JPH0929913A - ビデオプリンター用積層フィルム - Google Patents

ビデオプリンター用積層フィルム

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JPH0929913A
JPH0929913A JP7182860A JP18286095A JPH0929913A JP H0929913 A JPH0929913 A JP H0929913A JP 7182860 A JP7182860 A JP 7182860A JP 18286095 A JP18286095 A JP 18286095A JP H0929913 A JPH0929913 A JP H0929913A
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JP
Japan
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film
polyester
polymer
weight
coating layer
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JP7182860A
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English (en)
Inventor
Kazuo Endo
一夫 遠藤
Toshibumi Watanabe
俊文 渡辺
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 受像層との密着性、帯電防止性およびプリン
ト時における印刷適性(染料、インキの転着受容性)に
優れたビデオプリンター用ベースフィルムを提供する。 【構成】 下記式(1)および(2)を同時に満足し、
微細空洞を含有する二軸延伸白色ポリエステルフィルム
の少なくとも片面に、当該フィルムの製造工程内で設け
られた塗布層を有し、当該塗布層が(a)主鎖にピロリ
ジウム環を有するポリマー、(b)ポリエステル、ポリ
アクリレート、ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーか
ら選ばれた少なくとも1種のポリマー、並びに(c)メ
ラミン系および/またはエポキシ系の架橋剤とを含有す
ることを特徴とするビデオプリンター用積層フィルム。 【数1】0.6≦ρ≦1.2 ………(1) b≦1.0 ………(2) (上記式中、ρはフィルムの見掛け密度(g/cm3
、bはフィルムのb値を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオプリンター用ベ
ースフィルムに用いられる二軸延伸白色ポリエステル積
層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、ビデオプリンター用ベースフィルムに用いられるフ
ィルムとしては二軸延伸ポリプロピレンベースの不透明
なフィルムあるいは二軸延伸ポリエステルベースの透明
なフィルムが使用されている。二軸延伸ポリプロピレン
ベースのフィルムは、ポリプロピレン樹脂に多量の無機
粒子をブレンドしたものを延伸してフィルム中に空隙を
作ることで、プリント時のクッション性を良好にして印
字適性、走行性等を改良している。また二軸延伸ポリエ
ステルベースのフィルムは、二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムあるいはその表層に薄い易接着層の
コーティング層を形成したものが使用されている。
【0003】しかしながら、従来のベースフィルムは以
下のような欠点を有している。二軸延伸ポリプロピレン
ベースのフィルムはプリント時の加熱によりカールを生
じ変形する。また二軸延伸ポリエステルベースのフィル
ムはプリント時の印字適性(染料、インキの転着受容
性)、走行性に劣るため、印字あるいは画像が不鮮明で
あったり、色抜けを生じたり、色ずれを生じたりする。
さらにプラスチックフィルムの共通の問題として静電気
が発生しやすく、その結果、フィルムが帯電してしまう
という欠点を有している。
【0004】一般に、ポリエステルフィルムの表面に易
接着性を付与する方法としてアクリル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂等の易接着性樹脂のプライマー層
を形成する方法が提案され、実際に使用されている。ま
た、帯電防止性を付与させる方法として、有機スルホン
酸塩等の低分子量のアニオン性界面活性剤タイプの化合
物を練り込む方法、金属化合物を蒸着する方法、アニオ
ン性化合物やカチオン性化合物、あるいは導電性化合物
等の帯電防止剤を表面に塗布する方法等が知られてい
る。
【0005】アニオン性化合物を練り込む方法は、安価
に製造できるという利点があるものの、帯電防止効果に
おいて限界がある。さらに、低分子化合物を用いるため
耐水性が悪く、ブルーミングによって接着性の経時的な
低下や、化合物の転着による帯電防止性能の低下を起こ
しやすく、耐久性に問題がある。金属化合物を蒸着する
方法は、帯電防止性が優れ、近年は透明導電性フィルム
として用途が拡大しているものの、製造コストが高く、
特定の用途には向いているが、一般の帯電防止フィルム
としては利用しがたい。
【0006】帯電防止剤を塗布する方法は、前記易接着
性樹脂と混合物の形で同時に塗布できるので簡便な方法
である。さらに、塗布層を有する二軸延伸ポリエステル
フィルムの製造方法として、塗布液をシートまたはフィ
ルムに塗布した後、フィルムを延伸、熱処理する塗布延
伸法(インラインコーティング法)といわれる方法があ
るが、この方法を使用すれば、フィルムの製膜と塗布を
同時に実施するため、幅広の製品が安価に得られる利点
がある。しかし、易接着性、帯電防止性等を同時に満足
させる塗布層を選ぶには、配合処方にかなりの困難が伴
う。
【0007】例えば、導電性カーボンなどの導電性粒子
を用いる方法では、帯電防止効果が比較的良好であると
ともに比較的安価に製造できる利点があるものの、フィ
ルムの透明性や光沢度を悪化させる欠点がある。低分子
量のアニオン系化合物や、カチオン系化合物を用いる方
法では、練り込み法と同様に、耐水性やブルーミングに
よる接着性の経時的な低下やブロッキングの悪化の問題
を有する。高分子量のアニオン性帯電防止剤としてポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム塩等の高分子量の帯電防
止剤を塗布したフィルムが知られているが、ポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム塩は、塗布延伸法に適用した場
合、塗布層が不連続となり、やすく帯電防止効果が十分
発揮されないことが多い。さらに、塗布層に無数のクラ
ックが入ることでフィルムの光沢度がばらつく欠点があ
る。また、高分子量のカチオン系帯電防止剤は、アニオ
ン性帯電防止剤に比べ静防能は優れるが、熱的安定性に
劣るため、通常の条件で塗布延伸を実施した場合は、延
伸、熱処理工程で揮散あるいは熱分解が生じて、期待さ
れた帯電防止効果が発揮されない場合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有する
二軸延伸白色ポリエステルフィルムが優れた特性を有
し、ビデオプリンター用ベースフィルムとして極めて有
用であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、下記式(1)および(2)
を同時に満足し、微細空洞を含有する二軸延伸白色ポリ
エステルフィルムの少なくとも片面に、当該フィルムの
製造工程内で設けられた塗布層を有し、当該塗布層が
(a)主鎖にピロリジウム環を有するポリマー、(b)
ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタンおよび
含塩素系ポリマーから選ばれた少なくとも1種のポリマ
ー、並びに(c)メラミン系および/またはエポキシ系
の架橋剤とを含有することを特徴とするビデオプリンタ
ー用積層フィルムに存する。
【0009】
【数2】0.6≦ρ≦1.2 ………(1) b≦1.0 ………(2) (上記式中、ρはフィルムの見掛け密度(g/cm3
、bはフィルムのb値を表す)
【0010】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において、ベースとなるポリエステルフィルムを構
成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構
成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであ
るポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%
以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以
上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
であるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート等が挙げられる。そのほかには、ポリエチレン
イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げ
られる。
【0011】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成
分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などの
エステル形成性誘導体を使用することができる。また、
ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体のほ
かに、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することが
できる。
【0012】本発明の微細空洞含有二軸延伸白色ポリエ
ステルフィルムとは、例えば上述のポリエステルにポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリ−4−メチルペンテン
−1等のポリオレフィン、好ましくはポリプロピレン、
界面活性剤、酸化チタンおよび蛍光増白剤を配合してシ
ート状に押出成形し、次いで得られたシートを少なくと
も一軸方向に延伸することにより、フィルムの表面およ
び内部に微細な独立空洞を含有させたものである。本発
明の二軸延伸白色ポリエステルフィルムの見掛け密度
(ρ)は0.6〜1.2g/cm3 、好ましくは0.7
〜1.1g/cm3 である。ρが0.6g/cm3 未満
では、製膜時に破断が頻発し、生産性が劣るようになる
ので好ましくない。ρが1.2g/cm3 を超えると、
ビデオプリンター用ベースフィルムとした際のクッショ
ン性が劣り、プリント時の印字性が悪化するとともにコ
ストアップとなるため、紙との競争力が低下するので好
ましくない。
【0013】本発明で用いることのできるポリプロピレ
ンとしては、例えば少なくとも95モル%以上がプロピ
レン単位を有するポリマーであり、例えばエチレン単位
を5モル%を超えて共重合させたコポリマーによると、
微細空洞の生成が極めて少なくなり、見掛け比重の低減
が十分達成されない場合がある。ポリプロピレンのメル
トフローインデックスは通常0.5〜50である。メル
トフローインデックスが0.5未満では、生成する空洞
が大きくなりすぎる傾向があり、延伸時の破断が誘起さ
れる傾向がある。またメルトフローインデックスが50
を超えると、フィルム製造のテンターにおける横延伸時
にクリップ外れが誘起され、生産性が劣るようになる傾
向がある。ポリプロピレンを用いる場合、その配合量は
通常3〜30%重量である。配合量が5重量%未満で
は、フィルム中の微細空洞の生成量が少なく、見掛け比
重の低減効果が少なくなる傾向がある。また配合量が3
0重量%を超えると、生成する空洞が多くなりすぎ、延
伸時の破断が誘起される恐れがある。
【0014】本発明では、フィルム中に界面活性剤を添
加することが好ましく、かかる添加は必ずしも最終フィ
ルムの見掛け比重の低減に寄与するものではないが、フ
ィルム中に生成させる空洞をより微細化させることがで
きる。本発明でいう界面活性剤とは、2物質間の界面に
集まりやすい性質を持ち、その2物質間の界面の性質を
著しく変えるもの、即ち芳香族ポリエステルとポリプロ
ピレンの界面における性質を変えるような化合物を指
し、該ポリエステルとポリプロピレンの相溶性を高める
作用を持つ化合物をいう。具体的にはアニオン系界面活
性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤お
よび両性界面活性剤等が挙げられる。アニオン系界面活
性剤としては例えば、天然油脂のアルカリ金属塩やラウ
リン酸、ステアリン酸およびオレイン酸等のアルカリ金
属塩などのカルボン酸塩類、高級アルキルエーテル硫酸
エステルアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩類、アルキ
ルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等のスルホン酸塩
類およびリン酸エステル塩類等が挙げられる。
【0015】カチオン系界面活性剤としては、例えばラ
ウリルアミンやステアリルアミンなどのアミン塩類、ラ
ウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級ア
ンモニウム塩等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤と
しては、例えばノニルフェニルエチレンオキサイドなど
のポリアルキレングリコール系類、ラウリン酸モノグリ
セライドなどの多価アルコール系類およびオルガノポリ
シロキサンなどのシリコーン系類等が挙げられる。
【0016】また両性界面活性剤としては、例えばラウ
リルプロピオン酸メチルなどのアミノ酸誘導体類および
ステアリルジメチルペタインなどのペタイン類等が挙げ
られる。本発明においては、かかる界面活性剤のうちい
ずれを使用しても良いが、好ましくはノニオン系界面活
性剤、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。該界面
活性剤の配合量はポリエステルに対し通常0.01〜3
重量%である。かかる配合量が0.01重量%未満で
は、微細空洞が得られにくくなる傾向がある。また配合
量が3重量%を超えると、最終的にフィルムとした際、
界面活性剤がフィルム表面にブリードアウトして印刷イ
ンキの接着性や耐汚染性に劣るようになることがある。
【0017】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
黄味を表す指標であるb値は1.0以下、好ましくは
0.5以下である。b値が1.0を超えると黄味が強く
なり白色度が不十分となるので好ましくない。本発明に
おいてポリエステル中に配合することのできる酸化チタ
ン粒子の結晶形態はアナターゼ型、ルチル型のいずれで
もよいが、白色度および耐候性の点からアナターゼ型酸
化チタン粒子であることが好ましい。さらに酸化チタン
粒子のポリエステルへの分散性および耐候性向上を目的
に粒子の表面をアルミニウム、けい素、亜鉛等の酸化物
および/または有機化合物で処理したものも用いること
ができる。
【0018】酸化チタン粒子の平均粒径は0.20〜
0.50μmの範囲が好ましい。平均粒径が0.20μ
m未満であったり0.50μmを超えると、フィルムと
した際の隠蔽度が低下し、光線透過の防止が不十分とな
る傾向がある。また酸化チタン粒子の添加量は通常1〜
20重量%である。かかる粒子の添加量が1重量%未満
では、フィルムとした際の隠蔽度が低下し、光線透過の
防止が不十分となる傾向がある。粒子の添加量が20重
量%を超えると、フィルム製膜時に破断が生じやすくな
ったり、フィルムとした際の機械的強度が劣る傾向があ
る。
【0019】本発明で用いることのできる蛍光増白剤と
しては、波長が400〜700nmに蛍光ピークを有す
るものであれば種類を問わないが、好適なものとして
は、商品名ユピテックスOB(チバガイギー社)、OB
ー1(イーストマン社)およびミカホワイト(日本化薬
−三菱化学)等の市販品が挙げられる。蛍光増白剤のポ
リエステルフィルム中の含有量は通常50〜5000p
pm、好ましくは100〜3000ppmである。蛍光
増白剤の含有量が50ppm未満では、白色度が不十分
となる傾向がある。また蛍光増白剤の含有量が5000
ppmを超えると、増白剤をポリエステルに配合する際
の押出機等の練込工程で熱劣化を起こす恐れがある。本
発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムの少なくとも
片面に、当該フィルムの製造工程内で設けられる帯電防
止層を有する必要があり、帯電防止層に用いる塗布剤成
分の一つである主鎖にピロリジウム環を有するポリマー
としては、例えば下記式(I)あるいは(II)の構造を
主成分とするポリマーである。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】上記式(I)および(II)中、R1、R2
それぞれ独立してアルキル基、フェニル基等であり、こ
れらのアルキル基、フェニル基が以下に示す基で置換さ
れていてもよい。置換可能な基は、例えば、ヒドロキシ
ル基、アミド基、カルボ低級アルコキシ基、低級アルコ
キシ基、チオフェノキシ基、シクロアルキル基、トリ−
(低級アルキル)アンモニウム低級アルキル基等であ
り、ニトロ基はアルキル基上でのみ、またハロゲン基は
フェニル基上でのみ置換可能である。またR1、R2は化
学的に結合していてもよく、例えば、( CH2m (m
=2〜5の整数)、−CH(CH3 )−CH(CH3
− 、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−C
H=N−、−CH=CH−N=CH−、 (CH22
(CH22 、(CH 22 O(CH22 等が挙げら
れる。式中のX- は、Cl- 、Br- 、1/2SO
4 2- 、または1/3PO4 3- 等の無機酸残基、CH3
4 -、C25SO4 -のスルホン酸残基を示す。
【0023】本発明における(I)のポリマーは、例え
ば、下記式(III )で表される化合物をラジカル重合触
媒を用いて環化重合させることにより得られる。
【0024】
【化3】
【0025】また前記(II)式のポリマーは、上記(II
I )式の化合物を二酸化イオウを溶媒とする系で環化重
合させることにより得られる。重合は、溶媒として水あ
るいはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ホ
ルムアミド、ジオキサン、アセトニトリル、二酸化イオ
ウなどの極性溶媒中で過酸化水素、ベンゾイルパーオキ
サイド、第3級ブチルパーオキサイド等の重合開始剤に
より、公知の方法で実施できるが、これらに限定される
ものではない。
【0026】本発明における主鎖にピロリジウム環を有
するポリマーは、上記(III )式の化合物と重合性のあ
る炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を共重合成分と
してもよい。本発明における主鎖にピロリジウム環を有
するポリマーの分子量は、好ましくは500〜1000
000、さらに好ましくは1000〜500000であ
る。ポリマーの分子量が5000000未満の場合は、
帯電防止効果はあるものの、塗膜の強度が弱かったり、
ブロッキングしやすい傾向がある。ポリマーの分子量が
1000000より高い場合は、塗布液の粘度が高くな
り、取扱い性や塗布性が悪化する傾向がある。本発明の
塗布層成分として用いられるポリエステル、ポリアクリ
レート、ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーとして
は、通常塗布剤として用いられるものであれば特に限定
されるものではない。例えば含塩素系ポリマーとして
は、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
オレフィン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体およびク
ロロプレン等が挙げられる。
【0027】これらのポリマーは、そのモノマーの一成
分としてノニオン、カチオンまたは両性系の親水成分を
共重合することで親水性を付与し、水に分散させること
ができる。あるいはノニオン、カチオンまたは両性系の
界面活性剤を用いて、いわゆる強制乳化させることによ
り水分散させたり、ノニオン、カチオンまたは両性系の
界面活性剤を用いて乳化重合させ水分散体としたりする
こともできる。
【0028】また、これらのポリマーは共重合体でも使
用でき、ランダム共重合体ブロック共重合体およびグラ
フト共重合体のいずれでもよく、異種ポリマーの結合体
でもよい。例えばポリウレタンまたはポリエステルの水
溶液または水分散体存在下でアクリル系モノマーを乳化
重合させて得られるポリウレタン−グラフト−ポリアク
リレートまたはポリエステル−グラフト−ポリアクリレ
ートが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。本発明で用いるメラミン系架橋剤としては、アルキ
ロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン化
合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル
化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素等を共
縮合したものも使用できる。
【0029】またエポキシ系架橋剤としては、水溶性あ
るいは水溶化率が50%以上のエポキシ基を持つ化合物
であればよい。架橋剤を添加することにより、塗布層の
固着性、耐水性、耐溶剤性および機械的強度が改良され
る。この結果、上塗り層を塗布後、上塗り層上でも帯電
防止性が発揮される。また、上塗り層との接着性の改良
に加え、驚くべきことに帯電防止性も改良される。特に
メラミン系架橋剤は硬化速度が速く、プロトン酸あるい
はそのアンモニウム塩等の硬化触媒を併用すると一層効
果的である。本発明の塗布層を得るための塗布液中に配
合される主鎖にピロリジウム環を有するポリマーの配合
量は、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量
%である。かかる配合量が5重量%未満では、後述する
受像層塗布後の帯電防止性不十分となる傾向がある。か
かる配合量が50重量%を超えると、受像層との密着性
が不十分となることがある。
【0030】本発明のフィルムの塗布層を得るための塗
布液中に配合されるポリエステル、ポリアクリレート、
ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーから選ばれた少な
くとも1種のポリマーの総配合量は通常40〜90重量
%、好ましくは50〜80重量%である。かかる配合量
が40重量%未満では、受像層との密着性が不十分とな
る傾向があり、配合量が90重量%を超えると、耐ブロ
ッキング性が不十分となることがある。
【0031】塗布液中に配合されるメラミン系またはエ
ポキシ系の架橋剤の総配合量は、通常5〜45重量%、
好ましくは10〜30重量%である。かかる配合量が5
重量%未満では、帯電防止性や耐ブロッキング性の改良
効果が不十分となる傾向があり、配合量が45重量%を
超えると、受像層との密着性が不十分となることがあ
る。本発明においては塗布層中にさらに潤滑剤を配合す
ることにより、滑り性と適度な離型性を付与することが
できる。潤滑剤としてはポリオレフィン系ワックス、鉱
物油、動植物油、ろう、エステル類および金属石けん等
が挙げられるが、ポリオレフィン系ワックスを用いれば
接着性を損なわないので、通常はこれを用いる。
【0032】さらに本発明のフィルムの塗布層は、必要
に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、無機粒子、有
機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤お
よび染料などを含有していてもよい。本発明の塗布層を
積層した二軸延伸白色ポリエステルフィルムをビデオプ
リンター用基材とする場合、通常フィルム上に昇華型染
料の受像層を設ける。受像層成分としては、一般にポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩
化ビニル樹脂およびこれらの混合物あるいは共重合体等
が使用できる。また必要に応じて、各種ワックス類、シ
リコン類等の離型改良剤、シリカ等の無機粒子を添加す
ることもできる。
【0033】本発明の二軸延伸白色ポリエステルフィル
ムの製造方法としては特殊なものでなく、通常のポリエ
ステルフィルムを製造する方法を採用し得る。すなわ
ち、上述した配合物原料の予め乾燥した酸化チタン粒子
含有のポリエステルチップとポリプロピレンチップおよ
び界面活性剤を混合ブレンドして押出機ホッパー投入
し、押出機にて250〜300℃の温度で溶融混練し、
ダイからシート状に押出し、約70℃以下の温度に冷却
して実質的に無定形のシートとする。次いで得られたシ
ート状物を縦および/または横方向に4倍以上、好まし
くは9倍以上延伸し、さらに120〜250℃の温度で
熱処理を行うことにより製造する。
【0034】塗布層をポリエステルフィルムに塗布する
方法としては原崎勇次著、槙書店、1979年発行、
「コーティング方式」に示されるリバースロールコータ
ー、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクター
コーター等を用いることができる。本発明においては、
これらの塗布装置を用いて塗布される塗布フィルムは通
常、塗布後に少なくとも一軸方向に延伸されること、好
ましくは塗布前に少なくとも一軸方向に延伸され、さら
に塗布後に少なくとも一軸方向に延伸されることが好ま
しい。塗布後延伸処理をしない場合、形成される塗布層
とポリエステルフィルムとの密着力が弱く、実用に適し
た接着性を得られない場合がある。これらを工業的有利
に達成するために、本発明においては二軸延伸フィルム
製造工程内で塗布する。かかる方法の例として、製膜工
程の長手方向に一軸延伸されたフィルムに塗布し、乾燥
または未乾燥の状態でさらに先の一軸延伸方向と直角の
方向に延伸した後熱処理を施す方法が製造コスト面の点
から採用されるが、これらに限定されるわけではない。
【0035】本発明のフィルムの塗布層は、ポリエステ
ルフィルムの片面だけに積層してもよいし、両面に積層
してもよい。片面にのみ積層した場合、その反対面には
必要に応じて本発明の塗布層と異なる塗布層を形成さ
せ、本発明のポリエステルフィルムにさらに他の特性を
付与することもできる。なお、塗布液のフィルムへの塗
布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学
処理や放電処理を施してもよい。また、本発明の二軸延
伸ポリエステルフィルムの表面特性をさらに改良するた
めに、塗布層形成後放電処理を施してもよい。
【0036】本発明の二軸延伸白色ポリエステルフィル
ムの厚みは10〜200μmが好ましく、塗布層の厚み
は、最終的な乾燥厚さで通常0.02〜0.5μmの範
囲であり、好ましくは、0.03〜0.3μmの範囲で
ある。塗布層の厚さが0.02μm未満では、帯電防止
効果等が享受されないことがあり、0.5μmを超える
と、フィルムが相互にブロッキングしやすくなったり、
特にフィルムの高強度化を目的として塗布処理フィルム
を再延伸する場合には、工程中にロールに粘着しやすく
なったりすることがある。ブロッキングの問題は、特に
フィルムの両面に同一の帯電防止層を設ける場合に顕著
に現れる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、本発明における
各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおり
である。また、実施例および比較例中、「部」および
「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意
味する。
【0038】(1)平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。 (2)見掛け密度(g/cm3 ) 得られたフィルムの任意の部分から10cm×10cm
のサイズに切出し、マイクロメーターで任意の点9点を
測定した後、単位体積当りの重量を計算した。測定数は
5点とし、その平均値を測定値とした。
【0039】(3)b値 東京電色(株)製カラーアナライザーTC1800MK
II型を用いて、JISZ−8722の方法に準じて、b
値を測定した。 (4)製膜性 無定形シートを縦延伸し、横延伸する際、横延伸機(テ
ンター)において、延伸時あるいは熱固定時にフィルム
が破断する状況を次に示すランクで判定し評価した。 ○:ほとんどフィルム破断を起こさず生産性良好 △:時折フィルム破断を起こし生産性に劣る ×:頻繁に破断し生産性が全くない
【0040】(5)破断強度 インテスコ製引張試験機を使用し、サンプル幅15mm
にて、歪速度100%/分で引張り、破断時の応力を測
定した。測定数は5点とし、その平均値から単位断面積
当りの強度(kg/mm2 )に換算して破断強度とし
た。 (6)受像層密着性 東洋紡績”バイロン600”(ポリエステル) :62重量部 UCC”VYHH”(塩酢ビ) :26重量部 信越化学”KF−393”(アミノ変性シリコン) : 6重量部 信越化学”X−22−343”(エポキシ変性シリコン): 6重量部 受像層として上記の塗料をメタノール/メチルエチルケ
トン/ジメチルホルムアミドの混合溶媒に溶解し20重
量%の溶液として用い、乾燥後の膜厚が5μmとなるよ
うに塗布し、セロテープ剥離試験にて密着性を評価し
た。
【0041】(7)表面固有抵抗 横河ヒューレット・バッカード社の同心円型電極「16
008A(商品名)」(内側電極50mm、外側電極7
0mm径)に23℃、50%RHの雰囲気下、受像層塗
布後のフィルムを設置し、100Vの電圧を印加し、同
社の高抵抗計「4329A(商品名)」で試料の表面抵
抗を測定した。セロテープ剥離試験方法は以下のとおり
である。すなわち、フィルムの受像層の上にニチバン
(株)製セロテープ(18mm幅)を気泡の入らぬよう
7cmの長さに貼り、この上を3kgの手動式荷重ロー
ルで一定の荷重を与え、フィルムを固定してセロテープ
の一端を500gの錘に接続し、錘が45cmの距離を
自然落下後に180°方向の剥離試験が開始する方法で
下記の基準により評価した。 ○:セロテープ面側に受像層が全く剥離しない △:セロテープ面側に受像層が一部剥離する ×:セロテープ面側に受像層が全面剥離する (8)記録画質感度 フィルム表面に(7)項の方法で受像層を塗布した後、
松下電器(株)製ビデオプリンター”NV−MP10”
にてプリントし、プリント状態を観察した ○:画質が良好 △:画質の一部が若干不鮮明 ×:画
質が不鮮明で一部欠落部分がある
【0042】実施例1 平均粒径が0.32μmの酸化チタン粒子を5重量%含
有する極限粘度が0.71のポリエチレンテレフタレー
トチップ90重量部にメルトフローインデックスが5.
5の結晶性ポリプロピレンホモポリマーチップ10重量
部およびシリコーン系界面活性剤(商品名:BH193
東レシリコーン(株)製)を0.2重量部および蛍光
増白剤(商品名:OB−1 イーストマン社)を0.0
4重量部配合し、均一にブレンドした後、押出機にて2
90℃で溶融押出し、40℃の冷却ドラム上で冷却して
247μmの無定形シートを得た。次いで縦方向に2.
9倍延伸後に下記表1に示す塗布剤組成の塗布液(5重
量%水分散体)を#3バーを用いて塗布した後、横方向
に3.2倍延伸し、245℃で6秒間熱処理した。最終
的にフィルム厚み38μmの二軸延伸積層フィルムを得
た。
【0043】実施例2〜3および比較例1〜8 ポリマー組成および塗布剤組成を表1に示す組成に変え
る以外は実施例1と同様の方法でフィルム厚み38μm
の二軸延伸積層フィルムを得た。得られた積層フィルム
の製膜性およびフィルム特性をまとめて下記表2に示
す。
【0044】
【表1】 (上記表1中、Aはポリジメチルジアリルアンモニウム
クロライド(分子量=30000)、Bはメチルメタク
リレート/エチルアクリレート/メチロールアクリルア
ミド共重合体のノニオン水分散体(モノマー比率:4
7.5/47.5/5モル%)、Cはメトキシメチルメ
ラミン水溶液を表す)
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、受像層との密着性、帯
電防止性およびプリント時における印刷適性(染料、イ
ンキの転着受容性)に優れたビデオプリンター用ベース
フィルムに用いられる二軸延伸白色ポリエステルフィル
ムが提供でき、本発明の工業的価値は高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)および(2)を同時に満足
    し、微細空洞を含有する二軸延伸白色ポリエステルフィ
    ルムの少なくとも片面に、当該フィルムの製造工程内で
    設けられた塗布層を有し、当該塗布層が(a)主鎖にピ
    ロリジウム環を有するポリマー、(b)ポリエステル、
    ポリアクリレート、ポリウレタンおよび含塩素系ポリマ
    ーから選ばれた少なくとも1種のポリマー、並びに
    (c)メラミン系および/またはエポキシ系の架橋剤と
    を含有することを特徴とするビデオプリンター用積層フ
    ィルム。 【数1】0.6≦ρ≦1.2 ………(1) b≦1.0 ………(2) (上記式中、ρはフィルムの見掛け密度(g/cm3
    、bはフィルムのb値を表す)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100683870B1 (ko) * 1999-05-12 2007-02-16 미쓰비시 가가꾸 폴리에스테르 필름 가부시키가이샤 미세기포 함유 폴리에스테르 필름

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