JP3876774B2 - 電子写真用転写紙及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、間接乾式電子写真方式のフルカラー複写機及びプリンターに用いられる電子写真用転写紙であって、白紙部の光沢が高く、風合い及び画像部コントラストに優れ、転写領域あるいは定着領域での走行トラブルの発生のない、軽量の電子写真用転写紙及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オンデマンド出版物の分野では、より手軽に、また小部数への対応が可能なことから、これまで印刷により得ていた出版物を、カラー複写機、カラープリンターにより得ようという動きが顕著になっている。これに対応させるため、カラー複写機、カラープリンターの開発においては、高速化及び高画質化が進められている。
【0003】
上記高画質化については、画像形成される紙として、これまで複写機等に通常に用いられてきたPPC用紙、プリンター用紙に代わり、商業用印刷の分野に用いられてきた高い白紙光沢度を有する塗工紙が、得られる画像の鮮やかさから、カラー複写機、カラープリンターに用いられるケースが増えてきている。また、上記塗工紙は、特にオンデマンド性を要求されるカタログあるいは小冊子の本文用紙、チラシ、リーフレットなどに、軽くて嵩張らず、かつ、高白紙光沢を有するという点から、要求が高まってきているものである。
【0004】
電子写真方法によりカラー画像を形成する方法としては、感光材料(潜像担持体)表面に、色分解光を照射して色別に静電潜像を形成し、これら色別の静電潜像を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)等のカラートナーにより逐次現像して色別にカラートナー画像を形成し、各色のトナー画像を当該トナー画像を形成するたびごとに転写体表面に重ね合わせて転写し、これらのトナー画像を加熱し、定着してカラー画像を形成する方法がある。また別の方法としては、前記色別のカラートナー画像を転写体ではなく感光材料表面に重ね合わせて形成し、この重ね合わされたカラートナー画像を転写体表面に一括転写し、これを加熱し、定着してカラー画像を形成する方法がある。
【0005】
しかし、電子写真方法のフルカラー複写機及びプリンターに、このような軽くて、嵩張らない塗工紙を用いると、装置内での転写領域あるいは定着領域での走行トラブルが発生する場合がある。例えば、転写領域では転写紙(被転写体)である塗工紙が帯電し、トナーが塗工紙に転写された直後、帯電状態にある塗工紙が用紙搬送方向にある転写部材に静電吸着を起こし、走行トラブルを起こす。また、定着領域では、トナーを塗工紙に溶融定着する際に、溶融しているトナーと定着部材との間に接着力が生ずるため、従来の比較的重くて嵩高い転写紙の場合は、紙の腰で定着部材からの剥離が可能であるが、軽くて嵩張らない塗工紙の場合は、紙が定着部材から速やかに剥離できず、剥離不良の痕が残ったり、あるいは、剥離できず定着領域でジャムが発生したりすることとなる。
【0006】
さらに、これらの走行トラブルは、用紙(被転写体)の両面に画像形成を行う場合により顕著に発生する。通常、両面に画像形成を行う場合には、片面にトナー画像を形成し、この画像を溶融定着した後に、もう一方の面にトナー画像を形成し、再度トナーの溶融定着を行う。この場合、最初のトナーの溶融定着の際に、用紙内の水分が蒸発し、用紙がカールする、あるいは、波打つといった現象が発生する。そのため、二面目の画像形成の時に、転写領域あるいは定着領域を用紙が通過する際に、用紙先端部が転写部材あるいは定着部材に巻きつきやすい方向にカールあるいは波打ちが発生している場合、それぞれの部材から剥離することが困難となり、走行トラブルを起こしやすくなる。通常、両面が高白紙光沢のある塗工紙は、白紙光沢度を付与させるために、塗工後にカレンダー掛けによる表面の平滑化を行うため、白紙光沢度の低い転写紙に比べ、嵩が低くなっており、上記の機内での走行トラブルが発生しやすくなる。
【0007】
上記軽量電子写真用転写紙の走行トラブルに関しては、高速引張弾性率の縦横相乗平均値を2.70GPa以下にする方法(特開平8−262781号公報)、基材にキトサン、ポリアクリルアマイドを添加する方法(特開平11−174719号公報、特開平11−227346号公報)等、さまざまな方法が提唱されているが、これらはいずれも非塗工紙に関するものであり、前記塗工紙を転写紙とする場合に適用できない。
【0008】
また、軽量印刷用紙の分野では、高温でのソフトニップカレンダー処理を行うことでいわゆる軽量、嵩高な塗工紙を得る方法(例えば、特開2000−64195号公報、特開2000−336593号公報等)、あるいは、高光沢発現性を有する中空有機顔料を塗工層に添加することで、低カレンダー線圧でやはり軽量、嵩高な塗被紙を得る方法(例えば、特開平6−235194号公報、特開2001−164496号公報等)などが多数提唱されている。しかし、これらの先行技術では、軽くても嵩張らなく、かつ、光沢を有する塗工紙を得ることができない。
【0009】
さらに、前記トナー転写領域あるいは定着領域で走行トラブルを生じるという現象は、従来印刷で得てきた出版物を、高速化に対応したカラー複写機あるいはプリンターで得ようとする、市場動向の進行により顕在化してきた問題であり、この問題の解決手法について、具体案を示している先行技術は見当たらない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、基材の両面に塗工層が形成され、高い白紙光沢度を有する軽量の電子写真用転写紙であって、フルカラー複写機等に使用した場合でも機内での走行トラブルの発生がなく、風合い、画像コントラストに優れた高画質の画像が得られる電子写真用転写紙の提供を目的とする。
さらに、両面にフルカラー画像を作成した際にも機内での走行トラブルの発生がなく、風合い、画像コントラストに優れた高画質の画像が得られる電子写真用転写紙及びフルカラー画像形成方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
基材の両面に受像面としての塗工層を有する電子写真用転写紙であって、坪量が40〜100g/m2の範囲、密度が1.00〜1.40g/cm 3 の範囲、白紙光沢度が45%以上、平滑度が200〜4000秒の範囲であり、かつ、CD曲げこわさが0.40〜2.50mN・mの範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙である。
【0012】
また、本発明は、潜像担持体表面に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像されたトナー画像を被転写体に転写する工程、及び被転写体表面のトナー画像を加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、前記被転写体が請求項1に記載の電子写真用転写紙であり、被転写体の両面にトナー画像が形成されることを特徴とする画像形成方法である。
【0014】
さらに、前記基材は、古紙パルプが配合されたものであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真用転写紙は、基材の両面に受像面としての塗工層を有する電子写真用転写紙であって、坪量が40〜100g/m2の範囲、密度が1.00〜1.40g/cm 3 の範囲、白紙光沢度が45%以上、平滑度が200〜4000秒の範囲であり、かつ、CD曲げこわさが0.40〜2.50mN・mの範囲であることを特徴とする。
【0017】
前記のように、カラー複写機、プリンタ内での走行トラブルには、転写紙の強度や表面性が関係していると考えられる。一般に、塗工紙表面に50%以上の光沢を付与するためには、基紙(基材)の表面に塗料を塗布した後、カレンダー処理がなされる。しかし、このカレンダー処理により、塗工紙はつぶされ、紙としての強度が低下する。
【0018】
この点に関し、本発明者等は、これまで市場に出ている両面に受像面を有し、白紙光沢度が50%以上であり、用紙坪量が100g/m2以下の塗工紙をカラー複写機、プリンターに使用した場合、例外なく走行トラブルを発生することを確認した。
【0019】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、転写紙表面の平滑度と、用紙(転写紙)のCD曲げこわさ(CD方向の曲げ強さ)を制御することにより、転写領域および定着領域での走行トラブルを回避できることを見出した。
ここで、上記CD方向とは、基材となる紙類において繊維の流れ方向(即ち、抄紙方向)をMD(Machine Direction) 方向とした時、これに垂直な方向(CD(Cross Direction))と規定される。
【0020】
前記のように、用紙の曲げこわさ方向をCD方向としたのは、用紙内において、パルプ繊維は通常抄紙時の流れ方向(MD方向)に配列しているため、用紙の強度及び曲げこわさは、MD方向の方が大きくなり、CD方向は通常小さくなる。したがって、用紙の搬送方向と用紙におけるCD方向とが平行になった場合に走行トラブルが発生しやすくなると考えられたため、CD方向曲げこわさを走行トラブル低減のための因子として採用したものである。
【0021】
また、トナー転写領域及び定着領域での用紙(被転写体)走行トラブルは、転写領域の場合は、転写領域周辺部材への用紙の静電吸着が、定着領域の場合は、用紙表面に付着した溶融トナーの定着部材への吸着が各々発生し、用紙自体の腰での剥離力が、これらの吸着力に劣ることが原因となる。本発明者らは、上記吸着の程度には、用紙表面の平滑性が影響を与えていることを確認した。すなわち、転写領域において、帯電した用紙表面の平滑性が高い場合、前記周辺部材との接触面積が大きくなり、用紙と周辺部材との吸着力は増大する。定着領域においては、用紙表面の平滑性が高くなると、それに伴い用紙表面の溶融トナー表面も平滑性が大きくなり、用紙と定着部材との接触面積が大きくなり、吸着力が増大する。
【0022】
本発明者らは、さらに鋭意検討を重ねた結果、用紙の平滑度を、王研式平滑度で200〜4000秒の範囲となるようすることが、用紙表面の白紙光沢度を維持したまま、転写領域及び定着領域での走行トラブルを防ぐために必要であることを確認した。
【0023】
前記用紙の平滑度が200秒より低いと、白紙光沢度が維持できない。また、用紙の平滑度が4000秒を超えると、用紙が周辺部材等へ吸着したときの吸着力が大きくなりすぎて、用紙を周辺部材から剥離できない。上記用紙の平滑度としては、300〜3000秒の範囲であることが好ましく、500〜2000秒の範囲であることがより好ましい。
【0024】
なお、前記王研式平滑度は、JAPAN TAPPI No.5に従い、旭精工株式会社製王研式デジタル表示型透気度平滑度測定機(型番 EY型)により行った。
【0025】
また、用紙が転写領域あるいは定着領域に安定的に突入し、さらに剥離する際に必要な用紙のCD曲げこわさは、0.40〜2.50mN・mの範囲であること必要である。上記CD曲げこわさが、0.4mN・mより小さいと、転写領域あるいは定着領域に突入する際に、座屈してしまったり、あるいはそれぞれのパートで部材に吸着した用紙が部材から剥離できなかったりする。また、CD曲げこわさが2.50mN・mを超えると、例えば、両面プリント時に機械内部で用紙方向を反転する際に、腰が強すぎて走行トラブルが発生する。
【0026】
上記CD曲げこわさの値は、0.45〜2.00mN・mの範囲であることが好ましく、0.50〜1.80mN・mの範囲であることがより好ましい。
【0027】
なお、用紙のCD曲げこわさは、熊谷理機工業株式会社製曲げこわさ試験機(型番2048−BF)を用いて、ISO 2493に準じて、幅38mmの試験片について、曲げ角度を15°、試料台のスパンを10mmとしたときの測定値を求めた。
【0028】
さらに、本発明の電子写真用転写紙は、用紙(被転写体)の坪量が40〜100g/m2の範囲であって、白紙光沢度が45%以上の、両面が塗工層を有することを必要とする。
用紙の坪量が40g/m2より小さいと、用紙の腰が小さくなりすぎて、転写領域あるいは定着領域での用紙と部材との吸着から用紙を剥離できない。また、用紙の坪量が100g/m2を超えると、通常カタログあるいは小冊子の本文用紙、チラシ、リーフレットに用いられる軽量コート紙と同等の風合いが得られない。
【0029】
上記カタログあるいは小冊子の本文用紙、チラシ、リーフレットによく利用されるのは、坪量が60〜85g/m2の範囲の塗工紙であり、本発明においても、この60〜85g/m2の範囲で設計がなされることが好ましい。
なお、用紙の坪量の測定は、JIS P−8124に従って行った。
【0030】
一方、前記白紙光沢度に関しては、白紙光沢度が45%より小さいと、用紙表面に形成された画像に鮮明さが得られない。より好ましい白紙光沢度の範囲は、トナー画像部光沢度との調和の観点から45〜80%の範囲であり、50〜75%の範囲であることがさらに好ましい。
なお、白紙光沢度は、JIS P−8124に従い、入射角度75°で測定した。
【0031】
また、本発明の電子写真用転写紙は、従来のカタログ等の塗工紙と同様な風合いを持たせ、かつ、製造コストを下げるという観点から、基材の両面に顔料と接着剤とを主成分とする塗工層を有することが必要とされる。
なお、上記塗工層については後述する。
【0032】
用紙の密度が0.90g/cm3より小さい、あるいは1.50g/cm3を超えると、用紙の紙厚が、通常、カタログあるいは小冊子の本文用紙、チラシ、リーフレットに用いられる塗工紙と大きく異なるため、持ったときの触感、風合いが、これらと大きく変わってしまう場合がある。本発明における用紙の密度としては、1.00〜1.40g/cm3の範囲であり、1.10〜1.35g/cm3の範囲であることがさらに好ましい。
なお、用紙の密度及び厚さは、JIS P−8118に従って測定した。
【0033】
本発明の電子写真転写紙の基材としては、特に限定されるものではないが、合成樹脂のフィルム及びシート、あるいは種々の繊維シートが用いられる。使用される繊維は、特に限定されるものではないが、通常の一般塗工紙の基紙(基材)に用いられるパルプ繊維、例えば、サルファイトパルプ繊維、クラフトパルプ繊維、セミケミカルパルプ繊維、ケミグラウンドパルプ繊維、砕木パルプ繊維、リファイナーグラウンドパルプ繊維、サーモメカニカルパルプ繊維等の他、綿パルプ繊維、麻パルプ繊維、ケナフパルプ繊維、バルカナイズドファイバー、ビスコースレーヨン繊維、銅アンモニアレーヨン繊維、セルロースアセテート繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリビニールアルコール共重合体、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、フルオロカーボン系繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維、シリコンカーバイド繊維等を単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
【0034】
また、必要に応じて、前記パルプ繊維にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の合成樹脂を含浸あるいは熱融着させて得られた繊維を使用することもできる。さらに、前記パルプ繊維等を用いて抄造されたシート自体を合成樹脂で含浸することもできる。
【0035】
本発明に用いられる基材には、近年の環境問題を考慮し、上質系及び中質系の古紙パルプを添加することが望ましく、その配合量は用途に応じて決定されるが、全繊維中30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
【0036】
前記本発明の電子写真用転写紙のCD曲げこわさを0.40〜2.50mN・mの範囲とするための具体的態様としては、基材の作製方法として、通常用いられるパルプ繊維を用いる場合には、叩解を進めず繊維自体の強度を保持した繊維に、繊維間の結合をさらに強固とするような水溶性バインダー(ポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド樹脂等)を適量添加していく方法、あるいは、叩解を進めた微細繊維と、あまり叩解を進めずに繊維自体の強度を保持した繊維と、前記水溶性バインダーとの組み合わせにより、高い強度の繊維と繊維との間を微細繊維及び水溶性バインダーによる結合で埋めていく方法、等が挙げられる。
【0037】
また、主繊維として、ポリエステル系繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セルロースアセテート繊維、金属繊維等の合成繊維の中で強度に優れるものを選択していく方法もあるが、材料コストを考えた場合、上記木材パルプを用いる方法が有利である。
【0038】
また、本発明に用いられる基材には、塗工適性をよくするため、並びに、塗工後の不透明度及び白色度の調整のため、填料を使用することが好ましい。ここで使用できる填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、パイオロフェライト、セリサイト、タルク等の珪酸類、二酸化チタン等の無機填料、及び尿素樹脂、ポリスチレン等の有機樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの填料の配合量は、特に限定されるものではないが、1〜20質量%の範囲であることが好ましく、3〜15質量%の範囲であることがより好ましい。
【0039】
また、本発明に用いられる基材に使用するサイズ剤等の各種薬品は、内添または外添により使用することができる。上記サイズ剤の種類は、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤を挙げることができ、硫酸バンド、カチオン化澱粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合わせても使用できる。電子写真方式の複写機、プリンター等におけるコピー後の用紙保存性の観点から、中性サイズ剤、例えば、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニルケテンダイマー、中性ロジン、石油サイズ、オレフィン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等が好ましい。
【0040】
さらに、用紙の電気抵抗値を調整する目的で塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機物や、アルキルリン酸エステル酸、アルキル硫酸エステル酸、スルホン酸ナトリウム塩、第4級アンモニウム塩等の有機系の材料を単独あるいは混合して使用することができる。
【0041】
この場合、用紙の体積抵抗率は、1×109〜1×1014Ω・cmの範囲であることが好ましく、1×1010〜1×1012Ω・cmの範囲であることがより好ましい。
なお、ここでいう体積抵抗率は、抵抗率計及び抵抗測定チャンバー(商品名:R8340及びR12704、アドバンテスト社製)を使用し、JIS K−6911に準じて、23℃、50%RH環境下で印加電圧100V、電極50mmφの条件で測定されたものである。
【0042】
また、前記基材には、紙力増強剤を内添あるいは外添することができる。
上記紙力増強剤としては、でんぷん、変性でんぷん、植物ガム、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、ポリアミド−エピクロルヒドリン系樹脂、メチロール化ポリアミド、キトサン誘導体等が挙げられ、これらの材料を単独あるいは混合して使用することができる。この他に、染料、pH調整剤等、通常の塗工紙用基材に配合される各種助剤が適宜使用される。
【0043】
次に、本発明の電子写真用転写紙の塗工層について説明する。
上記塗工層に用いられる顔料としては、通常の一般塗工紙に用いられる顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドクレー、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルムアルデヒド樹脂微粒子、微小中空粒子、及びその他の有機系顔料等を単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
【0044】
本発明における塗工層に用いられる接着剤としては、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系、酢酸ビニル−ブチルアクリレート系等の各種共重合体;ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等の天然系接着剤;等の一般に知られた接着剤が挙げられる。
【0045】
これらの接着剤は前記顔料100質量部当たり5〜50質量部、より好ましくは10〜30質量部の範囲で使用される。また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗工用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
【0046】
本発明における塗工層の設計においては、高光沢でありながら、平滑性を抑えるために、カレンダーによる平滑化処理の際に顔料配向が容易な顔料、例えば、前記有機系顔料、柱状炭酸カルシウム、柱状カオリン等の顔料を用いることが好ましい。
【0047】
本発明における塗工層中には、顔料100質量部中、前記有機系顔料あるいは柱状系の炭酸カルシウムあるいはカオリン顔料が5質量部以上配合されることが好ましく、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは、25質量部以上配合されることが好ましい。前記有機系顔料、柱状系顔料は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0048】
また、接着剤としては、前記合成系接着剤の中でもガラス転移温度が高いもの、例えば、スチレン−ブタジエン系ならばスチレンモノマー配合比が65%以上のもの、あるいは、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−ブチルアクリレート系等を用いることが好ましい。上記ガラス転移温度としては、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。
【0049】
上記のように調製された塗工組成物は、一般の塗工紙製造に使用される塗工装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等を用い、オンマシンあるいはオフマシンによって基材表面に一層あるいは多層に分けて塗工される。
【0050】
前記塗工層は、乾燥重量で片面に8〜50g/m2の範囲となるように塗工されることが好ましく、10〜25g/m2の範囲となるように塗工されることがより好ましい。
【0051】
なお、本発明においては、上記塗工層が基材の両面に形成されることが必要である。この場合、塗工される材料の組成は両面で同じでもよく、異なっていてもよい。また、塗工される量も両面で同じでもよく、異なっていてもよい。
【0052】
塗工後の平滑化処理は、通常用いられる平滑化装置、例えば、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー等が用いられ、白紙光沢度が45%以上になるように仕上げられる。
【0053】
また、用紙に安定したフィード性を付与するために、用紙の紙間静摩擦係数が0.5〜0.9の範囲となるように仕上げることが好ましく、0.5〜0.75の範囲に仕上げることがより好ましい。
なお、ここでいう紙間静摩擦係数は、特開平8−171226号公報に記載の方法で測定されたものであり、測定環境は、10℃、15%RHと、23℃、50%RHと、25℃、65%RHと、28℃、85%RHとである。
【0054】
特に、高光沢を有する塗工紙の場合、高温高湿環境下で紙間静摩擦係数が高くなる傾向にあるが、これを抑える方法として、用紙のこわさを上げる、用紙の表面の平滑性を下げるといった方法を採ることができる。これらの方法により、高温高湿環境下での紙間静摩擦係数が低く抑えられる理由は明確ではないが、紙間静摩擦係数測定において用紙がずらされる際に、下の用紙のこわさが低く、かつ平滑性が高い場合、上の用紙のずれに下の用紙が追従しやすいのに対し、こわさを上げる、あるいは、平滑性を下げることによりこの追従が抑えられ、上の用紙がずれやすくなるものと考えられる。この用紙のずれやすいほど、重送あるいはミスフィードといった走行トラブルが起こりにくくなる。
【0055】
本発明の電子写真用転写紙の、製品としての開封直後の用紙中の水分率は、3〜6.5%の範囲であることが好ましく、4.5〜5.5%の範囲であることがより好ましい。従って、水分率が上記範囲となるように抄紙機、コータのドライヤー及びカレンダー工程等で調整する。また、製品としての本発明の電子写真用転写紙は、保管時に吸脱湿が発生しないように、ポリエチレンラミネート紙等の防湿包装紙やポリプロピレン等で包装される。
【0056】
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像されたトナー画像を被転写体に転写する工程、及び被転写体表面のトナー画像を加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、被転写体として前述の電子写真用転写紙を用いて、被転写体の両面にトナー画像が形成されることを特徴とする。
【0057】
以下、本発明の画像形成方法に関して詳細に説明する。
本発明者等は、これまで市場に出ている両面に受像面を有し、白紙光沢度が50%以上であり、用紙坪量が100g/m2以下の塗工紙をカラー複写機、プリンターに使用した場合、例外なく走行トラブルを発生することを確認したが、さらに、片面プリント時には、走行トラブルの頻度の小さいものでも両面プリント時には走行トラブルの頻度が上昇するものがあることを見出した。
【0058】
本発明者らはこの原因について鋭意検討した結果、この走行トラブルは、片面プリント時にトナーが溶融定着される際に発生する、用紙のカール形状及び波打ち形状が影響を与えていることを認めた。すなわち、用紙の先端がカールあるいは波打ちにより、転写部材あるいは定着部材に巻き付きやすい方向にカールすることにより、用紙が部材から剥離できず、走行トラブルを引き起こす。さらにこの用紙の先端のカールは、画像密度、走行時の外部環境、定着器の構造及び定着領域から転写領域までの経路により、一律ではなく、被転写体として本発明の電子写真用転写紙を用いることで初めて、この走行トラブルが改善できることを認めた。
【0059】
図1は、本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、感光体11を備え、感光体11の周りには、ローラ型帯電器12、露光装置13、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各現像剤を内蔵した現像器14a、14b、14c、14dが組み込まれた現像装置14、ベルト状の中間転写体15、クリーナー16、及び光除電器17が、この順序で配置されている。中間転写体15は、支軸ローラー18a、18b、18cにより張架されている。支軸ローラー18aは、中間転写体15を介して、感光体11と圧接されている。支軸ローラー18cは、中間転写体15を介して、転写用ロール19と圧接されている。また、転写用ロール19により、被転写体7に転写されたトナー画像6を定着させる加熱ローラ1と加圧ローラ2からなる熱ロール定着器を備える。
【0060】
図1に示す画像形成装置を用いて以下のように画像が形成される。帯電器12により帯電させた感光体(潜像担持体)11表面を、露光装置13により、シアン、マゼンタ、イエローの各画像情報に基づいて露光して感光体11表面に潜像を形成させる。この感光体11表面の潜像は、現像装置14に組み込まれた現像器14a、14b、14c、14dによりそれぞれ現像され、トナー画像が形成される。現像されたトナー画像は、ベルト状の中間転写体15表面に転写される。中間転写体15表面のトナー画像は、中間転写体15の矢印P方向への進行に伴い、支軸ローラー18cと中間転写体15を介して圧接されている転写用ローラ19との間まで移動する。中間転写体15表面のトナー画像は、支軸ローラー18cと中間転写体15を介して圧接されている転写用ローラ19との間(ニップ部)を通過する際、該ニップ部に挿通された被転写体7表面に転写される。被転写体7表面に転写されたトナー画像は、被転写体7を加熱ローラ1と加圧ローラ2との間を通過させることにより被転写体7表面に定着され、画像が形成される。なお、感光体11表面のトナー画像を被転写体20に転写した後、感光体11表面に残存したトナー画像はクリーナー16よって除去され、感光体11表面に残存した残留電荷は光除電器17によって除電され、次の画像形成に備える。
【0061】
上記のような画像形成において、被転写体7として本発明の電子写真用転写紙を用いれば、片面プリントの場合だけでなく両面プリントの場合も、ほとんど走行トラブルが発生することなく、良好な画像を得ることができる。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。なお、実施例中及び比較例中にある「部」とあるのは、特に断らない限り、質量部とし、「%」は質量%を意味する。
【0063】
(実施例1)
<電子写真用転写紙の作製>
LBKP(フリーネス(CSF)=500ml)20部、及びNBKP(フリーネス(CSF)=500ml)80部のパルプスラリーに、紙力増強剤として、ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:PS3874−20、荒川化学工業社製)2.5%を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、pH値が5.6、固形分濃度が0.3%の紙料スラリーを調製した。
【0064】
この紙料スラリーをオリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、酸化澱粉(商品名:エースC、王子コンスターチ(株)社製)を、塗布量が、乾燥重量で2.5g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより、王研式平滑度が70秒になるようにかなり強い平滑化処理を施し、坪量が55g/m2の基紙(基材)を得た。
【0065】
次に、柱状形の軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS、奥多摩工業(株)社製)25部、及びカオリン(商品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)社製)75部からなる顔料成分100部に対し、接着剤として酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)3部(顔料に対する固形比:以下同様)及び合成接着剤(商品名:Nipol LX430、日本ゼオン(株)社製)10部、分散剤(商品名:アロンT−40、東亜合成(株)社製)0.3部を配合し、塗工組成物を得た。
【0066】
上記塗工組成物を、前記基紙の表面に、片面の塗工量が12.5g/m2となるようにブレードコータにより両面塗工し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで、用紙表面の白紙光沢度が60%となるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙1を作製した。
【0067】
<電子写真用転写紙の評価>
上記電子写真用転写紙1について以下の評価を行った。
−坪量、白紙光沢度、用紙厚み・密度の評価−
坪量は、JIS P−8124の方法に従い、白紙光沢度は、JIS P−8142に従い入射角度75度で測定した。また、用紙の厚み・密度は、JIS P−8118の方法に従い測定した。
【0068】
−平滑度、CD曲げこわさの評価−
用紙の平滑度は、王研式平滑度(JAPPN TAPPI No.5)の方法に従い測定した。また、用紙のCD曲げこわさは、幅38mmの試料について、曲げこわさ試験機(熊谷理機工業製)を用いて、曲げ角度を15°とし、試料台のスパンを10mmとして測定した。
【0069】
−体積抵抗率及び用紙水分の測定−
抵抗率計及び抵抗測定チャンバー(商品名:R8340及びR12704、アドバンテスト社製)を使用し、JIS K−6911に準じて、23℃、50%RH環境下で印加電圧100V、電極50mmφの条件で測定した。用紙の水分は、23℃、50%RH環境下で、JIS P−8127の方法に従い、測定した。
【0070】
−紙間静摩擦係数の測定−
紙間静摩擦係数は、特開平8−171226号公報に記載の方法で、10℃、15%RH(低温低湿環境)と、23℃、50%RHと、25℃、65%RHと、28℃、85%RH(高温高湿環境)との4環境で測定した。
【0071】
−実機走行テスト−
走行テストは、富士ゼロックス社製の乾式間接電子写真方式のデジタルカラー複写機DocuColor1250CPを用いて実施した。用紙(被転写体)はA4サイズ縦目用紙とし、長辺を先端として走行させた。それぞれ両面プリントモードで100枚ずつ走行させ、転写領域及び定着領域での走行トラブル発生枚数を確認した。なお、片面時に転写領域で走行トラブルが発生した用紙は、定着領域を通過しないため、定着領域走行枚数は(100−片面時転写領域走行トラブル枚数)枚とした。また、片面時に定着領域で走行トラブルが発生した用紙は、両面時通過しないため、両面時転写領域走行枚数は、(100−片面時走行トラブル枚数)枚とした。同様に、両面時定着領域走行枚数は、(100−片面時走行トラブル枚数−両面時転写領域走行トラブル枚数)枚とした。
【0072】
−風合い評価−
市販のコート紙であるOKトップコートN84.9g/m2と比較して、手触り感、用紙を持ったときに感じる厚み感について下記の評価基準で評価した。
◎:ほとんど同じで差がわからないレベル。
○:手触り感、厚み感でわずかに差があるが、気にならないレベル。
△:手触り感、厚み感が異なり、気になるレベル。
×:ザラザラした手触り感があり、ポッテリとした厚み感があり、非常に気になるレベル。
【0073】
−画像コントラスト評価−
前記デジタルカラー複写機DocuColor1250CPを用いて、ISO/JIS−SCIDサンプル(日本規格協会発行)の画像識別番号N1(画像名称:ポートレート)を出力し、画像コントラストについて、下記の評価基準で評価した。
◎:画像部光沢度と白紙光沢度との差がなく優れている。
○:画像部光沢度と白紙光沢度との差がほとんどなく良好である。
△:画像部光沢度と白紙光沢度との差がわずかに劣っている。
×:画像部光沢度と白紙光沢度との差が大きく、著しく劣っている。
以上の結果をまとめて表1に示す。
【0074】
(実施例2)
LBKP(フリーネス(CSF)=200ml)80部、及びNBKP(フリーネス(CSF)=400ml)20部のパルプスラリーに、紙力増強剤として、ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:PS3874−20、荒川化学工業社製)1.7%を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、pH値5.4、固形分濃度0.5%の紙料スラリーを調製した。
【0075】
この紙料スラリーをオリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、ポリビニールアルコール(商品名:クラレポバールPVA−117、クラレ(株)社製)を、塗布量が、乾燥重量で3.0g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより、王研式平滑度が70秒となるように平滑化処理を施し、坪量が55g/m2の基紙(基材)を得た。
【0076】
この基紙を用いて、実施例1と同様にして、塗工層形成及び表面処理を行い、白紙光沢度が65%、坪量80g/m2の電子写真用転写紙2を作製した。
上記電子写真用転写紙2について、実施例1と同様の評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0077】
(実施例3)
柱形状の軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS、奥多摩工業(株)社製)30部、カオリン(商品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)社製)40部、及びスチレン−アクリル系有機顔料(商品名:Nipol MH5055、日本ゼオン(株)社製)30部からなる顔料成分100部に対し、接着剤として酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)社製)3部(顔料に対する固形比)及び合成接着剤(商品名:Nipol LX430、日本ゼオン(株)社製)11部、分散剤(商品名:アロンT−40、東亜合成(株)社製)0.3部配合し、塗工組成物を得た。
【0078】
上記塗工組成物を、実施例2と同様の方法によりで得られた坪量55g/m2の表面に、片面の塗工量が12g/m2となるようにブレードコータにより両面塗工し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで、用紙表面の白紙光沢度が約70%となるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙3を作製した。
上記電子写真用転写紙3について実施例1と同様の評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
【0079】
(実施例4)
LBKP(フリーネス(CSF)=150ml)20部、及びNBKP(フリーネス(CSF)=500ml)80部のパルプスラリーに、紙力増強剤として、ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:PS3874−20、荒川化学工業社製)5.0%を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、pH値が5.8、固形分濃度が0.05%の紙料スラリーを調製した。
【0080】
この紙料スラリーをオリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて抄紙し、次いで、この湿紙に、酸化澱粉(商品名:エースC、王子コンスターチ(株)社製)を、塗布量が、乾燥重量で2.5g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより、王研式平滑度が30秒になるように強い平滑化処理を施し、坪量が55g/m2の基紙(基材)を得た。
【0081】
次に、柱状形の軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS、奥多摩工業(株)社製)35部、及びカオリン(商品名:ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)社製)35部、及びスチレン−アクリル系有機顔料(商品名:Nipol MH5055、日本ゼオン(株)社製)30部からなる顔料成分100部に対し、接着剤として酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)3部(顔料に対する固形比)及び合成接着剤(商品名:Nipol LX430、日本ゼオン(株)社製)10部、分散剤(商品名:アロンT−40、東亜合成(株)社製)0.3部を配合し、塗工組成物を得た。
【0082】
上記塗工組成物を、前記基紙の表面に、片面の塗工量が12.5g/m2となるようにブレードコータにより両面塗工し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで、用紙表面の白紙光沢度が50%となるように平滑化処理を行い、坪量80g/m2の電子写真用転写紙4を作製した。
上記電子写真用転写紙4について実施例1と同様の評価を行った。
結果をまとめて表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
(比較例1)
電子写真用転写紙として、市販の印刷用塗工紙(商品名:OKトップコート、84.9g/m2、王子製紙(株)社製)をそのまま使用し、実施例1と同様の評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
【0085】
(比較例2)
電子写真用転写紙として、市販の印刷用塗工紙(商品名:OKコートL、79.1g/m2、王子製紙(株)社製)をそのまま使用し、実施例1と同様の評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
【0086】
(比較例3)
電子写真用転写紙として、市販の印刷用塗工紙(商品名:ニューエイジ、81.4g/m2、王子製紙(株)社製)をそのまま使用し、実施例1と同様の評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
【0087】
(比較例4)
電子写真用転写紙として、市販の印刷用塗被紙(商品名:ピレーヌDX、79.1g/m2、日本製紙(株)社製)をそのまま使用し、実施例1と同様の評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
【0088】
(比較例5)
電子写真用転写紙として、市販の印刷用塗工紙(商品名:ミラーコートプラチナ157.0g/m2、王子製紙(株)社製)をそのまま使用し、実施例1と同様の評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】
表1に示した結果から明らかなように、実施例の本発明の電子写真用転写紙は、転写領域及びび定着領域での走行トラブルがなく、かつ、印刷市場で一般に使用されている市販の高光沢を有する塗工紙と同等の風合い及び画像部コントラストを有する。
【0091】
それに対して、表2に示した比較例1及び2の高白紙光沢度を有する市販塗工紙は、転写領域及び定着領域で走行トラブルを起こし、電子写真用転写紙として実用に耐えることができないレベルである。また、比較例3及び4に示した市販の光沢度の低い塗工紙は、転写領域及び定着領域での走行トラブルは、発生しにくい傾向にあるが、風合い及び画像部コントラストに関し大きく劣る。さらに、比較例5に示した市販の塗工紙では、用紙のCD方向の曲げこわさが大きすぎて走行トラブルが発生してしまう。
【0092】
従って、本発明の電子写真用転写紙は、従来の塗工紙に比べ、電子写真方式の複写機及びプリンターでの走行性において優れた信頼性を有し、かつ、高画質を達成することができ、その製品価値は極めて大なるものがある。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、基材の両面に塗工層が形成され、高い白紙光沢度を有する軽量の電子写真用転写紙であって、フルカラー複写機等に使用した場合でも機内での走行トラブルの発生がなく、風合い、画像コントラストに優れた高画質の画像が得られる電子写真用転写紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法に用いる画像出力装置の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 熱定着ローラ
2 圧着ローラ
3 加熱源
4 定着部材表面層
5 弾性層
6 トナー画像
7 被転写体
11 感光体(潜像担持体)
12 ローラ型帯電器
13 露光装置
14 四色現像器(14a、14b、14c、14d)
15 中間転写体
16 クリーナー
17 光除電器
18 支軸ローラ(18a、18b、18c)
19 転写用ローラ
Claims (2)
- 基材の両面に受像面としての塗工層を有する電子写真用転写紙であって、坪量が40〜100g/m2の範囲、密度が1.00〜1.40g/cm 3 の範囲、白紙光沢度が45%以上、平滑度が200〜4000秒の範囲であり、かつ、CD曲げこわさが0.40〜2.50mN・mの範囲であることを特徴とする電子写真用転写紙。
- 潜像担持体表面に潜像を形成する工程、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像する工程、現像されたトナー画像を被転写体に転写する工程、及び被転写体表面のトナー画像を加熱圧着する定着工程を含む画像形成方法において、前記被転写体が請求項1に記載の電子写真用転写紙であり、被転写体の両面に画像が形成されることを特徴とする画像形成方法。
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