JP4560258B2 - Icラベル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データの送受信を行う配線回路とIC回路を積層構成の内部に持ち、データの書き込みや読み出しが行えるICを内包したICラベルに関するものである。
本発明により得られるICラベルは、表面への情報記録が可能であり、内部のIC回路や配線回路が透けて見えてしまうというセキュリティー上の心配がなく、強度と耐水性に優れ、屋内外を問わず、大気中、水中でも用いることが出来、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理用途などに使用可能である。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICモジュールを内包し、外部のリーダ、ライタを介してデータを非接触で送受信するカードが普及し始めている。同様な用途でICラベルの提案もなされている。例えば、特開平11−277961号公報や特開平11−277963号公報、特開平11−134460号公報や特開平11−231782号公報にはICラベルの構造と使用例が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の特許文献に開示されているようなICラベルの用途を更に拡大できるような表面への情報記録適性、セキュリティー性、強度、耐水性を実現するICラベルの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の積層構成を規定し、用いる表面の熱可塑性樹脂フィルムの特性を規定し、その内部もしくは表面にIC回路と配線回路を有するIC回路層を持ち、強度、耐水性に優れるにもかかわらず、外観は従来の単なる紙ラベルに見え、違和感を与えないものである。
すなわち、本発明は、IC回路層(B)またはIC回路層(B)を含むIC回路保護層(C)の少なくとも片面に、接着剤層(D)および光隠蔽層(E)を介して熱可塑性樹脂フィルム層(A)を設け、片面に粘着剤層(G)を積層貼合して形成されるICラベルであって、熱可塑性樹脂フィルム層(A)に用いる熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂よりなり、熱可塑性樹脂フィルム層(A)は不透明度が80%以上、かつ白色度が90%以上であり、光隠蔽層(E)は、該熱可塑性樹脂フィルム層(A)の片面にオフセットまたはグラビア印刷により黒色ベタ印刷を行って形成したものであり、且つラベルの全光線透過率が15%以下であることを特徴とするICラベル、を提供する。
【0005】
本発明のICラベルの好ましい実施態様では、熱可塑性樹脂フィルム層(A)とIC回路層(B)の間に光隠蔽層(E)を設けるのが好ましい。更に光隠蔽層(E)とIC回路層(B)の間に熱可塑性樹脂フィルム層(F)、接着剤層(D)を設けるのが好ましい。
また、IC回路層(B)がICラベルより小さく、IC回路層(B)の厚みがIC回路保護層(C)の厚さ以下であることを特徴とする。熱可塑性樹脂フィルム層(A)とIC回路保護層(C)との間に接着剤層(D)を設けることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルム層(A)とIC回路保護層(C)の間に光隠蔽層(E)を設けることが好ましい。また、熱可塑性樹脂フィルム層(A)と接着剤層(D)の間に、接着剤層(D)と熱可塑性樹脂フィルム層(F)を設けることが好ましい。
【0006】
これらICラベルは、白色度が85%以上であるのが好ましく、また全光線透過率が15%以下であるのが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム層(A)が、不透明度が80%以上であり、かつ白色度が90%以上であるのが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム層(A)が、次式で算出された空孔率が10〜60%であるのが好ましい。
空孔率(%)=[(ρ0 −ρ)/ρ0 ]×100
(式中、ρ0 はフィルムの真密度であり、ρはフィルムの密度である。)
熱可塑性樹脂フィルム層(A)、及び熱可塑性樹脂フィルム層(F)に用いられる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂及び/又はポリエステル系樹脂であるのが好ましく、ポリオレフィン系樹脂が、プロピレン系樹脂であるのが好ましい。また、熱可塑性樹脂フィルム層(A)の表面に記録層を設けることが好ましい。
【0007】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における各層は以下のとおりである。
(1)熱可塑性樹脂フィルム層(A)
本発明の熱可塑性樹脂フィルム層(A)は熱可塑性樹脂と無機微細粉末及び/又は有機フィラーとで構成される。
使用される熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
【0008】
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。更にポリオレフィン系樹脂の中でも、コスト面、耐水性、耐薬品性の面からプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンがより好ましい。
かかるプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これとエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0009】
無機微細粉末としては、粒径が通常0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μm、更に好ましくは0.03〜4μmのものが使用できる。具体的には、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナなどの粉末を使用することができる。
有機フィラーとしては、主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。例えば熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである場合には、有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィン環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等であってその融点が120℃〜300℃、ないしはガラス転移温度が120℃〜280℃を有するものを挙げることができる。
【0010】
更に必要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤としては、立体障害フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤としては、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤例えば、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合してもよい。
【0011】
本発明の熱可塑性樹脂フィルム層(A)を形成する熱可塑性樹脂フィルムは、単層であっても、ベース層と表面層の2層構造であっても、ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造であっても、ベース層と表面層間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造であっても良く、少なくとも1軸方向に延伸されていても良い。また、この多層構造が延伸されている場合その延伸軸数は、2層構造では1軸/1軸、1軸/2軸、2軸/1軸、3層構造では1軸/1軸/2軸、1軸/2軸/1軸、2軸/1軸/1軸、1軸/2軸/2軸、2軸/2軸/1軸、2軸/2軸/2軸であっても良く、それ以上の層構造の場合、延伸軸数は任意に組み合わされる。
【0012】
熱可塑性樹脂フィルム層(A)が単層のポリオレフィン系樹脂フィルムであり、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含有する場合には、通常ポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー60〜0.5重量%からなり、好ましくはポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー無機50〜3重量%からなる。
熱可塑性樹脂フィルムが多層構造であってベース層及び表面層が無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含有する場合は、通常基材層がポリオレフィン系樹脂40〜99.5重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー60〜0.5重量%からなり、表面層がポリオレフィン系樹脂25〜100重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー75〜0重量%からなり、好ましくはベース層がポリオレフィン系樹脂50〜97重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー50〜3重量%からなり、表面層がポリオレフィン系樹脂30〜97重量%、無機微細粉末70〜3重量%からなる。
【0013】
単層構造、又は多層構造のベース層に含有される無機微細粉末及び/又は有機フィラーが60重量%を越えては、縦延伸後に行う横延伸時に延伸樹脂フィルムが破断し易い。表面層に含有される無機微細粉末及び/又は有機フィラーが75重量%を越えては、横延伸後の表面層の表面強度が低く、使用時の機械的衝撃等により表面層が破壊しやすくなり好ましくない。
【0014】
[熱可塑性樹脂フィルムの成形]
熱可塑性樹脂フィルム層(A)、(F)を形成する熱可塑性樹脂フィルムの成形方法は特に限定されず、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはスクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物のキャスト成形またはカレンダー成形後の溶剤やオイルの除去、熱可塑性樹脂の溶液からの成形と溶媒除去などが挙げられる。
延伸する場合には、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としてはロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸などが挙げられる。
【0015】
[延伸]
延伸には、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としては、非結晶性樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合には非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部分の融点以下のそれぞれの熱可塑性樹脂に好適な公知の温度範囲で行うことができ、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などが挙げられる。
【0016】
延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例を挙げると、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体ないしはその共重合体を使用する時には一方向に延伸する場合は約1.2〜12倍、好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜60倍、好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用する時には一方向に延伸する場合は1.2〜10倍、好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で1.5〜20倍、好ましくは4〜12倍である。更に、必要に応じて高温での熱処理が施される。
【0017】
延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点より2〜150℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)のときは104〜115℃である。
また、延伸速度は20〜350m/分である。
熱可塑性樹脂フィルムが、無機微細粉末ないしは有機フィラーを含有する場合には、フィルム表面に微細な亀裂が、フィルム内部には微細な空孔が生じる。
延伸後の熱可塑性樹脂フィルムの肉厚は、20〜350μm、好ましくは35〜300μmの範囲である。
【0018】
[延伸後のフィルムの物性]
本発明に用いられる、熱可塑性樹脂フィルム層(A)を形成する熱可塑性樹脂フィルムの延伸後の物性は、JIS−P−8138に基づく不透明度が80〜100%、より好ましくは85〜100%であり、かつ、JIS−L−1015に基づく白色度が90〜100%、より好ましくは95〜100%であることを特徴とする。
不透明度がこの範囲を逸脱すると、内部のIC回路層(B)が透けて見えてしまったり、光隠蔽層(E)の着色が透けて見えてしまい好ましくない。また、白色度がこの範囲を逸脱すると、ICラベルの表面に記録される文字や画像情報の識別を不鮮明にし、また、外観上も好ましくない。
【0019】
熱可塑性樹脂フィルム層(A)は、次式で算出された空孔率が10〜60%で、好ましくは、10〜35%、より好ましくは15〜25%である。10%未満では軽量化がはかりにくく、60%超ではICラベルとしての強度に難点が生じやすい。
空孔率(%) = [(ρ0 −ρ)/ρ0 ]×100
式中のρ0 は延伸フィルムの真密度を表わし、ρは延伸フィルムの密度(JIS−P−8118)を表すが、延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の密度にほぼ等しい。
【0020】
[表面改質層の形成]
熱可塑性樹脂フィルム層(A)を形成する熱可塑性樹脂フィルムの帯電防止および各種印刷適性向上のために、少なくとも表面側に表面処理を行って表面改質層を形成することが好ましい。
表面処理の方法としては、表面酸化処理と表面処理剤の組み合わせである。
表面酸化処理としては、フィルムに一般的に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理などを単独または組み合わせて使用する。これらのうちで好ましくはコロナ処理、フレーム処理であり、処理量はコロナ処理の場合、600〜12,000J/m2 (10〜200W・分/m2 )、好ましくは1,200〜9, 000J/m2 (20〜180W・分/m2 )、フレーム処理の場合、8,000〜200, 000J/m2 、好ましくは20, 000〜100, 000J/m2 が用いられる。
【0021】
[表面処理剤]
前段の表面処理剤は、主として下記のプライマー、帯電防止性ポリマーより選ばれたものであり、単独あるいは2成分以上の混合物である。ドライラミネート時の密着性向上と帯電防止の観点から、表面処理剤として好ましいものはプライマーないしはプライマーと帯電防止性ポリマーとの組み合わせである。
【0022】
▲1▼ プライマー
プライマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)及びポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物及びポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体及びポリアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、樹脂等の水溶性樹脂、またポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレン及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散性樹脂等が用いられる。
【0023】
これらの内で好ましくは、ポリエチレンイミン系重合体、ウレタン樹脂、ポリアクリル酸エステル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重合体であり、更に好ましくは重合度が20〜3, 000のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性された変性ポリエチレンイミンである。
【0024】
▲2▼ 帯電防止ポリマー
帯電防止ポリマーとしてはカチオン系、アニオン系、両性系等の高分子型ものが挙げられ、カチオン系としては、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含有アクリル系ポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマー、またアニオン系としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体ないしはそのアルカリ金属塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩ないしはエチレン−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、また両性系としては、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーなどが挙げられ、特に四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーが好ましい。
【0025】
帯電防止ポリマーの分子量は、重合温度、重合開始剤の種類及び量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意のレベルとすることができる。一般には得られる重合体の分子量は1, 000〜1, 000, 000であるが、中でも1, 000〜500, 000の範囲が好ましい。
本発明の前段の表面処理剤は、必要に応じて以下の任意成分を含有するものであってもよい。
【0026】
▲3▼ 任意成分1:架橋剤
架橋剤を添加することにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。架橋剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して100重量部以下の範囲である。
【0027】
▲4▼ 任意成分2:アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
表面改質剤にはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が添加され、それらの塩としては、水溶性の無機塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、及び塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、アンモニウム明礬等が挙げられる。任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して50重量部以下である。
▲5▼ 任意成分3:
表面改質剤には、更に、界面活性剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他の助剤を含ませることもできる。任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して20重量部以下である。
【0028】
[表面処理層の形成]
上記表面処理層の各成分は、水或いはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが好ましい。溶液濃度は通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%程度である。
塗工方法はロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコータ、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去される。
塗工量は乾燥後の固形分として0.005〜5g/m2 、好ましくは0.01〜2g/m2 である。
【0029】
熱可塑性樹脂フィルム層(A)を形成する熱可塑性樹脂フィルムが延伸フィルムの場合、表面処理層の塗工はその縦または横延伸の前後を問わず、一段の塗工でも多段の塗工でも構わない。
熱可塑性樹脂フィルム層(A)の表面には、前述の表面処理の後、あるいは表面処理層形成の後に、必要に応じて表面に筆記性付与層、印刷品質向上層、熱転写受容層、感熱記録層、インクジェット受容層などを表面処理層の形成と同様の塗工方法で設けることができる。
【0030】
熱可塑性樹脂フィルム層(A)はIC回路層(B)またはIC回路保護層(C)の片面に積層してもよく、両面に積層しても良い。また、両面に積層する場合、IC回路層(B)またはIC回路保護層(C)の表裏に同一の熱可塑性樹脂フィルム層(例えばA/・・/B/・・/A)を用いても良いし、表裏異なる熱可塑性樹脂フィルム層(A)、(A' )(例えばA/・・/B/・・/A' )を用いても良い。熱可塑性樹脂フィルム層(A' )の不透明度は、特に制限されず、透明であっても、不透明であっても良い。
【0031】
(2)IC回路層(B)
本発明のIC回路層(B)は、ICラベル内に平面方向全方向をIC回路保護層(C)に、側面から見た厚さ方向、すなわち表面方向を熱可塑性樹脂フィルム層(A)により完全に隠され、表面及び側面から全く見えない様に設置されることが好ましい。そのため、平面から見て、IC回路層(B)はICラベルの面積より小さく、側面から見て、IC回路層(B)の厚みはIC回路保護層(C)の厚さ以下であるようにする。
【0032】
IC回路層(B)は、回路基板上に、IC回路と配線回路を形成して設けられる。IC回路とアンテナ回路は電気的に導通される。
回路基板用の基板材は、一般的な紙フェノール、ガラスエポキシ、コンポジット等のリジッドタイプ、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等のフレキシブルタイプ、および両者の複合タイプが使用できる。
配線回路は金属導線をコイル状にしたものを前記基板材上に接着剤を用いて設置したり、加熱加圧してフィルムを変形させて設置して設ける方法、銅やアルミ等の金属を張った基板材の金属部分をエッチングして設ける方法、銀などの導電性の金属で形成された金属箔を基板上に転写して設ける方法、および導電ペースト塗料を用いてシルクスクリーン印刷で印刷、乾燥して基板上に設ける方法が挙げられる。
【0033】
IC回路層(B)は、上記により配線回路を形成した基板上にIC回路を実装し、アンテナ回路とIC回路を電気的に導通接続して形成される。
基板へのIC回路の実装は、TAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)、COB(チップ・オン・ボード)やフリップチップ実装が用いられる。
IC回路の実装やアンテナ回路との接続には、通常のはんだ付けや、導電性接着剤が使用できるが、加工の際、回路基板材が耐えうる温度条件のものを採用する必要がある。
IC回路層(B)は実装されたIC回路や配線回路の保護のために、エポキシ樹脂などで包埋(パッケージング)して用いることもできる。
IC回路層(B)の厚みは、エポキシ樹脂で包埋後150μm〜1mmである。
【0034】
(3)IC回路保護層(C)
本発明に用いられるIC回路保護層(C)は、熱可塑性樹脂フィルム層(A)に用いられるものと同じフィルムに加えて、一般的な延伸、無延伸の熱可塑性樹脂フィルムが使用できる。但し、IC回路層(B)がパッケージングされていない場合は、IC回路層(B)とIC回路保護層(C)との間に電気的な導通などを発生してはならないため、体積方向の電気抵抗値は108 Ω・cm以上が好ましく、より好ましくは1010Ω・cm以上である。IC回路基板層に接する面の表面電気抵抗値は108 Ω/□以上が好ましく、より好ましくは109 Ω/□以上である。
【0035】
IC回路層(B)を保護するため、IC回路保護層(C)には、平面から見て、IC回路層(B)が収納できる大きさの貫通孔、すなわち、打抜穴が設けられる。該加工には、紙、フィルム、金属板などの抜き加工に使用される抜き型が使用できる。抜き形状はIC回路層(B)の平面から見た形状に合わせ、任意に変更できる。
さらに、IC回路層(B)の保護、およびICラベルの表裏面の凹凸をなくすため、IC回路保護層(C)の厚さはIC回路層(B)よりも厚いことが好ましい。一方、IC回路基板層のICラベル内での不必要な移動を防止するため、IC回路保護層(C)の厚さはIC回路層(B)の厚さより、0〜100μm、好ましくは0〜50μm厚いことが好ましい。
【0036】
(3)熱可塑性樹脂フィルム層(F)
本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム層(F)は、熱可塑性樹脂フィルム層(A)に用いられるものと同じフィルムに加えて、一般的な延伸、無延伸の熱可塑性樹脂フィルムが使用できる。但し、IC回路層(B)に電気的な導通などを発生してはならないため、体積方向の電気抵抗値は108 Ω・cm以上が好ましく、より好ましくは1010Ω・cm以上である。IC回路層に接する面の表面電気抵抗値は108 Ω/□以上が好ましく、より好ましくは109 Ω/□以上である。厚さは5〜300μm、好ましくは10〜150μmである。
【0037】
(4)光隠蔽層(E)
熱可塑性樹脂フィルム層(A)とIC回路層(B)との間、または熱可塑性樹脂フィルム層(A)熱可塑性樹脂フィルム層(F)との間、に形成される光隠蔽層(E)とは、本発明を構成する全層の中で、単位肉厚当たりの可視光線の透過率が最も小さい層であり、光の波長380〜780nmにおける全光線透過率(JIS−K−7105に準拠)が0.5%以下のものである。
かかる光隠蔽層(E)は、前記熱可塑性樹脂フィルム(A)または(F)の片面にオフセットまたはグラビア印刷により黒色ベタ印刷を行って形成する方法、アルミなどの金属蒸着箔の箔押しによる転写、転写蒸着およびダイレクト蒸着を用いて形成する方法、あるいは熱可塑性樹脂フィルム(A)および(F)同士を接着剤を用いて貼合させる際、接着剤の中に、カーボンブラック等の黒色充填材や酸化チタンウィスカー、酸化チタン微粒子等の白色充填剤を多量に含有させる方法などにより形成する。
【0038】
(5)接着剤層(D)
接着剤層(D)は本ICラベル製造工程中の積層貼合時に接着力を保有するものが使用できる。通常は常温もしくは加熱した状態で加圧接着できるものである。一般的なヒートシーラーが使用できる。
接着剤としては、例えば液状のアンカーコート剤、例えばポリウレタン系アンカーコート剤として東洋モートン(株)製のEL−150(商品名)、又はBLS−2080AとBLS−2080Bの混合物が、ポリエステル系アンカーコート剤として同社製のAD−503(商品名)を適用することができる。アンカーコート剤は秤量が0.5〜25g/m2 となるように塗布される。
また、ICラベルの隠蔽性向上のため、接着剤に酸化チタン微粒子などの顔料を含有したものを使用することも可能である。
【0039】
(6)粘着剤層(G)
粘着剤層(G)の種類や厚さ(塗工層)は、被着体の種類や使用される環境、接着の強度等により種々選択が可能である。一般に用いられる水系もしくは溶剤系の粘着剤を塗工、乾燥して形成でき、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系等が使用でき、これらの合成高分子粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョンやエマルジョンといった水に分散された形態で使用可能である。ラベルの隠蔽性向上のため、粘着剤にチタンホワイトなどの顔料を含有したものを使用することも可能である。
【0040】
(7)印刷
得られたICラベルは、記録層を設けることにより電子写真方式、昇華熱転写、溶融熱転写、ダイレクトサーマル、リライタブルマーキング、及びインクジェットプリンターの使用は勿論のこと、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷、紫外線硬化型オフセット印刷、シートの形態でもロールの形態の輪転方式の印刷にも使用可能である。
【0041】
〔ICラベルの物性〕
本発明のICラベルは、次の物性を満たす必要がある。
・白色度
本発明のICラベルは、印刷面側の白色度(JIS−L−1015)は、85%以上、好ましくは90〜100%である。85%未満では、ICラベルの表面に記録される文字や画像情報の識別を不鮮明にし、また外観上も好ましくない。
・全光線透過率
本発明のICラベルは、印刷面側からの光の波長380〜780nmにおける全光線透過率(JIS−K−7105に準拠)は15%以下、好ましくは13%以下である。15%を越えると、内部のIC回路層(B)が透けて見えてしまったり、必要に応じて設けられる隠蔽層(E)の着色が透けて見えてしまい、好ましくない。
・厚さ
本発明のICラベルは、厚さが150μm〜2mm、好ましくは200μm〜1mm、更に好ましくは250〜800μmである。150μm未満では、強度不十分で内部のIC回路層(B)が破壊されやすく、2mmを超えてはICラベルとして腰がありすぎて取り扱いにくい。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例などにより何ら限定されるものではない。本発明で使用した熱可塑性樹脂、無機微細粉末を表1に示した。
[I]熱可塑性樹脂フィルム層(A)の製造
(製造例1)
プロピレン単独重合体a;81重量%、高密度ポリエチレン3重量%及び炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(A1)270℃の温度に設定した押出機にて混練させた後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。次いで、このシートを150℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルムを得た。
【0043】
プロピレン単独重合体b;54重量%と、炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(A2)を別の押出機にて210℃で混練させた後、これをダイによりシート状に押し出し、これを上記工程で得られた5倍縦延伸フィルムの両面に積層し、3層構造の積層フィルムを得た。
次いで、この3層構造の積層フィルムを60℃の温度にまで冷却した後、再び約155℃の温度にまで加熱し、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして3層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の厚さ60μm(A2/A1/A2=10μm/40μm/10μm)の積層フィルムで、白色度96%、不透明度87%、空孔率32%、密度0.79g/cm3 の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0044】
(製造例2)
プロピレン単独重合体a;65重量%、高密度ポリエチレン10重量%及び炭酸カルシウム25重量%を混合した組成物(A1)とプロピレン単独重合体b;99重量%、二酸化チタン1重量%を混合した組成物(A2)と、メルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)が4g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)100重量%(A3)とを、それぞれ別々の3台の押出機を用いて250℃で溶融混練した。
その後、一台の共押ダイに供給してダイ内で積層した後(A2/A1/A3)、シート状に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却することによって積層フィルムを得た。
【0045】
このフィルムを145℃に再加熱した後、多数のロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸し、再び約150℃まで再加熱してテンターで横方向に8.5倍延伸した。その後、160℃でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして3層構造(二軸延伸/二軸延伸/二軸延伸)の厚さ100μm(A2/A1/A3=3μm/94μm/3μm)の積層フィルムとし、白色度96%、不透明度90%、空孔率40%、密度0.66g/cm3 の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0046】
(製造例3)
製造例1と同様の操作を行い、3層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の厚さ130μm(A2/A1/A3=25μm/80μm/25μm)の積層フィルムとし、白色度96%、不透明度92%、空孔率30%、密度0.77g/cm3 の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0047】
[II]IC回路保護層(C)の製造
(製造例4)
製造例1で、ダイのリップ開度、組成物の押し出し量を調整し、厚さ300μm(A2/A1/A2=60μm/180μm/60μm)の積層フィルムで、白色度96%、不透明度99%、空孔率36%、密度0.78g/cm3 の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0048】
(製造例5)
プロピレン単独重合体b;97重量部に、炭酸カルシウム3重量部を配合した組成物(A2)と、プロピレン単独重合体c;98重量部に、二酸化チタン2重量部を配合した組成物(A1)とを、それぞれ別々の押出機で220℃の温度で溶融混練した後、一台のダイ内に供給して、ダイ内で(A2)/(A1)/(A2)に積層させた後、押し出して、三層構造の白色の無延伸樹脂積層フィルム (a) を得た(厚さ:60μm/160μm/60μm)。
【0049】
製造例1で得られた熱可塑性樹脂フィルムに、上記ダイより押し出して得た白色の無延伸樹脂積層フィルム(a)が未だ軟化状態を保っているうちに、該無延伸樹脂積層フィルム(a)をサーマルラミネートすることにより、熱可塑性樹脂フィルム(厚さ60μm)/無延伸樹脂積層フィルム(a)(肉厚280μm)/熱可塑性樹脂フィルム(厚さ60μm)の複合積層樹脂フィルム(肉厚400μm)を得た。白色度94%、不透明度90%、空孔率11%、密度0.86g/cm3 であった。
【0050】
(製造例6)
製造例5でダイのリップ開度、組成物の押し出し量を調整し、三層構造の白色の無延伸樹脂積層フィルム (a) を得た(厚さ:60μm/280μm/60μm)。得られた厚さ400μmの無貼合品は、白色度25%、不透明度25%、空孔率0%、密度0.92g/cm3 であった。
【0051】
[III]IC回路層(B)の製造
(製造例7)
厚さ50μmのポリイミドフィルムの片面上に厚さ35μmの電解銅箔をボンディングシートで接着し、エッチングにてアンテナ回路を形成した。表面研磨、水洗、乾燥の後、該アンテナ面にIC回路(厚み200μm)を実装し、エポキシ樹脂で表面を包埋し、IC回路層(B)(厚み300μm)を得た。
(製造例8)
厚さ125μmのポリエステルフィルムの片面上にイソシアネート系の溶剤系銀ペーストを用いてシルクスクリーン印刷によりアンテナ回路を印刷し、熱風乾燥の後、80℃の恒温槽に3時間放置してから取り出した。
その後、該アンテナ面にIC回路(厚み200μm)を実装し、エポキシ樹脂で表面を包埋し、IC回路層(B)(厚み375μm)を得た。
【0052】
【実施例1】
熱可塑性樹脂フィルム層(A)及び熱可塑性樹脂フィルム層(A' )として製造例1で得られた熱可塑性樹脂フィルムを用い、熱可塑性樹脂フィルム層(A)の表面に、アクリルウレタン系樹脂および炭酸カルシウムからなる溶剤系塗料を乾燥後の塗布量が1g/m2 となるようにグラビアコーターで塗工し、印刷層とした。印刷層に文字及び画像情報をグラビア印刷し、印刷層の反対面に、黒濃度が1.65となるように黒ベタグラビア印刷(厚さ2μm)を施し、光隠蔽層(E)とした。
【0053】
熱可塑性樹脂フィルム層(A)の光隠蔽層(E)、及び熱可塑性樹脂フィルム層(A' )に、接着剤層(D)としてポリエステル系アンカーコート剤(東洋モートン社製:AD−503;商品名)を4g/m2 (固型分の割合)塗布し、製造例8のIC回路層(B)面、及び反対面とに同時に圧着した。
また、グラシン紙を基材とした剥離紙のシリコン処理面に溶剤系アクリル系粘着剤を乾燥後の塗工量が8g/m2 となるようにコンマコーターで塗工乾燥して粘着剤層(G)とした。
次に熱可塑性樹脂フィルム層(A' )のIC回路層(B)と反対面と、前記粘着剤層(G)を圧着し、印刷/A/E/D/B/D/A' /G/剥離紙の構造の剥離紙付ICラベルを得た。
得られた剥離紙付きのICラベルは、剥離紙を剥がして使用される。剥離紙を剥がして測定した物性は、厚さ:510μm、白色度:90%であった。
【0054】
・全光線透過率の測定:
ICラベルの光の波長380〜780nmにおける全光線透過率(JIS−K−7105に準拠)を、分光光度計(日立製作所製:U−3310形)を用いて測定した。
全光線透過率は6.0%であった。
・印刷面の視認性:
印刷後のICラベルの熱可塑性樹脂フィルム層(A)側から見たときの視認性を以下のように評価し、その結果を上記物性とともに表2に示す。
○:ICラベルの表面に記録された文字や画像情報の識別が鮮明であり、かつ内部のIC回路層(B)が透けて見えたりしない。
△:ICラベルの表面に記録された文字や画像情報の識別が不鮮明であるか、または内部のIC回路層(B)が透けて見える。
×:ICラベルの表面に記録された文字や画像情報の識別が不鮮明であり、かつ内部のIC回路層(B)が透けて見える。
【0055】
【実施例2】
熱可塑性樹脂フィルム層(A)及び熱可塑性樹脂フィルム層(A' )として製造例1で得られた熱可塑性樹脂フィルムを用い、実施例1と同様の印刷層とした。別に、肉厚23μmの東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(商品名:ルミラー#25)を熱可塑性樹脂フィルム層(F)とし、その片面上にポリウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製、EL−150:商品名)を乾燥後の塗布量が1g/m2 となるように塗布し半乾燥後に、厚さ100nmのアルミ蒸着層を設け光隠蔽層(E)とした。また、接着剤層(D)としてポリエステル系アンカーコート剤(東洋モートン社製:AD−503;商品名)を4g/m2 (固型分の割合)用いた。
一方実施例1と同様にして、粘着剤層(G)を作成した。
次に実施例1と同様にして、印刷/A/D/E/F/D/B/D/A' /G/剥離紙の構造の剥離紙付ICラベルを得た。剥離紙付きのICラベルを作製した。剥離紙を剥がして測定した物性は、厚さ:540μm、白色度:92%、全光線透過率:6.0%であった。
【0056】
【実施例3】
実施例1において、実施例1で用いた熱可塑性樹脂フィルム(A)、及び熱可塑性樹脂フィルム(A' )を製造例2で得られた100μmのフィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷/A/E/D/B/D/A' /G/剥離紙の構造の剥剥離紙付きのICラベルを作製した。
剥離紙を剥がして測定した物性は、厚さ:590μm、白色度:94%、全光線透過率:6.0%であった。
【0057】
【実施例4】
実施例3から熱可塑性樹脂フィルム(A' )を除いた以外は、実施例3と同様にして印刷/A/E/D/B/G/剥離紙の構造の剥剥離紙付きのICラベルを作製した。
剥離紙を剥がして測定した物性は、厚さ:490μm、白色度:92%、全光線透過率:6.5%であった。
また、剥離紙を剥がした後、粘着剤同士を張り合わせることで、航空タグを得た。
【0058】
【実施例5】
製造例1で得られた熱可塑性樹脂フィルム層(A)の表面に、アクリルウレタン系樹脂および炭酸カルシウムからなる溶剤系塗料を乾燥後の塗布量が1g/m2 となるようにグラビアコーターで塗工し、印刷層とした。別に、厚さ23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(東レ(株)製、ルミラー#25)を熱可塑性樹脂フィルム層(F)および(A' )とし、この両面に黒濃度が1.65となるように黒ベタグラビア印刷(厚さ2μm)を施し、光隠蔽層(E)とした。
別に、製造例7のIC回路層(B)のIC回路及びアンテナ回路部分を35mm角に打ち抜き加工し、また製造例4で得られたIC回路保護層(C)に36mm角の打ち抜き穴を形成した。
【0059】
次に熱可塑性樹脂フィルム層(F)および(A' )片面の光隠蔽層(E)上に、接着剤層(D)としてポリエステル系アンカーコート剤を4g/m2 (固形分の割合)塗布し、打ち抜き加工した製造例4で得られたIC回路保護層(C)の片面に圧着し、A/D/E/F/E/D/Cとした。
次にIC回路保護層(C)の熱可塑性樹脂フィルム層(A)と反対面の打ち抜き穴部分に製造例7のIC回路層(B)を挿入し、光隠蔽層(E)、接着剤層(D)を設けた熱可塑性樹脂フィルム層(A' )の接着剤層(D)を圧着し、A/D/E/F/E/D/B+C/D/E/A' /Eとした。
【0060】
次にグラシン紙を基材とした剥離紙のシリコン処理面に溶剤系アクリル系粘着剤を乾燥後の塗工量が20g/m2 となるようにコンマコーターで塗工乾燥して粘着剤層(G)とし、熱可塑性樹脂フィルム層(A' )のIC回路層(B)側とは反対面に前記粘着剤層(G)を圧着した。
次に55mm×85mmのサイズに打ち抜き、印刷層に文字及び画像情報をカード印刷機でオフセット印刷し、印刷/A/D/E/F/E/D/B+C/D/E/A' /E/G/剥離紙の構造のICラベルを得た。
得られた剥離紙付きの非接触ICラベルは、剥離紙を剥がして使用される。剥離紙を剥がして各種物性、及び視認性を評価した。
得られたICラベルは、厚さ:445μm、白色度:90%、全光線透過率:5.0%であった。
【0061】
【実施例6】
実施例5において、実施例5で用いた熱可塑性樹脂フィルム層(A)を製造例2で得られた100μmのフィルムに変更した以外は、実施例5と同様にして印刷/A/D/E/F/E/D/B+C/D/E/A' /E/G/剥離紙の構造のICラベルを作製した。剥離紙を剥がして各種物性、及び視認性を評価した。
評価結果を、表2に示す。
【0062】
【実施例7】
実施例5において、実施例5で用いたIC回路保護層(C)を製造例5で得られた400μmの複合積層樹脂フィルムに変更し、実施例5で用いたIC回路層(B)を製造例8で得られたポリエステルフィルムベースのものに変更した以外は、実施例5と同様にして印刷/A/D/E/F/E/D/B+C/D/E/A' /E/G/剥離紙の構造のICラベルを作製した。剥離紙を剥がして各種物性、及び視認性を評価した。
評価結果を、表2に示す。
【0063】
【実施例8】
実施例7において、実施例7で用いたIC回路保護層(C)を製造例6で得られた400μmの無延伸樹脂積層フィルムに変更した以外は、実施例7と同様にして印刷/A/D/E/F/E/D/B+C/D/E/A' /E/G/剥離紙の構造のICラベルを作製した。剥離紙を剥がして各種物性、及び視認性を評価した。
評価結果を、表2に示す。
【0064】
【実施例9】
実施例8において、熱可塑性樹脂フィルム層(F)及び(A' )を用いず、光隠蔽層(E)として接着剤層(D)に酸化チタンウィスカーを30重量%含有するウレタン系二液硬化型の接着剤を、コンマコーターで熱可塑性樹脂フィルム層(A)の片面上に、乾燥後の重量が50g/m2 になるように塗布後、半乾燥状態でIC回路層(B)両面と圧着、積層した。8時間放置後、硬化接着が完了し、印刷/A/E+D/B+C/G/剥離紙の構造のICラベルを作製した。剥離紙を剥がして各種物性、及び視認性を評価した。
評価結果を、表2に示す。
また、剥離紙を剥がした後、粘着剤同士を張り合わせることで、航空タグを得た。
【0065】
【実施例10】
実施例9において、接着剤層(D)に酸化チタンウィスカーを含有せず、熱可塑性樹脂フィルム層(A)の印刷層と反対面に黒濃度が1.65となるように黒ベタグラビア印刷(厚さ2μm)を施し、光隠蔽層(E)を設け、印刷/A/E/D/B+C/G/剥離紙の構造のICラベルを得た。
剥離紙を剥がして各種物性、及び視認性を評価した。
評価結果を、表2に示す。
また、剥離紙を剥がした後、粘着剤同士を張り合わせることで、航空タグを得た。
【0066】
【比較例1】
実施例9で、接着剤層(D)に酸化チタンウィスカーを含有しない以外は実施例9と同様にして、印刷/A/D/B+C/G/剥離紙の構造のICラベルを作製した。剥離紙を剥がして各種物性、及び視認性を評価した。
評価結果を、表2に示す。
【0067】
【表1】
Figure 0004560258
【0068】
【表2】
Figure 0004560258
【0069】
【発明の効果】
本発明により、表面への情報記録が可能であり、内部のIC回路や配線回路が透けて見えてしまうというセキュリティー上の心配がなく、強度と耐水性に優れ、屋内外を問わず、大気中、水中でも用いることが出来、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器、物流管理用途、製造工程管理用途などに使用可能であるICラベルが得られた。

Claims (9)

  1. IC回路層(B)またはIC回路層(B)を含むIC回路保護層(C)の少なくとも片面に、接着剤層(D)および光隠蔽層(E)を介して熱可塑性樹脂フィルム層(A)を設け、片面に粘着剤層(G)を積層貼合して形成されるICラベルであって、熱可塑性樹脂フィルム層(A)に用いる熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂よりなり、熱可塑性樹脂フィルム層(A)は不透明度が80%以上、かつ白色度が90%以上であり、光隠蔽層(E)は、該熱可塑性樹脂フィルム層(A)の片面にオフセットまたはグラビア印刷により黒色ベタ印刷を行って形成したものであり、且つラベルの全光線透過率が15%以下であることを特徴とするICラベル。
  2. IC回路層(B)がICラベルより小さく、IC回路層(B)の厚みがIC回路保護層(C)の厚み以下であることを特徴とする請求項1に記載のICラベル。
  3. 光隠蔽層(E)、IC回路層(B)又はIC回路保護層(C)の間に熱可塑性樹脂フィルム層(F)、接着剤層(D)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のICラベル。
  4. 白色度が85%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のICラベル。
  5. 熱可塑性樹脂フィルム層(A)が、次式で算出された空孔率が10〜60%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のICラベル。
    空孔率(%)=[(ρ0 −ρ)/ρ0 ]×100
    (式中、ρ0 はフィルムの真密度であり、ρはフィルムの密度である。)
  6. IC回路保護層(C)に用いられる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のICラベル。
  7. ポリオレフィン系樹脂が、プロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のICラベル。
  8. 熱可塑性樹脂フィルム層(A)の表面に記録層を設けたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のICラベル。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のICラベルを用いたことを特徴とする航空タグ。
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