JP4104207B2 - ラベル用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒートロール定着式電子写真プリンタに使用可能な熱可塑性樹脂フィルムを基材としたラベル用紙に関するものである。
本発明により得られるラベル用紙は、普通紙ラベルに比較して強度と耐水性に優れ、そのため屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用容器のラベルや工業製品のネーマー(使用方法、注意書を記したラベル)の用紙として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用容器に貼着されるラベルとしては、該ステッカーやラベル用紙として用いられるコート紙が耐水性が乏しいので、耐水性が良好な熱可塑性樹脂フィルム、なかでもポリオレフィン系合成紙が使用されている。
この様な樹脂フィルムは、公知のものであり、その詳細については、例えば特公昭46−40794号、特公昭49−1782号、特開昭56−118437号、特開昭57−12642号及び特開昭57−56224号の各公報などに開示されている。
しかしながら、この様なポリオレフィン系合成紙は、ヒートロール表面温度が140〜190℃と高温になるヒートロール定着式の電子写真プリンタによる印字ラベルとして使用すると、貼合される剥離紙にくらべて熱による収縮が大きく、プリント後に発生するカールが大きく、排紙トレイ上で円筒状に丸まってしまい、剥離紙から剥がす時に剥がしにくいという問題があり、ヒートロール定着式の電子写真プリンターでの使用が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒートロール定着式の電子写真プリンタによる印字ラベルとして使用すると発生する熱カールが従来に比べて小さく、通紙後に円筒状に丸まってしまうことがなく、剥離紙から剥がしやすいラベル用紙の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ラベル用紙として、130℃、30分間における収縮率が2%以下のオレフィン系樹脂フィルム基材(i)を選択することにより、ヒートロール定着式電子写真プリンタ印字後のカール高さを低減し、ヒートロール定着式電子写真プリンタによる印字にて良好な通紙性を実現したラベル用紙を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、130℃、30分間における収縮率が小さい熱可塑性フィルム基材(i)に粘着層(ii)と剥離紙(iii )を貼合して使用するものであり、以下に詳細に説明する。
(1)熱可塑性樹脂フィルム基材(i)
本発明の熱可塑性樹脂フィルム基材(i)において、使用される熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−6,T等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。更にポリオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面などから好ましい。
【0006】
かかるプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。これらの共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0007】
基材(i)の成形に熱可塑性樹脂とともに使用される無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等であって、その平均粒径が0.01〜15μmのものが使用される。
熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである場合には、有機微細粉末としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,T、環状オレフィン重合体等のポリオレフィン樹脂の融点よりは高い融点(例えば、170〜300℃)ないしはガラス転移温度(例えば、170℃〜280℃)を有するものが使用される。
【0008】
更に必要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤としては、立体障害フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤としては、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤例えば、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合してもよい。
基材(i)を形成する熱可塑性樹脂フィルムは、単層であっても、ベース層と表面層の2層構造であっても、ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造であっても、ベース層と表面層間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造であっても良く、また、無機微細粉末および/または有機微粉末を含有していないものでも、含有しているものでも良い。
【0009】
基材(i)を形成する熱可塑性樹脂フィルムが単層のポリオレフィン系樹脂フィルムであり、無機および/または有機微細粉末を含有する場合には、通常ポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%、無機および/または有機微細粉末60〜0.5重量%からなり、好ましくはポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機および/または有機微細粉末50〜3重量%からなる。熱可塑性樹脂フィルムが多層構造であってベース層及び表面層が無機および/または有機微細粉末を含有する場合は、通常ベース層がポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%、無機および/または有機微細粉末60〜0.5重量%からなり、表面層がポリオレフィン系樹脂25〜100重量%、無機および/または有機微細粉末75〜0重量%からなり、好ましくはベース層がポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機および/または有機微細粉末50〜3重量%からなり、表面層がポリオレフィン系樹脂30〜97重量%、無機微細粉末70〜3重量%からなる。
【0010】
単層構造、又は多層構造のベース層に含有される無機および/または有機微細粉末が60重量%を越えては、縦延伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断し易い。表面層に含有される無機および/または有機微細粉末が75重量%を越えては、横延伸後の表面層の表面強度が低くプリンタ記録後の使用時における機械的衝撃等により表面層が破壊しやすくなり好ましくない。
【0011】
[樹脂フィルムの成形]
基材(i)を形成する熱可塑性樹脂フィルムの成形方法は特に限定されず、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはスクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物のキャスト成形またはカレンダー成形後の溶剤やオイルの除去、熱可塑性樹脂の溶液からの成形と溶媒除去などが挙げられる。
延伸する場合には、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸などが挙げられる。
【0012】
[延伸]
延伸には、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としては、非結晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下のそれぞれの熱可塑性樹脂に好適な公知の温度範囲で行うことができ、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などが挙げられる。
【0013】
延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例を挙げると、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンないしはその共重合体を使用する時には一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用する時には一方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。更に、必要に応じて後述する高温での熱処理が施される。
【0014】
延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)のときは104〜115℃である。
また、延伸速度は20〜350m/分である。
【0015】
熱可塑性樹脂フィルムがポリプロピレン単独重合体を使用し、テンターオーブンを用いた横延伸工程を含む場合、後半に熱セットゾーンを設け、その設定温度をできるだけ高くし、延伸成形されたポリプロピレン系フィルムの温度を、最も高い場合はその融解温度近傍まで高く熱処理することは、熱収縮率低減に効果がある。この目的のために、熱セットゾーンの設定温度は、延伸工程のライン速度や熱セットゾーンで吹き付けられる高温空気の流速や流量、熱セットゾーンの構造等により種々の選択が可能であるが、一例として、158〜165℃の範囲が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムが、無機微細粉末ないしは有機フィラーを含有する場合、延伸によってフィルム表面に微細な亀裂が、フィルム内部には微細な空孔が生じる。
延伸後の熱可塑性樹脂フィルムの肉厚は、20〜350μm、好ましくは35〜300μmである。
【0016】
[表面改質層の形成]
基材(i)を形成する熱可塑性樹脂フィルムのトナー密着性向上および過剰の帯電防止のために少なくともプリンタ印字面ないしは両面に表面処理を行って表面改質層を形成することが好ましい。
表面処理の方法としては、表面酸化処理と表面処理剤の組み合わせである。
表面酸化処理としては、フィルムに一般的に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理などを単独または組み合わせて使用する。これらのうちで好ましくはコロナ処理、フレーム処理であり、処理量はコロナ処理の場合、600〜12,000J/m2 (10〜200W・分/m2 )、好ましくは1,200〜9,000J/m2 (20〜150W・分/m2 )、フレーム処理の場合、8,000〜200,000J/m2 、好ましくは20,000〜100,000J/m2 が用いられる
【0017】
[表面処理剤]
前段の表面処理剤は主として下記のプライマー、帯電防止性ポリマー、より選ばれたもので、単独あるいは2成分以上の混合物である。トナー付着と帯電防止の観点から、表面処理剤として好ましいものはプライマーないしはプライマーと帯電防止性ポリマーとの組み合わせである。
【0018】
(1) プライマー
プライマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12の範囲のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物及びポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂等の水溶性樹脂、またポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散性樹脂等が用いられる。
【0019】
これらの内で好ましくは、ポリエチレンイミン系重合体及びウレタン樹脂、ポリアクリル酸エステル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重合体であり、更に好ましくは重合度が20〜3,000のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性された変性ポリエチレンイミンである。
【0020】
(2) 帯電防止ポリマー
帯電防止ポリマーとしてはカチオン系、アニオン系、両性系等の高分子型ものが挙げられ、カチオン系としては、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含有アクリル系ポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマー、また両性系としては、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマー、またアニオン系としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体ないしはそのアルカリ金属塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩ないしはエチレン−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などが挙げられ、特に四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーが好ましい。
帯電防止ポリマーの分子量は、重合温度、重合開始剤の種類及び量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意のレベルとすることができる。一般には得られる重合体の分子量は1,000〜1,000,000であるが、中でも1,000〜500,000の範囲が好ましい。
【0021】
本発明の表面処理剤は、必要に応じて以下の任意成分を含有するものであってもよい。
(3) 任意成分1:架橋剤
架橋剤を添加することにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。架橋剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して100重量部以下の範囲である。
【0022】
(4) 任意成分2:アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩として、水溶性の無機塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、及び塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、アンモニウム明礬等が挙げられる。任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して50重量部以下である。
(5) 任意成分3:
表面改質剤には、更に、界面活性剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他の助剤を含ませることもできる。任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して20重量部以下である。
【0023】
[表面処理層の形成]
上記表面処理層の各成分は、水或いはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液濃度は通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%程度である。
塗工方法はロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去される。
塗工量は乾燥後の固形分として0.005〜5g/m2 、好ましくは0.01〜2g/m2 である。
基材(i)を形成する熱可塑性樹脂フィルムが延伸フィルムの場合、表面処理層の塗工はその縦または横延伸の前後を問わず、一段の塗工でも多段の塗工でも構わない。
【0024】
(延伸後のフィルムの物性)
この延伸後の熱可塑性樹脂フィルムは、基材部分が次式で示される空孔率が5〜60%、好ましくは、8〜35%、より好ましくは8〜25%である。5%未満では軽量化がはかりにくく、60%超ではラベルとしての強度に難点が生じやすい。
【式2】
Figure 0004104207
JIS P8118−1976に基づく密度は0.65〜1.3g/cm3 、好ましくは0.8〜1.1g/cm3 の範囲である。0.65g/cm 3 未満では、基材強度の面で難点が生じ易く、1.3g/cm3 超では、多数枚重ねたときに重量が大きく、持ち運びしにくくなる。
また、JIS P8138−1976に基づく不透明度60%以上、ベック平滑度が50〜25,000秒である物性を有する。
【0025】
このフィルムの130℃、30分間加熱後の熱収縮率は、縦と横の両方向の平均値が2%以内、好ましくは1.5%以内である。2%を越えると、剥離紙と貼合した状態で電子写真プリンター通紙後のカールが大きく、湾曲したり、円筒状になったりして、剥離紙よりはがしにくい。この熱収縮率は、該フィルムを一定の大きさ、たとえば縦横ともに100mmの正方形に断裁し、気温23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内でその寸法を測定した後、130℃の通風オーブン中に30分間熱処理し、取り出した後同様の恒温恒湿室内で1時間放冷し、寸法を測定してオーブン熱処理前と比較して寸法変化率を算出することにより求めることができる。
【0026】
[擦過性向上層の形成]
基材(i)のトナー受理面側に印字後のトナーの擦過性向上のために無機および/または有機顔料とバインダーとからなる擦過性向上層(インク受理層)を設けても良い。擦過性向上層の厚みは、通常0.1〜10μmであり、好ましくは0.2〜6μmである。
[粘着剤層]
基材(i)の片面に設けられる粘着剤層(ii)の種類や厚さ(塗工量)は、被着体の種類や使用される環境、接着の強度等により種々選択が可能である。
一般に用いられる水系もしくは溶剤系の粘着剤を塗工、乾燥して形成でき、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系等が使用でき、これらの合成高分子粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョンやエマルジョンといった水に分散された形態で使用可能である。
ラベルの不透明度向上のため、粘着剤にチタンホワイトなどの顔料を含有したものを使用することも可能である。
【0027】
[粘着剤層の形成]
粘着剤層(ii)は、溶液状態で剥離紙(iii )のシリコン処理面上に塗工して形成する。塗工は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、粘着層(ii)を形成する。
場合によっては基材(i)に直接に粘着剤層(ii)を塗工して形成することももできる。
また、粘着剤層(ii)の厚みはラベルの使用目的に応じて種々選択が可能であるが、通常2〜30μm、好ましくは5〜20μmである。
【0028】
[剥離紙]
基材(i)に粘着剤層をはさんで設けられる剥離紙(iii )はラベル用紙の貼付使用に際して、粘着剤層(ii)との剥離性を良好にするため、粘着剤層(ii)に接触する面にシリコン処理が施されるのが一般的である。
剥離紙(iii )は、通常一般的なものが使用でき、上質紙やクラフト紙をそのまま、あるいはカレンダー処理したり樹脂を塗工したりフィルムラミネートしたもの、グラシン紙、コート紙、プラスチックフィルムなどにシリコン処理を施したものが使用できる。
【0029】
印刷
この様にして得られる熱可塑性樹脂フィルム基材(i)は、電子写真プリント用ラベルの基材としての使用は勿論のこと、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷、紫外線硬化型オフセット印刷、シートの形態でもロールの形態の輪転方式の印刷にも使用可能である。
(電子写真プリンター印字後のカール)
以上のようにして得られる剥離紙を貼合したラベルは、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で測定した電子写真プリンター印字後2分後以上、好ましくは2分〜2日間に測定したA4サイズ(210mm×297mm)用紙の四隅のカール高さの平均値が100mm以内、好ましくは80mm以内である。100mmを超えた場合、或いは円筒状に丸まってしまうと剥離紙より剥がす時に剥がしにくい。
【0030】
【実施例】
以下に示す実施例などによって、本発明を更に具体的に説明するが、これら実施例において使用した原料素材及び評価方法は、以下に示すものを採用した。また、成分配合比における「部」は、「重量部」を示す。
<実施例1>
(熱可塑性樹脂フィルム基材)
メルトフローレート(MFR)3.5g/10分のポリプロピレンに、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウム15重量%、チタンホワイト0.7重量%、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン5重量%を配合した組成物(C')を、250℃に設定した押し出し機にて混練した後、240℃に設定した押し出し機に接続したTダイよりシート状に押し出し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。
【0031】
尚、上記のシート状に押し出した組成物及び以下の押し出しや積層に使用する組成物には、使用するポリプロピレンと炭酸カルシウムの合計量100部に対して−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05部とフェノール系安定剤であるイルガノックス1010(チバガイキー社製、商品名)0.05部、リン系安定剤であるウエストン618(ボーグワーナー社製、商品名)0.05部を配合した。
このシートを142℃の温度に加熱して、周速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.5倍延伸した。
【0032】
MFRが8g/10分のポリプロピレン46重量%、マレイン酸変性ポリプロピレン4重量%、高密度ポリエチレン(MFR 10g/10分)5重量%と平均粒径1.3μmの炭酸カルシウム44.3重量%、チタンホワイト0.7重量%とを混合した組成物(A’)を240℃に設定した押し出し機により溶融混練したものと、MFRが10g/10分のポリプロピレン50重量%と平均粒径1.3μmの炭酸カルシウム45重量%、高密度ポリエチレン(MFR 10g/10分)5重量%を混合した組成物(B’)を240℃に設定した別の押し出し機で溶融混練したものをダイ内で積層し、この積層物を(A’)が外側となるように、上記(C’)の樹脂組成物を押し出して及び延伸して得られた縦4.5倍延伸シートの両面に共押し出しして5層積層物(A’/B’/C’/B’/A’)を得た。
【0033】
(延伸)
上記で得られた5層積層物をテンターオーブンにて157℃に加熱した後、横方向に9.4倍の延伸を行い、次いでテンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて、厚さ100μmの5層積層フィルム(各層の厚さ5μm/20μm/50μm/20μm/5μm)を得た。
(表面処理層の形成)
このフィルムの両面に、印加エネルギー密度100W・分/m2 にてコロナ放電処理を行った。
ついで、このフィルムの両面に、ブチル変性ポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、及び次の一般式で示される第4級アンモニウム塩構造を含む基を分子鎖内に含むアクリル酸アルキルエステル系重合体の等量混合物を含む水溶液をロールコーターを用いて乾燥後の塗工量が片面あたり約0.1g/m2 となるように塗工し、乾燥して表面処理層を形成した。
【0034】
【化1】
Figure 0004104207
【0035】
このようにして得られた基材(i)の、JIS P8118−1976に基づく坪量は、103g/m2 、密度は1.03g/cm3 であった。また、このフィルムを枚葉に断裁し、130℃の通風オーブン中で30分放置したのち、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室中で1時間放冷した後、通風オーブンでの加熱処理前後の寸法を測定し、縦と横の収縮率の平均値を算出したところ1.3%であった。
[粘着剤、剥離紙との貼合]
溶剤系アクリル系粘着剤を、コート紙にシリコン処理を施した厚さ150μm、密度1.2g/m3 の剥離紙(iii)(以下、コート型と略記する。)のシリコン処理面に、乾燥後の塗工量が8g/m2 となるようにコンマコーターで塗工、乾燥して粘着剤層(ii)とし、上記の実施例1に示した基材(i)と貼合してラベル用紙を得た。
【0036】
[評価]
得られたラベル用紙をA−4(210mm幅×297mm流)に断裁し、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で1日間放置後、市販のヒートロール定着式電子写真プリンター、レーザーショットA404GII(キャノン(株)製、商品名)で印字面を上に向けた通紙方法(フェースアップ通紙)で印字を行った。
プリンター通紙後、ラベルを室温下平らな台の上に放置し、通紙2分後の四隅のカール高さの平均値を測定したところ、76mmであった。
印字再現性を目視にて評価し、通常のレーザープリンター用に市販されているPPC用パルプ紙に印字したものと比較して同等であれば、問題なし(○)、印字の太りや変形、地汚れ、印字濃度不足等が目立てば不良(×)とした。実施例1は良好なレベルであった。実施例1の評価結果を表1に示した。
【0037】
<比較例1>
熱可塑性樹脂フィルムに、ユポFPG−80(王子油化合成紙社性:商品名)を使用したほかは、実施例1と同様の操作を行って、粘着剤と剥離紙を貼合してラベル用紙を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
<実施例2>
実施例1と類似の操作により、厚さ120μmの5層積層フィルム基材(i)(各層の厚さ6μm/24μm/60μm/24μm/6μm)を得た。実施例1と同様の表面処理と粘着剤、剥離紙との貼合を行ってラベル用紙を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
【0038】
<実施例3>
(熱可塑性樹脂フィルム基材)
メルトフローレート(MFR)3.5g/10分のポリプロピレンに、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウム15重量%、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン8重量%、チタンホワイト0.7重量%を配合した組成物(D’)を、250℃に設定した押出機にて混練し、ストランド状に押し出してペレットとした。
240℃に設定した中心層用押し出し機と、同じく250℃に設定した表裏層用押し出し機を接続した3層のTダイを用い、中心層より上記の組成物(’)を、表裏の層よ、平均粒径1.3μmの炭酸カルシウム12重量%、チタンホワイト0.7重量%を配合したMFR4g/10分のポリプロピレン組成物(E’)を、3層構造のシート状に押し出し、冷却装置にて冷却して無延伸の3層積層シート(E’/D’/E’)を得た。
このシートを142℃の温度に加熱して、周速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.5倍延伸した。
【0039】
(延伸)
上記、層積層物をテンターオーブンにて157℃に加熱した後、横方向に9.6倍の延伸を行って、ついでテンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて、厚さ90μmの3層積層フィルム基材(i)(各層の厚さ7μm/76μm/7μm)を得た。
得られた熱可塑性樹脂フィルムに、実施例1と同様の表面処理、粘着剤と剥離紙の貼合を行い、ラベル用紙を作製し、評価を行った。結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
Figure 0004104207
【0041】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、ヒートロール定着式電子写真プリンタ適性があり、特に印字後のカールが良好であるポリオレフィン系、特にポリプロピレン系フィルム基材を用いたラベル用紙を得ることができた。

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂フィルムよりなる基材(i)の片面に粘着剤層(ii)および剥離紙(iii )が順次設けられており、基材(i)の130℃、30分間における熱収縮率が2%以下であり、基材(i)の次式で示される空孔率が5〜25%であるラベル用紙。
    【式1】
    Figure 0004104207
  2. ヒートロール定着式電子写真プリンタによるA−4サイズ(210mm×297mm)用紙の印字後2分以上経過後における4隅のカール高さの平均が100mm以下である請求項1記載のラベル用紙。
  3. 基材(i)が、ポリオレフィン系樹脂35〜100wt%、無機および/または有機微細粉末65〜0wt%からなる請求項1または2記載のラベル用紙。
  4. ポリオレフィン系樹脂が、プロピレン系樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のラベル用紙。
  5. 基材(i)のJIS P8138−1976に基づく不透明度が60%〜100%である請求項1〜のいずれかに記載のラベル用紙。
  6. 基材(i)が、少なくとも粘着剤層と接する反対面に表面処理層を設けた請求項1〜のいずれかに記載のラベル用紙。
  7. 基材(i)が、少なくとも粘着剤層と接する反対面にインク受理層を設けた請求項1〜のいずれかに記載のラベル用紙。
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