JP2002062678A - 電子写真用記録シート - Google Patents

電子写真用記録シート

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JP2002062678A JP2001170939A JP2001170939A JP2002062678A JP 2002062678 A JP2002062678 A JP 2002062678A JP 2001170939 A JP2001170939 A JP 2001170939A JP 2001170939 A JP2001170939 A JP 2001170939A JP 2002062678 A JP2002062678 A JP 2002062678A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー電子写真プリンターで記録したときに
十分な記録濃度が得られ、記録時の走行性が良好であ
る、耐水性と耐久性に優れた電子写真用記録シートを提
供すること。 【解決手段】 少なくとも一軸方向に延伸成形された熱
可塑性樹脂シートを構成要素として含み、静電容量が4
pF/cm2以上、クラーク剛度が15〜500である
ことを特徴とする電子写真用記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性、耐久性を
要求される屋外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看
板、標識、タグや、使用方法や注意書きを記した製造管
理用カードに適した電子写真用記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋外宣伝用ポスター、冷凍食品関
連のタグなどに使用されるシートとしては、コート紙、
耐水紙などが用いられていたが、耐水性、耐久性が乏し
いという問題があった。このため近年では、耐水性や耐
久性が良好な熱可塑性樹脂フィルム、なかでもポリオレ
フィン系合成紙が使用されるようになっている。この様
な樹脂フィルムの詳細については、例えば特公昭46−
40794号、特公昭49−1782号、特開昭56−
118437号、特開昭57−12642号および特開
昭57−56224の各公報等を参照することができ
る。
【0003】しかしながら、この様なポリオレフィン系
合成紙は、カラー電子写真プリンターの記録モードのう
ち普通紙用モード、ラベル用モードやOHP用モード、
あるいは厚紙用モードで記録するとトナーの転写率が低
く記録濃度が出なかったり、目的以外の場所にトナーが
飛散し、色相の再現が普通紙やコート紙に対して劣るこ
とがあった。また、適度なコシがないと走行性に不都合
を来たし、特にトナー定着部でジャミングが発生した場
合、表面温度が高温(140〜200℃)となりヒータ
ー部への融着を起こし、機械を破損するおそれがあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、これ
らの従来技術の問題点を解決することを課題とした。す
なわち本発明は、耐水性、耐久性に優れ、屋外、冷凍食
品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タグや、使用
方法や注意書きを記した製造管理用カードに適した電子
写真用記録シートを提供することを解決すべき課題とし
た。特に本発明は、カラー電子写真プリンターで記録し
た場合に十分な記録濃度が得られ、かつ、走行性が良好
な電子写真用記録シートを提供することを解決すべき課
題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために鋭意検討した結果、本発明者らは、熱可塑性樹脂
シートの静電容量とクラーク剛度を特定の範囲内に調整
することにより、記録濃度が高く、走行性が良好となる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本
発明は、少なくとも一軸方向に延伸成形された熱可塑性
樹脂シートを構成要素として含み、静電容量が4pF/
cm2以上、クラーク剛度が15〜500であることを
特徴とする電子写真用記録シートを提供する。
【0006】本発明の好ましい実施態様では、熱可塑性
樹脂シートは静電容量改質剤を含有し、また、熱可塑性
樹脂100重量部に対し、無機および/または有機微細
粉末を1〜190重量部含有する。本発明では、必要に
応じて50〜250℃で熱処理された熱可塑性樹脂シー
トを好ましく用いることができる。本発明の電子写真用
記録シートは、空孔率が0〜60%であり、また、JI
S L1015に記載の白色度が85%以上であり、か
つJIS P8138に記載の不透明度が50%以上で
あることが好ましい。なお本明細書において、「〜」は
その前後に記載される数値を最小値および最大値として
含む範囲である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下において本発明の電子写真用
記録シートについて詳細に説明する。本発明の電子写真
用記録シートは、熱可塑性樹脂シートを必須の構成要素
として含むものである。すなわち、本発明の電子写真用
記録シートは、熱可塑性樹脂シートのみからなるもので
あってもよいし、熱可塑性樹脂シートにさらに後述する
表面処理層等を形成したものであってもよい。
【0008】本発明の電子写真用記録シートに使用する
熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂を含有し、少なく
とも一軸方向に延伸成形されたシートである。本発明の
熱可塑性樹脂シートに使用する熱可塑性樹脂の種類は特
に制限されない。例えば、高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン
系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペ
ンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン
−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロ
ン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレー
ト、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、
シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンス
ルフィド等が挙げられる。これらは2種以上混合して用
いることもできる。これらの中でも、ポリオレフィン系
樹脂を用いることが好ましい。更にポリオレフィン系樹
脂の中でも、コスト面、耐水性、耐薬品性の面からポリ
プロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンを用いることが
好ましい。
【0009】かかるプロピレン系樹脂としては、プロピ
レン単独重合体でありアイソタクティックないしはシン
ジオタクティックおよび種々の立体規則性を示すポリプ
ロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メ
チルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使
用される。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元
系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合
体であってもよい。
【0010】本発明の電子写真用記録シートに用いられ
る熱可塑性樹脂シートは、静電容量が4pF/cm2
上であることを特徴とする。静電容量は、前述の熱可塑
性樹脂シートの構成成分の1つとして静電容量改質剤を
用いることにより調整することが好ましい。本発明に用
いる静電容量改質剤は静電容量を制御するための物質で
有れば制限されないが、代表的には、熱可塑性樹脂シー
トを形成する熱可塑性樹脂より誘電率が大きい熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂シートを形成する熱
可塑性樹脂に分散可能なモノマーおよびオリゴマー、お
よび無機フィラーなどが用いられる。
【0011】熱可塑性樹脂シートの静電容量改質剤とし
て用いられる熱可塑性樹脂としては、前述の熱可塑性樹
脂シートを形成する熱可塑性樹脂より大きな誘電率を有
するものを用いることができる。例えば、オレフィン
類、カルボン酸ビニル類、ハロゲン化ビニル類、ビニル
エーテル類、アクリル酸類等の単独重合体または2種以
上のビニル系共重合体であるビニル誘導共重合体、さら
に、シアン化ビニリデン単独/共重合体、ポリオール系
共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げ
られる。
【0012】より具体的な例として、オレフィン類で
は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン、スチレン、α−メチルスチレ
ン等が挙げられる。カルボン酸ビニル類では、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル、、ブチル安息香酸ビニル、
シクロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げられる。ハロ
ゲン化ビニル類では、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
【0013】ビニルエーテル類では、メチルビニルエー
テル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエー
テル、シクロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニル
エーテル、フェニルビニルエーテル等の共重合体等が挙
げられる。アクリル酸類では、アクリル酸、メタクリル
酸、エチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メタロール
(メタ)アクリルアミド、アクリルニトリル等が挙げら
れる。ポリオール類では、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げら
れる。
【0014】より好ましい例として、フッ化ビニリデ
ン、ポリエステルポリオールを挙げることができる。ポ
リエステル樹脂類では、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート、ポリブチンナフタレート等が挙
げられる。ポリアミド樹脂類では、ナイロン−6、ナイ
ロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,1
2等が挙げられる。
【0015】熱可塑性樹脂シートの静電容量改質剤に用
いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などが挙
げられる。該熱硬化性樹脂に分散可能なモノマーおよび
オリゴマーとしては、例えば、高級アルコール、多価ア
ルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂
肪酸アミド、アンモニウム塩(好ましくは4級アンモニ
ウム塩)、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エス
テル、リン酸エステル化物、多価アルコールの部分エス
テル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジアタノ
ールアミド、ポリアルキレングリコール誘導体などが挙
げられる。より好ましい例としては、4級アンモニウム
塩、高級アルコール、多価アルコール、脂肪酸、脂肪酸
エステル、リン酸エステル、リン酸エステル化物が挙げ
られる。
【0016】静電容量改質剤として用いられる無機フィ
ラーとしては、例えば、ゼオライト、ベントナイト、モ
ンモリロナイト、バイデライト、ノントラライト、サポ
ナイト、ヘクスライト、ソーコナイト、ヘクタイト等の
誘電体、ロッシェル塩、リン酸二水素カリウム、ルチル
型酸化チタン、チタン酸バリウム、ジルコン酸塩、ニオ
ブ酸リチウム、PZT(Pb(Ti,Zr)O3)、G
ASH(C(NH23Al(SO42・6H2O)、D
SP(Ca2Sr(C23CO26)、亜硝酸ナトリウ
ム、硫ヨウ化アンチモン、等の強誘電体、鉄、銅、カー
ボン、アルミ、コバルト、ニッケル等の導電体が挙げら
れる。また、湿式粉砕中にカチオン系界面活性剤やアニ
オン系帯電防止剤などにて表面処理した炭酸カルシウム
(以下処理炭酸カルシウムと呼ぶ)や上述したフィラー
を表面処理して用いても良い。より好ましい例として
は、ルチル型酸化チタン、チタン酸バリウム、処理炭酸
カルシウム、カーボンを挙げることができる。
【0017】これらの静電容量改質剤は、単独あるいは
2種類以上を組み合わせて使用することができる。これ
らの静電容量改質剤の種類と使用量を適宜調節すること
によって、本発明の電子写真用記録シートの静電容量を
4pF/cm2以上にすることができる。
【0018】静電容量改質剤の添加量は、前述の熱可塑
性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂組成物100重量
部に対して、好ましくは0.2〜160重量部であり、
より好ましくは1〜130重量部である。160重量部
を超えると、シートの縦延伸や横延伸時に熱可塑性樹脂
シートが破断しやすくなる傾向がある。なお、ここでい
う熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および任意に添
加される無機および/または有機微細粉末等の熱可塑性
樹脂以外の成分からなるものである。静電容量改質剤
は、熱可塑性樹脂シートを形成する熱可塑性組成物中に
添加・分散される。
【0019】本発明の電子写真用記録シートに用いられ
る熱可塑性樹脂シートは、無機微細粉末および/または
有機微細粉末を含有してもよい。無機微細粉末として
は、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、け
いそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミ
ナ等を挙げることができる。その平均粒径は0.01〜
15μmのものを使用するのが好ましい。
【0020】有機微細粉末としては、熱可塑性樹脂シー
トの主要成分樹脂の融点よりは高い融点ないしはガラス
転移温度を有するものが使用できる。熱可塑性樹脂シー
トの主要成分がオレフィン系樹脂である場合、使用され
る有機微細粉末としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィンの単
独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等で
融点が120〜300℃、ないしはガラス転移温度が1
20〜280℃を有するものを挙げることができる。
【0021】本発明の電子写真用記録シートに用いられ
る熱可塑性樹脂シートの構造は、単層、ベース層と表面
層の2層構造、ベース層の表裏面に表面層が存在する3
層構造、およびベース層と表面層間に他の樹脂フィルム
層が存在する多層構造のいずれでもよい。熱可塑性樹脂
シートが単層のオレフィン系樹脂フィルムである場合、
オレフィン系樹脂100重量部に対し、無機微細粉末お
よび/または有機微細粉末を1〜190重量部含有する
ことが好ましく、5〜100重量部含有することがより
好ましい。
【0022】熱可塑性樹脂シートがベース層および表面
層を有する多層構造である場合、ベース層は、熱可塑性
樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/または
有機微細粉末を1〜190重量部含有し、表面層は、熱
可塑性樹脂100重量部に対し、無機微細粉末および/
または有機微細粉末を0〜300重量部含有するもので
あることが好ましい。より好ましくは、ベース層は、オ
レフィン系樹脂100重量部に対し、無機微細粉末およ
び/または有機微細粉末を3〜100重量部含有し、表
面層は熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機微細粉末
および/または有機微細粉末を1〜230重量部含有す
るものである。
【0023】比較的柔軟性のある熱可塑性樹脂シートを
得るためには、単層構造、または多層構造のベース層中
における無機微細粉末および/または有機微細粉末の含
有量は190重量部以下であることが好ましい。表面強
度をより良好なレベルとするためには、表面層中の含有
量が125重量部以下であることが好ましい。
【0024】本発明の電子写真用記録シートに用いられ
る熱可塑性樹脂シートは、必要に応じて、さらに、安定
剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を含有してもよい。例え
ば、安定剤として、立体障害フェノール系、リン系、ア
ミン系等の安定剤を0.001〜1重量部、光安定剤と
して、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾ
フェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量部、無
機微細粉末の分散剤として、シランカップリング剤、オ
レイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸等を
0.01〜4重量部配合してもよい。
【0025】本発明の電子写真用記録シートに用いられ
る熱可塑性樹脂シートは、少なくとも一軸方向に延伸し
て成形されたものであることが好ましい。少なくとも一
軸方向に延伸することにより、熱可塑性樹脂の分子鎖が
配向し、面方向の弾性率が著しく向上するため、クラー
ク剛度が向上する。特に、クラーク剛度を15〜500
に調整した電子写真用記録シートは、プリンタ出力時の
走行性が良好である。また、延伸することにより厚みの
均一性を向上することもできる。
【0026】一方、無延伸シートでは、弾性率向上が期
待できないため、プリンタ出力時に良好な走行性を示す
クラーク剛度を実現するためには、延伸成形されたもの
より紙厚を厚くしなければならず、高コストとなり適さ
ない。また、厚み均一性を得ることが難しく、それに伴
いクラーク剛度のフレ巾も大きく、プリンタ出力時の走
行性が悪い。
【0027】熱可塑性樹脂シートの延伸には、公知の方
法が使用できる。具体的な方法は特に制限されないが、
例えば、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンター
オーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブン、
リニアモーターおよびチューブラー法の組み合わせによ
る同時二軸延伸などを挙げることができる。
【0028】延伸の温度は、熱可塑性樹脂の種類および
延伸プロセスに応じて適宜選択される。具体的には、非
結晶樹脂の場合は使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点
温度以上、結晶性樹脂の場合には、非結晶部分のガラス
転移点温度以上から結晶部の融点以下に設定することが
できる。特に、熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体
(融点155〜167℃)の場合には110〜164
℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)の場
合には80〜120℃であり、融点より2〜60℃低い
温度にすることが好ましい。延伸速度は20〜350m
/分が好ましい。
【0029】延伸倍率は、特に限定されず、目的と使用
する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例え
ば、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体またはそ
の共重合体を使用し、一方向に延伸する場合は好ましく
は約1.2〜12倍、より好ましくは2〜10倍であ
り、二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜
60倍、より好ましくは10〜50倍である。その他の
熱可塑性樹脂を使用し、一方向に延伸する場合は好まし
くは1.2〜10倍、より好ましくは2〜5倍であり、
二軸延伸の場合には面積倍率で好ましくは1.5〜20
倍、より好ましくは4〜12倍である。さらに、必要に
応じて高温での熱処理が施される。
【0030】熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体
を使用し、熱可塑性樹脂シートをテンターオーブンを用
いた横延伸工程を経て製造する場合、後半に熱セットゾ
ーンを設け、その設定温度をできるだけ高くし、延伸成
形されたポリプロピレン系シートの温度を、最も高い場
合はその融解温度近傍まで高くすることによってクラー
ク剛度を効果的に向上させ、コシを発現することができ
る。熱セットゾーンの設定温度は、延伸工程のライン速
度や熱セットゾーンで吹き付けられる高温空気の流速や
流量、熱セットゾーンの構造等により種々の選択が可能
である。例えば、50〜250℃の範囲が使用される。
【0031】熱可塑性樹脂シートの成形後の肉厚は、通
常40〜400μm、好ましくは45〜350μm、さ
らに好ましくは50〜300μmである。特に無機およ
び/または有機微細粉末を含有する場合には、肉厚が4
0μm未満ではクラーク剛度が不足し、電子写真プリン
タ記録時の走行性に支障を来たす傾向がある。熱可塑性
樹脂シートの肉厚が400μmを超えると、電子写真プ
リンタの機種によっては、用紙が重くなり送りロールで
送紙できなくなり、通紙できなくなる可能性がある。
【0032】本発明の電子写真用記録シートに用いられ
る熱可塑性樹脂シートが、無機微細粉末および/または
有機微細粉末を含有する場合、シート表面に微細な亀裂
を生じさせるとともに、シート内部に微細な空孔を生じ
させることもできる。このような場合、延伸工程を経て
製造されるシートは、微細なボイドを有する。本発明で
用いる熱可塑性樹脂シートは、以下の式で表される空孔
率が0〜60%であることが好ましく、1〜50%であ
ることがより好ましい。
【0033】
【数1】
【0034】式(1)のρ0はフィルムの真密度を表わ
し、ρ1はフィルムの密度(JISP−8118)を表
す。延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限
り、真密度は延伸前の密度にほぼ等しい。延伸により得
られた熱可塑性樹脂シートの密度は0.65〜1.2g
/cm3、ベック平滑度は50〜25,000秒である
ことが好ましい。
【0035】熱可塑性樹脂シートは、白色度が85%以
上であることが好ましく、90%以上であることがより
好ましい。また、熱可塑性樹脂シートは、不透明度が5
0%以上であることが好ましく、60%以上であること
がより好ましい。白色度が85%未満、かつ不透明度が
50%未満では、コントラストが低下し、また下地が透
けて見えるため、ポスター、看板として使用するには適
さないことがある。白色度および不透明度は、前述の樹
脂シートの含有成分組成、延伸成形条件を適宜組み合わ
せることにより調整することができる。
【0036】本発明に用いられる熱可塑性樹脂シートに
は、トナーの密着性向上、および帯電防止のために、表
面処理を施すことが好ましい。表面処理の方法として
は、表面酸化処理や表面処理剤による処理を挙げること
ができる。表面酸化と表面処理剤による処理は組み合わ
せて行ことが好ましい。
【0037】表面酸化処理としては、フィルムに一般的
に使用されるコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ
処理、グロー放電処理、オゾン処理などを単独または組
み合わせて使用することができる。なかでも、コロナ処
理、フレーム処理が好ましい。処理量はコロナ処理の場
合は好ましくは600〜12,000J/m2(10〜
200W・分/m2)、より好ましくは1,200〜
9,000J/m2(20〜180W・分/m2)であ
り、フレーム処理の場合は好ましくは8,000〜20
0,000J/m2、より好ましくは20,000〜1
00,000J/m2である。
【0038】表面処理剤としては、プライマーや帯電防
止性ポリマーの中から選ばれる1種または2種以上の混
合物を主成分とするものを好ましく用いることができ
る。中でも、プライマーないしはプライマーと帯電防止
性ポリマーとの組み合わせからなる表面処理剤を用いる
ことが、トナー付着と帯電防止の観点から好ましい。
【0039】プライマーとしては、例えば、ポリエチレ
ンイミン、炭素数1〜12の範囲のアルキル変性ポリエ
チレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)およびポ
リアミンポリアミドのエチレンイミン付加物およびポリ
アミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリ
エチレンイミン系重合体、アクリル酸アミド−アクリル
酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エ
ステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル
アミドの誘導体、オキサゾリン基含有アクリル酸エステ
ル系重合体、ポリアクリル酸エステル等のアクリル酸エ
ステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
グリコール、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、ま
たポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリプロピレ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の水分散
性樹脂等が用いられる。
【0040】これらの内で好ましくは、ポリエチレンイ
ミン系重合体およびウレタン樹脂、ポリアクリル酸エス
テル等であり、より好ましくはポリエチレンイミン系重
合体であり、更に好ましくは重合度が20〜3,000
のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレ
ンイミン付加体、ないしはこれらが炭素数1〜24のハ
ロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化
シクロアルキル、ハロゲン化ベンジル基によって変性さ
れた変性ポリエチレンイミンである。
【0041】帯電防止ポリマーとしてはカチオン系、ア
ニオン系、両性系等の高分子型のものが挙げられる。カ
チオン系帯電防止ポリマーとしては、四級アンモニウム
塩構造やホスホニウム塩構造を有するポリマー、窒素含
有アクリル系ポリマー、四級アンモニウム塩構造の窒素
を有するアクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを挙
げることができる。また両性系帯電防止ポリマーとして
は、ベタイン構造の窒素を有するアクリル系ないしはメ
タクリル系ポリマーを挙げることができる。またカチオ
ン系帯電防止ポリマーとしては、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体ないしはそのアルカリ金属塩、エチレン−
アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩ないしはエチレン
−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などが挙げら
れる。中でも、四級アンモニウム塩構造の窒素を有する
アクリル系ないしはメタクリル系ポリマーを用いること
が好ましい。
【0042】帯電防止ポリマーの分子量は、重合温度、
重合開始剤の種類および量、溶剤使用量、連鎖移動剤等
の重合条件により任意のレベルとすることができる。一
般には得られる重合体の分子量は1,000〜1,00
0,000であるが、中でも1,000〜500,00
0の範囲が好ましい。
【0043】本発明では、必要に応じて架橋剤、アルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩などを含む表面処理剤を
好ましく用いることができる。表面処理剤に架橋剤を添
加しておくことにより、さらに塗膜強度や耐水性を向上
させることができる。架橋剤としては、グリシジルエー
テル、グリシジルエステル等のエポキシ系化合物、エポ
キシ樹脂、イソシアネート系、オキサゾリン系、ホルマ
リン系、ヒドラジド系等の水分散型樹脂が挙げられる。
架橋剤の添加量は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除
いた有効成分100重量部に対して100重量部以下の
範囲である。
【0044】表面処理剤に用いることができるアルカリ
金属塩またはアルカリ土類金属塩として、水溶性の無機
塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、その他のアルカリ性
塩、および塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナト
リウム、トリポリ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウ
ム、アンモニウム明礬等が挙げられる。任意成分の量
は、通常、上記の表面改質剤の溶媒を除いた有効成分1
00重量部に対して50重量部以下である。
【0045】表面処理剤には、更に、界面活性剤、消泡
剤、水溶性或いは水分散性の微粉末物質その他の助剤を
含ませることもできる。任意成分の量は、通常、上記の
表面改質剤の溶媒を除いた有効成分100重量部に対し
て20重量部以下である。
【0046】上記表面処理層の各成分は、水或いはメチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等の親水性溶剤に溶解させてから用いるものである
が、中でも水溶液の形態で用いるのが普通である。溶液
濃度は通常0.1〜25重量部、好ましくは0.1〜1
1重量部程度である。塗工は、ロールコーター、ブレー
ドコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、サ
イズプレスコーター、グラビアコーター、リバースコー
ター、ダイコーター、リップコーター、スプレーコータ
ー等により行われ、必要によりスムージングを行った
り、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤が除去され
る。
【0047】塗工量は乾燥後の固形分として0.005
〜5g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2である。
熱可塑性樹脂シートへの表面処理層の塗工は、その縦ま
たは横延伸の前後を問わず、一段の塗工でも多段の塗工
でもよい。
【0048】本発明の電子写真用記録シートに用いられ
る熱可塑性樹脂シートは、必要に応じて、その熱機械的
分析における寸法変化を低減するために、上記の成形と
延伸に加え、熱セットゾーンにおける高温セットや、成
形後、もしくは前述した表面処理の後に熱処理を行うこ
とが好ましい。加熱温度は50〜250℃、好ましくは
60〜210℃、より好ましくは80〜200℃の範囲
である。50℃未満では熱処理の効果が不十分であり、
250℃以上ではフィルムの変形やボコツキが起こる場
合がある。加熱時間は、好ましくは2秒〜30日間の範
囲で種々の選択が可能であるが、より好ましくは4秒〜
7日間であり、更に好ましくは4秒〜2日間の範囲であ
る。30日より長いと熱可塑性樹脂シートの劣化が起こ
り易く、2秒未満では処理効果が不十分な場合がある。
【0049】熱処理の仕方の例としては、上記のテンタ
ーオーブンを使用する延伸後の高温の熱セットゾーンで
の熱処理、枚葉または巻きロール状態でオーブン中での
処理、高温空気やスチームその他の熱媒体による加熱等
が挙げられる。熱処理中の熱可塑性樹脂シートの状態と
しては、加熱に伴い徐々に収縮させるように熱可塑性樹
脂シートの端を拘束しない状態や、熱可塑性樹脂シート
の端を固定する場合では、相対する2端または相対する
2組の2端の固定具の間隔を熱可塑性樹脂シートの熱収
縮に伴い縮めることが可能な状態、および熱可塑性樹脂
シートの少なくとも相対する2端を固定して熱可塑性樹
脂シートの収縮に追随しない状態が挙げられる。具体的
には、通風オーブン中での巻きロール状態で加熱する方
法、枚葉を単独または複数枚重ねた状態で加熱する方
法、少なくとも1本の高温のロールに接触させて加熱す
る方法等が挙げられる。
【0050】本発明の電子写真用記録シートは、静電容
量が4pF/cm2以上であることを特徴とする。本発
明の電子写真用記録シートの静電容量の測定には、HE
WLETT PACKARD社の「4192A LF
IMPEDANCE ANALYZER」を使用し、温
度23℃、相対湿度50%の雰囲気で直径38mmの印
加電極とガード電極間に電極直径より大きい試料を挟み
込み、5Vの電圧を印加して、10Hz〜1MHzの範
囲の周波数で測定し周波数300Hzの測定値を代表値
とした。
【0051】本発明の電子写真用記録シートの静電容量
は、単位電極面積あたり4pF/cm2以上であり、好
ましくは4〜1000pF/cm2、より好ましくは6
〜800pF/cm2、さらに好ましくは8〜300p
F/cm2である。静電容量が4pF/cm2未満である
とプリンターのどの記録モードで画像出力しても、トナ
ー転写率が低く、十分な画像記録濃度(印字濃度を含
む)が得られない。また静電容量が1000pF/cm
2を超えると、プリンタ排紙時、プリンタ内でトナーを
用紙に転写するために印加された電荷が電子写真用記録
シートに残り、排紙トレイ上でシート同士が引き合い、
ブロッキングを来たす傾向がある。
【0052】本発明の電子写真用記録シートは、クラー
ク剛度が15〜500であることを特徴とする。クラー
ク剛度は、JIS P−8143に記載のこわさ試験に
より求められる。電子写真用記録シートは、電子写真プ
リンタによる記録時に、用紙搬送経路中で各種の機械
的、静電気的なストレス、すなわち走行性に支障を来す
力が加えられる。クラーク剛度はこのような走行性に支
障を来す力への抵抗力の指標となることを、本発明者等
は見出した。
【0053】すなわち、本発明の電子写真用記録シート
のクラーク剛度は電子写真プリンタ通紙方向で15〜5
00、好ましくは20〜400、より好ましく25〜3
00の範囲である。クラーク剛度が15未満では、電子
写真プリンタ記録時にジャミングを発生し、クラーク剛
度が500を超えるとプリンタの用紙搬送経路の曲がり
に追随できず、またトナー画像の転写に不都合を来た
す。
【0054】本発明の電子写真用記録シートの肉厚は、
通常40〜400μm、好ましくは45〜350μm、
さらに好ましくは50〜300μmである。特に無機お
よび/または有機微細粉末を含有する場合には、肉厚が
40μm未満ではクラーク剛度が不足し、電子写真プリ
ンタ記録時の走行性に支障を来す傾向がある。肉厚が4
00μmを超えると、静電容量の低下を来たし、画像記
録濃度が低下する傾向がある。
【0055】本発明の電子写真用記録シートは、十分な
記録濃度が得られ、記録操作時の走行性も良好であると
いう利点を有する。このため、目的としていない箇所へ
トナーが飛散するような障害はなく、色相の再現性も高
い。また、本発明の電子写真用記録シートには適度なコ
シを持たせることが可能であることから、ジャミングの
発生に起因するヒーターへの融着や、機械破損の心配も
ない。
【0056】このような利点を有することから、本発明
の電子写真用記録シートは、電子写真方法を用いた記録
方式により記録するためのシートとして極めて有用であ
る。本発明の電子写真用記録シートは、特に電子写真プ
リンターの用紙としての有用性が高いが、凸版印刷、グ
ラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷、紫
外線硬化型オフセット印刷などにも有効に適用すること
ができる。また、本発明の電子写真用記録シートは、シ
ートのまま記録する方式の印刷にも、ロール状の輪転方
式の印刷にも適用することができる。
【0057】また、本発明の電子写真用記録シートに印
刷された印刷物は、耐水性や耐久性にも優れているとい
う特徴を有する。このため、本発明の電子写真用記録シ
ートに印刷された印刷物は、耐水性や耐久性が要求され
る環境下で使用するのに適している。例えば、屋外、冷
凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、標識、タグや、
使用方法や注意書きを記した製造管理用カードとして、
本発明は有効に利用することができる。
【0058】
【実施例】以下に実験例を記載して本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実験例に示す材料、使用量、割
合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更
することができる。したがって、本発明の範囲は以下に
示す具体例に制限されるものではない。
【0059】<実施例1〜8、比較例1〜2> (電子写真用記録シートの製造)メルトフローレート
(MFR)4g/10分のプロピレン単独重合体100
重量部に対し、平均粒径1.3μmの重質炭酸カルシウ
ムを表1に記載される重量部、MFRが10g/10分
の高密度ポリエチレン10重量部、プロピレン単独重合
体と炭酸カルシウムの合計量100重量部に対して3−
メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール0.05重
量部とフェノール系安定剤(チバガイキー社製、商品名
イルガノックス1010)0.08重量部、リン系安定
剤(ジー・イー・プラスチック社製、商品名ウエストン
618)0.05重量部、表1に記載される静電容量改
質剤を表1に記載される重量部配合し、組成物(b)と
した。この組成物(b)を250℃に設定した押出機に
て混練した後、230℃に設定した押出機に接続したT
ダイより押しだし、冷却装置にて冷却して無延伸シート
を得た。このシートを155℃に加熱して、周速の異な
るロール群からなる縦延伸機で縦方向に4.6倍延伸し
た。
【0060】一方、MFRが11g/10分のプロピレ
ン単独重合体100重量部に対し、平均粒径1.3μm
の炭酸カルシウムを表1に記載される重量部、MFRが
10g/10分の高密度ポリエチレン3.5重量部、プ
ロピレン単独重合体と炭酸カルシウムの合計量100重
量部に対して3−メチル−2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール0.05重量部とフェノール系安定剤(チバガイ
キー社製、商品名イルガノックス1010)0.08重
量部、リン系安定剤(ジー・イー・プラスチック社製、
商品名ウエストン618)0.05重量部、表1に記載
される静電容量改質剤を表1に記載される重量部配合
し、組成物(a)とした。この組成物(a)を240℃
に設定した押出機で溶融混練し、上記で得た組成物
(b)の延伸シートの両面に共押し出しし、3層積層物
(A/B/A)を得た。得られた3層積層物をテンター
オーブンにて150℃に加熱した後、横方向に9.5倍
延伸した。ついで、テンターオーブンに続いた熱セット
ゾーン(設定温度165℃)を通過させて、表1に記載
される厚みを有する3層積層シートを得た。このシート
の両面に、印加エネルギー密度90W・分/m2にてコ
ロナ放電処理を行った。
【0061】ついで、このシートの両面に、ブチル変性
ポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレン
イミン付加物、および第4級アンモニウム塩構造を有す
るアクリル酸アルキルエステル系重合体の等量混合物を
含む水溶液を、ロールコーターを用い、乾燥後の塗工量
が片面あたり約0.1g/m2となるように塗工し、乾
燥して表面処理層を形成した。さらに、このシートをB
4サイズに切断し、110℃に調整した通風オーブン中
で15分間熱処理することによって、電子写真用記録シ
ートを製造した。
【0062】(空孔率の測定)製造した各電子写真用記
録シートの密度をJIS P−8118に準拠して測定
した。上記式(1)にしたがって計算することにより、
空孔率を求めた。
【0063】(白色度の測定)製造した各電子写真用記
録シートの白色度を、JIS L1015に準拠して求
めた。
【0064】(不透明度の測定)製造した各電子写真用
記録シートの不透明度を、JIS P8138に準拠し
て求めた。
【0065】(クラーク剛度の測定)製造した各電子写
真用記録シートを、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿
下で24時間調湿し、JIS P8143に基づき、縦
(MD)方向および横(CD)方向のクラーク剛度を測
定した。
【0066】(静電容量の測定)製造した各電子写真用
記録シートを、23℃、相対湿度50%の恒温室内で、
HEWLETT PACKARD社の「4192A L
F IMPEDANCEANALYZER」を使用し、
直径38mmの電極に電極直径より大きい試料を挟み込
み5Vの電圧を印加して、周波数300Hzで静電容量
を測定した。
【0067】(印字濃度評価)製造した各電子写真用記
録シートをA4(210mmMD方向×297mmCD
方向)に断裁し、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿下
で24時間調湿した。この電子写真用記録シートを23
℃、相対湿度50%の恒温室内で、市販のカラー電子写
真プリンター(Fuji Xerox(株)製、商品名
Docu Print C411)にて記録した。この
とき電子写真用記録シートは、通紙方向を210mmM
D方向とし、記録面を上向きにして通紙し、排紙時も記
録面が上になる経路で記録を行った。
【0068】印字濃度は、重色、単色が混合するテスト
モデル図を記録して目視にて以下の基準で判定した。 ◎ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものより濃度が
高い ○ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものと比較して
同等 △ やや記録濃度が低い × 極めて記録濃度が低くかつ重色部に濃淡がある
【0069】(走行性評価)上と同様に記録を行い、走
行性を以下の基準で判定した。 ◎ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものより良好 ○ 市販のPPC用パルプ紙に記録したものと比較して
同等 △ 給紙不良(シワ、角が折れ曲がる) × 給紙不可
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明の電子写真用記録シートは、電子
写真プリンターで一般に設定される記録モードで記録し
ても、普通紙あるいはPETフィルムを用いた電子写真
用記録シートと遜色ない記録濃度を得ることができる。
また、記録操作時の走行性も良好である。このため、本
発明の電子写真用記録シートは電子写真プリンタによる
記録に好適に使用することができる。さらに、本発明の
電子写真用記録シートは耐水性や耐久性にも優れている
ため、屋外、冷凍食品関連での宣伝用ポスター、看板、
標識、タグ、使用方法や注意書きを記した製造管理用カ
ードとして有効に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 小池 弘 茨城県鹿島郡神栖町東和田23番地 王子油 化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 高橋 友嗣 東京都千代田区神田駿河台4丁目3番地 王子油化合成紙株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AJ02B AJ04B AK03A AK41A AK48A AT00D BA02 BA04 BA10C BA10D DG06A DG11B DG15A DG17B DJ00D EC09B GB33 HB00C JA13A JA13B YY00A YY00B 4F210 AA11 AB13 AB16 AB19 AG01 AG20 AH33 AR06 AR08 AR12 QA02 QA03 QC06 QG01 QG15 QW07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一軸方向に延伸成形された熱
    可塑性樹脂シートを構成要素として含み、静電容量が4
    pF/cm2以上、クラーク剛度が15〜500である
    ことを特徴とする電子写真用記録シート。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂シートが静電容量改質
    剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用
    記録シート。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂シートが、熱可塑性樹
    脂100重量部に対し、無機および/または有機微細粉
    末を1〜190重量部含有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の電子写真用記録シート。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂シートが50〜250
    ℃で熱処理されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の電子写真用記録シート。
  5. 【請求項5】 電子写真用記録シートの空孔率が0〜6
    0%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の電子写真用記録シート。
  6. 【請求項6】 電子写真用記録シートのJIS L10
    15に記載の白色度が85%以上であり、かつJIS
    P8138に記載の不透明度が50%以上であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用
    記録シート。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂シートが熱可塑性樹脂
    としてポリオレフィン系樹脂を含むことを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用記録シート。
  8. 【請求項8】 前記オレフィン系樹脂がプロピレン系樹
    脂であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真用
    記録シート。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の電子写
    真用記録シートを電子写真方式にて印刷した記録物。
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