JP2007078960A - 湿式電子写真用記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、極めて優れたトナー定着性および転移性を提供する。
【解決手段】シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、最上層の塗工量が3〜30g/m2であり、該塗工層中の顔料100質量部に対して結晶セルロースを1から5質量部配合することを特徴とする湿式電子写真用記録シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、湿式電子写真方式を用いて印刷する湿式電子写真用記録シートに関するものである。さらに詳しくは、トナーを使った湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、トナー定着性が良好な湿式電子写真用記録シートに関するものである。
電子写真方式を用いて印刷する用途は、端末PC用プリンター、ファックス、または複写機に留まらず、多品種小ロット印刷、可変情報印刷などを可能とする、いわゆる、オンデマンド印刷分野でも実用化が進み、技術的進展が目覚しい。近年では印刷速度、画質の向上に伴い、印刷部数が従来オフセットやグラビアなどの印刷で行われていた領域でも利用され始めた。
電子写真印刷は無版の印刷方式であるが故に可変情報を扱えるのがメリットであるが、オフセットやグラビア印刷は長年の技術的な蓄積によって高品質の印刷が安価な価格で享受できる、同一の印刷を多量に行う場合のコスト競争力は劣っている。そのため、印刷機械、印刷用シートの両面から高画質化、高速化、省電力化、そして低コスト化へ向けた技術開発が一段と進められている。印刷物には、より高精細で、色再現性の良さが求められているが、これは高速化、低コスト化とは相反する部分があり、トナーや印刷機械の性能はもちろんのこと、電子写真用記録シートに関してもトナー定着性、転移性、色再現性、走行性など、さらに厳しい品質要望が集まっている。
電子写真印刷方式のうち、乾式電子写真方式は、事務用複写機などに代表される方式で、画像を形成するトナーは、顔料と合成樹脂からなる固体粉末トナーを使用する。画像形成の方法は、コロナ帯電によって発生させた静電画像にトナーを吸着させ、このトナーを被転写物に加熱圧着する方式で印刷を行う。ところが、この方式は高画質化を狙ってトナーを微細化すると周辺環境に飛散が容易となり、これを人間が吸入した場合に健康上の問題を起こすおそれがあり、さらに印刷物を汚すなどの問題も生じる。このため固体粉末トナーを微細化するには限界があり、高解像度が得られにくい。さらには被転写物の厚さが不均一なことから、コロナ放電による被転写物面の電荷密度にばらつきが生じ、非画線部に、かぶりと呼ばれる好ましくない画像が生じる、または、ある程度高い温度で溶融固化しなければならないなどの多くの問題がある。
一方、可変情報を扱える他の有望な印刷方式にはインクジェット方式がある。インクジェット方式は、細かなインク滴を被転写物表面に噴出し、画像を形成する方式である。近年の技術進歩は目覚しく、非常に高画質となり、弱点であった耐候性も顔料タイプのインクの出現により大幅に改善されてきた。しかし、オフセット印刷やグラビア印刷と比べると、印刷速度が遅く、高画質を得るためには比較的高価な専用シートを使用しなければならないという問題がある。
そこで、オンデマンド印刷領域で、可変情報を扱え、高画質、高速、コストなどの条件を満たすことを考えた場合、各種印刷方式の中でも、湿式電子写真方式は非常に有望な方式である。これは湿式電子写真方式が、液体媒体中にトナーを分散させるため、粉体の飛散などが問題とならず、乾式電子写真方式に比べてトナーを1/10以上まで微細化できること、すなわち、ドットを微細にできることに加えて、色材として顔料を使用できるために耐候性の問題がないこと、画像の立体的な凹凸がなく印刷あがりがオフセット印刷に近いことなどの理由による。
湿式トナーは、ブランケットロールからシートに画像を転写するときには電荷の作用を利用しない。湿式トナーの印刷用シートとの接着性がブランケットロールよりも高くなるようにして画像を転写させる。つまり、ブランケットロールから印刷用シートへの湿式トナーの転写能力が重要である。トナーの接着能力を必要以上に高くすると、シートへの定着は良くなるが、同時にブランケットロールから剥がれにくくなるため、結局、必要以上にトナーの接着能力を高くできない。
このため、湿式電子写真方式の印刷の場合、印刷をしても十分なトナー強度が得られなかったり、トナー粒子が十分にシートに転写しなかったりと言う欠点がある。そこで、十分なトナー定着強度が得られるための手段として、定着剤を用紙に塗布する方法がある。例えばヒューレットパッカード社のHP indigo機であれば、”サファイア処理”という手法がある。また、このような処理を用いずに湿式電子写真印刷適性を与えるために、紙の製造段階で特定の化合物を抄きこんだり、塗布したりする方法もある。
この他には、原紙中の灰分量を規定し、かつ表面にジルコニウムを塗布したり(例えば、特許文献1参照)、表面平滑性とサイズ剤を工夫したりしている(例えば、特許文献2参照)例がある。これらは、普通紙(非塗工)タイプの印刷用紙に対して有効である。塗工シートの場合は、顔料やバインダーの種類とバインダーの配合量を規定することによって解決しようとしている例がある(例えば、特願2002−343237号参照)。しかし、実際には、これらの手段によって得られたシートは、イミン系化合物で処理したものに比べ、湿式電子写真方式の印刷適性は低かった。
これらの理由から実際の湿式電子写真方式で印刷では、定着剤で処理したシートを用いられる場合が多かった。ところが、定着剤は物性的に不安定なものが多く、シートに塗布してから効果が消失するまでの時間が短いものが多かった。
これらの問題を解決するために、塗工層表面の湿式トナーと相互作用できるエリアをコントロールすることによって湿式トナー適性をもった電子写真用記録シートの作製を達成させた例がある(例えば、特許文献3参照)。この方法は極めて優れた方法ではあり、サファイア処理を行った物よりも高い湿式トナー適性を持つ。ゆえに通常はスムーズに印刷することができるが、それでも湿式電子写真印刷適性が十分でないことがあった。
印刷物の高画質化に伴い、必要とされる湿式トナー定着性や転移性は益々高くなっており、これまでの技術では高いレベルの湿式トナー適性をシートに付与することは困難であった。
特開平10−171146号公報 特開平10−171148号公報 特開平9−281739号公報
本発明の目的は、湿式電子写真印刷方式において湿式トナーを使った湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、極めて優れたトナー定着性および転移性を有する湿式電子写真用記録シートを提供するものである。
本発明者は、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、以下のような湿式電子写真用記録シートを発明するに至った。
シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、最上層の塗工量が3〜30g/m2であり、該塗工層中の顔料100質量部に対して結晶セルロースを1から5質量部配合することを特徴とするものである。
本発明の湿式電子写真用記録シートは、極めて優れた湿式トナー定着性および転移性に優れた湿式電子写真用記録シートを得ることができる。
以下、本発明の湿式電子写真用記録シートについて、詳細に説明する。
本発明者は、湿式電子写真方式におけるトナーの湿式電子写真用記録シートへの定着性について検討した。その結果、優れた吸油性を発現する結晶セルロースを湿式電子写真用記録シートの塗工層に一定比率で配合することにより、目的とする性能が著しく向上することを見出した。
本発明の湿式電子写真用記録シートは、シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、最上層の塗工量が3〜30g/m2であり、該塗工層中の顔料100質量部に対して結晶セルロースを1から5質量部配合することを特徴とする。この条件を満たす時に限って、塗工層は湿式トナーを構成する成分である石油系の有機溶剤を吸収し、顔料および接着の働きをもつ樹脂製分の転写および定着を増進する。
結晶セルロースの配合量が1質量部を下回る場合は、塗工層の吸油性は十分でなく、期待するトナー定着性を得られない。これは湿式トナー中の接着を発現する成分と塗工層界面の間に過剰な有機溶剤が存在することで、トナーの接着力を阻害してしまうからである。また、結晶セルロースの配合量が5質量部を上回る場合は、塗工液の粘度が異常に上昇してしまい、正常な塗工工程が実現できなくなってしまう。
本発明における結晶セルロースとは、旭化成工業(株)のアビセルやセオラスといった商品名で代表されるセルロース由来の物質であり、植物パルプを解重合後に精製したものである。一般的に、平均粒子径10〜100μm、嵩密度0.2〜0.5g/cm3の物性を有する。
最上層の塗工量としては3g/m2以上とすることで、シート状基材の表面を被覆することができ、意図した性能が発揮できる。しかし、30g/m2を超える塗工量は生産性を阻害するため必要ない。
本発明における湿式電子写真用記録シートは、湿式電子写真用記録シートとしての使用に留まらず、乾式電子写真用記録シート、オフセット印刷用シート、熱転写用シートなどの他の印刷方式に使用することもできる。
本発明に用いられる湿式電子写真用記録シートの基材としては、木材パルプ、綿、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフなどの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセルなどのセルロース再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリウレタン系繊維などの化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などの無機繊維をシート状にしたもの、またはその上に樹脂フィルム層を設けたものが使用される。
繊維のシート状基材を用いる場合に各繊維をシート状にする製法としては、一般的な抄紙工程、湿式法、乾式法、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンボンド、スパンレース、ウォータージェット、メルトブロー、ニードルパンチ、ステッチブロー、フラッシュ紡糸、トウ開維などの各工程から一つ以上が適宜選ばれる。
また、これらの繊維には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、二酸化チタン、水酸化アルミなどの各種填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤などの各種配合剤を各工程、各素材に合わせて好適に配合する。さらには、これらの繊維シートの上に樹脂コート層を設ける場合もある。
基材としては、上質紙、中質紙、色上質、書籍用紙、キャスト用紙、微塗工紙、軽量コート紙、コート紙、アート紙、中質コート紙、グラビア用紙、インディア紙、コートアイボリー、ノーコートアイボリー、アートポスト、コートポスト、ノーコートカード、特板、コートボール、トレーシングペーパー、タイプ紙、PPC用紙、NIP用紙、連続伝票用紙、フォーム用紙、複写紙、ノーカーボン紙、感熱紙、インクジェット用紙、熱転写用紙、合成紙、などの紙や板紙、不織布、または各種樹脂やプラスチック、金属をフィルム状に成形したものも含まれる。
最上層を塗工する前の基材は、必要とする密度、平滑度、透気度を得るために各種表面処理やカレンダー処理を施す場合がある。最上層を塗工する前の基材の平滑度は、特に最上層が低塗工量であるときには被覆性に対して大きく影響する為、JIS P8119「紙及び板紙−ベック平価都度試験機による平滑度試験方法」に準じた平滑度で15秒以上が望ましい。
本発明において、シート状基材に最上層およびその他の塗工層を設ける場合に用いることのできる顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、各種カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム(粉砕炭酸カルシウム)などの精製した天然鉱物顔料、軽質炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)、炭酸カルシウムと他の親水性有機化合物との複合合成顔料、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、焼成カオリン、プラスチック顔料などが挙げられる。
最上層およびその他の塗工層に用いられるバインダーとしては、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、りん酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの天然多糖類およびそのオリゴマーさらにはその変性体が挙げられる。
さらに、ガゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲンなどの天然タンパク質およびその変性体、ポリ乳酸、ペプチドなどの合成高分子やオリゴマーが挙げられる。
加えてスチレン−ブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルなどの各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物などが挙げられる。これらは一種以上で使用することができる。この他、公知の天然、合成有機化合物を使用することは特に限定されない。
また、塗工液に用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
また、必要に応じて、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
本発明において、最上層およびその他の塗工層を塗工する方法は、特に限定されるものではなく、サイズプレス、ゲートロール、シムサイザーなどの各種フィルムトランスファーコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、ダイレクトファウンテンコーター、スプレーコーター、キャストコーターなどの各方式を適宜使用する。
さらに、一連の操業で、塗工、乾燥された塗工シートは要求される、密度、平滑度、透気度、外観を得るために、必要に応じてカレンダー処理などの各種仕上げ処理が施される。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、質量部および質量%を示す。
(実施例1)〜(実施例3)及び(比較例1)〜(比較例4)
下記の内容に従って、湿式電子写真用記録シートを作製した。
<シート状基材>
LBKP(濾水度400mlcsf) 70部
NBKP(濾水度480mlcsf) 30部
軽質炭酸カルシウム(原紙中灰分で表示) 8部
市販カチオン化澱粉 1.0部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調製し87.9g/m2の坪量で原紙を抄造した。
この原紙に対して、サイズプレスにより両面0.80g/m2の酸化澱粉を付着させ、塗工用原紙を得た。
<塗工液>
塗工液のラテックスバインダーについては、表1の物性のスチレン−ブダジエン系の物を適宜配合した。ラテックスバインダーの部数、その他の配合は以下の通りである。
市販重質炭酸カルシウム(2μm以下が90%) 100部
市販結晶セルロース(旭化成工業(株)製 アビセル) 配合部数は表に記載
ラテックスバインダー 11部
市販燐酸エステル化澱粉 2部
市販ステアリン酸カルシウム 0.6部
市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC) 0.1部
水酸化ナトリウムにてpH9.6に調製
上記の塗工液を濃度63%、操業速度1200m/分でファウンテン/ブレードコーターを用いて片面10g/m2、両面で20g/m2の塗工量で塗工した。塗工後、スーパーカレンダー処理を表裏各4ニップずつ、線圧200kN/m、温度80℃で施して、湿式電子写真用記録シートを得た。
(実施例4)、(実施例5)、および(比較例5)
塗工量を表2に示したものとした以外は、実施例1と同様に実施例4、5および比較例5の湿式電子写真用記録シートを得た。
上記実施例1〜3および比較例1〜4により得られた湿式電子写真用記録シートについて、下記の測定方法により測定し、その評価結果を表1に掲げた。また、実施例4、5、および比較例5の評価結果を表2に挙げた。
1.湿式トナー適性
湿式電子写真用転写機として、HP社製「HP−indigo press1000(旧E−print1000)」を用いて評価を行った。評価に使用するための印刷画像としては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各4色についてベタ印字部があるような画像を出力するようにした。ベタ印字部の印刷面積としては、最低でも一辺が3cm以上の四角形になるようにした。印刷したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のベタ印刷部について以下の1−1〜1−4のような定着評価を行った。なお、表1および2にはこれらの評価結果のうち最も低かった物を湿式トナー適性として示した。
1−1.テープ剥離
枚葉式、巻き取り式共に、印刷後24時間経過した印刷サンプルに幅18mmのニチバン社製セロハン粘着テープ「セロテープ(R) No.405」を各色の印刷部に貼りむらが無いように貼りつけ、180度剥離で約5mm/秒の速さでゆっくりとテープを剥がした。剥離後のトナーのシートへの定着度合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色全くトナーが剥離しない。
○:各色共にトナーがシートの上に大部分残っている。
△:一部の色でトナーがシートから剥がれ、印刷部に白く抜けた部分がある。
×:各色共にトナーがシートから剥がれ、印刷部の白く抜けた部分が目立つ。
1−2.こすれ
こすれ評価は、JIS P8147「紙および板紙の摩擦係数試験方法」の水平法を応用した。各実施例および比較例について、水平板には、白紙の湿式電子写真用記録シートを取り付け、おもりには、上記の印刷機で印刷された印刷部がある該記録シートを取り付けた。そして、印刷部がある該記録シートをおもりに貼りつける場合、印刷部の印刷された面が、水平板に取り付けられた白紙の該記録シートと擦りあうようにした。
以上のように、試験片を水平板、おもりに貼りつけた後は、JIS P8147に記載されている条件でおもりを水平板の上で滑らせる。「摩擦試験」においては、一つの試験片の組み合わせで一度だけ、水平板上でおもりを滑らせるが、本評価においては、一つの試験片の組み合わせで50回、おもりを水平板の上で滑らせた。使用した試験片は印刷後24時間経過したものを使用した。
その後、おもりに取り付けられた印刷部を観察し、シート同士の擦れによるトナーの脱落度合いを観察した。印刷部のトナーの残り具合を目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色共に印刷部の濃度低下が全く認められない。
○:各色共にわずかながら印刷濃度が下がるのがわかる。
△:各色共に印刷濃度が下がるのがわかる。
×:各色共に印刷濃度が下がるのがわかり、部分的に白く抜けた部分がある。
1−3.消しゴム剥離
印刷後、24時間後に各色の印刷部を未使用消しゴム「トンボ鉛筆、PE−01A」の角を利用して、均一の力で5往復させた。往復後のトナーのシートへの定着度合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色共にトナーがシートから全く剥離しない。
○:各色共にトナーがシートからほとんど剥離しない。
△:一部にシートから剥離するトナーが存在するが2割未満である。
×:各色ともシートからトナーが容易に剥がれ、白く抜けた部分が目立つ。
1−4.転移性
各印刷機で500部印刷を行った後、プリントクリーナーで掃除を行い、プリントクリーナーの汚れ方で転移性を判断した。
◎:ほとんど汚れない。
○:ごく小さい汚れが付着する。
△:小さい汚れが付着する。
×:はっきりと汚れる。
2.塗工適性
塗工速度1500m/分の操業を10分間行い、ブレード先端を目視にて観察し、ストリーク、ブリーディングおよび石筍といった塗工欠陥の発生具合を評価した。
◎:塗工欠陥が全く見られず、操業性に優れる。
○:塗工欠陥がほとんど見られず、操業上問題がない。
△:操業上問題をきたす塗工欠陥が見られる。
×:塗工欠陥が著しく発生する為、通常の操業が不可能である。
Figure 2007078960
Figure 2007078960
<評価結果>
比較例1〜4のように本発明で規定する結晶セルロースの配合量を満たしていない物は塗工適性か湿式トナー適性か塗工層強度に問題を生じた物となる。比較例1および2は結晶セルロースの配合量が少ない為、塗工層の吸油性が十分でなく、湿式トナー定着性が悪くなり湿式トナー適性が高度に発揮されない。比較例3〜4のように結晶セルロースの配合量が多すぎると塗工液の粘度上昇により塗工適性が悪化し、平滑な塗工紙が得られなくなる。そのため、湿式トナーと塗工層の密着性が低下して、結果的に湿式トナーの転写性や定着性が著しく低下してしまう。これらの比較例に対し、実施例1〜3のように結晶セルロースの配合量が本発明の範囲内に入っている場合は、高度な湿式トナー適性を、塗工適性に問題を与えることなく、発揮させることができる。また、最上層の塗工量も性能を発揮する上で重要であり、結晶セルロースの配合量が適切で、かつ塗工量が規定された範囲に入っている実施例4と5は非常に良好な湿式トナー適性を示したが、塗工量が規定よりも少ない比較例5は最上層による被覆が十分でない為、最上層が本来有するはずの湿式トナー適性が発揮できていない。
オンデマンド印刷領域における可変情報を扱える湿式電子写真方式による湿式電子写真用記録シートに適用できるものである。

Claims (1)

  1. シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、最上層の塗工量が3〜30g/m2であり、該塗工層中の顔料100質量部に対して結晶セルロースを1から5質量部配合することを特徴とする湿式電子写真用記録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014005044A (ja) * 2012-06-26 2014-01-16 Kansai Tube Kk 印刷が施されたチューブ状積層容器及びその製造方法

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