剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0029】
比較例3
「剥離シートの製造」
基材として、上質紙(商品名:OKC−110,王子製紙株式会社製,110g/m2)を使用した。これに、密度0.928の直鎖状低密度ポリエチレン(商品名 L−1054D,出光石油化学株式会社製)を押出しラミネーターにより、樹脂温度320℃にて、上記基材の一方の面に厚さ10μmにラミネートし、また、他方の面に厚さ20μmにラミネートした。
次いで、上記一方の面に設けた直鎖状低密度ポリエチレン層の表面を、コロナ放電処理機(春日電機株式会社製)により、JIS K 6768に規定する方法で45dyn/cmのぬれ指数となるように処理し,続いて、シリコーン系剥離剤(東レダウコーニングシリコーン株式会社製,商品名:BY24−312)をバー塗工により0.2g/m2塗工した後、120℃のオーブンで1分間乾燥することにより剥離剤層を形成した。
更に、剥離シート用基材の他方の面に、ポリ塩化ビニリデン樹脂エマルジョン(東洋モートン株式会社製,商品名:SF−2011)をバー塗工により、5g/m2塗工し、110℃のオーブンで乾燥することにより防湿層を形成した。
更に、該防湿層の上に、スチレン−アクリル共重合体樹脂エマルジョン(サイデン化学株式会社製、商品名:EK−38)をバー塗工により、5g/m2塗工し、110℃のオーブンで乾燥することにより印刷インキの易接着層を形成し、剥離シートを得た。
【0030】
比較例4
基材として、実施例1と同じ基材(商品名:ユポ(SGS80))を使用し、該基材のパール面に、非シリコーン系剥離剤(一方社油脂工業株式会社製、商品名:ピーロイル1010)をバー塗工により0.2g/m2塗工した後、80℃のオーブンで1分間乾燥することにより剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0031】
比較例5
「下塗り剤層の形成」
基材として、多層構造を有し、延伸処理されたポリプロピレン系合成紙(商品名:ユポ(SGS80),王子油化合成紙株式会社製,厚さ:80μm)を使用した。基材のパール面に下塗り剤として、セラック樹脂(商品名:ピーロイル1010,一方社油脂工業株式会社製)をバー塗工により0.2g/m2塗工した後、100℃のオーブンで1分間乾燥することにより下塗り剤層を形成した。
「剥離シートの製造」
この下塗り剤層の上に、実施例1と同様にして剥離剤層を形成し、剥離シートを得た。
【0032】
【評価】
このようにして得られた剥離シートの剥離剤層面の剥離剤のキュアー性、平滑度、非剥離剤層面の印刷適性、およびこれら各剥離シートを使用して得られる粘着シートのカールおよび粘着剤面からの各剥離シートの剥離感を評価し、これら結果を[表1]に示す。
【0033】
なお、粘着シートは次のようにして製造した。
剥離シートの剥離剤層面に溶剤型アクリル系粘着剤(商品名:BPS−4891,東洋インキ製造株式会社製)をコンマコーターにより23g/m2 塗工した後、110℃のオーブンで2分間乾燥し、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に厚さ50μmのポリエステルフィルム(商品名:ルミラー,東レ株式会社製)からなる表面基材を重ね、プレスロールで貼合せることにより粘着シートを製造した。
【0034】
「剥離剤のキュアー性」
剥離剤のキュアー性は、指こすり法により評価し、塗膜を指で10回擦った後、塗膜の曇り(スミアー)や塗膜剥がれ(ラブオフ)の発生の有無により判定した。
(基準)
○:塗膜のスミアー、ラブオフなし
△:一部スミアーあり、ラブオフなし
×:塗膜のラブオフありを示す。
【0035】
「平滑度」
剥離剤面平滑度は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法(紙パルプ技術協会 発行)No.5 王研式平滑度、透気度試験機を用いて測定した。測定結果は、数値の高い方が平滑度が高いことを示している。
【0036】
「非剥離剤層面の印刷適性」
印刷適性は、RIテスター(明製作所株式会社製)を用い、各剥離シートの非剥離剤面に印刷インキ(商品名:TKマークV墨M,T&K TOKA株式会社製)を0.6cc印刷した後、この印刷面にセロハン粘着テープ(王子化工株式会社製)を貼合せた後、直ちに引き剥がしたときのインキの剥がれ度合いによって判定した。
(基準)
○:インキが全く取れない
△:一部インキが取れる
×:インキが殆ど取れてしまう
【0037】
「カール」
粘着シートのカールは、試験片を200mm×200mmに切り採り、剥離シートの非剥離剤面を上にして、平板上に置き、23℃,30%RH、23℃,65%RH、および23℃,80%RHの各環境に24時間放置した後に、試験片4隅の平板上からの高さを測定し、その平均値をカールのとして示した。
なお、測定値に於いて、+(プラス)は粘着シートの表面基材側を上にして4隅が持ち上がったときのカールを示し、−(マイナス)は剥離シートの非剥離剤面を上にして、4隅が持ち上がったときのカールを示す。
【0038】
「剥離シートの剥離感」
粘着シートからの剥離シートの剥離感は、人が剥離シート引剥がした時に、ジッピング音が発生する、剥離が出来ない等かどうかを下記の基準で判定した。
(基準)
○:剥離感良好
△:一部ジッピングあり
×:ジッピングが酷い、剥離出来ない
【0039】
「総合評価」
総合的な評価として下記の基準で評価を行った。
(基準)
◎:実用性良好
○:実用性十分
×:実用性不十分
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
以上、詳しく説明した通り、この発明によって、表面基材にプラスチックフィルムや金属箔を使用した粘着シートに適用することにより、粘着シートの耐カール性および表面平滑性、非剥離剤面への印刷性に優れる剥離シートが得られる。
Claims (2)
- 多層構造を有し、延伸処理された合成紙の片面に、(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含む下塗り剤層を形成し、該下塗り層上にシリコーン系剥離剤層を設けたことを特徴とする剥離シート。
- (メタ)アクリル酸エステル共重合体が、エチルアクリレートとメチルメタクリレートの共重合体である請求項1記載の剥離シート。
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