JP4886936B2 - ラベル用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋外宣伝用ステッカー、冷凍食品用容器のラベルや工業用製品のネーマー(使用方法、注意書きを記したラベル)に適したラベル用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外宣伝用ステッカーや冷凍食品用容器に貼着されるラベルとしては、コート紙などが用いられていたが、耐水性が乏しいので、耐水性が良好な熱可塑性樹脂フィルム、なかでもポリオレフィン系合成紙が使用されている。
この様な樹脂フィルムは、公知のものであり、その詳細については、例えば特公昭46−40794号、特公昭49−1782号、特開昭56−118437号、特開昭57−12642号及び特開昭57−56224の各公報等を参照することができる。
【0003】
しかしながら、この様なポリオレフィン系合成紙を用いたラベル用紙は、カラー電子写真プリンターで設定されている印字モードの普通紙用モード、ラベル用モードやOHP用モード、あるいは厚紙用モードで印字するとトナーの転写率が低く濃度が出なかったり、目的以外の場所にトナーが飛んだりして、色相の再現が普通紙やPET(熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂)フィルムを剥離紙に貼合したラベル用紙に比べ劣ることがあった。また、カラー電子写真プリンターではトナー定着のためヒートロール表面温度が140〜200℃と高温になり、印字ラベル基材としてポリオレフィン系合成紙を使用すると、貼合される剥離紙にくらべ熱による収縮が大きく、プリント後に発生するカールが大きくなり、ひどい場合には円筒状に丸まってしまい、剥離紙から剥がす時に剥がしにくいという問題があった。また、排紙性が悪く連続プリントできないという問題もあり、使用が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、これらの従来技術の問題点を解決することを課題とした。
すなわち本発明は、強度、耐久性および耐水性に優れ、屋外宣伝用ステッカー、冷凍食品用容器のラベルや工業用製品のネーマーに好適なラベル用紙を提供することを解決すべき課題とした。特に本発明は、カラー電子写真プリンターで印字した場合に十分な印字濃度が得られ、かつ、プリンター内でトナー定着時に発生する熱による収縮が小さくプリント後カールを低減したラベル用紙を提供することを解決すべき課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、ラベル用紙の静電容量と寸法変化率を特定の範囲内に制御することにより、印字中の熱によるカールが低減し、排紙性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、粘着剤層(B)および剥離紙(C)を順に有するラベル用紙であって、前記ラベル用紙の静電容量が4pF/cm2以上であり、室温から150℃の範囲の熱機械的分析において、前記熱可塑性フィルム(A)の昇温前と降温後との寸法変化率(α)が−2.5%〜2.5%であって、前記剥離紙(C)の昇温前と降温後の寸法変化率(β)との差(α−β)が−1.5%〜1.5%であり、前記熱可塑性樹脂フィルム(A)がプロピレン系樹脂フィルムであり、かつ、前記熱可塑性樹脂フィルム(A)がプロピレン系樹脂100重量部に対して静電容量改質剤を0.2〜160重量部含み、前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が熱処理されているラベル用紙を提供する。本発明の好ましい実施態様では、熱可塑性樹脂フィルム(A)はプロピレン系樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有する。また、熱可塑性樹脂フィルム(A)の空孔率は、0〜60%であることが好ましい。本発明のラベル用紙は、電子写真方式によって印刷することが可能であり、これら記録物も本発明に含まれる。
【0007】
本発明のラベル用紙を構成する熱可塑性樹脂フィルム(A)は延伸されていることが好ましい。また、50℃〜250℃で熱処理されていることが好ましい。
また、カラー電子写真プリンターによってA−4サイズ(210mm×297mm)の本発明のラベル用紙を印字した場合、印字から2分経過後の4隅のカール高さの平均が100mm以下であるものが好ましい。
なお本明細書において、「〜」はその前後に記載される数値を最小値および最大値として含む範囲である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明のラベル用紙について詳細に説明する。本発明のラベル用紙は、熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、順に、粘着剤層(B)および剥離紙(C)を有する。熱可塑性樹脂フィルム(A)としてはプロピレン系樹脂フィルムを使用する
【0009】
ロピレン系樹脂、耐薬品性、コストの面などで優れている。プロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体であって、アイソタクティック、シンジオタクティックおよび種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン;プロピレンを主成分とし、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。この共重合体は、2元系、3元系および4元系のいずれでもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
【0010】
本発明のラベル用紙は、静電容量が4pF/cm2以上であることを特徴とする。静電容量は、熱可塑性樹脂フィルム(A)に静電容量改質剤を添加することにより調整する。本発明に用いる静電容量改質剤は、静電容量を制御するための物質であれば制限されないが、代表的には、熱可塑性樹脂フィルム(A)を形成する熱可塑性樹脂より誘電率が大きい熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリオレフィンに分散可能なモノマーおよびオリゴマー、および無機フィラーなどが用いられる。これらの静電容量改質剤を添加することによって、本発明のラベル用紙の静電容量を4pF/cm2以上とする。
【0011】
熱可塑性樹脂フィルム(A)の静電容量改質剤として用いられる熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂フィルム(A)を形成する熱可塑性樹脂より大きな誘電率を有するものであって、例えば、オレフィン類、カルボン酸ビニル類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエーテル類、アクリル酸類等であり、これらは単独重合体または2種以上のビニル系共重合体であるビニル誘導共重合体、さらに、シアン化ビニリデン単独/共重合体、ポリオール系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0012】
より具体的な例としてオレフィン類は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
カルボン酸ビニル類は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル類は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
ビニルエーテル類は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等の共重合体等が挙げられる。
【0013】
アクリル酸類は、アクリル酸、メタクリル酸、エチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メタロール(メタ)アクリルアミド、アクリルニトリルなどが挙げられる。
ポリオール類は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。
【0014】
ポリエステル樹脂類は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチンナフタレート等が挙げられる。
ポリアミド樹脂類は、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等が挙げられる。
この熱可塑性樹脂静電容量改質剤の中では、フッ化ビニリデン、ポリエステルポリオールが好ましい。
【0015】
熱可塑性樹脂フィルム(A)の静電容量改質剤として用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。該熱硬化性樹脂に分散可能なモノマーおよびオリゴマーとしては、例えば、高級アルコール、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アンモニウム塩(好ましくは4級アンモニウム塩)、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル、リン酸エステル化物、多価アルコールの部分エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジアタノールアミド、ポリアルキレングリコール誘導体などが挙げられる。
この熱硬化性樹脂静電容量改質剤の中では、ポリアルキルグリコール誘導体が好ましい。
【0016】
静電容量改質剤として用いられる無機フィラーとしては、例えば、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントラライト、サポナイト、ヘクスライト、ソーコナイト、ヘクタイト等の誘電体、ロッシェル塩、リン酸二水素カリウム、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、ジルコン酸塩、ニオブ酸リチウム、PZT(Pb(Ti,Zr)O3)、GASH(C(NH23Al(SO42・6H2O)、DSP(Ca2Sr(C23CO26)、亜硝酸ナトリウム、硫ヨウ化アンチモン、等の強誘電体、鉄、銅、カーボン、アルミ、コバルト、ニッケル等の導電体が挙げられる。また、湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤やアニオン系帯電防止剤などにて表面処理した炭酸カルシウムや上述したフィラーを表面処理して用いても良い。
【0017】
より好ましくは、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、上記の表面処理した炭酸カルシウム、カーボンである。
これらの静電容量改質剤は、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの静電容量改質剤の種類と使用量を適宜調節することによって、熱可塑性樹脂シート(A)の静電容量を4pF/cm2以上に調整し、静電容量が4pF/cm2以上のラベル用紙を得ることができる。
【0018】
これらの静電容量改質剤は、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの静電容量改質剤の種類と使用量を適宜調節することによって、本発明のラベル用紙の静電容量を4pF/cm2以上とすることができる。
【0019】
静電容量改質剤の添加量は、前述の熱可塑性樹脂シート(A)を形成する熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、0.2〜160重量部であり、好ましくは1〜130重量部である。160重量部を超えると、縦延伸や横延伸時に熱可塑性樹脂シート(A)が破断しやすくなる傾向がある。なお、ここでいう熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および任意に添加される無機および/または有機微細粉末等の熱可塑性樹脂以外の成分からなるものである。静電容量改質剤は、熱可塑性樹脂シート(A)を形成する熱可塑性組成物中に添加・分散される。静電容量改質剤の分散状態は特に制限されない。
【0020】
熱可塑性樹脂フィルム(A)は、無機微細粉末および/または有機微細粉末を含有してもよい。無機微細粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、硫酸バリウム、アルミナ等が用いられ、平均粒径が0.01〜15μmのものが好ましい。
有機微細粉末としては、熱可塑性樹脂フィルム(A)がオレフィン系樹脂フィルムである場合は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等であって、融点が120〜300℃、ないしはガラス転移温度が120〜280℃を有するものを挙げることができる。なかでも、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体を用いることがハンドリングの点で好ましい。
【0021】
熱可塑性樹脂フィルム(A)の構造は、単層、ベース層と表面層の2層構造、ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造、およびベース層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造のいずれでもよい。またこれらに類する構造を採用することも可能である。
熱可塑性樹脂フィルム(A)が単層のオレフィン系樹脂フィルムである場合、通常、熱可塑性樹脂フィルム(A)は、熱可塑性樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有することが好ましく、オレフィン系樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末を5〜100重量部含有することがより好ましい。
【0022】
熱可塑性樹脂シート(A)がベース層および表面層を有する多層構造である場合、ベース層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有し、表面層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末を0〜300重量部含有するものであることが好ましい。より好ましくは、ベース層は、オレフィン系樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末を3〜100重量部含有し、表面層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜230重量部含有するものである。
【0023】
柔軟性のある熱可塑性樹脂シート(A)を得るためには、無機微細粉末および/または有機微細粉末は、単層構造、または多層構造のベース層中の含有量が190重量部以下であることが好ましく、表面強度をより良好なレベルとするためには、表面層中の含有量が125重量部以下であることが好ましい。
【0024】
本発明のラベル用紙に用いられる熱可塑性樹脂シート(A)は、必要に応じて、さらに、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を含有してもよい。例えば、安定剤として、立体障害フェノール系、リン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量部、光安定剤として、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量部、無機微細粉末の分散剤として、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸等を0.01〜4重量部配合してもよい。
【0025】
熱可塑性樹脂フィルム(A)の形成方法は特に限定されず、公知の種々の方法が使用できる。具体例としては、上記の成分からなる組成物を、スクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、延伸成形、インフレーション成形、熱可塑性樹脂と有機溶媒やオイルとの混合物をキャスト成形またはカレンダー成形し、その後溶剤やオイルを除去する方法、および熱可塑性樹脂を溶液として成形し、その後溶媒除去する方法などが挙げられる。なかでも、幅や面積の大きいフィルムの成形に適した延伸成形が好ましい。
【0026】
延伸には、公知の種々の方法が使用できる。具体的な方法は特に制限されないが、例えば、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などを挙げることができる。
延伸の温度は、熱可塑性樹脂の種類および延伸プロセスに合わせて適宜選択される。具体的には、非結晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上、結晶性樹脂の場合には、非結晶部分のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下に設定することができる。特に、熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)の場合には110〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)の場合には110〜120℃であり、融点より2〜60℃低い温度にすることが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)の場合には、結晶化が急激に進まない温度を選択する。
延伸速度は20〜350m/分にすることが好ましい。
【0027】
延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例えば、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体またはその共重合体を使用し、一方向に延伸する場合は好ましくは約1.2〜12倍、より好ましくは2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜60倍、より好ましくは10〜50倍である。その他の熱可塑性樹脂を使用し、一方向に延伸する場合は好ましくは1.2〜10倍、より好ましくは2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜20倍、より好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に応じて高温での熱処理が施される。
【0028】
熱可塑性樹脂フィルム(A)がプロピレン単独重合体を使用し、熱可塑性樹脂フィルム(A)の形成方法がテンターオーブンを用いた横延伸工程を含む場合、後半に熱セットゾーンを設け、その設定温度をできるだけ高くし、延伸成形されたポリプロピレン系フィルムの温度を、最も高い場合はその融解温度近傍まで高くすることは、熱収縮率低減に効果がある。この目的において、熱セットゾーンの設定温度は、延伸工程のライン速度や熱セットゾーンで吹き付けられる高温空気の流速や流量、熱セットゾーンの構造等により種々の選択が可能であるが、例えば、50〜250℃の範囲が使用される。
【0029】
熱可塑性樹脂フィルム(A)の成形後の厚さは、通常40〜500μm、好ましくは45〜350μmである。特に無機および/または有機微細粉末を含有する場合には、厚さが40μm未満ではフィルム強度が不足する傾向がある。熱可塑性樹脂フィルム(A)の厚さが400μmを超えると、電子写真プリンタの機種によっては、用紙が重くなり送りロールで送紙できなくなったり、通紙できなくなる可能性がある。
【0030】
熱可塑性樹脂フィルム(A)が、無機微細粉末および/または有機微細粉末を含有する場合、フィルム表面に微細な亀裂を、フィルム内部に微細な空孔を生じさせることもできる。このような場合、延伸工程を経て製造されるフィルムは、微細なボイドを有する。
熱可塑性樹脂フィルム(A)は、好ましくは、以下の式で表される空孔率が0〜60%であり、より好ましくは5〜40%である。
【0031】
【数1】
Figure 0004886936
式中、ρ0はフィルムの真密度を表し、ρ1はフィルムの延伸後の密度(JISP−8118)を表す。延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度ρ0は延伸前の密度にほぼ等しい。
得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)の物性は、一般に、密度0.65〜1.2g/cm3、不透明度20%以上、ベック平滑度50〜25,000秒である。
【0032】
熱可塑性樹脂フィルム(A)には、トナー受容層や粘着剤の塗工性改善、トナーの密着性向上、トナー受容層や接着剤と熱可塑性樹脂フィルム(A)との接着性向上、および帯電防止のために、表面処理を施すことが好ましい。表面処理の方法としては、表面酸化処理や表面処理剤による処理を挙げることができる。表面酸化処理と表面処理剤による処理は組み合わせて行うのが好ましい。
【0033】
表面酸化処理としては、フィルムに一般的に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理等を単独または組み合わせて使用することができる。なかでも、コロナ処理、フレーム処理が好ましい。処理量は、コロナ処理の場合は好ましくは600〜12,000J/m2(10〜200W・分/m2)、より好ましくは1,200〜9,000J/m2(20〜180W・分/m2)であり、フレーム処理の場合は好ましくは8,000〜200,000J/m2、より好ましくは20,000〜100,000J/m2である。
【0034】
表面処理剤としては、プライマーや帯電防止性ポリマーの中から選ばれる1種または2種以上の混合物を主成分とするものを好ましく用いることができる。中でも、プライマーないしはプライマーと帯電防止性ポリマーとの組み合わせからなる表面処理剤を用いることが、トナー付着と帯電防止の観点から好ましい。
【0035】
プライマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12の範囲のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)およびポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、またポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散性樹脂等が用いられる。
【0036】
これらの内で好ましくは、ポリエチレンイミン系重合体およびウレタン樹脂、ポリアクリル酸エステル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重合体であり、更に好ましくは重合度が20〜3,000のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性された変性ポリエチレンイミンである。
【0037】
帯電防止ポリマーとしてはカチオン系、アニオン系、両性系等の高分子型のものが挙げられる。カチオン系帯電防止ポリマーとしては、四級アンモニウム塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含有アクリル系ポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙げることができる。また両性系帯電防止ポリマーとしては、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙げることができる。またカチオン系帯電防止ポリマーとしては、スチレン−無水マレイン酸共重合体ないしはそのアルカリ金属塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩ないしはエチレン−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などが挙げられる。中でも、四級アンモニウム塩構造の窒素を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
【0038】
帯電防止ポリマーの分子量は、重合温度、重合開始剤の種類および量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意のレベルとすることができる。一般には得られる重合体の分子量は1,000〜1,000,000であるが、中でも1,000〜500,000の範囲が好ましい。
【0039】
本発明では、必要に応じて架橋剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などを含む表面処理剤を好ましく用いることができる。
表面処理剤に架橋剤を添加しておくことにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、グリシジルエーテル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポキシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマリン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。架橋剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して100重量部以下の範囲である。
【0040】
表面処理剤に用いることができるアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩として、水溶性の無機塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性塩、および塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、アンモニウム明礬等が挙げられる。任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して50重量部以下である。
【0041】
表面処理層剤には、更に、界面活性剤、消泡剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他の助剤を含ませることもできる。これらの任意成分の量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対して20重量部以下である。
【0042】
上記表面処理層の各成分は、水或いはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるものであるが、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液濃度は通常0.1〜25重量部、好ましくは0.1〜11重量部程度である。
塗工は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サイズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去される。
【0043】
塗工量は乾燥後の固形分として0.005〜5g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2である。
熱可塑性樹脂シート(A)への表面処理層の塗工は、その縦または横延伸の前後を問わず、一段の塗工でも多段の塗工でもよい。
【0044】
熱可塑性樹脂フィルム(A)の熱機械的分析における寸法変化を低減するために、上記の成形と延伸に加え、熱セットゾーンにおける高温セット、または成形後もしくは後に示す表面処理の後に熱処理を行うことが好ましい。
加熱温度は、50〜250℃、好ましくは60〜210℃、より好ましくは80〜200℃である。50℃未満では熱処理の効果が不十分であり、250℃を超えるとフィルムの変形やボコツキが起こる場合がある。さらに、熱可塑性樹脂がプロピレン系樹脂である場合は、加熱温度は好ましくは70〜190℃であり、より好ましくは80〜170℃であり、さらに好ましくは90〜155℃である。70℃未満では、熱処理の効果が不十分であるか、十分な効果を得るのに時間がかかり、工業生産上効率が上がりにくい。
【0045】
加熱時間は、好ましくは2秒〜30日間の範囲で種々の選択が可能であるが、より好ましくは4秒〜7日間であり、さらに好ましくは4秒〜2日間である。30日より長いとフィルムの劣化が起こりやすく、2秒未満では処理効果が不十分な場合がある。
熱処理の方法の例としては、上記のテンターオーブンを使用する延伸後の高温の熱セットゾーンでの熱処理、枚葉または巻きロール状態でオーブン中での処理、高温空気やスチームその他の熱媒体による加熱等が挙げられる。熱処理中のフィルムの状態としては、加熱に伴い徐々に収縮させるようにフィルムの端を拘束しない状態や、フィルムの端を固定する場合では、相対する2端又は相対する2組の2端の固定具の間隔をフィルムの熱収縮に伴い縮めることが可能な状態、およびフィルムの少なくとも相対する2端を固定してフィルムの収縮に追随しない状態が挙げられる。具体的な熱処理方法としては、通風オーブン中での巻きロール状態で加熱する方法、枚葉を単独または複数枚重ねた状態で加熱する方法、少なくとも1本の高温のロールに接触させて加熱する方法等が挙げられる。
【0046】
本発明のラベル用紙は、上記の熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、粘着剤層(B)を有する。粘着剤層(B)の種類や厚さ(塗工量)は、被着体の種類や使用される環境、接着の強度等により種々選択が可能である。
粘着剤層(B)は、一般に用いられる水系もしくは溶剤系の粘着剤を塗工、乾燥して形成することができる。粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系等の合成高分子粘着剤を使用することができる。粘着剤は、有機溶媒溶液や、ディスパージョン、エマルジョン等の水に分散された形態で使用可能である。また、ラベルの不透明度向上のため、粘着剤に酸化チタンなどの顔料を含有させることも可能である。
【0047】
粘着剤層(B)は、溶液状態で剥離紙(C)のシリコン処理面上に塗工して形成することができる。場合によっては、粘着剤層(B)を熱可塑性樹脂フィルム(A)に直接に塗工して形成することもある。
塗工は、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコーター等により行われ、必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、粘着剤層(B)が形成される。
粘着剤層(B)の厚さはラベルの使用目的に応じて種々選択が可能であるが、通常2〜30μmであり、好ましくは5〜20μmである。
【0048】
本発明のラベル用紙は、上記熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、順に、粘着剤層(B)および剥離紙(C)を有する。剥離紙(C)としては、通常一般的なものを使用することができる。例えば、上質紙やクラフト紙をそのまま、またはカレンダー処理、樹脂塗工もしくはフィルムラミネートしたもの、グラシン紙、コート紙、プラスチックフィルムなどにシリコン処理を施したものが使用できる。剥離紙(C)は、ラベル用紙の貼付使用に際して、粘着剤層(B)との剥離性を良好にするため、粘着剤層(B)に接触する面にシリコン処理が施されるのが一般的である。
【0049】
本発明のラベル用紙の静電容量は、単位電極面積あたり4pF/cm2以上であり、好ましくは6〜1000pF/cm2、より好ましくは8〜800pF/cm2である。静電容量が4pF/cm2未満であると、プリンターのどの印字モードで印字してもトナー転写率が低く十分な印字濃度が得られない。また、静電容量が1000pF/cm2を超えると、プリンタ排紙時、プリンタ内でトナーを用紙に転写するために印加された電荷がラベル用紙に残り、排紙トレイ上でシート及びラベル用紙同士が引き合い、ブロッキングをきたしやすくなる傾向がある。また、1000pF/cm2を超える静電容量を得るためには、多量の静電容量改質剤をラベル用紙中に添加する必要があり、製造コストが高くなる傾向がある。
本発明のラベル用紙の静電容量の測定には、HEWLETT PACKARD社の「4192A LF IMPEDANCE ANALYZER」を使用し、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気で直径38mmの印加電極とガード電極間に電極直径より大きい試料を挟み込み、5Vの電圧を印加して、10Hz〜1MHzの範囲の周波数で測定し周波数300Hzの測定値を代表値とした。
【0050】
本発明のラベル用紙は、電子写真方式による印刷で十分な記録濃度が得られ、記録操作時の走行性も良好であるため、電子写真記録物になりうる。特に、静電容量を特定の範囲にすることで、本発明の記録物は、普通紙と遜色ない印刷品質を有する。
また、本発明のラベル用紙に印刷された記録物は、耐水性や耐久性にも優れているという特徴を有する。このため、本発明のラベル用紙に印刷された記録物は、耐水性や耐久性が要求される環境下で使用するのに適している。例えば、屋外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タグや、使用方法や注意書きを記した製造管理用カードとして、本発明は有効に利用することができる。
【0051】
本発明のラベル用紙は、室温から150℃の範囲の熱機械的分析において、特定の寸法変化率を有するものが好ましい。
熱機械的分析は、市販の熱機械的分析装置を用いて測定することができる。その装置、原理、特徴、用途の代表例は、日本分析機器工業会 編集・発行「1997 分析機器総覧」IV章92ページ(1997年9月1日)、Bernhard Wunderlich著「Thermal Analysis」Chapter 6、311頁〜332頁、Academic Press,Inc.1990年などの文献に示されている。
【0052】
熱機械的分析に用いられるTMA測定装置の具体例として、セイコーインスツルメンツ社の「TMA120C」、パーキンエルマー社の「TMA7」、島津製作所社の「TMA−50」、真空理工社の「TM−9200」などが挙げられる。
本発明に用いるTMAによる昇温と降温測定の前後における寸法変化率測定の一例としては、TMA装置、たとえば、セイコーインスツルメンツ社の「TMA120C」を使用し、張力モードにて、荷重を約1〜20gの範囲で選択して固定とし、測定するフィルム試験片の測定部分の寸法を幅4mm、長さ10mm(上下のクランプ部に固定される部分の寸法は除く)とし、測定時の昇温速度と降温速度を共に2℃/分、測定温度範囲は室温の25℃〜50℃を出発点とし150℃まで昇温した後、室温まで降温して、寸法を測定する。測定前の試験片の測定部分の長さ10mmを100%として、収縮または膨張の割合を百分率で表し、寸法変化率とする。
【0053】
本発明において、熱可塑性樹脂フィルム(A)の寸法変化率(α)は、熱機械的分析(TMA)により測定され、室温から150℃の範囲で昇温前と降温後の寸法変化率の、縦方向(MD)と横方向(TD)のうち大きい方である。本発明では−2.5%(伸張)〜2.5%(収縮)であり、好ましくは−1.5%(伸張)〜1.5%(収縮)であり、より好ましくは−1%(伸張)〜1%(収縮)である。−2.5%〜2.5%からはずれる範囲では、プリンター通紙に伴うカールが大きく、通紙トラブルが起こりやすく、剥離紙から熱可塑性樹脂フィルムを剥がす際に作業性が悪い。
【0054】
剥離紙(C)の寸法変化率(β)は、熱可塑性樹脂フィルム(A)の熱機械分析により測定される寸法変化率と同様の条件で測定することができる。縦方向、すなわちロール巻きの巻き取り方向(MD)の寸法変化率を剥離紙の寸法変化率とする。
本発明のラベル用紙は、プリンターでの通紙に伴うカールをより小さくするという観点から、熱可塑性フィルム(A)の寸法変化率(α)と剥離紙(C)の寸法変化率(β)との差(α−β)が−1.5%〜1.5%であり、好ましくは−1.2%〜1.2%であり、より好ましくは−1.0%〜1.0%である。
【0055】
本発明のラベル用紙は、A−4サイズ(210mm×297mm)に断裁し、カラー電子写真プリンターによって印字した場合、印字から2分経過後の4隅のカール高さの平均が100mm以下であることが好ましい。
より詳しくは、ラベル用紙をA−4サイズ(210mm幅方向×297mm流れ方向)に断裁し、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で1日間放置後、市販のカラー電子写真プリンター(SONY TEKTRONIX(株)製、商品名Phaser 740J)によって、熱可塑性樹脂フィルム(A)を上にし印字面とした通紙経路で印字を行う。印字テストモデル図は、重色、単色が混合する絵柄の物を選択する。プリンター通紙後、ラベル用紙を温度23℃、相対湿度50%にて平らな台の上に放置し、通紙2分後の四隅のカールが上向きに持ち上がる方向に置き、熱可塑性樹脂フィルム側に持ち上がった時をプラス、剥離紙側に持ち上がったときにはマイナスとし、4隅の高さの平均値を測定する。この平均値が100mm以下であることが好ましい。
【0056】
本発明のラベル用紙は電子写真プリンター用ラベル用紙としての使用は勿論のこと、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷、紫外線硬化型オフセット印刷、シートの形態でもロールの形態の輪転方式の印刷にも使用可能である。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を記載して本発明をさらに具体的に説明する。以下の実験例に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。しがたって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0058】
<実施例1>
(熱可塑性樹脂フィルム(A))
メルトフローレート(MFR)4g/10分のプロピレン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウム15.5重量部、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン10重量部、静電容量改質剤として四級アンモニウム塩(Am.Syanamid社製、商品名Cyastat SP)1.0重量部、および、プロピレン単独重合体と炭酸カルシウムの合計量100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部、フェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部を配合し、組成物(b)とした。この組成物(b)を250℃に設定した押出機にて混練した後、230℃に設定した押出機に接続したTダイより押し出し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。このシートを155℃に加熱して、周速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.6倍延伸した。
【0059】
一方、MFRが11g/10分のプロピレン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μmの炭酸カルシウム75重量部、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン3.5重量部、静電容量改質剤として四級アンモニウム塩(Am.Syanamid社製、商品名Cyastat SP)2.7重量部、および、プロピレン単独重合体と炭酸カルシウムの合計量100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部、フェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部を配合し、組成物()とした。この組成物()を240℃に設定した押出機で溶融混練し、上記で得た組成物(b)の延伸シートの両面に共押し出しし、3層積層物(a/b/a)を得た。
【0060】
得られた3層積層物をテンターオーブンにて150℃に加熱した後、横方向に9.5倍延伸した。ついで、テンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて、厚さ80μmの3層積層フィルム(各層の厚さ:a/b/a=17μm/46μm/17μm)を得た。
【0061】
このフィルムの両面に、印加エネルギー密度90W・分/m2にてコロナ放電処理を行った。
続いて、このフィルムの両面に、ブチル変性ポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、および下記の一般式で示される第4級アンモニウム塩構造を含む基を分子鎖内に含むアクリル酸アルキルエステル系重合体の等量混合物の水溶液を、ロールコーターを用い、乾燥後の塗工量が片面あたり約0.1g/m2となるように塗工し、乾燥して表面処理層を形成し、熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。
【0062】
【化1】
Figure 0004886936
【0063】
得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)を165℃に調整した熱セットゾーンにおいて熱処理した。さらに、このフィルムをB4サイズにカットし、110℃に調整した通風オーブン中で15分間熱処理した。
熱可塑性樹脂フィルム(A)のJIS P8118−1976に基づく坪量は68g/m2、密度は0.85g/cm3、空孔率は26%であった。
【0064】
(粘着剤層(B)の形成と剥離紙(C)の貼合)
上質紙の両面にポリエチレンフィルムをラミネートし、さらに片面にシリコン処理を施し、厚さ173μm、密度0.9g/cm3の剥離紙(C)を得た。この剥離紙(C)のシリコン処理面に、溶剤系アクリル系粘着剤を、乾燥後の塗工量が6g/m2となるようにコンマコーターで塗工し、乾燥して厚さ5μmの粘着剤層(B)とした。得られた剥離紙(C)上の粘着剤層(B)を熱可塑性樹脂フィルム(A)と貼合して、本発明のラベル用紙を得た。
【0065】
(静電容量の測定)
得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)および本発明のラベル用紙の静電容量を、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、HEWLETT PACKARD社の「4192A LF IMPEDANCE ANALYZER」を使用し、直径38mmの電極に電極直径より大きい試料を挟み込み5Vの電圧を印可して、周波数300Hzで測定した。その結果、熱可塑性樹脂フィルム(A)の静電容量は40pF/cm2であり、本発明のラベル用紙の静電容量は16pF/cm2であった。
【0066】
(熱機械分析による寸法変化率の測定)
寸法変化率は、TMA装置(セイコーインスツルメンツ社製、装置名TMA120C)を使用し、張力モードにて測定した。熱可塑性樹脂フィルム(A)試片の測定部分の寸法は幅4mm、測定部分の長さ10mm(上下のクランプ部に固定される部分の寸法は共に5mm)とし、張力を5g負荷した。昇温速度と降温速度は共に2℃/分とし、温度範囲は40℃を出発点とし150℃まで昇温した後、室温まで降温し、試片の寸法を測定した。加熱前の試片の測定部分の長さ10mmを100%として、加熱・降温後の収縮の割合を百分率で表したところ、MD方向の寸法変化率は0.6%(α)であった。同様に剥離紙(C)に5gの張力を負荷し、寸法変化を測定すると、膨張傾向にあり、百分率で表したMD方向の寸法変化率は−0.15%(β)であった。
【0067】
(プリント適性評価)
得られた本発明のラベル用紙をA−4サイズ(210mm幅方向×297mm流れ方向)に断裁し、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で1日間放置した。次に、市販のカラー電子写真プリンター(SONY TEKTRONIX(株)製、商品名Phaser 740J)にて、熱可塑性樹脂フィルム(A)を上向きに印字面として通紙し、排紙時も印字面が上になる経路で印字を行った。
プリンター通紙後、ラベル用紙を23℃、相対湿度50%の雰囲気下、平らな台の上に放置し、通紙2分後に、四隅のカール高さを測定したところ、平均値は35mmであった。
印字品質は、重色、単色が混合するテストモデル図を印字して目視にて評価し、市販のPPC用パルプ紙に印字したものと比較して同等であったので、問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0068】
<比較例1>
熱可塑性樹脂フィルム(A)に通風オーブン中での熱処理を施さなかった以外は実施例1と同様の操作を行って、静電容量が39pF/cm2、JIS P8118−1976に基づく坪量が62.4g/m2、密度0.78g/cm3、空孔率31%の熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。
この熱可塑性樹脂フィルム(A)に実施例1と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は16pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は3.25%であった。このラベル用紙について実施例1と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル用紙は円筒状になり、カール高さを測定することができなかった。そのときの印字品質には問題はなかった。結果を表1に示す。
【0069】
<比較例2>
静電容量改質剤を配合しなった以外は実施例1と同様の操作を行って、静電容量が11pF/cm2、JIS P8118−1976に基づく坪量が116g/m2、密度0.77g/cm3、空孔率32%で厚さ150μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。
この熱可塑性樹脂フィルム(A)に実施例1と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は3pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.75%であった。このラベル用紙について実施例1と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル用紙のカール高さは20mmであり、印字品質は、PPC用パルプ紙に比べトナー濃度が薄かったので不良(×)とした。結果を表1に示す。
【0070】
<実施例2>
3層構造の熱可塑性樹脂フィルム(A)の組成物(a)および(b)に、静電容量改質剤としてポリエステルポリオール(第一工業製薬(株)社製、商品名PX3043Q)をそれぞれ43重量部練り込み、実施例1と同様の操作を行って、厚さ80μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電容量が34pF/cm2、JIS P8118−1976に基づく坪量が68g/m2、密度0.85g/cm3、空孔率26%であった。
この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例1と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は15pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.85%であった。このラベル用紙について実施例1と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル用紙のカール高さは40mmであり、印字品質はPPC用パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、問題なし(〇)とした。結果を表1に示す。
【0071】
<実施例3>
3層構造の熱可塑性樹脂フィルム(A)の組成物(a)および(b)に、静電容量改質剤として230℃、5000gのMFRが7g/10分のフッ化ビニリデン(呉羽化学工業(株)製、商品名KFポリマー W−#1000)をそれぞれ43重量部、PMMA(住友化学工業(株)製、商品名スミペックスLG)5重量部を練り込み、実施例1と同様の操作を行って、厚さ80μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電容量が34pF/cm2、密度0.95g/cm3、空孔率26%であった。
この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は15pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.25%であった。このラベル用紙について実施例と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル用紙のカール高さは10mmであり、印字品質はPPC用パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0072】
<実施例4>
MFR4g/10分のプロピレン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウム3重量部、静電容量改質剤としてルチル型酸化チタン(石原産業(株)製、商品名タイペーク CR−60)43重量部、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン10重量部、および、プロピレン単独重合体100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部を配合し、組成物(b)とした。この組成物(b)を250℃に設定した押出機にて混練した後、230℃に設定した押出機に接続したTダイよりシート状に押し出し、冷却装置にて冷却して無延伸シートを得た。このシートを155℃の温度に加熱して、周速の異なるロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.6倍延伸した。
【0073】
一方MFRが11g/10分のプロピレン単独重合体に対し、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウム3重量部、静電容量改質剤としてルチル型酸化チタン(石原産業(株)製、商品名タイペークCR−60)82重量部、MFRが10g/10分の高密度ポリエチレン3.5重量部、および、プロピレン単独重合体100重量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン618)0.05重量部を配合し、組成物()とした。この組成物()を240℃に設定した押出機で溶融混練し、上記で得た組成物(b)の延伸シートの両面に共押し出しし、3層積層物(a/b/a)を得た。
【0074】
得られた3層積層物を実施例1と同様にテンターオーブンにて150℃に加熱した後、横方向に9.5倍の延伸した。ついでテンターオーブンに続いた熱セットゾーン(設定温度165℃)を通過させて、厚さ80μmの3層積層フィルム(各層の厚み 17μm/46μm/17μm)を得た。
得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電容量が28pF/cm2、密度1.28g/cm3、空孔率2%であった。
【0075】
この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は13pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.25%であった。このラベル用紙について実施例と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル用紙のカール高さは5mmであり、印字品質はPPC用パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0076】
<実施例5>
実施例4の3層構造の熱可塑性樹脂フィルム(A)の組成物(a)および(b)の静電容量改質剤として、ルチル型酸化チタンに替えて、湿式粉砕中にジアリルアミン系共重合体(カチオン系界面活性剤)で処理し、さらにアニオン系帯電防止剤を表面処理した平均粒子径が0.8μmの炭酸カルシウム((株)ファイマテック製)を実施例4のルチル型酸化チタンと同量添加し、実施例1と同様の操作を行って、厚さ80μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電容量が40pF/cm2、密度1.23g/cm3、空孔率12%であった。
【0077】
この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は16pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.45%であった。このラベル用紙について実施例と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル用紙のカール高さは7mmであり、印字品質はPPC用パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0078】
<実施例6>
実施例4の3層構造の熱可塑性樹脂フィルム(A)の組成物(a)および(b)の静電容量改質剤として、ルチル型酸化チタンに替えて、チタン酸バリウム(堺化学工業(株)製、商品名BT−05)を実施例4のルチル型酸化チタンと同量添加し、実施例1と同様の操作を行って、厚さ80μmの熱可塑性樹脂フィルム(A)を得た。得られた熱可塑性樹脂フィルム(A)は、静電容量が26pF/cm2、密度1.32g/cm3、空孔率4%であった。
【0079】
この熱可塑性樹脂フィルムに、実施例と同様の粘着剤層(B)と剥離紙(C)を貼合し、ラベル用紙を作製した。得られたラベル用紙の静電容量は12pF/cm2であり、熱可塑性樹脂フィルム(A)と剥離紙(C)の熱機械分析による寸法変化率の差は0.25%であった。このラベル用紙について実施例と同じ方法で印字評価を行ったところ、プリンター通紙後のラベル用紙のカール高さは5mmであり、印字品質はPPC用パルプ紙に印字したものと比較して遜色なかったので、問題なし(○)とした。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
Figure 0004886936
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、強度、耐久性および耐水性に優れ、屋外宣伝用ステッカー、冷凍食品用容器のラベルや工業用製品のネーマーに好適なラベル用紙であって、印字品質が良好で、かつ印字後のカールが低減され、排紙性が改善されたラベル用紙が提供される。本発明のラベル用紙は、カラー電子写真プリンターで一般に設定されている印字モードで印字しても、普通紙あるいはPETフィルムを用いたラベル用紙と遜色ない印字濃度が得られる。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、粘着剤層(B)および剥離紙(C)を順に有するラベル用紙であって、
    前記ラベル用紙の静電容量が4pF/cm2以上であり、
    室温から150℃の範囲の熱機械的分析において、前記熱可塑性フィルム(A)の昇温前と降温後との寸法変化率(α)が−2.5%〜2.5%であって、前記剥離紙(C)の昇温前と降温後の寸法変化率(β)との差(α−β)が−1.5%〜1.5%であり、
    前記熱可塑性樹脂フィルム(A)がプロピレン系樹脂フィルムであり、かつ、前記熱可塑性樹脂フィルム(A)がプロピレン系樹脂100重量部に対して、四級アンモニウム塩、ポリエステルポリオール、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、または湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤もしくはアニオン系帯電防止剤で表面処理した炭酸カルシウムを1.0〜82重量部含み、
    前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が熱処理されている
    ラベル用紙。
  2. 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が、プロピレン系樹脂100重量部に対して、ポリエステルポリオール、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、または湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤もしくはアニオン系帯電防止剤で表面処理した炭酸カルシウムを1.0〜82重量部含むことを特徴とする請求項1に記載のラベル用紙。
  3. 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が、プロピレン系樹脂100重量部に対して無機微細粉末および/または有機微細粉末を1〜190重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載のラベル用紙。
  4. 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)の空孔率が0〜60%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラベル用紙。
  5. 前記熱可塑性樹脂フィルム(A)が延伸されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラベル用紙。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のラベル用紙を電子写真方式にて印刷した記録物。
  7. 熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、粘着剤層(B)および剥離紙(C)を順に有するラベル用紙であって、前記ラベル用紙の静電容量が4pF/cm2以上であり、室温から150℃の範囲の熱機械的分析において、前記熱可塑性フィルム(A)の昇温前と降温後との寸法変化率(α)が−2.5%〜2.5%であって、前記剥離紙(C)の昇温前と降温後の寸法変化率(β)との差(α−β)が−1.5%〜1.5%であるラベル用紙の製造方法であって、
    プロピレン系樹脂100重量部に対して、四級アンモニウム塩、ポリエステルポリオール、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、または湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤もしくはアニオン系帯電防止剤で表面処理した炭酸カルシウムを1.0〜82重量部含むフィルムを熱処理することにより前記熱可塑性樹脂フィルム(A)を製造する工程、および、
    製造した熱可塑性樹脂フィルム(A)の片面に、粘着剤層(B)および剥離紙(C)を順に形成する工程
    を含むことを特徴とするラベル用紙の製造方法。
  8. 熱処理する前記フィルムが、プロピレン系樹脂100重量部に対して、ポリエステルポリオール、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、または湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤もしくはアニオン系帯電防止剤で表面処理した炭酸カルシウムを1.0〜82重量部含むことを特徴とする請求項7に記載のラベル用紙の製造方法。
  9. 前記熱処理において、加熱温度を70〜190℃とし、加熱時間を2秒〜30日間とすることを特徴とする請求項7または8に記載のラベル用紙の製造方法。
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