JPH08142286A - 複層構造の合成紙 - Google Patents

複層構造の合成紙

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JPH08142286A
JPH08142286A JP30421694A JP30421694A JPH08142286A JP H08142286 A JPH08142286 A JP H08142286A JP 30421694 A JP30421694 A JP 30421694A JP 30421694 A JP30421694 A JP 30421694A JP H08142286 A JPH08142286 A JP H08142286A
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JP30421694A
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Masayuki Inoue
正行 井上
Haibin Riyuu
佩敏 劉
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Yupo Corp
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Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オフセット印刷インキの乾燥が速く、紙粉ト
ラブルの少ない印刷性に優れた複層構造の合成紙であっ
て、ポスター用紙、包装紙、ラベル用紙等の素材として
有用な合成紙を提供する。 【構成】 平均粒径が1〜10μmの無機微細粉末5〜
40重量%を含有するプロピレン系重合体の二軸延伸フ
イルムを基材層(A)とし、この基材層の少なくとも片
面に平均粒径が0.1〜4μmの無機微細粉末8〜50
重量%とβ晶形成核剤0.001〜1重量%を含有する
結晶性プロピレン重合体の一軸延伸フイルムが表面層
(B)として積層された構造の複層構造の合成紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷インキ
の乾燥が速く、紙粉トラブルの少ない印刷性に優れた複
層構造の合成紙に関し、この合成紙は、ポスター用紙、
包装紙、ラベル用紙等の素材として有用な合成紙に関す
る。
【0002】
【従来技術】天然パルプ抄造紙に代わって無機微細粉末
を5〜40重量%含有するポリプロピレンの二軸延伸フ
イルムを基材層とし、この表裏面に無機微細粉末を8〜
65重量%含有するポリプロピレンの一軸延伸フイルム
を紙状層とする合成紙が提案され、実用化されている。
(米国特許第4,318,950号明細書、特公昭46
−40794号公報、特公昭60−36173号公報、
特公昭62−35412号公報等参照)
【0003】この積層構造の合成紙は、無機微細粉末を
核としてその周辺に微細な空孔(マイクロボイド)を多
数有していて、かつ、表面には数多くの長尺状の亀裂を
有しているため、微細な空孔および表面亀裂の核となっ
た無機微細粉末の一部が表面より突出しており、表面層
よりこの無機微細粉末が脱落(いわゆる紙粉トラブル)
し易くなっており、該脱落した無機微細粉末はオフセッ
ト印刷時のブランケット胴を汚し、また印刷インク中に
混入して、連続印刷性を低下させるので好ましくない。
【0004】特に、表面層を構成する一軸延伸フイルム
に無機微細粉末を50%を超えて含有させたり、粒径が
4μmを超えるような粗い無機微細粉末を含有させた合
成紙の場合、近年の高速オフオット印刷機では短時間で
紙粉が累積してしまい、頻繁に印刷機を停止して印刷機
を清掃する必要が有り、印刷作業性が極めて悪い。
【0005】一方、従来であれば1日目に印刷した表
(おもて)面は翌日になされる裏面印刷がなされるまで
に乾燥していれば良かったが、高速印刷機では午前中に
印刷した表面は午後の裏面印刷までに乾燥している必要
が有り、無機微細粉末の含有量を50重量%以下にした
り、粒径が4μm以下の細かい無機微細粉末を用いた場
合には、インキ乾燥性が遅く、午後すぐに印刷作業にか
かれないという問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉛筆筆記性
に優れ、オフセット印刷インクの乾燥が早く、紙粉トラ
ブルの少ない高速印刷作業性に優れた合成紙の提供を目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】平均粒径が1〜10μm
の無機微細粉末5〜40重量%を含有するプロピレン系
重合体の一軸延伸フイルムの少なくとも片面に、平均粒
径が0.1〜4μmの無機微細粉末8〜50重量%及び
β晶形成核剤0.001〜1重量%を含有する結晶性プ
ロピレン重合体組成物を冷却固化後の結晶部分のβ晶比
率が10〜85%となるように溶融押出しラミネート
し、このラミネートフイルムをプロピレン系重合体の一
軸延伸フイルムの延伸方向と垂直方向にβ晶の融点より
も高く、α晶の融点よりも低い温度で延伸して、二軸延
伸されたプロピレン系重合体の基材層フイルム(A)と
一軸延伸された結晶性プロピレン系重合体の表面フイル
ム(B)とが積層された構造の複層構造の合成紙を提供
するものである。
【0008】(作用)高速印刷時紙粉トラブルを防止す
るため、表面層の無機微細粉末の粒径を4μm以下と
し、その含有量を50重量%以下とした場合、合成紙の
表面の平滑度が高くなりすぎ、重ねられた印刷物のそれ
ぞれの表面への空気の供給が不充分となるため酸化重合
して乾燥する高速オフセット印刷用のインキの乾燥が遅
くなる。通常、結晶性プロピレン重合体の結晶は、融点
が160℃〜174℃で単斜晶結晶のα晶構造をとる
が、特定の核剤を含有させることにより融点が142℃
〜153℃で六方晶結晶格子のβ晶構造を形成する
(R.J.サムエルス、R.Y.イエー著:J.POL
YMER SCI.A−2,10,385,1972年
刊)。
【0009】本発明では表面層にβ晶形成核剤を含有さ
せて加熱延伸前の表面層フイルムにβ晶を形成させ、β
晶がα晶に転移する前にα晶を溶融させることなくβ晶
が溶融する温度に加熱してフイルムを延伸すると、β晶
の溶融した部分に微細な陥没孔や亀裂を生じさせる。こ
の陥没や亀裂の存在がインキの乾燥速度を向上させ表
(おもて)面の印刷後に、数時間経過すれば直ちに裏面
をオフセット印刷できることを可能ならしめたものと推
測される。以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】〔発明の概要〕 (基材層)本発明の複層合成紙の基材層(A)は、平均
粒径(レーザー回折式粒子径測定装置「マイクロトラッ
ク」〔株式会社日機裝製(商品名)〕で測定した重量累
積で50%にあたる粒径)が、1〜10μm、好ましく
は2〜6μmの無機微細粉末5〜40重量%、好ましく
は10〜35重量%含有するプロピレン系重合体フイル
ムの二軸延伸物である。この層は二軸延伸により生じた
ミクロボイドを次式(1)で示される空孔率が5〜55
%、好ましくは10〜45%の範囲と多数含有している
プロピレン系重合体の二軸延伸フイルムであるので、合
成紙の軽量化に役立つ。
【0011】
【式1】
【0012】基材層に配合される無機微細粉末として
は、炭酸カルシウム、酸化チタン、焼成クレー、ケイソ
ウ土、タルク、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、シリ
カ等を用いることができる。基材層のプロピレン系重合
体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチ
レン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロ
ピレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体、プロピ
レン−エチレン−ブテン−1共重合体等が利用できる。
中でもプロピレン単独重合体が好適に使用でき、特に融
点(DSC曲線のピーク温度)が160℃〜174℃で
あり、メルトフローレート(JISK7210)が0.
4〜15g/10分、結晶化度が35〜70%のプロピ
レン単独重合体が好適に使用される。基材層(A)の肉
厚は、20〜200μm、好ましくは30〜150μm
の範囲である。
【0013】(表面層)表面層用の一軸延伸物として
は、平均粒径が0.1〜4μm、好ましくは0.5〜3
μmの無機微細粉末を8〜50重量%、好ましくは15
〜45重量%及びβ晶を形成する核剤を0.001〜1
重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%含有する結
晶性プロピレン重合体をフイルム状に押出し、結晶部分
のβ晶比率が10〜85%であるフイルムを作成し、こ
のフイルムを一軸方向に加熱し、延伸したフイルムであ
る。
【0014】無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、
酸化チタン、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、硫酸バ
リウム、硫酸アルミニウム、シリカ等を用いることがで
きる。無機微細粉末の量が50重量%を超えると紙粉ト
ラブルが発生し、8重量%未満であるとインキ乾燥性が
不良となる。
【0015】更に、この表面層が二軸延伸フイルムでは
表面層が平滑(ベック指数で4,000〜20,000
秒)となり、印刷インキの密着性が低下すると共に、無
機微細粉末が脱落しやすくなり、紙粉トラブルの発生の
原因となる。又、表面強度が脆弱となる。β晶形成核剤
の添加量が0.001重量%未満ではβ晶比率が10%
未満となり、インキ乾燥性の改良効果が小さく、また、
1重量%を超えて含有させても形成されるβ晶の量は増
加しないので、高価な核剤を多量に用いることは経済的
でない。
【0016】β晶を形成する核剤としては、安息香酸ナ
トリウム、1・2−ヒドロキシステアリン酸カルシウ
ム、コハク酸マグネシウムなどのカルボン酸のアルカリ
またはアルカリ土類金属塩類、二、三塩基カルボン酸の
ジまたはトリエステル類、ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムなどの芳香族スルホン酸系化合物類、フタロシアニン
ブルーなどのフタロシアニン類あるいはキナクリドン
類、キナクリドンキノン類などが良く、また特開平6−
64038号公報に記載されているアミド化合物や、特
開平3−152142号公報に記載されているフタルイ
ミド化合物、イミダゾリノン化合物なども有効に使用さ
れる。
【0017】本発明における結晶性プロピレン重合体と
は、立体規則性触媒を用いて重合して得られた結晶性の
プロピレンの単独重合体、またはその共重合体であり、
一般にメルトフローレート(JIS K−7210;2
30℃、2.16kg荷重)が通常0.1〜100g/
10分、好ましくは0.4〜15g/10分の範囲のも
のである。また、該プロピレン系重合体には、表面層全
体の10重量%を超えない範囲でエチレン重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、マレイン酸変性プロピレン
重合体などの熱可塑性樹脂を含有させてもよい。
【0018】この一軸延伸フイルムの表面層(B)の肉
厚は、2〜60μmが最適である。又、ベック平滑度
(JIS P−8119)は100〜2,800秒であ
り、比較的粗面であり、インキの密着性、乾燥性が良好
である。更に、表面層の空孔率は10〜28%、好まし
くは10〜25%の範囲の値であり、10%未満では、
インキの乾燥性が悪くなり、又、30%を越えては表面
強度が弱くなる。また、表面層の一軸延伸物に、更に紙
的風合を付与させるために、前記一軸延伸物(B)と基
材層(A)の間に、無機微細粉末を8〜55重量%含有
するプロピレン系樹脂の一軸延伸物の層を存在させても
よい。
【0019】さらに、基材層には、延伸性を良好とする
ためにプロピレンを主成分とし、これと少量(0.5〜
12重量%)のエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、
ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、3−メチルペ
ンテン−1より選ばれた1種または2種以上のα−オレ
フィンとのプロピレン系共重合体、高密度ポリエチレ
ン、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
低融点樹脂を含有させてもよい。
【0020】(合成紙の製造)本発明の合成紙は、予じ
め基材層(A)用の樹脂組成物を溶融混練し、これをシ
ート状に押し出し、ロール群の周速差を利用して縦方向
に4〜7倍延伸し、ついで、この縦延伸フイルムの少な
くとも片面に、表面層の樹脂組成物(B)を溶融混練
し、これをシート状にラミネートし、ついで、これを横
方向にテンターを用い、β晶の融点よりは高く、α晶の
融点よりは低い温度で4〜12倍延伸し、ついで、熱処
理し、冷却することにより得られる。
【0021】合成紙の肉厚は、一般的には35〜400
μmの範囲、好ましくは50〜250μmの範囲であ
る。合成紙の表面層の一軸延伸物(B)の表面には、オ
フセット印刷性を向上させるためにコロナ放電処理を施
したり、ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−
尿素)、ポリアミンポリアミド等のエチレンイミン付加
物、ポリアミンポリアミド等のエピクロルヒドリン付加
物、三級若しくは四級窒素含有アクリル系樹脂からなる
群より選ばれた水溶性のプライマーを塗布してもよい。
【0022】
【実施例】
(実施例1) (1)メルトインフローレート(MFR)0.8g/1
0分のプロピレン単独重合体(融解ピーク温度;約16
4℃、融解終了温度;174℃)80重量%、高密度ポ
リエチレン8重量%の混合物に、平均粒径2.5μmの
炭酸カルシウム12重量%を配合した組成物(A)を、
270℃に設定した押出機にて溶融混練した後、ダイよ
りシート状に押し出し、冷却装置により冷却して無延伸
シートを得た。このシートを140℃に加熱後、ロール
群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸した。
【0023】(2)MFRが10.0g/10分アイソ
タックティックインデックス(II)が95の結晶性プ
ロピレン単独重合体(融解ピーク温度;約164℃、融
解終了温度;177℃)51重量%とマレイン酸含量が
0.5重量%のマレイン酸変性プロピレン単独重合体2
重量%と高密度ポリエチレン2重量%と平均粒径2μm
の炭酸カルシウム44.8重量%、β晶形成剤として
N,N’−ジシクロヘキシル−2,7−ナフタレンジカ
ルボキシアミド0.2重量%とを混合した組成物(B)
を270℃に設定した押出機により溶融混練し、ダイよ
り押出し、得られたシートを、前記(1)で得られた5
倍延伸したシート(A)の両面に(B)がくるように積
層し、60℃まで冷却した。
【0024】次いで、この3層積層物を155℃に加熱
したのち、横方向にテンターを用いて7.5倍の延伸を
行ない、160℃でアニーリング処理し、3層構造の積
層フイルムを得た。この3層構造の積層フイルムの表面
をコロナ放電処理し、(B)/(A)/(B)〔各フイ
ルムの肉厚はそれぞれ25/70/25μm〕ボイド率
はそれぞれ18/27/19%、ベック指数が720秒
の3層構造の合成紙を得た。
【0025】このフイルムを四六半裁判(縦788m
m、横545mm)に裁断し、東洋インキ(株)製オフ
セットインキ「TSP−400」(商品名)、および三
菱重工(株)製オフセット2色印刷機「ダイヤ印刷機」
(商品名)を用いて、1時間に10,000の高速で
2,000枚を2色印刷して、ブランケット上のインク
エッヂパイルやブランケット上の脱落紙粉により刷本に
悪影響を及ぼす迄の印刷枚数(いわゆる紙粉トラブルの
徴候が発生するまでの印刷可能枚数)を求めたところ、
2,000枚では紙粉トラブルの徴候は認められなかっ
た。
【0026】この印刷物の裏面を、印刷後30分おきに
200枚づつ表(おもて)面の印刷と同様に印刷して表
(おもて)面のインキが裏面に付着(裏づき)したり、
印刷機で摩擦されて傷(スクラッチ傷)が発生していな
いか評価したところ180分後に印刷したものは表(お
もて)面のインキは乾燥しており裏づきやスクラッチ傷
は観察されなかった。
【0027】(実施例2) (1)メルトインフローレート(MFR)0.8g/1
0分のプロピレン単独重合体(融解ピーク温度;約16
4℃、融解終了温度;174℃)70重量%、高密度ポ
リエチレン10重量%の混合物に、平均粒径3.5μm
の炭酸カルシウム20重量%を配合した組成物(A)
を、270℃に設定した押出機にて溶融混練後ダイより
シート状に押出し、冷却装置により冷却して無延伸シー
トを得た。このシートを140℃に加熱後、ロール群の
周速差を利用して縦方向に4.5倍延伸した。
【0028】(2)MFRが10.0g/10分アイソ
タックティックインデックス(II)が95の結晶性プ
ロピレン単独重合体(融解ピーク温度;約164℃、融
解終了温度;177℃)53重量%とマレイン酸含量が
0.5重量%のマレイン酸変性プロピレン単独重合体2
重量%と平均粒径2μmの炭酸カルシウム44.8重量
%、β晶形成剤としてN,N’−ジシクロヘキシル−
2,7−ナフタレンジカルボキシアミド0.2重量%と
を混合した組成物(B)を270℃に設定した押出機に
より溶融混練したものと、MFRが4.0g/10分の
プロピレン単独重合体(融解ピーク温度;約164℃、
融解終了温度;176℃)50重量%と、平均粒径2μ
mの炭酸カルシウム50重量%とを混合した組成物
(C)を270℃に設定した別の押出機で溶融混練した
ものとをダイ内で積層した後、一台のダイより共押し出
しし、得られたシートを、前記(1)で得られた4.5
倍延伸したシート(A)の両面に(B)が外側になるよ
うに積層し、60℃まで冷却した。
【0029】次いで、この5層積層物を155℃に加熱
したのち、横方向にテンターを用いて8倍の延伸を行な
い、163℃でアニーリング処理し、5層構造の積層フ
イルムを得た。この5層積層フイルムの表面をコロナ放
電処理し、(B)/(C)/(A)/(C)/(B)
〔各フイルムの肉厚はそれぞれ5/25/70/25/
5μm〕ボイド率は、それぞれ24/29/32/28
/23%、ベック平滑度690秒の5層構造の合成紙を
得た。
【0030】(実施例3〜6、比較例1〜6)(B)層
の組成物を表1に示す組成物にする以外は実施例2と同
様にして5層構造の合成紙を得た。これらの合成紙を実
施例1と同様の方法で印刷評価し結果を表1に示した。
紙粉は、2,000枚印刷可能であれば実用性がある。
印刷機を清掃するまでの時間は10分以上であれば実用
性がある。インキ乾燥性は、240分以内に裏づき及び
スクラッチ傷が発生しなくなれば実用性がある。また、
β晶比率、鉛筆筆記性及び表面強度を下記の方法で評価
し、結果を表1に示した。
【0031】(比較例7)アイソタックティックインデ
ックス(II)が95の結晶性プロピレン単独重合体5
1重量%、高密度ポリエチレン5重量%、平均粒径が2
μmの炭酸カルシウム43.8重量%およびβ晶形成剤
としてN,N−ジシクロヘキシル−2,7−ナフタレン
ジカルボキシアミド0.2重量%の組成物を270℃に
設定した押出機により溶融混練したものをダイより押出
し、得られたシートを45℃で、ロール群の周速差を利
用して縦方向に5倍延伸した。
【0032】ついでこれをオーブン内に導き、155℃
でテンターを用いて横方向に7.5倍の延伸を行ない、
ついで160℃でアニーリング処理し、かつ、コロナ放
電処理して、肉厚が120μmの二軸延伸フイルムを得
た。このものの空孔率は約44%、ベック平滑度は44
00秒であった。以下、実施例1と同様にして印刷性を
評価した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】〈評価方法〉 β晶比率:加熱・延伸前の積層フイルムから表面層とな
る層のフイルムを剥離して走査型熱量計SSC−520
0熱分析システム(商品名)(セイコー電子工業(株)
社製)にセットし、窒素気流下で昇温速度10℃/分の
速度で室温から昇温させ、ベースラインから吸熱側に立
ち上がる時点と終了点を結びその面積比から次式(2)
を用いて計算した。
【0035】
【式2】
【0036】鉛筆筆記性:東洋精機(株)社製鉛筆硬度
計(スクラッチテスター)を用いて、得られた合成紙に
垂直になる様にセットされた硬度HBの鉛筆に、200
gの荷重をかけて、200秒/mの速度で線分を描く。
この線分を目視観察して次のように判定する。 ○:はっきりと読みとれる。 △:筆記されているがうすくて少し読みにくい。 ×:殆んど筆記されていない。
【0037】表面強度:セロテープCT−18〔ニチバ
ン(株)製〕を得られた合成紙に貼りつけ、親指のハラ
で良く押さえつけたあと引き剥す。この時剥した部分を
観察し以下の基準で判定する。 ○:合成紙は殆んど剥されない。 △:合成紙の表面の10〜20%がセロテープに付いて
剥れる。 ×:合成紙の表面が20%を超えてセロテープに付いて
剥される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/20 9349−4F // B29K 23:00 103:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1〜10μmの無機微細粉末
    5〜40重量%を含有するプロピレン系重合体の二軸延
    伸フイルムを基材層(A)とし、この基材層の少なくと
    も片面に平均粒径が0.1〜4μmの無機微細粉末8〜
    50重量%とβ晶形成核剤0.001〜1重量%を含有
    する結晶性プロピレン重合体の一軸延伸フイルムが表面
    層(B)として積層された構造の複層構造の合成紙。
  2. 【請求項2】 一軸延伸フイルムの表面層(B)が、結
    晶性プロピレン重合体のβ晶の融点よりは高く、α晶の
    融点よりは低い温度で延伸して製造した層である請求項
    1記載の合成紙。
JP30421694A 1994-11-15 1994-11-15 複層構造の合成紙 Pending JPH08142286A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083580A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Toray Ind Inc 積層ポリプロピレンフイルム
JP2016054702A (ja) * 2014-09-11 2016-04-21 デンカ株式会社 農業用フッ素含有多層フィルム、その製造方法及び農業用被覆資材

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