JPH09156264A - 磁気カード用白色フイルム - Google Patents

磁気カード用白色フイルム

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JPH09156264A
JPH09156264A JP7346337A JP34633795A JPH09156264A JP H09156264 A JPH09156264 A JP H09156264A JP 7346337 A JP7346337 A JP 7346337A JP 34633795 A JP34633795 A JP 34633795A JP H09156264 A JPH09156264 A JP H09156264A
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JP
Japan
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film
group
acid
polyester
resin
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Withdrawn
Application number
JP7346337A
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English (en)
Inventor
Kazuo Endo
一夫 遠藤
Yuzo Otani
雄三 大谷
Kazuyuki Akatsu
一之 赤津
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた帯電防止性能を有すると共に、磁気塗
料、印刷インクに対して優れた接着性を有し、特に、パ
チンコカードに好適に使用し得る磁気カード用白色フイ
ルムを提供する。 【解決手段】隠蔽度が0.6以上であり且つ黄色味を表
す指標のb値が1.0以下である二軸延伸白色ポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に、当該フイルムの製造
工程内で設けられ且つ帯電防止性樹脂を含有する塗布層
を有して成り、当該帯電防止性樹脂が少なくともポリア
ルキレンオキサイドとスルホン酸基またはスルホン酸塩
基を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カード用白色
フイルムに関するものであり、詳しくは、優れた静防性
を有すると共に磁気塗料、印刷インクに対して優れた接
着性を有する磁気カード用白色フイルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルムは、優れた機械的
特性から、磁気記録材料、印刷材料などに広く使用され
ているが、帯電し易いため、帯電による搬送機への密着
や放電によるトラブルを起こし易く、また、磁気塗料や
印刷インクの接着性に乏しいという問題点も抱えてい
る。
【0003】すなわち、テレホンカード、パチンコカー
ド、その他プリペイドカード等の磁気カード用として、
白色ポリエステルフイルムが使用されているが、ポリエ
ステルフイルムは、磁気塗料やUVインクに対する接着
性、静電性などの点で難点がある。例えば、UVインク
は、硬化時の応力歪みが大きいため、ポリエステルフイ
ルムとの界面破壊によるインク層の脱落を起こし易い。
また、ポリエステルフイルムは、帯電による張り付きに
より取り扱い時の作業性が著しく低く、しかも、火花放
電による発火事故などの問題を起す可能性を秘めてい
る。
【0004】従来、ポリエステルフイルムの表面に易接
着性を付与する方法として、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂などの易接着性樹脂のプライマー
層を形成する方法が提案されて使用されている。
【0005】また、ポリエステルフイルムに帯電防止性
を付与する方法として、有機スルホン酸塩などの低分子
量のアニオン性界面活性剤タイプの化合物を練り込む方
法、金属化合物を蒸着する方法、アニオン性化合物、カ
チオン性化合物または導電性粒子を表面に塗布する方法
などが知られている。
【0006】アニオン性化合物を練り込む方法は、安価
であると言う利点があるものの、帯電防止効果において
限界がある。更に、低分子化合物を使用するため、耐水
性が悪く、ブルーミングにより、接着性の経時的な低下
や化合物の転着による帯電防止性能の低下を起こし易
く、耐久性に問題がある。
【0007】金属化合物を蒸着する方法は、帯電防止性
が優れているため、透明導電性フイルムとしての用途が
拡大しているものの、製造コストが高いため、特定の用
途には向いているが、一般の帯電防止フイルムとしては
利用し難い。
【0008】導電性化合物を塗布する方法は、前記易接
着性樹脂と混合物の形で同時に塗布できるので簡便な方
法である。更に、塗布層を有する二軸延伸ポリエステル
フイルムの製造方法として、シート又はフイルムに塗布
液を塗布した後、フイルムを延伸、熱処理する塗布延伸
法(インラインコーティング法)と言われる方法があ
り、当該方法は、フイルムの製膜と塗布を同時に実施で
きるため、幅広の製品が安価に得られる利点がある。し
かし、易接着性、帯電防止性などを同時に満足させる塗
布層を選択するには、配合処方に相当の困難が伴う。
【0009】また、導電性化合物として例えば導電性カ
ーボン等の導電性粒子を使用する方法では、帯電防止効
果が比較的良好であると共に比較的安価に製造できる利
点があるものの、フイルムの透明性や光沢度を悪化させ
る欠点がある。低分子量のアニオン系化合物やカチオン
系化合物を使用する方法では、練り込み法の場合と同様
に、耐水性やブルーミングによる接着性の経時的な低下
やブロッキングの悪化の問題を有する。
【0010】高分子量のアニオン性帯電防止剤として、
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩などの高分子量の
帯電防止剤を塗布したフイルムが知られているが、ポリ
スチレンスルホン酸ナトリウム塩は、塗布延伸法に適用
した場合、塗布層が不連続となり易く、帯電防止効果が
十分に発揮されないことが多い。更に、塗布層に無数の
クラックが入ることにより、フイルムの光沢度がばらつ
く欠点がある。また、高分子量のアニオン系帯電防止剤
は、静防能が低いため、UVインクに易接着なバインダ
ーの配合の余地が小さく、静防性、易接着性を兼ね備え
た塗布層を一回塗布で得ることが困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた帯電
防止性能を有すると共に、磁気塗料、印刷インクに対し
て優れた接着性を有し、特に、パチンコカードに好適に
使用し得る磁気カード用白色フイルムを提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、隠蔽度が0.6以上であり且つ黄色味を表す指標の
b値が1.0以下である二軸延伸白色ポリエステルフイ
ルムの少なくとも片面に、当該フイルムの製造工程内で
設けられ且つ帯電防止性樹脂を含有する塗布層を有して
成り、当該帯電防止性樹脂が少なくともポリアルキレン
オキサイドとスルホン酸基またはスルホン酸塩基を有す
ることを特徴とする磁気カード用白色フイルムに存す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルフイルムを構成するポリ
エステルとしては、代表的には、例えば、構成単位の8
0モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチ
レンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチ
レン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,
6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4
−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ
−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等
が挙げられる。その他には、ポリエチレンイソフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0014】上記の優位構成成分以外の共重合成分とし
ては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成
分、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸及びオキシモノカルボン酸などのエ
ステル形成性誘導体を使用することが出来る。また、ポ
リエステルとしては、単独重合体または共重合体の他
に、他の樹脂との小割合のブレンドも使用することが出
来る。
【0015】本発明の白色フイルムの隠蔽性を表す指標
である隠蔽度(OD)は0.6以上、好ましくは0.8
以上である。ODが0.6未満では磁気カードとした際
に光線透過の防止が不充分となり、表裏の印刷層の表示
が不鮮明となる。
【0016】上記の隠蔽度を得るためには、例えば、ポ
リエステルに無機粒子を添加したり、他のポリマーをブ
レンドする方法などが挙げられるが、本発明において
は、ポリエステルに隠蔽性の高い二酸化チタン粒子を添
加するのが好ましい。
【0017】二酸化チタン粒子の平均粒径は、通常0.
20〜0.50μm、好ましくは0.25〜0.45μ
mである。平均粒径が0.20μm未満であったり、
0.50μmを超える場合は、フイルムとした際の隠蔽
度が低下し、磁気カードとした際に光線透過の防止が不
充分となる。
【0018】二酸化チタン粒子の添加量は、通常3〜2
0重量%、好ましくは5〜17重量%である。二酸化チ
タン粒子の添加量が3重量%未満の場合は、フイルムと
した際の隠蔽度が低下し、磁気カードとした際に光線透
過の防止が不充分となる。二酸化チタン粒子の添加量が
20重量%を超える場合は、フイルム製膜時に破断が生
じ易くなったり、フイルムとした際の機械的強度が劣
る。
【0019】本発明で使用する二酸化チタン粒子の結晶
形態は、アナターゼ型、ルチル型の何れでもよいが、白
色度および耐候性の観点から、アナターゼ型の二酸化チ
タン粒子が好ましい。更に、二酸化チタン粒子のポリエ
ステルへの分散性および耐候性を向上させるため、アル
ミニウム、けい素、亜鉛などの酸化物および/または有
機化合物で二酸化チタン粒子の表面を処理してもよい。
【0020】本発明においては、通常、ポリエステル中
に不活性無機粒子を添加する。不活性無機粒子の添加に
より、フイルムとした際の表面が粗面化されて艶消しさ
れる。不活性無機粒子の平均粒径は、通常1.0〜5.
0μm、好ましくは1.5〜4.0μmである。平均粒
径が1.0μm未満の場合は、フイルム表面が平坦とな
り艶消し効果が小さくなる。平均粒径が5.0μmを超
える場合は、フイルム表面が粗面化し過ぎ、パチンコカ
ードとした際の磁気記録変換特性が悪化したり、フイル
ム生産時のフィルターライフが劣る等の問題が生じる。
【0021】不活性無機粒子の添加量は、通常0.1〜
2重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%である。添
加量が0.1重量%未満の場合は、フイルムとした際の
表面が平坦となり艶消し効果が小さくなる。添加量が
2.0重量%を超える場合は、フイルムとした際の表面
が粗面化し過ぎ、磁気カードとした際の磁気記録変換特
性が悪化したり、フイルム生産時のフィルターライフが
劣る等の問題が生じる。
【0022】本発明で使用する不活性無機粒子の例とし
ては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、ゼオライト、窒化
ケイ素、窒化ホウ素、セライト、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウ
ム、リン酸マグネシム、フッ化リチウム、酸化アルミニ
ウム、カオリン、タルク等が挙げられる。
【0023】本発明においてポリエステルに二酸化チタ
ン及び不活性無機粒子を添加する方法として、特に限定
されないが、予め、精製プロセスによって粒径調整およ
び粗大粒子の除去を行うのが好ましい。精製プロセス
は、通常、粉砕処理と分級処理から成り、粉砕処理に
は、例えば、ロッドミル、ボールミル、振動ミル、振動
ボールミル、ローラーミル、インパクトミル、撹拌破砕
ミル、流体エネルギーミル等を採用することが出来、分
級処理には、例えば、反自動うず式、強制うず式、ハイ
ドロサイクロン式、遠心分離法などを採用することが出
来る。
【0024】ポリエステルに粒子を添加する手段として
は、重合工程に添加する方法、押出機を使用してポリエ
ステルに粒子を予め練込みマスターバッチとする方法な
どが採用されるが、フイルム製造工程中の押出工程でポ
リエステルに直接粒子を添加混合する方法が好ましい。
その際、押出機としては、ベント付二軸押出機が好適に
使用される。そして、粒子の分散の観点から、同方向二
軸押出機よりも異方向二軸押出機の方が好ましい。
【0025】本発明の白色フイルムにおいて、その黄色
味を表す指標のb値は、1.0以下、好ましくは0.5
以下である。b値が1.0を超える場合は、白色度が不
充分となる。白色フイルムのb値を1.0以下にするた
め、二酸化チタンと共に蛍光増白剤を併用するのが好ま
しい。
【0026】蛍光増白剤は、波長が400〜700nm
に蛍光ピークを有するものであれば種類を問わないが、
好適な蛍光増白剤としては、商品名「ユビテックスO
B」(チバガイギー社)、「OBー1」(イーストマン
社)及び「ミカホワイト」(日本化薬−三菱化学)等の
市販品が挙げられる。
【0027】ポリエステルフイルム中の蛍光増白剤の含
有量は、通常50〜5000ppm、好ましくは100
〜3000ppm、更に好ましくは200〜2000p
pmである。蛍光増白剤の含有量が50ppm未満の場
合は、白色度が不充分となり、5000ppmを超える
場合は、ポリエステルに蛍光増白剤を配合する際の押出
機などの練込工程で蛍光増白剤が熱劣化を起こす。
【0028】本発明の白色ポリエステルフイルムの厚さ
は、通常20〜300μm、好ましくは50〜250μ
m、更に好ましくは100〜250μmである。フイル
ムの厚さが20μm未満の場合は、磁気カードとした際
の使用時の衝撃、摩耗、引き裂き等に劣り、フイルムの
厚さが300μmを超える場合は、磁気カードとする際
のカードの打ち抜き工程で所謂バリが発生し易くなる。
【0029】本発明において、ポリエステルフイルムの
少なくとも片面に設けられる塗布層は、帯電防止性樹脂
を含有する。そして、本発明においては、少なくともポ
リアルキレンオキサイドとスルホン酸基またはスルホン
酸塩基とを有する帯電防止性樹脂を使用する必要があ
る。ここで言う帯電防止性とは、例えば、通常の温湿度
条件下(23℃,50%RH)で表面固有抵抗が1×1
14Ω以下、好ましくは1×1012Ω以下、更に好まし
くは1×1010Ω以下である性質を意味する。
【0030】本発明で使用する帯電防止性樹脂は、側鎖
にポリアルキレンオキサイドとスルホン酸基またはスル
ホン酸塩基とを有し、原料モノマーとしてポリアルキレ
ンオキサイドとスルホン酸基またはスルホン酸塩基とを
有するモノマーを使用することによって得られる。
【0031】ポリアルキレンオキサイド含有モノマーと
しては、例えば、アルキレンオキサイドユニットを少な
くとも2連鎖以上、好ましくは3連鎖以上、更に好まし
くは4連鎖以上有し、且つ、ビニル基またはアクリル基
などの反応性不飽和二重結合を有するモノマーが挙げら
れる。
【0032】上記のモノマーの具体例としては、ポリエ
チレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレング
リコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリ
コールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール
モノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアク
リレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレング
リコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール
−ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモ
ノアクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリテト
ラメチレングリコールモノメタクリレート等が挙げられ
る。
【0033】上記の様なポリアルキレンオキサイド含有
モノマーを共重合成分として得られる樹脂は、易接着
性、帯電防止性、延伸適性に優れる。
【0034】スルホン酸基またはスルホン酸塩基含有モ
ノマーとしては、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を
有し、且つ、ビニル基またはアクリル基などの反応性不
飽和二重結合を有するモノマーが挙げられる。
【0035】上記のモノマーの具体例としては、ビニル
スルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、
スチレンスルホン酸、α−メチルスルホン酸、メタクリ
ロイルエチルスルホン酸、メタクリロイルフェニルスル
ホン酸、ビニルエチルスルホン酸エーテル、ビニルフェ
ニルスルホン酸エーテル、ブタジエン−2−スルホン
酸、および、これらの酸に対応する塩などが挙げられ
る。
【0036】フェニルスルホン酸塩基は、一価の陽イオ
ンの付加により形成された塩基であれば任意に選択する
ことが出来るが、帯電防止性の観点から、リチウム、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン又はアンモ
ニウムイオンの付加により形成された塩基が好ましい。
【0037】更に、スルホン酸基またはスルホン酸塩基
含有樹脂成分としては、5−ソジウムスルホイソフタル
酸などを有する共重合ポリエステル樹脂またはポリウレ
タン樹脂またはエポキシ樹脂の骨格成分を挙げることが
出来る。
【0038】上記のスルホン酸基またはスルホン酸塩基
含有モノマーの中では、フェニレンスルホン酸塩または
その塩を側鎖に有するモノマー、スチレンスルホン酸ま
たはその塩、これらのスチレン系モノマーのα位の水素
元素をアルキル基で置換したα−メチルスチレンスルホ
ン酸またはその塩が好ましい。
【0039】上記スルホン酸塩基の対イオンとしては、
ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等
の1価の金属イオン、アンモニウムイオン、アミンイオ
ン(1級、2級、3級など)等の一価の有機物イオンか
ら適宜選択し得るが、好ましくは、アルカリ金属イオン
又はアンモニウムイオン、更に好ましくは、ナトリウム
イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンが選択さ
れる。
【0040】上記の様なスルホン酸基またはスルホン酸
塩基含有モノマーを共重合成分として得られる樹脂は、
帯電防止性に優れる。特に40%RH以下の低湿度下に
おいても優れた帯電防止性を発揮する。
【0041】本発明で使用する帯電防止性樹脂は、上記
の基の他に、更に、アミノ基を含有することが好まし
い。アミノ基含有モノマーとしては、側鎖にアミノ基ま
たはアルキロール化されたアミノ基を有し且つビニル基
またはアクリル基などの反応性不飽和二重結合を有して
いるモノマーが挙げられる。斯かるモノマーとしては、
アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、α置換
ビニル化合物を基本骨格とし且つアミノ基を含有するモ
ノマーが挙げられ、アミノ基は、架橋性官能基としても
作用させることが出来る。
【0042】上記のモノマーの具体例としては、N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、2−アミノエチルメ
タクリレート、2−アミノエチルアクリレート、3−ア
ミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアク
リレート、2−アミノブチルメタクリレート、2−アミ
ノブチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
ビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニル
エーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−アミ
ノプロピルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエ
ーテル、これらのアミノ基をメチロール化したモノマー
が挙げられる。
【0043】上記の様なアミノ基含有モノマーを共重合
成分として得られる樹脂は、易接着性、特に有機溶剤を
含有する塗布液から形成された塗布層(磁性層、酸化硬
化型インク層等)、UV硬化型塗布層(UVハードコー
ト層、UV硬化型インク層等)等との接着性に優れる。
【0044】本発明における帯電防止性樹脂を構成する
他のモノマーとしては、例えば、アクリレート、メタク
リレート、ビニル化合物、α置換ビニル化合物を基本骨
格とし、更に、架橋性官能基を有するモノマーが挙げら
れる。α置換ビニル化合物の側鎖基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−
エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基などが挙げら
れる。上記の官能基としては、例えば、カルボキシル
基、メチロール基、酸無水物基、スルホン酸基、燐酸
基、燐酸エステル基、アミド基、メチロール化されたア
ミド基、水酸基、エポキシ基などが挙げられる。
【0045】上記の官能基を有するモノマーの具体例と
しては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−プロ
ピルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソ
プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、
n−ブチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、
t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルア
クリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルア
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェニ
ルアクリレート、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸塩、アリル
スルホン酸塩、メタリルスルホン酸塩(これらの塩を形
成する対イオンは、アルカリ金属イオン、アンモニウム
イオン等)、スチレン、α−メチルスチレン、メチルビ
ニルケトン、ブチルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、酢酸
ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリル酸塩、メタク
リル酸塩、イタコン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、
クロトン酸塩(これらの塩を形成する対イオンは、アル
カリ金属イオン、アンモニウムイオン等)、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、メチロール化アクリル
アミド、メチロール化メタクリルアミド、β−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリ
レート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、β−
ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロキシビニ
ルエーテル、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、
5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシ
ペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルメタ
クリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6
−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート等が挙げられる。
【0046】本発明においては、更に、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、マレイン酸またはその塩、モ
ノ又はジアルキルエステル、ビニル基を有するアルコキ
シシラン等を共重合成分として使用することが出来る。
【0047】フェニレンスルホン酸基またはその塩を含
有するモノマーの共重合比は、特に限定されないが、帯
電防止性の観点から、好ましくは5重量%以上、更に好
ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以
上である。リアルキレンオキサイド含有モノマーの共重
合比は、特に限定されないが、帯電防止性、透明性、接
着性の観点から、好ましくは10重量%以上、更に好ま
しくは20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上
である。アミノ基含有モノマーの共重合比は、特に限定
されないが、帯電防止性、接着性の観点から、好ましく
は40重量%未満、更に好ましくは5〜35重量%、特
に好ましくは10〜35重量%である。
【0048】本発明においては、アミノ基の様な架橋性
官能基を共重合する場合、当該架橋性官能基を架橋させ
る目的で官能基と反応する架橋剤を使用するのが好まし
い。架橋剤としては、例えば、メラミン化合物またはメ
ラミン樹脂、ブロックイソシアネート基を有する化合物
またはそのポリマー、エポキシ化合物またはエポキシ樹
脂、オキサゾリン化合物またはオキサゾリン樹脂、アジ
リジン化合物などが挙げられる。
【0049】本発明における帯電防止性樹脂の分子量
は、GPCによる測定値として、通常2万以上とされる
が、接着性の観点から、好ましくは10万以上、更に好
ましくは20万以上である。
【0050】本発明における帯電防止性樹脂は、公知の
ビニル系樹脂またはアクリル系樹脂の場合に採用される
重合方法によって得ることが出来るが、帯電防止性樹脂
を含有する塗布層をインラインコーティング法に適用す
る場合は、水に溶解または分散できることが好ましいた
め、乳化重合、懸濁重合または水を溶媒とする水溶液重
合などの方法によって製造するのが好ましい。
【0051】上記の重合の際、反応容器中に公知の水溶
性または水分散性ポリエステル及び/又は水溶性または
水分散性ポリウレタンを存在させることにより、部分的
にポリエステル又はポリウレタン骨格を幹としたグラフ
ト型の共重合体を得ることが出来る。
【0052】本発明における帯電防止性樹脂は、上記の
様な重合法による他、例えば、フェニル基とポリアルキ
レンオキサイドユニットを有する樹脂に公知のスルホン
化処理を行うか、または、スルホン化処理の後に中和処
理を行うことによって得ることができる。
【0053】帯電防止性樹脂を構成するポリエチレンオ
キサイドユニットとスルホン酸またはスルホン酸塩基の
重合体中における位置は、同一重合体中にその両方の側
鎖ユニットを有する限り特に限定されない。従って、ポ
リエチレンオキサイドユニットとスルホン酸またはスル
ホン酸塩基は、それぞれ別のモノマーに含有されていて
もよいし、同一のモノマーユニット内に含有されていて
もよい。
【0054】本発明における塗布層は、本発明の効果を
阻害しない範囲において、バインダー成分として公知の
水溶性または水分散性樹脂を含有していてもよい。水溶
性または水分散性樹脂としては、例えば、ポリエステ
ル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキ
シ樹脂などから成る水溶性または水分散性樹脂が挙げら
れる。
【0055】上記の水溶性または水分散性ポリエステル
は、多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物の重縮
合反応によって得ることが出来る。
【0056】上記の多価カルボン酸としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテ
レフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシ
ン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロ
キシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそ
れらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0057】上記の多価ヒドロキシ化合物としては、エ
チレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、p−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エ
チレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロール
プロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロー
ルプロピオン酸カリウム等が挙げられる。
【0058】上記の水溶性または水分散性ポリウレタン
は、以下の様なポリオール、ポリイソシアネート、鎖長
延長剤、架橋剤などから得ることが出来る。
【0059】ポリオールの例としては、ポリオキシエチ
レングリコール,ポリオキシプロピレングリコール、ポ
リオキシプロピレントリオール、ポリオキシテトラメチ
レングリコールの様なポリエーテル類、ポリエチレンア
ジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリプ
ロピレンアジペート、ポリヘキシレンアジペート、ポリ
カプロラクトンの様なポリエステル類、アクリル系ポリ
オール、ひまし油などが挙げられる。
【0060】ポリイソシアネートの例としては、トリレ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネートの様な芳香族系ジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,
4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートの様な脂肪族系ジイソシアネー
ト等が挙げられる。
【0061】鎖長延長剤または架橋剤の例としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ヒドラジン、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジシクロヘキ
シルメタン、水などが挙げられる。
【0062】上記の水溶性または水分散性アクリル樹脂
およびビニル樹脂を構成する成分としては、例えば、ア
クリレート、メタクリレート、ビニル化合物、α置換ビ
ニル化合物を基本骨格とし、更に、架橋性官能基を有す
るモノマーが挙げられる。上記のα置換ビニル化合物の
側鎖基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル
基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、置
換フェニル基などが挙げられる。上記の官能基として
は、例えば、カルボキシル基、メチロール基、酸無水物
基、スルホン酸基、燐酸基、燐酸エステル基、アミド
基、メチロール化されたアミド基、水酸基、エポキシ基
などが挙げられる。これらは、前述の帯電防止性樹脂の
共重合可能成分として記載したものであり、帯電防止性
樹脂と同様の方法で合成することが出来る。
【0063】本発明における塗布層は、本発明の効果を
阻害しない範囲において、公知の添加剤、例えば、架橋
剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸
収剤、有機の易滑剤、有機、無機の微粒子、界面活性
剤、ワックス類などを含有することが出来る。特に架橋
剤の添加は接着性をより向上させる点で好ましい。
【0064】上記の架橋剤の具体例としては、メチロー
ル化またはアルキロール化された尿素、メラミン系化合
物、アクリルアミド系化合物、ポリアミド系化合物、ポ
リアミン、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジ
リジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アル
ミネート系カップリング剤、金属キレート、有機酸無水
物、有機過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物、
感光性樹脂などが挙げられる。
【0065】本発明において、塗布層を形成するための
塗布液は、水を主たる媒体とする場合、水への分散を改
良する目的または造膜性能を改良する目的で少量の有機
溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は、水に溶解する
範囲で使用される。
【0066】上記の有機溶剤としては、n−ブチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族
または脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコー
ル類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチ
ルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエス
テル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、
N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。
【0067】本発明の白色フイルムのの製造方法は、ポ
リエステルフイルムを製造する通常の方法を採用し得
る。すなわち、予め乾燥した上述の成分を混合して原料
ポリエステルチップを調製し、押出機にて250〜30
0℃の温度で原料ポリエステルチップを溶融混練し、ダ
イからシート状に押し出し、約70℃以下の温度に冷却
して実質的に無定形のシートとする。次いで、当該シー
ト状を縦および/または横方向に4倍以上、好ましくは
9倍以上延伸し、更に、120〜250℃の温度で熱処
理を行う。本発明においては、公知の白色ポリエステル
フイルムの製造法に従って、原料ポリエステルチップに
ポリエチレンチップ及び界面活性剤を配合することも出
来る。
【0068】ポリエステルフイルムに塗布液を塗布する
方法としては、原崎勇次著、槙書店、1979年発行、
「コーティング方式」に示されるリバースロールコータ
ー、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクター
コーター等を使用することが出来る。
【0069】本発明において、上記の塗布は、二軸延伸
フイルム製造工程内で行うのが好ましい。製造コストの
観点から、長手方向に一軸延伸されたフイルムに塗布
し、乾燥または未乾燥の状態で更に先の一軸延伸方向と
直角の方向に延伸した後、熱処理を施す方法が好適であ
る。
【0070】塗布層は、ポリエステルフイルムの片面だ
け形成してもよいし、両面に形成してもよい。塗布層を
フイルムの片面にのみに形成した場合、その反対面には
必要に応じて異なる塗布層を形成させ、本発明の白色フ
イルムに他の特性を付与することが出来る。なお、塗布
液のフイルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布
前にフイルムに化学処理や放電処理を施してもよい。ま
た、本発明の白色フイルムの表面特性を更に改良するた
め、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
【0071】塗布層の厚さは、最終的な乾燥厚さとし
て、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜
0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm
未満の場合は、本発明の効果が享受されず、塗布層の厚
さが0.5μmを超える場合は、フイルムが相互にブロ
ッキングし易くなったり、特に、フイルムの高強度化を
目的として塗布処理フイルムを再延伸する場合には、工
程中にロールに粘着し易くなったりする。ブロッキング
の問題は、特に、フイルムの両面に同一の帯電防止層を
形成した場合に顕著に現れる。
【0072】本発明の磁気カード用白色フイルムは、磁
気カードの中でも、特に生産性が重視されるパチンコカ
ード製造工程の高速でのカード打抜き時における、カー
ドエッジ部のベースフイルムと印刷層との接着性に優れ
る。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、本発明における各
種の物性および特性の測定方法および定義は下記の通り
である。また、実施例および比較例中、「部」及び
「%」とあるのは、各々「重量部」及び「重量%」を意
味する。
【0074】(1)平均粒径:遠心沈降式粒度分布測定
装置((株)島津製作所製「SA−CP3型」)を使用
してストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の
大きさを測定し、等価球形分布における積算(体積基
準)50%の値を平均粒径とした。
【0075】(2)隠蔽度(OD):マクベス濃度計
(TD−904)を使用し、Gフィルター下の透過光濃
度を測定した。
【0076】(3)b値:カラーアナライザー(東京電
色(株)製「TC1800MKII型」を使用してJIS
Z−8722の方法に準じて測定した。
【0077】(4)表面固有抵抗:内側電極直径50m
m、外側電極直径70mmの同心円型電極(横河ヒュー
レット・バッカード社製「16008A」に試料を設置
し、100Vの電圧を印加し、23℃、50%RHの雰
囲気下、高抵抗計(横河ヒューレット・バッカード社製
「4329A」)で試料の表面抵抗を測定した。表面固
有抵抗値の対数を採り、以下の基準で評価した。
【0078】
【表1】 A(良好):10未満 B(普通):10以上、13未満 C(不良):13以上
【0079】(5)帯電防止性能の耐水性:50℃の温
水に1分間サンプルフイルムを浸した後、定性濾紙(T
OYOアドヴァンテック製「No2」)で軽く挟んで付
着した水分を取り除き、室温で一昼夜乾燥した後に表面
固有抵抗を測定し、温水浸漬前の値との差により、以下
の基準で評価した。
【0080】
【表2】 A(良好):0.5未満 B(普通):0.5以上1未満 C(不良):1.0以上
【0081】(6)UV硬化型インクとの接着性:オフ
セット印刷テスト機(明製作所製「RIテスター RI
−2」)を使用し、UV硬化型オフセットインク(東洋
インキ製造社製「FDOL藍APNロ」)を試料フイル
ムの塗布層の表面に2μmの厚さとなる様に転写した
後、UV照射装置(ウシオ電気社製「UVC−402/
1HN:302/1MH」)に通し、水銀灯出力120
W/cm、ラインスピード10m/min、ランプから
試料フイルム間隔100mmの条件にてインクを硬化さ
せ、直ちにセロテープ剥離試験を行い、剥離面積を求
め、以下の基準で評価した。
【0082】
【表3】 A:剥離なし B:一部剥離箇所あり C:全面剥離あり
【0083】(7)磁気塗料との接着性:ワイヤーバー
により、試料フイルムの塗布層の表面に下記評価用塗料
を乾燥後の膜厚が5μmとなる様に塗布し、80℃で2
分間乾燥する。その後、60℃で24時間エージングす
る。磁性層接着力は、サンプルの磁性層面に18mm幅
のセロハンテープ(ニチバン(株)製)を気泡の入らぬ
様に7cmの長さに貼り、この上から3Kgの手動式荷
重ロールで一定の荷重を与えて密着させた後、試料フイ
ルムを固定し、セロハンテープの一端を500gの錘に
接続し、錘が45cmの距離を自然落下後に、180°
方向の剥離試験が開始する方法で評価した。接着性は、
次の3段階の基準で評価した。
【0084】
【表4】 A:塗料が全く剥離しない。 B:10%未満の部分の塗料が剥離する。 C:10%以上の部分の塗料が剥離する。
【0085】評価用塗料は、磁性微粉末(チタン工業製
「X6000」)500部、ポリウレタン樹脂(日本ポ
リウレタン製「ニッポラン2304」)30部、塩酢ビ
共重合体(電気化学製「1000GKT」)50部、レ
シチン(キシダ化学試薬)5部、シクロヘキサノン24
6部、メチルイソブチルケトン246部およびメチルエ
チルケトン738部をサンドミルにて1時間混合分散し
た後、架橋剤(「コロネートL10」)部を加えて十分
に撹拌して調製した。
【0086】製造例1(ポリエステルAの製造) テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウ
ム・4水塩0.09重量部を反応器に採り、反応開始温
度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応
温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
【0087】4時間後、実質的にエステル交換反応を終
了した。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェー
ト0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加え、4
時間30分重縮合反応を行った。すなわち、温度は23
0℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常
圧より徐々に減じ最終的には0.3mmHgとした。
【0088】反応開始後、4時間30分を経た時点で反
応を停止し、反応器から窒素加圧下にポリマーを吐出さ
せた。得られたポリエステルの極限粘度は0.65であ
った。次いで、得られたポリマーを225℃で0.3m
mHgの条件下に10時間固相重合を行った。得られた
ポリエステルの極限粘度は0.81であった。
【0089】製造例2(ポリエステルB〜Dの製造) ポリエステルAを乾燥し、ベント式二軸押出機にて下記
の表5の配合で配合してポリエステルB〜Dを得た。
【0090】
【表5】
【0091】実施例1 ポリエステルA:55重量部、ポリエステルB:30重
量部、ポリエステルC:10重量部およびポリエステル
D:5重量部を均一にブレンドし、180℃で4時間乾
燥後、285℃に設定した押出機よりシート状に押出
し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静電
印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚さ1690μm
の実質的に非晶質のシートを得た。得られた非晶質シー
トを縦方向に83℃で3.0倍延伸した後、表6に示す
組成の塗布液(5重量%水分散体)を#3バーを使用し
て塗布した後、横方向に120℃で3.0倍延伸し、2
30℃で6秒間熱処理を行い、0.1μmの塗布層を有
する厚さ188μm の二軸延伸白色ポリエステルフイル
ムを得た。得られたフイルムの特性を表7及び表8に示
す。
【0092】実施例2〜3及び比較例1〜6 実施例1において、ポリエステルの配合量および塗布液
の種類を表7に示す様に変更した以外は、実施例1と同
様にして二軸延伸白色ポリエステルフイルムを得た。得
られたフイルムの特性をまとめて表7及び表8に示す。
【0093】
【表6】 塗布液A:Pースチレンスルホン酸ナトリウム塩/ポリ
エチレングリコールモノメタクリレート(n:4〜5)
共重合体の水分散体 塗布液B:テレフタル酸/イソフタル酸/ソジウムスル
ホン酸イソフタレート/エチレングリコール/ジエチレ
ングコール/ネオペンチルグリコール共重合体の水分散
体 塗布液C:2−プロペニル−2−オキサゾリン/スチレ
ン/アクリル酸ブチル/ジビニルベンゼン共重合体の水
分散体 塗布液D:コロイダルシリカ粒子(粒径:0.08μ)
の水分散体
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、優れた帯
電防止性能を有すると共に、磁気塗料、印刷インクに対
して優れた接着性を有し、特に、パチンコカードに好適
に使用し得る磁気カード用白色フイルムが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 27/00 B32B 27/00 G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隠蔽度が0.6以上であり且つ黄色味を
    表す指標のb値が1.0以下である二軸延伸白色ポリエ
    ステルフイルムの少なくとも片面に、当該フイルムの製
    造工程内で設けられ且つ帯電防止性樹脂を含有する塗布
    層を有して成り、当該帯電防止性樹脂が少なくともポリ
    アルキレンオキサイドとスルホン酸基またはスルホン酸
    塩基を有することを特徴とする磁気カード用白色フイル
    ム。
  2. 【請求項2】 磁気カードがパチンコカードである請求
    項1に記載の磁気カード用白色フイルム。
JP7346337A 1995-12-12 1995-12-12 磁気カード用白色フイルム Withdrawn JPH09156264A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011230450A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Mitsubishi Plastics Inc バリア基材用ポリエステルフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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