JP4506199B2 - 感熱転写記録用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

感熱転写記録用積層ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムに関するものである。更に詳しく述べれば、本発明は、感熱転写記録用の受容シート基材として十分な白色性、低比重性(クッション性)を発現しながら、表層にも空隙を形成することにより画像印刷特性も向上させた白色積層ポリエステルフィルムに関するものである。
ハードコピー技術における記録方法の一つとして、ノンインパクト、操作、保守が容易、低コストおよび小型化、高速化が可能等の特徴を持つ感熱転写記録方式が注目されている。この感熱転写記録方式とは、色材含有層であるインキ層を有する転写シート(インキリボン)と受容シートを重ね合わせ、サーマルヘッドの加熱に応じて、インキリボン側からの溶融または昇華して移行する色材含有成分または色材を、受容シート上に微細な網点(ドット)状に転写して印字する方式である。従来、このような感熱転写記録方式に用いられる受容シート基材として、ポリエステル中に酸化チタン、炭酸カルシウムあるいは硫酸バリウム等の無機系微粒子やポリエステルと非相溶の樹脂を含有せしめた白色ポリエステルフィルムが適用されてきた。一般的には、これらの白色ポリエステルフィルム上に印字機能を高めるための受容層を設けることで、感熱転写記録用の受容シートとしている。さらに、印字記録の精度が向上すると共に、印字画像の鮮明性を高め、より高級感を与える高白色性の白色ポリエステルフィルムが求められている。このような要求に対しては、上述の無機系微粒子の複数種を併用添加した白色ポリエステルフィルム、無機系微粒子と非相溶樹脂を併用添加した白色ポリエステルフィルム等が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開平4−153232号公報 特開平6−322153号公報 特開平11−34263号公報
しかしながら近年、装置の小型化、加工速度、印刷速度の高速化といった要求に対し、印刷基材に求められる性能がより厳しいものになりつつある。これらを背景として、基材に適用されるフィルムには、白色性を満足しながら、印刷特性、帯電防止性(静電気により受容シート同士が貼付いたり、受容シート表面にゴミやほこり等が付着しにくいこと)、耐折れしわ性を初めとする加工適性等、多岐に渡る特性を向上させることが強く求められている。中でも加工や印刷の高速化なども背景として、基材フィルム上に短時間に高い熱量をかけることが求められているが、カールが発生したり、基材フィルム上で断熱効果が低いため加工や印刷の高速化ができなかったりすることがある。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、感熱転写記録用の受容シート基材として十分な白色性、クッション性を発現しながら、フィルム単独及び受容シートでの加工や印刷時に優れた断熱効果および耐カール性を示す白色積層ポリエステルフィルムを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の感熱転写記録用積層ポリエステルフィルムは、
(i)気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、ポリエステル層(A)を設けてなる積層ポリエステルフィルムであって、ポリエステル層(A)が酸化チタンを少なくとも含有し、かつ、炭酸カルシウムまたは非相溶の熱可塑性樹脂含有し、ポリエステル層(A)の空隙率が5〜15体積%、積層ポリエステルフィルム全体の比重が0.7〜1.3、ポリエステル層(A)層側から求めた白色度が120%以上であるであるものである。
また、より好ましい態様としては、
(ii)ポリエステル層(A)における無機粒子の含有量が、ポリエステル層(A)に対して、20重量%以下であり、かつ、ポリエステル層(A)における非相溶の熱可塑性樹脂の含有量が、ポリエステル層(A)に対して、0.5〜20重量%以下であること、
(iii)ポリエステル層(B)がポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂を含有していること、
(iv)ポリエステル層(B)に含まれる非相溶の熱可塑性樹脂がポリオレフィンであること、である。
本発明によれば、十分な白色性、低比重性(クッション性)を発現しながら、フィルム単独及び受容シートでの加工・印刷時に優れた断熱効果および耐カール性を示す感熱転写記録用の受容シート基材を提供することができる。
本発明の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムは、基本的にポリエステルを主体として構成されている。
かかるポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、耐熱性、製膜性等の点からエチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位を主構成成分とするものが好ましく使用され、さらに、かかるポリエステルの中でも、好ましくは融点が、210℃〜280℃、より好ましくは220〜270℃のものが使用される。具体的には、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが、強度、耐熱性、耐水性および耐薬品性等に優れているので特に好ましく用いられる。
また、かかるポリエステルフィルムの比重としては、0.7〜1.3であることが必要である。好ましくは0.8〜1.1である。かかる比重が0.7より小さい場合、画像の鮮明性は向上するが、フィルム強度の低下、画像再現性の悪化を引き起こすことがある。また、比重が1.3を越える場合、クッション性、断熱性が低下して印字性が低下したり、フィルムの白色性が不十分となって印字画像が暗い印象となり易くなる。比重の調整方法として、たとえば比重を大きくするためには、気泡を含有するポリエステル層(B)中のポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂含有量を増やしたり、延伸時のフィルム温度を低くしたり、延伸倍率を大きくしたりすることによって達成できる。
本発明の白色積層ポリエステルフィルムにおいては、気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、粒子またはポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂を含有するポリエステル層(A)を設けてなることが必要であり、好ましくは両面にポリエステル層(A)を設けるのがよい。ここで、本発明における気泡とは、感度向上のためフィルム自身に断熱性やクッション性を付与せしめることに寄与できるものであり、ポリエステル中に含有させた該非相溶樹脂を核として生成されたものであることが最も好ましい。さらに、ポリエステル層(B)の断面(厚み方向)を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)などによって観察したとき、気泡部分の断面積(ただし、気泡生成の核となる非相溶樹脂部分は除く)の平均値が1〜25μm2であるものが好ましく、より好ましくは1.5〜20μm2、さらに2〜15μm2であることが好ましい。
1層の単膜フィルムにより、本発明の効果を得ようとする場合、フィルム破れが発生し、製膜が不安定なため、結果的にコストが高くなる。また、1層の単膜フィルムに、微細な気泡を含有せしめるために非相溶樹脂を添加した場合、その種類によっては、分散している粒子状の非相溶樹脂が脱落し、長時間製膜している間に、製膜装置と接触する部分(ドラム、ロール、コーターなど)を汚染する。この汚染がフィルム特性に好ましくない影響を与えたり、対策として定期的に洗浄を行なうことで生産性の低下やコスト上昇を招くことになる等の問題が発生しやすい。
そこで、本発明では2層以上の積層構成とし、ポリエステル層(A)に白色性と、平滑性あるいは光沢を発現させ、ポリエステル層(B)をクッション性、断熱性などの諸特性に優れた層とするなど、それぞれの層に役割分担させることで、フィルム全体として、必要な特性の全てを満足させることに成功したものである。
すなわち、本発明の白色積層ポリエステルフィルムが、ポリエステル層(B)の片面に、ポリエステル層(A)を積層した2層積層構造とし、感熱転写記録用の受容シート基材として用いる際には、ポリエステル層(A)に受容層を設けることが好ましい。
また、ポリエステル層(B)の両面にポリエステル層(A)を積層し、3層積層構造としたものは、製膜性がより向上し、取扱性などの実用性も向上させることができること、あるいは経時安定性などの点から、より好ましいものである。
かかるポリエステル層(A)とポリエステル層(B)の各層に用いられるポリエステルの種類は、同一であっても、異なっていてもよい。異なったポリエステルの組合せとしては、例えば、ポリエステル層(A)がポリエチレンナフタレートで、ポリエステル層(B)をポリエチレンテレフタレートとする組み合わせでは、剛性などの向上効果が得られる。また、ポリエステル層(A)が共重合ポリエステルで、ポリエステル層(B)をホモポリエステルとする組み合わせでは、受容層あるいは塗布層との密着性向上効果等が得られる。
かかるポリエステル層(A)とポリエステル層(B)を積層する方法としては、溶融製膜中の共押出により複合化する方法、あるいは、それぞれ別々に製膜した後、ラミネートする方法のいずれでもよいが、コストなどの点で前者の方法がより好ましい。
本発明の白色積層ポリエステルフィルムにおいては、ポリエステル層(A)を構成するポリエステル層には粒子またはポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂を少なくとも2種含有し、かつ、該ポリエステル層(A)の空隙率が5〜15体積%の範囲にあることが必要であり、またより好ましくは7〜10体積%の範囲にあることである。(A)層の空隙率が5体積%未満の場合は断熱性が低下し印刷性が低下する。また、該(A)層の空隙率が15体積%より大きい場合は、フィルム破れが発生しやすく、製膜が不安定なため、結果的にコストが高くなる。この空隙率を調整するためには、たとえば、ポリエステル層(A)を構成するポリエステル層には粒子またはポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂を少なくとも2種のそれぞれの含有量を調整すればよい。
ポリエステル層(A)には粒子またはポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂を少なくとも2種含有するが、この組み合わせとしては、たとえば、白色性を主に調整する無機粒子チタンと空隙率を主に調整する無機粒子炭酸カルシウムという組み合わせや、白色性を主に調整する無機粒子チタンと空隙率を主に調整するポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂ポリメチルペンテンという組み合わせや、白色性を主に調整する無機粒子チタンと空隙率を主に調整する無機粒子炭酸カルシウムおよび空隙率を主に調整するポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂ポリメチルペンテンという組み合わせが考えられる。白色度を主に調整する粒子と空隙率を主に調整する粒子または熱可塑性樹脂とを組み合わせると、本特許のポリエステル層(A)の空隙率と該ポリエステル層(A)側から求めた白色度を本特許範囲内に達成しやすくなるため、より好ましい。
無機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を使用することができる。より好ましくは酸化チタンと炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムの組み合わせであり、白色度調整をチタン量で行い、ポリエステル層(A)の空隙率を炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムの量で調整すると望むべき白色度とポリエステル層(A)の空隙率を達成しやすい。本発明のポリエステル層(A)層中の粒子の添加量は任意であるが、チタンと炭酸カルシウムの組み合わせる場合にたとえば、白色度を90%以上を達成するために、チタンを3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは5〜14重量%の範囲である。また、ポリエステル層(A)の空隙率を5〜15体積%の範囲にするためには、炭酸カルシウムを3〜14重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜8重量%の範囲である。
かかる無機系微粒子は、ポリエステル中での平均粒子径が、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜3μmであるものがよい。かかる平均粒子径が上記範囲外である場合、凝集などによる無機系微粒子の均一分散性不良、あるいは粒子自身によってフィルム表面の光沢または平滑性が低下する場合があるので好ましくない。
かかる無機粒子の総添加量は、20重量%以下が好ましく、より好ましくは17重量%以下である。添加量が上記範囲より多い場合には、平滑性が極端に低下するだけでなく、延伸時にフィルム破れ等の不都合を生じる場合がある。
本発明でいう非相溶樹脂とは、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂であって、かつ該ポリエステルに対して非相溶性を示す熱可塑性樹脂であり、ポリエステル中では粒子状に分散し、延伸によりフィルム中に気泡を形成せしめる効果が大きい樹脂が好ましい。より具体的に述べれば、非相溶樹脂とは、ポリエステルと上記非相溶樹脂とを溶融した系を、例えば、、示差走査熱量計(DSC)、動的粘弾性測定等で測定した場合に、ポリエステルに相当するガラス転移温度(以降、Tgと省略する)以外に該非相溶樹脂に相当するTgが観察される樹脂である。
このような非相溶樹脂の融点は、ポリエステルの融点よりも低温であって、かつ製膜時にフィルムを熱固定して配向させる際の温度(熱処理温度)よりも高温であることが好ましい。かかる点から該非相溶樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶樹脂を併用してもよい。これらの中でも、臨界表面張力の小さなポリプロピレン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂が好ましく、さらにはポリメチルペンテンが最も好ましい。該ポリメチルペンテンは相対的にポリエステルとの表面張力差が大きく、かつ融点が高いため、添加量当たりの気泡形成の効果が大きいという特徴があり、非相溶樹脂として特に好ましいものである。
ポリエステル層(A)層には非相溶樹脂を用いることもできる。その場合のポリエステル層(A)中の非相溶樹脂の含有量は、0.5〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%、さらには1〜5重量%の範囲内であることが最も好ましい。添加量が上記範囲より少ない場合には、ポリエステル層(A)に空隙を発現させることが難しく、逆に添加量が上記範囲より多い場合には、延伸時にフィルム破れ等が生じやすくなって、生産性が低下する場合がある。
ポリエステル層(A)に入れる粒子としては有機粒子も用いることができる。架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム、アクリル粒子、イミド粒子などを挙げることができる。
さらに、白色顔料を含有するポリエステルフィルムに、より鮮明で青味のある白色性を与え、高級なイメージを持たせるためには、少なくとも白色ポリエステル層に蛍光増白剤を含有せしめることが望ましい。ここで含有させる蛍光増白剤は、太陽光中や人工光中の紫外線を吸収し、これを紫色〜青色の可視光線に変え輻射する機能を保持し、その蛍光作用により高分子物質の明度を低下させることなく白色度、青味を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、商品名“ユビテック”(チバガイギー社)、“OB−1”(イーストマン社)、“TBO”(住友精化(株))、“ケイコール”(日本曹達(株))、“カヤライト”(日本化薬(株))、“リューコプア”EGM(クライアントジャパン(株))等を用いることができる。蛍光増白剤は、特に限定されるものではなく、単独、場合によっては2種以上の併用であってもよいが、本発明では、特に耐熱性に優れ、前述のポリエステルとの相溶性がよく均一分散できると共に、着色が少なく、樹脂に悪影響を及ぼさないものの選択が望ましい。
前述したように、本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル層(B)の少なくとも片面にポリエステル層(A)を設けてなる2層以上の積層構成体であり、各層は前述の手段によって白色化されている必要があるが、その白色化の好ましいレベル(白色性)は実質的には積層フィルムとした後のもので判断される。
本発明の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムの白色性は、ポリエステル層(A)側から測定した白色度が90%以上であることが好ましく、より好ましくは100%以上、さらには110%以上が最も好ましい。白色度が90%未満の場合、白色性が不十分であるため印字画像が暗い印象となりやすいため好ましくない。なお、上限は特に限定されないが、製膜安定性の面から140%以下であることが好ましい。白色度を大きくする方法として、たとえば、無機粒子の添加量を増やしたり、蛍光増白剤の添加量を増やしたり、縦方向の延伸時の延伸温度を低くしたりすることによって達成できる。
白色ポリエステル層中における蛍光増白剤の含有量は、0.005〜1重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲にあるものがより好ましい。含有量が上記範囲より少ないと充分な増白効果が得にくく、上記範囲を越えるものは均一分散性の低下や、いわゆる「濃度消光」と呼ばれる増白効果の低下あるいは着色による白色度の低下等を招き易い。
本発明の白色積層ポリエステルフィルムにおいては、ポリエステル(A)層の厚みが0.5〜5μm、フィルム全体の厚みが20〜100μmであることが、耐折れしわ性等の加工性、白色性、断熱性、印刷特性のバランスの点から好ましく、より好ましくはポリエステル(A)層の厚みが2〜4μm、フィルム全体の厚みが30〜50μmであるのがよい。
本発明のポリエステルには、特性を損ねない範囲内で他の共重合成分を含有してもよい。かかる共重合成分としては、ジカルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ−酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を使用することができる。一方、グリコ−ル成分としては、例えば、プロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等を使用することができる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合してもよい。特にグリコール成分として、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルを適量含有させることにより、ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂を含有せしめる際に、微分散化効果を発現し、さらに、帯電防止性と画像耐久性を付与するために塗布層を設ける際に、その効果を向上させ、耐折れしわ性等の加工適性を向上させる効果があるので好ましい。
なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよく、2種以上のポリエステルをブレンドして使用してもよい。さらに2層以上に共押出し積層フィルムとして使用してもよい。さらに、このポリエステルの中には、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲で、適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の易滑剤、有機系微粒子、無機粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
また、本発明のポリエステルフィルム中に微細な気泡を含有せしめる方法としては、(1) ポリエステルに発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて気泡を形成する方法、(2) ポリエステルの押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、(3) ポリエステルに該ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な気泡を発生させる方法、(4) 前記の非相溶樹脂の代わりに気泡形成性の無機系微粒子を多量添加する方法等が好ましく用いられる。本発明の目的の範囲内であれば、いずれの方法を用いてもよいが、製膜性、内部に含有せしめる気泡の量の調整し易さ、より微細で均一な大きさの気泡の形成し易さ、さらに軽量性などの総合的な点から、上記(3)の非相溶樹脂の使用が特に好ましく用いられる。
ポリエステル層(B)中の非相溶樹脂の含有量は、1〜35重量%が好ましく、より好ましくは2〜30重量%、さらには3〜25重量%の範囲内であることが最も好ましい。添加量が上記範囲より少ない場合には、フィルムの白色性や隠蔽性などを向上させることが難しく、逆に添加量が上記範囲より多い場合には、延伸時にフィルム破れ等が生じやすくなって、生産性が低下する場合がある。
また、本発明のポリエステル層(B)において、非相溶樹脂の分散径が小さくなることで延伸により発生する気泡をより微細化でき、結果的にフィルムの白色性や製膜性を向上させることができるので、前述したポリエステルと非相溶樹脂の他に、さらに分散剤を添加することが、より好ましい。上記の効果を示す分散剤としては、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールとポリエステルの共重合体、界面活性剤、熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
かかる分散剤は、あらかじめ重合反応において分散剤を共重合化したポリエステルとして使用しても、直接そのまま使用してもよい。
本発明における分散剤の添加量は、0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7重量%、さらにより好ましくは0.2〜5重量%である。添加量が0.05重量%より少ない場合、気泡を微細化する効果が小さくなることがある。また、添加量が10重量%より多い場合には、逆に、非相溶樹脂を添加する効果が小さくなり、白色性の低下やコスト上昇などの問題が発生しやすい。
また、本発明においてはポリエステル層(B)に酸化防止剤を、好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%含有せしめることにより一層安定したポリマー押出、製膜を行うことが可能となる。酸化防止剤としては特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤が分散性の点から好ましい。
また、本発明の白色積層フィルムにおいては、受容層との密着性向上効果および帯電防止効果を付加するために、少なくとも片面に塗布層を設けても良い。該塗布面側から測定した表面比抵抗が1013Ω/□以下、PHが4〜10であることが好ましい。ここで該塗布面から測定した表面比抵抗は1012Ω/□以下であることが好ましいが、特に好ましくは1011Ω/□以下、特に好ましくは1010Ω/□以下である。表面比抵抗が小さいほど、加工工程や印刷機内の搬送、あるいはサーマルヘッド通過時の帯電が抑制でき(帯電防止性を付与)、給紙性が向上するため、より良好な印刷特性や耐折れしわ性が発現される。
また本発明においては塗布層の表面PHが4〜10であることが好ましく、特に好ましくは4.5〜9.5、特に好ましくは5〜9である。塗布層面に受容層を配置させる際に、表面PHが4未満あるいは10を越えると印刷した際の特性が悪化する場合がある。特に表面PHが4未満の酸性サイドとなると、染料によっては、変色するなどの現象が発生し、実用的に問題となり印刷特性が大幅に低下し、不鮮明な画像あるいは所望の色合いを出すことが難しくなるからである。
ポリエステル層(A)上に塗布層を設ける場合、帯電防止剤単独の層あるいはバインダー樹脂を併用した層のいずれかを採用することができるが、特に後者のバインダー樹脂を併用した層はフィルム上に受容層を設けて感熱転写記録用の受容シートとしたときに受容層との密着性向上効果が期待できる点で、より好ましいものである。
本発明における、塗布層の形成方法は、塗液を白色積層ポリエステルフィルムのポリエステル層(A)側に塗布、乾燥して設ける方法が好ましい。形成塗液の塗布方法としては、例えばリバース(ロール)コート、グラビアコート、ナイフコート、エアーナイフコート、ロールコート、ブレードコート、ビードコート、回転スクリーンコート、スロットオリフィスコート、ロッドコート、バーコート、ダイコート、スプレーコート、カーテンコート、ダイスロットコート、チャンプレックスコート、ブラシコート、ツーコート、メータリングブレード式のサイズプレスコート、ビルブレードコート、ショートドウェルコート、ゲートロールコート、グラビアリバースコート、エクストルージョンコート、押出コートなどの方法を用いることができる。
また塗布工程としては、白色積層ポリエステルフィルムの製膜工程内で塗布する方法(インラインコート)、製膜後のフィルム上に塗布、乾燥する方法(オフラインコート)のいずれの方法であってもよいが、インラインコートは、均一塗布、薄膜塗布および経済性などの点でより優れた方法である。また、コート前のフィルムには塗布性改良を目的として、予めその表面にコロナ放電処理、プラズマ処理などの前処理を施しておくことも可能である。
また、該塗布層形成塗液の液媒体は、水系、溶剤系あるいは両者混合系のいずれの液媒体でもよいが、インラインコート法により塗布層を設ける場合には、取扱性や防爆などの安全性の点で水系または水を主体とした両者混合系の液媒体が好ましく用いられる。
塗布厚みは、0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μmである。塗布層の厚みが0.005μmより薄い場合、帯電防止性が不十分となり易い。一方、塗布層の厚みが10μmより厚い場合には、コート時に塗布層形成塗液の塗布性が低下したり、高コストとなって経済性が低下したりすることがあるため好ましくない。
また、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを感熱転写記録用の受容シート基材として用いる際には、単独で用いても、他の素材と貼合わせて用いてもよいが、紙と貼合せて用いることが好ましい。貼合せの素材としては、例えば普通紙、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、樹脂含浸紙、エマルジョン含浸紙、ラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、グラシン紙、ラミネート紙などの紙、合成紙、不織布、あるいは他種フィルム等を用いることができる。ただし、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを他の素材と貼合わせる場合、受容層を設ける面と反対側の面に貼合わせることが好ましい。
積層ポリエステルフィルム全体の190℃における縦方向(製膜方向)の熱収縮応力の値が20gf/5mm以上であることが好ましく、より好ましくは30gf/5mm以上であり、さらに好ましくは40gf/5mm以上である。また、特に上限は規定されないが、好ましくは100gf/5mm以下である。190℃における縦方向の熱収縮応力の値が20gf/5mmより小さい場合は、加工後や印刷後にカールが発生するため好ましくない。これは加工・印刷装置の小型化、加工・印刷速度の高速化に伴い、縦方向に大きな張力がかかることによりカールが発生するためである。そのため、190℃における縦方向の熱収縮応力の値が20gf/5mm以上であることが必要である。熱収応力の値は、縦延伸倍率、ロール温度や熱処理ゾーンの温度、時間を制御することにより必要な値を得ることができる。
積層ポリエステルフィルム全体の190℃における横方向の熱機械試験機測定の変位値が0〜2%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2%であり、さらに好ましくは0.5〜1.5%である。0%より小さい場合や2%より大きい場合は、印刷後にカールが発生しやすいため好ましくない。変位量の値は、横延伸倍率、横延伸温度、熱処理ゾーン温度、熱処理後の横方向の弛緩処理量を制御することにより必要な値を得ることができる。
また隠蔽性については光学濃度が0.5以上であることが好ましく、より好ましくは0.55以上である。光学濃度をこの範囲に制御することで、紙と貼合せた際の紙の悪影響を解消することができる。
一方、ポリエステル層(A)側から測定した色調b値は2以下であることが好ましく、より好ましくは1以下、さらには0以下であることが最も好ましい。色調b値が2より大きい場合、耐光性を満たしていてもフィルム自体が黄味がかった色であるため印字画像が古びた印象となりやすく、好ましくない。
次に、本発明の白色積層ポリエステルフィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(B)を形成するため、真空乾燥した無機粒子を含有するポリエステルのチップ、必要に応じて真空乾燥した非相溶樹脂のチップとを、非相溶樹脂が1〜35重量%となるように混合し、これを260〜300℃に加熱された押出機(B)に供給し、溶融してTダイ複合口金内に導入する。この原料には、必要に応じて分散剤を0.05〜10重量%添加してもよい。また、非相溶樹脂の添加は、予めマスターチップとしたものを真空乾燥して使用してもよい。一方、ポリエステル層(A)を積層するため、ポリエステルのチップおよび無機系微粒子のマスターチップを、無機系微粒子が1〜35重量%となるよう混合し、充分に真空乾燥する。この原料には、必要に応じて蛍光増白剤を0.01〜1.5重量%添加せしめてもよい。次に、この乾燥原料を、260〜300℃に加熱された押出機(A)に供給し、同様に溶融してTダイ複合口金内に導入し、押出機(A)のポリマーが押出機(B)のポリマーの表層(片面)あるいは両表層(両面)にくるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。
この溶融積層シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。該未延伸積層フィルムを70〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。
続いて、長手方向に延伸したフィルムのポリエステル層(A)側にコロナ放電処理を施した後、該処理面に塗布層形成塗液を塗布する。この塗布層形成塗液を塗布されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃に加熱した雰囲気中で長手方向に直角な方向(横方向)に2〜5倍に延伸する。
延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍未満であると得られるフィルムの白色性やフィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が20倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
このようにして得られた二軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取ることにより、本発明の白色積層ポリエステルフィルムを得ることができる。なお、上記熱処理工程中では、必要に応じて横方向あるいは縦方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。また、二軸延伸は逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また二軸延伸後に縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[特性の測定方法および評価方法] 本発明の特性値は、次の評価方法、評価基準により求めた。
(1)フィルム内部の気泡およびポリエステル層の厚み
フィルムの断面を、走査型電子顕微鏡S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて500〜20000倍(本実施例ではポリエステルA層は10000倍、ポリエステルB層は3000倍で撮影した)に拡大観察して撮影した断面写真より、微細な気泡の含有の有無を調べた。気泡含有の有無の判定は、断面写真の気泡部分の平均断面積を真円に換算したときの平均値として求めたとき1μm2以上ならば「気泡有り」、1μm2未満ならば「気泡無し」とした。ただし、2個以上の互いに隣接した気泡同士が連結している場合には、一つの気泡として計算した。また、断面写真より各ポリエステル層の厚み方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚みを求めた。なお、気泡部分の断面積、各ポリエステル層の厚みを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用し、その平均値として算出した。また気泡部分の断面積を求めるためには、まず求める気泡を透明なフィルム上にトレースし、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:ルーゼックスIID)を使用し、ある範囲における気泡部分の面積比率を求める。次に断面写真上の実長さはわかっていることから測定した全面積を算出し、その全面積と気泡部分の面積比率より、気泡部分の面積を算出した。
(2)表層の空隙率
上記(1)のように走査型電子顕微鏡で撮影した断面写真から、表層の空隙部分のみ透明なフィルム上にトレースし、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:ルーゼックスIID)を使用し、表層における空隙の面積比率を求め、この値をそのまま体積%とし表記した。
(3)比重
フィルムを50mm×60mmの大きさにカットして得た試料サンプルを、高精度電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用い、JIS K−7112(1980年度)のA法(水中置換法)に準じて測定した。なお、測定は温度23℃、相対湿度65%の条件下にて行い、5回測定した平均値を採用した。
(4)縦方向の熱収縮応力
アルバック理工株式会社製TM−9300を使用し、サンプルを幅5mm×長さ20mmにカットしたものを、初期荷重0gで、10℃/minで30℃より昇温しながら測定を行い、190℃での値を読みとった。
(5)横方向の熱機械試験機測定の変位値
アルバック理工株式会社製TM−9300を使用し、サンプルを幅5mm×長さ20mmにカットしたものを、初期荷重5gで、5℃/minで30℃より昇温しながら測定を行い、190℃での値を読みとった。
(6)白色度
分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS Z−8722(1994年度)に準じた光学条件にて色の三刺激値であるX値、Y値、Z値を測定し、下記式より白色度を計算して求めた。5回測定した平均値を採用した。
白色度(%)=4×0.847×Z値−3×Y値
(7)印刷性
本発明の白色積層ポリエステルフィルムの塗布面に以下の受容層形成塗液をマイクログラビアコーターにて塗工量が乾燥時で3g/m2となるように塗布し、感熱転写記録用の受容シートを得た。
[受容層形成塗液]
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロン200) 20部
シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、X−22−3000T) 2部
トルエン 39部
メチルエチルケトン 39部
次にカラープリンターとして「Professional Color Point 1835」(セイコー電子工業(株)製)を用い、専用のインキリボンを用いて、該受容シートの受容層形成面にテスト印字を行い、下記により判定した。なお、カラープリンターでテストを実施する前には受容シートに粘着剤付き上質紙(125μm)で裏打ちを実施した。
A級:きれいであり良好。
B級:僅かに「欠け」が見られるものの、おおむねきれいであり良好。
C級:「欠け」や「つぶれ」が見られものがある。
(8)カール評価
カラープリンターとして「Professional Color Point 1835」(セイコー電子工業(株)製)を用いてテスト印字を行った。そのプリント物を平面台の上に置き、平面台とプリント物の4つの角の隙間を測定し、以下の基準で判定し、A級およびB級を合格とした。3回測定した平均値を採用した。
A級:0〜1mm
B級:1〜5mm
C級:5mmより大きい
(9)製膜性
以下の基準で判定した。
A級:破れず安定製膜できる
B級:たまにフィルムが破れる
C級:頻繁に破れ生産が難しい。
(10)リラックス率
リラックス率を以下の計算式で求めた。
リラックス率=(テンター内の最大フィルム幅−テンター出口フィルム幅)/テンター内の最大フィルム幅。
(実施例1)
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A)を形成するため、平均粒子径0.2μmの酸化チタン(表面未処理)を5重量%、平均粒子径1μmの炭酸カルシウム粒子を5重量%、蛍光増白剤“OB−1”(イーストマンコダック社製)を0.15重量%を含有するポリエチレンテレフタレート(融点256℃:以降「PET」と省略する)を180℃で3時間真空乾燥した後、260〜300℃に加熱された押出機(A)側に供給し、Tダイ複合口金に導入した。
一方、ポリエステル層(B)を形成するため、PETにポリメチルペンテン(三井化学(株)製、TPX、DX820:以降PMPと省略する)を10重量%、さらに分散剤として分子量4,000のポリエチレングリコール(以降、PEGと省略する)を10重量%含有する共重合PETをPEGがポリエステル(B)層を構成する樹脂全体に対し1重量%となるように添加し、更に平均粒子径1μmの炭酸カルシウム粒子を1重量%、ヒンダードフェノ−ル系酸化防止剤を0.05重量%添加したものを180℃で3時間真空乾燥した後に、260〜300℃に加熱された押出機(B)側に供給し、Tダイ複合口金に導入した。次いで、該口金内でポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の両表層に積層されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとした。そして、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを70〜120℃に加熱したロール群で予熱した後、90℃の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に1.1倍微延伸した後、2.9倍本延伸を行い、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。さらに続いて未延伸積層フィルムにおけるドラム接触側に空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に下記の塗布層形成塗液をメタリングバーを用いたバーコート方式にて塗布した。この塗布層形成塗液を塗布された一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(横方向)に3.3倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで220℃の熱処理を施し、さらに180℃で4%横方向に弛緩処理を行った後、更に140℃で1%弛緩処理を行い、次いで均一に徐冷後に巻き取って、ポリエステル層(A)が片側3μm、ポリエステル層(B)が34μmの構成とした厚み40μmのポリエステルフィルム上に、厚み0.08μmの塗布層が設けられた白色積層ポリエステルフィルムを得た。また該白色積層ポリエステルフィルムの断面をSEMにて拡大観察することにより、ポリエステル層(B)の内部に微細な気泡を含有していることを確認した。この微細な気泡は、粒子状に分散せしめられたPMPを核として、その周囲に形成されており、長径が延伸方向、短径がフィルム厚み方向の楕円形であって、断面積の平均値は4.5μm2であった。
かくして得られた白色積層ポリエステルフィルムの特性は、表1のとおりであって、感熱転写記録用の受容シート基材として優れていた。
[塗布層形成塗液]
(A)帯電防止剤:ポリスチレンスルホン酸リチウム塩水分散体(分子量=約1万)
(B)バインダー樹脂:共重合アクリルエマルジョン(ガラス転移温度45℃)
上記(A)/(B)を固形分重量比で20/80に混合し、更にフッ素系界面活性剤を0.01%添加し、水で希釈して固形分濃度を6重量%としたものである。
(実施例3および5
表1の組成に従い、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムを得た。得られた白色積層ポリエステルフィルムの特性は、表2のとおりであって、感熱転写記録用の受容シート基材として良好であることが分かる。
比較例11
表1の組成に従い、Tダイ複合口金内でポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の一方の片面に積層されるように合流する事以外は、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムを得た
(比較例1〜10
の組成に従い、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムを得た。得られた白色積層ポリエステルフィルムの特性は、のとおりであって、感熱転写記録用の受容シート基材として白色度、印刷性、カール評価、または、製膜性において未達であることが分かる。
Figure 0004506199
Figure 0004506199
Figure 0004506199
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本発明の感熱転写記録用白色積層ポリエステルフィルムは、感熱転写記録用の受容シート基材として使用される。また感熱転写記録方式による印刷例としては、たとえば、写真、ラベル、シール、ポスター、バーコード、地図、表示板、カードなどが挙げられる。

Claims (4)

  1. 気泡を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、ポリエステル層(A)を設けてなる積層ポリエステルフィルムであって、
    ポリエステル層(A)が酸化チタンを少なくとも含有し、かつ、炭酸カルシウムまたは非相溶の熱可塑性樹脂含有し、
    ポリエステル層(A)の空隙率が5〜15体積%、積層ポリエステルフィルム全体の比重が0.7〜1.3、ポリエステル層(A)層側から求めた白色度が120%以上である感熱転写記録用積層ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステル層(A)における無機粒子の含有量が、ポリエステル層(A)に対して、20重量%以下であり、かつ、
    ポリエステル層(A)における非相溶の熱可塑性樹脂の含有量が、ポリエステル層(A)に対して、0.5〜20重量%以下である請求項1に記載の感熱転写記録用積層ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステル層(B)がポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂を含有している請求項1または2に記載の感熱転写記録用積層ポリエステルフィルム。
  4. ポリエステル層(B)に含まれる非相溶の熱可塑性樹脂がポリオレフィンである請求項に記載の感熱転写記録用積層ポリエステルフィルム。
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