JP2941633B2 - 静電記録シート及び静電記録方法 - Google Patents

静電記録シート及び静電記録方法

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JP2941633B2
JP2941633B2 JP1835994A JP1835994A JP2941633B2 JP 2941633 B2 JP2941633 B2 JP 2941633B2 JP 1835994 A JP1835994 A JP 1835994A JP 1835994 A JP1835994 A JP 1835994A JP 2941633 B2 JP2941633 B2 JP 2941633B2
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克也 脇田
信雄 園田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報の記録、保存、消
去が可能であり、繰り返し使用することができる可逆な
静電記録シート及びその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファクシミリ等の記録方法と
して非記録材の帯電部分にトナーを付着させる静電記録
方法があった。また、加熱により発色する静電記録シー
トや加熱によりインクを転写する熱転写記録技術などが
存在し、文書や画像の記録に使われてきた。
【0003】一方、光熱モード記録での記録消去が可能
な光記録媒体として特開平1−184640号公報など
が提案されている。さらに、目視可能な情報を記録消去
できる反復熱記録材料として特開平2−175280号
公報、同2−236518号公報、同3−159785
号公報などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
静電記録や感熱記録では転写トナーの削除、発色部の消
去や被転写インクの削除ができないため、記録された記
録紙の再利用が困難であるという課題があった。
【0005】また前述のような光記録媒体や反復熱記録
材料では、記録手段としてレーザー光源を用いた光ヘッ
ドやサーマルヘッド等を用いるためにエネルギー効率が
高くなく、記録速度が遅いという課題があった。
【0006】本発明は、前記課題を解決するために、記
録感度が高く熱的に可逆な記録消去ができる静電記録シ
ート並びにこれを用いた高速な記録を行える静電記録方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の静電シートは、前または後に加熱を伴った
帯電により記録を行う記録層を有するシートであって、
前記記録層に液晶性ポリマを含むことを特徴とする。こ
の構成において記録層は、基材上に直接または他の層を
介して形成されている。
【0008】前記構成においては、液晶性ポリマがサー
モトロピック液晶ポリマであることが好ましい。また前
記構成においては基材と記録層の間に導電層を有するこ
とが好ましい。
【0009】また前記構成においては、導電層が有色で
あることが好ましい。また前記構成においては、導電層
が透明導電材料で形成されていることが好ましい。
【0010】また前記構成においては、導電層の抵抗値
が106 〜109 Ω/□であることが好ましい。また前
記構成においては、記録層の上に耐熱層を有することが
好ましい。
【0011】また前記構成においては、耐熱層の表面粗
さが中心線表面粗さにおいて、1〜15μmであること
が好ましい。また前記構成においては、耐熱層が、粒径
3〜20μmの粒子を含むことが好ましい。
【0012】また前記構成においては、耐熱層が、硬化
性樹脂及び熱変形温度が100℃以上の熱可塑性樹脂か
ら選ばれることが好ましい。また前記構成においては、
基材または導電層と、記録層の間に配向膜を有すること
が好ましい。
【0013】また前記構成においては、基材が、硬化性
樹脂及び熱変形温度が100℃以上の熱可塑性樹脂から
選ばれることが好ましい。次に本発明の静電記録方法
は、液晶性ポリマを含む記録層を有する静電記録シート
の記録層側に設置したスタイラスと静電記録シートの他
方側に設置した対極または静電記録シートの導電層の間
に電圧を印加して放電せしめ、静電記録シートの記録層
側に帯電させ、かつ帯電の前または後に、記録層を構成
する液晶性ポリマが液晶相を呈する温度以上に加熱し、
記録層に生じる液晶相のドメインを拡大させることを特
徴とする。
【0014】前記構成においては、外部電界を印加しな
い状態において液晶性ポリマが等方相を形成する温度以
上に加熱した後放冷することにより、ドメインサイズを
一様に小さくし、記録を消去することが好ましい。
【0015】また前記構成においては、スタイラスがモ
ノスタイラスまたはマルチスタイラスであることが好ま
しい。
【0016】
【作用】前記した本発明の構成によれば、記録層が可逆
な静電記録を行うための液晶性ポリマを含むことによ
り、記録感度が高く熱的に可逆な記録消去ができる静電
記録シート並びにこれを用いた高速な記録を行える静電
記録方法とすることができる。すなわち、液晶性ポリマ
で構成した記録層は、液晶相において形成されるドメイ
ンの大きさにより光散乱性を制御することができる。
【0017】以下作用を詳細に説明する。静電記録シー
トが着色した基材や導電層、光吸収層を有しない場合に
は、静電記録シートに対して観察者と反対の方向から入
射する光を観察することが可能であり、この場合を「透
過光観察」といい、静電記録シートに対して観察者と同
じ方向から入射する光を観察する場合を「反射光観察」
という。
【0018】ドメインの大きさが約10μm以下である
場合には、ドメイン間で光学的な異方性が存在するため
に光散乱が起こるので、反射光観察の場合には記録層側
からの入射光は着色した基材や導電層、光吸収層または
静電記録シートに対して観察者とは反対側の着色物体に
到達して吸収される以前に多くは散乱されて拡散反射光
となるので、明るい白色部分とすることができる。透過
光観察の場合には、散乱により直進する透過光が減少す
るので、暗い黒色部分とすることができる。
【0019】また、ドメインの大きさが記録層の厚みを
上回るくらい大きい場合には、記録層を入射する光が透
過する間に散乱がないので、着色した基材や導電層、光
吸収層または静電記録シートに対して観察者とは反対側
に着色物体が存在すれば、反射光観察では暗い黒色また
は着色部分とすることができ、着色した基材や導電層、
光吸収層を静電記録シートが有しない場合には、透過光
観察の場合の明るい白色部分とすることができる。
【0020】また、記録層には液晶性ポリマを含んでい
るので、液晶相を呈する温度範囲において記録層に外部
電界を加えることにより部分的にドメインサイズを拡大
させ記録を行うことができる。さらに、外部電界を印加
しない状態において液晶性ポリマが等方相を形成する温
度以上に加熱した後放冷することでドメインサイズを一
様に小さくすることができるので記録を消去することも
可能である。また、外部電界の印加は静電記録シートの
表面にマルチスタイラスヘッドなどによる帯電で実施で
きるので、十分大きい記録速度を得ることができる。よ
って本発明の静電記録シートでは、繰り返し記録消去が
できるとともに、高速の記録手段に供することができ
る。
【0021】また、液晶性ポリマがサーモトロピック液
晶ポリマであるという本発明の好ましい構成によれば、
ガラス転移温度以上に現れる液晶相と、液晶相を呈する
温度以上で現れる等方相が存在し、液晶相にも均質に構
成されたモノドメインの状態と複数のドメインから構成
されるポリドメインの状態が存在する。ポリドメインの
液晶相では光散乱が強く起こり、モノドメインの液晶相
または等方相では光散乱はほとんどなくなる。
【0022】また基材と記録層の間に導電層とを有する
場合には、表面電位が同じであるような帯電を行うと、
導電層を有しない場合に比べて、記録層により大きい電
界を印加できるのでより高速な記録が可能になる。
【0023】さらに導電層が透明導電材料である場合に
は、透過光観察に供することが可能である。また、導電
層の抵抗値は106 〜109 Ω/□の範囲であると、導
電性の面で好ましい。
【0024】また、記録層の上に耐熱層を有する場合に
は加熱ローラ等の接触による加熱を記録層側からも行う
ことが出来、記録層を加熱する効率を高めることができ
る。さらに耐熱層の表面粗さが中心線平均粗さにおいて
1〜15μmである場合には、まず第一に記録針電極と
記録層(または耐熱層)の間の空隙を放電開始電圧が小
さくなる5〜15μm程度に設定しやすいので、記録を
安定に行うことができ、第二に帯電部分での電荷間の反
発が起きにくく、帯電が均一になりやすいのでコントラ
ストの高い記録を行うことが出来る。
【0025】さらに耐熱層が粒径3〜20μmの粒子を
含む場合には、容易に耐熱層の表面粗さを中心線平均粗
さにおいて1〜15μm程度にすることが可能である。
また耐熱層が、硬化性樹脂または熱変形温度が100℃
以上の熱可塑性樹脂であると、加熱を伴う記録、消去に
よる記録層の変形や加熱装置との溶着を防止できる。前
記において硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹
脂などを含む。
【0026】また、基材または導電層と記録層の間に配
向膜を有すると、液晶性ポリマを有効に作動させること
ができる。配向膜は、高分子膜の場合はラビング処理ま
たは延伸処理したものを使用でき、無機化合物の場合は
斜方蒸着膜としたものを使用できる。
【0027】また、基材が硬化性樹脂または熱変形温度
が100℃以上の熱可塑性樹脂であると、量産性と耐熱
性に優れたものが得られる。前記において硬化性樹脂
は、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂などを含む。
【0028】また、本発明の静電記録方法では、記録部
分を選択的に加熱する必要がないのでより高速の可逆な
記録方法を提供することができる。また、外部電界を印
加しない状態において液晶性ポリマが等方相を形成する
温度以上に加熱した後放冷することにより、ドメインサ
イズを一様に小さくし、記録を消去するという好ましい
構成によれば、消去も容易に行うことができる。
【0029】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明の静電記録シートは、基材上に液晶性
ポリマを含む記録層を有する。本発明の静電記録シート
の構成例を図1、図2、図3、図4、図5、図6及び図
7にあげる。図1〜7において、1は基材、2は記録
層、3は導電層、4は導電層を兼ねる基材、5は耐熱
層、6は透明導電層、7は光吸収層、8は配向膜であ
る。記録においてヘッドに対向する電極を静電記録シー
トの基材側に設置するならば、図1のように基材1の上
に直接記録層2を形成する。この場合、導電層は形成し
なくても良い。
【0030】図2のように基材1の上に記録層2と導電
層3を有していてもよい。この場合には導電層を接地す
ることなどによりヘッドに対しての対向電極になる。さ
らに図3のように基材1が導電層4を兼ねていても良
い。さらにまた図4のように記録層2の上の導電層3の
反対側に耐熱層5を有していても良い。
【0031】より好ましい構成としては、図5のように
記録層2と基材1の間に透明導電層6と光吸収層7を有
する構成を挙げることができる。この構成においては透
明導電材料からなる透明導電層6は通常、屈折率が記録
層より高くなるので記録層背面でのフレネル反射が大き
くなりコントラストが向上する。
【0032】同様の効果がある構成として、図6のよう
に記録層2と基材1の間に高屈折率層9と導電層3を有
する構成を挙げることができる。また、図7のように記
録層2の基材1側に配向膜8を有している場合には、液
晶性ポリマのドメイン形成、ドメインサイズの拡大が促
進されるので、記録速度を向上することができ、より好
ましい構成である。
【0033】各層を支持する基材1としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
カーボネート、ポリサルホン、アクリル樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなど各種の熱可塑性樹脂で形成さ
れたフィルムや各種合成紙を使用することができる。
【0034】記録層2は液晶性ポリマを含む。液晶性ポ
リマは液晶のドメインサイズを外部電界によって制御で
き、かつ液晶相を示す特定の温度範囲があり、記録後液
晶性ポリマのガラス転移温度以下に置くことで固定化で
きるので、静電記録が可能である。
【0035】また、光散乱性の大きさに依存するコント
ラストの点でも、可逆な感熱記録シートの記録層に用い
られるような組成物に見られる、少量添加した低分子の
結晶化やポリマ間での相分離による無定形ドメイン生成
で光散乱を誘起する相分離ポリマなどに対して、液晶性
ポリマは液晶相はドメインだけの集合であるとともに各
ドメインが複屈折を有するので光散乱効果が大きく、液
晶性ポリマの方が優れている。
【0036】本実施例においては、特開平1−1846
40号公報、同2−236518号公報、同3−122
623号公報、同3−138687号公報、欧州公開特
許0478052号公報、0444740号公報などに
記載されている液晶性ポリマの利用することができる。
これらの液晶ポリマとしては、例えば下記(化1)〜
(化11)のものがある。
【0037】
【化1】
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】(前記(化1〜11)において、nは2〜
12の自然数、mは2〜100の自然数を示す。) もちろんこれ以外にも、強誘電性液晶高分子や反強誘電
性液晶高分子なども使用できる。
【0049】本発明に用いる液晶性ポリマはサーモトロ
ピック液晶が好ましく、中間相はネマチック、スメクチ
ック、コレステリックのいずれのタイプでもよい。これ
ら液晶性ポリマにはメソーゲン基または剛直な原子団が
屈曲性のある分子鎖で結合した主鎖型液晶性ポリマと側
鎖にメソーゲン基または剛直な原子団を有する側鎖型液
晶性ポリマがあるが、本発明に使用する上では特に限定
されず、複数種の混合或は低分子液晶の混合も差しつか
えない。
【0050】これら液晶性ポリマには、ガラス転移温度
以上に現れる液晶相と、液晶相を呈する温度以上で現れ
る等方相が存在し、液晶相にも均質に構成されたモノド
メインの状態と複数のドメインから構成されるポリドメ
インの状態が存在する。ポリドメインの液晶相では光散
乱が強く起こり、モノドメインの液晶相または等方相で
は光散乱はほとんどなくなる。
【0051】外部印加電界が存在しない場合には通常ポ
リドメインであるが、電界印加がなされる場合にはモノ
ドメイン状態になるので、液晶層を呈する温度での電界
の印加の有無により、光散乱状態と光散乱のない状態を
形成することができる。
【0052】さらに用いる液晶性ポリマの性質として
は、記録の保存安定性並びに記録時の適度な加熱条件の
ために、ガラス転移温度が60℃以上120℃以下であ
ることが好ましい。
【0053】このような液晶性ポリマとしては具体的に
(化12)〜(化19)で表される液晶性ポリマを挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
【化12】
【0055】
【化13】
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】さらに記録層は液晶性ポリマ以外に紫外線
吸収剤や酸化防止剤など各種の添加剤はもちろん含んで
いてもよい。さらに、液晶性ポリマと相溶性がないポリ
マを含んでいてもよい。このような場合に用いるポリマ
は、液晶性ポリマの主軸屈折率と同じ屈折率を有するこ
とがコントラストの向上を計る上で好ましい。
【0063】導電層の抵抗値は106 〜109 Ω/□の
範囲であることが導電特性の上から好ましい。簡便には
電子伝導性或はイオン伝導性化合物を含有する樹脂で構
成することができる。具体的には、各種金属などの電子
伝導性化合物やアルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、
ポリスチレンスルホン酸塩等の高分子電解質などのイオ
ン伝導性化合物をゼラチン、(変性または非変性の)セ
ルロース、(完全または部分鹸化の)ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルブチラール、各種アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂などの各種の樹脂に溶解または分散さ
せることで構成される。
【0064】なお、導電層はカーボンブラックなどの有
色の電導性化合物あるいは非電導性の染料や顔料を含む
ことにより後述の光吸収層を兼ねることができる。透明
導電層の具体的構成例として酸化亜鉛、酸化錫、酸化イ
ンジウム錫などの薄膜を挙げることができる。これらの
材料は電子伝導性を有するばかりでなく高屈折率である
ので、記録層が光散乱状態である場合の散乱反射率を高
める効果があり、結果的にコントラストを向上すること
ができる。
【0065】高屈折率層としては、特開平2−1752
80号公報などに挙げられているようなWO3 、Fe2
3 、PbO、ZnSc、Bi2 3 、TiO2 、Si
Oなどの材料を使用することができる。
【0066】光吸収層は、可視光領域の光を吸収する材
料を含む。可視光領域の光を吸収する材料としては具体
的に各種染料や顔料を挙げることができるが、可視光領
域全般を吸収できるカーボンブラックが比較的安価で利
用し易い。たとえばこれら光を吸収する材料を各種樹脂
に分散することで容易に光吸収層を構成できる。
【0067】また光吸収層自体が基材であってもかまわ
ない。上述のような各種の基材用の材料に可視光領域の
光を吸収する材料が溶解または分散されていれば良い。
また、周期的凹凸を有する金属層も光吸収層として働
く。周期的凹凸を有する金属層では、金属層を形成する
金属が当該波長に若干でも吸収を有する場合、凹凸の周
期以上の波長を効率よく吸収するとともに導電層を兼ね
ることができる。
【0068】このような周期的凹凸を有する金属層を光
吸収層兼導電層として設けた場合の静電記録シートの一
構成例は(図8)のようになる。すなわち、基材1の上
に周期的凹凸を有する金属層10を設け、その上に記録
層2を設ける。
【0069】凹凸の周期は吸収させたい波長以下である
ことが好ましく、例えば黒く着色させるためには可視光
領域全てを吸収する必要があるので周期は400nm以
下であることが好ましい。凹凸の振幅は大きいほど吸収
の効率が高くなるが、周期の3分の1以上であることが
好ましい。
【0070】周期的凹凸を有する金属層は簡便には周期
的凹凸を有する基材の上に各種金属を設けることで作製
できる。周期的凹凸を有する基材としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリサルホン、アクリル樹脂、ポリビニル
アルコールなど各種の熱可塑性樹脂やウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂など各種硬化性
樹脂を使用することができる。静電記録シートの記録消
去において周期的凹凸が変形しないようにするために、
好ましくは各種硬化性樹脂又は熱変形温度が100℃以
上の熱可塑性樹脂である。
【0071】基材に周期的凹凸を形成せしめる方法とし
ては、(A)周期的凹凸を有するスタンパを用いて射出
成形法、圧縮成形法、エンボス加工法などにより周期的
凹凸を有する基材全体を形成する方法と、(B)周期的
凹凸を有するスタンパと基材の間に熱または光硬化性樹
脂を存在させた状態で硬化させ、周期的凹凸形状を硬化
性樹脂と共に基材に転写形成する方法(所謂2P法)が
ある。
【0072】前記(B)の方法の場合の静電記録紙の構
成例は、図9のようになる。すなわち、基材1の上に周
期的凹凸を有する硬化性樹脂層11を設け、その上に周
期的凹凸を有する金属層10を設け、その上に記録層2
を設ける。
【0073】量産性においては前記(A)の方法、特に
ロール状スタンパによるエンボス加工法が優れている
が、熱可塑性樹脂を対象にしたこれらの方法では応力緩
和により元の平坦な表面に戻る性質があるので、残留応
力が小さくなるように成形条件を選択すべきである。一
方、(B)の方法は熱または光硬化性樹脂を対象にして
いるので、一旦形成された周期的凹凸は記録層への加熱
を行っても容易に変形することはない。ただ周期的凹凸
形状を有する硬化性樹脂層の基材への接着性が十分必要
である。そうでない場合には、基材表面に接着層を設け
ておくことにより改善できる。
【0074】周期的凹凸を有するスタンパは、フォトレ
ジストに対する光リソグラフィ技術により形成すること
ができる。具体的には、2光束またはそれ以上の光束を
用いた干渉露光法により干渉縞を記録し、これを現像し
て周期的凹凸を有する現像されたフォトレジストを得る
ことができる。干渉縞の周期は、各光束のフォトレジス
トへの入射角度並びに光束間の交差角度により決定され
るが、凹凸の深さや形状は、露光量、現像条件により変
化させることができる。
【0075】また干渉縞で凹凸を形成する場合には、格
子ベクトルの方向が一致しないものを畳重させた方が偏
光への光吸収の依存性が小さくなるので好ましい。簡単
には2光束干渉においてフォトレジスト面内で180度
回転させて再度露光すれば良い。入射光のベクトルが同
一平面内に存在しない3光束以上での干渉ではあえてそ
の必要はない。
【0076】現像されたフォトレジスト表面にクロムな
どの金属を蒸着して導電性を付与した後、ニッケルなど
を電鋳し、その後残存するフォトレジストを除去するこ
とで周期的凹凸を有する金属性スタンパを得ることがで
きる。
【0077】金属の電鋳の代りに硬化性樹脂で周期的凹
凸を複製すればプラスチック製スタンパを得ることもで
きるが、これらは耐熱性は十分ではないので(A)の方
法には不向きで、(B)の方法に対して使用される。た
だ、硬化性樹脂にシリコーン系あるいは弗素系の樹脂を
使用することで、(B)の方法において容易に硬化性樹
脂から剥離させることができるスタンパを得ることがで
きる。
【0078】用いる金属としては特に制限はないが、酸
化等により光学的性質が大きく変化しないものが好まし
く、例えば金、白金、パラジウム、銀、ニッケル、アル
ミニウム、クロムなど各種金属を挙げることができる。
【0079】これら金属を周期的凹凸を有する基材上に
蒸着などの方法で形成することで周期的凹凸を有する金
属層が形成できる。記録層自体に周期的凹凸があるもの
に金属層を形成して、周期的凹凸を有する反射層を形成
する場合には、記録層は加熱により光散乱性が変化する
性質を妨げない範囲で架橋構造を導入するといった手法
により、加熱を伴う記録消去を行っても周期的凹凸が変
化しないようにする必要がある。
【0080】さらに加熱を伴う記録、消去によって記録
層の変形や加熱装置との溶着が生じないように記録層の
上に耐熱層を設けてもよい。耐熱層としてはシリコーン
オイル等の潤滑剤やシリカ等の微粒子を含んだ硬化性樹
脂やシリコーンまたは弗素変性の熱可塑性樹脂などを用
いることができる。
【0081】また、耐熱層の表面粗さが中心線平均粗さ
において1〜15μmであることが好ましい。この規定
された表面粗さは、記録電極と静電記録シートの表面と
の距離を気体放電が起こりやすい距離に保つと同時に、
帯電した電荷間の反発を小さくするのでより均一な帯電
状態を得ることができ、コントラストの高い記録像を得
ることができる。
【0082】また、このような表面粗さを有する耐熱層
を得るためには、耐熱層が粒径3〜20μmの粒子を含
んでいることが好ましい。粒子材料としては特に限定さ
れないが、耐熱層での光散乱を小さくするために耐熱層
を構成する硬化性樹脂など他の材料との屈折率差が小さ
いことが望ましい。
【0083】続いて、周期的凹凸を有する金属層で光吸
収層を形成した場合の本発明の静電記録シートを製造す
る代表的な2つの方法について説明をする。1番目の方
法は、(1)周期的凹凸を有するスタンパと基材を密着
させた状態で加圧して基材表面に周期的凹凸を転写する
凹凸化工程、(2)基材の周期的凹凸を有する面に金属
を製膜する金属層形成工程、(3)金属層の上に、液晶
性ポリマを含む溶液を塗布し乾燥する記録層形成工程の
以上3工程を経由する。
【0084】耐熱層を記録層の上に設ける場合には、
(4)記録層の上に耐熱層を構成する材料の溶液を塗布
し乾燥(場合によっては更に硬化)する耐熱層形成工程
を追加すれば良い。
【0085】基材が熱硬化性樹脂で構成される場合には
加圧の工程において加熱することで硬化させることがで
き、転写された凹凸が平坦化することを防ぐことができ
る。基材が光硬化性樹脂で構成される場合には加圧の工
程において光照射を行うことで同様に平坦化することを
防止できる。
【0086】基材が熱可塑性樹脂である場合には加圧の
工程で適正な温度に加熱することで凹凸を転写すること
ができる。樹脂の熱変形温度が記録、消去での加熱温度
に近い場合には凹凸の平坦化が起こる可能性が高くなる
が、量産性はもっとも高い。
【0087】(3)(4)の高分子組成物の溶液の塗布
においては、ブレードコーティング、グラビアコーティ
ングなど通常の各種コーティング方法を利用することで
可能である。
【0088】さらに乾燥においては乾燥温度や乾燥風量
などの条件を変化させることで、製造直後の静電記録シ
ートの状態、すなわち全面透明または着色状態である
か、白色状態であるかということを選定することができ
る。
【0089】2番目の方法は、(1)周期的凹凸を有す
るスタンパと基材の間に光硬化性樹脂を有した状態で密
着させ、光照射を行って光重合させ、その後スタンパを
引き剥して基材表面に周期的凹凸を有する光硬化性樹脂
層を接着することで基材表面に周期的凹凸を転写する凹
凸化工程、(2)基材の周期的凹凸を有する面に金属を
製膜する金属層形成工程、(3)金属層の上に液晶性ポ
リマを含む溶液を塗布し乾燥する記録層形成工程の以上
3工程を経由する。
【0090】1番目の方法と同様に耐熱層形成工程を追
加してもよい。(2)(3)は1番目と同様であるが、
(1)の凹凸化工程において光硬化させねばならない光
硬化性樹脂の量は少ないので硬化に要する時間を短くす
ることができる利点がある。
【0091】上記2つの方法は、周期的凹凸を有する金
属層で光吸収層を形成した場合の本発明の静電記録シー
トに関する製造方法であるが、(1)の凹凸化工程と
(2)の反射層形成工程を基材上に光吸収性材料を含む
溶液を塗布する光吸収層形成工程で代替することで、本
発明のうちの光吸収性材料による光吸収層と液晶性ポリ
マを含む記録層を有する静電記録シートを製造すること
ができる。
【0092】配向膜は、一般的な液晶素子に利用される
配向膜と同様なものであってよい。即ち、無機化合物の
斜方蒸着膜や高分子化合物膜をラビング処理した膜等で
ある。配向膜として用いることができる高分子化合物と
しては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
ビニルアルコール、または例えばポリフッ化ビニリデン
などのフッ素樹脂等種々のものを利用することができ
る。
【0093】ラビング処理は、前記高分子化合物の膜を
布などで一定方向に擦るような処理である。このように
して作製された配向膜の液晶形成化合物の配向への影響
については完全に解明されていないが、ラビング処理に
よってせん断応力を受け、高分子化合物膜の表面が配向
しており、これに液晶形成化合物の配向が影響を受けて
いると考えられている。
【0094】記録層と基材の間に導電層や光吸収層を有
しない構成の場合には、基材自体が配向した高分子化合
物から構成されている延伸フィルムなどであれば、同様
の効果を得ることができる。
【0095】次に、本発明の静電記録方法について説明
する。図10〜11に帯電の前または後に加熱を行う記
録原理図を示す。図10〜11において、12は静電記
録シート、13は加熱ローラ、14は記録電極(スタイ
ラス)、15は対向電極、16は高圧電源である。帯電
の前または後に、静電記録シート12は記録電極と対向
電極15の間を記録層側を記録電極14側に向けて対向
電極15に接触しながら、記録電極14とは数μmの空
隙を有して通過する。このとき記録電極14と対向電極
15の間にある値以上の電圧を印加すると記録電極14
から放電が起こり、静電記録シート12の記録層側表面
に帯電する。
【0096】この状態で、記録層が液晶層を形成する温
度に達するかまたは越していれば、記録層が均一配向し
て液晶のドメイン拡大が起こり、帯電させた部分に相当
する光が散乱しない部分が形成される。
【0097】この後ガラス転移温度以下に放冷、冷却す
ることで固定化される。記録電極は針状のもので、多数
の針を並べて多針電極ヘッドとすることができる。
【0098】対向電極は必ずしも静電記録シートに対し
て記録電極の反対側にある必要はない。すなわち、図1
2のように断面積が記録電極のそれより十分広い面積の
対極電極であるならば、対極電極が導電層と接触しなく
とも導電層を対極電極に近い電位に設定することがで
き、記録電極から導電層への放電が可能になり、記録を
行うことができる。図12のような静電記録ヘッドを用
いた場合の記録方法の一例を図13に示す。図12〜1
3において、1は基材、2は記録層、3は導電層、12
は静電記録シート、13は加熱ローラ、14は記録電
極、16,16´は高圧電源、17は静電記録ヘッド、
18は対極電極、19は静電記録ヘッドと静電記録シー
トの接触を確保するためのプラテンである。
【0099】さらに前記図13の記録方法に使用するこ
とができる回路図を、図14の等価回路図で説明する。
VRは記録電極に印加される電圧、VCは対極電極に印
加される電圧、C1は記録電極と記録層との空隙の静電
容量、C2は記録電極下の記録層の静電容量、C3は対
極電極と導電層間の静電容量、C4は加熱ローラと導電
層間の静電容量、R1は記録電極下と対極電極下の間の
導電層の抵抗、R2は対極電極下の加熱ローラ下の電極
の抵抗である。
【0100】前記のような対極電極の断面積が記録電極
のそれより十分広い面積であれば、1<C2<<C3の
関係が成り立ち、印加された電圧VR+VCがC1〜C
3で容量分割された結果として、C1にほとんどの電圧
が印加され気体放電が起こるのである。
【0101】以下具体的実施例を説明する。 (実施例1)液晶性ポリマであるポリ(5-(4-4′−シア
ノビフェノキシ)ペンチルメタアクリレート))(Poly
(5-(4-4´-cyanobiphenoxy)penthylmethacrylate))の
30重量部をジクロロエタン70重量部に溶解して液晶
性ポリマの溶液1とした。
【0102】100μm厚みのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムにカーボンブラック:ブチラー
ル樹脂(積水化学(株)エスレックBX−1):多官能
イソシアネート溶液(日本ポリウレタン(株)コロネー
トL)=7:2.5:0.5をトルエン:メチルエチル
ケトン=2:1の混合溶媒に分散、溶解した塗料をグラ
ビアコータで塗布し、乾燥して約2μmの導電層兼光吸
収層を設けた。その後70℃の恒温乾燥器に24時間入
れて、硬化反応を促した。
【0103】光吸収層の上に前記の液晶性ポリマの溶液
をグラビアコーターで塗布し乾燥して約10μmの記録
層を形成し、静電記録シートAとした。 (実施例2)実施例1と同様に作製された静電記録シー
ト1の記録層上に光硬化性樹脂(昭和高分子(株)リポ
キシSP−1509)の2−プロパノール溶液を塗布し
乾燥して約0.5μmの耐熱層を形成したのち水銀ラン
プを照射してこれを硬化し、静電記録シートBを得た。
【0104】(実施例3)実施例1と同様に作製された
静電記録シート1の記録層上に光硬化性樹脂(昭和高分
子(株)リポキシSP−1509)7重量部、粒径約1
0μmのシリカ粒子3重量部を含んだ2−プロパノール
溶液を塗布し乾燥して約2.3g/m2の耐熱層を形成
したのち、水銀ランプを照射してこれを硬化し、静電記
録シートCを得た。
【0105】(実施例4)液晶性ポリマである2-[4-(4-
cyanophenylcarbonyloxy)phenoxy)ethylacrylateポリマ
の30重量部をジクロロエタン70重量部に溶解して液
晶性ポリマの溶液2とした。
【0106】100μm厚みのPETフィルム上にカー
ボンブラック:ブチラール樹脂(積水化学(株)エスレ
ックBX−1):多官能イソシアネート溶液(日本ポリ
ウレタン(株)コロネートL)=7:2.5:0.5を
トルエン:メチルエチルケトン=2:1の混合溶媒に分
散、溶解した塗料をグラビアコータで塗布し、乾燥して
約4μmの導電層を設けた。その後70℃の恒温乾燥器
に24時間入れて、硬化反応を促した。
【0107】この上にWO3 を蒸着して約20nm(2
00オングストローム)を付着させ高屈折率層とした。
さらにこの上に液晶性ポリマ2の溶液を塗布、乾燥して
10μmの記録層とした。これを静電記録シートDとし
た。
【0108】(実施例5)カーボンブラック含有の10
0μm厚みのPETフィルムを光吸収層兼基材とし、そ
のうえにZnOをスパッタリング法で透明導電層とし
た。
【0109】さらにこの上に液晶性ポリマの溶液1を塗
布、乾燥して10μm厚みの記録層を構成した。これを
静電記録シートEとした。 (実施例6)75μm厚みのPETフィルムにITOを
蒸着して透明導電層を形成し、その上にポリビニルアル
コール水溶液をワイヤーバーで塗布し乾燥した。さらに
レーヨン布でポリビニルアルコール膜の表面をラビング
処理して配向膜とした。
【0110】この配向膜の上に液晶性ポリマの溶液1を
塗布、乾燥して10μm厚みの記録層を構成した。さら
に光硬化性樹脂(昭和高分子(株)リポキシSP−15
09)8重量部、粒径約10μmのベンゾグアナミン粒
子2重量部を含んだ2−プロパノール溶液を塗布し乾燥
して約2.3g/m2 の耐熱層を形成したのち、水銀ラ
ンプを照射してこれを硬化し、静電記録シートFを得
た。
【0111】(実施例7)直径40cmのガラス基板上
にフォトレジストを300nmの厚みで塗布しよく乾燥
した後、フォトレジストを塗布した面に2光束に分割し
た488nmのアルゴンイオンレーザー光を平行光束で
各々入射角54.4度、−54.4度で入射させて干渉
露光を行った。さらにフォトレジストのついたガラス基
板を面内に90度回転させた後、再度干渉露光を行いそ
の後現像を行った。
【0112】現像されたフォトレジスト面の上にクロム
を蒸着した後、そのクロム層を電極としてニッケル浴中
でめっきを行い、厚み500μmのニッケル板を得た。
ニッケル板をガラス基板から剥離させ、ニッケル板の剥
離した面に残存したフォトレジストを除去してマザース
タンパを得た。このマザースタンパを電極として同様に
ニッケルめっきを行い、ドータスタンパ(スタンパ1)
を得た。各々表面には周期約300nm、深さ約150
nmの交差した凹凸が形成されていた。
【0113】スタンパ1を矩形状に切断し、直径10c
mのスチール製円柱に巻き付けてエンボス加工用ロール
とした。これをロール式プレス装置に取り付け、30μ
m厚みのポリカーボネートフィルムを供給し、供給側の
フィルムを熱風ドライヤで加熱しながら連続的にエンボ
ス加工を行い、周期的凹凸を有する基材1を得た。
【0114】周期的凹凸を有する基材1は、連続式スパ
ッタリング装置を用いてアルミニウムを7nm(70オ
ングストローム)の厚さで製膜して金属層を形成した。
さらに、基材1に対して連続式マイクログラビアコータ
を用いて液晶性ポリマの溶液1を塗布し、乾燥して約1
0μmの記録層を設けて静電記録シートGを得た。
【0115】(実施例8)静電記録シートの記録、消去 上記の方法で得られた静電記録シートA、B、C、D、
Eは、白色不透明であった。これらをヒータ付きの鋼製
ローラの表面をシリコーン樹脂で被覆した加熱ローラと
6ドット/mmの多針電極ヘッドと1kVの高圧電源を
組み合わせた記録装置に設置した。高圧電源の正極を静
電記録シートの導電層に接続し、多針電極ヘッド側は陰
極としてライン周期500マイクロ秒で1cm間隔の縞
を記録した。各々の印字部分の記録層が透明化し、黒く
なった。
【0116】(実施例9)コントラストの測定 実施例8で記録された静電記録シートA〜Gの試料の記
録部分と未記録部分の光波長550nmにおける反射光
学濃度を積分球式分光光度計で測定した。尚、静電記録
シートFについては基材背面に黒色紙をおいて測定を実
施した。結果は表1のようになった。
【0117】
【表1】
【0118】(実施例10)記録の消去と新たな記録 実施例8と同様の方法で、ヘッドの電圧を印加する電極
針を実施例8の場合と入れ換えて実施例8で記録された
試料に記録を行った。
【0119】実施例8で記録された部分の記録層は光散
乱状態になって消去されており、新たに記録を行った部
分は実施例8と同様の着色状態となった。本方法によれ
ば、記録の消去を別途実施しなくとも記録と同時に非記
録部分の消去が行えることがわかった。
【0120】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、記録
層が可逆な静電記録を行うための液晶性ポリマを含むこ
とにより、記録感度が高く熱的に可逆な記録消去ができ
る静電記録シート並びにこれを用いた高速な記録を行え
る静電記録方法とすることができる。またコントラスト
が高く、可逆な記録消去ができる静電記録シートを提供
することができる。
【0121】また本発明の静電記録方法によれば、可逆
な記録消去が行える静電記録シートを用いて高速記録を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の静電記録シートの断面模式
図であって、基材1の上に記録層2を形成した例。
【図2】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、基材1の上に導電層3を設け、その上に
記録層2を形成した例。
【図3】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、導電層を兼ねる基材4の上にに記録層2
を形成した例。
【図4】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、基材1の上に導電層3を設け、その上に
記録層2を設け、その上に耐熱層5を形成した例。
【図5】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、基材1の上に光吸収層7を設け、その上
に透明導電層を設け、その上に記録層2を形成した例。
【図6】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、基材1の上に導電層3を設け、その上に
高屈折率層9を設け、その上に記録層2を形成した例。
【図7】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、基材1の上に配向膜8を設け、その上に
記録層2を形成した例。
【図8】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、基材1の上に周期的凹凸を有する金属層
10を設け、その上に記録層2を形成した例。
【図9】本発明の別の実施例の静電記録シートの断面模
式図であって、基材1の上に周期的凹凸を有する硬化性
樹脂層11を設け、その上に周期的凹凸を有する金属層
10を設け、その上に記録層2を形成した例。
【図10】本発明の一実施例の静電記録方法の原理図
【図11】本発明の別の実施例の静電記録方法の原理図
【図12】本発明の別の実施例を示すもので、対極電極
の断面積が記録電極の断面積より十分広い面積を有する
場合のの静電記録ヘッドの断面模式図である。
【図13】図12のような静電記録ヘッドを用いた場合
の記録方法の一例を示す概略図。
【図14】図13の記録方法に使用することができる回
路図。
【符号の説明】
1 基材 2 記録層 3 導電層 4 導電層を兼ねる基材 5 耐熱層 6 透明導電層 7 光吸収層 8 配向膜 9 高屈折率層 10 周期的凹凸を有する金属層 11 周期的凹凸を有する硬化性樹脂層 12 静電記録シート 13 加熱ローラ 14 記録電極(スタイラス) 15 対向電極 16,16´ 高圧電源 17 静電記録ヘッド 18 対極電極 19 プラテン VR 記録電極に印加される電圧 VC 対極電極に印加される電圧 C1 記録電極と記録層との空隙の静電容量 C2 記録電極下の記録層の静電容量 C3 対極電極と導電層間の静電容量 C4 加熱ローラと導電層間の静電容量 R1 記録電極下と対極電極下の間の導電層の抵抗 R2 対極電極下の加熱ローラ下の電極の抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 啓造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−1610(JP,A) 特開 平4−38734(JP,A) 特開 平5−301489(JP,A) 特開 平6−18866(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/13 G02F 1/1333

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前または後に加熱を伴った帯電により記
    録を行う記録層を有するシートであって、前記記録層に
    液晶性ポリマを含むことを特徴とする静電記録シート。
  2. 【請求項2】 基材上に直接または他の層を介して記録
    層を有する請求項1に記載の静電記録シート。
  3. 【請求項3】 液晶性ポリマがサーモトロピック液晶ポ
    リマである請求項1または2に記載の静電記録シート。
  4. 【請求項4】 基材と記録層の間に導電層を有する請求
    に記載の静電記録シート。
  5. 【請求項5】 導電層が有色である請求項に記載の静
    電記録シート。
  6. 【請求項6】 導電層が透明導電材料で形成されている
    請求項に記載の静電記録シート。
  7. 【請求項7】 導電層の抵抗値が106 〜109 Ω/□
    である請求項に記載の静電記録シート。
  8. 【請求項8】 記録層の上に耐熱層を有する請求項1ま
    たは2に記載の静電記録シート。
  9. 【請求項9】 耐熱層の表面粗さが中心線表面粗さにお
    いて、1〜15μmである請求項に記載の静電記録シ
    ート。
  10. 【請求項10】 耐熱層が、粒径3〜20μmの粒子を
    含む請求項に記載の静電記録シート。
  11. 【請求項11】 耐熱層が、硬化性樹脂及び熱変形温度
    が100℃以上の熱可塑性樹脂から選ばれる請求項
    記載の静電記録シート。
  12. 【請求項12】 基材または導電層と、記録層の間に配
    向膜を有する請求項2または4に記載の静電記録シー
    ト。
  13. 【請求項13】 基材が、硬化性樹脂及び熱変形温度が
    100℃以上の熱可塑性樹脂から選ばれる請求項に記
    載の静電記録シート。
  14. 【請求項14】 液晶性ポリマを含む記録層を有する静
    電記録シートの記録層側に設置したスタイラスと静電記
    録シートの他方側に設置した対極または静電記録シート
    の導電層の間に電圧を印加して放電せしめ、静電記録シ
    ートの記録層側に帯電させ、かつ帯電の前または後に、
    記録層を構成する液晶性ポリマが液晶相を呈する温度以
    上に加熱し、記録層に生じる液晶相のドメインを拡大さ
    せることを特徴とする静電記録方法。
  15. 【請求項15】 外部電界を印加しない状態において液
    晶性ポリマが等方相を形成する温度以上に加熱した後放
    冷することにより、ドメインサイズを一様に小さくし、
    記録を消去する請求項14に記載の静電記録方法。
  16. 【請求項16】 スタイラスがモノスタイラスまたはマ
    ルチスタイラスである請求項14に記載の静電記録方
    法。
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