JP2004090523A - 感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムおよび感熱転写記録媒体 - Google Patents

感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムおよび感熱転写記録媒体 Download PDF

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Kozo Takahashi
高橋 弘造
Yasuhiko Matsukuma
松隈 靖彦
Motoyuki Suzuki
鈴木 基之
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Abstract

【課題】優れた印刷特性、帯電防止性、高加工性を発現し、特に紙と貼合される印刷基材として使用した時、優れた高速加工対応性、耐折れしわ性、画像再現性を示し、感熱転写記録用の受容シート基材として最適な白色積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】微細な気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、無機粒子を含有するポリエステル層(A)を設けてなる比重0.7〜1.1の積層ポリエステルフィルムであって、(B)層を構成するポリエステルがポリエステル層(A)に含有される無機粒子を含有しており、フィルムの片面に塗布層が設けられており、該塗布面側から測定した表面比抵抗が1013Ω/□以下、pHが4〜10であって、該塗布面の60°光沢度(G60C)と非塗布面の光沢度(G60N)が0<G60N−G60C<30の関係を満足し、ポリエステル層(A)の厚みが1.5〜4.0μm、フィルム全体の厚みが25〜45μmである感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルム。その感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムと紙とを貼合されてなる感熱転写記録媒体。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白色積層ポリエステルフィルムおよび感熱転写記録媒体に関するものである。更に詳しく述べれば、本発明は、優れた印刷特性、帯電防止性、高加工性を発現し、特に紙と貼合される印刷基材として使用した時、優れた高速加工対応性、耐折れしわ性、画像再現性を示し、感熱転写記録用の受容シート基材として最適な白色積層ポリエステルフィルムおよび感熱転写記録紙などの感熱転写記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハードコピー技術における記録方法の一つとして、ノンインパクト、操作、保守が容易、低コストおよび小型化、高速化が可能等の特徴を持つ感熱転写記録方式が注目されている。この感熱転写記録方式とは、色材含有層であるインキ層を有する転写シート(インキリボン)と受容シートを重ね合わせ、インキリボン側からのサーマルヘッドの加熱に応じて、溶融または昇華して移行する色材含有成分または色材を、受容シート上に微細な網点(ドット)状に転写して印字する方式である。従来、このような感熱転写記録方式に用いられる受容シート基材として、ポリエステル中に酸化チタン、炭酸カルシウムあるいは硫酸バリウム等の無機系微粒子やポリエステルと非相溶の樹脂を含有せしめた白色ポリエステルフィルムが適用されてきた。一般的には、これらの白色ポリエステルフィルム上に印字機能を高めるための受容層を設けることで、感熱転写記録用の受容シートとしている。さらに、印字記録の精度が向上すると共に、印字画像の鮮明性を高め、より高級感を与える高白色性の白色ポリエステルフィルムが求められている。このような要求に対しては、上述の無機系微粒子の複数種を併用添加した白色ポリエステルフィルム、無機系微粒子と非相溶樹脂を併用添加した白色ポリエステルフィルム等が公知となっている。このような白色ポリエステルフィルムとしては、例えば、特許文献1、特許文献2等が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−153232号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平6−322153号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら近年、装置の小型化、加工速度、印刷速度の高速化といった要求に対し、印刷基材に求められる性能がより厳しいものになりつつある。これらを背景として、基材に適用される白色フィルムには、白色性を満足しながら、帯電防止性(静電気により受容シート同士が貼付いたり、受容シート表面にゴミやほこり等が付着しにくいこと)を向上させ、耐折れしわ性に例示される加工適性や印刷特性をも向上させるということが強く求められている。特に高速化に伴いサーマルヘッドに印加する熱量を高くする必要があり、優れた耐熱性、画像再現性を発揮する白色フィルムが必要となっている。
【0006】
本発明の目的は、上記のような多岐にわたる高度な要求を満足する、優れた感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムは主として次の構成を有する。すなわち、
微細な気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、無機粒子を含有するポリエステル層(A)を設けてなる比重0.8〜1.1の積層ポリエステルフィルムであって、(B)層を構成するポリエステルがポリエステル層(A)に含有される無機粒子を含有しており、フィルムの片面に塗布層が設けられており、該塗布面側から測定した表面比抵抗が1013Ω/□以下、pHが4〜10であって、該塗布面の60°光沢度(G60C)と非塗布面の光沢度(G60N)が0<G60N−G60C<30の関係を満足し、ポリエステル(A)層の厚みが1.5〜4.0μm、フィルム全体の厚みが25〜45μmであることを特徴とする感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムである。
【0008】
また、本発明の感熱転写記録用媒体は主として次の構成を有する。すなわち、上記感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムと紙とを貼合されてなる感熱転写記録媒体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムは、基本的にポリエステルを主体として構成されている。
【0010】
本発明におけるポリエステルとはエステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、耐熱性、製膜性等の点からエチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位を主構成成分とするものが好ましく、ポリエステルの融点としては210℃〜280℃であることが好ましく、更に好ましくは220〜270℃である。
【0011】
本発明に用いられるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが、強度、耐熱性、耐水性および耐薬品性等に優れているため、特に好ましく用いられる。
【0012】
また、本発明では、フィルムの比重が0.7〜1.1であることが必須であり、より好ましくは0.8〜1.05である。比重が0.7より小さい場合、画像の鮮明性は向上するが、フィルム強度の低下、画像再現性の悪化を引き起こすことがある。また、比重が1.1を越える場合、クッション性、断熱性が低下して印字性が低下したり、フィルムの白色性が不十分となって印字画像が暗い印象となり易いため好ましくない。
【0013】
本発明の白色積層ポリエステルフィルムにおいては、微細な気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、無機粒子を含有するポリエステル層(A)を設けてなることが必要であり、両面にポリエステル層(A)を設けることが好ましい。例えば、1層の単膜フィルムにより、本発明の効果を得ようとする場合、フィルム破れが発生し易く、製膜が不安定なため、結果的にコストが高くなることがある。また、1層の単膜フィルムに、微細な気泡を含有せしめるため非相溶樹脂を添加した場合、その種類によっては分散している粒子状の非相溶樹脂が脱落し、長時間製膜している間に製膜装置と接触する部分(ドラム、ロール、コーターなど)を汚染することがある。この汚染がフィルム特性に好ましくない影響を与えたり、対策として定期的に洗浄を行なうことで生産性の低下やコスト上昇を招くことになる等の問題が発生しやすい。そこで、2層以上の積層構成とし、ポリエステル層(A)に白色性と、平滑性あるいは光沢を発現させ、ポリエステル層(B)をクッション性、断熱性などの諸特性に優れた層とすることで、フィルム全体として、必要な特性の全てを満足させることが可能となるのである。
【0014】
ここで、本発明の白色積層ポリエステルフィルムが、ポリエステル層(B)の片面にポリエステル層(A)を有する2層積層構成である場合、これを感熱転写記録用の受容シート基材として用いる際には、ポリエステル層(A)に受容層を設けることが好ましい。
【0015】
従って、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを、ポリエステル層(B)の両面にポリエステル層(A)を積層し、3層積層構成としたものは、製膜性がより向上し、取扱性などの実用性も向上させることができること、あるいは経時安定性などの点から、より望ましいものである。
【0016】
また本発明においては、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)の各層に用いられるポリエステルの種類は、同一であっても、異なっていてもよい。特に異なったポリエステルの組合せ、例えば、ポリエステル層(A)に用いられるポリエステルがポリエチレンナフタレートで、ポリエステル層(B)に用いられるポリエステルがポリエチレンテレフタレートである場合、剛性などの向上効果が得られるのでより好ましい。また、ポリエステル層(A)に用いられるポリエステルが共重合ポリエステルで、ポリエステル層(B)に用いられるポリエステルがホモポリエステルである場合、受容層あるいは塗布層との密着性向上効果等が得られるのでより好ましい。
【0017】
なお本発明においては、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)を積層する方法としては、溶融製膜中の共押出により複合化する方法、あるいはそれぞれ別々に製膜した後、ラミネートする方法のいずれでもよいが、コストなどの点で前者の方法がより好ましい。
【0018】
本発明の白色積層ポリエステルフィルムにおいては、ポリエステル(A)層の厚みが1.5〜4.0μm、フィルム全体の厚みが25〜45μmであることが、耐折れしわ性と印刷特性、画像再現性のバランスの点から必要であり、好ましくはポリエステル(A)層の厚みが2.0〜3.5μm、フィルム全体の厚みが30〜38μmである。
【0019】
本発明の白色積層ポリエステルフィルムにおいては、ポリエステル層(B)を構成するポリエステルがポリエステル層(A)に含有される無機粒子を含有していることが必要である。これは(A)層と(B)層の界面の相溶性の向上、剛性挙動を類似させる効果により、印刷が繰り返し実施される際にも安定したヘッドタッチ性を付与することができ、安定した画像再現性を得ることができる。特に含有される無機粒子としてはルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、炭酸カルシウムなどが好適であり、特にPET分子の末端基(カルボン酸等)と反応させることができる炭酸カルシウムが好ましく、何れの場合もポリエステル(B)層には好ましくは0.1〜10重量%、更には0.2〜5重量%含有させることが好ましい。
【0020】
本発明の白色積層ポリエステルフィルムにおいては、フィルムの片面に塗布層が設けられており、該塗布面の60°光沢度(G60C)と非塗布面の光沢度(G60N)が0<G60N−G60C<30、好ましくは5<G60N−G60C<20の関係を満足するものである。
【0021】
また、本発明においては、G60C<G60N<30、好ましくはG60C<G60N<35の関係を満足することにより、一層優れた画像再現性、耐折れしわ性を発現させることができる。
【0022】
これは、0<G60N−G60C<30、さらにはG60C<G60N<35を満足する塗布面に受容層を設けることで、印刷後の落ち着いた画像の雰囲気を醸し出すことが可能となるのみならず、理由が定かではないが、驚くべきことに極めて優れた画像再現性と耐折れしわ性が発現するためである。
【0023】
塗布面、非塗布面の光沢度を上記範囲とする方法としては、ポリエステル(A)層の種類、添加粒子種類・添加量、塗布組成物によってもある程度制御可能であるが、特に溶融押出されたシートをドラム上で冷却固化させ未延伸フィルムを得る際に、ドラムを粗面化し、塗布面のみを粗面化する方法、縦延伸が施された一軸延伸フィルムを塗布前に粗面化ロールと平滑ロールで圧縮し塗布面側のみを粗面化する方法、一軸延伸後に塗布を実施した後、横延伸での120℃以下の予熱工程において0.1〜10%程度微延伸を行う方法等を採用することにより達成することができる。
【0024】
本発明のポリエステルには特性を損ねない範囲で他の共重合成分を含有しても良く、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ−酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を挙げることができる。一方、グリコ−ル成分としては、例えば、プロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合しても良い。特にグリコール成分としてジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルを適量含有することにより、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を含有せしめる際に微分散化効果を発現し、さらに、帯電防止性と画像耐久性を付与するために塗布層を設ける際にその効果を向上させ、耐折れしわ性等の加工適性を向上させる点等から好ましく使用される。
【0025】
なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよく、2種以上のポリエステルをブレンドして使用しても良い。さらに2層以上に共押出し積層フィルムとして使用しても良い。さらに、このポリエステルの中には、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
【0026】
本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、微細な気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に無機粒子を含有するポリエステル層(A)を有する2層以上の積層構成としたものである。ポリエステル層(B)は、微細な気泡を含有せしめた層とすることが必要であるが、これは内部に微細な気泡を含有させることにより、感熱転写記録時のサーマルヘッドの加熱に対する断熱効果が得られ、印字部分に効率よく伝熱することが可能となる。さらに、クッション性の発現によりサーマルヘッドと印字面との密着性が高められ、印字部分への伝熱がより均一かつより高効率、高感度となるのである。
【0027】
ポリエステルフィルム中に微細な気泡を含有せしめる方法としては、(1) ポリエステルに発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて気泡を形成する方法、(2) ポリエステルの押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、(3) ポリエステルに該ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法、(4) 前記の非相溶樹脂の代わりに気泡形成性の無機系微粒子を多量添加する方法等が一般に用いられる。本発明の目的の範囲内であれば、いずれの方法を用いてもよいが、製膜性、内部に含有せしめる気泡の量の調整し易さ、より微細で均一な大きさの気泡の形成し易さ、さらに軽量性などの総合的な点から、上記(3)の非相溶樹脂の使用が特に好ましい。
【0028】
本発明における微細な気泡とは、感度向上のためフィルム自身に断熱性やクッション性を付与せしめることに寄与できるものであり、ポリエステル中に含有させた該非相溶樹脂を核として生成されたものであることが最も好ましい。さらに、ポリエステル層(B)の断面(厚み方向)を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)などによって観察したとき、気泡部分の断面積(ただし、気泡生成の核となる非相溶樹脂部分は除く)の平均値が1〜25μmであるものが好ましく、より好ましくは1.5〜20μm、さらに2〜15μmであることが好ましい。
【0029】
本発明でいう非相溶樹脂とは、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂であって、かつ該ポリエステルに対して非相溶性を示す熱可塑性樹脂であり、ポリエステル中では粒子状に分散し、延伸によりフィルム中に気泡を形成せしめる効果が大きい樹脂が好ましい。より具体的に述べれば、非相溶樹脂とは、ポリエステルと上記非相溶樹脂とを溶融した系を、公知の方法、好ましくは、示差走査熱量計(DSC)、動的粘弾性測定等で測定した場合に、ポリエステルに相当するガラス転移温度(以降、Tgと省略する)以外に該非相溶樹脂に相当するTgが観察される樹脂である。
【0030】
このような非相溶樹脂の融点は、ポリエステルの融点よりも低温であって、かつ製膜時にフィルムを熱固定して配向させる際の温度(熱処理温度)よりも高温であることが好ましい。かかる点から該非相溶樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶樹脂を併用してもよい。これらの中でも、臨界表面張力の小さなポリプロピレン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂が好ましく、さらにはポリメチルペンテンが最も好ましい。該ポリメチルペンテンは相対的にポリエステルとの表面張力差が大きく、かつ融点が高いため、添加量当たりの気泡形成の効果が大きいという特徴があり、非相溶樹脂として特に好ましいものである。
【0031】
ポリエステル層(B)中の非相溶樹脂の含有量は、1〜35重量%、さらには2〜30重量%、特に3〜25重量%の範囲内であることが好ましい。添加量がかかる好ましい範囲の場合には、フィルムの白色性や隠蔽性などを一層向上させることができ、一方、延伸時にフィルム破れ等が生じにくい。
【0032】
また、本発明のポリエステル層(B)において、非相溶樹脂の分散径が小さくなることで延伸により発生する気泡をより微細化でき、結果的にフィルムの白色性や製膜性を向上させることができるので、前述したポリエステルと非相溶樹脂の他に、さらに分散剤を添加することが、より好ましい。上記の効果を示す分散剤としては、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、界面活性剤、熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。分散剤を添加する方法としては、ポリエステルとの混合であるブレンド体や、ランダム共重合、ブロック共重合などの共重合化が採用できる。また両者の中間状態である部分共重合化であってもよい。
【0033】
本発明における分散剤の添加量は、0.05〜10重量%、さらには0.1〜7重量%、特に0.2〜5重量%が好ましい。添加量がかかる好ましい範囲の場合、気泡を微細化する効果が十分で、一方、白色性の低下やコスト上昇などの問題もない。
【0034】
また、本発明においてはポリエステル層(B)に酸化防止剤を、好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%含有せしめることにより一層安定したポリマー押出、製膜を行うことが可能となる。酸化防止剤としては特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤が分散性の点から好ましい。
【0035】
本発明において、無機粒子を含有するポリエステル層(A)に使用する無機粒子は、気泡形成性を有していても、有していなくてもよく、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を用いることができる。
【0036】
また、本発明における無機系微粒子は、ポリエステル中での平均粒子径が0.05〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。無機系微粒子の平均粒子径がかかる好ましい範囲である場合、凝集しにくいので無機系微粒子の均一分散性に優れ、また粒子自身によってフィルム表面の光沢または平滑性が低下することもない。
【0037】
またポリエステル層(A)中における無機系微粒子の添加量は、1〜35重量%が好ましく、より好ましくは2〜30重量%、さらには3〜25重量%の範囲にあることが最も好ましい。添加量がかかる好ましい範囲の場合には、ハンドリング性、加工性、フィルムの白色性、隠蔽性(光学濃度)などの特性に優れ、一方、十分な平滑性を有し、延伸時のフィルム破れや後加工の際に粉発生等の不都合を生じることもない。これらの点から使用する無機粒子としては酸化チタン、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミが特に好適であるが、中でも炭酸カルシウムが好ましい。
【0038】
また本発明の白色積層フィルムにおいては、少なくとも片面に塗布層が設けられており、該塗布面側から測定した表面比抵抗が1013Ω/□以下、pHが4〜10であることが必要である。ここで該塗布面から測定した表面比抵抗は1012Ω/□以下であることが好ましいが、特に好ましくは1011Ω/□以下、特に好ましくは1010Ω/□以下である。表面比抵抗が小さいほど、加工工程や印刷機内の搬送、あるいはサーマルヘッド通過時の帯電が抑制でき(帯電防止性を付与)、給紙性が向上するため、より良好な印刷特性や耐折れしわ性が発現される。例えば、フィルム表面に受容層を設けて受容シートとした場合に、静電気による受容シート同士の貼付きや印字の際の紙詰まり等のトラブル、あるいは受容シート表面へのゴミやほこり等の付着という問題を発生させることなく、安定して良好な品質の製品が得られやすくなるのである。また下限については、電気的な抵抗がない状態が最も好ましいが、現実的には10−2Ω/□以上である。
【0039】
また本発明においては塗布層の表面pHを4〜10、好ましくは4.5〜9.5、特に好ましくは5〜9とするものである。塗布層面に受容層を配置させる際に、表面pHが4未満であるか、10を越えると印刷した際の特性が悪化する場合がある。特に表面pHが4未満の酸性サイドとなると、染料によっては、変色するなどの現象が発生し、実用的に問題となり印刷特性が大幅に低下し、不鮮明な画像あるいは所望の色合いを出すことが難しくなるからである。
【0040】
ポリエステル層(A)上に塗布層を設ける場合、帯電防止剤単独の層あるいはバインダー樹脂を併用した層のいずれかを採用することができるが、特に後者のバインダー樹脂を併用した層はフィルム上に受容層を設けて感熱転写記録用の受容シートとしたときに受容層との密着性向上効果が期待できる点で、より好ましいものである。
【0041】
上記の帯電防止剤としては、例えば、イオン性高分子化合物、界面活性剤、導電性無機微粒子、無機電解質および有機錯塩などを好ましく使用することができる。これらのうち、塗布性、バインダー樹脂や他の組成物との混和性などの点でイオン性高分子化合物が好ましく用いることができる。ここでイオン性高分子化合物とは、主鎖、側鎖もしくは主鎖のペンダントとしてイオン性基を有する高分子化合物の総称である。
【0042】
イオン性基としては、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩などのアニオン性基、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルピロリジウム塩などの第4級アンモニウム塩を主成分とする化合物であるカチオン性基、ポリエーテル類、多価アルコール類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどを主成分とする化合物である非イオン性基、長鎖脂肪族基、第4級アンモニウム型の窒素とカルボキシル基またはスルホン基を持つ化合物などの両性イオン基などを用いることができる。
【0043】
その具体例としては、主鎖にイオン性基を有する高分子化合物として、例えば、ピロリジウム環、ピペリジニウム環などを主鎖に有する高分子化合物、又はこれらのものに不飽和結合を有する化合物を共重合成分として含む高分子化合物を用いることができる。
【0044】
また、側鎖にイオン性基を有する高分子化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどからなる単独重合体および/または他の成分としてポリエチレン、ポリプロピレンなどの飽和炭化水素、ポリアセチレンなどの不飽和炭化水素、アルキレンオキシドなどの共重合体を主鎖とし、リン酸塩、スルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩、カルボン酸塩、4級アンモニウム塩などのイオン性基を側鎖に有する高分子化合物を用いることができる。
【0045】
本発明においては、イオン性高分子化合物の中でも、混和性や塗布性の点から、イオン性基がアニオン性基である高分子化合物が特に好ましい。また上記のイオン性高分子化合物は単独で用いても、あるいは2種以上を組合せて用いてもよい。
【0046】
本発明においては、スルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が、例えば、リサイクル時の耐熱性に優れるため、好ましく用いることができ、中でもスチレンスルホン酸金属塩が好適に使用され、スチレンスルホン酸金属塩の含有量は10〜40重量%であることが好ましい。また同様の理由でポリチオフェンあるいはその誘導体を好ましく使用することができる。
【0047】
ここで本発明において好ましく用いられるスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体としては、ポリビニルスルホン酸および/またはその塩、ポリスチレンスルホン酸および/またはその塩などである。該共重合体には、他の共重合成分が、その特性を悪化させない程度に共重合されていてもよく、更には該共重合体に架橋性官能基を付与したのもとしてもよい。
【0048】
更に、本発明においては、帯電防止性と表面pHの両立という点で、特にスルホン酸リチウム塩を有する共重合体が好適である。
【0049】
また、バインダー樹脂としては、帯電防止剤との混和性、塗布性、さらには受容層との密着性を付与するため、例えばポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびポリビニルブチラール樹脂などの樹脂が好ましい。これらの樹脂の中でも、特にポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂がより好ましく用いられる。もちろん、これらの樹脂は単独で用いても、2種以上を混合あるいは共重合体として組合せて用いてもよい。特に本発明においては、耐ブロッキング性、接着性、帯電防止剤との相溶性の点から、ガラス転移温度が10〜80℃のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0050】
本発明において、バインダー樹脂の併用形態としては、帯電防止剤と共重合したものとしても、あるいは両者を混合して用いてもよいが、後者の方が受容層との密着性あるいは選択範囲や応用範囲の広さから、より好ましいものである。また、帯電防止剤とバインダー樹脂との割合(重量比)は、本発明の範囲内であれば特に限定されないが、例えば、5/95〜95/5が好ましく、より好ましくは10/90〜90/10である。また特にイオン性高分子化合物をバインダー樹脂と混合して使用する場合については、勿論任意の比率で混合して用いることができるが、本発明の効果をより顕著に発現させるために、固形分重量比で、イオン性高分子化合物/バインダー樹脂が40/60〜10/90が好ましく、より好ましくは35/65〜15/85である。用いられるイオン性高分子化合物によって該混合比は変更されるが、かかる好ましい範囲であると、接着性に優れ、一方、十分な帯電防止性が得られる。
【0051】
また、本発明に係る塗布膜においては、イオン性高分子化合物とバインダー樹脂に、架橋剤が添加されてもよく、任意の比率で混合して用いることができる。
【0052】
上記塗布層には、本発明の目的を阻害しない範囲内であれば、他の添加剤、例えば架橋剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の易滑剤、有機系もしくは無機系の微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤等を含有させてもよい。
【0053】
本発明における、塗布層の形成方法は、塗液を白色積層ポリエステルフィルムのポリエステル層(A)側に塗布、乾燥して設ける方法が好ましい。形成塗液の塗布方法としては、例えば、リバース(ロール)コート、グラビアコート、ナイフコート、エアーナイフコート、ロールコート、ブレードコート、ビードコート、回転スクリーンコート、スロットオリフィスコート、ロッドコート、バーコート、ダイコート、スプレーコート、カーテンコート、ダイスロットコート、チャンプレックスコート、ブラシコート、ツーコート、メータリングブレード式のサイズプレスコート、ビルブレードコート、ショートドウェルコート、ゲートロールコート、グラビアリバースコート、エクストルージョンコート、押出コートなどの方法を用いることができる。
【0054】
また塗布工程としては、白色積層ポリエステルフィルムの製膜工程内で塗布する方法(インラインコート)、製膜後のフィルム上に塗布、乾燥する方法(オフラインコート)のいずれの方法であってもよいが、インラインコートは、均一塗布、薄膜塗布および経済性などの点でより優れた方法である。また、コート前のフィルムには塗布性改良を目的として、予めその表面にコロナ放電処理、プラズマ処理などの前処理を施しておくことも可能である。
【0055】
また、該塗布層形成塗液の液媒体は、水系、溶剤系あるいは両者混合系のいずれの液媒体でもよいが、インラインコート法により塗布層を設ける場合には、取扱性や防爆などの安全性の点で水系または水を主体とした両者混合系の液媒体が好ましく用いられる。
【0056】
塗布厚みは、0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μmである。塗布層の厚みがかかる好ましい範囲の場合、帯電防止性が十分で、一方、コート時に塗布層形成塗液の塗布性が低下したり、高コストとなって経済性が低下することもない。
【0057】
本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、感熱転写記録用として好適に使用することができる。
【0058】
本発明では、感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムに、より高度な白色性を与えるためにポリエステル層(A)および/またはポリエステル層(B)に蛍光増白剤を含有せしめることができる。
【0059】
本発明において、蛍光増白剤とは、太陽光中や人工光中の紫外線を吸収し、これを紫〜青色の可視光線に変え輻射する機能を保持し、その蛍光作用により高分子物質の明度を低下させることなく白色性を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、商品名“ユビテック”(チバガイギー社)、“OB−1”(イーストマン社)、“TBO”(住友精化(株))、“ケイコール”(日本曹達(株))、“カヤライト”(日本化薬(株))、“リューコプア”EGM(クライアントジャパン(株))等を用いることができる。蛍光増白剤は、特に限定されるものではなく、単独、場合によっては2種以上の併用であってもよいが、本発明では、特に耐熱性に優れ、前述のポリエステルとの相溶性がよく均一分散できると共に、着色が少なく樹脂に悪影響を及ぼさない蛍光増白剤の選択が望ましい。
【0060】
ポリエステル層(A)あるいはポリエステル層(B)中における蛍光増白剤の含有量は、0.01〜1.5重量%が好ましく、より好ましくは0.03〜1重量%、さらには0.05〜0.5重量%の範囲にあることが最も好ましい。蛍光増白剤の含有量が上記範囲より少ないと十分な増白効果が得にくく、上記範囲を超える場合には均一分散性の低下や蛍光増白剤自身の着色により、かえって白色性や耐光性が低下しやすい等の問題がある。
【0061】
また、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを感熱転写記録用の受容シート基材として用いる際には、単独で用いても、他の素材と貼合わせて用いてもよいが、紙と貼合せて用いることが好ましい。特に紙との貼合せは本発明のフィルムの非塗布面と行うことが好ましく、受容層は塗布面が好ましい。貼合せの素材としては、例えば普通紙、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙、ラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、グラシン紙、ラミネート紙などの紙、合成紙、不織布、あるいは他種フィルム等を用いることができる。ただし、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを他の素材と貼合わせる場合、受容層を設ける面と反対側の面に貼合わせることが好ましい。
【0062】
前述したように、本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル層(B)の少なくとも片面にポリエステル層(A)を設けてなる2層以上の積層構成体であり、各層は前述の手段によって白色化されている必要があるが、その白色化の好ましいレベル(白色性)は実質的には積層フィルムとした後のもので判断される。
【0063】
すなわち、本発明の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムの白色性としては、ポリエステル層(A)側から測定した白色度が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらには90%以上が最も好ましい。白色度がかかる好ましい範囲の場合、白色性が十分であるため印字画像が暗い印象となりにくい。
【0064】
また隠蔽性については光学濃度が0.5以上であることが好ましく、より好ましくは0.55以上である。光学濃度をこの範囲に制御することで、紙と貼合せた際の紙の悪影響を解消することができる。
【0065】
一方、ポリエステル層(A)側から測定した色調b値は2以下であることが好ましく、より好ましくは1以下、さらには0以下であることが最も好ましい。色調b値がかかる好ましい範囲の場合、フィルム自体が黄味がかった色にはならず印字画像が古びた印象となりにくい。
【0066】
また、本発明においては210℃で10秒緊張熱処理した後のフィルム比重の増加率が5%以下であることが好ましく、特に3%以下であることが好ましい。これは特に高速化に伴いサーマルヘッドに印加する熱量を高くした場合、安定した画像再現性を得るために極めて重要な特性であることを見出したことから導き出されたものであり、フィルムを構成するポリエステル、非相溶性樹脂の融点が220℃以上であること、製膜時の熱処理の最高温度を190℃以上とし、該温度で熱処理した後、140〜190℃での熱処理を巾方向に1〜10%弛緩処理しながら行うこと等が有効である。
【0067】
次に、本発明の白色積層ポリエステルフィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
【0068】
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(B)を形成するため、真空乾燥した無機粒子を含有するポリエステルのチップ、必要に応じて真空乾燥した非相溶樹脂のチップとを、非相溶樹脂が1〜35重量%となるように混合し、これを260〜300℃に加熱された押出機(B)に供給し、溶融してTダイ複合口金内に導入する。この原料には、必要に応じて分散剤を0.05〜10重量%添加してもよい。また、非相溶樹脂の添加は、予めマスターチップとしたものを真空乾燥して使用してもよい。一方、ポリエステル層(A)を積層するため、ポリエステルのチップおよび無機系微粒子のマスターチップを、無機系微粒子が1〜35重量%となるよう混合し、充分に真空乾燥する。この原料には、必要に応じて蛍光増白剤を0.01〜1.5重量%添加せしめてもよい。次に、この乾燥原料を、260〜300℃に加熱された押出機(A)に供給し、同様に溶融してTダイ複合口金内に導入し、押出機(A)のポリマーが押出機(B)のポリマーの表層(片面)あるいは両表層(両面)にくるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。
【0069】
この溶融積層シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。該未延伸積層フィルムを70〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
【0070】
続いて、長手方向に延伸したフィルムのポリエステル層(A)側にコロナ放電処理を施した後、該処理面に塗布層形成塗液を塗布する。この塗布層形成塗液を塗布されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃に加熱した雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に2〜5倍に延伸する。
【0071】
延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると得られるフィルムの白色性やフィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が20倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
【0072】
このようにして得られた二軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸は逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
【0073】
このようにして得られた本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、優れた印刷特性、帯電防止性、高加工性を発現し、特に紙と貼合される印刷基材として使用した時、優れた高速加工対応性、耐折れしわ性、画像再現性を発現することができる。従って、本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、感熱転写記録用の受容シート基材として最適の特性を有するフィルムである。
[特性の測定方法および評価方法]
本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求められる。
(1)フィルム内部の微細な気泡およびポリエステル層の厚み
フィルムの断面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて500〜5,000倍に拡大観察して撮影した断面写真より、微細な気泡の含有の有無を調べた。気泡含有の有無の判定は、断面写真の気泡部分の平均断面積を真円に換算したときの平均値として求めたとき1μm以上ならば「気泡有り」、1μm未満ならば「気泡無し」とした。ただし、2個以上の互いに隣接した気泡同士が連結している場合には、一つの気泡として計算した。また、断面写真より各ポリエステル層の厚み方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚みを求めた。なお、気泡部分の断面積、各ポリエステル層の厚みを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用し、その平均値として算出した。
(2)比重
フィルムを50mm×60mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、高精度電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用い、JIS K7112のA法(水中置換法)に準じて測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行なった。
【0074】
またフィルムを四辺を枠貼りして固定し、210℃で10秒熱処理した後の比重を上記同様に測定し、比重の増加率を計算した。
(3)表面比抵抗
温度23℃、相対湿度65%で24時間放置して調湿した後、同条件下でデジタル超高抵抗微小電流計R8340((株)アドバンテスト製)を用いて印加電圧100Vで測定した。この値の小さいものほど、帯電防止性が良好である。
(4)表面pH
フィルムサンプルを常態下(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、(株)堀場製作所製のpH測定器であるCOMPACT pH METER twin pH(タイプB212)を用いて、サンプル表面の表面pHを測定した。センサーにイオン交換水を滴下し、該センサー部の2つの電極に被さるように所定の大きさにカットしたサンプルをセットし測定を実施した。なお、測定値は自動測定モードで5回行い、その平均値を表面pH値とした。
(5)光沢度
デジタル変角光沢度計UGV−5B(スガ試験機(株)製)を用いて、白色ポリエステル層(A)側よりJIS Z 8741に準じて5回測定し、平均値を求めた。なお測定条件は入射角60゜、受光角60゜であり、該塗布面の光沢度をG60C、非塗布面の光沢度をG60Nとして表記した。
(6)耐折れじわ性
白色積層ポリエステルフィルムの非塗布面(受容層形成面と反対面)に厚さ65μmの粘着剤付き上質紙(コクヨ(株)ワープロ用ラベルシート、タイ−2110−W)に均一に貼り合わせ、折れじわ評価用のシートを作製した。該シートを長さ200mm、幅15mmに切り出し、一端を固定し、200gの重りをワイヤーにて両サイドに繋げた直径5mmの鉄の円芯を軸にフィルム面を内側にして180度折り返しながら残る一端を200mm/秒で引張し、フィルム面上のしわの発生状態を実体顕微鏡で観察し、以下のように判定した。
【0075】
A級:しわの発生が0〜2個/cm
B級:しわの発生が3〜5個/cm
C級:しわの発生が6〜8個/cm
D級:しわの発生が9個以上/cm
とした。A級、B級が実用に供するものである。
(7)画像再現性
本発明の白色積層ポリエステルフィルムの塗布面に以下の受容層形成塗液をマイクログラビアコーターにて塗工量が乾燥時で3g/mとなるように塗布し、感熱転写記録用の受容シートを得た。
[受容層形成塗液]
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン200)      20部
シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、X−22−3000T)  2部
トルエン                            39部
メチルエチルケトン                       39部
次にカラープリンターとして「Professional Color Point 1835」(セイコー電子工業(株)製)を用い、専用のインキリボンを用いて、該受容シートの受容層形成面にテスト印字を行った。次に、印字したテストパターン10回実施し、下記により判定し、画像再現性について評価した。
【0076】
A級:全て濃度が高く、きれいであり極めて良好。
【0077】
B級:1〜2回、若干濃度が低いか、僅かに「欠け」が見られるものがあるがそれ以外は濃度が高く、きれいであり良好。
【0078】
C級:3〜5回濃度が低いか、「欠け」や「つぶれ」が見られものがある。
【0079】
D級:6回濃度が低いか、「欠け」や「つぶれ」が見られものがある。
【0080】
【実施例】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A)を形成するため、平均粒子径1μmの炭酸カルシウム粒子を12重量%含有する融点256℃のポリエチレンテレフタレート(以下、PET)を180℃で3時間真空乾燥した後、押出機(A)側に供給し、常法により280℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。
【0081】
一方、ポリエステル層(B)を形成するため、PETに融点235℃のポリメチルペンテン(以下、PMP)を5重量%、さらに分散剤として分子量4,000のポリエチレングリコール(以下、PEG)を10重量%含有する共重合PETをPEGがポリエステル(B)層を構成する樹脂全体に対し1重量%となるように添加し、更に平均粒子径1μmの炭酸カルシウム粒子を1.2重量%、ヒンダードフェノ−ル系酸化防止剤を0.1重量%添加したものを180℃で3時間真空乾燥した後に、押出機(B)側に供給し、常法により280℃で溶融して同様にTダイ複合口金に導入した。次いで、該口金内でポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の両表層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとした。そして、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれた粗面化ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い85℃に加熱したロール群で予熱した後、90℃の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に1.05倍微延伸した後、3.05倍本延伸を行い、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
【0082】
さらに続いて未延伸積層フィルムにおける粗面化ドラム接触側に空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に次の塗布層形成塗液をメタリングバーを用いたバーコート方式にて塗布した。
[塗布層形成塗液]
次の(A)/(B)を固形分重量比で15/85に混合し、更にフッ素系界面活性剤を0.01%添加し、水で希釈して固形分濃度を6重量%としたものを塗布層形成塗液とした。
(A)帯電防止剤:ポリスチレンスルホン酸リチウム塩水分散体(重量平均分子量約5万)
(B)バインダー樹脂:共重合アクリルエマルジョン(ガラス転移温度60℃)
上記の塗布層形成塗液を塗布された一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き5%微延伸しながら乾燥後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで長手方向に垂直な方向(横方向)に3.5倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の熱処理を施し、さらに180℃で4%横方向に弛緩処理を行った後、更に110℃で1%弛緩処理を行い、次いで均一に徐冷後に巻き取って、ポリエステル層(A)が片側2.8μm、ポリエステル層(B)が29.4μmの構成とした厚み35μmのポリエステルフィルム上に、厚み0.1μmの塗布層が設けられた白色積層ポリエステルフィルムを得た。また該白色積層ポリエステルフィルムの断面をSEMにて拡大観察することにより、ポリエステル層(B)の内部に微細な気泡を含有していることを確認した。この微細な気泡は、粒子状に分散せしめられたPMPを核として、その周囲に形成されており、長径が延伸方向、短径がフィルム厚み方向の楕円形であって、断面積の平均値は4.7μmであった。
【0083】
かくして得られた白色積層ポリエステルフィルムの特性は、表1、2に示すとおり、感熱転写記録用の受容シート基材として優れていることが分かる。
【0084】
【表1】
Figure 2004090523
【0085】
【表2】
Figure 2004090523
(実施例2)
テンター内の熱処理を210℃で実施し、さらに170℃で3%横方向に弛緩処理を行った後、更に100℃で0.5%弛緩処理を行い、実施例1と同様にしてポリエステル層(A)が片側2μm、ポリエステル層(B)が31μmの構成とした厚み35μmのポリエステルフィルム上に、厚み0.15μmの塗布層が設けられた白色積層ポリエステルフィルムを得た。白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0086】
得られた白色積層ポリエステルフィルムの特性は、表1、2に併せて示すとおり、感熱転写記録用の受容シート基材として優れていることが分かる。
(実施例3)
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A)を形成するため、平均粒子径0.19μmのアナターゼ型酸化チタン粒子を8重量%含有するPETを180℃で3時間真空乾燥した後、押出機(A)側に供給し、常法により280℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。
【0087】
一方、ポリエステル層(B)を形成するため、PETにPMPを5重量%、ポリスチレンを0.5重量%、さらに分散剤としてPEGを10重量%含有する共重合PETをPEGがポリエステル(B)層を構成する樹脂全体に対し1重量%となるように添加し、更に平均粒子径0.19μmのアナターゼ型酸化チタン粒子を0.9重量%、ヒンダードフェノ−ル系酸化防止剤を0.1重量%添加したものを180℃で3時間真空乾燥した後に、押出機(B)側に供給し、常法により280℃で溶融して同様にTダイ複合口金に導入した。次いで、該口金内でポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の両表層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとした。そして、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれた鏡面ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い85℃に加熱したロール群で予熱した後、90℃の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に1.05倍微延伸した後、3.05倍本延伸を行い、25℃のロール群で冷却した後、60℃に加熱された粗面化ロールと鏡面ロールの間で5kg/cmにて圧縮し、一軸延伸フィルムを得た。
【0088】
さらに続いて該一軸延伸フィルムに粗面化側の面を空気中でコロナ放電処理し、その処理面に次の塗布層形成塗液をメタリングバーを用いたバーコート方式にて塗布した。
[塗布層形成塗液]
次の(A)/(B)を固形分重量比で20/80に混合し、更にフッ素系界面活性剤を0.012%添加し、水で希釈して固形分濃度を8重量%としたものを塗布層形成塗液とした。
(A)帯電防止剤:ポリスチレンスルホン酸リチウム塩水分散体(重量平均分子量約1万)
(B)バインダー樹脂:共重合アクリルエマルジョン(ガラス転移温度60℃)
上記の塗布層形成塗液を塗布された一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き2%微延伸しながら乾燥後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで長手方向に垂直な方向(横方向)に3.5倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の熱処理を施し、さらに185℃で4%横方向に弛緩処理を行った後、更に110℃で1%弛緩処理を行い、次いで均一に徐冷後に巻き取って、ポリエステル層(A)が片側3μm、ポリエステル層(B)が29μmの構成とした厚み35μmのポリエステルフィルム上に、厚み0.1μmの塗布層が設けられた白色積層ポリエステルフィルムを得た。また該白色積層ポリエステルフィルムの断面をSEMにて拡大観察することにより、ポリエステル層(B)の内部に微細な気泡を含有していることを確認した。この微細な気泡は、粒子状に分散せしめられたPMPを核として、その周囲に形成されており、長径が延伸方向、短径がフィルム厚み方向の楕円形であって、断面積の平均値は4.9μmであった。
【0089】
かくして得られた白色積層ポリエステルフィルムの特性は、表1、2に併せて示すとおり、感熱転写記録用の受容シート基材として優れていることが分かる。
(比較例1)
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A)を形成するため、PETチップに平均粒子径2μmの凝集シリカ粒子を1重量%添加した原料を180℃で3時間真空乾燥した後、押出機(A)側に供給し、常法により280℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。
【0090】
一方、ポリエステル層(B)を形成するため、上記PETチップに融点168℃のポリプロピレン(以下、PP)を16重量%、さらに分散剤としてシリコーン界面活性剤を1重量%添加したものを160℃で4時間真空乾燥した後に、押出機(B)側に供給し、常法により280℃で溶融して同様にTダイ複合口金に導入した。次いで、該口金内でポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の両表層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとした。そして、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれた鏡面ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い75℃に加熱したロール群で予熱した後、90℃の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.5倍本延伸を行い、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
【0091】
該一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の予熱ゾーンに導き100℃で予熱・乾燥後、引き続き連続的に110℃の加熱ゾーンで長手方向に垂直な方向(横方向)に3.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで185℃の熱処理を施し、ポリエステル層(A)が片側4μm、ポリエステル層(B)が27μmの構成とした厚み35μmのポ白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0092】
この白色積層ポリエステルフィルムは、内部に微細な気泡が含有せしめられていたが、その特性は、表1、2に併せて示したとおり、総合的に劣るものであった。
(比較例2)
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A)を形成するため、PETチップに平均粒子径0.24μmのルチル型酸化チタン粒子を7重量%添加した原料を180℃で3時間真空乾燥した後、押出機(A)側に供給し、常法により280℃で溶融してTダイ複合口金に導入した。
【0093】
一方、ポリエステル層(B)を形成するため、上記PETチップにPPを14重量%、PMPを1重量%さらに分散剤としてシリコーン界面活性剤を1重量%添加したものを160℃で4時間真空乾燥した後に、押出機(B)側に供給し、常法により280℃で溶融して同様にTダイ複合口金に導入した。次いで、該口金内でポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の両表層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとした。そして、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれた鏡面ドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い75℃に加熱したロール群で予熱した後、90℃の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.5倍本延伸を行い、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
【0094】
さらに続いて該一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面にポリウレタン共重合塗液をメタリングバーを用いたバーコート方式にて塗布した。該一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の予熱ゾーンに導き100℃で予熱・乾燥後、引き続き連続的に110℃の加熱ゾーンで長手方向に垂直な方向(横方向)に3.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで180℃の熱処理を施し、ポリエステル層(A)が片側1μm、ポリエステル層(B)が44μmの構成とした厚み46μmの白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0095】
この白色積層ポリエステルフィルムは、内部に微細な気泡が含有せしめられていたが、その特性は、表1、2に併せて示したとおり、総合的に劣るものであった。
【0096】
【発明の効果】
本発明の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムは、優れた印刷特性、帯電防止性、高加工性を発現し、特に紙と貼合される印刷基材として使用した時、優れた高速加工対応性、耐折れしわ性、画像再現性を示す。

Claims (4)

  1. 微細な気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、無機粒子を含有するポリエステル層(A)を設けてなる比重0.7〜1.1の積層ポリエステルフィルムであって、(B)層を構成するポリエステルがポリエステル層(A)に含有される無機粒子を含有しており、フィルムの片面に塗布層が設けられており、該塗布面側から測定した表面比抵抗が1013Ω/□以下、pHが4〜10であって、該塗布面の60°光沢度(G60C)と非塗布面の光沢度(G60N)が0<G60N−G60C<30の関係を満足し、ポリエステル層(A)の厚みが1.5〜4.0μm、フィルム全体の厚みが25〜45μmであることを特徴とする感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルム。
  2. 210℃で10秒緊張熱処理した後のフィルム比重の増加率が5%以下であることを特徴とする請求項1記載の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルム。
  3. 塗布面の60°光沢度(G60C)と非塗布面の光沢度(G60N)がG60C<G60N<35の関係を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムと紙とを貼合されてなる感熱転写記録媒体。
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