JP4445741B2 - 湿式電子写真用記録シート - Google Patents

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Description

本発明は、湿式電子写真用記録シートに関するものであり、さらに詳しくは、湿式トナーを使った湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、優れたトナー定着性および転移性を有するとともに、光沢感を備えた湿式電子写真用記録シートに関するものである。
電子写真方式を用いて印刷する用途は、端末PC用プリンター、ファックス、または複写機に留まらず、多品種小ロット印刷、可変情報印刷などを可能とする、いわゆる、オンデマンド印刷分野でも実用化が進み、技術的進展が目覚ましい。近年では印刷速度向上に伴い、印刷部数が従来オフセット、グラビアなどの印刷でまかなわれていた領域に達しはじめた。
電子写真印刷は可変情報を扱えるのがメリットであるが、オフセットやグラビア印刷は長年の技術蓄積により非常に高品質の印刷を、安価な価格で達成しているため、品質面、価格面では劣っていた。そのため、印刷機械、印刷用紙の両面から高画質化、高速化、省電力化、そして低コスト化へ向けた技術開発が一段と進められている。印刷物には、より高精細で、色再現性の良さが求められているが、これは高速化、低コスト化とは相反する部分があり、トナーや印刷機械の性能はもちろんのこと、電子写真用記録シートに関してもトナー定着性、転移性、色再現性、走行性など、さらに厳しい品質要望が集まっている。
このような電子写真印刷方式のうち、乾式電子写真方式は、事務用複写機などに代表される方式で、画像を形成するトナーは、顔料と合成樹脂からなる固体粉末トナーを使用する。画像形成の方法は、コロナ帯電によって発生させた静電画像にトナーを吸着させ、このトナーを被転写物に加熱圧着する方式で印刷を行う。ところが、この方式はトナーを微細化すると周辺環境に飛散しやすくなり、これを吸入した場合健康上の問題を起こすため作業環境の悪化、さらに印刷物を汚すなどの問題が生じる。このため固体粉末トナーを微細化するには限界があり、高解像度が得られにくい。さらには被転写物の厚さが不均一なことから、コロナ放電による被転写物面の電荷密度にばらつきが生じ、非画線部に、かぶりと呼ばれる好ましくない画像が生じたり、ある程度高い温度で溶融固化しなければならないなどの多くの問題がある。
一方、可変情報を扱える他の有望な印刷方式にはインクジェット方式がある。インクジェット方式は、細かなインク滴を被転写物表面に噴出し、画像を形成する方式である。近年の技術進歩は凄まじく、非常に高画質となり、弱点であった耐候性も顔料タイプのインクの出現により大幅に改善されてきた。しかし、オフセット印刷などと比べてしまうと、印刷速度が遅く、水を多量に含んだインクを使うため、普通紙では吸水による波打が発生することがある。さらに、高画質を得るためには比較的高価な専用紙を使用しなければならないという問題がある。
そこで、オンデマンド印刷領域で、可変情報を扱え、高画質、高速、コストなどの条件を満たすことを考えた場合、各種印刷方式の中でも、湿式電子写真方式が最も有望な方式である。これは湿式電子写真方式が、液体媒体中にトナーを分散させるため、粉体の飛散などが問題とならず、乾式電子写真方式に比べてトナーを1/10以上まで微細化できること、すなわち、ドットを微細にできることに加えて、色材として顔料を使用できるために耐候性や耐水性の問題がないことなどの理由による。実際、近年の湿式電子写真印刷方式による印刷画像はオフセット印刷と同等レベルに達している。
ゆえに、雑誌表紙、カタロ、写真集、高級宣伝物などの高度な品質を要求される用度には、湿式電子写真印刷方式の分野の応用が可能である。しかし、これに適した150超〜200g/m2の坪量の湿式電子写真用塗工紙はほとんどないのが現実である。これは、以下に説明する理由により、一般塗工紙の湿式電子写真印刷方式に対する適性が低いからである。
湿式トナーは、ブランケットロールからシートに画像を転写するときに電荷などを利用しない。湿式トナーの印刷用シートの接着性がブランケットロールのそれよりも高いことを利用して画像を転写させる。つまり、ブランケットロールからの湿式トナーの剥離が重要となり接着能力を必要以上に高くできない。このため、湿式電子写真方式の印刷の場合、シートの種類によっては印刷をしても十分なトナー強度が得られなかったり、トナー粒子が十分にシートに転写しないと言う欠点がある。このような問題を解決するため、原紙中の灰分量を規定し、かつ表面にジルコニウムを塗布したり(例えば、特許文献1参照。)、表面平滑性とサイズ剤を工夫したりしている(例えば、特許文献2参照。)例がある。これらは、普通紙(非塗工)タイプの印刷用紙に対して有効である。
ところが、印刷用塗工シートの場合、上記手法は通用せず、また市販印刷用紙で湿式電子写真印刷方式に対し十分なトナー適性を持つものは皆無である。この問題を解決するために、顔料やバインダーの種類とバインダーの配合量を規定することによって解決しようとしている例がある(例えば、特許文献3参照。)。しかし、実際には、湿式トナーの定着性や転移性はさまざまな物質が複雑に関係したシート表面の物理的、化学的性質に大きく左右されており、このような手法だけでトナー定着性および転移性の向上を充分成し遂げることは難しいといえる。
シートの種類を選ばずに湿式電子写真印刷適性を与えるための手段として、一般に知られている”サファイア処理”と呼ばれている手段があるが、この手法はシートの作製において後工程を必要とするためコスト的に見合わない。また、経時でシートが黄色くなると言う欠点を持つ。
これらの問題を解決するために、塗工層表面の湿式トナーと相互作用できるエリアを主に使用する材料の面からコントロールすることによって湿式トナー適性をもった電子写真用記録シートの作製を達成させた例がある(例えば、特許文献4参照。)。しかし、これらの手法では、塗工紙をどのような物性を持たせれば、湿式トナー適性を持つのかが不明であった。
特開平10−171146号公報 特開平10−171148号公報 特開平9−281739号公報 特願2002−343237号公報
今後の印刷物の高品位化を達成し、さらに高速印刷、後工程の操業性を考え合わせると、湿式トナーとの定着性に優れた湿式電子写真用記録シートは強く求められる。本発明の目的は、物性値をコントロールすることにより、湿式トナーの定着性および転移性が良好でありながら高い光沢感を有する塗工タイプの湿式電子写真用記録シートを提供することにある。
本発明者は、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、以下のような湿式電子写真用記録シートを発明するに至った。
すなわち、シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、シート状基材が紙であり、坪量が150超〜200g/m2、該塗工面のスムースター平滑度が2.0〜5.0kPa、ベック平滑度が500〜1200秒であり、スムースター透気度が0.3〜1.0kPaであり、かつ白紙光沢値65〜85%であることを特徴とするものである。
本発明において、スムースター平滑度が2.5〜3.5kPa、ベック平滑度が600〜900秒、白紙光沢値が70〜80%であることが好ましい。
また、本発明において、湿式電子写真用記録シートが、湿式トナーによる画像がブランケット胴に形成されシートに転写される間に2回転以上ブランケット胴が回転する印刷方式に用いられることが好ましい。
加えて、製造工程の最後にシート面温度50〜80℃でスーパーカレンダー処理して製造されることが好ましい。
以上の結果より、本発明の湿式電子写真用記録シートは、本発明で規定する物性値を満足させることで、湿式電子写真印刷において優れた湿式トナー定着性および転移性を有するとともに、光沢感を備えた湿式電子写真用記録シートが得られる。
以下、本発明の湿式電子写真用記録シートについて、詳細に説明する。
本発明者は、湿式電子写真方式におけるトナーの湿式電子写真用記録シートへの定着性および転移性について研究を重ねた結果、湿式トナーの定着性には通常の塗工紙とは全く異なった塗工紙物性が必要であることを見いだした。すなわち、表面は平滑でありながらも、塗工層表層に微細な空隙を残すことが必要であることを見いだした。
それは、湿式トナーと塗工シートの接着が湿式トナーと塗工層表面との相互作用で起こるためである。表面が平滑にならないと光が乱反射し、光沢感が出ないため、光沢感を上げるためには表面を平滑にする必要がある。しかし、表面を単に平滑にすると、塗工シート表面の湿式トナーと相互作用可能な面積が減少する。表面を粗いままで保てば相互作用可能な面積は広がるが、光沢が出ない。この相反する事象を同時に成り立たせるためには塗工層の透気度を高くすると良い。塗工層の透気度を高くすると、人間の目で認識できるよりも小さなレベルで塗工層の隙間が多くなる。この微細な隙間が湿式トナーと塗工層表面との相互作用面積を増加させる。
スムースター平滑度は、その測定機構上、塗工層表面の平滑性を比較的良く表す。一方、ベック平滑度は、測定器の測定部分とシートとの接触面積が広いため、表面の凹凸を通過する空気だけでなく塗工層内部を通過する空気の影響を受ける。ベック平滑度だけではトナーとの相互作用に必要な塗工層内部の空隙の度合いをうまく表すことはできないが、坪量、スムースター平滑度と組み合わせることで、これをうまく表すことができる。スムースター平滑度が必要なのは前述の塗工層表面そのものの平滑度を考慮に入れるためで、坪量が必要であるのは、ベック平滑度測定時に塗工層を通過する空気は基材シートの影響を受けるためである。これらの物性値規定の他に白紙光沢値を加えることで、光沢感と湿式トナー適性を併せ持った塗工シートを得ることができるのである。ここで言う、スムースター平滑度とは空気マイクロメーター型平滑度試験器のことである。例えば日本検査システムズ株式会社製(旧・東栄電子工業)のものを使用して測定できる。ベック平滑度とはJIS P8119で規定される測定方法によるものである。
スムースター平滑度は2.0〜5.0kPa、ベック平滑度は500〜1200秒であり、かつ白紙光沢値が65〜85%であることがシートの湿式トナー適性を保ちながら光沢感を持たせることのできる範囲である。スムースター平滑度が2.0kPaよりも下回るとベック平滑度を1200秒以下とすることが困難となり、5.0kPaを上回ると光沢感を持たせることが困難となる。ベック平滑度が500秒を下回っても光沢感を持たせることが困難となり、1200秒を上回ると湿式トナー適性がなくなる。白紙光沢が65%を下回ると光沢感がなくなり、85%を上回るとベック平滑度を1200秒以下に保つことが困難となり、湿式トナー適性が無くなる。これまで世の中で売られているシートにはこのような微妙なバランスで保たれたものは存在せず、これが本発明のポイントとなるところである。なお、このバランスで湿式トナー適性と光沢感のバランスを取れるのは坪量が150超〜200g/m2のシートに限られる。
スムースター平滑度を2.5〜3.5kPa、ベック平滑度を600〜900秒、白紙光沢値を70〜80%の範囲内とすると、湿式トナー適性、白紙光沢感を共に高いレベルで達成させることができる。
塗工層の必要量は塗工量で表すことができる。本発明において、塗工量は8〜20g/m2であることが好ましい。この塗工量は片面の塗工量を表すものであり、両面に湿式トナー適性を持つ塗工層を設ける場合は合計で15〜40g/m2であることが好ましい。ここで、8g/m2未満では光沢感が下限程度までしか出ず、20g/m2より多いと塗工層強度に問題が生じる場合がある。
これらの手段を用いて製造した湿式電子写真用シートは、湿式トナーがブランケット胴に画像を形成してからシートに転写するまでの間に、ブランケット胴が2回転以上する印刷方式に適用すると、適用しないものに比べてより高い印刷適性を発揮することができる。このような印刷方式には、HP−indigo press w3200などのロール給紙タイプの印刷機が挙げられる。
シート上基材が紙である場合には、スムースター透気度を0.3〜1.0kPaに保つと紙が塗工層に与える影響を適切な範囲で保つことができる。基材が紙の場合はベック平滑度が塗工層だけでなく原紙内部をくぐる空気の影響も受けるので、ベック平滑度だけでは塗工層のミクロな隙間をコントロールすることができないことがあるためである。なお、ここで言う紙とは、微細な繊維状の原料によって形成されたシートを指す。
本発明では、塗工層にBET法による比表面積が100m2/g以上である物質を該塗工層の20質量%以上含まないことが好ましい。なぜなら、このような物質が存在するとベック平滑度などによって微妙にコントロールされている空隙構造が乱されることがあるためである。
本発明で規定するような物性値を持った塗工シートを製造するためには製造の最後にシート面温度50〜80℃でスーパーカレンダー処理して製造するとよい。シート面温度が特に重要で、シート面の表層の温度を十分に高くしてやることで、塗工層の接着剤成分が溶融し、必要以上に圧縮することなく光沢を出すことができる。このようにして仕上げた塗工シートは表層に比較的多くの隙間を持ち、湿式トナー適性が高くなる。50℃よりも低いと、塗工シート全体を必要以上につぶさなければならず、80℃よりも高いと、空隙を保つべき塗工層表層が必要以上に密になってしまう。このため、50〜80℃が必要なパラメーターで仕上げるのに最も良い範囲といえる。
本発明における湿式電子写真用記録シートは、湿式電子写真用記録シートとしての使用に留まらず、乾式電子写真用記録シート、オフセット印刷用シート、インクジェット用シート、熱転写用シートなどの他の印刷方式に使用することもできる。
本発明に用いられる湿式電子写真用記録シートの基材としては、木材パルプ、綿、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフなどの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセルなどのセルロース再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリウレタン系繊維などの化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などの無機繊維をシート状にしたものが使用される。
各繊維をシート状にする製法としては、一般的な抄紙工程、湿式法、乾式法、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンボンド、スパンレース、ウォータージェット、メルトブロー、ニードルパンチ、ステッチブロー、フラッシュ紡糸、トウ開維などの各工程から一つ以上が適宜選ばれる。
また、これらの繊維には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、二酸化チタン、水酸化アルミなどの各種填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤などの各種配合剤を各工程、各素材に合わせて好適に配合する
その他の基材としては、上質紙、中質紙、色上質、書籍用紙、キャスト用紙、微塗工紙、軽量コート紙、コート紙、アート紙、中質コート紙、グラビア用紙、インディア紙、コートアイボリー、ノーコートアイボリー、アートポスト、コートポスト、ノーコートカード、特板、コートボール、トレーシングペーパー、タイプ紙、PPC用紙、NIP用紙、連続伝票用紙、フォーム用紙、複写紙、ノーカーボン紙、感熱紙、インクジェット用紙、熱転写用紙、合成紙、などの紙や板紙、不織布も含まれる。
塗工する前の基材は、必要とする密度、平滑度、透気度を得るために各種表面処理やカレンダー処理を施す場合がある。
本発明において、塗工層に用いられる顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、各種カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム(粉砕炭酸カルシウム)などの精製した天然鉱物顔料、軽質炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)、炭酸カルシウムと他の親水性有機化合物との複合合成顔料、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、焼成カオリン、プラスチック顔料などが挙げられる。
塗工液に用いられるバインダーとしては、天然植物から精製した澱紛、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱紛、エーテル化澱紛、りん酸エステル化澱粉、酵素変性澱紛やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの天然多糖類およびそのオリゴマーさらにはその変性体が挙げられる。
さらに、ガゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲンなどの天然タンパク質およびその変性体、ポリ乳酸、ペプチドなどの合成高分子やオリゴマーが挙げられる。加えて、スチレン−ブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルなどの各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物などが挙げられる。これらは一種以上で使用することができる。この他、公知の天然、合成有機化合物を使用することは特に限定されない。
また、塗工液に用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
また、必要に応じて、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
本発明において、塗工層を塗工する方法は、特に限定されるものではなく、サイズプレス、ゲートロール、シムサイザーなどの各種フィルムトランスファーコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、ダイレクトファウンテンコーター、スプレーコーター、キャストコーターなどの各方式を適宜使用する。
さらに、一連の操業で、塗工、乾燥された塗工紙は要求される、密度、平滑度、透気度、外観を得るために、必要に応じてカレンダー処理などの各種仕上げ処理が施される。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、質量部および質量%を示す。
(実施例1)〜(実施例、(参考例1)〜(参考例17)および(比較例1)〜(比較例4)
下記の配合にて、実施例1〜4、参考例1〜17および比較例1〜4の湿式電子写真用記録シートを作製した。
<原紙>
LBKP(濾水度330〜440mlcsf) 70部
NBKP(濾水度390〜490mlcsf) 30部
軽質炭酸カルシウム(*原紙中灰分で表示) *8部
市販カチオン化澱粉 1.0部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し、坪量として、比較例1では107g/m2参考例1では124g/m2参考例3では167g/m2、比較例2では176g/m2、その他の実施例、参考例および比較例では153g/m2の原紙を抄造した。
この原紙に対して、サイズプレスにより両面0.80g/m2の酸化澱粉を付着させ、塗工用原紙を得た。
<塗工液>
市販重質炭酸カルシウム 80部
市販高白微粒カオリン 15部
市販有機中空顔料 5部
スチレンブタジエン系ラテックスバインダー
(平均粒子径100nm、ゲル含有量40%、Tg5℃) 10部
市販燐酸エステル化澱粉 3部
市販ポリアクリル酸系分散剤 適当量
市販ステアリン酸カルシウム 適当量
市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC) 0.1部
水酸化ナトリウムにてpH9.6に調製
上記の塗工液を調整し、ファウンテン/ブレードコーターを用いて片面15.7g/m2、両面で31.4g/m2の塗工量で塗工した。塗工後、表1〜3に示した線圧でスーパーカレンダー処理を表裏各5ニップずつ施して、湿式電子写真用記録シートを得た。
仕上がった各実施例、各参考例および各比較例における坪量、スムースター平滑度、ベック平滑度、白紙光沢、スーパーカレンダー線圧は表1〜3に示した。また実施例4および参考例11,12におけるスムースター透気度は表2に、参考例1317に関してのスーパーカレンダー処理温度は表3に記載した。
Figure 0004445741
Figure 0004445741
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上記実施例1〜4、参考例1〜17および比較例1〜4により得られた湿式電子写真用記録シートについて、下記の測定方法により測定し、その評価結果を表4〜6に掲げた。
1.印刷
湿式電子写真用枚葉転写機として、HP社製「HP−indigo press1000(旧E−print1000)」、巻き取り式印刷機として、HP社製「HP−indigo press w3200」を用いて評価を行った。評価に使用するための印刷画像としては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各4色についてベタ印字部があるような画像を出力するようにした。ベタ印字部の印刷面積としては、最低でも一辺が3cm以上の四角形になるようにした。印刷したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のベタ印刷部について以下の2〜5のような定着評価を行った。評価結果を表4〜6に表す。表4〜6にはトナーの定着性や転移性の評価を総合して印刷適性として表し、これらの中で最も低かった評価で表した。
2.テープ剥離
印刷後、24時間経過した印刷サンプルに幅18mmのニチバン社製セロハン粘着テープ「セロテープ(R) No.405」を各色の印刷部に貼りむらが無いように貼りつけ、180度剥離で約5mm/秒の速さでゆっくりとテープを剥がした。剥離後のトナーの紙への定着度合いを目視により判定し、以下の基準で5段階評価を行った。
◎:各色共にトナーが紙の上に大部分残っている。
○:各色共にトナーが残っているが、テープ剥離後の印刷部の印刷濃度が下がるのがわかる。
△:一部の色でトナーが紙から剥がれ、印刷部に白く抜けた部分がある。
×:各色共にトナーが紙から剥がれ、印刷部の白く抜けた部分が目立つ。
3.こすれ
こすれ評価は、JIS P8147「紙および板紙の摩擦係数試験方法」の水平法を応用した。各実施例および比較例について、水平板には、白紙の湿式電子写真用記録シートを取り付け、おもりには、上記の印刷機で印刷された印刷部がある該記録シートを取り付けた。そして、印刷部がある該転写紙をおもりに貼りつける場合、印刷部の印刷された面が、水平板に取り付けられた白紙の該記録シートと擦りあうようにした。
以上のように、試験片を水平板、おもりに貼りつけた後は、JIS P8147に記載されている条件でおもりを水平板の上で滑らせる。「摩擦試験」においては、一つの試験片の組み合わせで一度だけ、水平板上でおもりを滑らせるが、本評価においては、一つの試験片の組み合わせで50回、おもりを水平板の上で滑らせた。使用した試験片は印刷後24時間経過したものを使用した。
その後、おもりに取り付けられた印刷部を観察し、紙同士の擦れによるトナーの脱落度合いを観察した。印刷部のトナーの残り具合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色共に印刷部の濃度低下がほとんど認められない。
○:各色共にわずかながら印刷濃度が下がるのがわかる。
△:各色共に印刷濃度が下がるのがわかる。
×:各色共に印刷濃度が下がるのがわかり、部分的に白く抜けた箇所がある。
4.消しゴム剥離
印刷後、24時間後に各色の印刷部を未使用消しゴム「トンボ鉛筆、PE−01A」の角を利用して、均一の力で5往復させた。往復後のトナーの紙への定着度合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色共にトナーが紙から剥離しない。
○:一部に紙から剥離するトナーが存在するが2割未満である。
△:5割未満でトナーが紙から剥がれ、一部に白く抜けた部分がある。
×:各色とも紙からトナーが容易に剥がれ、白く抜けた部分が目立つ。
5.転移性
湿式電子写真用転写機としてHP社製「HP−indigo press1000(旧E−print1000)」を使って印刷を行った後、プリントクリーナーで掃除を行い、プリントクリーナーの汚れ方で転移性を判断した。
◎:全く汚れない。
○:ごく小さい汚れが付着する。
△:小さい汚れが付着する。
×:はっきりと汚れる。
Figure 0004445741
Figure 0004445741
Figure 0004445741
<評価結果>
すべての実施例のように、本発明におけるパラメーターの範囲内に物性値をおさめることで、好ましい湿式電子写真印刷適性が発揮される。しかし、比較例3、比較例4のように物性値のパラメーターが範囲外となると湿式電子写真印刷適性が無くなる。一方、比較例1、2の様に物性値パラメーターが範囲内となっても坪量が150超〜200g/m2の範囲外となると適性が発揮されない。参考例4、5、9、10および参考例6〜8を比較するとわかるとおり、湿式電子写真印刷適性を高いレベルで保つために有効な範囲であるといえる。参考例11、12および実施例を比較するとわかるとおり、基材が紙の場合には、透気度を0.3〜1.0kPaの間に保つことが湿式電子写真特性を高いレベルで保つために必要である。参考例1317および参考例1416を比較するとわかるとおり、紙面温度を50〜80℃の範囲内で保つと物性コントロールがしやすいことがわかる。
オンデマンド印刷領域における可変情報を扱える湿式電子写真方式による湿式電子写真用記録シートに適用できるものである。

Claims (4)

  1. シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、シート状基材が紙であり、坪量が150超〜200g/m2、該塗工面のスムースター平滑度が2.0〜5.0kPa、ベック平滑度が500〜1200秒であり、スムースター透気度が0.3〜1.0kPaであり、かつ白紙光沢値65〜85%であることを特徴とする湿式電子写真用記録シート。
  2. スムースター平滑度が2.5〜3.5kPa、ベック平滑度が600〜900秒、白紙光沢値が70〜80%である請求項1記載の湿式電子写真用記録シート。
  3. 湿式電子写真用記録シートが、湿式トナーによる画像がブランケット胴に形成されシートに転写される間に2回転以上ブランケット胴が回転する印刷方式に用いられることを特徴とする請求項1または2記載の湿式電子写真用記録シート。
  4. 製造工程の最後にシート面温度50〜80℃でスーパーカレンダー処理して製造されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の湿式電子写真用記録シート。
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