WO2004083963A1

WO2004083963A1 - 液体トナーを用いる電子写真用記録材料

Info

Publication number: WO2004083963A1
Application number: PCT/JP2003/003469
Authority: WO
Inventors: Tomohiro Katsuma; Ryuichi Kisaka; Kaori Ishizuka; Tomofumi Tokiyoshi
Original assignee: Oji Paper Co., Ltd.
Priority date: 2003-03-20
Filing date: 2003-03-20
Publication date: 2004-09-30
Also published as: AU2003220949A1

Abstract

顔料塗工層を有していない紙基体の少なくとも１面に、トナー定着向上剤として、ポリエチレンイミン系樹脂が片面当り０．１５～０．８ｇ／ｍ2の塗工量で塗工されていて、好ましくは３０～２００秒のベック平滑度、及び０．４０～０．７５の摩擦係数を有する、液体トナーを用いる電子写真用記録材料は、走行トラブルがなく、トナー定着性が良好で、かつ鮮明な記録画像を記録することができ、しかも使用後のリサイクルが容易である。

Description

液体トナーを用いる電子写真用記録材料

技術分野

本発明は、静電荷現像用液体トナーを用いる電子写真システムに使用する記録材料に関するものであり、さらに詳しく述べるならば明

、走行トラブルがなく、液体トナーのトナー定着性が良好で、鮮明な画像を記録することができる、液体トナーを用いる電子写真用記録材に関するものである。書

背景技術

従来より、静電潜像は、乾燥トナー粒子、又は絶縁された無極性液体中に分散したトナー粒子により現像されている。乾燥トナー粒子は、それが周囲の大気中に逃散すると、空気中に浮遊して人体に有害であるのでトナー粒子をあまり微細にすることは許されず、このため乾燥トナ一の粒子径は約 1 0 μ程度にコント口ールされており、従って、高画質の画像を記録することができなかった。また、乾燥トナーの記録画像は、高い温度で溶融することにより記録材料に固定しなければならず、そのために高エネルギーを必要とする。これに比べて、トナー粒子を絶縁された無極性液体中に分散して調製された液体トナーのトナー粒子は、顔料、樹脂、その他添加材から構成され、それによつて、所望の着色性、荷電性、定着性、及び分散安定性を確保しており、またそれにより粒子の一層の微細化が可能であることと、及びトナー粒子は、電気絶縁性液体中において静電潜像荷電荷に対し反対の極性に帯電し、それによつて、潜像電荷に引き付けられ、電気泳動により潜像に向って移動し、潜像上に選択的に付着して、現像が行われる。このため液体トナーを用いる電子写真システムにおいて、高精細な画像を記録材料上に記録することができる。

近年.. 消費者の要求は多様化してきて、その一つとして、同一の情報を大量に印刷するだけでなく、特定多数の情報を少量ずつ印刷したいという要望が出てきている。高精細な画像を印刷する方法としては、印刷速度、印字品質等に優れたグラビア印刷方式が広く用いられている。しかし、グラビア印刷方式は製版作業工程に多くの時間と多額の費用が必要であるという問題があり、このためこれを少量の印刷物に用いると、コストが高くなりすぎて実用的ではなかつた。それにくらべ、液体トナーを用いる静電荷現像システムすなわち電子写真システムは、製版工程が不要であるため、多品種少量印刷には適している。

液体トナーを用いる電子写真システムに用いられる記録材料としては、プラスチックフィルム、プラスチックシート、顔料塗工紙、金属プレートなどが使用されている。記録材料としてプラスチックフィルム又は、プラスチックシート等が用いられるとき、記録材料中に液体トナーが浸透することができないため、フィルム表面に余剰の溶剤（トナー分散媒）が残留してしまう。従って、トナーをフイルムに固着するためには、その余剰の溶剤を除去する必要があり、高温でフィルムを加熱する工程が必要になる。また、加熱により溶剤を除去した後でも、フィルムとトナーとの密着性を強化するためには、フィルム上のトナーを再度加熱し、トナー樹脂を完全に熱溶融し、フィルムに固着させることが必要になる。従って、使用できるプラスチックフィルム及びプラスチックシートは、比較的耐熱性の高いポリエステル樹脂フィルム又はシート等に限られている。

また、記録材料として顔料塗工紙を液体トナー電子写真に使用することも検討されているが、顔料塗工紙は一般に紙厚が厚いため、フィルムと同様に、トナーの浸透性、トナーの転移性及び密着性が低いこと、高速印刷した場合には、印刷後の印刷面がこすれてぼけることがあること、消しゴムでこするとトナーがはがれることがあること、及びセロファンテープの貼着剥離により印刷画像がセ口ファンテープに転写されてしまうなどの問題があった。また連続印刷に用いると、給排紙工程にトラブルが多いという問題も知られてい上記問題を解決するために、トナーの定着性を向上させるための多数の研究が報告されている。例えば、トナーに含まれる樹脂成分として低温で溶解する樹脂を使用すること、トナー用樹脂として、熱硬化型樹脂を使用することが知られている。しかし、これらのトナー用樹脂は、トナーの経時安定性が不十分であること、及び電子写真用トナーとして必要な基本的物性において劣ることなどの問題点があり、これらは、トナーとして実用し得るレベルに達していないものであった。また、例えば特表平 4一 5 0 7 1 4 8号公報に記载されているように、電子写真用液体トナーを現像して形成されたトナー画像を、静電潜像担持体から記録材料上に直接転写せずに、中間転写体を介してフィルムもしくは、シートなどの記録材料上に転写し、それによつて、記録材料の表面上に残留する余剰の溶剤処理の問題を解決し、トナー画像の定着性を向上させる方法も知られているが、しかし、トナー画像と、記録材料との間の密着性は未だ満足できるレベルには達していない。

また、省資源化、あるいは地球規模での環境保護という面において、記録材料がリサイクルできるかどうかも重要な課題である。プラスチックフィルムを記録材料として用いたもののリサイクルは不可能であり、その廃棄後の処理も最近は問題になっている。また顔料塗工紙はリサイクルが可能であるが、塗工層があるため、その除去処理には、多くの処理工程とエネルギーを要するという問題がある。発明の開示

本発明の目的は、電子写真システム中における走行性が良好で、トナー定着性に優れ、記録されたトナー画像が鮮明であって、使用後の再利用（リサイクル）の容易な液体トナーを用いる電子写真用記録材料を提供することにある。

本発明の液体トナーを用いる電子写真用記録材料は、顔料塗工層を有していない紙基体と、前記紙基体の少なくとも一面に、トナー定着向上剤として、片面当り 0. 1 5〜 0. 8 g Zm²の塗工量で塗工されたポリエチレンィミン系榭脂とを含むことを特徴とするものである。

本発明の液体トナーを用いる電子写真用記録材料において、前記ポリエチレンイミン系榭脂が塗工されている表面の、 J I S P 8

1 1 9に準拠して測定されたべック平滑度が 3 0〜 2 0 0秒であり、かつ J I S P 8 1 4 7に準拠して測定された摩擦係数が 0. 4 0〜 0. 7 5であることが好ましい。

本発明の液体トナーを用いる電子写真用記録材料の、 J I S P 8 1 1 6に準拠して測定された C D (横手）方向クラーク剛度が 1 3. 5〜 3 0. 0 c mであることが好ましい。

本発明の液体トナーを用いる電子写真用記録材料において、前記紙基体に対する前記ポリエチレンィミン系榭脂の塗工が、トランスファロールコ一タ方式の塗工によりなされたものであることが好ましい。発明の実施のための最良の形態

本発明の記録材料に使用される紙基体は、セルロース繊維を主成分として含み、このセルロース繊維としては、広葉樹、針葉樹から得られる木材パルプ繊維が利用されることが好ましい。パルプ製法には限定はなく、例えばクラフト蒸解法、ポリサルフアイド蒸解法、亜硫酸蒸解法等の蒸解法を用いることができ、それにより得られた未晒しパルプに、 1段ないしは 2段以上の脱リグニン処理を施し、その後、この処理系に塩素、苛性ソーダ、ハイドロサルフアイト等を適宜添加して多段漂白を施す方法を用いることができる。この場合有機塩素化合物を排水したとき、その処理に要する負荷などを考慮すると、パイプの漂白において塩素の代替物として二酸化塩素を用いた漂白方法、或はオゾンを用いた塩素フリーの多段漂白方法を用いることが好ましい。また、 G P (砕木パルプ）、 T M P (サーモメカニカルパルプ）、 C T M P (ケミサーモメカニカルパルプ ) などの機械パルプ、 S C P (セメケミカルパルプ) 、 C G P (ケミグランドパルプ ) などの半化学パルプも、本発明に用いられる紙基体の製造原料として使用可能である。また非木材繊維として、例えば、麻パルプ、ケナフ、パガスなどを用いることができる。さらに資源の有効利用のために、古紙パルプを使用することも可能である。

本発明の記録材料に用いられる紙基体用パルプは、叩解度（C S F ) 力 S 3 0 0〜 5 0 0 m l の範囲内になるまで叩解され、このパルプを主成分とする紙料を、長網多筒型抄紙機、長網ヤンキー型抄紙機、ツインワイヤー型抄紙機、又は円網型抄紙機に供して抄紙するまた、抄紙用紙料には、無機または有機の填料が含まれていてもよく、たとえば、カオリン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、珪藻土微粒子状無水シリカ、活性白土、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、二酸化珪素、及びコロイダルシリカなどの無機填料；並びに尿素ホルマリン樹脂フィラー、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダーなどの有機填料を用いることができる。

抄紙に際し用いられる内添、外添サイズ剤には限定はなく、たとえば、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、ァルケニル無水コハク酸などを使用することができる。サイズ剤の添加量は、得られる紙基体のステキヒトサイズ度が 1 0秒以上になるように設定すればよい。記録材料の用途によっては、ステキヒトサィズ度が 1 0秒未満の場合に、トナー画像が滲むなどの問題を生ずることがあり、またそれが 2 0 0秒を超えるとトナー画像の定着が不良になることがある。アルキルケテンダイマー系サイズ剤を外添サイズ剤として用いるときには、得られる紙基体の摩擦係数が 0 - 4 5〜 0 . 7 5の範囲内に入るようにその添加量を調整することが好ましい。また、サイズ剤以外の内添加用薬品として、着色剤、紙力増強剤、歩留向上剤などの製紙用捕助薬品を得られる紙基体のステキヒトサイズ度及び摩擦係数に影響を与えない範囲内で使用することができる。

紙基体の表面強度を向上させる目的で、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル澱粉、及びエーテル澱粉等の澱粉誘導体類；メチルセルロース、ェチノレセルロース、カルポキシメチルセノレロース、メトキシセノレロース、及びヒドロキシセ /レロースなどのセルロース誘導体類；完全（または部分）鹼化ポリビュルアルコール；カルボキシ変性ポリビュルアルコール、及び珪素変性ポリビエルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体類、ポリアクリルァミド、ポリビュルピロリドン、アクリル酸アミド、アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミドアクリル酸エステル、メタクリル酸共重合体、スチレン一無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ィソブチレン一無水マレイン酸共重合体アル力リ塩、及びカゼィン等の水溶性合成高分子化合物並びに；ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリァクリル酸エステル、ポリブチルメタタリレート、スチレン · ブタジェン共重合体等の水不溶性重合体化合物のラテックス等を、必要により紙基体に含有させてもよい。

前記、表面強度向上剤を紙基体に外添する方法には特に限定はなく、抄紙された原紙に、外添剤含有処理液を、エアナイフコータ、ローノレコータリノ · ~スローノレコータ、ブレードコータノーコ一タ、グラビアコータ、キスローノレコータ、キャストコータ、カーテンコータ、ダイスロットコ一タ、チャンプレツクスコータ、ブラシコータ、ゲートローノレコータ、ノヽミノレトンコータ、 K C Mコータ、サイズプレスコータ、メタ一ドサイズプレス、メタードフイノレムトランスファロールコータ等の塗付装置を備えたオンマシンコータ或はオフマシンコータを用いて塗付乾燥すればよい。

本発明の記録材料においては、紙基体に、トナー定着向上剤としてポリエチレンイミン系樹脂を含む塗布液.を塗布又は含浸させ、乾燥する。液体トナーを用いる電子写真現像システムは、静電荷現像用液体トナーを電荷潜像上へ選択的に移動 · 付着させて現像し、この付着した液体トナーを転写ドラムにより加熱処理することによつて溶媒を揮発させると、当該液体トナーに接着剤成分として含まれるポリオレフィン系樹脂と着色剤とを生成分として含む画像が膜状に形成されるから、これを記録材料上に接着して定着する。従って、前記ポリオレフィン系榭脂含有画像膜が記録材枓に接着固定されるとき、この接着は加熱により軟化 · 溶融した当該ポリォレフィン系樹脂成分が記録材料に融着するという物理的な接着力を主接着力として行われる。このような接着状況において、分子内に疎水部（ポリエチレン）と親水部（アミノ窒素）とを有しているポリエチレンイミンは予じめ、記録材料の紙基体中、又は上に含まれているから、このポリエチレンイミン系樹脂の親水部（ァミノ窒素）が、記録材料に、主成分として含まれるセルロース繊維に、化学的に結合し、前記画像膜中のポリオレフィン系樹脂と、ポリエチレンイミン系樹脂の疎水部（ポリエチレン）とが融合合体することにより記録材料のセルロース繊維と、画像膜との間に架橋状態が形成される。この架橋現象によって、記録材料と前記ポリォレフィン系榭脂一着色剤含有画像膜との間に強力な接着力が発現し、画像の定着性を著しく向上させることができる。

本発明で使用されるポリエチレンイミン系樹脂は、その平均分子量が 2 5 0〜 1 0 0， 0 0 0の範囲内にある限りエチレンィミン重合度を適宜設定することができるが、平均分子量が 2 5 0未満のポリエチレンイミン系重合体を用いると、トナーの定着性が不十分になることがあり、またそれが 1 0 0， 0 0 0を超えると、得られるポリエチレンイミン系重合体の溶解性、分散性、保存安定性が不十分になることがある。

本発明に用いられるポリエチレンイミン系榭脂は、エチレンィミンのホモポリマー、並びに、エチレンィミンと、それとは異種のェチレン性不飽和モノマー、例えばォクタデシルイソシァネート、又はプロピレンォキサイドなどとの共重合体を包含する。

本発明の記録材料において、ポリエチレンイミン系樹脂は、紙基体の少なくとも 1面に、片面当り 0. 1 5〜0. 8 g /m²、好ましくは 0. 2 5〜0. 6 0 g /m²、の塗工量で塗工される。その塗工方法に制限はない、前記表面強度向上剤の塗工に使用方法として、紙基体の片面又は両面に、片面当り 0. 1 5〜0. 8 g Zm² の塗工量で効率的に塗工できるものであれば、塗布法（スプレー法を含む）及び含浸法のいずれであってもよく、これらの塗工方法のなかでも、トランスファロールコータ方式といわれる塗工方式を用いることが好ましく、このようにするとポリエチレンイミン系樹脂の、紙基体内部への浸透量が少なく、紙基体の最表面に均一に分布させることができ、それによつて、ポリエチレンイミン系榭脂によるトナーの定着効果を更に向上させ、液体トナーを使用する静電荷現像システムに用いられるブランケット上におけるトナー残留量を減少させることができる。トランスファロールコータ方式には、ゲ一トローノレコータタイプとしてはゲートローノレコータ、ハミノレトンロールコータ、及び K C Mコータ等が包含され、またシムサイザタィプとしては、メタードサイズプレスコータ、及びメタードフィルムトランスファロールコータ等が包含されるが、これに限定されるわけではない。

本発明の記録材料において、ポリエチレンイミン系樹脂の塗工量が 0 . 1 5 g m ²未満であると、トナーの定着性が不十分になり、消しゴムでこすると印字がぼやけたり、セロファンテープで印字面が剥離したりする。またそれが 0 . 8 g Z m ²を超えると、トナ一定着向上効果が飽和し、却って経済性が悪化する。

本発明の、液体トナーを用いる電子写真用記録材料の記録面のベック平滑度は、 3 0〜 2 0 0秒であることが好ましく、さらに好ましくは 4 0〜 1 0 0秒である。グラビア印刷等の高精細な印刷のための記録材料には、高い平滑度が要求されるが、これに対して、液体トナーを用いる電子写真用記録材料では、高いトナー定着性が重要である。記録材料の記録面のベック平滑度が 3 0未満では、得られる記録面に対するトナ一の定着性が不十分になり、高速印刷を施したとき、未印刷部分が発生することがある。またそれが 2 0 0秒を超えた場合も、記録面に対するトナーの定着性が不十分になり、画像を消しゴムでこすると画像が不鮮明になることがある。本発明の記録材料の記録面の平滑度は、印刷機中の走行性にも影響があり

、特に高速印刷では重要である。本発明の記録材料の平滑度は、キャレンダ一の線圧を調整することにより適宜に調整することができる。平滑度調整に使用できるキャレンダ一には、オンまたはオフマシンキヤレンダー、オンまたはオフマシンソフトニップキャレンダ一、及びスーパーキャレンダ一などが包含される。

本発明の記録材料の記録装置内の走行性には、その表面の摩擦係数が重要であって、この摩擦係数を 0. 4 0〜 0. 7 5の範囲内に調整することが好ましく、 0. 5 0〜 0. 6 5であることがさらに好ましい。それが 0. 4 0未満では、得られる記録材料が滑りすぎるため、記録材料の重送及び/又は空送などの事故を発生することがある。またそれが 0. 7 5を超えても重送、空送などの事故を発生することがある。記録材料の記録装置内走行性には、当該記録材料の剛度も関与していて、記録材料の厚さは 6 0〜 2 3 0 μ πιであることが好ましく、より好ましくは 8 0 ~ 2 0 0 μ πιである。また、本発明の記録材料の C D方向のクラーク剛度は、 1 3 . 5〜 3 0 . 0 c mであることが好ましく、 1 5. 0〜 2 8. 5 c mであることがより好ましい。記録材料のクラーク剛度（C D方法）が 1 3. 5 c m未満では、得られる記録材料は、そのこわさ不足により印刷機内での給紙ロール、転写ロールなどへの巻き付きを起こすことがあり、また、それが 3 0. 0 c mを超えると、得られる記録材料の記録装置内における給排紙性能が不十分になり、さらに画像の品質 (正確性、鮮明性など）にも悪影響を与えることがある。

本発明の記録材料において、その摩擦係数は、潤滑剤を内添または外添することによって調整されることが好ましい。このために用いられる潤滑剤としては、変性ポリオレフイン系ワックスまたはェマルシヨン、天然油脂、ステアリン酸金属塩などが挙げられる。また、本発明の記録材料のクラーク剛度は、記録材料に前記キヤレンダー処理を施すことによりその密度を変化させることにより調整されることが好ましい。ただし、抄紙における搾水プレス工程におけるプレスの線圧の調整を併用させることも前記クラーク剛度の調整に有効である。

本発明の液体トナーを用いる電子写真用記録材料の坪量は、 5 0 〜 2 2 0 g m ²であることが好ましく、より好ましくは 6 0〜 1 6 0 g Zm²であり、印刷物のカール防止の観点から、本発明の記録材料の透気度（ J I S P 8 1 1 7 ) は、 4 0秒以下であることが好ましく、 1 0〜 4 0秒であることがより好ましい。特に本発明の記録材料（A 4サイズ）に電子写真コピー機により印刷を施した後、これを長手方向（MD) に吊り下げたときの C D軸のカール幅、 M D軸のカール幅、及びねじれのカールの幅を測定して、 A 4サィズ C軸カール幅が 3 0 mm以下、 M軸カール幅が 2 5 mm以下、ねじれカール幅が 2 O mm以下であることが好ましく、この要件を満たす記録材料は P P C用紙に好適である。本発明の記録材料の白色度には特に限定はないが 7 0 %以上であることが好ましく、この場合、印字画像が鮮明に見える。実施例

下記実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。下記実施例及び比較例中、「部」は「質量部」を意味し、「％」は「質量％」を意味する。

実施例 1

ユーカリ材及びオーク材を原料として、 E C F (塩素元素非含有 ) 漂白された L B K P 1 0 0 %からなるパルプを 3 8 0 m 1 の C S F (カナダ標準フリーネス）に叩解し、これに填料として軽質炭酸カルシウム (メディアン径 4. 5 _μ m、王子製紙社製) 1 0. 0質量％、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸（ナショナルスターチ社製、商標：フアイブラン 8 1 ) 0. 0 7質量％、歩留向上剤（協和産業社製、商標：パーコール 1 8 2 ) 0. 0 2質量％を添加して紙料を調製し、これを長網多筒型抄紙機に供給して抄紙し、坪量 6 4. 0 g /m²の原紙を作製した。この原紙の片面に、ポリビニルアルコール（デン力社製、商標： P VAK 1 7 ) 0. 8 g / m²と分子量 7 0， 0 0 0のポリエチレンイミン系樹脂（日本触媒化学社製、商標：ェポミン P 1 0 0 0 ) 0. 8 g /m²とを 2 ロールサイズプレスコータで、塗工し、乾燥して、液体トナーを用いる電子写真用記録材料を製造した。

実施例 2

同様にして液体トナーを用いる電子写真用記録材料を製造した。但し、ポリエチレンイミン系樹脂の塗工量 0. S g /m²を、 0.

4 g /m²に変更した。

実施例 3

実施例 1 と同様にして液体トナーを用いる電子写真用記録材料を製造した。但し、ポリエチレンイミン系樹脂の塗工量 0. 8 g Zm ²を、 0. 1 5 gZm²に変更した。

実施例 4

ユー力リ材を原料として E C F漂白した L B K P 7 0 %とカラ松類を原料として E C F漂白した N B K P 3 0 %とを、 4 5 0 m 1 C

5 Fに叩解し、これに炭酸カルシウム Zタルク（質量比： 7 0Z3 0の混合物） 2 5 %、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマ一

(荒川化学社製、商標： S K S 2 5 9 ) 0. 1 0 %、及び硫酸パンド 0. 5 %を添加して紙料を調製し、これを長網多筒型抄紙機に供給して抄紙し、乾燥して、坪量 1 3 5. O g /m²の葉書用原紙を作製した。この原紙の両面に、ポリビュルアルコール (デン力社製 _¾ 商標： P V A K 1 7 ) を、片面当たり 0. 8 g / m²、及び分子量 7 0 0 0 0のポリエチレンイミン系榭脂（曰本触媒化学社製、商標：ェポミン P 1 0 0 0 ) を片面あたり 0. 8 g Zm²の塗布量で塗工し、液体トナーを用いる電子写真用記録材料（葉書用）を製造した。

実施例 5

実施例 1 と同様にして液体トナーを用いる電子写真用記録材料を製造した。伹し実施例 1で得られた原紙の両面に、片面あたり、ポリビュルアルコール（デン力社製、商標： P VAK 1 7 ) 0. 4 0 gZm²と、分子量 7 0 0 0 0のポリエチレンイミン系樹脂（日本触媒化学社製、商標：ェポミン p l O O O ) 0. 4 g Zm²とをゲ一トロールコータを用いて塗工し、乾燥した。

比較例 1

実施例 1の原紙を、それにポリエチレンイミン系樹脂の塗工を施すことなく、液体トナーを用いる電子写真用記録材料を製造した。比較例 2

実施例 1に記載の原紙の代りに膜厚 2 5 μ mの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用い、.その片面に、ポリエチレンイミン系樹脂（日本触媒化学社製、商標：ェポミン P 1 0 0 0 ) を、塗工量が 0. S g Zm²になるように、グラビアコータを用いて塗工し、乾燥して液体トナーを用いる電子写真用記録材料を作製した。

比較例 3

実施例 1 と同様にして液体トナーを用いる電子写真用記録材料を作製した。但し、ポリエチレンイミン系榭脂の塗工量を、 0. 8 g /m²から 0 . l g Zm²に変更した。

比較例 4

実施例 1 と同様にして、液体トナーを用いる電子写真用記録材料を製造した。伹し、実施例 1 に記載の原紙を、顔料塗工紙（王子製紙社製、商標：口ィャルコ一ト、坪量 8 1. 4 g /m²) に変更し、ポリエチレンイミン系樹脂（日本触媒化学社製、商標：ェポミン P 1 0 0 0 ) をグラビアコータを用いて 1 . 2 g Zm²の塗工量で塗工し、乾燥した。

性能評価

実施例 1'〜 8及び比較例 1〜 5で得られた液体トナーを用いる電子写真用記録材料の物性を下記の方法に測定し、評価を行った。結果を表 1に示す。

(厚さ） J I s P 8 1 1 8に準拠して測定した。

(平滑度） J I s P 8 1 1 9に準拠して測定した。

(摩擦係数） J I s P 8 1 4 7水平法に準拠して測定した。

(剛度） J I s P 8 1 1 6に準拠して測定した。

(透気度） J I s P 8 1 1 7に準拠して測定した。

(ステキヒトサイズ度） J I S P 8 1 2 2に準拠して測定した。 (印刷適性）

液体トナーを用いる電子写真用複写機（商標： E— P R I NT 1 0 0 0 イスラエルインディゴ社製）にて画像出力をおこなった

。得られた画像の黒ベタ部及の反射濃度を反射濃度計（マクベス社製、モデル：「マクベス R Z— 9 1 8」 ) により測定した。

(セロファンテープ剥離試験）

セロファンテープ (商標：セロテープ、ニチパン社製）を、前記黒ベタ印字部上に貼り付け、これをはがしたときの印字部の状態を評価した。 (消しゴム耐性試験）

文字印字部分を消しゴム（トンボ鉛筆社製 P E— 0 4 A) で 2 0回こすって印字の状態を評価した。

(走行性試験）

液体トナーを用いる電子写真複写機（モデル： E— P R I N T 1 0 0 0、 i n d i g o社製）で 1時間の連続印字を行い、給排紙トラブルの有無を評価した。

(コピー後カール測定）

モノク口コピー機（ゼロックス社製、モデル：ドキュテック 1 3

5 )で、黒文字だけから構成される原図を複写原稿として用い、供試記録材料に、片面 3 0枚の連続コピーを施し、最後から 1 0枚を 1束として、この紙束の C D方向が垂直になるように吊り下げて、紙の流れ方向（この場合 C D方向）のカール（C軸カール）、紙の流れに対して垂直方向（この場合 MD方向）のカール（M軸カール）、およびねじれを測定した。なお、コピーするサイズは A 4サイズ縦目とし、カール測定値は曲面の最大 C D方向及び MD方向幅を mm で表し、ねじれ測定は、供試記録材料の左右両端部のカール測定値の差（mm) により表した。

(ブランケット汚れの評価）

液体トナーを用いる電子写真複写機（モデル： P u b 1 i s h e r 4 0 0 0 I n d i g o社製）を用い、供試記録材料 4 0 0 0枚に A 3フルカラ一印字を施し、このときの非画線部のブランケットのトナー残り汚れを以下の基準で評価した。

4 ：殆どよごれはない

3 ：部分的に汚れがある

2 ：全面に汚れがある

1 ：全面にひどく汚れがある表 1

構成物性評価

基材のトナ-定着向上紙厚剛度平滑度ステキヒト反射セ Bファンテ— 消しコ" 走行性フ'、ランケッコヒ一後カール (mm) 組 fi½ 剤の種類及 ( μ πι) MD/CD MD/CD 係数サイス"度濃度 r剥離後ム耐性ト汚れ ① Mサイス"

び塗工量 (cm; (秒）の画像 ②ねじれ (g/m² )

実施例 1 LBKP エホ。ミン 1000 81 19. 2/15. 5 59/54 0. 66 11 1. 58 良好良好良好 3 ① C軸 25、M軸 20

100% 0. 80 ② 7 実施例 2 LBKP エホ。ミン 1000 80 18. 6/15. 0 61/56 0. 62 11 1. 55 良好良好良好 3 ① C軸 19、M軸 25

100% 0. 40 ② 10 実施例 3 LBKP エホ °ミン 1000 81 19. 5/16. 2 58/51 0. 66 11 1. 56 良好良好良好 2 ① C軸 22、M軸 16

100% 0. 15 ② 6 実施例 4 LBKP70% エホ'ミン 1000 161 29. 3/22. 1 35/36 0. 55 45 1. 59 良好良好良好 3 ① C軸 24、M軸 21

NBKP30% 0. 80 ② 7 実施例 5 LBKP エホ。ミン 1000 81 19. 5/15. 55/50 0. 65 11 1. 58 良好良好良好 4 ① C軸 24、M軸 21

100% 0. 40 ② 7 比較例 1 LBKP なし 81 19. 1/16. 1 60/56 0. 68 11 1.48 不不良不 1 ① C軸 18、M軸 12

100% ② 6 比較例 2 ホ°リ Bピェミン 1000 25 3. 1/3. 6 40000/ 0. 13 一 ― 一きわめ 1 コピ-機通らず

レンフィルム 0. 80 60000 て不良

比較例 3 LBKP エホ。ミン 1000 82 19. 9/16. 7 54/51 0. 61 11 1. 44 不良不良良好 1 ① C軸 26、M軸 26

100% 0. 10 ② 4 比較例 4 顔科塗工エホ'ミン 1000 75 14. 9/13. 0 190/ 0. 71 20 1. 69 良好良好不良 2 コヒ。 -機シ、、ャムトラフ"ル

紙 0. 12 240 5B生

表 1から明らかなように本発明に従って、ポリエチレンイミンを、紙基体の片面当り 0 . 1 5〜 0 . 8 g / m ²の塗工量で塗工した液体トナーを用いる電子写真記録画像は、トナー定着性、特に消しゴム等耐摩擦性にすぐれ、給排紙トラブルが無く、リサイクル可能な優れた記録材料であることが確認された。産業上の利用可能性

本発明の液体トナーを用いる電子写真用記録材料は、葉書、一般の印刷用紙（多色対応）、インクジエツト用紙、耐水性を要求されるインクジェット用紙、フォーム用紙、 P P C用紙、熱転写受容紙、テキスト用紙、及びラミネート用剥離原紙等として有用である。

Claims

求の範

1. 顔料塗工層を有していない紙基体と、前記紙基体の少なくとも一面に、トナー定着向上剤として片面当り 0. 1 5〜 0. 8 g Zm²の塗工量で塗工されたポリエチレンィミン系樹脂とを含むことを特徴とする、液体トナーを用いる電子写真用記録材料。

2. 前記ポリエチレンィミン系樹脂が塗工されている表面の、 J I S P 8 1 1 9に準拠して測定されたベック平滑度が 3 0〜 2 0 0秒であり、かつ J I S P 8 1 4 7に準拠して測定された摩擦係数が 0. 4 0〜 0. 7 5である、請求の範囲第 1項に記載の、液体トナーを用いる電子写真用記録材料。

3. J I S P 8 1 1 6に準拠して測定された C D (横手）方向クラーク剛度が 1 3. 5〜 3 0. 0 c mである、請求の範囲第 1項又は第 2項に記載の、液体トナーを用いる電子写真用記録材料。

4. 前記紙基体に対する前記ポリエチレンィミン系樹脂の塗工が、トランスファロールコータ方式の塗工によりなされたものである、請求の範囲第 1〜 3項のいずれか 1項に記載の、液体トナーを用いる電子写真用記録材料。