JP2001026089A - 微細気泡含有ポリエステルフィルム - Google Patents

微細気泡含有ポリエステルフィルム

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JP2001026089A
JP2001026089A JP2000134609A JP2000134609A JP2001026089A JP 2001026089 A JP2001026089 A JP 2001026089A JP 2000134609 A JP2000134609 A JP 2000134609A JP 2000134609 A JP2000134609 A JP 2000134609A JP 2001026089 A JP2001026089 A JP 2001026089A
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film
polyester
polyester film
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coating
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JP2000134609A
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Takashi Hibiya
隆志 日比谷
Takatoshi Miki
崇利 三木
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムの諸特性を悪化させることなく帯電
防止性が付与された、搬送性に優れ、画像の被転写体と
して用いた場合に美麗な画質を得ることが可能な微細気
泡含有ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 見掛け密度が0.60〜1.35g/c
3 の微細気泡含有ポリエステルフィルムであって、少
なくとも片側の表面に塗布層を有し、当該塗布層表面の
表面固有抵抗が1×1012Ω以下であることを特徴とす
る微細気泡含有ポリエステルフィルム、および当該微細
気泡含有ポリエステルフィルムを基材として用いること
を特徴とするビデオプリンター用受像紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオプリンター
用受像紙の基材等に用いられる微細気泡含有ポリエステ
ルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオプリンター用受像紙の基材に用い
られるフィルムとしては、従来、白色不透明なポリプロ
ピレンベース、あるいはポリエステルベースの二軸延伸
フィルムが使用されている。
【0003】ポリプロピレンベースの二軸延伸フィルム
は、ポリプロピレン樹脂に多量の無機粒子あるいは有機
粒子を分散させたものを延伸し、フィルム中に空隙を作
ることで、プリント時のクッション性を良好にして、印
字適性、走行性等を改良している。また、ポリエステル
ベースの二軸延伸フィルムも、同様の方法でクッション
性が付与され、さらにその表面に塗布層(薄い易接着
層)を形成したものが使用されている。
【0004】しかしながら、従来のベースフィルムは以
下のような欠点を有している。
【0005】ポリプロピレンベースの二軸延伸フィルム
は、プリント時の加熱によりカールを生じやすい。ま
た、ポリエステルベースの二軸延伸フィルムは、耐熱性
に優れるものの、プラスチックフィルム共通の問題とし
て静電気を帯びやすい。その結果フィルムが帯電して、
複数枚のフィルムがブロッキングしたまま重なって搬送
される(重送)という問題が生じる。
【0006】一般に、ポリエステルフィルムの表面に易
接着性を付与する方法として、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂等の易接着性樹脂のプライマー
層を形成する方法が提案され、実際に使用されている。
【0007】また、帯電防止性を付与させる方法とし
て、有機スルホン酸塩等の低分子量のアニオン性界面活
性剤タイプである化合物を練り込む方法、金属化合物を
蒸着する方法、アニオン性化合物やカチオン性化合物、
あるいは導電性化合物等の帯電防止剤を表面に塗布する
方法等が知られている。
【0008】アニオン性化合物を練り込む方法は、安価
に製造できるという利点があるものの、帯電防止効果に
おいて限界がある。さらに、低分子化合物を用いるため
耐水性が悪く、ブルーミングによって接着性の経時的な
低下や、化合物の転着による帯電防止性能の低下を起こ
しやすく、耐久性に問題がある。
【0009】金属化合物を蒸着する方法は、帯電防止性
が優れ、近年は透明導電性フィルムとして用途が拡大し
ているものの、製造コストが高く、特定の用途には向い
ているが、汎用の帯電防止フィルムとしては利用されが
たい。
【0010】帯電防止剤を塗布する方法は、前記易接着
性樹脂と混合物の形で同時に塗布できるので簡便な方法
である。さらに、塗布層を有する二軸延伸ポリエステル
フィルムの製造方法として、塗布液をシートまたはフィ
ルムに塗布した後、フィルムを延伸、熱処理する塗布延
伸法(インラインコーティング法)と言われる方法があ
るが、この方法を使用すれば、フィルムの製膜と塗布を
同時に実施するため、幅広の製品が安価に得られる利点
がある。しかし、易接着性、帯電防止性等を同時に満足
させる塗布層を選ぶには、配合処方にかなりの困難が伴
う。
【0011】例えば、導電性カーボンなどの導電性粒子
を用いる方法では、帯電防止効果が比較的良好であると
ともに比較的安価に製造できる利点があるものの、フィ
ルムの透明性や光沢度を悪化させる欠点がある。低分子
量のアニオン系化合物や、カチオン系化合物を用いる方
法では、練り込み法と同様に、耐水性やブルーミングに
よる接着性の経時的な低下やブロッキングの悪化の問題
を有する。
【0012】高分子量のアニオン性帯電防止剤としてポ
リスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の高分子量の帯電
防止剤を塗布したフィルムが知られているが、ポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム塩は、塗布延伸法に適用した
場合、塗布層が不連続になりやすく、帯電防止効果が十
分に発揮されないおそれがある。さらに、塗布層に無数
のクラックが入ることでフィルムの光沢度がばらつく傾
向がある。また、高分子量のカチオン系帯電防止剤は、
アニオン性帯電防止剤に比べ静防能は優れるが、熱的安
定性に劣るため、通常の条件で塗布延伸を実施した場合
は、延伸、熱処理工程で揮散あるいは熱分解が生じて、
期待された帯電防止効果が発揮されない場合がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みなされたものであって、その解決課題は、フィルムの
諸特性を悪化させることなく帯電防止性が付与された、
搬送性に優れ、画像の被転写体として用いた場合に美麗
な画質を得ることが可能な微細気泡含有ポリエステルフ
ィルムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有する
微細気泡含有ポリエステルフィルムが優れた特性を有
し、例えばビデオプリンター等に用いる受像紙基材フィ
ルムとして極めて有用であることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明の要旨は、見掛け密度が
0.60〜1.35g/cm3 の微細気泡含有ポリエス
テルフィルムであって、少なくとも片側の表面に塗布層
を有し、当該塗布層表面の表面固有抵抗が1×1012Ω
以下であることを特徴とする微細気泡含有ポリエステル
フィルム、および当該微細気泡含有ポリエステルフィル
ムを基材として用いることを特徴とするビデオプリンタ
ー用受像紙に存する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0017】本発明において、ベースとなるポリエステ
ルフィルムを構成するポリエステルとしては、代表的に
は、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレ
フタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単
位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレート
であるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位
の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート等が挙げられる。そのほかに
は、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等が挙げられる。
【0018】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成
分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などの
エステル形成性誘導体を使用することができる。また、
ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほ
かに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することが
できる。
【0019】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムは、例えばビデオプリンター用等の受像紙の基材、特
に昇華型、溶融型等の感熱転写用受像紙の基材として、
十分に高濃度な画像受容性を呈するが、このことは、フ
ィルム中の微細気泡によるクッション性と断熱性が有効
に作用している。また、受容画像に映るちらつきを低減
し、精細感を向上させるために、フィルム中の気泡サイ
ズは、より微細で均一であることが好ましい。このよう
なフィルムを得るためには、ポリエステルに非相溶な熱
可塑性樹脂を配合し、さらに相当量の界面活性剤を添加
して押出し、得られたシートを少なくとも一軸方向に延
伸することにより、フィルムに微細な独立気泡を含有さ
せる方法が好ましく用いられる。
【0020】上記の非相溶な熱可塑性樹脂とは、ポリエ
ステルと共に溶融、混練した際に、ポリエステルと相溶
せず、ポリエステル中に球状、楕円状、糸引き状等の形
で分散する(海島モデル)熱可塑性樹脂を指す。
【0021】上記のポリエステルに対して非相溶な熱可
塑性樹脂の含有量An は、全配合中の比として、通常2
〜30%重量、好ましくは5〜25重量%、さらに好ま
しくは10〜20重量%である。An が2重量%未満の
場合は、フィルム中に形成される気泡の量が少なくなる
傾向があり、十分に軽量化されかつクッション性を備え
たフィルムを製造できない場合がある。一方、An が3
0重量%を超える場合は、生成する気泡が過多となる傾
向があり、フィルム表面の粗度が大きくなり過ぎる場合
がある。
【0022】ここでポリエステルに非相溶な熱可塑性樹
脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルペンテン、ポリメチルブテン等のポリオレフ
ィンのほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げられ
るが、これらの中では、コストや生産性の観点からポリ
プロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンが好ま
しく、さらに好ましくはポリプロピレンである。なお、
以下の記載においては、ポリエステルに対して非相溶な
熱可塑性樹脂をポリプロピレンで以て代表する。
【0023】上記のポリプロピレンとしては、通常95
モル%以上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単
位を有する結晶性ポリプロピレンホモポリマーが好まし
い。非晶性ポリプロピレンの場合は、フィルム製造工程
において未配向ポリエステルシートの表面にポリプロピ
レンがブリードアウトし、冷却ドラムや延伸ロール等の
表面が汚染されることがある。また、プロピレン以外の
例えばエチレン単位が5モル%を超えて共重合されてい
る場合は、微細気泡の生成が不足する傾向にある。
【0024】ポリプロピレンのメルトフローインデック
ス(MFI)は通常1.0〜30g/10分、好ましく
は2.0〜20g/10分の範囲から選択される。MF
Iが1.0g/10分未満の場合、生成する気泡が大き
くなる傾向にあり、延伸時の破断が誘起されやすい。ま
た、MFIが30g/10分を超える場合は、密度の均
一コントロールが困難となり、また延伸装置であるテン
ターにおいてクリップ外れが起こりやすく、生産性が悪
化することがある。
【0025】本発明では、フィルム化工程で形成される
気泡の大きさを、均一化かつ微細化し、所望のフィルム
密度およびクッション性を得るため、原料に界面活性剤
を配合することが好ましく、界面活性剤としては非イオ
ン系界面活性剤が好ましい。
【0026】ここで言う界面活性剤とは、本発明のフィ
ルムを得るための原料押出工程(溶融、混練)におい
て、ポリエステルと例えばポリプロピレンの界面で作用
し、両者の相溶性を高め、結果としてフィルム中に生成
させる気泡をより均一かつ微細化する効果を与えるもの
である。具体的にはポリアルキレングリコール型類、多
価アルコール型類、シリコーン系類等の非イオン系界面
活性剤が挙げられ、これらの中でもシリコーン系界面活
性剤が好ましい。より具体的には、オルガノポリシロキ
サン−ポリオキシアルキレン共重合体やポリオキシアル
キレン側鎖を有するアルケニルシロキサン等を用いれば
界面活性化作用が高くなり、好ましい。
【0027】フィルム中の上記界面活性剤の含有量As
(重量%)は、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂の
含有量An (重量%)との関係で、0.002An ≦A
s ≦0.2An であることが好ましく、より好ましくは
0.005An ≦As ≦0.1An である。As が0.
002An に満たない場合、非相溶樹脂が十分に均一か
つ微細化しない傾向がある。一方、As が0.2An を
超える場合、もはや非相溶樹脂の微分散化を促進する効
果が向上しないうえ、フィルムの白色度を低下させる
等、フィルム品質上悪影響をきたす傾向がある。
【0028】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムの見掛け密度(ρ)は0.60〜1.35g/cm3
である必要があり、好ましくは0.70〜1.25g/
cm 3 、さらに好ましくは0.75〜1.15g/cm
3 である。ρが0.6g/cm3 未満では、製膜時に破
断が頻発し、生産性が劣るようになるので好ましくな
い。ρが1.35g/cm3 を超えると、クッション性
が劣り、ビデオプリンター用等の受像紙基材として用い
た際、プリント時の印字濃度が低下するとともに、単位
面積当たりのコストアップとなるため好ましくない。
【0029】本発明の微細気泡含有フィルムは、受像紙
基材として使用されたときに美麗な画像を得るという観
点から、高い光沢度を有することが好ましく、具体的に
はJIS Z 8741−1983の方法3による60
゜光沢度G60が20%以上であることが好ましい。G60
が20%未満の場合、フィルムが受容する画像が精細さ
(光沢感)を損なう傾向にある。より好ましいG60は3
0%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。
また、G60が120%を超える場合には、フィルム表面
が過度に平坦となり、ロール加工の際にブロッキングす
る、キズが生じやすい、複数枚の受像紙が重なって搬送
される等の問題が生じることがある。
【0030】本発明の微細気泡含有フィルムの表面粗度
Raは0.03〜0.30μmであることが好ましい。
Raが0.03μmより小さい場合は、フィルム表面が
平坦過ぎて、光沢度が上限を超えた場合と同様の問題が
生じることがある。一方、Raが0.30μmを超える
と、受容した画像の精細さが損なわれる傾向がある。よ
り好ましいRaの範囲は0.05〜0.20μmであ
り、さらに好ましくは0.07〜0.15μmである。
【0031】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムは、受像紙の基材として使用されたときに精細な画像
を得るという観点から、白色で高い隠蔽度を備えている
ことが好ましい。かかる物性を付与するため、白色無機
粒子を含有させてもよい。さらに白色度を一層高めるた
め、蛍光増白剤を併用することも有効である。
【0032】上記の白色無機粒子としては公知の酸化チ
タン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる
が、これらの中でも、粒径が小さく粒状である酸化チタ
ンが画像受容性の点で好ましい。
【0033】本発明においてポリエステル中に配合する
ことのできる酸化チタン粒子の結晶形態はアナターゼ
型、ルチル型のいずれでもよいが、白色度および耐候性
の点からアナターゼ型酸化チタン粒子であることが好ま
しい。さらに酸化チタン粒子のポリエステルへの分散性
および耐候性向上を目的に粒子の表面をアルミニウム、
けい素、亜鉛等の酸化物および/または有機化合物で処
理したものも用いることができる。
【0034】酸化チタン粒子の平均粒径は0.20〜
0.50μmの範囲が好ましい。平均粒径が0.20μ
m未満であったり0.50μmを超えたりすると、フィ
ルムとした際の隠蔽度が低下し、光線透過の防止が不十
分となる傾向がある。
【0035】また、酸化チタン粒子の添加量は、通常1
〜20重量%である。粒子の添加量が1重量%未満で
は、フィルムとした際の隠蔽度が低下し、光線透過の防
止が不十分となる傾向がある。粒子の添加量が20重量
%を超えると、フィルム製膜時に破断が生じやすくなっ
たり、フィルムとした際の機械的強度が劣る傾向があ
る。
【0036】本発明で用いることのできる蛍光増白剤と
しては、波長が400〜700nmに蛍光ピークを有す
るものであれば種類を問わないが、好適なものとして
は、商品名ユピテックスOB(チバガイギー社)、OB
−1(イーストマン社)およびミカホワイト(日本化薬
−三菱化学)等の市販品が挙げられる。蛍光増白剤のポ
リエステルフィルム中の含有量は、通常50〜5000
ppm、好ましくは100〜3000ppmである。蛍
光増白剤の含有量が50ppm未満では、白色度が不十
分となる傾向がある。また、蛍光増白剤の含有量が50
00ppmを超えると、増白剤をポリエステルに配合す
る際の押出機等の練込工程で熱劣化を起こす恐れがあ
る。
【0037】本発明の微細気泡含有フィルムの白さにつ
いて、JIS Z8722およびZ8730により定義
されるb値を指標とすることができる。具体的には、フ
ィルムを5枚重ねて測定したb値が、+1.0〜−10
の範囲内にあることが好ましい。b値が+1.0を超え
る場合には、フィルムの黄色味が強く、受像基材として
(受容画像)の高級感を損なう傾向がある。一方、b値
が−10未満の場合には、フィルムが青味ががり、受容
画像の色彩に変調を与える傾向がある。より好ましいフ
ィルムb値は−3.0〜−10、さらに好ましくは−
4.0〜−8.0の範囲内である。
【0038】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムの少なくとも片面には、塗布層が設けられ、当該塗布
面の表面固有抵抗が1×1012Ω以下であることが必要
である。好ましい表面固有抵抗値は1×1010Ω未満で
あり、より好ましくは1×109 Ω未満である。
【0039】また、本発明における塗布層の塗布は、ポ
リエステルフィルムの片面、両面を問わないが、ビデオ
プリンター用受像紙のブロッキング(重送)防止の点
で、両面に帯電防止処理がなされている、つまり塗布層
を有する方が好ましい。
【0040】上記塗布層の組成は、所望の表面固有抵抗
(1×1012Ω以下)を満たす限り、特に限定されるも
のではないが、例えば以下のような組成とすることが可
能である。
【0041】(a)主鎖にピロリジウム環を有するポリ
マー、(b)ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウ
レタンおよび含塩素系ポリマーから選ばれる少なくとも
1種のポリマー、並びに(c)メラミン系および/また
はエポキシ系の架橋剤とを含有する塗布層。
【0042】上記塗布剤成分の一つである、主鎖にピロ
リジウム環を有するポリマーとは、例えば下記式(I)
あるいは(II)の構造を主成分とするポリマーである。
【0043】
【化1】
【0044】
【化2】
【0045】上記式(I)および(II)中、R1 、R2
は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基等であ
り、これらのアルキル基、フェニル基が以下に示す基で
置換されていてもよい。
【0046】置換可能な基は、例えば、ヒドロキシル
基、アミド基、カルボ低級アルコキシ基、低級アルコキ
シ基、チオフェノキシ基、シクロアルキル基、トリ−
(低級アルキル)アンモニウム低級アルキル基等であ
り、ニトロ基はアルキル基上でのみ、またハロゲン基は
フェニル基上でのみ置換可能である。また、R1 、R2
は化学的に結合していてもよく、例えば、( CH2m
(m=2〜5の整数)、−CH(CH3 )−CH(CH
3 )− 、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH
−CH=N−、−CH=CH−N=CH−、 (CH
22O(CH22 、(CH22 O(CH22
が挙げられる。上記式中のX- は、Cl- 、Br-、1
/2SO4 2- 、または1/3PO4 3-等の無機酸残基、
CH3SO4 -、C2 5SO4 -のスルホン酸残基を示す。
【0047】本発明における(I)のポリマーは、例え
ば、下記式(III )で表される化合物をラジカル重合触
媒を用いて環化重合させることにより得られる。
【0048】
【化3】
【0049】また、前記(II)式のポリマーは、上記
(III )式の化合物を二酸化イオウを溶媒とする系で環
化重合させることにより得られる。重合は、溶媒として
水あるいはメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ホルムアミド、ジオキサン、アセトニトリル、二酸
化イオウなどの極性溶媒中で過酸化水素、ベンゾイルパ
ーオキサイド、第3級ブチルパーオキサイド等の重合開
始剤により、公知の方法で実施できるが、これらに限定
されるものではない。
【0050】本発明における主鎖にピロリジウム環を有
するポリマーは、上記(III )式の化合物と重合性のあ
る炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を共重合成分と
してもよい。
【0051】本発明における主鎖にピロリジウム環を有
するポリマーの分子量は、好ましくは500〜1000
000、さらに好ましくは1000〜500000であ
る。ポリマーの分子量が500未満の場合は、帯電防止
効果はあるものの、塗膜の強度が弱かったり、ブロッキ
ングしやすい傾向がある。ポリマーの分子量が1000
000より高い場合は、塗布液の粘度が高くなり、取扱
い性や塗布性が悪化する傾向がある。
【0052】本発明の塗布層成分として用いられるポリ
エステル、ポリアクリレート、ポリウレタンおよび含塩
素系ポリマーとしては、通常塗布剤として用いられるも
のであれば特に限定されるものではない。例えば、含塩
素系ポリマーとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体およびクロロプレン等が挙げられる。
【0053】これらのポリマーは、そのモノマーの一成
分としてノニオン、カチオンまたは両性系の親水成分を
共重合することで親水性を付与し、水に分散させること
ができる。あるいはノニオン、カチオンまたは両性系の
界面活性剤を用いて、いわゆる強制乳化させることによ
り水分散させたり、ノニオン、カチオンまたは両性系の
界面活性剤を用いて乳化重合させ水分散体としたりする
こともできる。
【0054】また、これらのポリマーは共重合体でも使
用でき、ランダム共重合体ブロック共重合体およびグラ
フト共重合体のいずれでもよく、異種ポリマーの結合体
でもよい。例えばポリウレタンまたはポリエステルの水
溶液または水分散体存在下でアクリル系モノマーを乳化
重合させて得られるポリウレタン−グラフト−ポリアク
リレートまたはポリエステル−グラフト−ポリアクリレ
ートが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0055】本発明で用いるメラミン系架橋剤として
は、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化した
メラミン化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブト
キシメチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に
尿素等を共縮合したものも使用できる。
【0056】また、エポキシ系架橋剤としては、水溶性
あるいは水溶化率が50%以上のエポキシ基を持つ化合
物であればよい。
【0057】架橋剤を添加することにより、塗布層の固
着性、耐水性、耐溶剤性および機械的強度が改良され
る。この結果、上塗り層を塗布後、上塗り層上でも帯電
防止性が発揮される。また、上塗り層との接着性の改良
に加え、驚くべきことに帯電防止性も改良される。特に
メラミン系架橋剤は硬化速度が速く、プロトン酸あるい
はそのアンモニウム塩等の硬化触媒を併用すると一層効
果的である。
【0058】本発明の塗布層を得るための塗布液中に配
合される主鎖にピロリジウム環を有するポリマーの配合
量は、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量
%である。かかる配合量が5重量%未満では、後述する
受像層塗布後の帯電防止性不十分となる傾向がある。か
かる配合量が50重量%を超えると、受像層との密着性
が不十分となることがある。
【0059】本発明のフィルムの塗布層を得るための塗
布液中に配合されるポリエステル、ポリアクリレート、
ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーから選ばれた少な
くとも1種のポリマーの総配合量は通常30〜90重量
%、好ましくは40〜80重量%である。かかる配合量
が30重量%未満では、受像層との密着性が不十分とな
る傾向があり、配合量が90重量%を超えると、耐ブロ
ッキング性が不十分となることがある。
【0060】塗布液中に配合されるメラミン系またはエ
ポキシ系の架橋剤の総配合量は、通常5〜45重量%、
好ましくは10〜40重量%である。かかる配合量が5
重量%未満では、帯電防止性や耐ブロッキング性の改良
効果が不十分となる傾向があり、配合量が45重量%を
超えると、受像層との密着性が不十分となることがあ
る。
【0061】本発明においては塗布層中にさらに潤滑剤
を配合することにより、滑り性と適度な離型性を付与す
ることができる。潤滑剤としてはポリオレフィン系ワッ
クス、鉱物油、動植物油、ろう、エステル類および金属
石けん等が挙げられるが、ポリオレフィン系ワックスを
用いれば接着性を損なわないので、通常はこれを用い
る。
【0062】さらに本発明のフィルムの塗布層は、必要
に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、無機粒子、有
機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤お
よび染料などを含有していてもよい。
【0063】本発明の塗布層を積層した二軸延伸白色ポ
リエステルフィルムをビデオプリンター用基材とする場
合、フィルム上に昇華型染料の受像層を設けることが通
常行われる。受像層成分としては、一般にポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル
樹脂およびこれらの混合物あるいは共重合体等が使用で
きる。また必要に応じて、各種ワックス類、シリコン類
等の離型改良剤、シリカ等の無機粒子を添加することも
できる。
【0064】本発明の微細気泡含有フィルムは、単一フ
ィルムのほか、異なる原料配合からなる二つ以上の層構
成とすることもできる。そしてフィルム化には、一般に
所定に配合されたポリマーを溶融、押出しした後、少な
くとも一軸方向にロール延伸法、テンター法等に従って
延伸を施せばよい。なお、微細気泡を良好に形成すると
ともにフィルム強度や寸法安定性を適度に満足させるた
めには、二軸延伸方法および熱処理方法を併用すること
が好ましい。
【0065】ここで二軸延伸を用いた場合の一例を詳細
に説明する。
【0066】層構成は、単一、B/Aの2種2層、もし
くはB/A/Bの2種3層が基本となるが、更なる多層
構成であっても差し支えない。まず、各層に対する配合
の原料を、各層に対応する押出機に供給し、各押出機ラ
イン毎に溶融混練した後、各層のポリマーを、通常マル
チマニホールドまたはフィードブロックを経てダイへ導
く。
【0067】次に、ダイから押し出された溶融シート
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性、冷却効果を向上さ
せるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高
めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法
が好ましく採用される。
【0068】次いで、得られたシートを二軸方向に延伸
してフィルム化する。本発明のポリエステルフィルムに
含有する微細気泡は、かかる延伸によって生成される。
【0069】まず、通常70〜150℃、好ましくは7
5〜130℃の延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ま
しくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、前記未延
伸シートを一方向(縦方向)に延伸する。かかる延伸に
はロールおよびテンター方式の延伸機を使用することが
できる。次いで、通常75〜150℃、好ましくは80
〜140℃の延伸温度で、通常2.5〜6.0倍、好ま
しくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、一段目と
直交する方向(横方向)に延伸を行い、二軸配向フィル
ムを得る。かかる延伸には、テンター方式の延伸機を使
用することができる。
【0070】上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸
倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記
未延伸シートを面積倍率が7〜30倍になるように同時
二軸延伸することも可能である。
【0071】次いで、テンター内熱処理を、通常140
〜250℃で、30%以内の伸長、制限収縮または定長
下で1秒〜5分間行う。二軸延伸後、さらに110℃〜
180℃の温度で縦方向に1.05〜2.0倍再延伸を
行った後、熱処理する方法も採り得る。この際、再縦延
伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または後微
小倍率縦延伸等の手法を適宜採用することも可能であ
る。また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。
【0072】ここで本発明者らは、テンター内熱処理前
に塗布層が設けられた場合、熱処理温度を順次下げるこ
とにより、最終フィルム塗布面の表面固有抵抗が低下
し、即ち帯電防止処理がより効果的となることを見いだ
した。好ましい熱処理温度は140〜235℃、さらに
好ましくは140〜215℃である。
【0073】また、塗布層をポリエステルフィルムに塗
布する方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年発
行、「コーティング方式」に示されるリバースロールコ
ーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドク
ターコーター等を用いることができる。本発明において
は、これらの塗布装置を用いて塗布される塗布フィルム
は通常、塗布後に少なくとも一軸方向に延伸されるこ
と、好ましくは塗布前に少なくとも一軸方向に延伸さ
れ、さらに塗布後に少なくとも一軸方向に延伸されるこ
とが好ましい。塗布後延伸処理をしない場合、形成され
る塗布層とポリエステルフィルムとの密着力が弱く、実
用に適した接着性を得られない場合がある。
【0074】上記理由により、また工業的に有利な製造
法とするため、本発明の微細気泡含有ポリエステルの製
造工程内で塗布層を設ける方法が好ましい。かかる方法
の例として、フィルム化工程において、長手方向に一軸
延伸されたフィルムに塗布し、乾燥または未乾燥の状態
で、さらに先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸した
後、熱処理を施す方法が製造コストの面から好ましく採
用されるが、これに限定されるわけではない。
【0075】また、帯電防止塗布層が片面のみの場合、
その反対面には必要に応じ、その塗布層とは異なる塗布
層を形成し、本発明のポリエステルフィルムにさらに他
の特性を付与することもできる。なお、塗布液のフィル
ムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にフィル
ムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、本発明
の微細気泡含有ポリエステルフィルムの表面特性をさら
に改良するために、塗布層形成後放電処理等を施しても
よい。
【0076】また、上記の微細気泡含有ポリエステルフ
ィルムの厚さは、通常20〜300μm、好ましくは2
5〜250μmの範囲である。また、微細気泡を含有し
ない層を含む積層フイルムの場合は、微細気泡含有層の
厚さが全体厚さの20%以上であることが好ましい。微
細気泡含有層の厚さが20%未満の場合は、本発明の微
細気泡含有ポリエステルフイルムの特徴である軽量性や
クッション性が十分に満足されない。
【0077】塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さで通常
0.01〜0.5μmの範囲であり、好ましくは0.0
2〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.01
μm未満では、帯電防止効果等が享受されないことがあ
り、0.5μmを超えると、フィルムが相互にブロッキ
ングしやすくなったり、特にフィルムの高強度化を目的
として塗布処理フィルムを再延伸する場合には、工程中
にロールに粘着しやすくなったりすることがある。ブロ
ッキングの問題は、特にフィルムの両面に同一の帯電防
止層を設ける場合に顕著に現れる。
【0078】本発明のフィルムは、その特徴を生かし、
微細気泡含有フィルム単体として、また、紙、合成紙、
プラスチックフィル等の他の素材との貼合わせ体とし
て、ビデオプリンター用を始めとする各種感熱転写用受
像紙、ラベル、記録紙、ポスター、シールプリント用台
紙、平版印刷板、包装材料、付箋などに好適に使用され
る。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、本発明における
各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおり
である。また、実施例および比較例中、「部」および
「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意
味する。 (1)平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。 (2)見掛け密度(g/cm3 ) フィルムの任意の部分から10cm×10cmの正方形
のサンプルを切出し、マイクロメーターで均等に9ヶ所
の厚みを測定した。その平均値とフィルムの重量から、
単位体積当りの重量を算出し、見掛け密度とした。測定
数は5点とし、その平均値を用いた。 (3)光沢度(%) JIS Z−8741−1983の方法3(60゜光沢
度)によって、フィルム表面のMD方向に光を入射して
測定した。なお測定面はキャスト面(キャストロール接
触面側)に相当した。測定数nは3とし、その平均値を
算出した。 (4)中心線平均表面粗さRa(μm) 小坂研究所製の万能表面形状測定器SE−3Fを用いて
測定した。下記の条件で12回測定し、上下2点を除い
た10点の平均値をとった。
【0080】 ・触針先端径:2μm ・測定力:0.03gf ・測定長 :2.5mm ・カットオフ値:0.8mm (5)b値 日本電色工業(株)製測色計NDH−1001DP(C
光源、2゜視野)を用いて、JIS Z−8722、8
730の方法に準じて、フィルムを5枚重ねたもののb
値を測定した。 (6)表面固有抵抗 横河ヒューレット・パッカード社の同心円型電極「16
008A(商品名)」(内側電極50mm、外側電極7
0mm径)に23℃、50%RHの雰囲気下、受像層塗
布後のフィルムを設置し、100Vの電圧を印加し、同
社の高抵抗計「4329A(商品名)」で試料の表面抵
抗を測定した。 (7)製膜性 無定形シートを縦延伸し、横延伸する際、横延伸機(テ
ンター)において、延伸時あるいは熱固定時にフィルム
が破断する状況を次に示すランクで判定し評価した。
【0081】 ○:ほとんどフィルム破断を起こさず生産性良好 △:時折フィルム破断を起こし生産性に劣る ×:頻繁に破断し生産性が全くない (8)印字画像の画質 東洋紡績”バイロン600”(ポリエステル) :62重量部 UCC”VYHH”(塩酢ビ) :26重量部 信越化学”KF−393”(アミノ変性シリコン) : 6重量部 信越化学”X−22−343”(エポキシ変性シリコン): 6重量部 受像層として上記の塗料をメタノール/メチルエチルケ
トン/ジメチルホルムアミドの混合溶媒に溶解し20重
量%の溶液として用い、乾燥後の膜厚が5μmとなるよ
うに、フィルムに塗布した。
【0082】フィルムの受像層塗布面に、松下電器
(株)製ビデオプリンター”NV−MP10”にて画像
をプリントし、その状態を観察した。
【0083】○:画質が良好 △:画質の一部が若干不
鮮明 ×:画質が不鮮明で一部欠落部分がある (9)受像紙の搬送性 上記(8)項のプリントテスト時に、スタックに装填し
たフィルムが複数枚重なって搬送される頻度について、
50回送紙中、×:5回以上 △:2〜4回〇:1回
◎:全くない として評価した。
【0084】実施例1 固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートチップ
に、メルトフローインデックス10g/10分の結晶性
ポリプロピレンチップを13重量%配合し、さらに、平
均粒径0.3μmの酸化チタン粒子を5.0重量%、蛍
光増白剤(イーストマン社製OB−1)を0.05重量
%、シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・
シリコーン社製SH193)を0.10重量%となるよ
うに均一に添加し、原料Aを調整した。
【0085】二軸押出機中に上記の原料Aを直接投入し
て270℃で溶融、混練し、得られた溶融体をダイに導
いてスリット状に押出し、30℃の冷却ドラム上で冷却
して無延伸シートを得た。次いで、当該無延伸シートを
縦方向に80℃で3.4倍延伸した後、下記表1に示す
塗布剤組成の塗布液(5重量%水分散体)を塗布厚み
4.5μm(wet)となるように、フィルムの両面に
塗布し、さらに横方向に125℃で3.9倍延伸し、2
27℃で20秒間熱処理した。最終的にフィルム厚み1
88μmの二軸配向フィルムを得た。
【0086】得られたフィルムの物性および特性評価の
結果は、下記表2に示すとおりである。
【0087】実施例2〜6 塗布液組成および熱処理温度を表1に示すとおりに変更
する以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み188
μmの二軸配向フィルムを得た。
【0088】比較例1 塗布を実施しない以外は実施例1と同様にして、フィル
ム厚み188μmの二軸配向フィルムを得た。
【0089】比較例2、3 原料配合を表1に示すとおりに変える以外は実施例1と
同様にして、フィルム厚み188μmの二軸配向フィル
ムを得た。なお、比較例3においては、フィルム破断が
頻発し、塗布を施したフィルムを採取することができな
かった。
【0090】実施例7 塗布層を片面のみとする以外は実施例1と同様にして、
フィルム厚み188μmの二軸配向フィルムを得た。印
字適性に関する評価は、塗布層側に受像層を設けて行っ
た。
【0091】実施例8 実施例1において、原料Aと、平均粒径0.3μmの炭
酸カルシウムを0.25重量%含有する固有粘度0.6
0のポリエチレンテレフタレート(原料B)とを用い、
フィルムがBABの多層構成となるように共押出を行っ
た以外は実施例1と同様にして、最終的に厚み構成が2
/184/2μmである二軸配向フィルムを得た。
【0092】以上、得られた微細気泡含有フィルムの製
膜性およびフィルム特性をまとめて下記表2に示す。
【0093】
【表1】
【0094】(上記表1の塗布液組成で、Aはポリジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド(分子量=300
00)、Bはメチルメタクリレート/エチルアクリレー
ト/メチロールアクリルアミド共重合体のノニオン水分
散体(モノマー比率:47.5/47.5/5モル
%)、Cはメトキシメチルメラミン水溶液を表す) 上記表1中、実施例8の原料配合は、中間層の値であ
る。
【0095】
【表2】
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、帯電防止性、搬送性に
優れ、かつ画像の被転写体として美麗な画質を得ること
が可能な微細気泡含有ポリエステルフィルムを提供で
き、その工業的価値は非常に高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 B41M 5/26 H // C08J 9/00 CFD 101H C08L 67:02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 見掛け密度が0.60〜1.35g/c
    3 の微細気泡含有ポリエステルフィルムであって、少
    なくとも片側の表面に塗布層を有し、当該塗布層表面の
    表面固有抵抗が1×1012Ω以下であることを特徴とす
    る微細気泡含有ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 塗布層が、(a)主鎖にピロリジウム環
    を有するポリマー、(b)ポリエステル、ポリアクリレ
    ート、ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーから選ばれ
    る少なくとも1種のポリマー、並びに(c)メラミン系
    および/またはエポキシ系の架橋剤とを含有することを
    特徴とする請求項1記載の微細気泡含有ポリエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 塗布層がフィルムの両面に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の微細気泡含
    有ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の微細気
    泡含有ポリエステルフィルムを基材として用いることを
    特徴とするビデオプリンター用受像紙。
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