JPH0952333A - 磁気カード用白色フィルム - Google Patents

磁気カード用白色フィルム

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JPH0952333A
JPH0952333A JP7204318A JP20431895A JPH0952333A JP H0952333 A JPH0952333 A JP H0952333A JP 7204318 A JP7204318 A JP 7204318A JP 20431895 A JP20431895 A JP 20431895A JP H0952333 A JPH0952333 A JP H0952333A
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JP
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film
polyester
polymer
coating layer
coating
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JP7204318A
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Kazuo Endo
一夫 遠藤
Yuzo Otani
雄三 大谷
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた静防性を有するとともに、磁気塗料、
印刷インクに対して優れた接着性を有する磁気カード用
白色フィルムを提供する。 【解決手段】 隠蔽度が0.6以上でb値が1.0以下
である二軸延伸白色ポリエステルフィルムの少なくとも
片面に、当該フィルムの製造工程内で設けられた塗布層
を有し、当該塗布層が(a)主鎖にピロリジウム環を有
するポリマー、(b)ポリエステル、ポリアクリレー
ト、ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーから選ばれる
少なくとも1種のポリマー、並びに(c)メラミン系ま
たはエポキシ系の架橋剤の少なくとも1種のポリマーと
を含有することを特徴とする磁気カード用白色フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた静防性を有
するとともに、磁気塗料、印刷インクに対して優れた接
着性を有する磁気カード用白色フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エステルフィルムは優れた機械的特性から、磁気記録材
料、印刷材料等に広く使用されているが、フィルムが帯
電しやすく、帯電による搬送機への密着や放電によるト
ラブルを起こしやすい。また、磁気塗料や印刷インクの
接着性に乏しいという問題点も抱えている。すなわち、
テレホンカード、パチンコカード、その他プリペイドカ
ード等の磁気カード用として白色ポリエステルフィルム
が使用されているが、磁気塗料やUVインクに対する接
着性、静電性等に難点がある。例えばUVインクは硬化
時の応力歪みが大きいため、ポリエステルフィルムとの
界面破壊によるインク層の脱落を起こしやすい。また、
フィルムの帯電による張り付きで作業性が著しく低下し
たり、火花放電による発火事故等の問題が起きる可能性
がある。
【0003】従来、ポリエステルフィルムの表面に易接
着性を付与する方法としてアクリル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂等の易接着性樹脂のプライマー層
を形成する方法が提案され、実際に使用されている。ま
た、フィルムに帯電防止性を付与させる方法として、有
機スルホン酸塩等の低分子量のアニオン性界面活性剤タ
イプの化合物を練り込む方法、金属化合物を蒸着する方
法、アニオン性化合物やカチオン性化合物、あるいはい
わゆる導電性粒子を表面に塗布する方法等が知られてい
る。
【0004】アニオン性化合物を練り込む方法は、安価
に製造できるという利点があるものの、帯電防止効果に
おいて限界がある。さらに、低分子化合物を用いるため
耐水性が悪く、ブルーミングによって接着性の経時的な
低下や、化合物の転着による帯電防止性能の低下を起こ
しやすく、耐久性に問題がある。金属化合物を蒸着する
方法は、帯電防止性が優れ、近年は透明導電性フィルム
として用途が拡大しているものの、製造コストが高く、
特定の用途には向いているが、一般の帯電防止フィルム
としては利用しがたい。
【0005】導電性化合物を塗布する方法は、前記易接
着性樹脂と混合物の形で同時に塗布できるので簡便な方
法である。さらに、塗布層を有する二軸延伸ポリエステ
ルフィルムの製造方法として、塗布液をシートまたはフ
ィルムに塗布した後、フィルムを延伸、熱処理する塗布
延伸法(インラインコーティング法)といわれる方法が
あるが、この方法を使用すれば、フィルムの製膜と塗布
を同時に実施するため、幅広の製品が安価に得られる利
点がある。しかし、易接着性、帯電防止性等を同時に満
足させる塗布層を選ぶには、配合処方にかなりの困難が
伴う。例えば、導電性カーボンなどの導電性粒子を用い
る方法では、帯電防止効果が比較的良好であると共に比
較的安価に製造できる利点があるものの、フィルムの透
明性や光沢度を悪化させる欠点がある。低分子量のアニ
オン系化合物や、カチオン系化合物を用いる方法では、
練り込み法と同様に、耐水性やブルーミングによる接着
性の経時的な低下やブロッキングの悪化の問題を有す
る。
【0006】高分子量のアニオン性帯電防止剤としてポ
リスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の高分子量の帯電
防止剤を塗布したフィルムが知られているが、ポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム塩は、塗布延伸法に適用した
場合、塗布層が不連続となり易く、帯電防止効果が十分
発揮されないことが多い。さらに、塗布層に無数のクラ
ックが入ることでフィルムの光沢度がばらつく欠点があ
る。また、高分子量のアニオン系帯電防止剤は静防能が
低いためUVインクに易接着なバインダーの配合の余地
が小さく、静防性、易接着性を兼ね備えた塗布層を一回
塗布で得ることが困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、ある特定の塗布層を有する
二軸延伸白色ポリエステルフィルムが優れた特性を有
し、磁気カード用ベースフィルムとして極めて有用であ
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は 隠蔽度が0.
6以上でb値が1.0以下である二軸延伸白色ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に、当該フィルムの製造
工程内で設けられた塗布層を有し、当該塗布層が(a)
主鎖にピロリジウム環を有するポリマー、(b)ポリエ
ステル、ポリアクリレート、ポリウレタンおよび含塩素
系ポリマーから選ばれる少なくとも1種のポリマー、並
びに(c)メラミン系またはエポキシ系の架橋剤の少な
くとも1種のポリマーとを含有することを特徴とする磁
気カード用白色フィルムに存する。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において、ベースとなるポリエステルフィルムを構
成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構
成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであ
るポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%
以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチ
レン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以
上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
であるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート等が挙げられる。その他には、ポリエチレンイ
ソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げら
れる。
【0010】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成
分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸およびオキシモノカルボン酸などの
エステル形成性誘導体を使用することができる。また、
ポリエステルとしては、単独重合体または共重合体の他
に、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することがで
きる。
【0011】本発明のフィルムは通常フィルム中に二酸
化チタン粒子を配合することにより白色化されたもので
あって、用いられる二酸化チタン粒子の平均粒径は0.
20〜0.50μm、さらには0.25〜0.45μm
が好ましい。平均粒径が0.20μm未満であったり、
0.50μmを超えるとフィルムとした際の隠蔽度が低
下し、磁気カードとした際に光線透過の防止が不十分と
なることがある。また二酸化チタン粒子の添加量は3〜
20重量%、さらには5〜17重量%が好ましい。粒子
の添加量が3重量%未満では、フィルムとした際の隠蔽
度が低下し、磁気カードとした際に光線透過の防止が不
十分となことがある。粒子の添加量が20重量%を超え
ると、フィルム製膜時に破断が生じやすくなったり、フ
ィルムとした際の機械的強度が劣る傾向がある。本発明
で用いるニ酸化チタン粒子の結晶形態はアナターゼ型、
ルチル型のいずれでもよいが、白色度および耐候性の点
からアナターゼ型のニ酸化チタン粒子であることが好ま
しい。さらに二酸化チタン粒子のポリエステルへの分散
性および耐候性の向上を目的に該粒子の表面をアルミニ
ウム、けい素、亜鉛等の酸化物および/または有機化合
物で処理したものも用いることができる。
【0012】本発明において、上記二酸化チタン粒子以
外の粒子として用いることのできる不活性無機粒子の平
均粒径は1.0〜5.0μm、さらには1.5〜4.0
μmが好ましい。平均粒径が1.0μm未満の不活性無
機粒子では、フィルムとした際、フィルム表面が平坦と
なる傾向があり、フィルム表面の艶消し効果が小さくな
る傾向がある。平均粒径が5.0μmを超えると、フィ
ルムとした際、フィルム表面が粗面化しすぎる傾向があ
り、例えばパチンコカードとした際の磁気記録変換特性
が悪化したり、フィルム生産時のフィルターライフが劣
る等の問題が生じることがある。また不活性無機粒子の
添加量は0.1〜2重量%、さらには0.2〜1.5重
量が好ましい。粒子の添加量が0.1重量%未満では、
フィルムとした際、フィルム表面が平坦となる傾向があ
り、表面の艶消し効果が小さくなる恐れがある。粒子の
添加量が2.0重量%を超えると、フィルムとした際、
フィルム表面が粗面化しすぎる傾向があり、磁気カード
とした際の磁気記録変換特性が悪化したり、フィルム生
産時のフィルターライフが劣る等の問題が生じる場合が
ある。
【0013】本発明で用いることのできる不活性無機粒
子の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、ゼオラ
イト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、セライト、アルミナ、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン
酸リチウム、リン酸マグネシム、フッ化リチウム、酸化
アルミニウム、カオリン、タルク等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0014】本発明においてポリエステルに二酸化チタ
ンおよび不活性無機粒子を含有させる方法として、特に
限定されないが、粒子をポリエステルへ含有させる前に
精製プロセスを用いて、粒径調整および粗大粒子の除去
を行うのが好ましい。精製プロセスの工業的手段として
は、粉砕手段には、例えばロッドミル、ボールミル、振
動ミル、振動ボールミル、ローラーミル、インパクトミ
ル、攪拌破砕ミル、流体エネルギーミル等を採用するこ
とができる。分級処理には、例えば反自動うず式、強制
うず式、ハイドロサイクロン式、遠心分離法等を採用す
ることができる。
【0015】また粒子をポリエステルへ含有させる手段
としては、重合工程に添加する方法、押出機を用いて粒
子をあらかじめ練込みマスターバッチとする方法等が採
用されるが、特に好ましい方法は、フィルム製造工程中
の押出工程で直接粒子を添加混合する方法である。その
際の押出機としてはベント付きの二軸押出機が好まし
い。粒子の分散改良のためには、同方向二軸押出機より
も異方向二軸押出機の方が好ましい。
【0016】本発明において、二軸延伸ポリエステルフ
ィルムの隠蔽性を表す指標である隠蔽度(OD)は0.
6以上、好ましくは0.8以上である。ODが0.6未
満では磁気カードとした際に光線透過の防止が不十分と
なり、表裏の印刷層の表示が不鮮明となるので好ましく
ない。本発明における二軸延伸ポリエステルフィルムの
黄味を表す指標であるb値は1.0以下、好ましくは
0.5以下である。b値が1.0を超えると白色度が不
十分となるので好ましくない。
【0017】なお、b値が1.0未満のポリエステルフ
ィルムを得るためには蛍光増白剤を併用する方法が好ま
しく用いられる。蛍光増白剤は波長が400〜700n
mに蛍光ピークを有するものであれば種類を問わない
が、好適なものとしては、商品名ユビテックスOB(チ
バガイギー社)、OBー1(イーストマン社)およびミ
カホワイト(日本化薬−三菱化学)等の市販品が挙げら
れる。蛍光増白剤のポリエステルフィルム中の含有量は
通常50〜5000ppm、好ましくは100〜300
0ppm、さらに好ましくは200〜2000ppmで
ある。蛍光増白剤の含有量が50ppm未満では、フィ
ルムの白色度が不十分となる傾向がある。また蛍光増白
剤の含有量が5000ppmを超えると、蛍光増白剤を
ポリエステルに配合する際の押出機等の練込工程で熱劣
化を起こすことがある。本発明の白色ポリエステルフィ
ルムの厚みは通常20〜300μm、好ましくは50〜
250μm、さらに好ましくは100〜250μmであ
る。フィルムの厚さが20μm未満では、磁気カードと
した際の使用時の衝撃、摩耗、引き裂き等に劣るように
なる傾向がある。フィルムの厚さが300μmを超える
と、磁気カードとする際のカードの打ち抜き工程で、い
わゆるバリが出やすくなる傾向がある。
【0018】本発明の二軸配向積層ポリエステルフィル
ムは、その少なくとも片面に、当該フィルムの製造工程
内で設けられた帯電防止層を有するものであり、当該塗
布層は、(a)主鎖にピロリジウム環を有するポリマ
ー、(b)ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレ
タンおよび含塩素系ポリマーから選ばれる少なくとも1
種のポリマー、並びに(c)メラミン系またはエポキシ
系の架橋剤の少なくとも1種のポリマーとを含有する。
塗布層を構成する塗布剤成分の一つである主鎖にピロリ
ジウム環を有するポリマーとしては、例えば下記式
(I)あるいは(II)の構造を主成分とするポリマー等
である。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】上記式(I)および(II)中、R1 、R2
は通常アルキル基、フェニル基であり、同一でもそれぞ
れ異なっていてもよく、これらのアルキル基、フェニル
基が以下に示す基で置換されていてもよい。置換可能な
基としては、例えば、ヒドロキシ、アミド、カルボ低級
アルコキシ、低級アルコキシ、チオフェノキシ、シクロ
アルキル、トリ−(低級アルキル)アンモニウム低級ア
ルキル、であり、ニトロ基はアルキル基上でのみ、また
ハロゲン基はフェニル基上でのみ置換可能である。また
1 、R2 は化学的に結合していてもよく、例えば、(
CH2m (mは2〜5の整数)、−CH(CH3 )−
CH(CH3 )−、−CH=CH−CH=CH−、−C
H=CH−CH=N−、−CH=CH−N=CH−、
(CH22 O(CH22 、(CH22 O(CH
22 、などが挙げられる。式中のX- は、Cl- 、B
- 、1/2SO4 2 - 、または1/3PO4 3- 等の無機
酸残基、CH3 SO- 4、C25 SO- 4のスルホン酸残
基を示す。
【0022】本発明で用いることのできる(I)のポリ
マーは、例えば下記式(III )で表される化合物をラジ
カル重合触媒を用いて環化重合させることにより得られ
る。
【化3】
【0023】また(II)式のポリマーは、(III )式の
化合物を二酸化イオウを溶媒とする系で環化重合させる
ことにより得られる。重合は、溶媒として水あるいはメ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ホルムアミ
ド、ジオキサン、アセトニトリル、二酸化イオウなどの
極性溶媒中で過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、
第3級ブチルパーオキサイド等の重合開始剤により、公
知の方法で実施できるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0024】本発明で用いる主鎖にピロリジウム環を有
するポリマーは、(III )式の化合物と重合性のある炭
素−炭素不飽和結合を有する化合物を共重合成分として
もよい。本発明で用いる主鎖にピロリジウム環を有する
ポリマーの分子量は、好ましくは500〜100000
0、さらに好ましくは1000〜500000である。
ポリマーの分子量が5000000未満の場合は帯電防
止効果はあるものの、塗膜の強度が弱かったり、ブロッ
キングしやすくなる傾向がある。ポリマーの分子量が1
000000より高い場合は、塗布液の粘度が高くな
り、取り扱い性や塗布性が悪化しやすくなる傾向があ
る。
【0025】本発明の塗布層を構成する成分の1群であ
るポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタンおよ
び含塩素系ポリマーとしては、通常塗布剤として用いら
れるものであれば特に限定されるものではない。例えば
含塩素系ポリマーとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体およびクロロプレン等が挙げられる。
【0026】これらのポリマーは、そのモノマーの一成
分としてノニオン、カチオンまたは両性系の親水成分を
共重合することで親水性を付与し、水に分散させること
ができる。あるいはノニオン、カチオンまたは両性系の
界面活性剤を用いて、いわゆる強制乳化させることによ
り水分散させたり、ノニオン、カチオンまたは両性系の
界面活性剤を用いて乳化重合させ水分散体としたりする
こともできる。また、これらのポリマーは共重合体でも
使用でき、ランダム共重合体ブロック共重合体およびグ
ラフト共重合体のいずれでもよく、異種ポリマーの結合
体でもよい。例えばポリウレタンまたはポリエステルの
水溶液または水分散体存在下でアクリル系モノマーを乳
化重合させて得られるポリウレタン−グラフト−ポリア
クリレートまたはポリエステル−グラフト−ポリアクリ
レートが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】本発明で用いるメラミン系架橋剤として
は、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化した
メラミン化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブト
キシメチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に
尿素等を共縮合したものも使用できる。またエポキシ系
架橋剤としては、水溶性あるいは水溶化率が50%以上
のエポキシ基を持つ化合物であればよい。
【0028】架橋剤を添加することにより、塗布層の固
着性、耐水性、耐溶剤性および機械的強度が改良され
る。この結果、上塗り層を塗布後、上塗り層上でも帯電
防止性が発揮される。また、上塗り層との接着性の改良
に加え、驚くべきことに帯電防止性も改良される。特に
メラミン系架橋剤は硬化速度が速く、プロトン酸あるい
はそのアンモニウム塩等の硬化触媒を併用すると一層効
果的である。本発明のフィルムの塗布層を得るための塗
布液中に配合される主鎖にピロリジウム環を有するポリ
マーの配合量は、通常5〜50重量%、好ましくは10
〜40重量%である。かかる配合量が5重量%未満で
は、後述する受像層塗布後の帯電防止性不十分となる傾
向がある。かかる配合量が50重量%を超えると、受像
層との密着性が不十分となることがある。
【0029】本発明のフィルムの塗布層を得るための塗
布液中に配合されるポリエステル、ポリアクリレート、
ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーから選ばれる少な
くとも1種のポリマーの配合量は、通常40〜90重量
%、好ましくは50〜80重量%である。かかる配合量
が40重量%未満では、磁性層およびUVインキ層との
密着性が不十分となる傾向がある。かかる配合量が90
重量%を超えると、耐ブロッキング性が不十分となる傾
向がある。
【0030】本発明のフィルムの塗布層を得るための塗
布液中に配合されるメラミン系またはエポキシ系の架橋
剤の少なくとも1種の配合量は、通常5〜45重量%、
好ましくは10〜30重量%である。かかる配合量が5
重量%未満では、帯電防止性や耐ブロッキング性の改良
効果が不十分となる傾向がある。かかる配合量が45重
量%を超えると、受像層との密着性が不十分となる傾向
がある。本発明においては、塗布層中にさらに潤滑剤を
配合することにより、フィルムに滑り性と適度な離型性
を付与することができる。潤滑剤としてはポリオレフィ
ン系ワックス、鉱物油、動植物油、ろう、エステル類お
よび金属石けん等が挙げられるが、ポリオレフィン系ワ
ックスを用いれば接着性を損なわないので、通常はこれ
を用いる。さらに本発明の塗布層は、必要に応じて、消
泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、無機粒子、有機系高分子
粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤および染料な
どを含有していてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の塗布層を積層した二軸延
伸白色ポリエステルフィルムの製造方法としては特殊な
ものでなく、通常のポリエステルフィルムを製造する方
法を採用し得る。すなわち、上述した配合物を原料とす
る、あらかじめ乾燥した酸化チタン粒子含有のポリエス
テルチップとポリプロピレンチップおよび界面活性剤と
を混合ブレンドして押出機ホッパー投入し、押出機にて
250〜300℃の温度で溶融混練し、ダイからシート
状に押出し、約70℃以下の温度に冷却して実質的に無
定形のシートとする。次いで、得られたシート状物を縦
および/または横方向に4倍以上、好ましくは9倍以上
延伸し、さらに120〜250℃の温度で熱処理を行う
ことにより製造する。
【0032】塗布層をポリエステルフィルムに塗布する
方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、
「コーティング方式」に示されるリバースロールコータ
ー、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクター
コーター等を用いることができる。本発明においては、
これらの塗布装置を用いて塗布される塗布フィルムは塗
布後少なくとも一軸方向に延伸されること、好ましくは
塗布前に少なくとも一軸方向に延伸され、さらに塗布後
少なくとも一軸方向に延伸される。塗布後延伸処理をし
ない場合、形成される塗布層とポリエステルフィルムと
の密着力が弱く、実用に適した接着性を得られない場合
がある。これらを工業的有利に達成するために、本発明
においては二軸延伸フィルム製造工程内で塗布する。か
かる方法の例として、製膜工程の長手方向に一軸延伸さ
れたフィルムに塗布し、乾燥または未乾燥の状態でさら
に先の一軸延伸方向と直角の方向に延伸した後、熱処理
を施す方法が製造コスト面の点から採用されるが、これ
らに限定されるものではない。
【0033】本発明のフィルムの塗布層は、ポリエステ
ルフィルムの片面だけに積層してもよいし、両面に積層
してもよい。片面にのみ積層した場合、その反対面には
必要に応じて本発明の塗布層と異なる塗布層を形成さ
せ、本発明のポリエステルフィルムにさらに他の特性を
付与することもできる。なお、塗布液のフィルムへの塗
布性、接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学
処理や放電処理を施してもよい。また、本発明の二軸延
伸ポリエステルフィルムの表面特性をさらに改良するた
めに、塗布層形成後放電処理を施してもよい。
【0034】本発明のフィルムの塗布層の厚みは、最終
的な乾燥厚さで通常0.02〜0.5μmの範囲であ
り、好ましくは、0.03〜0.3μmの範囲である。
塗布層の厚さが0.02μm未満では、本発明の効果が
期待できないことがあり、0.5μmを超えると、フィ
ルムが相互にブロッキングしやすくなったり、特にフィ
ルムの高強度化を目的として塗布処理フィルムを再延伸
する場合には、工程中にロールに粘着しやすくなったり
することがある。ブロッキングの問題は、特にフィルム
の両面に同一の帯電防止層を設ける場合に顕著に現れ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、本発明における
各種の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおり
である。また、実施例および比較例中、「部」および
「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意
味する。 (1)平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。
【0036】(2)隠蔽度(OD) マクベス濃度計(TD−904)を使用し、Gフィルタ
ー下の透過光濃度を測定した。 (3)b値 東京電色(株)製カラーアナライザーTC1800MK
II型を用いて、JISZ−8722の方法に準じて、b
値を測定した。
【0037】(4)表面固有抵抗 横河ヒューレット・バッカード社の同心円型電極「16
008A(商品名)」(内側電極50mm、外側電極7
0mm径)に23℃、50%RHの雰囲気下で試料を設
置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計「43
29A(商品名)」で試料の表面抵抗を測定した。判定
基準は表面固有抵抗値の対数をとり、以下のとおりとし
た。 10未満 :A(良好) 10以上、13未満:B(普通) 13以上 :C(不良)
【0038】(5)帯電防止性能の耐水性 サンプルフィルムを50℃の温水に1分間浸した後、付
着した水分をTOYOアドヴァンテック製定性濾紙No
2で軽く挟んで取り除き、サンプルを室温で一昼夜乾燥
後の表面固有抵抗を測定し、処理前の値との差で評価し
た。塗膜の帯電防止性能の耐水性としての判定基準は以
下のとおりである。 0.5未満 :A(良好) 0.5以上1未満 :B(普通) 1.0以上 :C(不良)
【0039】(6)UV硬化型インクとの接着性 東洋インキ製造社製UV硬化型オフセットインク ”F
DOL藍APNロ ”を、明製作所製のオフセット印刷
テスト機である ”RIテスター RI−2”にて2μ
mの厚さとなるように転写させ、これをウシオ電気社製
UV照射装置”UVC−402/1HN:302/1M
H ”に通し、水銀灯出力120W/cm、ラインスピ
ード10m/分、ランプ〜フィルム間隔100mmの条
件にてインクを硬化させ、直ちにセロテープ剥離試験を
行い、剥離面積により評価した。判定基準は以下のとお
りとした。 剥離なし :A 一部剥離箇所あり:B 全面剥離 :C
【0040】(7)磁気塗料との接着性 サンプルフィルムに下記評価用塗料をワイヤーバーで乾
燥後の膜厚が5μmとなるように塗布し、80℃で2分
間乾燥した。その後60℃で24時間エージングした。
磁性層接着力は、サンプルの磁性層面にニチバン(株)
製セロテープ(18mm巾)を気泡の入らぬように7c
mの長さに貼り、この上を3kgの手動式荷重ロールで
一定の荷重を与えて密着後、フィルムを固定し、セロハ
ンテープの一端を500gの錘に接続し、錘が45cm
の距離を自然落下後に、180°方向の剥離試験が開始
する方法で評価した。接着性は、次の3段階の基準で評
価した。 塗料が全く剥離しない。 :A 10%未満の部分の塗料が剥離する。:B 10%以上の部分の塗料が剥離する。:C
【0041】[評価用塗料]磁性微粉末X6000(チ
タン工業製)500部、ポリウレタン樹脂ニッポラン2
304(日本ポリウレタン製)30部、塩酢ビ共重合体
1000GKT(電気化学製)50部、レシチン(キシ
ダ化学試薬製)5部、シクロヘキサノン246部、メチ
ルイソブチルケトン246部およびメチルエチルケトン
738部をサンドミルにて1時間混合分散後、架橋剤の
コロネートL10部を加えてよく攪拌し磁性塗料を得
る。
【0042】≪ポリエステル−Aの製造≫テレフタル酸
ジメチル100重量部とエチレングリコール60部とを
出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・4水塩
0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150
℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇
させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的に
エステル交換反応を終了した。この反応混合物にエチル
アシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン
0.04部を加えて、4時間30分重縮合反応を行っ
た。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280
℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的に
は0.3mmHgとした。反応開始後、4時間30分を
経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出さ
せた。得られたポリエステルの極限粘度は0.65であ
った。次いで得られたポリマーを225℃で0.3mm
Hgの条件下、10時間固相重合を行った。得られたポ
リエステルの極限粘度は0.81であった。
【0043】≪ポリエステル−B、C、D、E、Fの製
造≫ポリエステル−Aを乾燥し、ベント式二軸押出機に
て下記表1の配合でポリエステル−B〜Fを得た。
【0044】
【表1】
【0045】実施例1 ポリエステル−B 30重量部、ポリエステル−D 10
重量部、ポリエステル−F 5重量部およびポリエステ
ル−A 55重量部を均一にブレンドし、180℃で4
時間乾燥後、285℃に設定した押出機よりシート状に
押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで
静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み1690
μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られた非晶質
シートを縦方向に83℃で3.0倍延伸した後、下記表
2に示す塗布剤組成の塗布液(5重量%水分散体)を#
3バーを用いて塗布した後、横方向に3.8倍延伸し、
245℃で6秒間熱処理を行い、0.1μmの塗布層を
有する厚さ188μmの二軸延伸白色ポリエステルフィ
ルムを得た。
【0046】実施例2〜3および比較例1〜6 実施例1において、ポリエステルの配合量および塗布液
組成を表2のように変更した以外は、実施例1と同様に
して二軸延伸白色ポリエステルフィルムを得た。 得ら
れたフィルム特性をまとめて下記表3に示す。
【0047】
【表2】 (上記表1中、Aはポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド(分子量=3 0000)、Bはメチルメタクリレート/エチルアクリレート/メチロールアク リルアミド共重合体のノニオン水分散体(モノマー比率:47.5/47.5/ 5モル%)、Cはメトキシメチルメラミン水溶液を表し、塗布剤組成の各割合は 固形分換算のものである)
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、優れた静防性を有する
とともに、磁気塗料、印刷インクに対して優れた接着性
を有する磁気カード用白色フィルムを提供することがで
き、本発明の工業的価値は高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隠蔽度が0.6以上でb値が1.0以下
    である二軸延伸白色ポリエステルフィルムの少なくとも
    片面に、当該フィルムの製造工程内で設けられた塗布層
    を有し、当該塗布層が(a)主鎖にピロリジウム環を有
    するポリマー、(b)ポリエステル、ポリアクリレー
    ト、ポリウレタンおよび含塩素系ポリマーから選ばれる
    少なくとも1種のポリマー、並びに(c)メラミン系ま
    たはエポキシ系の架橋剤の少なくとも1種のポリマーと
    を含有することを特徴とする磁気カード用白色フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパチンコカード用白色フ
    ィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11293006A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Toray Ind Inc 白色ポリエステルフィルム

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JPH11293006A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Toray Ind Inc 白色ポリエステルフィルム

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