JP2002055615A - ラベル用紙 - Google Patents

ラベル用紙

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JP2002055615A
JP2002055615A JP2001144447A JP2001144447A JP2002055615A JP 2002055615 A JP2002055615 A JP 2002055615A JP 2001144447 A JP2001144447 A JP 2001144447A JP 2001144447 A JP2001144447 A JP 2001144447A JP 2002055615 A JP2002055615 A JP 2002055615A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー電子写真プリンターで印字した場合に
十分な印字濃度が得られ、かつ、プリンター内でトナー
定着時に発生する熱による収縮が小さくプリント後カー
ルを低減したラベル用紙を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、
粘着剤層(B)および剥離紙(C)を順に有するラベル
用紙であって、静電容量が4pF/cm2以上であり、
かつ、室温から150℃の範囲の熱機械的分析におい
て、前記熱可塑性フィルム(A)の昇温前と降温後との
寸法変化率(α)が−2.5%〜2.5%であって、前
記剥離紙(C)の昇温前と降温後の寸法変化率(β)と
の差(α−β)が−1.5%〜1.5%であるラベル用
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外宣伝用ステッ
カー、冷凍食品用容器のラベルや工業用製品のネーマー
(使用方法、注意書きを記したラベル)に適したラベル
用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品
用容器に貼着されるラベルとしては、コート紙などが用
いられていたが、耐水性が乏しいので、耐水性が良好な
熱可塑性樹脂フィルム、なかでもポリオレフィン系合成
紙が使用されている。この様な樹脂フィルムは、公知の
ものであり、その詳細については、例えば特公昭46−
40794号、特公昭49−1782号、特開昭56−
118437号、特開昭57−12642号及び特開昭
57−56224の各公報等を参照することができる。
【0003】しかしながら、この様なポリオレフィン系
合成紙を用いたラベル用紙は、カラー電子写真プリンタ
ーで設定されている印字モードの普通紙用モード、ラベ
ル用モードやOHP用モード、あるいは厚紙用モードで
印字するとトナーの転写率が低く濃度が出なかったり、
目的以外の場所にトナーが飛んだりして、色相の再現が
普通紙やPET(熱可塑性ポリエチレンテレフタレート
樹脂)フィルムを剥離紙に貼合したラベル用紙に比べ劣
ることがあった。また、カラー電子写真プリンターでは
トナー定着のためヒートロール表面温度が140〜20
0℃と高温になり、印字ラベル基材としてポリオレフィ
ン系合成紙を使用すると、貼合される剥離紙にくらべ熱
による収縮が大きく、プリント後に発生するカールが大
きくなり、ひどい場合には円筒状に丸まってしまい、剥
離紙から剥がす時に剥がしにくいという問題があった。
また、排紙性が悪く連続プリントできないという問題も
あり、使用が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、これ
らの従来技術の問題点を解決することを課題とした。す
なわち本発明は、強度、耐久性および耐水性に優れ、屋
外宣伝用ステッカー、冷凍食品用容器のラベルや工業用
製品のネーマーに好適なラベル用紙を提供することを解
決すべき課題とした。特に本発明は、カラー電子写真プ
リンターで印字した場合に十分な印字濃度が得られ、か
つ、プリンター内でトナー定着時に発生する熱による収
縮が小さくプリント後カールを低減したラベル用紙を提
供することを解決すべき課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、ラベル用
紙の静電容量と寸法変化率を特定の範囲内に制御するこ
とにより、印字中の熱によるカールが低減し、排紙性が
改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂フィルム
(A)の片面に、粘着剤層(B)および剥離紙(C)を
順に有するラベル用紙であって、静電容量が4pF/c
2以上であり、かつ、室温から150℃の範囲の熱機
械的分析において、前記熱可塑性フィルム(A)の昇温
前と降温後との寸法変化率(α)が−2.5%〜2.5
%であって、前記剥離紙(C)の昇温前と降温後の寸法
変化率(β)との差(α−β)が−1.5%〜1.5%
であるラベル用紙を提供する。本発明の好ましい実施態
様では、熱可塑性樹脂フィルム(A)は静電容量改質剤
を含み、また、熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機
微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量
部含有する。熱可塑性樹脂は、好ましくはオレフィン系
樹脂であり、より好ましくはプロピレン系樹脂である。
また、熱可塑性樹脂フィルム(A)の空孔率は、0〜6
0%であることが好ましい。本発明のラベル用紙は、電
子写真方式によって印刷することが可能であり、これら
記録物も本発明に含まれる。
【0007】本発明のラベル用紙を構成する熱可塑性樹
脂フィルム(A)は延伸されていることが好ましい。ま
た、50℃〜250℃で熱処理されていることが好まし
い。また、カラー電子写真プリンターによってA−4サ
イズ(210mm×297mm)の本発明のラベル用紙
を印字した場合、印字から2分経過後の4隅のカール高
さの平均が100mm以下であるものが好ましい。なお
本明細書において、「〜」はその前後に記載される数値
を最小値および最大値として含む範囲である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のラベル用
紙について詳細に説明する。本発明のラベル用紙は、熱
可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、順に、粘着剤層
(B)および剥離紙(C)を有する。熱可塑性樹脂フィ
ルム(A)に使用する熱可塑性樹脂の種類は特に制限さ
れない。例えば、オレフィン系樹脂;ナイロン−6、ナ
イロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,
12等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレー
トやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族
ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;ポリカ
ーボネート;アタクティックポリスチレン、シンジオタ
クティックポリスチレン等のポリスチレン系樹脂;ポリ
フェニレンスルフィドなどを使用することができる。こ
れらは2種以上混合して用いることもできる。
【0009】なかでも、オレフィン系樹脂を用いること
が好ましい。オレフィン系樹脂としては、例えば、高密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹
脂、プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン等の
炭素数2〜8のα−オレフィンの単独重合体、およびエ
チレン−環状オレフィン共重合体等のα−オレフィン2
〜5種の共重合体が用いられる。オレフィン系樹脂の中
でも、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面など
から好ましい。プロピレン系樹脂としては、例えば、プ
ロピレン単独重合体であって、アイソタクティック、シ
ンジオタクティックおよび種々の程度の立体規則性を示
すポリプロピレン;プロピレンを主成分とし、プロピレ
ンと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン
−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの
共重合体が使用される。この共重合体は、2元系、3元
系および4元系のいずれでもよく、またランダム共重合
体でもブロック共重合体でもよい。
【0010】本発明のラベル用紙は、静電容量が4pF
/cm2以上であることを特徴とする。静電容量は、熱
可塑性樹脂フィルム(A)に静電容量改質剤を添加する
ことにより調整することが好ましい。本発明に用いる静
電容量改質剤は、静電容量を制御するための物質であれ
ば制限されないが、代表的には、熱可塑性樹脂フィルム
(A)を形成する熱可塑性樹脂より誘電率が大きい熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリオレフィンに分散可能な
モノマーおよびオリゴマー、および無機フィラーなどが
用いられる。これらの静電容量改質剤を添加することに
よって、本発明のラベル用紙の静電容量を4pF/cm
2以上とする。
【0011】熱可塑性樹脂フィルム(A)の静電容量改
質剤として用いられる熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂フ
ィルム(A)を形成する熱可塑性樹脂より大きな誘電率
を有するものであって、例えば、オレフィン類、カルボ
ン酸ビニル類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエーテル
類、アクリル酸類等であり、これらは単独重合体または
2種以上のビニル系共重合体であるビニル誘導共重合
体、さらに、シアン化ビニリデン単独/共重合体、ポリ
オール系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂
等が挙げられる。
【0012】より具体的な例としてオレフィン類は、エ
チレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、スチレン、α−メチルスチレン等が
挙げられる。カルボン酸ビニル類は、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプ
ロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、ブチル安息香酸ビニル、シクロヘ
キサンカルボン酸ビニル等が挙げられる。ハロゲン化ビ
ニル類は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。ビニルエーテル
類は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シク
ロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テル、ベンジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル等の共重合体等が挙げられる。
【0013】アクリル酸類は、アクリル酸、メタクリル
酸、エチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メタロール
(メタ)アクリルアミド、アクリルニトリルなどが挙げ
られる。ポリオール類は、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げら
れる。
【0014】ポリエステル樹脂類は、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチンナフタ
レート等が挙げられる。ポリアミド樹脂類は、ナイロン
−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロ
ン−6,12等が挙げられる。この熱可塑性樹脂静電容
量改質剤の中では、フッ化ビニリデン、ポリエステルポ
リオールが好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂フィルム(A)の静電容量改
質剤として用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹
脂などが挙げられる。該熱硬化性樹脂に分散可能なモノ
マーおよびオリゴマーとしては、例えば、高級アルコー
ル、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸
金属塩、脂肪酸アミド、アンモニウム塩(好ましくは4
級アンモニウム塩)、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、
リン酸エステル、リン酸エステル化物、多価アルコール
の部分エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキ
ルジアタノールアミド、ポリアルキレングリコール誘導
体などが挙げられる。この熱硬化性樹脂静電容量改質剤
の中では、ポリアルキルグリコール誘導体が好ましい。
【0016】静電容量改質剤として用いられる無機フィ
ラーとしては、例えば、ゼオライト、ベントナイト、モ
ンモリロナイト、バイデライト、ノントラライト、サポ
ナイト、ヘクスライト、ソーコナイト、ヘクタイト等の
誘電体、ロッシェル塩、リン酸二水素カリウム、ルチル
型酸化チタン、チタン酸バリウム、ジルコン酸塩、ニオ
ブ酸リチウム、PZT(Pb(Ti,Zr)O3)、G
ASH(C(NH23Al(SO42・6H2O)、D
SP(Ca2Sr(C23CO26)、亜硝酸ナトリウ
ム、硫ヨウ化アンチモン、等の強誘電体、鉄、銅、カー
ボン、アルミ、コバルト、ニッケル等の導電体が挙げら
れる。また、湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤やアニ
オン系帯電防止剤などにて表面処理した炭酸カルシウム
や上述したフィラーを表面処理して用いても良い。
【0017】より好ましくは、ルチル型酸化チタン、チ
タン酸バリウム、上記の表面処理した炭酸カルシウム、
カーボンである。これらの静電容量改質剤は、単独ある
いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらの静電容量改質剤の種類と使用量を適宜調節する
ことによって、熱可塑性樹脂シート(A)の静電容量を
4pF/cm2以上に調整し、静電容量が4pF/cm2
以上のラベル用紙を得ることができる。
【0018】これらの静電容量改質剤は、単独あるいは
2種類以上を組み合わせて使用することができる。これ
らの静電容量改質剤の種類と使用量を適宜調節すること
によって、本発明のラベル用紙の静電容量を4pF/c
2以上とすることができる。
【0019】静電容量改質剤の添加量は、前述の熱可塑
性樹脂シート(A)を形成する熱可塑性樹脂組成物10
0重量部に対して、好ましくは0.2〜160重量部で
あり、より好ましくは1〜130重量部である。160
重量部を超えると、縦延伸や横延伸時に熱可塑性樹脂シ
ート(A)が破断しやすくなる傾向がある。なお、ここ
でいう熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および任意
に添加される無機および/または有機微細粉末等の熱可
塑性樹脂以外の成分からなるものである。静電容量改質
剤は、熱可塑性樹脂シート(A)を形成する熱可塑性組
成物中に添加・分散される。静電容量改質剤の分散状態
は特に制限されない。
【0020】熱可塑性樹脂フィルム(A)は、無機微細
粉末および/または有機微細粉末を含有してもよい。無
機微細粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成ク
レイ、シリカ、けいそう土、タルク、硫酸バリウム、ア
ルミナ等が用いられ、平均粒径が0.01〜15μmの
ものが好ましい。有機微細粉末としては、熱可塑性樹脂
フィルム(A)がオレフィン系樹脂フィルムである場合
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン
−6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィ
ンとエチレンとの共重合体等であって、融点が120〜
300℃、ないしはガラス転移温度が120〜280℃
を有するものを挙げることができる。なかでも、環状オ
レフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの
共重合体を用いることがハンドリングの点で好ましい。
【0021】熱可塑性樹脂フィルム(A)の構造は、単
層、ベース層と表面層の2層構造、ベース層の表裏面に
表面層が存在する3層構造、およびベース層と表面層の
間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造のいずれで
もよい。またこれらに類する構造を採用することも可能
である。熱可塑性樹脂フィルム(A)が単層のオレフィ
ン系樹脂フィルムである場合、通常、熱可塑性樹脂フィ
ルム(A)は、熱可塑性樹脂100重量部に対して無機
微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量
部含有することが好ましく、オレフィン系樹脂100重
量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末
を5〜100重量部含有することがより好ましい。
【0022】熱可塑性樹脂シート(A)がベース層およ
び表面層を有する多層構造である場合、ベース層は、熱
可塑性樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/
または有機微細粉末を1〜190重量部含有し、表面層
は、熱可塑性樹脂100重量部に対して無機微細粉末お
よび/または有機微細粉末を0〜300重量部含有する
ものであることが好ましい。より好ましくは、ベース層
は、オレフィン系樹脂100重量部に対して無機微細粉
末および/または有機微細粉末を3〜100重量部含有
し、表面層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して無機
微細粉末および/または有機微細粉末を1〜230重量
部含有するものである。
【0023】柔軟性のある熱可塑性樹脂シート(A)を
得るためには、無機微細粉末および/または有機微細粉
末は、単層構造、または多層構造のベース層中の含有量
が190重量部以下であることが好ましく、表面強度を
より良好なレベルとするためには、表面層中の含有量が
125重量部以下であることが好ましい。
【0024】本発明のラベル用紙に用いられる熱可塑性
樹脂シート(A)は、必要に応じて、さらに、安定剤、
光安定剤、分散剤、滑剤等を含有してもよい。例えば、
安定剤として、立体障害フェノール系、リン系、アミン
系等の安定剤を0.001〜1重量部、光安定剤とし
て、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量部、無機
微細粉末の分散剤として、シランカップリング剤、オレ
イン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸等を
0.01〜4重量部配合してもよい。
【0025】熱可塑性樹脂フィルム(A)の形成方法は
特に限定されず、公知の種々の方法が使用できる。具体
例としては、上記の成分からなる組成物を、スクリュー
型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイ
を使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成
形、カレンダー成形、圧延成形、延伸成形、インフレー
ション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合
物をキャスト成形またはカレンダー成形し、その後溶剤
やオイルを除去する方法、および熱可塑性樹脂を溶液と
して成形し、その後溶媒除去する方法などが挙げられ
る。なかでも、幅や面積の大きいフィルムの成形に適し
た延伸成形が好ましい。
【0026】延伸には、公知の種々の方法が使用でき
る。具体的な方法は特に制限されないが、例えば、ロー
ル群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使
用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモータ
ーの組み合わせによる同時二軸延伸などを挙げることが
できる。延伸の温度は、熱可塑性樹脂の種類および延伸
プロセスに合わせて適宜選択される。具体的には、非結
晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温
度以上、結晶性樹脂の場合には、非結晶部分のガラス転
移点温度以上から結晶部の融点以下に設定することがで
きる。特に、熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体(融
点155〜167℃)の場合には110〜164℃、高
密度ポリエチレン(融点121〜134℃)の場合には
110〜120℃であり、融点より2〜60℃低い温度
にすることが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレ
ート(融点246〜252℃)の場合には、結晶化が急
激に進まない温度を選択する。延伸速度は20〜350
m/分にすることが好ましい。
【0027】延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用
する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例え
ば、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体またはそ
の共重合体を使用し、一方向に延伸する場合は好ましく
は約1.2〜12倍、より好ましくは2〜10倍であ
り、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜
60倍、より好ましくは10〜50倍である。その他の
熱可塑性樹脂を使用し、一方向に延伸する場合は好まし
くは1.2〜10倍、より好ましくは2〜5倍であり、
二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜20
倍、より好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に
応じて高温での熱処理が施される。
【0028】熱可塑性樹脂フィルム(A)がプロピレン
単独重合体を使用し、熱可塑性樹脂フィルム(A)の形
成方法がテンターオーブンを用いた横延伸工程を含む場
合、後半に熱セットゾーンを設け、その設定温度をでき
るだけ高くし、延伸成形されたポリプロピレン系フィル
ムの温度を、最も高い場合はその融解温度近傍まで高く
することは、熱収縮率低減に効果がある。この目的にお
いて、熱セットゾーンの設定温度は、延伸工程のライン
速度や熱セットゾーンで吹き付けられる高温空気の流速
や流量、熱セットゾーンの構造等により種々の選択が可
能であるが、例えば、50〜250℃の範囲が使用され
る。
【0029】熱可塑性樹脂フィルム(A)の成形後の厚
さは、通常40〜500μm、好ましくは45〜350
μmである。特に無機および/または有機微細粉末を含
有する場合には、厚さが40μm未満ではフィルム強度
が不足する傾向がある。熱可塑性樹脂フィルム(A)の
厚さが400μmを超えると、電子写真プリンタの機種
によっては、用紙が重くなり送りロールで送紙できなく
なったり、通紙できなくなる可能性がある。
【0030】熱可塑性樹脂フィルム(A)が、無機微細
粉末および/または有機微細粉末を含有する場合、フィ
ルム表面に微細な亀裂を、フィルム内部に微細な空孔を
生じさせることもできる。このような場合、延伸工程を
経て製造されるフィルムは、微細なボイドを有する。熱
可塑性樹脂フィルム(A)は、好ましくは、以下の式で
表される空孔率が0〜60%であり、より好ましくは5
〜40%である。
【0031】
【数1】 式中、ρ0はフィルムの真密度を表し、ρ1はフィルム
の延伸後の密度(JISP−8118)を表す。延伸前
の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度
ρ0は延伸前の密度にほぼ等しい。得られた熱可塑性樹
脂フィルム(A)の物性は、一般に、密度0.65〜1.
2g/cm3、不透明度20%以上、ベック平滑度50
〜25,000秒である。
【0032】熱可塑性樹脂フィルム(A)には、トナー
受容層や粘着剤の塗工性改善、トナーの密着性向上、ト
ナー受容層や接着剤と熱可塑性樹脂フィルム(A)との
接着性向上、および帯電防止のために、表面処理を施す
ことが好ましい。表面処理の方法としては、表面酸化処
理や表面処理剤による処理を挙げることができる。表面
酸化処理と表面処理剤による処理は組み合わせて行うの
が好ましい。
【0033】表面酸化処理としては、フィルムに一般的
に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ
処理、グロー放電処理、オゾン処理等を単独または組み
合わせて使用することができる。なかでも、コロナ処
理、フレーム処理が好ましい。処理量は、コロナ処理の
場合は好ましくは600〜12,000J/m2(10〜
200W・分/m2)、より好ましくは1,200〜
9,000J/m2(20〜180W・分/m2)であ
り、フレーム処理の場合は好ましくは8,000〜20
0,000J/m2、より好ましくは20,000〜1
00,000J/m2である。
【0034】表面処理剤としては、プライマーや帯電防
止性ポリマーの中から選ばれる1種または2種以上の混
合物を主成分とするものを好ましく用いることができ
る。中でも、プライマーないしはプライマーと帯電防止
性ポリマーとの組み合わせからなる表面処理剤を用いる
ことが、トナー付着と帯電防止の観点から好ましい。
【0035】プライマーとしては、例えば、ポリエチレ
ンイミン、炭素数1〜12の範囲のアルキル変性ポリエ
チレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)およびポ
リアミンポリアミドのエチレンイミン付加物およびポリ
アミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリ
エチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル
酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エ
ステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル
アミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステ
ル系重合体、ポリアクリル酸エステル等のアクリル酸エ
ステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
グリコール、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、ま
たポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散
性樹脂等が用いられる。
【0036】これらの内で好ましくは、ポリエチレンイ
ミン系重合体およびウレタン樹脂、ポリアクリル酸エス
テル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重
合体であり、更に好ましくは重合度が20〜3,000
のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレ
ンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24のハ
ロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化
シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性さ
れた変性ポリエチレンイミンである。
【0037】帯電防止ポリマーとしてはカチオン系、ア
ニオン系、両性系等の高分子型のものが挙げられる。カ
チオン系帯電防止ポリマーとしては、四級アンモニウム
塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含
有アクリル系ポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素
を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙
げることができる。また両性系帯電防止ポリマーとして
は、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメ
タクリル系ポリマーを挙げることができる。またカチオ
ン系帯電防止ポリマーとしては、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体ないしはそのアルカリ金属塩、エチレン−
アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩ないしはエチレン
−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などが挙げら
れる。中でも、四級アンモニウム塩構造の窒素を有する
アクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを用いること
が好ましい。
【0038】帯電防止ポリマーの分子量は、重合温度、
重合開始剤の種類および量、溶剤使用量、連鎖移動剤等
の重合条件により任意のレベルとすることができる。一
般には得られる重合体の分子量は1,000〜1,00
0,000であるが、中でも1,000〜500,00
0の範囲が好ましい。
【0039】本発明では、必要に応じて架橋剤、アルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩などを含む表面処理剤を
好ましく用いることができる。表面処理剤に架橋剤を添
加しておくことにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上
させることができる。架橋剤としては、グリシジルエー
テル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポ
キシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマ
リン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。
架橋剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除
いた有効成分100重量部に対して100重量部以下の
範囲である。
【0040】表面処理剤に用いることができるアルカリ
金属塩またはアルカリ土類金属塩として、水溶性の無機
塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性
塩、および塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナト
リウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウ
ム、アンモニウム明礬等が挙げられる。任意成分の量
は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分1
00重量部に対して50重量部以下である。
【0041】表面処理層剤には、更に、界面活性剤、消
泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他の助剤
を含ませることもできる。これらの任意成分の量は、通
常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重
量部に対して20重量部以下である。
【0042】上記表面処理層の各成分は、水或いはメチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるものである
が、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液
濃度は通常0.1〜25重量部、好ましくは0.1〜1
1重量部程度である。塗工は、ロールコーター、ブレー
ドコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サ
イズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコー
ター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコータ
ー等により行われ、必要によりスムージングを行った
り、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去され
る。
【0043】塗工量は乾燥後の固形分として0.005
〜5g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2である。
熱可塑性樹脂シート(A)への表面処理層の塗工は、そ
の縦または横延伸の前後を問わず、一段の塗工でも多段
の塗工でもよい。
【0044】熱可塑性樹脂フィルム(A)の熱機械的分
析における寸法変化を低減するために、上記の成形と延
伸に加え、熱セットゾーンにおける高温セット、または
成形後もしくは後に示す表面処理の後に熱処理を行うこ
とが好ましい。加熱温度は、50〜250℃、好ましく
は60〜210℃、より好ましくは80〜200℃であ
る。50℃未満では熱処理の効果が不十分であり、25
0℃を超えるとフィルムの変形やボコツキが起こる場合
がある。さらに、熱可塑性樹脂がプロピレン系樹脂であ
る場合は、加熱温度は好ましくは70〜190℃であ
り、より好ましくは80〜170℃であり、さらに好ま
しくは90〜155℃である。70℃未満では、熱処理
の効果が不十分であるか、十分な効果を得るのに時間が
かかり、工業生産上効率が上がりにくい。
【0045】加熱時間は、好ましくは2秒〜30日間の
範囲で種々の選択が可能であるが、より好ましくは4秒
〜7日間であり、さらに好ましくは4秒〜2日間であ
る。30日より長いとフィルムの劣化が起こりやすく、
2秒未満では処理効果が不十分な場合がある。熱処理の
方法の例としては、上記のテンターオーブンを使用する
延伸後の高温の熱セットゾーンでの熱処理、枚葉または
巻きロール状態でオーブン中での処理、高温空気やスチ
ームその他の熱媒体による加熱等が挙げられる。熱処理
中のフィルムの状態としては、加熱に伴い徐々に収縮さ
せるようにフィルムの端を拘束しない状態や、フィルム
の端を固定する場合では、相対する2端又は相対する2
組の2端の固定具の間隔をフィルムの熱収縮に伴い縮め
ることが可能な状態、およびフィルムの少なくとも相対
する2端を固定してフィルムの収縮に追随しない状態が
挙げられる。具体的な熱処理方法としては、通風オーブ
ン中での巻きロール状態で加熱する方法、枚葉を単独ま
たは複数枚重ねた状態で加熱する方法、少なくとも1本
の高温のロールに接触させて加熱する方法等が挙げられ
る。
【0046】本発明のラベル用紙は、上記の熱可塑性樹
脂フィルム(A)の片面に、粘着剤層(B)を有する。
粘着剤層(B)の種類や厚さ(塗工量)は、被着体の種
類や使用される環境、接着の強度等により種々選択が可
能である。粘着剤層(B)は、一般に用いられる水系も
しくは溶剤系の粘着剤を塗工、乾燥して形成することが
できる。粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、ア
クリル系等の合成高分子粘着剤を使用することができ
る。粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョン、エ
マルジョン等の水に分散された形態で使用可能である。
また、ラベルの不透明度向上のため、粘着剤に酸化チタ
ンなどの顔料を含有させることも可能である。
【0047】粘着剤層(B)は、溶液状態で剥離紙
(C)のシリコン処理面上に塗工して形成することがで
きる。場合によっては、粘着剤層(B)を熱可塑性樹脂
フィルム(A)に直接に塗工して形成することもある。
塗工は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコー
ター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバ
ースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレ
ーコーター等により行われ、必要によりスムージングを
行ったり、乾燥工程を経て、粘着剤層(B)が形成され
る。粘着剤層(B)の厚さはラベルの使用目的に応じて
種々選択が可能であるが、通常2〜30μmであり、好
ましくは5〜20μmである。
【0048】本発明のラベル用紙は、上記熱可塑性樹脂
フィルム(A)の片面に、順に、粘着剤層(B)および
剥離紙(C)を有する。剥離紙(C)としては、通常一
般的なものを使用することができる。例えば、上質紙や
クラフト紙をそのまま、またはカレンダー処理、樹脂塗
工もしくはフィルムラミネートしたもの、グラシン紙、
コート紙、プラスチックフィルムなどにシリコン処理を
施したものが使用できる。剥離紙(C)は、ラベル用紙
の貼付使用に際して、粘着剤層(B)との剥離性を良好
にするため、粘着剤層(B)に接触する面にシリコン処
理が施されるのが一般的である。
【0049】本発明のラベル用紙の静電容量は、単位電
極面積あたり4pF/cm2以上であり、好ましくは6
〜1000pF/cm2、より好ましくは8〜800p
F/cm2である。静電容量が4pF/cm2未満である
と、プリンターのどの印字モードで印字してもトナー転
写率が低く十分な印字濃度が得られない。また、静電容
量が1000pF/cm2を超えると、プリンタ排紙
時、プリンタ内でトナーを用紙に転写するために印加さ
れた電荷がラベル用紙に残り、排紙トレイ上でシート及
びラベル用紙同士が引き合い、ブロッキングをきたしや
すくなる傾向がある。また、1000pF/cm2を超
える静電容量を得るためには、多量の静電容量改質剤を
ラベル用紙中に添加する必要があり、製造コストが高く
なる傾向がある。本発明のラベル用紙の静電容量の測定
には、HEWLETT PACKARD社の「4192
A LF IMPEDANCE ANALYZER」を
使用し、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気で直径3
8mmの印加電極とガード電極間に電極直径より大きい
試料を挟み込み、5Vの電圧を印加して、10Hz〜1
MHzの範囲の周波数で測定し周波数300Hzの測定
値を代表値とした。
【0050】本発明のラベル用紙は、電子写真方式によ
る印刷で十分な記録濃度が得られ、記録操作時の走行性
も良好であるため、電子写真記録物になりうる。特に、
静電容量を特定の範囲にすることで、本発明の記録物
は、普通紙と遜色ない印刷品質を有する。また、本発明
のラベル用紙に印刷された記録物は、耐水性や耐久性に
も優れているという特徴を有する。このため、本発明の
ラベル用紙に印刷された記録物は、耐水性や耐久性が要
求される環境下で使用するのに適している。例えば、屋
外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タ
グや、使用方法や注意書きを記した製造管理用カードと
して、本発明は有効に利用することができる。
【0051】本発明のラベル用紙は、室温から150℃
の範囲の熱機械的分析において、特定の寸法変化率を有
するものが好ましい。熱機械的分析は、市販の熱機械的
分析装置を用いて測定することができる。その装置、原
理、特徴、用途の代表例は、日本分析機器工業会 編集
・発行「1997 分析機器総覧」IV章92ページ
(1997年9月1日)、Bernhard Wunderlich著「The
rmal Analysis」Chapter 6、311頁〜332頁、Aca
demic Press,Inc.1990年などの文献に示されてい
る。
【0052】熱機械的分析に用いられるTMA測定装置
の具体例として、セイコーインスツルメンツ社の「TM
A120C」、パーキンエルマー社の「TMA7」、島
津製作所社の「TMA−50」、真空理工社の「TM−
9200」などが挙げられる。本発明に用いるTMAに
よる昇温と降温測定の前後における寸法変化率測定の一
例としては、TMA装置、たとえば、セイコーインスツ
ルメンツ社の「TMA120C」を使用し、張力モード
にて、荷重を約1〜20gの範囲で選択して固定とし、
測定するフィルム試験片の測定部分の寸法を幅4mm、
長さ10mm(上下のクランプ部に固定される部分の寸
法は除く)とし、測定時の昇温速度と降温速度を共に2
℃/分、測定温度範囲は室温の25℃〜50℃を出発点
とし150℃まで昇温した後、室温まで降温して、寸法
を測定する。測定前の試験片の測定部分の長さ10mm
を100%として、収縮または膨張の割合を百分率で表
し、寸法変化率とする。
【0053】本発明において、熱可塑性樹脂フィルム
(A)の寸法変化率(α)は、熱機械的分析(TMA)
により測定され、室温から150℃の範囲で昇温前と降
温後の寸法変化率の、縦方向(MD)と横方向(TD)
のうち大きい方である。本発明では−2.5%(伸張)
〜2.5%(収縮)であり、好ましくは−1.5%(伸
張)〜1.5%(収縮)であり、より好ましくは−1%
(伸張)〜1%(収縮)である。−2.5%〜2.5%
からはずれる範囲では、プリンター通紙に伴うカールが
大きく、通紙トラブルが起こりやすく、剥離紙から熱可
塑性樹脂フィルムを剥がす際に作業性が悪い。
【0054】剥離紙(C)の寸法変化率(β)は、熱可
塑性樹脂フィルム(A)の熱機械分析により測定される
寸法変化率と同様の条件で測定することができる。縦方
向、すなわちロール巻きの巻き取り方向(MD)の寸法
変化率を剥離紙の寸法変化率とする。本発明のラベル用
紙は、プリンターでの通紙に伴うカールをより小さくす
るという観点から、熱可塑性フィルム(A)の寸法変化
率(α)と剥離紙(C)の寸法変化率(β)との差(α
−β)が−1.5%〜1.5%であり、好ましくは−
1.2%〜1.2%であり、より好ましくは−1.0%
〜1.0%である。
【0055】本発明のラベル用紙は、A−4サイズ(2
10mm×297mm)に断裁し、カラー電子写真プリ
ンターによって印字した場合、印字から2分経過後の4
隅のカール高さの平均が100mm以下であることが好
ましい。より詳しくは、ラベル用紙をA−4サイズ(2
10mm幅方向×297mm流れ方向)に断裁し、温度
23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で1日間放置
後、市販のカラー電子写真プリンター(SONY TE
KTRONIX(株)製、商品名Phaser 740
J)によって、熱可塑性樹脂フィルム(A)を上にし印
字面とした通紙経路で印字を行う。印字テストモデル図
は、重色、単色が混合する絵柄の物を選択する。プリン
ター通紙後、ラベル用紙を温度23℃、相対湿度50%
にて平らな台の上に放置し、通紙2分後の四隅のカール
が上向きに持ち上がる方向に置き、熱可塑性樹脂フィル
ム側に持ち上がった時をプラス、剥離紙側に持ち上がっ
たときにはマイナスとし、4隅の高さの平均値を測定す
る。この平均値が100mm以下であることが好まし
い。
【0056】本発明のラベル用紙は電子写真プリンター
用ラベル用紙としての使用は勿論のこと、凸版印刷、グ
ラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷、紫
外線硬化型オフセット印刷、シートの形態でもロールの
形態の輪転方式の印刷にも使用可能である。
【0057】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実験例に示す材料、使用量、割
合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更
することができる。しがたって、本発明の範囲は以下に
示す具体例に制限されるものではない。
【0058】<実施例1> (熱可塑性樹脂フィルム(A))メルトフローレート
(MFR)4g/10分のプロピレン単独重合体100
重量部に対し、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウ
ム15.5重量部、MFRが10g/10分の高密度ポ
リエチレン10重量部、静電容量改質剤として四級アン
モニウム塩(Am.Syanamid社製、商品名Cyastat SP)
1.0重量部、および、プロピレン単独重合体と炭酸カ
ルシウムの合計量100重量部に対して3−メチル−
2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部、フ
ェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノ
ックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー
・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)
0.05重量部を配合し、組成物(b)とした。この組
成物(b)を250℃に設定した押出機にて混練した
後、230℃に設定した押出機に接続したTダイより押
し出し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。こ
のシートを155℃に加熱して、周速の異なるロール群
からなる縦延伸機で縦方向に4.6倍延伸した。
【0059】一方、MFRが11g/10分のプロピレ
ン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μm
の炭酸カルシウム75重量部、MFRが10g/10分
の高密度ポリエチレン3.5重量部、静電容量改質剤と
して四級アンモニウム塩(Am.Syanamid社製、商品名Cya
stat SP)2.7重量部、および、プロピレン単独重合
体と炭酸カルシウムの合計量100重量部に対して3−
メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重
量部、フェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名
イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定
剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン
618)0.05重量部を配合し、組成物(A)とし
た。この組成物(A)を240℃に設定した押出機で溶
融混練し、上記で得た組成物(b)の延伸シートの両面
に共押し出しし、3層積層物(a/b/a)を得た。
【0060】得られた3層積層物をテンターオーブンに
て150℃に加熱した後、横方向に9.5倍延伸した。
ついで、テンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設
定温度165℃)を通過させて、厚さ80μmの3層積
層フィルム(各層の厚さ:a/b/a=17μm/46
μm/17μm)を得た。
【0061】このフィルムの両面に、印加エネルギー密
度90W・分/m2にてコロナ放電処理を行った。続い
て、このフィルムの両面に、ブチル変性ポリエチレンイ
ミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、
および下記の一般式で示される第4級アンモニウム塩構
造を含む基を分子鎖内に含むアクリル酸アルキルエステ
ル系重合体の等量混合物の水溶液を、ロールコーターを
用い、乾燥後の塗工量が片面あたり約0.1g/m2
なるように塗工し、乾燥して表面処理層を形成し、熱可
塑性樹脂フィルム(A)を得た。
【0062】
【化1】
【0063】得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)を1
65℃に調整した熱セットゾーンにおいて熱処理した。
さらに、このフィルムをB4サイズにカットし、110
℃に調整した通風オーブン中で15分間熱処理した。熱
可塑性樹脂フィルム(A)のJIS P8118−19
76に基づく坪量は68g/m2、密度は0.85g/
cm3、空孔率は26%であった。
【0064】(粘着剤層(B)の形成と剥離紙(C)の
貼合)上質紙の両面にポリエチレンフィルムをラミネー
トし、さらに片面にシリコン処理を施し、厚さ173μ
m、密度0.9g/cm3の剥離紙(C)を得た。この
剥離紙(C)のシリコン処理面に、溶剤系アクリル系粘
着剤を、乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにコン
マコーターで塗工し、乾燥して厚さ5μmの粘着剤層
(B)とした。得られた剥離紙(C)上の粘着剤層
(B)を熱可塑性樹脂フィルム(A)と貼合して、本発
明のラベル用紙を得た。
【0065】(静電容量の測定)得られた熱可塑性樹脂
フィルム(A)および本発明のラベル用紙の静電容量
を、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、HEW
LETT PACKARD社の「4192A LF I
MPEDANCE ANALYZER」を使用し、直径
38mmの電極に電極直径より大きい試料を挟み込み5
Vの電圧を印可して、周波数300Hzで測定した。そ
の結果、熱可塑性樹脂フィルム(A)の静電容量は40
pF/cm2であり、本発明のラベル用紙の静電容量は
16pF/cm2であった。
【0066】(熱機械分析による寸法変化率の測定)寸
法変化率は、TMA装置(セイコーインスツルメンツ社
製、装置名TMA120C)を使用し、張力モードにて
測定した。熱可塑性樹脂フィルム(A)試片の測定部分
の寸法は幅4mm、測定部分の長さ10mm(上下のク
ランプ部に固定される部分の寸法は共に5mm)とし、
張力を5g負荷した。昇温速度と降温速度は共に2℃/
分とし、温度範囲は40℃を出発点とし150℃まで昇
温した後、室温まで降温し、試片の寸法を測定した。加
熱前の試片の測定部分の長さ10mmを100%とし
て、加熱・降温後の収縮の割合を百分率で表したとこ
ろ、MD方向の寸法変化率は0.6%(α)であった。
同様に剥離紙(C)に5gの張力を負荷し、寸法変化を
測定すると、膨張傾向にあり、百分率で表したMD方向
の寸法変化率は−0.15%(β)であった。
【0067】(プリント適性評価)得られた本発明のラ
ベル用紙をA−4サイズ(210mm幅方向×297mm流
れ方向)に断裁し、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿
室内で1日間放置した。次に、市販のカラー電子写真プ
リンター(SONY TEKTRONIX(株)製、商品名Phaser740
J)にて、熱可塑性樹脂フィルム(A)を上向きに印字
面として通紙し、排紙時も印字面が上になる経路で印字
を行った。プリンター通紙後、ラベル用紙を23℃、相
対湿度50%の雰囲気下、平らな台の上に放置し、通紙
2分後に、四隅のカール高さを測定したところ、平均値
は35mmであった。印字品質は、重色、単色が混合す
るテストモデル図を印字して目視にて評価し、市販のP
PC用パルプ紙に印字したものと比較して同等であった
ので、問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0068】<比較例1>熱可塑性樹脂フィルム(A)
に通風オーブン中での熱処理を施さなかった以外は実施
例1と同様の操作を行って、静電容量が39pF/cm
2、JIS P8118−1976に基づく坪量が6
2.4g/m2、密度0.78g/cm3、空孔率31%
の熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。この熱可塑性樹
脂フィルム(A)に実施例1と同様の粘着剤層(B)と
剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られ
たラベル用紙の静電容量は16pF/cm2であり、熱
可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析
による寸法変化率の差は3.25%であった。このラベ
ル用紙について実施例1と同じ方法で印字評価を行った
ところ、プリンター通紙後のラベル用紙は円筒状にな
り、カール高さを測定することができなかった。そのと
きの印字品質には問題はなかった。結果を表1に示す。
【0069】<比較例2>静電容量改質剤を配合しなっ
た以外は実施例1と同様の操作を行って、静電容量が1
1pF/cm2、JIS P8118−1976に基づ
く坪量が116g/m2、密度0.77g/cm3、空孔
率32%で厚さ150μmの熱可塑性樹脂フィルム
(A)を得た。この熱可塑性樹脂フィルム(A)に実施
例1と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、
ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量
は3pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)
と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は
0.75%であった。このラベル用紙について実施例1
と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙
後のラベル用紙のカール高さは20mmであり、印字品
質は、PPC用パルプ紙に比べトナー濃度が薄かったの
で不良(×)とした。結果を表1に示す。
【0070】<実施例2>3層構造の熱可塑性樹脂フィ
ルム(A)の組成物(a)および(b)に、静電容量改
質剤としてポリエステルポリオール(第一工業製薬
(株)社製、商品名PX3043Q)をそれぞれ43重
量部練り込み、実施例1と同様の操作を行って、厚さ8
0μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。得られた
熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電容量が34pF/
cm2、JIS P8118−1976に基づく坪量が
68g/m2、密度0.85g/cm3、空孔率26%で
あった。この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例1と同様
の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙
を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は15pF
/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙
(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.85%
であった。このラベル用紙について実施例1と同じ方法
で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル
用紙のカール高さは40mmであり、印字品質はPPC
用パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったの
で、問題なし(〇)とした。結果を表1に示す。
【0071】<実施例3>3層構造の熱可塑性樹脂フィ
ルム(A)の組成物(a)および(b)に、静電容量改
質剤として230℃、5000gのMFRが7g/10
分のフッ化ビニリデン(呉羽化学工業(株)製、商品名
KFポリマー W−#1000)をそれぞれ43重量
部、PMMA(住友化学工業(株)製、商品名スミペッ
クスLG)5重量部を練り込み、実施例1と同様の操作
を行って、厚さ80μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)
を得た。得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電
容量が34pF/cm2、密度0.95g/cm3、空孔
率26%であった。この熱可塑性樹脂フィルムに、実施
例と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラ
ベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は
15pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)
と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は
0.25%であった。このラベル用紙について実施例と
同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後
のラベル用紙のカール高さは10mmであり、印字品質
はPPC用パルプ紙に印字したものと比較して遜色なか
ったので、問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0072】<実施例4>MFR4g/10分のプロピ
レン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μ
mの重質炭酸カルシウム3重量部、静電容量改質剤とし
てルチル型酸化チタン(石原産業(株)製、商品名タイ
ペーク CR−60)43重量部、MFRが10g/1
0分の高密度ポリエチレン10重量部、および、プロピ
レン単独重合体100重量部に対して3−メチル−2,
6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部とフェノ
ール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノック
ス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イ
ー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)0.
05重量部を配合し、組成物(b)とした。この組成物
(b)を250℃に設定した押出機にて混練した後、2
30℃に設定した押出機に接続したTダイよりシート状
に押し出し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得
た。このシートを155℃の温度に加熱して、周速の異
なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.6倍延伸
した。
【0073】一方MFRが11g/10分のプロピレン
単独重合体に対し、平均粒径1.3μmの重質炭酸カル
シウム3重量部、静電容量改質剤としてルチル型酸化チ
タン(石原産業(株)製、商品名タイペークCR−6
0)82重量部、MFRが10g/10分の高密度ポリ
エチレン3.5重量部、および、プロピレン単独重合体
100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブ
チルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤
(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)
0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチ
ック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部を
配合し、組成物(A)とした。この組成物(A)を24
0℃に設定した押出機で溶融混練し、上記で得た組成物
(b)の延伸シートの両面に共押し出しし、3層積層物
(a/b/a)を得た。
【0074】得られた3層積層物を実施例1と同様にテ
ンターオーブンにて150℃に加熱した後、横方向に
9.5倍の延伸した。ついでテンターオーブンに続いた
熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて、厚
さ80μmの3層積層フィルム(各層の厚み 17μm
/46μm/17μm)を得た。得られた熱可塑性樹脂
フィルム(A)は、静電容量が28pF/cm2、密度
1.28g/cm3、空孔率2%であった。
【0075】この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例と同
様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用
紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は13p
F/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離
紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.25
%であった。このラベル用紙について実施例と同じ方法
で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル
用紙のカール高さは5mmであり、印字品質はPPC用
パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、
問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0076】<実施例5>実施例4の3層構造の熱可塑
性樹脂フィルム(A)の組成物(a)および(b)の静
電容量改質剤として、ルチル型酸化チタンに替えて、湿
式粉砕中にジアリルアミン系共重合体(カチオン系界面
活性剤)で処理し、さらにアニオン系帯電防止剤を表面
処理した平均粒子径が0.8μmの炭酸カルシウム
((株)ファイマテック製)を実施例4のルチル型酸化
チタンと同量添加し、実施例1と同様の操作を行って、
厚さ80μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。得
られた熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電容量が40
pF/cm2、密度1.23g/cm3、空孔率12%で
あった。
【0077】この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例と同
様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用
紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は16p
F/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離
紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.45
%であった。このラベル用紙について実施例と同じ方法
で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル
用紙のカール高さは7mmであり、印字品質はPPC用
パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、
問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0078】<実施例6>実施例4の3層構造の熱可塑
性樹脂フィルム(A)の組成物(a)および(b)の静
電容量改質剤として、ルチル型酸化チタンに替えて、チ
タン酸バリウム(堺化学工業(株)製、商品名BT−0
5)を実施例4のルチル型酸化チタンと同量添加し、実
施例1と同様の操作を行って、厚さ80μmの熱可塑性
樹脂フィルム(A)を得た。得られた熱可塑性樹脂フィ
ルム(A)は、静電容量が26pF/cm2、密度1.
32g/cm3、空孔率4%であった。
【0079】この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例と同
様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用
紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は12p
F/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離
紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.25
%であった。このラベル用紙について実施例と同じ方法
で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル
用紙のカール高さは5mmであり、印字品質はPPC用
パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、
問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、強度、耐久性および耐
水性に優れ、屋外宣伝用ステッカー、冷凍食品用容器の
ラベルや工業用製品のネーマーに好適なラベル用紙であ
って、印字品質が良好で、かつ印字後のカールが低減さ
れ、排紙性が改善されたラベル用紙が提供される。本発
明のラベル用紙は、カラー電子写真プリンターで一般に
設定されている印字モードで印字しても、普通紙あるい
はPETフィルムを用いたラベル用紙と遜色ない印字濃
度が得られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、
    粘着剤層(B)および剥離紙(C)を順に有するラベル
    用紙であって、静電容量が4pF/cm2以上であり、
    かつ、室温から150℃の範囲の熱機械的分析におい
    て、前記熱可塑性フィルム(A)の昇温前と降温後との
    寸法変化率(α)が−2.5%〜2.5%であって、前
    記剥離紙(C)の昇温前と降温後の寸法変化率(β)と
    の差(α−β)が−1.5%〜1.5%であるラベル用
    紙。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が静電
    容量改質剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のラ
    ベル用紙。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が熱可
    塑性樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/ま
    たは有機微細粉末を1〜190重量部含有する請求項1
    または2に記載のラベル用紙。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂で
    ある請求項3に記載のラベル用紙。
  5. 【請求項5】 前記オレフィン系樹脂がプロピレン系樹
    脂である請求項4に記載のラベル用紙。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)の空孔
    率が0〜60%である、請求項1〜5のいずれかに記載
    のラベル用紙。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が延伸
    されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載のラベル用紙。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が50
    ℃〜250℃で熱処理されていることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載のラベル用紙。
  9. 【請求項9】 電子写真プリンターによってA−4サイ
    ズ(210mm×297mm)の前記ラベル用紙を印字
    したとき、印字から2分経過後の4隅のカール高さの平
    均が100mm以下である、請求項1〜8のいずれかに
    記載のラベル用紙。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のラベ
    ル用紙を電子写真方式にて印刷した記録物。
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