JP4493237B2 - 電子写真用記録シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性、耐久性を要求される屋外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タグや、使用方法や注意書きを記した製造管理用カードに適した電子写真用記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外宣伝用ポスター、冷凍食品関連のタグなどに使用されるシートとしては、コート紙、耐水紙などが用いられていたが、耐水性、耐久性が乏しいという問題があった。このため近年では、耐水性や耐久性が良好な熱可塑性樹脂フィルム、なかでもポリオレフィン系合成紙が使用されるようになっている。この様な樹脂フィルムの詳細については、例えば特公昭46−40794号、特公昭49−1782号、特開昭56−118437号、特開昭57−12642号および特開昭57−56224の各公報等を参照することができる。
【0003】
しかしながら、この様なポリオレフィン系合成紙は、カラー電子写真プリンターの記録モードのうち普通紙用モード、ラベル用モードやOHP用モード、あるいは厚紙用モードで記録するとトナーの転写率が低く記録濃度が出なかったり、目的以外の場所にトナーが飛散し、色相の再現が普通紙やコート紙に対して劣ることがあった。また、適度なコシがないと走行性に不都合を来たし、特にトナー定着部でジャミングが発生した場合、表面温度が高温(140〜200℃)となりヒーター部への融着を起こし、機械を破損するおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、これらの従来技術の問題点を解決することを課題とした。
すなわち本発明は、耐水性、耐久性に優れ、屋外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タグや、使用方法や注意書きを記した製造管理用カードに適した電子写真用記録シートを提供することを解決すべき課題とした。特に本発明は、カラー電子写真プリンターで記録した場合に十分な記録濃度が得られ、かつ、走行性が良好な電子写真用記録シートを提供することを解決すべき課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、熱可塑性樹脂シートの静電容量とクラーク剛度を特定の範囲内に調整することにより、記録濃度が高く、走行性が良好となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、少なくとも一軸方向に延伸成形された熱可塑性樹脂シートを構成要素として含み、静電容量が4〜160pF/cm2 であり、電子写真プリンター通紙方向のクラーク剛度が20〜270であることを特徴とする電子写真用記録シートを提供する。
【0006】
本発明の好ましい実施態様では、熱可塑性樹脂シートは静電容量改質剤を含有し、また、熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有する。本発明では、必要に応じて50〜250℃で熱処理された熱可塑性樹脂シートを好ましく用いることができる。本発明の電子写真用記録シートは、空孔率が0〜60%であり、また、JIS L1015に記載の白色度が85%以上であり、かつJIS P8138に記載の不透明度が50%以上であることが好ましい。
なお本明細書において、「〜」はその前後に記載される数値を最小値および最大値として含む範囲である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の電子写真用記録シートについて詳細に説明する。
本発明の電子写真用記録シートは、熱可塑性樹脂シートを必須の構成要素として含むものである。すなわち、本発明の電子写真用記録シートは、熱可塑性樹脂シートのみからなるものであってもよいし、熱可塑性樹脂シートにさらに後述する表面処理層等を形成したものであってもよい。
【0008】
本発明の電子写真用記録シートに使用する熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含有し、少なくとも一軸方向に延伸成形されたシートである。
本発明の熱可塑性樹脂シートに使用する熱可塑性樹脂の種類は特に制限されない。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。更にポリオレフィン系樹脂の中でも、コスト面、耐水性、耐薬品性の面からポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
【0009】
かかるプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティックおよび種々の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0010】
本発明の電子写真用記録シートに用いられる熱可塑性樹脂シートは、静電容量が4〜160pF/cm 2 であることを特徴とする。静電容量は、前述の熱可塑性樹脂シートの構成成分の1つとして静電容量改質剤を用いることにより調整することが好ましい。
本発明に用いる静電容量改質剤は静電容量を制御するための物質で有れば制限されないが、代表的には、熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂より誘電率が大きい熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂に分散可能なモノマーおよびオリゴマー、および無機フィラーなどが用いられる。
【0011】
熱可塑性樹脂シートの静電容量改質剤として用いられる熱可塑性樹脂としては、前述の熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂より大きな誘電率を有するものを用いることができる。例えば、オレフィン類、カルボン酸ビニル類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエーテル類、アクリル酸類等の単独重合体または2種以上のビニル系共重合体であるビニル誘導共重合体、さらに、シアン化ビニリデン単独/共重合体、ポリオール系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0012】
より具体的な例として、オレフィン類では、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
カルボン酸ビニル類では、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、、ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル類では、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
【0013】
ビニルエーテル類では、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等の共重合体等が挙げられる。
アクリル酸類では、アクリル酸、メタクリル酸、エチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メタロール(メタ)アクリルアミド、アクリルニトリル等が挙げられる。
ポリオール類では、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。
【0014】
より好ましい例として、フッ化ビニリデン、ポリエステルポリオールを挙げることができる。
ポリエステル樹脂類では、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチンナフタレート等が挙げられる。
ポリアミド樹脂類では、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等が挙げられる。
【0015】
熱可塑性樹脂シートの静電容量改質剤に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。該熱硬化性樹脂に分散可能なモノマーおよびオリゴマーとしては、例えば、高級アルコール、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アンモニウム塩(好ましくは4級アンモニウム塩)、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル、リン酸エステル化物、多価アルコールの部分エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジアタノールアミド、ポリアルキレングリコール誘導体などが挙げられる。
より好ましい例としては、4級アンモニウム塩、高級アルコール、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン酸エステル、リン酸エステル化物が挙げられる。
【0016】
静電容量改質剤として用いられる無機フィラーとしては、例えば、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントラライト、サポナイト、ヘクスライト、ソーコナイト、ヘクタイト等の誘電体、ロッシェル塩、リン酸二水素カリウム、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、ジルコン酸塩、ニオブ酸リチウム、PZT(Pb(Ti,Zr)O3)、GASH(C(NH2)3Al(SO4)2・6H2O)、DSP(Ca2Sr(C2H3CO2)6)、亜硝酸ナトリウム、硫ヨウ化アンチモン、等の強誘電体、鉄、銅、カーボン、アルミ、コバルト、ニッケル等の導電体が挙げられる。また、湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤やアニオン系帯電防止剤などにて表面処理した炭酸カルシウム(以下処理炭酸カルシウムと呼ぶ)や上述したフィラーを表面処理して用いても良い。
より好ましい例としては、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、処理炭酸カルシウム、カーボンを挙げることができる。
【0017】
これらの静電容量改質剤は、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの静電容量改質剤の種類と使用量を適宜調節することによって、本発明の電子写真用記録シートの静電容量を4pF/cm2以上にすることができる。
【0018】
静電容量改質剤の添加量は、前述の熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.2〜160重量部であり、より好ましくは1〜130重量部である。160重量部を超えると、シートの縦延伸や横延伸時に熱可塑性樹脂シートが破断しやすくなる傾向がある。なお、ここでいう熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および任意に添加される無機および/または有機微細粉末等の熱可塑性樹脂以外の成分からなるものである。
静電容量改質剤は、熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性組成物中に添加・分散される。
【0019】
本発明の電子写真用記録シートに用いられる熱可塑性樹脂シートは、無機微細粉末および/または有機微細粉末を含有してもよい。無機微細粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等を挙げることができる。その平均粒径は0.01〜15μmのものを使用するのが好ましい。
【0020】
有機微細粉末としては、熱可塑性樹脂シートの主要成分樹脂の融点よりは高い融点ないしはガラス転移温度を有するものが使用できる。熱可塑性樹脂シートの主要成分がオレフィン系樹脂である場合、使用される有機微細粉末としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等で融点が120〜300℃、ないしはガラス転移温度が120〜280℃を有するものを挙げることができる。
【0021】
本発明の電子写真用記録シートに用いられる熱可塑性樹脂シートの構造は、ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造を少なくとも含んでおり、ベース層と表面層間に他の樹脂フィルム層が存在していてもよい。
熱可塑性樹脂シートが単層のオレフィン系樹脂フィルムである場合、オレフィン系樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有することが好ましく、5〜100重量部含有することがより好ましい。
【0022】
熱可塑性樹脂シートがベース層および表面層を有する多層構造である場合、ベース層は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有し、表面層は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/または有機微細粉末を0〜300重量部含有するものであることが好ましい。より好ましくは、ベース層は、オレフィン系樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/または有機微細粉末を3〜100重量部含有し、表面層は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜230重量部含有するものである。
【0023】
比較的柔軟性のある熱可塑性樹脂シートを得るためには、単層構造、または多層構造のベース層中における無機微細粉末および/または有機微細粉末の含有量は190重量部以下であることが好ましい。表面強度をより良好なレベルとするためには、表面層中の含有量が125重量部以下であることが好ましい。
【0024】
本発明の電子写真用記録シートに用いられる熱可塑性樹脂シートは、必要に応じて、さらに、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を含有してもよい。例えば、安定剤として、立体障害フェノール系、リン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量部、光安定剤として、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量部、無機微細粉末の分散剤として、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸等を0.01〜4重量部配合してもよい。
【0025】
本発明の電子写真用記録シートに用いられる熱可塑性樹脂シートは、少なくとも電子写真プリンター通紙方向に延伸して成形されたものである。少なくとも一軸方向に延伸することにより、熱可塑性樹脂の分子鎖が配向し、面方向の弾性率が著しく向上するため、クラーク剛度が向上する。特に、クラーク剛度を20〜270に調整した電子写真用記録シートは、プリンタ出力時の走行性が良好である。また、延伸することにより厚みの均一性を向上することもできる。
【0026】
一方、無延伸シートでは、弾性率向上が期待できないため、プリンタ出力時に良好な走行性を示すクラーク剛度を実現するためには、延伸成形されたものより紙厚を厚くしなければならず、高コストとなり適さない。また、厚み均一性を得ることが難しく、それに伴いクラーク剛度のフレ巾も大きく、プリンタ出力時の走行性が悪い。
【0027】
熱可塑性樹脂シートの延伸には、公知の方法が使用できる。具体的な方法は特に制限されないが、例えば、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブン、リニアモーターおよびチューブラー法の組み合わせによる同時二軸延伸などを挙げることができる。
【0028】
延伸の温度は、熱可塑性樹脂の種類および延伸プロセスに応じて適宜選択される。具体的には、非結晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合には、非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下に設定することができる。特に、熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)の場合には110〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)の場合には80〜120℃であり、融点より2〜60℃低い温度にすることが好ましい。延伸速度は20〜350m/分が好ましい。
【0029】
延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例えば、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体またはその共重合体を使用し、一方向に延伸する場合は好ましくは約1.2〜12倍、より好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜60倍、より好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用し、一方向に延伸する場合は好ましくは1.2〜10倍、より好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜20倍、より好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に応じて高温での熱処理が施される。
【0030】
熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体を使用し、熱可塑性樹脂シートをテンターオーブンを用いた横延伸工程を経て製造する場合、後半に熱セットゾーンを設け、その設定温度をできるだけ高くし、延伸成形されたポリプロピレン系シートの温度を、最も高い場合はその融解温度近傍まで高くすることによってクラーク剛度を効果的に向上させ、コシを発現することができる。熱セットゾーンの設定温度は、延伸工程のライン速度や熱セットゾーンで吹き付けられる高温空気の流速や流量、熱セットゾーンの構造等により種々の選択が可能である。例えば、50〜250℃の範囲が使用される。
【0031】
熱可塑性樹脂シートの成形後の肉厚は、通常40〜400μm、好ましくは45〜350μm、さらに好ましくは50〜300μmである。特に無機および/または有機微細粉末を含有する場合には、肉厚が40μm未満ではクラーク剛度が不足し、電子写真プリンタ記録時の走行性に支障を来たす傾向がある。熱可塑性樹脂シートの肉厚が400μmを超えると、電子写真プリンタの機種によっては、用紙が重くなり送りロールで送紙できなくなり、通紙できなくなる可能性がある。
【0032】
本発明の電子写真用記録シートに用いられる熱可塑性樹脂シートが、無機微細粉末および/または有機微細粉末を含有する場合、シート表面に微細な亀裂を生じさせるとともに、シート内部に微細な空孔を生じさせることもできる。このような場合、延伸工程を経て製造されるシートは、微細なボイドを有する。
本発明で用いる熱可塑性樹脂シートは、以下の式で表される空孔率が0〜60%であることが好ましく、1〜50%であることがより好ましい。
【0033】
【数1】
【0034】
式(1)のρ0はフィルムの真密度を表わし、ρ1はフィルムの密度(JISP−8118)を表す。延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の密度にほぼ等しい。
延伸により得られた熱可塑性樹脂シートの密度は0.65〜1.2g/cm3、ベック平滑度は50〜25,000秒であることが好ましい。
【0035】
熱可塑性樹脂シートは、白色度が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂シートは、不透明度が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。白色度が85%未満、かつ不透明度が50%未満では、コントラストが低下し、また下地が透けて見えるため、ポスター、看板として使用するには適さないことがある。
白色度および不透明度は、前述の樹脂シートの含有成分組成、延伸成形条件を適宜組み合わせることにより調整することができる。
【0036】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂シートには、トナーの密着性向上、および帯電防止のために、表面処理を施すことが好ましい。表面処理の方法としては、表面酸化処理や表面処理剤による処理を挙げることができる。表面酸化と表面処理剤による処理は組み合わせて行ことが好ましい。
【0037】
表面酸化処理としては、フィルムに一般的に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理などを単独または組み合わせて使用することができる。なかでも、コロナ処理、フレーム処理が好ましい。処理量はコロナ処理の場合は好ましくは600〜12,000J/m2(10〜200W・分/m2)、より好ましくは1,200〜9,000J/m2(20〜180W・分/m2)であり、フレーム処理の場合は好ましくは8,000〜200,000J/m2、より好ましくは20,000〜100,000J/m2である。
【0038】
表面処理剤としては、プライマーや帯電防止性ポリマーの中から選ばれる1種または2種以上の混合物を主成分とするものを好ましく用いることができる。中でも、プライマーないしはプライマーと帯電防止性ポリマーとの組み合わせからなる表面処理剤を用いることが、トナー付着と帯電防止の観点から好ましい。
【0039】
プライマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12の範囲のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)およびポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、またポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散性樹脂等が用いられる。
【0040】
これらの内で好ましくは、ポリエチレンイミン系重合体およびウレタン樹脂、ポリアクリル酸エステル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重合体であり、更に好ましくは重合度が20〜3,000のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性された変性ポリエチレンイミンである。
【0041】
帯電防止ポリマーとしてはカチオン系、アニオン系、両性系等の高分子型のものが挙げられる。カチオン系帯電防止ポリマーとしては、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含有アクリル系ポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙げることができる。また両性系帯電防止ポリマーとしては、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙げることができる。またカチオン系帯電防止ポリマーとしては、スチレン−無水マレイン酸共重合体ないしはそのアルカリ金属塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩ないしはエチレン−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などが挙げられる。中でも、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
【0042】
帯電防止ポリマーの分子量は、重合温度、重合開始剤の種類および量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意のレベルとすることができる。一般には得られる重合体の分子量は1,000〜1,000,000であるが、中でも1,000〜500,000の範囲が好ましい。
【0043】
本発明では、必要に応じて架橋剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などを含む表面処理剤を好ましく用いることができる。
表面処理剤に架橋剤を添加しておくことにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。架橋剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して100重量部以下の範囲である。
【0044】
表面処理剤に用いることができるアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩として、水溶性の無機塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、および塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、アンモニウム明礬等が挙げられる。任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して50重量部以下である。
【0045】
表面処理剤には、更に、界面活性剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他の助剤を含ませることもできる。任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して20重量部以下である。
【0046】
上記表面処理層の各成分は、水或いはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液濃度は通常0.1〜25重量部、好ましくは0.1〜11重量部程度である。
塗工は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去される。
【0047】
塗工量は乾燥後の固形分として0.005〜5g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2である。
熱可塑性樹脂シートへの表面処理層の塗工は、その縦または横延伸の前後を問わず、一段の塗工でも多段の塗工でもよい。
【0048】
本発明の電子写真用記録シートに用いられる熱可塑性樹脂シートは、必要に応じて、その熱機械的分析における寸法変化を低減するために、上記の成形と延伸に加え、熱セットゾーンにおける高温セットや、成形後、もしくは前述した表面処理の後に熱処理を行うことが好ましい。
加熱温度は50〜250℃、好ましくは60〜210℃、より好ましくは80〜200℃の範囲である。50℃未満では熱処理の効果が不十分であり、250℃以上ではフィルムの変形やボコツキが起こる場合がある。加熱時間は、好ましくは2秒〜30日間の範囲で種々の選択が可能であるが、より好ましくは4秒〜7日間であり、更に好ましくは4秒〜2日間の範囲である。30日より長いと熱可塑性樹脂シートの劣化が起こり易く、2秒未満では処理効果が不十分な場合がある。
【0049】
熱処理の仕方の例としては、上記のテンターオーブンを使用する延伸後の高温の熱セットゾーンでの熱処理、枚葉または巻きロール状態でオーブン中での処理、高温空気やスチームその他の熱媒体による加熱等が挙げられる。熱処理中の熱可塑性樹脂シートの状態としては、加熱に伴い徐々に収縮させるように熱可塑性樹脂シートの端を拘束しない状態や、熱可塑性樹脂シートの端を固定する場合では、相対する2端または相対する2組の2端の固定具の間隔を熱可塑性樹脂シートの熱収縮に伴い縮めることが可能な状態、および熱可塑性樹脂シートの少なくとも相対する2端を固定して熱可塑性樹脂シートの収縮に追随しない状態が挙げられる。具体的には、通風オーブン中での巻きロール状態で加熱する方法、枚葉を単独または複数枚重ねた状態で加熱する方法、少なくとも1本の高温のロールに接触させて加熱する方法等が挙げられる。
【0050】
本発明の電子写真用記録シートは、静電容量が4〜160pF/cm 2 であることを特徴とする。
本発明の電子写真用記録シートの静電容量の測定には、HEWLETT PACKARD社の「4192A LF IMPEDANCE ANALYZER」を使用し、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気で直径38mmの印加電極とガード電極間に電極直径より大きい試料を挟み込み、5Vの電圧を印加して、10Hz〜1MHzの範囲の周波数で測定し周波数300Hzの測定値を代表値とした。
【0051】
本発明の電子写真用記録シートの静電容量は、単位電極面積あたり4〜160pF/cm 2 である。静電容量が4pF/cm2未満であるとプリンターのどの記録モードで画像出力しても、トナー転写率が低く、十分な画像記録濃度(印字濃度を含む)が得られない。また静電容量が1000pF/cm2を超えると、プリンタ排紙時、プリンタ内でトナーを用紙に転写するために印加された電荷が電子写真用記録シートに残り、排紙トレイ上でシート同士が引き合い、ブロッキングを来たす傾向がある。
【0052】
本発明の電子写真用記録シートは、クラーク剛度が20〜270であることを特徴とする。クラーク剛度は、JIS P−8143に記載のこわさ試験により求められる。電子写真用記録シートは、電子写真プリンタによる記録時に、用紙搬送経路中で各種の機械的、静電気的なストレス、すなわち走行性に支障を来す力が加えられる。クラーク剛度はこのような走行性に支障を来す力への抵抗力の指標となることを、本発明者等は見出した。
【0053】
すなわち、本発明の電子写真用記録シートのクラーク剛度は電子写真プリンタ通紙方向で20〜270である。クラーク剛度が15未満では、電子写真プリンタ記録時にジャミングを発生し、クラーク剛度が500を超えるとプリンタの用紙搬送経路の曲がりに追随できず、またトナー画像の転写に不都合を来たす。
【0054】
本発明の電子写真用記録シートの肉厚は、通常40〜400μm、好ましくは45〜350μm、さらに好ましくは50〜300μmである。特に無機および/または有機微細粉末を含有する場合には、肉厚が40μm未満ではクラーク剛度が不足し、電子写真プリンタ記録時の走行性に支障を来す傾向がある。肉厚が400μmを超えると、静電容量の低下を来たし、画像記録濃度が低下する傾向がある。
【0055】
本発明の電子写真用記録シートは、十分な記録濃度が得られ、記録操作時の走行性も良好であるという利点を有する。このため、目的としていない箇所へトナーが飛散するような障害はなく、色相の再現性も高い。また、本発明の電子写真用記録シートには適度なコシを持たせることが可能であることから、ジャミングの発生に起因するヒーターへの融着や、機械破損の心配もない。
【0056】
このような利点を有することから、本発明の電子写真用記録シートは、電子写真方法を用いた記録方式により記録するためのシートとして極めて有用である。本発明の電子写真用記録シートは、特に電子写真プリンターの用紙としての有用性が高いが、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷、紫外線硬化型オフセット印刷などにも有効に適用することができる。また、本発明の電子写真用記録シートは、シートのまま記録する方式の印刷にも、ロール状の輪転方式の印刷にも適用することができる。
【0057】
また、本発明の電子写真用記録シートに印刷された印刷物は、耐水性や耐久性にも優れているという特徴を有する。このため、本発明の電子写真用記録シートに印刷された印刷物は、耐水性や耐久性が要求される環境下で使用するのに適している。例えば、屋外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タグや、使用方法や注意書きを記した製造管理用カードとして、本発明は有効に利用することができる。
【0058】
【実施例】
以下に実験例を記載して本発明をさらに具体的に説明する。以下の実験例に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0059】
<実施例1〜8、比較例1〜2>
(電子写真用記録シートの製造)
メルトフローレート(MFR)4g/10分のプロピレン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウムを表1に記載される重量部、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン10重量部、プロピレン単独重合体と炭酸カルシウムの合計量100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部、表1に記載される静電容量改質剤を表1に記載される重量部配合し、組成物(b)とした。この組成物(b)を250℃に設定した押出機にて混練した後、230℃に設定した押出機に接続したTダイより押しだし、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。このシートを155℃に加熱して、周速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.6倍延伸した。
【0060】
一方、MFRが11g/10分のプロピレン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μmの炭酸カルシウムを表1に記載される重量部、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン3.5重量部、プロピレン単独重合体と炭酸カルシウムの合計量100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部、表1に記載される静電容量改質剤を表1に記載される重量部配合し、組成物(a)とした。この組成物(a)を240℃に設定した押出機で溶融混練し、上記で得た組成物(b)の延伸シートの両面に共押し出しし、3層積層物(A/B/A)を得た。
得られた3層積層物をテンターオーブンにて150℃に加熱した後、横方向に9.5倍延伸した。ついで、テンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて、表1に記載される厚みを有する3層積層シートを得た。
このシートの両面に、印加エネルギー密度90W・分/m2にてコロナ放電処理を行った。
【0061】
ついで、このシートの両面に、ブチル変性ポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、および第4級アンモニウム塩構造を有するアクリル酸アルキルエステル系重合体の等量混合物を含む水溶液を、ロールコーターを用い、乾燥後の塗工量が片面あたり約0.1g/m2となるように塗工し、乾燥して表面処理層を形成した。
さらに、このシートをB4サイズに切断し、110℃に調整した通風オーブン中で15分間熱処理することによって、電子写真用記録シートを製造した。
【0062】
(空孔率の測定)
製造した各電子写真用記録シートの密度をJIS P−8118に準拠して測定した。上記式(1)にしたがって計算することにより、空孔率を求めた。
【0063】
(白色度の測定)
製造した各電子写真用記録シートの白色度を、JIS L1015に準拠して求めた。
【0064】
(不透明度の測定)
製造した各電子写真用記録シートの不透明度を、JIS P8138に準拠して求めた。
【0065】
(クラーク剛度の測定)
製造した各電子写真用記録シートを、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿下で24時間調湿し、JIS P8143に基づき、縦(MD)方向および横(CD)方向のクラーク剛度を測定した。
【0066】
(静電容量の測定)
製造した各電子写真用記録シートを、23℃、相対湿度50%の恒温室内で、HEWLETT PACKARD社の「4192A LF IMPEDANCEANALYZER」を使用し、直径38mmの電極に電極直径より大きい試料を挟み込み5Vの電圧を印加して、周波数300Hzで静電容量を測定した。
【0067】
(印字濃度評価)
製造した各電子写真用記録シートをA4(210mmMD方向×297mmCD方向)に断裁し、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿下で24時間調湿した。この電子写真用記録シートを23℃、相対湿度50%の恒温室内で、市販のカラー電子写真プリンター(Fuji Xerox(株)製、商品名Docu Print C411)にて記録した。このとき電子写真用記録シートは、通紙方向を210mmMD方向とし、記録面を上向きにして通紙し、排紙時も記録面が上になる経路で記録を行った。
【0068】
印字濃度は、重色、単色が混合するテストモデル図を記録して目視にて以下の基準で判定した。
◎ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものより濃度が高い
○ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものと比較して同等
△ やや記録濃度が低い
× 極めて記録濃度が低くかつ重色部に濃淡がある
【0069】
(走行性評価)
上と同様に記録を行い、走行性を以下の基準で判定した。
◎ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものより良好
○ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものと比較して同等
△ 給紙不良(シワ、角が折れ曲がる)
× 給紙不可
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】
本発明の電子写真用記録シートは、電子写真プリンターで一般に設定される記録モードで記録しても、普通紙あるいはPETフィルムを用いた電子写真用記録シートと遜色ない記録濃度を得ることができる。また、記録操作時の走行性も良好である。このため、本発明の電子写真用記録シートは電子写真プリンタによる記録に好適に使用することができる。さらに、本発明の電子写真用記録シートは耐水性や耐久性にも優れているため、屋外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タグ、使用方法や注意書きを記した製造管理用カードとして有効に利用することができる。
Claims (9)
- ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造を少なくとも含んでいて、少なくとも電子写真プリンター通紙方向に延伸成形された熱可塑性樹脂シートを構成要素として含み、23℃、相対湿度50%にて5Vの電圧を印加して周波数300Hzで測定した静電容量が4〜160pF/cm2であり、電子写真プリンター通紙方向のクラーク剛度が20〜270であることを特徴とする電子写真用記録シート。
- 前記熱可塑性樹脂シートが、四級アンモニウム塩、酸化チタン、ポリエステルポリオール、および帯電防止剤で表面処理した炭酸カルシウムからなる群より選択される静電容量改質剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用記録シート。
- 前記熱可塑性樹脂シートが、熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用記録シート。
- 前記熱可塑性樹脂シートが延伸後に50〜250℃で熱処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用記録シート。
- 電子写真用記録シートの空孔率が0〜60%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用記録シート。
- 前記静電容量が10〜160pF/cm2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用記録シート。
- 前記熱可塑性樹脂シートが熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用記録シート。
- 前記オレフィン系樹脂がプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真用記録シート。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用記録シートを電子写真方式にて印刷した記録物。
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